JP2000033657A - ゴムクロ−ラのエンドレス成形法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は長尺で有端のゴム弾性体を無端状につ
なぎ合せてゴムクロ−ラとする連結成形法に関するもの
である。 【解決手段】長尺で有端であり、その長尺方向にスチ−
ルコ−ド列が埋設されその両端より当該スチ−ルコ−ド
列を突出し、その突出したスチ−ルコ−ド列をオ−バ−
ラップさせ、当該部位の未加硫ゴムを加硫してなるゴム
クロ−ラのエンドレス成形法において、スチ−ルコ−ド
列のオ−バ−ラップ部を複数回に分割して未加硫ゴムを
供給し、一端側より複数回に分割して順次加硫成形する
成形法。１‥長尺で有端のゴム弾性体、２‥スチ−ルコ
−ド列、２ａ、２ｂ‥スチ−ルコ−ド列の突出部、３‥
オ−バ−ラップ部、４、５、６‥未加硫ゴム、７ａ、７
ｂ‥スチ−ルコ−ド列の突出部の先端。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は長尺で有端のゴム弾
性体を無端状につなぎ合せてゴムクロ−ラとする連結成
形法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、長尺のゴム弾性体を無端状（エン
ドレス化）としたゴムクロ−ラが広く用いられており、
エンドレス化するにはゴム弾性体の長尺方向にスチ−ル
コ−ドが埋設され、両端より突出させた当該スチ−ルコ
−ドをオ−バ−ラップさせ、この部位に未加硫ゴムを充
填して加圧加熱下に加硫してなるものである。このエン
ドレス化にあっては一回の工程で加硫するため、加硫機
の設備上の関係からオ−バ−ラップの長さに限界がある
ことはやむを得ない。

【０００３】従来のエンドレス化の工程にあっては、ス
チ−ルコ−ドを内蔵した長尺の未可硫ゴムを加硫しスチ
−ルコ−ドの両端部を突出させ、これに沿うゴム部は未
加硫〜半加硫の状態とし、次いでこのスチ−ルコ−ドの
両端部をオ−バ−ラップさせ、必要ならばここに更に未
加硫ゴムを追加して加硫してエンドレス化することとな
る。

【０００４】このように、長尺のゴム弾性体の両端部の
ゴム部を加硫を促進させないために、加硫成形モ−ルド
にあってはその両端部に特別にウオ−タ−ジャケット等
のク−リングゾ−ンを形成する必要がある。そしてこの
ク−リングゾ−ンを長くすることがエンドレス部の剛性
の緩和に必要となるが、実際の設備ではこれを充分な長
さとするには限界がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は有端のゴム弾
性体のエンドレス化に際しては新規なエンドレス成形法
を提案するものであり、特にエンドレス部の剛性の緩和
に寄与する成形法に係るものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は以上の課題を達
成するために次の構成を採用したものである。即ち、長
尺で有端であり、その長尺方向にスチ−ルコ−ド列が埋
設されその両端より当該スチ−ルコ−ド列を突出し、そ
の突出したスチ−ルコ−ド列をオ−バ−ラップさせ、当
該部位の未加硫ゴムを加硫してなるゴムクロ−ラのエン
ドレス成形法において、スチ−ルコ−ド列のオ−バ−ラ
ップ部を複数回に分割して未加硫ゴムを供給し、一端側
より複数回に分割して順次加硫成形することを特徴とす
る。

【０００７】そして、具体的には、オ−バ−ラップ部に
おける少なくとも一方側のスチ−ルコ−ド列先端を、ゴ
ムクロ−ラの幅方向に対し段部を形成した配置とし、或
いは傾斜配置としたものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】ゴムクロ−ラの加硫の際、前記し
たように加硫成形モ−ルド及び熱盤が長大化して大きな
スペ−スの設置場所を要する装置を使用しなくて済むよ
うに、図９に示すような送り加硫と称される成形法も採
用されている。この送り加硫成形法は比較的短い単位長
さの上下の加硫成形モ−ルド２１及び２２からなる小さ
な設備によって長尺のクロ−ラ２３を加硫するものであ
る。即ち、クロ−ラ２３はスチ−ルコ−ド２４が埋設さ
れた接地側未加硫ゴム２５と内周側未加硫ゴム２６とか
ら構成され、上下の加硫成形モ−ルド２１及び２２によ
って単位長さ毎に順次加熱成形することによって加硫さ
れるものである。

【０００９】本発明のエンドレス成形法はスチ−ルコ−
ド列をオ−バ−ラップさせてエンドレス化するに際し
て、当該部位に順次部分的に未加硫ゴムを充填し、この
未加硫ゴム部を加圧加熱下に加硫するエンドレス化する
送り加硫法を採用したものであり、この工程を順次繰り
返すことによってエンドレス化するものであり、特別に
大きな設備を要さずともエンドレス化が可能となったも
のである。

【００１０】そして、このスチ−ルコ−ド列のオ−バ−
ラップ部にあっては、ゴムクロ−ラ全体としてこの部位
の剛性が他の部位より高くなり、このため走行時の振動
や騒音の発生の原因となっていた。この部位のスチ−ル
コ−ド列の先端の配置を変えることによって全体として
剛性差が均一化の方向に分散されるものであり、このた
め、スチ−ルコ−ド列の先端の配置に段差を設けて剛性
を緩和を図ったり、その先端の配置を傾斜配置とすれば
よい。

【００１１】尚、スチ−ルコ−ド列のオ−バ−ラップ部
のみならずゴム弾性体のスチ−ルコ−ド列全体を通して
順次未加硫ゴムを充填し、これを加硫してゴムクロ−ラ
を成形することも可能である。スチ−ルコ−ド列のオ−
バ−ラップ部が長くなる場合でも本発明の成形法は有利
に成形できることとなる。

