JP2000034467A - ジョイントシート形成用組成物、ジョイントシートおよびその製造方法 - Google Patents

ジョイントシート形成用組成物、ジョイントシートおよびその製造方法

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JP2000034467A JP10205644A JP20564498A JP2000034467A JP 2000034467 A JP2000034467 A JP 2000034467A JP 10205644 A JP10205644 A JP 10205644A JP 20564498 A JP20564498 A JP 20564498A JP 2000034467 A JP2000034467 A JP 2000034467A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】化学工業、自動車、船舶、各種機器装置などの
広範囲な産業分野において利用され、ガスケットの基材
として好適に用いられ、強度等の機械的特性に優れたジ
ョイントシートを得ることができ、製板加工性等に優れ
たジョイントシート形成用組成物、該組成物から形成さ
れるジョイントシート、特に多層構造のジョイントシー
トの提供。 【解決手段】非石綿系無機繊維および/または有機繊維
からなる基材繊維、ニトリルゴム、ゴム薬品、充填材お
よび有機溶剤を含んでなり、上記ニトリルゴムのアクリ
ロニトリル成分単位含量が36重量%以上であり、上記
有機溶剤がトルエンおよび/またはゴム揮であるジョイ
ントシート形成用組成物。非石綿系無機繊維および/ま
たは有機繊維からなる基材繊維、加硫されたニトリルゴ
ムおよび充填材を含み、上記ニトリルゴムのアクリロニ
トリル成分単位含量が36重量%以上である層を有する
多層構造のジョイントシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ジョイントシート形成用
組成物、ジョイントシートおよびその製造方法に関し、
さらに詳しくは、化学工業、自動車、船舶、各種機器装
置などの広範囲な産業分野において利用され、ガスケッ
トの基材として好適に用いられ、強度等の機械的特性に
優れたジョイントシートを得ることができ、製板加工性
等に優れたジョイントシート形成用組成物、該組成物か
ら形成されるジョイントシート、特に多層構造のジョイ
ントシート、並びにその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、ジョイントシートとして
は、石綿製のものが広く用いられてきた。この石綿ジョ
イントシートは、石綿を基材繊維とし、これに結合剤と
してのNBR、SBR等のゴム、ゴム薬品、充填剤、有
機溶剤例えば、トルエン、メチルエチルケトン等を添加
し攪拌・混練してジョイントシート形成用組成物を調製
し、この組成物を、熱ロールと冷却ロールとからなる一
対のロール間に挿入して加熱圧延し、ジョイントシート
形成用組成物を熱ロール側に積層させて所定厚みとし、
次いで熱ロールに積層されたシート状物を切開いて熱ロ
ールから剥離することによって製造されてきた。
【0003】このような石綿ジョイントシートは、基材
繊維としての石綿を通常60〜80重量%の割合で含ん
でいるが、近年に至って石綿資源の枯渇およびそれに伴
なう入手難の問題が生ずるとともに、石綿の人体に対す
る悪影響も指摘され、石綿の使用は厳しく制限され始め
ている。このため石綿に代わる繊維基材(非石綿系基材
繊維)を用いてジョイントシートを製造しようとする研
究が盛んに行なわれている。
【0004】たとえば石綿の代替繊維として、ガラス繊
維、カーボン繊維、セラミック繊維などの無機繊維ある
いは芳香族ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維などの有
機繊維を用いることによって、ジョイントシートを製造
しようとする試みがなされている。
【0005】また、石綿代替繊維を用いた単層のジョイ
ントシートの他、ジョイントシートを多層化してフラン
ジ面に馴染ませ、シール性等の特性を改善することも提
案されている。
【0006】例えば、特公平1-32271号公報に
は、芯材組成物とその両面に積層される表面材組成物と
を三層シート状に加硫成形してなり、各層用の組成物と
して繊維材料、ゴム材料、およびアクリル系重合体等の
特定の水膨潤性物質がそれぞれ異なる量比で配合して構
成されたガスケット(ジョイントシート)が開示されて
いる。また該公報には、このような三層構造のガスケッ
トは、表面材混練物、芯材混練物、そして表面材組成物
の順でカレンダーロール上に投入して各層を形成し、加
硫成形して得られると記載され、この公報に記載のガス
ケット素材には、石綿が61%以上の量で配合され、ゴ
ム材料としては、SBR、NBR等が挙げられている。
このようにして得られるガスケットの表面層の厚みとし
ては、10μm以上でガスケット全厚の1/3以下とさ
れ、その厚みが0.01〜0.1mmの例が示されてい
る。
【0007】特開平3-212480号公報には、繊
維材料、ゴム材料、ゴム薬品、充填剤および他の添加剤
からなるジョイントシートにおいて、繊維材料が非鉄系
金属繊維および/または防錆処理した鉄系金属繊維5〜
60重量%と有機繊維1〜30重量%とからなる芯材
と、繊維材料が有機繊維1〜30重量%からなる表裏2
層の表面材とで3層構造にしたジョイントシートが開示
されている。このゴム材料としては、NR、SBR、N
BR等が挙げられている。
【0008】特開平7-252469号公報には、石
綿代替繊維、ゴムを主材とする複数種の組成物を、加熱
加圧して所定の厚さのシート状に一体に積層した非石綿
系ジョイントシートが開示されている。
【0009】また、特開平8-302334号公報に
は、基材繊維、ゴム材料、ゴム薬品、充填材を主材とす
る組成物からなるアスベストフリージョイントシートで
あって、この組成物からなる柔軟層と、この組成物に熱
硬化性樹脂を含む組成物からなる高強度層とが組合わさ
れたジョイントシートが開示されている。このゴム材と
しては、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、
水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(水素化NB
R)等が挙げられている。
【0010】しかしながら、これら公報に記載のジョイ
ントシートには、強度等の物理的特性、または製板加工
性の何れかの点で更なる改良の余地があった。そこで本
発明者等が上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねたと
ころ、従来では、ジョイントシートには、上記非石綿系
基材繊維とともに結合剤としてNBR等のゴム成分など
が含まれているが、(イ):このゴム成分としてアクリロ
ニトリル成分単位を多量に含むニトリルゴム(NBR)
が含まれていると、得られるジョイントシ―トの機械的
強度等の向上が期待できるが、製板加工に先立つ前処理
における取扱い性、すなわちゴム材、溶剤等を配合し混
合攪拌する際の作業性が低下してしまうこと、(ロ):ア
クリロニトリル成分単位を多量に含むNBR系ジョイン
トシート形成用組成物であっても、この組成物に特定の
溶剤例えば、トルエン等が含まれていると、上記前処理
時の取扱い性の点を考慮しても、全体としてみれば充分
にこれを補って余る優れた効果である、シート製造時の
製板加工性が向上するだけでなく、驚くべきことに機械
的強度等の物理的特性もバランス良く向上することを見
出すと共に、(ハ):このような特定のニトリルゴムを含
有する層を有する多層構造のジョイントシートでは、肉
厚設計の自由度が増し厚肉化が可能であり、上記製板加
工性および機械的強度等の特性が、特にバランス良く優
れ、シール性にも優れること、などを見出して、本発明
を完成するに至った。
【0011】なお、本願出願人は、ジョイントシートの
耐熱性、耐蒸気性をバランス良く向上させるとの観点か
ら、先に、特開平7-286161号公報にて、非石
綿系無機繊維および/または有機繊維からなる基材繊
維、アクリルゴムおよびニトリルゴム、ゴム薬品および
充填剤を含んでなり、上記ニトリルゴムがアクリルゴム
100重量部に対して2〜50重量部の量で含まれたジ
ョイントシートを提案している。
【0012】このジョイントシートには、ニトリルゴム
として、アクリロニトリル成分単位含量が15〜50重
量%のものが使用可能とされ、その実施例では、耐熱
性、耐蒸気性が特にバランス良く優れることから、アク
リルゴム(ACM)と、アクリロニトリル成分単位量が
35重量%までのニトリルゴム(NBR)とが含まれた
