JP2022138515A - 炭素繊維系断熱材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素繊維系断熱基材と、軟化点を有する熱硬化性樹脂からなる接着シートと、を積層する積層ステップと、軟化点以上の温度に加熱して熱硬化性樹脂を軟化させて炭素繊維系断熱基材と接着シートとを仮接着する仮接着ステップと、接着シート上に炭素系シートを積層して積層材料となす積層材料作製ステップと、炭素繊維系断熱基材側及び炭素系シート側から積層材料を加圧しつつ熱硬化性樹脂の硬化温度以上に加熱して接着する接着ステップと、積層材料を不活性雰囲気で熱処理して、熱硬化性樹脂を炭素化させる熱処理ステップと、を有し、炭素系シートの嵩密度が、炭素繊維系断熱基材の嵩密度よりも大きい、炭素繊維系断熱材の製造方法。
【選択図】なし
Description
炭素繊維系断熱基材と、軟化点を有する熱硬化性樹脂からなる接着シートと、を積層する積層ステップと、前記積層ステップの後、前記軟化点以上の温度に加熱して前記熱硬化性樹脂を軟化させて前記炭素繊維系断熱基材と前記接着シートとを仮接着する仮接着ステップと、前記仮接着ステップの後、前記接着シート上に炭素系シートを積層して積層材料となす積層材料作製ステップと、前記積層材料作製ステップの後、前記炭素繊維系断熱基材側及び前記炭素系シート側から前記積層材料を加圧しつつ前記熱硬化性樹脂の硬化温度以上に加熱して接着する接着ステップと、前記接着ステップの後、前記積層材料を不活性雰囲気で熱処理して、前記熱硬化性樹脂を炭素化させる熱処理ステップと、を有し、前記炭素系シートの嵩密度が、前記炭素繊維系断熱基材の嵩密度よりも大きい、炭素繊維系断熱材の製造方法。
炭素繊維系断熱基材層と、前記炭素繊維系断熱基材層と接する、熱硬化性樹脂製のシートが軟化され、その後硬化され、さらに炭素化されたものからなる接着層と、前記接着層と接する炭素系表面層と、を備え、炭素系表面層の嵩密度は、炭素繊維系断熱基材層の嵩密度よりも大きい炭素繊維系断熱材。
本発明を実施するための形態を、以下に説明する。本発明にかかる炭素繊維系断熱材は、炭素繊維系断熱基材層と、炭素繊維系断熱基材層と接する、接着層と、接着層と接する炭素系表面層と、を備えている。そして、接着層は、熱硬化性樹脂製のシートが軟化され、硬化され、さらに炭素化されたものからなり、炭素系表面層は、炭素繊維系断熱基材層よりも嵩密度が大きい。また、接着層の嵩密度は、炭素繊維系断熱基材層の嵩密度よりも大きいことが好ましい。
炭素繊維系断熱基材(例えば、市販の炭素繊維系成形断熱材)と、軟化点を有する熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂)からなる接着シートとを積層する。
積層物を、軟化点以上の温度に加熱して熱硬化性樹脂を軟化させる。これにより炭素繊維系断熱基材と接着シートとが仮接着される。
接着シート上に炭素繊維系断熱基材よりも嵩密度が大きい炭素系シートを積層して積層材料となす。
炭素繊維系断熱基材及び炭素系シート側から加圧しつつ加熱して、熱硬化性樹脂を熱硬化させて、炭素繊維系断熱基材と接着シートと炭素系シートとを接着する。加熱温度としては、熱硬化性樹脂の硬化温度以上炭素化温度未満とする。圧力は、0.01~0.20MPaとすることが好ましい。
接着後の積層材料を熱処理して、熱硬化性樹脂を炭素化させる。熱処理雰囲気は不活性雰囲気であることが好ましい。また、処理温度は1000~2500℃であることが好ましい。
実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、特に温度を記載しないステップは、室温(25℃)で行った。
(積層ステップ)
炭素繊維系断熱基材としての成形断熱材(大阪ガスケミカル製ドナカーボRI DON-1000、厚み30mm、幅1m、長さ1.5mの平板状、嵩密度0.13g/cm3)と、フェノール樹脂製の接着シート(住友ベークライト製、厚み0.8mm、両面に離型フィルムが設けられたもの)とを用意した。接着シートの一方面の離型フィルムを剥がし、当該面と接するように接着シートを成形断熱材の上に載せた。このフェノール樹脂の軟化点は100℃、硬化温度は180℃、残炭率は、40%である。
この後、積層物を、空気雰囲気中100℃で10分間加熱し、接着シートを構成するフェノール樹脂を軟化させて、炭素繊維系断熱基材と接着シートとを仮接着した。接着シートの他方面の離型フィルムは、この加熱で変形等することなく元の状態を維持していた。
接着シートの他方面の離型フィルムを剥がし、この上に炭素系シートとしての膨張黒鉛シート(東洋炭素製パーマフォイルPF-38、厚み0.38mm、幅1m、長さ1.5m、嵩密度1.0g/cm3)を載せて、積層材料を得た。
この後、積層材料を、加熱圧縮プレスを用いて、炭素繊維系断熱基材側及び炭素系シート側から面圧力0.05MPaで加圧しつつ200℃で30分加熱して、接着シートを構成するフェノール樹脂を熱硬化させて、炭素繊維系断熱基材、接着シート及び炭素系シートを接着した。
接着後の積層材料を、不活性雰囲気下2000℃で5時間熱処理して、熱硬化後のフェノール樹脂を炭素化させて、実施例1に係る表面層付きの炭素繊維系断熱材を作製した。
