JPS6138231B2 - - Google Patents
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- JPS6138231B2 JPS6138231B2 JP3543578A JP3543578A JPS6138231B2 JP S6138231 B2 JPS6138231 B2 JP S6138231B2 JP 3543578 A JP3543578 A JP 3543578A JP 3543578 A JP3543578 A JP 3543578A JP S6138231 B2 JPS6138231 B2 JP S6138231B2
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Landscapes
- Braking Arrangements (AREA)
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- Laminated Bodies (AREA)
Description
本発明は摺動部材に関し、さらに詳しくは特に
航空機用摺動部材に関する。 航空機は年々大型化し、かつその着陸速度も増
加しているので航空機に満足なブレーキを設ける
ことは益々困難となつてきている。航空機用ブレ
ーキは通常の着陸の際は摩擦面の摩耗が最小の状
態で航空機を停止させるよう設計されねばならな
い。更に航空機用ブレーキは重量と速度の可能な
最悪の組合せの下で離陸を中断した場合でも航空
機を停止させ得るように設計されねばならない。
この場合にはブレーキが吸収すべき運動のエネル
ギーは通常の着陸の際に吸収するエネルギーの3
倍または4倍である。ブレーキをこのように使用
すると通常はそれ以後使用できない。 また一方、航空機用ブレーキは可能な限り軽量
であることが要求される。従つてその重量を減少
させると通常のブレーキでは熱容量が減少し、緊
急着陸時のブレーキの摺動面温度は1500℃以上に
も達する。また温度の上昇は摺動面の摩耗を増加
させ、また、摺動面間の摩擦係数を低下させる。 もし、温度が着陸時に過度に高くなればブレー
キに使用する摺動部材が金属製であれば耐用でき
なくなり、従つて航空機用ブレーキの摺動部材は
熱容量が大きく、熱伝導が良く、満足な摩擦特性
を有し、使用温度範囲において充分な強度を有
し、更に耐摩耗性が有り、かつ、なるべく軽量の
材料より製造すべきである。 従つて従来からかかる摺動部材として炭素系の
ものとりわけ炭素材と炭素繊維を組み合せたいわ
ゆるC/Cコンポジツト系のものが提案されて来
た(例えば特公昭38−17808、および特公昭45−
34922)。かかるC/Cコンポジツト系素材の摺動
部材は軽量で高強度であり、耐熱衝撃性も優れて
いるがブレーキの作動条件により異常摩耗をおこ
しやすく、摩耗係数も不安定となり実用化には問
題がありこれらの対策が望まれていた。 本発明は、前記問題点を解消するためになされ
たもので炭素繊維およびシリコンカーバイド繊維
と粘結材とからなる複合材を焼成して該粘結材を
炭化せしめ、該炭素繊維およびシリコンカーバイ
ド繊維を結合せしめてなることを特徴とするもの
である。 本発明における複合材を構成する炭素繊維(黒
鉛繊維を含む)およびシリコンカーバイド繊維は
連続長繊維(以下、長繊維という)でも、クロ
ス、シート、フエルト状のものでも、あるいは短
繊維のチヨツプ状のものでも良い。長繊維は粘結
材とともにワインデイングして積層、複合し、ま
たクロス、シート、フエルト状のものは粘結材に
浸漬せしめたのち積層するかあるいは粘結材を加
えることなく積層したのち粘結材を含浸して複合
する。さらに短繊維は粘結材と混合したのち成型
複合する。 本発明における炭素繊維はレーヨン系、PAN
系、およびピツチ系等の通常の炭素繊維が使用出
来、特にプレカーサーの種類によつて限定される
ものではない。また短繊維で使用する場合、その
繊維長は1〜50mmの範囲のものが好ましく、特に
5〜30mmの範囲のものが好ましい。繊維長1mm未
