JP4827784B2 - 断熱材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両(自動車、バス、トラック、鉄道車両など)などの壁、床を構成する材料として有用な不燃性を有し、かつ、圧縮回復性に優れた断熱材及びその製造方法に関する。
従来、炭素繊維を用いた一層構造の断熱材が知られている。例えば、鉄道車両などに使用するためには、国土交通省の鉄道車両用材料の燃焼試験において不燃性であることが要求され、不燃性の炭素繊維が好適に使用されている。
例えば、特開2000−328412号公報(特許文献1)には、平均繊維径5〜13μmの炭素繊維で構成される炭素繊維集合体の繊維相互が熱硬化性樹脂で接合されている吸音断熱材が開示されている。しかし、この文献の断熱材では、熱硬化性樹脂を硬化して炭素繊維相互の交点を接着するため、圧縮回復性が不十分である。また、炭素繊維を主材とした一層構造であるため、断熱材を安価にすることが困難である。
このような課題を解決するため、炭素繊維と他の繊維とを組み合わせたり、複数の層を用いる試みがなされてきた。例えば、特開平7−331573号公報(特許文献2)には、捲縮繊維を含み、かつ繊維全体の50〜100重量%が炭素繊維で構成された綿状繊維シートが、厚み方向に複数層に積層された積層体と、この積層体の少なくとも各層間を接合するための結合剤とで構成された鉄道車両用断熱材が開示されている。また、他の繊維と組み合わせて使用することもできることが記載され、他の繊維としては、不燃性又は難燃性の種々の繊維、例えば、無機繊維、有機繊維などが記載されている。結合剤としては、無機結合剤又は無機接着剤を用いることもできるが、有機結合剤(有機接着剤)を用いる場合が多いことが記載されている。しかし、この文献の断熱材では、各層の表面近傍の結合剤により、接着層が形成されて接合しており、結合剤がバインダー繊維でないため接着力が弱く、圧縮回復性が不十分であり、成形性も低下する。また、この文献には、各層全体に含浸した結合剤により接合することも記載されているが、各層が固まりすぎるため、圧縮回復性が低下する。
また、特開2005−186857号公報(特許文献3)には、ガラス繊維および炭素繊維に5〜15重量%の低融点有機繊維を均一に混綿し、嵩高い綿状素材に熱風を垂直方向に貫通させることによって全体をシート化した厚さ10〜100mmのマット本体と、無機繊維の織布またはフェルトで構成された表面シートとを不燃性樹脂で貼り合わせた車両用断熱マット材が開示されている。また、無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維などが記載されている。さらに、所望に応じて耐炎化繊維を添加することが可能であることが記載されている。しかし、この文献の断熱材では、不燃性樹脂として、シリカ系樹脂をスプレー塗布し、接着層を形成して各層を貼り合わせており、結合剤がバインダー繊維でないため接着力が弱く、圧縮回復性が不十分であり、成形性も低下する。
特開2000−328412号公報(請求項1) 特開平7−331573号公報(請求項1、段落番号[0015]) 特開2005−186857号公報(請求項2、段落番号[0010]、[0012]、実施例)
従って、本発明の目的は、不燃性を有し、かつ、圧縮回復性に優れた断熱材及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、簡便に、かつ効率よく、安価な断熱材を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、炭素繊維及びバインダー繊維で構成された表層部と、炭素繊維、難燃性有機繊維及びバインダー繊維で構成された基層部とを積層すると、不燃性を有し、かつ、圧縮回復性に優れた断熱材が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の断熱材は、炭素繊維及びバインダー繊維で構成された表層部と、炭素繊維、難燃性有機繊維及びバインダー繊維で構成された基層部とが積層している。前記表層部の目付が30g/m以上であり、厚みが5mm以上であってもよい。前記表層部において、炭素繊維とバインダー繊維との割合(重量比)は、炭素繊維/バインダー繊維=60/40〜90/10程度であってもよい。前記表層部及び基層部の炭素繊維が捲縮された炭素繊維であってもよい。捲縮された炭素繊維は、断熱材の圧縮回復性を向上できる。また、基層部において、炭素繊維と難燃性有機繊維との割合(重量比)が、炭素繊維/難燃性有機繊維=5/95〜75/25程度であり、炭素繊維及び難燃性有機繊維の合計量と、バインダー繊維との割合(重量比)が前者/後者=30/70〜90/10程度であってもよい。