【００１２】

【実施例】以下、図面をもって本発明の成形法を更に詳
細に説明する。図１は本発明の成形法の概要図であり、
符号１は長尺で有端のゴム弾性体、２はこの長尺方向に
埋設されたスチ−ルコ−ド列である。さて、ゴム弾性体
１は得られるゴムクロ−ラの全長よりも若干短い寸法と
され、その両端よりスチ−ルコ−ド列２が突出してなる
ものである。このゴム弾性体１の加硫はいかなる加硫法
であってもよい。

【００１３】そしてこのスチ−ルコ−ド列２の突出部２
ａ及び２ｂをオ−バ−ラップさせ、このオ−バ−ラップ
部３の長さよりも短い新たな未加硫ゴム４を充填し、こ
の未加硫ゴム４を加硫するものであって、この加硫工程
を複数回にわたり順次行うことによりエンドレス部が完
成する。図中、１１及び１２はモ−ルドを示す。

【００１４】前記したように、このオ−バ−ラップ３を
全体として一回で加硫成形する従来の成形法の場合には
大型の設備を要するが、本発明の成形法の場合には小型
の加硫設備で充分であり、コスト的にも安価なものが得
られることとなる。

【００１５】尚、通常は加硫されたゴム弾性体１の両端
を半加硫ゴム部５及び６としておくのがよく、こうする
ことによって新たに供給される未加硫ゴムとの加硫接着
一体化が完全になされることとなる。尚、この半加硫状
態とするにはモ−ルドの端部にウオ−タ−ジャケットを
備えてク−リングゾ−ンを形成すればよい。

【００１６】図２〜図７はオ−バ−ラップ部３における
スチ−ルコ−ド列２の突出部２ａ及び２ｂの先端７ａ及
び７ｂの配置例である。図２にあってはゴムクロ−ラの
幅方向に直線状をなす例であり、この場合にはこのオ−
バ−ラップ部３を例えば左側から順次加硫成形するもの
である。図３は先端７ａ及び７ｂを２段の段付配置した
ものであり、図４は３段の段付、図５は５段の段付配置
としたものである。そして、図６はこの配置を傾斜配置
させたものであり、図７はＶ字形に傾斜配置させたもの
である。

【００１７】これらのオ−バ−ラップ部３の先端７ａ及
び７ｂの配列は剛性の差を分散することを目的とするも
のであり、得られたゴムクロ−ラの剛性は均一化の方向
に改善されたものとなる。

【００１８】いずれにしろ、本発明のエンドレス成形法
によれば、これらのスチ−ルコ−ド列２のエンドレス部
３を複数に区画し、これに順次新たな未加硫ゴムを充填
して加硫することによって成形するものであり、設備的
に小型のものでよい。尚、段付の場合には一つの段部を
一回の加硫成形にて順次加硫することが望ましい。

【００１９】

【発明の効果】本発明は有端のゴム弾性体の新規なエン
ドレス成形法を提案するものであり、特にエンドレス部
の剛性の緩和に寄与する成形法である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の成形法の概要図である。

【図２】図２はスチ−ルコ−ド列の先端の第１配置例で
ある。

【図３】図３はスチ−ルコ−ド列の先端の第１配置例で
ある。

【図４】図４はスチ−ルコ−ド列の先端の第１配置例で
ある。

【図５】図５はスチ−ルコ−ド列の先端の第１配置例で
ある。

【図６】図６はスチ−ルコ−ド列の先端の第１配置例で
ある。

【図７】図７はスチ−ルコ−ド列の先端の第１配置例で
ある。

【符号の説明】

１‥長尺で有端のゴム弾性体、 ２‥スチ−ルコ−ド列、 ２ａ、２ｂ‥スチ−ルコ−ド列の突出部、 ３‥オ−バ−ラップ部、 ４、５、６‥未加硫ゴム、 ７ａ、７ｂ‥スチ−ルコ−ド列の突出部の先端。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｂ２９Ｋ 105:08 105:24 Ｂ２９Ｌ 29:00 31:00 Ｆターム(参考） 4F202 AA45 AD03 AD15 AD16 AG03 AG17 AH12 CA27 CB01 CC03 CK41 4F203 AA45 AD03 AD15 AD16 AG03 AG17 AH12 DA03 DB01 DC01 DL10 DL14 4F213 AA45 AD03 AD15 AD16 AG03 AG17 AH12 WA04 WA54 WA87 WB01 WC01

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺で有端であり、その長尺方向にスチ
   −ルコ−ド列が埋設されその両端より当該スチ−ルコ−
   ド列を突出し、その突出したスチ−ルコ−ド列をオ−バ
   −ラップさせ、当該部位の未加硫ゴムを加硫してなるゴ
   ムクロ−ラのエンドレス成形法において、スチ−ルコ−
   ド列のオ−バ−ラップ部を複数回に分割して未加硫ゴム
   を供給し、一端側より複数回に分割して順次加硫成形す
   ることを特徴とするゴムクロ−ラのエンドレス成形法。
2. 【請求項２】 オ−バ−ラップ部における少なくとも一
   方側のスチ−ルコ−ド列先端を、ゴムクロ−ラの幅方向
   に対し段部を形成した配置としたゴムクロ−ラのエンド
   レス成形法。
3. 【請求項３】 オ−バ−ラップ部における少なくとも一
   方側のスチ−ルコ−ド列先端を、ゴムクロ−ラの幅方向
   に対し傾斜配置としたゴムクロ−ラのエンドレス成形
   法。