満の炭素繊維を使用した場合、混合時の嵩が大き
くなり粘結材との混合が十分なされずそのため、
十分な強度の製品が得られない。また繊維長が50
mmを超えると繊維同志が絡み合い粘結材中におけ
る分散が悪くなる。シリコンカーバイド繊維は炭
素とケイ素とを主な骨格成分とする有機高分子化
合物を紡糸したのち不融化してさらに焼成して成
るものである。前記有機高分子化合物はたとえば
下記の如き分子構造を有するものを必要とする。 (イ) (ロ) (ハ) (ニ) 前記(イ)〜(ハ)記載の骨格成分を鎖状、環状およ
び三次構造のうち少なくとも一つの部分構造と
して含むもの又は(イ)、(ロ)、(ハ)の混合物。 シリコンカーバイド繊維を短繊維で使用した場
合、その繊維長は前記の炭素繊維の場合と同様で
1〜50mmの範囲のものが好ましく、更に5〜30mm
の短繊維が好ましい。上記範囲外の短繊維が使用
上不都合である理由は上述と同様である。 本発明で使用する炭素繊維やシリコンカーバイ
ド繊維はその表面を活性化し、粘結材との複合を
良好にするため適宜な表面処理を行つてもよい。 炭素繊維については例えば、引張強度200〜300
=Kg/mm2、弾性率20〜38ton/mm2、シリコンカーバ
イド繊維については引張強度250〜450Kg/mm2、弾
性率18〜30ton/mm2の特性を有するものが好ましく
使用される。炭素繊維による補強は強度の増大と
りわけ高温特性の増大に寄与するだけではなく、
熱伝導率の増大や軽量化にも著るしい効果を示
す。またシリコンカーバイド繊維による補強は炭
素繊維の場合と同様に強度の増大には寄与する
が、摩耗量の減少、摩耗係数の安定化および異常
摩耗の除去に著るしい効果を示す。シリコンカー
バイドの粉末添加は強度的な補強効果は殆んど無
く、又高温においては破損の原因ともなつてい
た。これを本発明における如く繊維の形状で添加
することは強度的な補強効果が著るしく、又、摩
擦係数も安定化し相手材に対する摩耗現象も均一
に生じるという利点がある。 本発明において粘結材は、ピツチ、タール、合
成樹脂等が使用出来、それを単独あるいは混合し
て使用する。特にフエノール系(レゾール型ある
いはノボラツク型のいずれも使用可能)合成樹
脂、フラン系合成樹脂、ピツチ等が好ましく、強
度の面で炭化収率の大なるものが好ましい。 本発明において、繊維の添加量は最終製品の強
度および摺動特性に大きく影響する。従つて本発
明では短繊維(炭素繊維とシリコンカーバイド繊
維を含む)と合成樹脂との割合すなわち(炭素繊
維+シリコンカーバイド繊維)/粘結材は最終製
品で10〜50vol%が好ましく、さらに20〜40vol%
が好ましい。この場合、10vol%未満では繊維の
補強効果が得られず、得られる製品はもろくま
た、摩擦係数も低下する。また50vol%を超える
と繊維の分散が不良となりしかも粘結材が不足す
るので製品の強度劣化の傾向があらわれ、またそ
の価格も高いものとなる。 また、長繊維およびクロス状、シート状、フエ
ルト状などの繊維を用いた場合、最終製品に対す
る繊維(炭素繊維+シリコンカーバイド繊維)/
粘結材の割合は10〜75vol%が好ましく、さらに
30〜65vol%が特に好ましい。該割合が前記範囲
をはずれた場合の不都合は短繊維の場合と同様で
ある。シリコンカーバイド繊維と炭素繊維の割合
すなわちシリコンカーバイド繊維/炭素繊維の体
積比は短繊維を使用する場合、長繊維およびクロ
ス状、シート状、フエルト状などを用いた場合、
いずれも0.5〜1.5:2の範囲が好ましく、中でも
1:2付近が最適である。 上述の範囲よりもシリコンカーバイド繊維が
大、すなわち1.5/2を超える場合、熱伝導効果
が不良であり逆にシリコンカーバイド繊維が小す
なわち0.5/2よりも小である場合、前記した如
き効果は得られない。 本発明の摺動部材は以下に詳述する3通りの複
合、結合方法によるのが有効である。 第1の方法は短繊維の炭素繊維およびシリコン
カーバイド繊維をフエノール系樹脂等の粘結材に
分散せしめ型込めし、100〜130℃の温度で所定時
間(10〜20分間)保持後、80〜200Kg/cm2で加圧