また、本発明には、炭素繊維及びバインダー繊維で構成された表層部と、炭素繊維、難燃性有機繊維及びバインダー繊維で構成された基層部とを積層し、加熱処理を行い、バインダー繊維の熱融着により両層部を接着して前記断熱材を製造する方法も含まれる。
本発明では、炭素繊維及びバインダー繊維で構成された表層部と、炭素繊維、難燃性有機繊維及びバインダー繊維で構成された基層部とを積層することにより、クッション性を損なうことなく、かつ、各層間を分断することなく一体化できるため、不燃性及び優れた圧縮回復性を兼ね備えた断熱材が得られる。また、本発明では、前記表層部と基層部とを積層し、加熱処理を行い、バインダー繊維の熱融着により両層部を接着するため、簡便に、かつ効率よく、安価な断熱材が製造できる。
本発明の断熱材は、炭素繊維及びバインダー繊維で構成された表層部と、炭素繊維、難燃性有機繊維及びバインダー繊維で構成された基層部とが積層されている。
(表層部)
表層部の炭素繊維としては、例えば、ピッチ系炭素繊維(等方性ピッチ系炭素繊維、異方性ピッチ系炭素繊維など)、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、フェノール樹脂系炭素繊維、再生セルロース系炭素繊維(レーヨン系炭素繊維、ポリノジック系炭素繊維など)、セルロース系炭素繊維、ポリビニルアルコール系炭素繊維などが例示できる。これらの炭素繊維は、単独で又は二種以上組合わせて使用してもよい。これらの炭素繊維のうち、ピッチ系炭素繊維を使用する場合が多い。
前記炭素繊維の平均繊維径は、例えば、1μm以上(例えば、1〜50μm)、好ましくは3〜40μm、さらに好ましくは5〜30μm(例えば、10〜25μm)程度であってもよい。炭素繊維の平均繊維径がこのような範囲であると、断熱材の圧縮回復性を向上させることができる。なお、繊維径は、後述する紡糸工程において、紡糸ノズル径などを制御することにより調整してもよい。
炭素繊維の平均繊維長は、例えば、5〜1000mm、好ましくは10〜800mm、さらに好ましくは100〜600mm程度であってもよい。
前記炭素繊維は、捲縮されていてもよく、捲縮されていなくても(又は直線状であっても)よい。特に、炭素繊維が捲縮されていると、断熱材の圧縮回復性を向上させることができるため好ましい。なお、捲縮された繊維は、慣用の方法で製造でき、例えば、渦流法(特公昭58−057374号公報など)などを利用して紡糸することにより製造できる。
捲縮された炭素繊維における捲縮度は、断熱材の圧縮回復性を損なわない範囲であれば特に制限されず、例えば、0.5〜10回/cm、好ましくは1〜9回/cm、さらに好ましくは2〜8回/cm程度であってもよい。
前記炭素繊維は、慣用の方法で得ることができ、通常、原料繊維を生成させるための紡糸工程、原料繊維の融着を防止するための不融化又は耐炎化工程、及び不融化又は耐炎化処理された繊維を炭化処理又は黒鉛化処理する焼成工程を経て得ることができる。これらの工程は、非連続的に行ってもよく、連続的に行ってもよい。
前記バインダー繊維としては、熱融着性樹脂で構成すればよく、例えば、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維など)、アクリル系繊維、スチレン系繊維、酢酸ビニル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維などが挙げられる。これらのバインダー繊維のうち、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維、特に、ポリエステル系繊維などを用いる場合が多い。これらのバインダー繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。さらに、前記バインダー繊維は、高い耐熱性を有していてもよい芯層と、熱融着性樹脂で構成された鞘層とで構成された芯鞘構造の複合繊維であってもよい。熱融着性樹脂の融点又は軟化点は、通常、100〜180℃、好ましくは110〜170℃程度であってもよい。なお、芯層を構成する樹脂は、鞘層の熱融着性樹脂よりも融点又は軟化点が高くてもよい。
なお、バインダー繊維の平均繊維径は、例えば、1〜50μm、好ましくは5〜40μm、さらに好ましくは10〜30μm程度であってもよい。また、バインダー繊維の平均繊維長は、例えば、10〜200mm、好ましくは30〜100mm、さらに好ましくは50〜80mm程度であってもよい。
