JP7174094B2 - 表面層付き成形断熱材及びその製造方法 - Google Patents
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炭素繊維系成形断熱材と、前記炭素繊維系成形断熱材に積層された膨張黒鉛シートと、前記膨張黒鉛シートに接して積層されたシート保護層と、を有する表面層付き成形断熱材であって、前記シート保護層は、炭素繊維クロスと、前記炭素繊維クロスの全体に含浸された炭素粒子と、前記炭素繊維クロスの炭素繊維及び前記炭素粒子の表面を被覆する炭素質からなるマトリックスと、を有し、その嵩密度が0.5~2.0g/cm3である、表面層付き成形断熱材。
炭素繊維クロスの全体に、熱硬化前の熱硬化性樹脂と、炭素粒子と、を含んだ接着液を含浸させる接着液含浸炭素繊維クロス作製ステップと、前記接着液含浸炭素繊維クロス上に膨張黒鉛シートを積層して積層体となす積層ステップと、前記積層体を加圧しつつ前記熱硬化性樹脂の熱硬化温度以上に加熱して、前記炭素繊維クロスを前記膨張黒鉛シート表面に結着する結着ステップと、結着された前記積層体を不活性ガス雰囲気下で熱処理して、前記熱硬化性樹脂を炭素化させる炭素化ステップと、を有する表面層付き成形断熱材の製造方法。
本発明に係る表面層付き成形断熱材は、炭素繊維系成形断熱材と、炭素繊維系成形断熱材に積層された膨張黒鉛シートと、膨張黒鉛シートに接して積層されたシート保護層と、を備えている。ここで、シート保護層は、炭素繊維を交絡させた炭素繊維クロスと炭素繊維クロスの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなるマトリックスと、炭素粒子と、を有している。つまり、本発明に係る表面層付き成形断熱材は、炭素繊維系成形断熱材の上に、膨張黒鉛シートとシート保護層とからなる表面層が設けられている構成であり、このうちのシート保護層が最表層となる。また、シート保護層の嵩密度は、0.5~2.0g/cm3である。
熱硬化性樹脂と、炭素粒子と、必要な場合には溶剤と、を混合して接着液となす。
炭素繊維クロスは、市販のものを用いることができる。炭素繊維クロスの全体に、上記接着液を含浸させて、接着液含浸炭素繊維クロスとなす。使用する炭素繊維クロスの厚みは、0.10~0.50mmであることが好ましく、0.15~0.40mmであることがより好ましく、0.20~0.35mmであることがさらに好ましい。
接着液含浸炭素繊維クロス上に接して膨張黒鉛シートを積層して積層体となす。接着液含浸炭素繊維クロスは、2枚以上積層してもよいが、1枚であることが好ましい。この膨張黒鉛シートは、すでに成形断熱材に貼り付けられたものであってもよい。
上記積層体を目的の厚みとなるようにプレス機を用いて加圧しつつ、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に加熱し、所定の時間(例えば、1~10時間)保持して、積層体を結着する。この際の圧力は、好ましくは2~8MPa、より好ましくは3~7MPa、さらに好ましくは4~6MPaとする。ここで、膨張黒鉛シートに成型断熱材が貼り付けられていない場合には、炭素化ステップよりも前に次のステップを行う。
熱硬化性樹脂と、炭素粒子と、を混合して接着剤となす。この接着剤は、炭素繊維クロスに含ませる接着液と同じものであってもよく、使用する成分や質量混合比などが異なるものであってもよい。
膨張黒鉛シート上に上記接着剤を塗布し、この上に成型断熱材を積層して積層物を作製する。
上記積層物を目的の厚みとなるようにプレス機を用いて加圧しつつ、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に加熱し、所定の時間(例えば、1~10時間)保持して、積層体を結着する。
結着された積層物を、不活性雰囲気で1000~2500℃で所定の時間(例えば、1~20時間)加熱し、熱硬化性樹脂を炭素化させて、表面層付きの成形断熱材を得る。この炭素化によって、膨張黒鉛シート上に積層された接着液含浸炭素繊維クロスは、シート保護層となる。また、膨張黒鉛シートと成形断熱材との間に接着剤含浸炭素繊維ペーパーを配置した場合、この層は炭素化によって接着層となる。
成形断熱材(表面層が設けられていないもの)としては、市販のピッチ系炭素繊維からなるフェルト系成形断熱材(大阪ガスケミカル製DON-1000-H 形状:厚み30mm、幅50mm、長さ50mmの平板、嵩密度:0.16g/cm3)を用いた。
接着液含浸炭素繊維クロスを用いなかった(シート保護層を設けなかった)こと以外は、実施例1と同様な方法で膨張黒鉛シートが接着された成形断熱材を得た。
上記実施例1および比較例1の表面層付き成形断熱材を幅50mm、長さ50mm、厚み30mmの試験片に切り出した。この試験片を電気炉に投入し、温度700℃、空気量2L/minの条件下で酸化耐久性評価を行った。この際、成型断熱材の劣化を防止するために、表面層側からのみ消耗が進むように、試験片に厚みが5mmのアルミナ製の治具を、表面層のみが露出する(成型断熱材部分は露出しない)ように試験片に取り付けた。10時間経過後の酸化消耗率(重量減少率)は実施例1で約25.4%、比較例1で約28.5%と、比較例1の質量減少率がより大きかった。
2 膨張黒鉛シート
4 成形断熱材
Claims (4)
- 炭素繊維系成形断熱材と、
前記炭素繊維系成形断熱材に積層された膨張黒鉛シートと、
前記膨張黒鉛シートに接して積層されたシート保護層と、
を有する表面層付き成形断熱材であって、
前記シート保護層は、炭素繊維クロスと、前記炭素繊維クロスの全体に含浸された炭素粒子と、前記炭素繊維クロスの炭素繊維及び前記炭素粒子の表面を被覆する炭素質からなるマトリックスと、を有し、
その嵩密度が0.5~2.0g/cm3である、
表面層付き成形断熱材。 - 前記シート保護層の厚みが0.20~0.60mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の表面層付き成形断熱材。 - 前記炭素繊維クロスを構成する炭素繊維が、ポリアクリロニトリル系炭素繊維である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表面層付き成形断熱材。 - 炭素繊維クロスの全体に、熱硬化前の熱硬化性樹脂と、炭素粒子と、を含んだ接着液を含浸させる接着液含浸炭素繊維クロス作製ステップと、
前記接着液含浸炭素繊維クロス上に膨張黒鉛シートを積層して積層体となす積層ステップと、
前記積層体を加圧しつつ前記熱硬化性樹脂の熱硬化温度以上に加熱して、前記炭素繊維クロスを前記膨張黒鉛シート表面に結着する結着ステップと、
結着された前記積層体を不活性ガス雰囲気下で熱処理して、前記熱硬化性樹脂を炭素化させる炭素化ステップと、
を有する表面層付き成形断熱材の製造方法。
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JP2021043756A JP7174094B2 (ja) | 2021-03-17 | 2021-03-17 | 表面層付き成形断熱材及びその製造方法 |
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WO2019087846A1 (ja) | 2017-10-30 | 2019-05-09 | 大阪ガスケミカル株式会社 | 表面層付き成形断熱材及びその製造方法 |
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