もののみが挙げられている。また、このようなジョイン
トシートを製造する際には、トルエン、ゴム揮などのゴ
ム材用溶剤が使用される旨記載されている。
【0013】またその比較例1には、ゴム成分として、
アクリロニトリル成分単位量が35重量%までのニトリ
ルゴムを単独で使用したジョイントシートが示されてい
る。しかしながら、この特開平7-286161号公報
では、上記製板加工性および機械的強度等の特性のバラ
ンスの点については、特に検討されていない。
【0014】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、機械的強度等
の物理的特性に優れ、シール性に優れたジョイントシー
トを製造できる、製板加工性に優れたジョイントシート
形成用組成物を提供することを目的としている。
【0015】また本発明は、非石綿系基材繊維を用いて
得られ、機械的強度等の物理的特性に優れ、シール性に
優れたジョイントシートを提供することを目的としてい
る。本発明は、厚肉化可能で、シール性に優れた単層ま
たは多層構造のジョイントシートを提供することを目的
としている。
【0016】本発明は、効率的で生産性に優れた上記ジ
ョイントシートの製造方法を提供することを目的として
いる。
【0017】
【発明の概要】本発明に係るジョイントシート形成用組
成物は、非石綿系無機繊維および/または有機繊維から
なる基材繊維、ニトリルゴム、ゴム薬品、充填材および
有機溶剤を含んでなり、上記ニトリルゴムのアクリロニ
トリル成分単位含量が36重量%以上、好ましくは40
重量%以上であり、上記有機溶剤がトルエンおよび/ま
たはゴム揮(ゴム含量が100mg/100ml以上の
ガソリン)であることを特徴としている。
【0018】本発明のジョイントシート形成用組成物に
おいては、上記各成分を、それぞれ下記の量で含んでい
ることが好ましい。 (i)非石綿系無機繊維および/または有機繊維からなる基材繊維 :5〜80重量%、 (ii)ニトリルゴム :5〜50重量%、 (iii)ゴム薬品 :0.1〜10重量%、 (iv)充填材 :5〜80重量%、 (但し、(i)〜(iv)の合計:100重量%) および上記成分の合計100重量部に対して有機溶剤:
10〜100重量部。
【0019】本発明に係るジョイントシートは、非石綿
系無機繊維および/または有機繊維からなる基材繊維、
加硫されたニトリルゴムおよび充填材を含んでなり、上
記ニトリルゴムのアクリロニトリル成分単位含量が36
重量%以上、好ましくは40重量%以上であることを特
徴としている。
【0020】本発明のジョイントシートにおいては、上
記非石綿系無機繊維および/または有機繊維からなる基
材繊維、加硫されたニトリルゴムおよび充填材を、それ
ぞれ下記の量で含んでいることが好ましい。
【0021】 (i)非石綿系無機繊維および/または有機繊維からなる基材繊維 :5〜80重量%、 (ii-a)加硫ニトリルゴム、未加硫ニトリルゴムおよび残存ゴム薬品 :5.1〜60重量%、 (iv)充填材 :5〜80重量% (但し、上記(i)、(ii-a)、(iv)の全成分合計:100重量%)。
【0022】本発明に係る多層構造のジョイントシート
は、非石綿系無機繊維および/または有機繊維からなる
基材繊維、加硫されたニトリルゴムおよび充填材を含
み、上記ニトリルゴムのアクリロニトリル成分単位含量
が36重量%以上である層を有することを特徴としてい
る。
【0023】本発明のジョイントシートにおいては、上
記ジョイントシートが、芯材層と、該芯材層の表面に積
層される表面層と、該芯材層の裏面に積層される裏面層
とからなり、該芯材層が、非石綿系無機繊維および/ま
たは有機繊維からなる基材繊維、加硫されたニトリルゴ
ムおよび充填材を含み、上記ニトリルゴムのアクリロニ
トリル成分単位含量が36重量%以上、好ましくは40
重量%以上であることが望ましい。
【0024】本発明の多層構造のジョイントシートにお
いては、上記芯材層が、上記非石綿系無機繊維および/
または有機繊維からなる基材繊維、加硫されたニトリル
ゴムおよび充填材を、それぞれ上記(i)、(ii-a)、(iv)
と同様な量で含んいることが好ましい。
【0025】本発明においては、上記多層構造のジョイ
ントシートは、上記表面層および裏面層が、何れも、吸
水樹脂すなわち水に不溶な水膨潤性物質を含有している
ことが好ましい。
【0026】本発明に係るジョイントシートの製造方法
は、ジョイントシート形成用組成物を、熱ロールと冷却
ロールとから成るロール間で加熱圧延して1層または多
層構造のジョイントシートを製造するに際して、少なく
とも何れかの層用の上記ジョイントシート形成用組成物
として、非石綿系無機繊維および/または有機繊維から
なる基材繊維、ニトリルゴム、ゴム薬品、充填材および
有機溶剤を含んでなり、上記ニトリルゴムのアクリロニ
トリル成分単位含量が36重量%以上、好ましくは40
重量%以上であり、上記有機溶剤がトルエンおよび/ま
たはゴム揮である組成物を用い、かつトルエンおよび/
またはゴム揮を、ジョイントシート形成用組成物表面に
散布し、上記ジョイントシート形成用組成物の冷却ロー
ル表面への付着を防止し、該ジョイントシート形成用組
成物を熱ロール表面にのみ積層させることを特徴として
いる。
【0027】本発明によれば、機械的強度等の物理的特
性に優れ、シール性に優れたジョイントシートを製造で
きる、製板加工性に優れたジョイントシート形成用組成
物が提供される。
【0028】本発明によれば、非石綿系基材繊維を用い
て得られ、機械的強度等の物理的特性にバランス良く優
れ、シール性に優れたジョイントシートが提供される。
また本発明によれば、厚肉化可能で、シール性に優れた
単層または多層構造のジョイントシートが提供される。
【0029】また、本発明によれば、効率的で生産性に
優れた、上記ジョイントシートの製造方法が提供され
る。
【0030】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るジョイントシ
ート形成用組成物、ジョイントシートの製造方法、並び
に得られたジョイントシートについて具体的に順次説明
する。
【0031】<ジョイントシート形成用組成物>本発明
に係るジョイントシートは、後述するように単層または
多層構造、好ましくは多層構造特に三層構造を有してい
る。多層構造のジョイントシートでは、このうちの少な
くとも1層(a)が、また単層のジョイントシートではそ
の全体が、非石綿系無機繊維および/または有機繊維か
らなる基材繊維、特定の加硫されたニトリルゴム、充填
材を含んでなっている。
【0032】本発明に係るジョイントシート形成用組成
物は、このようなジョイントシートを製造する際に用い
られ、該ジョイントシート形成用組成物としては、上記
1層(a)用として、また単層ジョイントシートでは該シ
ート用組成物として、上記と同様の非石綿系無機繊維お
よび/または有機繊維からなる基材繊維、特定の未加硫
ニトリルゴム、ゴム薬品、上記と同様の充填材、有機溶
剤を含んでいる。
【0033】以下の説明においては、単にニトリルゴム
というときは、加硫されたニトリルゴムおよび未加硫の
ニトリルゴムの何れか一方または両者を意味する。ま
た、本発明において、加硫されたニトリルゴム等の加硫
ゴム成分は、本発明の目的に反しない限り、未加硫ゴム
の架橋可能部位の全部が加硫(架橋)されていなくても
よく、その一部が加硫されたものであってもよい。
【0034】以下、まず単層のジョイントシート形成用
の組成物、単層ジョイントシートに含まれる上記各成分
について主として説明する。 [基材繊維]基材繊維としては、非石綿系無機繊維と有
機繊維の何れか一方、または非石綿系無機繊維と有機繊
維の両者が用いられる。
【0035】非石綿系無機繊維すなわち石綿以外の無機
繊維としては、ガラス繊維、セラミック繊維、岩綿、鉱
さい綿、溶融石英繊維、化学処理高シリカ繊維、溶融珪
酸アルミナ繊維、アルミナ連続繊維、安定化ジルコニア
繊維、窒化ホウ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ウイス
カー、ボロン繊維、炭素繊維、金属繊維等の従来ジョイ
ントシート形成用基材繊維として公知の無機繊維が広く
用いられる。なお、本発明においては無機繊維として、
石綿繊維を少量含有させることができる。
【0036】有機繊維としては、芳香族ポリアミド繊
維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリエ
ステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニ
ルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ尿素