表層部において、炭素繊維とバインダー繊維との割合(重量比)は、炭素繊維/バインダー繊維=40/60〜99/1(例えば、50/50〜95/5)、好ましくは60/40〜90/10、さらに好ましくは70/30〜85/15(例えば、75/25〜80/20)程度であってもよい。
本願では、表層部及び後述する基層部に、このようなバインダー繊維を用いることにより、クッション性を損なうことなく、かつ、各層間を分断することなく一体化できるため、複数の層で構成されているにも拘わらず、圧縮回復性に優れる断熱材を得ることができる。
表層部は、さらに、他の繊維を含んでいてもよい。他の繊維としては、耐炎性が高い繊維、例えば、無機繊維(例えば、ガラス繊維、アルミノケイ酸繊維、酸化アルミニウム繊維、炭化ケイ素繊維、ホウ素繊維、金属繊維など)などが挙げられる。
他の繊維の割合(重量部)は、表層部全体に対して、例えば、20重量%以下(例えば、0.01〜10重量%)、好ましくは5重量%以下(0.05〜5重量%)、さらに好ましくは1重量%以下(0.1〜1重量%程度)であってもよい。
前記表層部は、用途に応じて形状を選択すればよいが、通常、板状(円板状、方形板状など)の不織布である。
また、表層部の目付は、10g/m以上であってもよく、通常、20g/m以上(特に、20〜100g/m)、好ましくは、25〜90g/m、さらに好ましくは30〜80g/m程度であってもよい。
表層部の厚みは、3mm以上であってもよく、通常、5mm以上(例えば、6mm〜30cm)、7mm以上(例えば、8mm〜20cm)、9mm以上(例えば、10mm〜10cm程度)であってもよい。
なお、表層部の嵩密度は、0.1〜30kg/m、好ましくは1〜25kg/m、さらに好ましくは3〜20kg/m程度であってもよい。
前記表層部は、その特性を損なわない範囲で、慣用の添加剤、例えば、脱臭剤、抗菌剤、着色剤、帯電防止剤、芳香剤などを含んでもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
このような表層部は、不燃性であり、具体的には、国土交通省の鉄道車両材料の燃焼性規格に準拠した不燃性であってもよい。
(基層部)
基層部の炭素繊維としては、前記表層部の項で例示の炭素繊維が挙げられる。
前記炭素繊維の平均繊維径は、例えば、1〜50μm、好ましくは3〜40μm、さらに好ましくは5〜30μm(例えば、10〜25μm)程度であってもよい。炭素繊維が、このような平均繊維径であると、圧縮回復性を向上できる。また、前記炭素繊維の平均繊維長は、前記表層部の項で例示の範囲から選択できる。
前記炭素繊維は、捲縮されていてもよく、捲縮されていなくても(又は直線状であっても)よい。特に、炭素繊維が捲縮されていると、断熱材の圧縮回復性を向上させることができるため好ましい。なお、捲縮された炭素繊維における捲縮度は、前記表層部の項で例示の範囲から選択できる。
前記難燃性有機繊維は、難燃性を有していればよく、例えば、熱硬化性樹脂繊維(ノボロイド繊維などのフェノール系繊維など)、難燃ポリエステル系繊維(難燃成分の共重合化などにより、難燃化したポリエステル系繊維など)、ポリエーテルスルホン系繊維、ポリフェニレンスルフィド系繊維、芳香族ポリアミド系繊維(アラミド繊維など)、フッ素系繊維などが挙げられる。これらの難燃性有機繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。これらのうち、難燃ポリエステル系繊維(リン系難燃成分を共重合したポリエステル系繊維など)、芳香族ポリアミド系繊維などが汎用される。
なお、難燃性有機繊維の平均繊維径は、例えば、1〜50μm、好ましくは5〜40μm、さらに好ましくは10〜30μm程度であってもよい。また、難燃性有機繊維の平均繊維長は、例えば、10〜90mm、好ましくは20〜80mm、さらに好ましくは30〜70mm程度であってもよい。
前記炭素繊維と難燃性有機繊維との割合(重量比)は、炭素繊維/難燃性有機繊維=1/99〜90/10、好ましくは3/97〜80/20、さらに好ましくは5/95〜75/25(特に、10/90〜70/30)程度であってもよい。このような割合であると、圧縮回復性に優れた断熱材を得ることができる。
前記バインダー繊維としては、前記表層部の項で例示のバインダー繊維が挙げられ、特にポリエステル系繊維が好ましい。
前記炭素繊維及び難燃性有機繊維の合計量と、バインダー繊維との割合(重量比)は、前者/後者=30/70〜99/1、好ましくは40/60〜95/5、さらに好ましくは50/50〜90/10(特に、60/40〜80/20)程度であってもよい。