し、加圧下の状態で150〜200℃の温度に所定時間
(1〜5時間)保持し、成型し、さらに800〜1600
℃の温度下熱処理を行う。この場合、1600℃を超
えると、シリコンカーバイド繊維の結晶化が促進
して相手材をけずり好ましくない。 第2の方法は炭素繊維およびシリコンカーバイ
ド繊維フイラメントに各々粘結材を含浸せしめワ
インデイングを行い第1の方法における熱処理と
同様の条件で行うものである。 第3の方法は炭素繊維およびシリコンカーバイ
ド繊維のクロス、シート、フエルトなどを各各別
個またはこれらを積層し、次いで粘結材を含浸す
るか、あるいは各々にまず粘結材を含浸しついで
プリプレグ状として積層したのち第1の方法にお
けると同様の熱処理を行うものである。 以下、本発明をさらに実施例によつて詳しく説
明する。 実施例 1 炭素繊維(日本カーボン(株)製カーボロンZ−
3)とシリコンカーバイド繊維(日本カーボン(株)
製ニカロン)を各々5mm長の短繊維とし粘結材
としてフエノール樹脂(ノボラツク型、市販品)
を用いた。フエノール樹脂100部に対し炭素繊維
20部、シリコンカーバイド繊維10部の重量比で混
合しミキサーで30分間撹拌して均一に混合分散さ
せた。これを型込して120℃で10分間保持した
後、100Kg/cm2で加圧し、加圧したまま170℃で1
時間保持した。こうして得られた複合材を窒素ガ
ス雰囲気で900℃まで焼成した。ついでこれにピ
ツチ含浸、900℃焼成の工程を2回くり返したの
ち1300℃まで焼成して繊維充填率35vol%で寸法
120φ/50φ×25tmmの本発明の摺動部材を得た。
その特性を比較例とともに第1表に示す。
航空機用摺動部材に関する。 航空機は年々大型化し、かつその着陸速度も増
加しているので航空機に満足なブレーキを設ける
ことは益々困難となつてきている。航空機用ブレ
ーキは通常の着陸の際は摩擦面の摩耗が最小の状
態で航空機を停止させるよう設計されねばならな
い。更に航空機用ブレーキは重量と速度の可能な
最悪の組合せの下で離陸を中断した場合でも航空
機を停止させ得るように設計されねばならない。
この場合にはブレーキが吸収すべき運動のエネル
ギーは通常の着陸の際に吸収するエネルギーの3
倍または4倍である。ブレーキをこのように使用
すると通常はそれ以後使用できない。 また一方、航空機用ブレーキは可能な限り軽量
であることが要求される。従つてその重量を減少
させると通常のブレーキでは熱容量が減少し、緊
急着陸時のブレーキの摺動面温度は1500℃以上に
も達する。また温度の上昇は摺動面の摩耗を増加
させ、また、摺動面間の摩擦係数を低下させる。 もし、温度が着陸時に過度に高くなればブレー
キに使用する摺動部材が金属製であれば耐用でき
なくなり、従つて航空機用ブレーキの摺動部材は
熱容量が大きく、熱伝導が良く、満足な摩擦特性
を有し、使用温度範囲において充分な強度を有
し、更に耐摩耗性が有り、かつ、なるべく軽量の
材料より製造すべきである。 従つて従来からかかる摺動部材として炭素系の
ものとりわけ炭素材と炭素繊維を組み合せたいわ
ゆるC/Cコンポジツト系のものが提案されて来
た(例えば特公昭38−17808、および特公昭45−
34922)。かかるC/Cコンポジツト系素材の摺動
部材は軽量で高強度であり、耐熱衝撃性も優れて
いるがブレーキの作動条件により異常摩耗をおこ
しやすく、摩耗係数も不安定となり実用化には問
題がありこれらの対策が望まれていた。 本発明は、前記問題点を解消するためになされ
たもので炭素繊維およびシリコンカーバイド繊維
と粘結材とからなる複合材を焼成して該粘結材を
炭化せしめ、該炭素繊維およびシリコンカーバイ
ド繊維を結合せしめてなることを特徴とするもの
である。 本発明における複合材を構成する炭素繊維(黒
鉛繊維を含む)およびシリコンカーバイド繊維は
連続長繊維(以下、長繊維という)でも、クロ
ス、シート、フエルト状のものでも、あるいは短
繊維のチヨツプ状のものでも良い。長繊維は粘結
材とともにワインデイングして積層、複合し、ま
たクロス、シート、フエルト状のものは粘結材に