系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリフルオロカーボン繊
維、フェノール繊維、セルロース系繊維等の従来ジョイ
ントシート形成用基材繊維として公知の有機繊維が広く
用いられる。このうち、芳香族ポリアミド繊維(商品
名:ケブラー,デュポン社製)ならびにフィブリル化し
た芳香族ポリアミド繊維(商品名:ケブラーパルプ)が
特に好ましい。
【0037】このような基材繊維は、ジョイントシート
形成用組成物中の有機溶剤を除く成分の合計、すなわち
基材繊維、ニトリルゴム、ゴム薬品および充填材の合計
を100重量%とするとき、通常、5〜80重量%、好
ましくは10〜50重量%の量で含まれていることが望
ましい。 [ゴム材(未加硫ゴム)]ゴム材としては未加硫のニト
リルゴムを含むものが用いられる。 [ニトリルゴム(未加硫ニトリルゴム)]ニトリルゴム
(NBR)は、アクリロニトリル(AN)とブタジエン
との共重合体であって、該共重合体中におけるアクリロ
ニトリル成分単位の含有量は、通常、36〜50重量
%、好ましくは40〜50重量%である。
【0038】この未加硫ニトリルゴム中におけるアクリ
ロニトリル成分単位量が、上記範囲にあると、ニトリル
ゴム自体が高強度となり、ジョイントシート形成用組成
物調製時に各配合成分を均一分散させて、高強度であ
り、溶剤に対して低膨潤性を有し、所望により厚肉化さ
れたジョイントシートを効率的に得ることができる。
【0039】なお、このニトリルゴム中におけるアクリ
ロニトリル成分単位量が、40重量%未満、特に36重
量%未満では、ジョイントシート形成用組成物の調製に
際し、ゴムを簡単に裁断して溶剤に速やかに溶解させる
ことができるが、ゴム強度は低下し、熱ロールと冷却ロ
ールとからなる製板装置(シーター)を使用して厚肉化
した三層化物を得ることが困難となり、また、アクリロ
ニトリル単位量が50重量%を超えると、ゴム材料の製
造が困難で、入手難となる。なお、この共重合体中にお
けるアクリロニトリル含量、あるいは後述するように加
硫(架橋)された共重合体中におけるアクリロニトリル
含量は、以下のようにして測定できる。
【0040】先ず、サンプリングしたアクリロニトリル
ゴム含有試料の溶媒抽出を行う。この際用いられる溶媒
としては、アクリルニトリルブタジエンゴム(NBR)
を溶解せず、試料中に含まれる可塑剤、老化防止剤等の
油分のみを抽出しうるようなメタノール、ヘキサン等が
挙げられる。
【0041】このような溶媒100mlを用いて、試料
を95℃で20時間処理し、可塑剤等を溶媒抽出した
後、:熱分解カ゛スクロマトク゛ラフィー法(Py−GC法)、ま
たは:熱分解装置による熱分解法にて、590℃で測
定試料を熱分解させ、測定試料と既知試料のアクリロニ
トリルガスとブタジエンガスのピーク強度の比較を基に
アクリロニトリル含量定量用検量線からアクリルニトリ
ル含量を求める(「熱分解ガスクロマトグラフィー入
門」(第124頁〜133頁、寒川基三郎・大栗直毅
編、技法堂出版刊、1994年発行参照)。
【0042】なお、熱分解ガスクロマトグラフィー法
では、「カ゛スクロマトク゛ラフィー」として、例えば日立製作所
(株)製、263型(化学結合型、Sillicone OV−
1、0.25mm×25m(膜厚1.5μm)(ジーエ
ルサイエンス))を使用できる。
【0043】熱分解法では、熱分解装置として、例え
ば「キュリーポイント熱分解装置」(日本分析工業
(株)製、JHP−3S型)を使用できる。また本発明
では、「JIS K 6384 5.3」(ケルダール
法)に準拠してアクリロニトリル含量を測定してもよ
い。この方法でアクリロニトリル含量を測定するには、
基本的には、ケルダール法を利用したケルダール装置に
て試料中の窒素含量を求め、アクリロニトリル(AN)
含量に換算する。次いで、ゴム単体の場合は、ゴム中の
アクリロニトリル含量は、ゴム中のAN含量={分析値
(窒素含量)×ANの分子量}/試料の重量で算出でき
る。
【0044】ジョイントシートの場合には、アラミド繊
維等の窒素含有繊維などが含まれている場合、アラミド
繊維由来の窒素含量をゴム由来の窒素含量の算出上、数
値補正する必要がある。
【0045】補正法としては、例えば、(i)TG/DT
Aによる熱分析により、ジョイントシート中のゴム含量
(wt%)とアラミド繊維の含量を、分解温度の違いか
ら測定する。
【0046】(ii)一方、アラミド繊維単体の窒素含量
をケルダール装置にて求める。 (iii)次いで、(i)と(ii)の値を基に、ゴムに由来
する窒素含量を式:ゴム由来の窒素含量=ジョイントシ
ート中の全窒素量/g−(アラミド繊維量(wt%)×
アラミド繊維単体の窒素含量/g)にて計算する方法等
が挙げられる。
【0047】これらのうちで、好ましくは熱分解ガス
クロマトグラフィー法が用いられる。本発明では、上記
のような未加硫ニトリルゴムは、ジョイントシート形成
用組成物中の有機溶剤を除く成分の合計、すなわち基材
繊維、ニトリルゴム、ゴム薬品および充填材の合計を1
00重量%とするとき、通常、5〜50重量%、好まし
くは10〜20重量%の量で含まれていることが望まし
い。
【0048】このニトリルゴムが上記範囲の量で含まれ
ていると、ジョイントシート形成用組成物はシート状に
成形できるなど加工性に優れ、得られたジョイントシー
ト中においてバインダーとしての機能を発揮できるため
好ましい。
【0049】なお、このようなニトリルゴムには、上記
共重合成分すなわちアクリロニトリルとブタジエン以外
に、通常ニトリルゴムに共重合成分として含まれ得るよ
うな成分、例えば(メタ)アクリル酸、2-メチル-5-
ビニルピリジン等の他の成分が共重合されていてもよ
い。
【0050】本発明のジョイントシートには、ゴム材と
して、上記ニトリルゴム以外に、下記のようなゴム材が
含まれていてもよい。ゴム材は、上記の基材繊維類を結
合する役割等を果たしており、アクリルゴム、スチレン
ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、
クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、
ブチルゴム(IIR)、エチレン―プロピレンゴム(E
PM)、フッ素ゴム(FPM)、シリコーンゴム(S
i)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、エ
チレン酢ビゴム(EVA)、塩化ポリエチレン(CP
E)、塩化ブチルゴム(CIR)、エピクロルヒドリン
ゴム(ECO)、ニトリルイソプレンゴム(NIR)、
天然ゴム(NR)などが挙げれる。
【0051】ニトリルゴム(NBR)を除くこれらのゴ
ム材は、ジョイントシート形成用組成物中の基材繊維1
00重量部に対して、50重量部以下の量で含まれてい
てもよい。 [ゴム薬品および充填材]ゴム薬品は、上記未加硫(未
架橋)のゴム材などと共にジョイントシート形成用組成
物中に含まれるが、このようなゴム薬品としては、(i)
イソシアネート系化合物の他、硫黄、酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム、金属石鹸、過酸化物、ジニトロソベンゼン
などの加硫剤(架橋剤)、(ii)チアゾール系化合物、ポ
リアミン系化合物、スルフェンアミド系化合物、ジチオ
カルバメート系化合物(例:ジチオカルバミン酸亜
鉛)、アルデヒドアミン系化合物、グアニジン系化合
物、チオ尿素系化合物、キサンテート系化合物などの加
硫促進剤等が挙げられる。これらのゴム薬品は1種また
は2種以上組み合わせて用いてもよい。これらのゴム薬
品は、ジョイントシート形成用組成物中の有機溶剤を除
く成分の合計、すなわち基材繊維、ニトリルゴム、ゴム
薬品および充填材の合計を100重量%とするとき、通
常0.1〜10重量%、好ましくは3〜5重量%の量で
含まれていることが望ましい。
【0052】充填材としては、クレー、タルク、硫酸バ
リウム、重炭酸ナトリウム、グラファイト(黒鉛)、硫
酸鉛、トリポリ石、ウォラストナイトなどが挙げられ
る。これらの充填材は、1種または2種以上組み合わせ
て用いてもよい。充填材は、ジョイントシート形成用組
成物中の有機溶剤を除く成分、すなわち基材繊維、ニト
リルゴム、ゴム薬品および充填材の合計を100重量%
とするとき、通常5〜80重量%、好ましくは10〜7
5重量%の量で含まれていることが望ましい。 [膨張黒鉛および再生膨張黒鉛]また、本発明に係るジ
ョイントシート形成用組成物には、膨張黒鉛、再生膨張
黒鉛が含まれていてもよい。膨張黒鉛は、黒鉛を硫酸、
硝酸等で酸処理して層間化合物を生成させたのち、この
層間化合物を水洗・乾燥し、次いで熱により黒鉛結晶層
間を膨張させて得られるフレーク状粉末である。この膨
張黒鉛(バージン)のカサ密度は、通常0.01〜0.