基層部は、さらに、他の繊維を含んでいてもよい。他の繊維としては、前記表層部の項で例示の他の繊維が挙げられる。また、他の繊維の割合(重量部)は、基層部全体に対して、例えば、30重量%以下(例えば、0.01〜25重量%)、好ましくは20重量%以下(例えば、0.05〜15重量%程度)であってもよい。
前記基層部は、用途に応じて形状を選択すればよいが、通常、板状(円板状、方形板状など)の不織布である。
また、基層部の目付は、特に制限されず、10g/m以上(例えば、30〜2000g/m)、好ましくは50〜1000g/m程度であってもよい。
基層部の厚みは、特に制限されず、5mm以上(例えば、1〜30cm)、1.5cm以上(例えば、2〜20cm)、2.5cm以上(例えば、3〜10cm程度)であってもよい。
なお、基層部の嵩密度は、0.1〜50kg/m、好ましくは1〜40kg/m、さらに好ましくは3〜30kg/m程度であってもよい。
前記基層部は、その特性を損なわない範囲で、前記表層部で例示の慣用の添加剤を含んでいてもよい。
このような基層部は、不燃性又は難燃性であり、具体的には、国土交通省の鉄道車両材料の燃焼性規格に準拠した不燃性又は極難燃性であってもよい。
本発明の断熱材は、前記表層部と基層部とが積層され、少なくとも表面(又は最上層)に表層部が存在していればよく、特に、表層部と基層部とが積層された二層構造である場合が多い。
前記表層部(複数層用いる場合は、表層部の合計)と、基層部(複数層用いる場合は、基層部の合計)との厚み比は、前者/後者=1/99〜80/20、好ましくは、5/95〜70/30、さらに好ましくは10/90〜60/40程度であってもよい。
前記表層部と基層部とは、通常、バインダー繊維の熱融着により接着している。このように接着することにより、クッション性を損なうことなく、かつ、各層間を分断することなく一体化できるため、圧縮回復性に優れる断熱材を得ることができる。これに対して、従来のニードルパンチ法、接着剤による貼り合わせなどで各層を接着しても、このような圧縮回復性に優れた断熱材を得ることは困難である。
(製造方法)
本発明の断熱材は、前記表層部と基層部とを積層し、加熱処理を行い、バインダー繊維の熱融着により両層部を接着して得ることができる。
表層部及び基層部は、各々、慣用の方法、例えば、湿式抄紙法、乾式抄紙法などを用いて製造でき、通常、乾式抄紙法を用いて製造する場合が多い。
必要により、抄紙に先立って、慣用の開繊機などを用いて、繊維(炭素繊維、バインダー繊維、難燃性有機繊維など)をそれぞれ開繊してもよい。慣用の方法により各繊維を混紡(又は混合)して、乾式抄紙法によりウェブを形成することができる。乾式抄紙法において、例えば、エアレイド製法、カード製法などを用いて抄紙してもよい。
このようなウェブ状の表層部と基層部とを積層し、加熱処理を行い、バインダー繊維の熱融着により両層部を接着して断熱材を得ることができる。加熱処理は、バインダー繊維を熱融着させることができればよく、両層部を熱圧着してもよく、両層部に熱風を通過させてもよい。具体的には、表層部及び基層部を積層し、所定の厚みに設定した上下のベルトコンベヤーで挟み込み、熱風を通過させてバインダー繊維を熱融着させる方法などが挙げられる。なお、加熱処理温度は、バインダー繊維の種類に応じて適宜選択でき、例えば、バインダー繊維を構成する樹脂の融点又は軟化点以上の温度であってもよい。
本発明の断熱材は、不燃性を有し、かつ、圧縮回復性が優れているため、車両[自動車、バス、トラック、鉄道車両(一般旅客車、地下鉄旅客車、新幹線旅客車など)など]、航空機、宇宙船、建築物(住宅など)の壁、床などを構成する材料として有効である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[接着性]
断熱材を切り取り、縦60mm×横60mm×厚み40mmのサンプルを作製し、厚み方向に引張速度50mm/分で引っ張り、引張強度が4×10−2N/cm以上を「良好」と評価した。
[燃焼試験]
国土交通省の鉄道車両材料の燃焼性規格に準拠し、断熱材の燃焼性を評価した。
[圧縮回復性]
断熱材を垂直方向(厚み方向)に10%まで圧縮して、24時間後に圧縮を中止又は解放し、1時間後の圧縮回復性(回復率)を、原形の厚みに対する圧縮を中止して1時間後の厚みの比×100(%)として、以下の基準で評価した。なお、圧縮回復率が110%より高いと成形性が低下する。
○…90〜110%
×…90%より低い、又は110%より高い。
(実施例1〜4)