積層ステップ、仮接着ステップ、積層材料作製ステップにおいて、接着シートを用いずに、炭素繊維系断熱基材の表面に接着剤を500g/m2となるように均一に塗布含浸させ、さらにこの上に炭素系シートを載せて、積層材料を得たこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る炭素繊維系断熱材を作製した。接着剤としては、レゾール系フェノール樹脂60質量部と、天然黒鉛粒子(平均粒径30μm)15質量部と、炭素繊維ミルド(大阪ガスケミカル製ドナカーボミルドSG-241、繊維径13μm、平均繊維長0.13mm)5質量部と、溶剤としてのメタノール20質量部と、を混合したものを用いた。なお、メタノールは接着ステップでの加熱により揮発した。また、積層ステップの作業は約30分で終了した。
炭素繊維系断熱基材上に接着シートを積層し、さらにこの上に炭素系シートを積層して、炭素繊維系断熱基材、接着シート、炭素系シートを同時に仮接着しようと試みたが、炭素繊維系断熱基材上の接着シートから離型フィルムを剥がすことができず、炭素繊維系断熱材を作製することができなかった。
接着シートに対する炭素繊維系断熱基材と炭素系シートとの積層順序を逆(接着シートとの仮接着の対象が、炭素繊維系断熱基材ではなく炭素系シート)としたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2に係る炭素繊維系断熱材を作製しようと試みた。しかし、焼成後において接着シートと炭素繊維系断熱基材とが剥がれてしまい、表面層付きの炭素繊維系断熱材を作製することができなかった。
作業時間は、実施例1と比較例1とはほぼ同等であった。しかし、実施例1では加熱時間が比較例1よりも長く、積層に要する時間の比較では実施例1のほうが20分以上短くなっていた。つまり、実施例1のほうが簡便に作業を行うことができた。
上記実施例1、比較例1にかかる炭素繊維系断熱材を幅30mm、長さ30mm、厚み30mmの試験片に切り出した。この試験片を、炭素繊維系断熱材の各層の積層方向に垂直な方向に、クロスヘッドスピード50mm/minの条件で剥離(90度剥離)した。この結果、すべての試験片において、層間の剥離が起きる前に炭素繊維系断熱基材の破壊が生じた。なお、厚みの調整は、炭素繊維系断熱基材層を削って厚みを減少させることにより調整した。
上記実施例1および比較例1の表面層付き成形断熱材を幅50mm、長さ50mm、厚み30mmの試験片に切り出した。この試験片を電気炉に投入し、温度700℃、空気量2L/minの条件下で酸化耐久性評価を行った。この際、炭素系シート側からのみ消耗が進むように、試験片にアルミナ製の治具(サイズ外寸 幅60mm、長さ60mm、厚み30mm、内寸 幅50mm、長さ50mm、厚み30mm)を、表面層のみが露出するように試験片に取り付けた。3時間経過後の酸化消耗率(重量減少率)は実施例1で約10%、比較例1で約11%であり、両者ともに断熱材の耐久性能は優れており、膨張黒鉛シートにより耐久性能が高められていることが確認された。
Claims (6)
- 炭素繊維系断熱基材と、軟化点を有する熱硬化性樹脂からなる接着シートと、を積層する積層ステップと、
前記積層ステップの後、前記軟化点以上の温度に加熱して前記熱硬化性樹脂を軟化させて前記炭素繊維系断熱基材と前記接着シートとを仮接着する仮接着ステップと、
前記仮接着ステップの後、前記接着シート上に炭素系シートを積層して積層材料となす積層材料作製ステップと、
前記積層材料作製ステップの後、前記炭素繊維系断熱基材側及び前記炭素系シート側から前記積層材料を加圧しつつ前記熱硬化性樹脂の硬化温度以上に加熱して接着する接着ステップと、
前記接着ステップの後、前記積層材料を不活性雰囲気で熱処理して、前記熱硬化性樹脂を炭素化させる熱処理ステップと、を有し、
前記炭素系シートの嵩密度が、前記炭素繊維系断熱基材の嵩密度よりも大きい、炭素繊維系断熱材の製造方法。 - 前記積層材料作製ステップは、前記軟化点よりも低い温度で行われる、
ことを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維系断熱材の製造方法。 - 前記炭素繊維系断熱基材は、黒鉛粒子を含まない、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素繊維系断熱材の製造方法。 - 前記炭素繊維系断熱基材の厚みが、前記接着シートの厚み及び前記炭素系シートの厚みよりも大きい、
ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の炭素繊維系断熱材の製造方法。 - 前記接着シートの厚みが、0.2~5.0mmである、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の炭素繊維系断熱材の製造方法。 - 炭素繊維系断熱基材層と、
前記炭素繊維系断熱基材層と接する、熱硬化性樹脂製のシートが軟化され、その後硬化され、さらに炭素化されたものからなる接着層と、
前記接着層と接する炭素系表面層と、を備え、
前記炭素系表面層の嵩密度は、前記炭素繊維系断熱基材層の前記嵩密度よりも大きい、炭素繊維系断熱材。
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