浸漬せしめたのち積層するかあるいは粘結材を加
えることなく積層したのち粘結材を含浸して複合
する。さらに短繊維は粘結材と混合したのち成型
複合する。 本発明における炭素繊維はレーヨン系、PAN
系、およびピツチ系等の通常の炭素繊維が使用出
来、特にプレカーサーの種類によつて限定される
ものではない。また短繊維で使用する場合、その
繊維長は1〜50mmの範囲のものが好ましく、特に
5〜30mmの範囲のものが好ましい。繊維長1mm未
満の炭素繊維を使用した場合、混合時の嵩が大き
くなり粘結材との混合が十分なされずそのため、
十分な強度の製品が得られない。また繊維長が50
mmを超えると繊維同志が絡み合い粘結材中におけ
る分散が悪くなる。シリコンカーバイド繊維は炭
素とケイ素とを主な骨格成分とする有機高分子化
合物を紡糸したのち不融化してさらに焼成して成
るものである。前記有機高分子化合物はたとえば
下記の如き分子構造を有するものを必要とする。 (イ) (ロ) (ハ) (ニ) 前記(イ)〜(ハ)記載の骨格成分を鎖状、環状およ
び三次構造のうち少なくとも一つの部分構造と
して含むもの又は(イ)、(ロ)、(ハ)の混合物。 シリコンカーバイド繊維を短繊維で使用した場
合、その繊維長は前記の炭素繊維の場合と同様で
1〜50mmの範囲のものが好ましく、更に5〜30mm
の短繊維が好ましい。上記範囲外の短繊維が使用
上不都合である理由は上述と同様である。 本発明で使用する炭素繊維やシリコンカーバイ
ド繊維はその表面を活性化し、粘結材との複合を
良好にするため適宜な表面処理を行つてもよい。 炭素繊維については例えば、引張強度200〜300
=Kg/mm2、弾性率20〜38ton/mm2、シリコンカーバ
イド繊維については引張強度250〜450Kg/mm2、弾
性率18〜30ton/mm2の特性を有するものが好ましく
使用される。炭素繊維による補強は強度の増大と
りわけ高温特性の増大に寄与するだけではなく、
熱伝導率の増大や軽量化にも著るしい効果を示
す。またシリコンカーバイド繊維による補強は炭
素繊維の場合と同様に強度の増大には寄与する
が、摩耗量の減少、摩耗係数の安定化および異常
摩耗の除去に著るしい効果を示す。シリコンカー
バイドの粉末添加は強度的な補強効果は殆んど無
く、又高温においては破損の原因ともなつてい
た。これを本発明における如く繊維の形状で添加
することは強度的な補強効果が著るしく、又、摩
擦係数も安定化し相手材に対する摩耗現象も均一
に生じるという利点がある。 本発明において粘結材は、ピツチ、タール、合
成樹脂等が使用出来、それを単独あるいは混合し
て使用する。特にフエノール系(レゾール型ある
いはノボラツク型のいずれも使用可能)合成樹
脂、フラン系合成樹脂、ピツチ等が好ましく、強
度の面で炭化収率の大なるものが好ましい。 本発明において、繊維の添加量は最終製品の強
度および摺動特性に大きく影響する。従つて本発
明では短繊維(炭素繊維とシリコンカーバイド繊
維を含む)と合成樹脂との割合すなわち(炭素繊
維+シリコンカーバイド繊維)/粘結材は最終製
品で10〜50vol%が好ましく、さらに20〜40vol%
が好ましい。この場合、10vol%未満では繊維の
補強効果が得られず、得られる製品はもろくま
た、摩擦係数も低下する。また50vol%を超える
と繊維の分散が不良となりしかも粘結材が不足す
るので製品の強度劣化の傾向があらわれ、またそ
の価格も高いものとなる。 また、長繊維およびクロス状、シート状、フエ
ルト状などの繊維を用いた場合、最終製品に対す
る繊維(炭素繊維+シリコンカーバイド繊維)/
粘結材の割合は10〜75vol%が好ましく、さらに
30〜65vol%が特に好ましい。該割合が前記範囲
をはずれた場合の不都合は短繊維の場合と同様で
ある。シリコンカーバイド繊維と炭素繊維の割合
すなわちシリコンカーバイド繊維/炭素繊維の体
積比は短繊維を使用する場合、長繊維およびクロ
ス状、シート状、フエルト状などを用いた場合、
いずれも0.5〜1.5:2の範囲が好ましく、中でも
1:2付近が最適である。 上述の範囲よりもシリコンカーバイド繊維が