渦流法により紡糸された捲縮された石炭系等方性ピッチ系炭素繊維(大阪ガスケミカル(株)製、ドナカーボ、平均繊維径13μm、平均繊維長500mm、捲縮度5回/cm)及び熱融着ポリエステル繊維(ユニチカ(株)製、メルティ408B、平均繊度4.4dtex、平均繊維長51mm)を表1に示す割合で、それぞれ開繊機に供給して開繊した後、混紡し、カード機に供給してウェブ状の表層部を得た。
また、渦流法により紡糸された捲縮された石炭系等方性ピッチ系炭素繊維(大阪ガスケミカル(株)製、ドナカーボ、平均繊維径13μm、平均繊維長500mm、捲縮度5回/cm)20重量%、難燃性ポリエステル繊維(東洋紡績(株)製、ハイム1.7T51−G08、平均繊度1.7dtex、平均繊維長51mm)60重量%、及び熱融着ポリエステル繊維(ユニチカ(株)製、メルティ408B、平均繊度4.4dtex、平均繊維長51mm)20重量%を、それぞれ開繊機に供給して開繊した後、混紡し、カード機に供給してウェブ状の基層部を得た。
得られた表層部及び基層部を積層し、厚み40mmに設定した上下のベルトコンベヤーで挟み込み、200℃の熱風を通過させることにより、熱融着ポリエステル繊維を熱融着させて両層部を接着し、二層構造の断熱材を得た。得られた断熱材は、基層部の目付が280g/m、厚みが40mmであった。また、断熱材において、表層部と基層部との接着性を評価し、燃焼試験を行った。結果を表1に示す。なお、断熱材の特性は、接着性が良好かつ不燃性であるものは「○」、接着性が不良及び/又は難燃性であるものは「×」として評価した。
Figure 0004827784
(実施例5〜10)
渦流法により紡糸された捲縮された石炭系等方性ピッチ系炭素繊維(大阪ガスケミカル(株)製、ドナカーボ、平均繊維径13μm、平均繊維長500mm、捲縮度5回/cm)80重量%、及び熱融着ポリエステル繊維(ユニチカ(株)製、メルティ408B、平均繊維径20μm、平均繊維長51mm)20重量%を、それぞれ開繊機に供給して開繊した後、混紡し、カード機に供給してウェブ状の表層部を得た。
また、石炭系等方性ピッチを渦流法で溶融紡糸し、紡糸ノズル径を制御することにより、炭化処理後の炭素繊維の平均繊維径が表2に示す繊維径になるように調節した。得られた捲縮された繊維を空気雰囲気下、300℃で加熱し不融化処理した後、不活性ガス雰囲気下で加熱し炭化処理した。得られた炭素繊維(平均繊維長500mm、捲縮度5回/cm)、難燃性ポリエステル繊維(東洋紡績(株)製、ハイム1.7T51−G08、平均繊度1.7dtex、平均繊維長51mm)、及び熱融着ポリエステル繊維(ユニチカ(株)製、メルティ408B、平均繊度4.4dtex、平均繊維長51mm)を表2に示す割合で、それぞれ開繊機に供給して開繊した後、混紡し、カード機に供給してウェブ状の基層部を得た。
得られた表層部及び基層部を積層し、厚み45mmに設定した上下のベルトコンベヤーで挟み込み、200℃の熱風を通過させることにより、熱融着ポリエステル繊維を熱融着させて、両層部を接着し、二層構造の断熱材を得た。得られた断熱材は、表層部の目付が30g/m、厚みが5mm、基層部の目付が320g/m、厚みが45mmであった。また、断熱材の圧縮回復性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004827784

Claims (6)

  1. 炭素繊維及びバインダー繊維で構成された表層部と、炭素繊維、難燃性有機繊維及びバインダー繊維で構成された基層部とが積層された断熱材。
  2. 表層部の目付が30g/m以上であり、厚みが5mm以上である請求項1記載の断熱材。
  3. 表層部において、炭素繊維とバインダー繊維との割合(重量比)が、炭素繊維/バインダー繊維=60/40〜90/10である請求項1記載の断熱材。
  4. 表層部及び基層部の炭素繊維が捲縮された炭素繊維である請求項1記載の断熱材。
  5. 基層部において、炭素繊維と難燃性有機繊維との割合(重量比)が、炭素繊維/難燃性有機繊維=5/95〜75/25であり、炭素繊維及び難燃性有機繊維の合計量と、バインダー繊維との割合(重量比)が前者/後者=30/70〜90/10である請求項1記載の断熱材。
  6. 炭素繊維及びバインダー繊維で構成された表層部と、炭素繊維、難燃性有機繊維及びバインダー繊維で構成された基層部とを積層し、加熱処理を行い、バインダー繊維の熱融着により両層部を接着して請求項1記載の断熱材を製造する方法。
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