17g/cm3、好ましくは0.06〜0.12g/cm3程度で
あり、その粒径は、製法などにもより一概に決定されな
いが、例えば、24〜400メッシュ程度である。
【0053】再生膨張黒鉛は、カサ密度が通常0.01
〜0.17g/cm3、好ましくは0.06〜0.12
g/cm3程度の上記膨張黒鉛(バージン)を、例え
ば、1〜50kg/cm2程度の加圧下に圧縮し、粉砕
して得られる。なお、必要により圧縮後、シート状等に
一旦成形し、次いで粉砕してもよい。また、膨張黒鉛シ
ートガスケット等の打ち抜き残滓を粉砕して用いてもよ
い。
【0054】このような再生膨張黒鉛のカサ密度は、通
常、0.01〜0.11g/cm3程度、好ましくは0.0
4〜0.08g/cm3程度であり、またその粒径は、
通常10〜100μm、好ましくは10〜50μm程度
である。
【0055】このような膨張黒鉛および/または再生膨
張黒鉛は、ジョイントシート形成用組成物中の有機溶剤
を除く成分、すなわち基材繊維、ニトリルゴム、ゴム薬
品および充填材の合計を100重量%とするとき、通
常、合計で1〜70重量%、好ましくは10〜60重量
%程度の量で含有されていてもよい。
【0056】このような再生膨張黒鉛が含有されたジョ
イントシートでは、著しくシール性に優れ、圧縮率が大
きく、フランジ面への馴染み性に優れている。また、再
生膨張黒鉛と膨張黒鉛とが含有されたジョイントシート
では、膨張黒鉛のみが配合されたジョイントシートより
も圧縮率が大きく、フランジ面への馴染み性に優れる傾
向がある。 [吸水樹脂]本発明に係るジョイントシート形成用組成
物には、吸水樹脂が含有されていてもよく、このような
吸水樹脂としては、イオン性基またはその塩あるいは、
ノニオン性親水性基を有する、親水性かつ水不溶性の水
膨潤性高分子が挙げられる。
【0057】イオン性基またはその塩としては、カルボ
キシル基、スルホン基、リン酸基、第4級アンモニウム
塩基、アミノ基、イミノ基、ピリジニウム塩基などが挙
げられ、ノニオン性親水性基としては、ヒドロキシル
基、エーテル基、鎖状または環状アミド基、ニトリル基
などが挙げられる。このような吸水樹脂(水膨潤性物
質)には、イオン性基またはその塩と、ノニオン性親水
性基の両者が含まれていてもよい。これらの吸水樹脂
は、天然物であってもよく、合成物あるいは半合成物
(例:澱粉系、カルボキシメチルセルロース系)であっ
てもよい。
【0058】このような吸水樹脂としては、具体的に
は、例えば、アクリル酸またはその塩とジビニルベンゼ
ンとの共重合体;アクリロニトリルと塩化ビニル(また
は塩化ビニリデン)、およびこれらと共重合可能な1種
または2種以上のエチレン系単量体とを共重合してなる
重合体のアルカリ加水分解物;アクリロニトリル系重合
体をアルカリで加水分解してなる重合体のホルムアルデ
ヒド架橋体;アクリロニトリル系重合体(例:アクロリ
ニトリル−酢酸ビニル共重合体)をアルカリで加水分解
してなる重合体を乾燥し、繊維状化させたもの;アクリ
ロニトリルとアクリル酸とN-メチロールアクリロアミ
ドとを共重合し、紡糸し、架橋し(例:20%H2SO4
存在下に100℃で加熱)、乾燥し、次いで繊維状化さ
せたもの;アシル化ポリエチレンイミンとTDI(トリ
レンジイソシアネート)とを反応させ、発泡(例:13
0℃×30分間加熱)させた後、水洗し乾燥させたも
の;アクリルアミド系共重合体のホルムアルデヒド架橋
体;ポリアクリル酸とポリビニルアルコールとの酸縮合
物;ポリビニルアルコールの放射線架橋体あるいは、ポ
リビニルアルコールのエピクロルヒドリン、オルトリン
酸あるいはアルブミンによる架橋体を乾燥させたもの;
ポリビニルアルコールのリン酸縮合体;2-ヒドロキシ
エチルメタクリレートとエチレングリコールジメタクリ
レートとの共重合体;2-メチル-5-ビニルピリジンと
N,N’−メチレンビスアクリルアミドとの共重合体;
N,N’-ジメチルアミノエチルメタクリレートとN,
N’-メチレンビスアクリルアミドとの共重合体;N-ビ
ニル-2-ピロリドンとエチレングリコールジメタクリレ
ートとの共重合体;ポリオキシエチレンの放射線照射に
よる架橋体;澱粉の酸性下加熱縮合物;澱粉とモノクロ
ル酢酸ナトリウムとの反応によるカルボキシルメチル化
物をホルムアルデヒドにて架橋し、乾燥させたもの;澱
粉とポリアクリル酸ナトリウムとを加熱混練(例:15
0℃〜170℃、水中)した後、乾燥させたもの;多糖
類[例:澱粉、ザンタンガム、グアーガム、キサトン、
ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、好ましくは澱粉]
にアクリル酸をグラフト重合したものまたはその中和物
;澱粉-アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化
物;澱粉とアクリル酸とトリメチロールプロパントリア
クリル酸エステル(TMPTA)との共重合体の中和物の乾
燥体;ビニルエステルとエチレン系不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体との共重合体ケン化物の乾燥体;セルロ
ース-アクリロニトリルグラフト重合物を加水分解した
後、乾燥した物;セルロースとモノクロル酢酸ナトリウ
ムとの反応によるカルボキシルメチル化物を架橋または
加熱不溶化し、繊維状化したもの;再生セルロースとポ
リアクリル酸ナトリウムとの重合体を紡糸し凝固し乾燥
したもの;アクリル酸金属塩ポリマーを架橋剤(例:金
属イオン、ポリエポキシ化合物)にて架橋し、乾燥した
もの;アクリル酸ナトリウムを架橋剤の存在下に重合
し、次いで乾燥したもの;アクリル酸ナトリウムをソル
ビタン脂肪酸エステル等の存在下に懸濁重合してなる自
己架橋物を乾燥したもの;酢酸ビニルと(メタ)アクリ
ル酸メチルとの共重合体をアルカリ存在下に加水分解
し、次いで乾燥したもの;などが挙げられる。これらの
吸水樹脂は、1種または2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。
【0059】これらの吸水樹脂の形状は、特に限定され
ず、例えば、粉末状、繊維状、液状、ゲル状、フィルム
状などが挙げられる。このような吸水樹脂は、ジョイン
トシート形成用組成物中の有機溶剤を除く成分、すなわ
ち基材繊維、ニトリルゴム、ゴム薬品および充填材の合
計を100重量%とするとき、通常1〜80重量%、好
ましくは5〜20重量%程度の量で含有されてもよい。
このような吸水樹脂が含有されているジョイントシート
では、吸水樹脂が含有されていないジョイントシートの
場合よりも低面圧での締め付けで、所望の水シール性を
得ることができる。 [ジョイントシートの製造]次に、本発明に係るジョイ
ントシートの製造方法について説明する。
【0060】本発明に係るジョイントシートを製造する
には、例えば、ゴム材用溶剤(有機溶剤)に、上記ニト
リルゴムを含むゴム材を溶解させ、これにゴム薬品およ
び充填材を混入する。上記ゴム材用溶剤(有機溶剤)と
しては、前記ジョイントシート形成用組成物中に配合さ
れるものと同様なものが好ましく、ゴム材に対するμ値
(相互作用定数)の大きいゴム材用溶剤、換言すればア
クリロニトリル(AN)含量の多いニトリルゴムを溶解
しにくく(低溶解度)、ゴム材低膨潤性の溶剤が用いら
れる。このような有機溶剤としては、高ニトリルゴムと
溶剤のμ値が0.5以上、好ましくは2.5〜0.55
のものが望ましく、具体的には、例えば、トルエン、ゴ
ム揮等が挙げられる。このような有機溶剤は、1種また
は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0061】本発明では、上記のようにして得られた高