大、すなわち1.5/2を超える場合、熱伝導効果
が不良であり逆にシリコンカーバイド繊維が小す
なわち0.5/2よりも小である場合、前記した如
き効果は得られない。 本発明の摺動部材は以下に詳述する3通りの複
合、結合方法によるのが有効である。 第1の方法は短繊維の炭素繊維およびシリコン
カーバイド繊維をフエノール系樹脂等の粘結材に
分散せしめ型込めし、100〜130℃の温度で所定時
間(10〜20分間)保持後、80〜200Kg/cm2で加圧
し、加圧下の状態で150〜200℃の温度に所定時間
(1〜5時間)保持し、成型し、さらに800〜1600
℃の温度下熱処理を行う。この場合、1600℃を超
えると、シリコンカーバイド繊維の結晶化が促進
して相手材をけずり好ましくない。 第2の方法は炭素繊維およびシリコンカーバイ
ド繊維フイラメントに各々粘結材を含浸せしめワ
インデイングを行い第1の方法における熱処理と
同様の条件で行うものである。 第3の方法は炭素繊維およびシリコンカーバイ
ド繊維のクロス、シート、フエルトなどを各各別
個またはこれらを積層し、次いで粘結材を含浸す
るか、あるいは各々にまず粘結材を含浸しついで
プリプレグ状として積層したのち第1の方法にお
けると同様の熱処理を行うものである。 以下、本発明をさらに実施例によつて詳しく説
明する。 実施例 1 炭素繊維(日本カーボン(株)製カーボロンZ−
3)とシリコンカーバイド繊維(日本カーボン(株)
製ニカロン)を各々5mm長の短繊維とし粘結材
としてフエノール樹脂(ノボラツク型、市販品)
を用いた。フエノール樹脂100部に対し炭素繊維
20部、シリコンカーバイド繊維10部の重量比で混
合しミキサーで30分間撹拌して均一に混合分散さ
せた。これを型込して120℃で10分間保持した
後、100Kg/cm2で加圧し、加圧したまま170℃で1
時間保持した。こうして得られた複合材を窒素ガ
ス雰囲気で900℃まで焼成した。ついでこれにピ
ツチ含浸、900℃焼成の工程を2回くり返したの
ち1300℃まで焼成して繊維充填率35vol%で寸法
120φ/50φ×25tmmの本発明の摺動部材を得た。
その特性を比較例とともに第1表に示す。
【表】
尚、第1表に示す摩擦係数、摩耗量については
PV値60Kg-m/cm2・sec共摺方式で30回の摩擦試験
を行なつた結果である。相手部材は試験品と同一
部材である。 実施例 2 6000フイラメントの炭素繊維(日本カーボン(株)
製カーボロンZ−3)、2000フイラメントのシ
リコンカーバイド繊維の連続ヤーン(日本カーボ
ン(株)製ニカロン)をフイラーとし、これをフイ
ラメントワインデイング法により連続的にフラン
樹脂(市販品)に浸した後、所定の黒鉛型枠に巻
き付けた。各繊維には1フイラメント当り50mgの
張力をかけて、たるみ等を防止した。黒鉛型枠に
巻き付けた後、黒鉛型枠ではさんだまま900℃ま
で焼成した。焼成して得られた複合材の寸法は
120φ/50φ×12tmmのドーナツ型リングで各繊維
は同心円状に均一に分散したものであつた。これ
に3回のピツチ含浸、900℃焼成をくり返し最終
的には1500℃で焼成した。 本発明品は、炭素繊維含有量が40vol%、シリ
コンカーバイド繊維含有量が20vol%であつた。
また、かさ比重1.62、シヨア硬度90、フープ引張
強度19.6Kg/mm2であつた。これをPV値80Kg-m/
cm2・secの共摺方式で摩擦試験を行なつた結果を第
2表に示す。なお、比較として市販の炭素質摺動
部材と炭素繊維のみをフイラーとする以外は本実
施例と同一製造条件で得られたC/C摺動部材を
示した。
PV値60Kg-m/cm2・sec共摺方式で30回の摩擦試験
を行なつた結果である。相手部材は試験品と同一
部材である。 実施例 2 6000フイラメントの炭素繊維(日本カーボン(株)
製カーボロンZ−3)、2000フイラメントのシ
リコンカーバイド繊維の連続ヤーン(日本カーボ
ン(株)製ニカロン)をフイラーとし、これをフイ
ラメントワインデイング法により連続的にフラン
樹脂(市販品)に浸した後、所定の黒鉛型枠に巻
き付けた。各繊維には1フイラメント当り50mgの