粘度のゴム溶液または分散液に、芳香族ポリアミド繊
維、フィブリル化した芳香族ポリアミド繊維等の有機繊
維および/またはガラス繊維等の無機繊維からなる基材
繊維、さらに必要により膨張黒鉛、再生膨張黒鉛、吸水
樹脂、吸油樹脂、膨潤ゴムなどを配合して均一になるよ
うに混練して粘土状で高粘度で対溶剤低膨潤性のジョイ
ントシート形成用組成物を準備する。
【0062】このようなジョイントシート形成用組成物
では、溶剤不溶性あるいは難溶性の各配合成分が均一に
分散されており、繊維等の凝集、未解繊などがなく、材
料同士が良好に絡み合い、繊維等とゴムとの界面接着性
も良好となっている。これにより強度が向上し、さら
に、ジョイントシートの強度向上に寄与する基材繊維の
高配合化も可能となっている。
【0063】次いでこのような組成物を熱ロールと冷却
ロールとからなる一対のロール間に挿入して加熱圧延す
る。この際、熱ロールは120〜160℃の温度に、ま
た冷却ロールは50℃以下の温度に保たれていることが
好ましく、このような一対のロールを含む装置は、シー
ター装置として公知である。
【0064】上記のようにジョイントシート形成用組成
物を一対のロール間に挿入すると、該組成物は加熱圧延
されて熱ロール側にシート状に積層される。このシート
状の組成物を熱ロールから剥離させると、ジョイントシ
ート(単層のジョイントシート)が得られる。
【0065】このようにジョイントシートを製造する際
のロール線圧(linear pressure)は、本発明のジョイ
ントシート形成用組成物では、該組成物の成分組成、ロ
ールの送り速度等に応じて適宜設定可能であり、冷却ロ
ール表面への該組成物の付着や、熱ロールからの積層シ
ートの剥離は極めて生じ難くい。
【0066】なお、一般に、ロール送り速度を上げると
ロール線圧は、低くなる。もし、このロール線圧が低す
ぎると、従来のジョイントシート形成用組成物では、該
組成物をシーターに挿入して熱ロール側に積層する際
に、冷却ロールに付着する、いわゆる「トラレ現象」が
生ずる。逆にロール線圧が高すぎると、積層されたシー
トは、ロールとの摩擦力により熱ロールから剥離してし
まう、いわゆる「モマレ現象」が生ずる。この点、前記
背景技術の項で挙げた従来のジョイントシートでは、用
いられる組成物の強度が低く、石綿ジョイントシート用
組成物のような摩擦力に対抗し得る強度がないため、著
しくモマレ現象が生じやすいとの問題点があったが、本
発明のジョイントシート形成用組成物には、トルエン、
ゴム揮等の有機溶剤に膨潤し難い、高強度の高ニトリル
ゴムが分散性良く練り込まれており、ジョイントシート
形成用組成物の強度も高いため、ロール線圧がある程度
広範囲に変化してもモマレ現象が生じ難いため、モマレ
現象、トラレ現象等の問題点は著しく低減されている。
【0067】なお、ジョイントシート形成用組成物を一
対のロール間に挿入してシート状に圧延する際に、冷却
ロールに該組成物の一部が付着することがある。このよ
うな冷却ロールへのジョイントシート形成用組成物の付
着防止は、有機溶剤を冷却ロールとジョイントシート形
成用組成物との間に供給して行うことが好ましく、具体
的には、有機溶剤を、製板工程に先立つ前処理工程、す
なわちゴム材、溶剤等を配合し混合攪拌したのち有機溶
剤を揮散させて、団子状のジョイントシート形成用組成
物を得る工程で、該ジョイントシート形成用組成物表面
に満遍無く上記有機溶剤を散布(ふりかけ)あるいは塗
布等しておく方法、あるいは有機溶剤を冷却ロールとジ
ョイントシート形成用組成物との間に散布する方法等に
より冷却ロール表面を溶剤で濡らす方法を挙げることが
できる。
【0068】有機溶剤としては、前記ジョイントシート
形成用組成物中に配合されるものと同様のもの、すなわ
ち、該組成物中に含まれているアクリロニトリル含量の
多い上記NBRに対する相互作用定数μ値が大きい有機
溶剤を用いることができる。
【0069】このような有機溶剤としては、高ニトリル
ゴムと該溶剤とのμ値が0.5以上のもの、好ましくは
0.55〜2.5のものを用いることができる。高ニト
リルゴムとの関係でこのようなμ値の有機溶剤として
は、トルエン、ゴム揮等が挙げられ、本発明ではこれら
溶剤の何れか一方を単独で用いてもよく、両者を組み合
わせて用いてもよい。
【0070】アクリロニトリル(AN)含量の高い上記
NBRは、従来より使用されている中高ニトリルゴム
(例:AN含量が20〜34%)に比べてそのSP値
(Solubility Parameter、SPNBR)が大きく、μ値が
大きいため、このような有機溶剤との相溶性は小さい。
なお溶剤と溶質との相互作用定数(μ値)及びSP値の
間には、μ=μs+μH、μs=0.34、μH=V
(δs−δp)2/RT[但し、V:溶剤の分子容、δ
s,δp:溶剤及びゴムの溶解度指数(SP値)、R:
気体定数、T:絶対温度]の関係がある。このようなμ
値の有機溶剤を、アクリロニトリル(AN)含量の高い
上記NBR(高ニトリルゴム)が配合されたジョイント
シート形成用組成物に振り掛け、あるいはジョイントシ
ート形成用組成物調製時に用いる場合には、上記トルエ
ン等の有機溶剤と接触しても、アクリロニトリル含量の
高いこの高ニトリルゴムは、膨潤、溶解されにくい。従
って、ロール製板する際に、ジョイントシート形成用組
成物にトルエン等を振り掛けても該組成物が大きく膨潤
することがなく、よって製板加工性が低下することもな
い。
【0071】このため、多量の上記有機溶剤を使用し
て、冷却ロール表面を該溶剤にて適度に濡らすことによ
り、ジョイントシート形成用組成物の冷却ロール表面へ
の付着である「トラレ現象」を効率よく防止できるとと
もに、冷却ロールが有機溶剤にて、常に良好に濡らされ
る結果、ロール線圧は均一化され、従来と同様のロール
線圧を採用する場合にもトラレ現象は生じ難く、加工性
は向上し、また上記のようにトラレ現象が生じ難いため
ロール線圧低減も可能であり、広範囲の加工条件を適宜
設定して、多層構造、例えば三層構造のジョイントシー
トも極めて容易に製造可能となっている。
【0072】また、このような冷却ロールへのジョイン
トシート形成組成物の付着防止は、該組成物中に有機帯
電防止剤を0.1〜10重量%の量で添加することによ
って高めることができる。
【0073】有機帯電防止剤としては、ラウリルトリメ
チルアンモニウムクロリドなどのカチオン性帯電防止
剤、アルキル硫酸エステルなどのアニオン性帯電防止
剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオ
ン性帯電防止剤、ベタインなどの両性帯電防止剤、水溶
性ポリマー帯電防止剤あるいはケイ素化合物系帯電防止
剤などが用いられる。
【0074】[ジョイントシート]上記のようにして得
られる本発明に係る単層構造のジョイントシートは、上
記ジョイントシート形成用組成物を加硫(架橋)してな
り、このようなジョイントシートは、上記非石綿系無機
繊維および/または有機繊維からなる基材繊維(i)、特
定の加硫されたニトリルゴム(ii-a)、充填材(iv)を含ん
でなっている。
【0075】このようなジョイントシートには、上記基
材繊維(i)と加硫ニトリルゴム(ii-a)と充填材(iv)との
合計を100重量%とするとき、上記石綿系無機繊維お
よび/または有機繊維からなる基材繊維(i)は、5〜8
0重量%の量で、加硫ニトリルゴム、未加硫ニトリルゴ
ムおよび残存ゴム薬品(ii-a)は、合計で5.1〜60重
量%の量で、充填材(iv)は、5〜80重量%の量(但
し、上記(i)、(ii-a)、(iv)の全成分合計:100重量
%とする)で含まれている。 このようにして得られる
単層ジョイントシートの厚さは、特に制限されないが、
通常、0.4〜5.0mm厚、好ましくは0.5〜3.
2mm厚程度である。
【0076】このようなジョイントシートのそれぞれ常
温で測定した引張強度(試験方法:JIS R 345
3)は、通常5〜50MPa、好ましくは10〜30M
Paであり、圧縮率(試験方法:JIS R 3453)
は、通常3〜20%、好ましくは5〜15%であり、復
元率(試験方法:JIS R 3453)は、通常20〜
80%、好ましくは40〜60%であり、シール性は、
通常1.0×10-3〜3.0×10-2cc/秒、好まし
くは2.0×10-2cc/秒以下である。
【0077】上記説明においては、主に、単層のジョイ
ントシートについて説明したが、以下、2層以上の多層
構造のジョイントシートについて説明する。<多層のジョイントシートおよびその製造> [多層ジョイントシート]この多層構造のジョイントシ
ート(多層ジョイントシート)は、上記単層のジョイン
トシート用組成物と同様の組成物からなる層(a)を少な
くとも1層以上有している。
【0078】すなわち、多層ジョイントシートは、上記
非石綿系無機繊維および/または有機繊維からなる基材
繊維(i)、加硫されたニトリルゴム(ii-a)および充填材
(iv)を含み、上記ニトリルゴムのアクリロニトリル成分
単位含量が36重量%以上、好ましくは40重量%以上
である層(a)を有している。
【0079】このような層(a)は、前記ジョイントシー
ト形成用組成物、すなわち上記非石綿系無機繊維および
/または有機繊維からなる基材繊維(i)、未加硫ニトリ
ルゴム(ii)、ゴム薬品(iii)および充填材(iv)を含み、
上記ニトリルゴムのアクリロニトリル成分単位含量が3
6重量%以上、好ましくは40重量%以上である上記ジ
ョイントシート形成用組成物を加硫(架橋)することに
より得られる。
【0080】本発明の好ましい態様においては、上記多
層ジョイントシートが、芯材層と、該芯材層の表面に積
層される表面層と、該芯材層の裏面に積層される裏面層
とからなり、該芯材層が、上記ジョイントシート形成用
組成物(以下、「芯材組成物」とも言う)からなってい
る。
【0081】このような多層ジョイントシートでは、全
体の厚みが0.4〜5.0mm厚、好ましくは0.5〜
3.2mm厚程度である。また、芯材層の厚みは、通常
0.3〜3.0mm厚、好ましくは0.7〜1.4mm
厚であり、表面層の厚みは、通常0.05〜3.0mm
厚、好ましくは0.05〜1mm厚であり、裏面層の厚
みは、通常0.05〜3.0mm厚、好ましくは0.0
5〜1mm厚である。
【0082】このような多層ジョイントシートの表面
層、裏面層は、成分組成比が異なる以外は、上記芯材層
用の組成物と同様の物質からなっていてもよく、上記芯
材層用の組成物とは別異の組成物などからなっていても
よい。
【0083】このような多層ジョイントシートとして
は、例えば、以下のような層構成のものが好ましく挙げ
られる。 (イ)表面層(吸水樹脂)/芯材層/裏面層(吸水樹脂) (ロ)表面層(吸油樹脂、膨油ゴム)/芯材層/裏面層
(吸油樹脂、膨油ゴム) (ハ)表面層(芯材層と同様な成分を含有する高圧縮物)
/芯材層/裏面層(芯材層と同様な成分を含有する高圧
縮物) (ニ)表面層(平滑性を有するニトリルゴム)/芯材層/
裏面層(芯材層と同様な成分を含有する高圧縮物) な
ど。
【0084】上記吸油樹脂としては、油分を吸収して膨
潤するものが用いられ、その種類は、特に限定されな
い。このような吸油樹脂としては、例えば、自己膨潤型
のアクリルポリマー等が挙げられ、市販品では、例え
ば、「オレオソーブ」(商品名、日本触媒化学工業
(株)製)が挙げられる。
【0085】膨潤(膨油)ゴムとしては、油分によって
膨潤するゴムである、NR、IR、BR、SBR、C
R、IIR、EPM、EPDM等が挙げられる。 [多層ジョイントシートの製造]このような多層ジョイ
ントシートを製造するには、好ましくは、裏面層用(ま
たは表面層用)の組成物、芯材層用の組成物、次いで表
面層用(または裏面層用)の組成物を順次、一対のロー
ル間に供給して、これらの組成物を順次加熱圧延して熱
ロール側に順次積層すればよい。
【0086】一例を挙げてさらに具体的に説明すると、
従来の中高ニトリルゴム(NBR)、吸水樹脂、吸油樹
脂などを含有する表面層用の組成物(スタータ等とも言
う。)を熱ロールと冷却ロールとからなるロール間に供
給し、熱ロール表面に積層させ、次いで上記ジョイント
シート形成用組成物を芯材層用として供給して表面層の
上に積層させ、次いで芯材層用組成物と同様な成分を含
有し、その配合組成比のみ異なる裏面層用の組成物、前
記表面層用組成物などを供給して、これらの組成物を順
次加熱圧延して熱ロール側に順次積層すればよい。この
際、熱ロールから発生する熱により、各層は加硫され
る。
【0087】またこの際、表面層用組成物として、ゴム
成分含量の多いジョイントシート形成用ゴム組成物、例
えば、中高ニトリルゴム(例:AN含量が20〜34%
程度)などを用いると、ジョイントシート製造時には、
熱ロールの平滑性が活かされ、表面平滑性に優れ、当接
される相手部材とのなじみ性に優れたジョイントシート
が得られる。
【0088】芯材層用組成物としては、前記高ニトリル
ゴム配合のジョイントシート形成用組成物が好ましく用
いられる。裏面層用ゴム組成物としては、芯材層用のゴ
ム組成物と同様の成分、すなわち基材繊維(i)、未加硫
ニトリルゴム(ii)、ゴム薬品(iii)、充填材(iv)および
有機溶剤(v)を含有し、各成分の配合組成比が芯材層用
のものと異なり、ゴム薬品(iii)の含有量が芯材層用の
ものよりも低減されたゴム組成物(イ)、あるいは前記表
面層と同様の組成物(ロ)が用いられる。このようなゴム
組成物(イ)からなる裏面層を有するジョイントシートで
は、裏面層の加硫度を低くすることにより、相手材との
なじみ性を向上させ、高圧縮性を付与したり、ジョイン
トシート形成用組成物中に含まれる基材繊維量を減らす
など各成分の配合のバランスを適宜調整することによ
り、裏面層の表面平滑性を向上させることができる。
【0089】このような各層用の組成物を、熱ロールと
冷却ロールとから成るロール間で加熱圧延して多層構造
のジョイントシートを製造するに際しては、上記単層ジ
ョイントシートの製造時と同様に、トルエン、ゴム揮等
の有機溶剤を、ジョイントシート形成用組成物表面に散
布して満遍無く濡らした後、該組成物を熱ロールと冷却
ロールとの間に供給し、ジョイントシート形成用組成物
の冷却ロール表面への付着を防止し、該ジョイントシー
ト形成用組成物を熱ロール表面にのみ積層させることが
望ましい。
【0090】このようにして得られる多層ジョイントシ
ートでは、各層は互いに強固に一体化されるため、浸透