張力をかけて、たるみ等を防止した。黒鉛型枠に
巻き付けた後、黒鉛型枠ではさんだまま900℃ま
で焼成した。焼成して得られた複合材の寸法は
120φ/50φ×12tmmのドーナツ型リングで各繊維
は同心円状に均一に分散したものであつた。これ
に3回のピツチ含浸、900℃焼成をくり返し最終
的には1500℃で焼成した。 本発明品は、炭素繊維含有量が40vol%、シリ
コンカーバイド繊維含有量が20vol%であつた。
また、かさ比重1.62、シヨア硬度90、フープ引張
強度19.6Kg/mm2であつた。これをPV値80Kg-m/
cm2・secの共摺方式で摩擦試験を行なつた結果を第
2表に示す。なお、比較として市販の炭素質摺動
部材と炭素繊維のみをフイラーとする以外は本実
施例と同一製造条件で得られたC/C摺動部材を
示した。
【表】
実施例 3
実施例2で使用したと同一の炭素繊維を横糸
に、シリコンカーバイド繊維を縦糸にした交織ク
ロスを実施例1で用いたと同一のフエノール樹脂
に浸漬してプロプレグを作成した。このプリプレ
グクロスを裁断して積層し、所定の金型に型込し
た。120℃で15分間加熱したのち200Kg/cm2で加圧
し、さらに170℃まで昇温して加圧したまま保持
した。得られた複合材はかさ比重1.65であつた。
これを900℃で焼成しさらに4回のピツチ含浸900
℃焼成をくり返したのち、最終的には1300℃まで
焼成して、寸法120φ/50φ×25tmm、かさ比重
1.72、シヨア硬度110、曲げ強度24.8Kg/mm2、炭素
繊維含有量35vol%、シリコンカーバイド繊維含
有量20vol%の本発明の摺動部材を得た。 本発明品を共摺方式でPV値を変化させて30回
のくり返し摩擦試験を行なつた結果を第1図に示
す。 なお、この摩擦試験の結果本発明品はPV値を
10〜90Kg-m/cm2・secに変えても、また30回のく
り返し摩擦試験においても0.37±0.05の範囲に入
つた。 以上の各実施例からも分かるように本発明の摺
動部材は従来の摺動部材と比して異常摩耗が有効
に防止され摩擦係数も安定している。また、摺動
部材そのものの強度および耐酸化性も向上する。 本発明の摺動部材はこのような優れた特性を有
するもので最も過酷な条件が要求される航空機部
材として好ましく使用できる。
に、シリコンカーバイド繊維を縦糸にした交織ク
ロスを実施例1で用いたと同一のフエノール樹脂
に浸漬してプロプレグを作成した。このプリプレ
グクロスを裁断して積層し、所定の金型に型込し
た。120℃で15分間加熱したのち200Kg/cm2で加圧
し、さらに170℃まで昇温して加圧したまま保持
した。得られた複合材はかさ比重1.65であつた。
これを900℃で焼成しさらに4回のピツチ含浸900
℃焼成をくり返したのち、最終的には1300℃まで
焼成して、寸法120φ/50φ×25tmm、かさ比重
1.72、シヨア硬度110、曲げ強度24.8Kg/mm2、炭素
繊維含有量35vol%、シリコンカーバイド繊維含
有量20vol%の本発明の摺動部材を得た。 本発明品を共摺方式でPV値を変化させて30回
のくり返し摩擦試験を行なつた結果を第1図に示
す。 なお、この摩擦試験の結果本発明品はPV値を
10〜90Kg-m/cm2・secに変えても、また30回のく
り返し摩擦試験においても0.37±0.05の範囲に入
つた。 以上の各実施例からも分かるように本発明の摺
動部材は従来の摺動部材と比して異常摩耗が有効
に防止され摩擦係数も安定している。また、摺動
部材そのものの強度および耐酸化性も向上する。 本発明の摺動部材はこのような優れた特性を有
するもので最も過酷な条件が要求される航空機部
材として好ましく使用できる。
第1図は本発明の摺動部材(実施例3のもの)
および従来の摺動部材についての摩耗量とPV値
の関係を示すグラフである。 図中、1は本発明の摺動部材、2は従来の摺動
部材(C/C摺動部材)、3は同じく従来の摺動
部材(市販炭素質摺動部材)について摩耗量と
PV値の関係を示す。
および従来の摺動部材についての摩耗量とPV値