漏洩は、効果的に防止される。また本発明の多層ジョイ
ントシートは、上記非石綿系無機繊維および/または有
機繊維からなる基材繊維、加硫ニトリルゴムおよび充填
材を含み、上記ニトリルゴム中のアクリロニトリル成分
単位含量が36重量%以上、好ましくは40重量%以上
である層を有しているので、高硬度であり、機械的強
度、耐熱性、シール性に優れている。
【0091】例えば、このような多層ジョイントシート
の厚さは、特に制限されないが、通常、0.4〜5.0
mm厚、好ましくは0.5〜3.2mm厚程度である。
また例えば、多層ジョイントシートが上記(イ)表面層
(吸水樹脂)/芯材層/裏面層(吸水樹脂)の構成を有
する場合、このような多層ジョイントシートのそれぞれ
常温で測定した引張強度(試験方法:JIS R 345
3)は、通常10〜50MPa、好ましくは10〜30
MPaであり、圧縮率(試験方法:JIS R 345
3)は、通常3〜20%、好ましくは5〜15%であ
り、復元率(試験方法:JIS R 3453)は、通常
3〜20%、好ましくは5〜15%であり、シール性
(試験方法:ジョイントシートを裁断して外形65m
m、内形50mmのガスケットを作成し、これを「マル
トーシールテスター」(丸東社製)を使用してガスケッ
ト締付応力9.8MPa、内圧0.098Paの窒素ガ
スにてシール性を測定。)は、通常1.0×10-3
3.0×10-2cc/秒、好ましくは2.0×10-2
c/秒以下である。
【0092】本発明では、芯材層用として、配合されて
いるニトリルゴムのアクリロニトリル成分単位含量が3
6重量%以上、好ましくは40重量%以上である上記ジ
ョイントシート形成用組成物を用いているため、製板加
工性が向上しており、特開平7ー252469号公報、
特公平1-32271号公報等に記載の方法に比して、
所望の肉厚あるいは層厚の多層構造のジョイントシート
を容易に製造できる。
【0093】詳説すれば、多層ジョイントシートの製板
は、第1層の表面層用組成物をシーターに投入し、全て
熱ローラーに積層定着させた後、第2層の芯材層用組成
物の投入を開始する。(なお、表面層用組成物と芯材層
用組成物が混合するなど、各層用の原料同士が混合する
と、得られるジョイントシートの物性が部分的に不均一
となるので、各層用の組成物同士の混合は、避けなけれ
ばならない。)このように積層された芯材層用組成物が
表面層用組成物層の上に定着した後、第3層の裏面層用
組成物を積層する。このように各層の熱ロール上への積
層は、段階的に行われる。
【0094】しかしながら、三層構造のジョイントシー
トを例に説明すると、第1層あるいは第2層用の組成物
をシーターに投入し熱ロールへ定着させた後、次の第2
層あるいは第3層用の組成物の投入を開始までの間は、
回転している冷却ロールと、熱ロール表面に積層された
第1層用あるいは第2層用の組成物の終端部との間で、
急激に摩擦力が増大し、従来のジョイントシート製造工
程では、熱ロールから該組成物が剥離するモマレ現象が
起こり易かった。
【0095】これに対して従来では、「モマレ現象」を
抑えるためにロール線圧を下げて(ロール送りスピード
を速めて)いた。これにより、「トラレ現象」が生じや
すくなるため、通常の粘度のジョイントシート形成用組
成物を第3層目などに使用することができず、線圧が低
くても積層可能なドロドロで極めて低粘度の組成物を使
用していた。
【0096】このため、従来では、異なる配合組成の組
成物を順次積層して、種々の要求物性に応じたジョイン
トシートを製造したり、ジョイントシートの表面層に特
定の機能を付与するなど、ジョイントシート多層化の試
みの大きな障害となっていた。例えば、ジョイントシー
トを形成する表面層用組成物に水膨潤性物質を添加し
て、ジョイントシートのシール性を向上させるために
は、水膨潤性物質を一定量以上を添加しなければならな
いが、そのためには、表面層に充分な厚みをもたせるこ
とが必要である。しかしながら、従来のジョイントシー
トでは、このように表面層を所望の量で厚肉化すること
は困難であった。
【0097】これに対して、本願発明では上記の高アク
リロニトリル含量のニトリルゴムが配合された高強度の
ジョイントシート形成用組成物を、この第1層用あるい
は第2層用の組成物として用いることにより、このよう
な「モマレ現象」、「トラレ現象」を防止できる。
【0098】その結果、加工性は良好で、通常の性状・
形態のジョイントシート形成用組成物を第3層用の組成
物としてジョイントシートの製造時に使用可能であり、
適度のロール線圧(送りスピード)を維持でき、厚肉化
可能であり、強度が高くシール性、水シール性に優れる
など、高機能性の多層ジョイントシートを得ることがで
きる。
【0099】このように本発明においては、高アクリロ
ニトリル含量のニトリルゴムが配合された上記ジョイン
トシート形成用組成物を使用しているため、所望の肉厚
の吸水性樹脂含有層を表面に有するジョイントシートを
得ることができる。
【0100】すなわち、本発明においては、ゴム基材に
高アクリロニトリル含量のニトリルゴムを含み、有機溶
剤として特にトルエンおよび/またはゴム揮を用いた上
記ジョイントシート形成用組成物を使用することによ
り、シーターによるジョイントシート製造時の上記トラ
レ現象やモマレ現象を防止して、幅広い製板加工条件を
採用できるので、得られるジョイントシートに充分な厚
みを持たせ、また各層の厚みを自由にコントロールする
ことが可能となり、各層に充分な厚みをもたせた、種々
の多層構造のジョイントシートを容易に製造することが
可能となっている。
【0101】
【発明の効果】本発明に係るジョイントシート形成用組
成物は、ゴム材として特定のアクリロニトリル成分単位
含量の未加硫のニトリルゴムを含んでいるため、厚肉化
可能であり、製板加工性等に優れており、強度等の機械
的特性、シール性等にバランスよく優れた単層または多
層のジョイントシートを製造できる。
【0102】本発明に係るジョイントシートは、ゴム材
として特定のアクリロニトリル成分単位含量の加硫ニト
リルゴムを含んでいるため、強度等の機械的特性、シー
ル性等にバランスよく優れている。
【0103】本発明に係るジョイントシートの製造方法
は、効率的で生産性に優れている。
【0104】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるも
のではない。 [試験方法] 試料厚さ:1.5mm 1.常態試験 JIS R 3453に準拠して測定した。 2.シール性 ジョイントシートを裁断して外形65mm、内形50m
mのガスケットを作成し、これを「マルトーシールテス
ター」(丸東社製)を使用してガスケット締付応力9.
8MPa、液体圧0.098Paの窒素ガスにてシール
性を測定した。 3.水シール性 外径40mm、内径25mmのガスケットを作り、フラ
ンジ面に挿入し、100kgf/cm2で締め付けて、
充填した水の漏洩内圧で水シール性を評価した。
【0105】
【実施例1】以下の組成を有するジョイントシート形成
用組成物を調製した。 (イ)NBR[アクリロニトリル含有量:36重量%,日本ゼオン(株)製,商品 名:N235S] ・・・・・・14重量% (ロ)基材繊維 ・・・・・・18重量% (芳香族ポリアミド繊維[(種類:パルプ),デュポン社製,商品名:ケブ ラー,以下同じ] ・・・・・・ 15重量%) (無機質繊維[種類:ロックウール,日東紡績(株)製,商品名:ニューロ ックファイバーB200),以下同じ] ・・・・・・3重量%) (ハ)充填材(クレー他) ・・・・・64重量% (ニ)ゴム薬品 ・・・・・・残部[(イ)〜(ニ)の合計を100重量%とする。] (ホ)溶剤(トルエン等) ・・・・・・適宜量 得られた組成物を130℃に保たれた加熱ロールと30
℃以下に保たれた冷却ロールとの間に挿入して加熱圧延
した。この際、冷却ロール表面にトルエンを散布したと
ころ、冷却ロール表面への該組成物の付着は防止され、
該組成物の膨潤も見られなかった。このようにすると、
該組成物は熱ロール側にシート状に極めて良好に積層さ
れた(製板加工性は極めて良好:◎)。このシート状物
を熱ロールからドクターブレードにより剥離してジョイ
ントシートを得た。
【0106】次に得られたジョイントシートの各種特性
を上記のようにして測定した。強度(測定法:JIS
R 3453)は、17MPaであった。結果を表1に
示す。
【0107】
【実施例2】実施例1において、配合材料および配合割
合をそれぞれ下記のように変えた以外は、実施例1と同
様にしてジョイントシートを製造し、実施例1と同様に
各種特性を測定したところ、強度は18MPaとなり、
加工性は良好(◎)となった。
【0108】配合組成および評価結果を併せて表1に示
す。 (イ)NBR[アクリロニトリル含有量:40重量%,日本ゼオン(株)製,商品名: 1041L] ・・・・・・14重量% (ロ)基材繊維 ・・・・・・18重量% (芳香族ポリアミド繊維[種類:パルプ、デュポン社製,商品名:ケブラー, 以下同じ] ・・・・・・ 15重量%) (無機質繊維[種類:ロックウール,日東紡績(株)製,商品名:ニューロ ックファイバー200,以下同じ] ・・・・・・3重量%) (ハ)充填材(クレー他) ・・・・・・64重量% (ニ)ゴム薬品 ・・・・・残部(4重量部)[(イ)〜(ニ)の合計100重量%] (ホ)溶剤(トルエン) ・・・・適宜量
【0109】
【実施例3】実施例1において、ニトリルゴムとして、
アクリロニトリル成分単位の含有量が50重量%のもの
(日本ゼオン(株)製、商品名:DN009)を用いた
以外は、実施例1と同様にしてジョイントシートを製造
し、上記と同様の試験を行ったところ、強度は21MP
aとなり、加工性は良好(◎)となった。
【0110】配合組成および試験結果を併せて表1に示
す。
【0111】
【比較例1〜3】実施例1において、ニトリルゴムとし
て、アクリロニトリル成分単位の含有量が、それぞれ1
8重量%(商品名:DN401L,比較例1)、26重量%
(同:DN315,比較例2)、34重量%(同:1042,比較
例3)のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてジ
ョイントシートを製造し、上記と同様の試験を行った。
【0112】配合組成および試験結果を併せて表1に示
す。
【0113】
【比較例4】実施例2において、トルエンに代えて、M
EK(メチルエチルケトン)を用いた以外は、実施例2
と同様にしてジョイントシートを製造し、上記と同様の
試験を行った。
【0114】配合組成および試験結果を併せて表1に示
す。なお、表中で、溶剤について「○」は配合あり、
「−」は配合なしを意味する。
【0115】また、表中で、製板加工性について各記号
の意味は、下記の通り。 ×:製板不可。80%以上の割合で不良製板発生。 △:製板困難。40%以上〜80%未満の割合で不良製
板発生。 ○:製板可。20%以上〜40%未満の割合で不良製板
発生。 ◎:製板可。20%未満の割合で不良製板発生。
【0116】また、各物性の測定条件は、JIS R 3
453に準拠する。
【0117】
【表1】
【0118】
【実施例4】実施例1において、下記に示す表面層用組
成物、芯材層用組成物、裏面層用組成物を順次、熱ロー
ルと冷却ロールとからなる一対のロール間に供給した以
外は、実施例1と同様にして、3層構造のジョイントシ
ート(厚さ:表面層0.05mm/芯材層0.80mm
/裏面層0.15mm、合計1mm厚)を製造し、強
度、シール性を測定した。
【0119】各層の配合組成および測定結果を表2に示
す。
【0120】
【参考例1】全体が実施例4の芯材層と同一の組成から
なる1mm厚のジョイントシートを製造し、その強度、
シール性を測定した。
【0121】該ジョイントシート形成用組成物の配合組
成および測定結果を表2に示す。
【0122】
【表2】
【0123】
【実施例5】実施例4において、各層用の組成物として
下記表3に示すものを用い、各層の厚みを表面層0.1
0mm/芯材層0.8mm/裏面層0.1mm、合計
1.0mm厚とした以外は、実施例4と同様にして、三
層構造のジョイントシートを製造し、強度、水シール性
を測定した。
【0124】結果を表3に示す。
【0125】
【表3】
【0126】
【実施例6】実施例5において、表面層と裏面層の厚さ
をそれぞれ0.20mmとし、芯材層の厚さを0.6m
m(合計1.0mm厚)とした以外は、実施例5と同様
にして三層構造のジョイントシートを製造し、強度、水
シール性を測定した。
【0127】結果を表4に示す。
【0128】
【参考例3〜4】実施例5において、表面層と裏面層の
厚さをそれぞれ表4に示すように変えた以外は、実施例
5と同様にして三層構造のジョイントシートを製造し、
強度、水シール性を測定した。
【0129】結果を表4に示す。
【0130】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐 野 倫 司 愛知県新城市川田字本宮道150 日本バル カー工業株式会社新城工場内 Fターム(参考) 3J040 EA16 EA25 FA06 FA11 FA20 HA02 HA30 4H017 AA03 AA14 AA18 AB01 AD03 AD04 AE02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非石綿系無機繊維および/または有機繊維
    からなる基材繊維、ニトリルゴム、ゴム薬品、充填材お
    よび有機溶剤を含んでなり、 上記ニトリルゴムのアクリロニトリル成分単位含量が3
    6重量%以上であり、 上記有機溶剤がトルエンおよび/またはゴム揮であるこ
    とを特徴とするジョイントシート形成用組成物。
  2. 【請求項2】非石綿系無機繊維および/または有機繊維
    からなる基材繊維、加硫されたニトリルゴムおよび充填
    材を含み、上記ニトリルゴムのアクリロニトリル成分単
    位含量が36重量%以上である層を有することを特徴と
    する多層構造のジョイントシート。
  3. 【請求項3】上記ジョイントシートが、芯材層と、該芯
    材層の表面に積層される表面層と、該芯材層の裏面に積
    層される裏面層とからなり、 該芯材層が、非石綿系無機繊維および/または有機繊維
    からなる基材繊維、加硫されたニトリルゴム、充填材を
    含み、上記ニトリルゴムのアクリロニトリル成分単位含
    量が36重量%以上であることを特徴とする請求項2に
    記載のジョイントシート。
  4. 【請求項4】上記表面層および裏面層が、何れも、吸水
    樹脂を含有し、表面層と裏面層のうちの少なくとも一方
    の層の厚さが0.15mm以上であることを特徴とする
    請求項2〜3の何れかに記載のジョイントシート。
  5. 【請求項5】上記ニトリルゴムのアクリロニトリル成分
    単位含量が40重量%以上であることを特徴とする請求
    項2〜4の何れかに記載のジョイントシート。
  6. 【請求項6】ジョイントシート形成用組成物を、熱ロー
    ルと冷却ロールとから成るロール間で加熱圧延して1層
    または多層構造のジョイントシートを製造するに際し
    て、 少なくとも何れかの層用の上記ジョイントシート形成用
    組成物として、 非石綿系無機繊維および/または有機繊維からなる基材
    繊維、ニトリルゴム、ゴム薬品、充填材および有機溶剤
    を含んでなり、上記ニトリルゴムのアクリロニトリル成
    分単位含量が36重量%以上であり、上記有機溶剤がト
    ルエンおよび/またはゴム揮である組成物を用い、かつ
    トルエンおよび/またはゴム揮を、ジョイントシート形
    成用組成物表面に散布し、上記ジョイントシート形成用
    組成物の冷却ロール表面への付着を防止し、該ジョイン
    トシート形成用組成物を熱ロール表面にのみ積層させる
    ことを特徴とするジョイントシートの製造方法。
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