の関係を示すグラフである。 図中、1は本発明の摺動部材、2は従来の摺動
部材(C/C摺動部材)、3は同じく従来の摺動
部材(市販炭素質摺動部材)について摩耗量と
PV値の関係を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 炭素繊維およびシリコンカーバイド繊維と粘
結材とからなる複合材を焼成して該粘結材を炭化
せしめ、該炭素繊維およびシリコンカーバイド繊
維を結合せしめてなることを特徴とする摺動部
材。 2 前記炭素繊維およびシリコンカーバイド繊維
が連続長繊維であることを特徴とする特許請求の
範囲第1項記載の摺動部材。 3 前記炭素繊維およびシリコンカーバイド繊維
が1〜50mmの短繊維であることを特徴とする特許
請求の範囲第1項記載の摺動部材。 4 炭素繊維およびシリコンカーバイド繊維がそ
れぞれクロス状、シート状またはフエルト状であ
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
摺動部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3543578A JPS54129267A (en) | 1978-03-29 | 1978-03-29 | Sliding member |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3543578A JPS54129267A (en) | 1978-03-29 | 1978-03-29 | Sliding member |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS54129267A JPS54129267A (en) | 1979-10-06 |
JPS6138231B2 true JPS6138231B2 (ja) | 1986-08-28 |
Family
ID=12441765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3543578A Granted JPS54129267A (en) | 1978-03-29 | 1978-03-29 | Sliding member |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS54129267A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6274729A (ja) * | 1985-09-30 | 1987-04-06 | Nissan Motor Co Ltd | 車両用シ−ト |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5734085A (en) * | 1980-08-06 | 1982-02-24 | Toho Beslon Co | Manufacture of carbon fiber reinforced carbon composite material |
US4815572A (en) * | 1987-07-24 | 1989-03-28 | Parker-Hannifin Corporation | Brake system with improved brake material |
-
1978
- 1978-03-29 JP JP3543578A patent/JPS54129267A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6274729A (ja) * | 1985-09-30 | 1987-04-06 | Nissan Motor Co Ltd | 車両用シ−ト |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS54129267A (en) | 1979-10-06 |
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