JP2001219878A - 弾性クローラ - Google Patents

弾性クローラ

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JP2001219878A
JP2001219878A JP2000035492A JP2000035492A JP2001219878A JP 2001219878 A JP2001219878 A JP 2001219878A JP 2000035492 A JP2000035492 A JP 2000035492A JP 2000035492 A JP2000035492 A JP 2000035492A JP 2001219878 A JP2001219878 A JP 2001219878A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンドレス帯状をして外周面に所定間隔でラ
グが設けられたクローラ本体を主体として具備し、且つ
このクローラ本体の全周にわたる内部に抗張体が埋設さ
れて成るゴム製クローラにおいて、抗張体は、その両端
部をオーバラップさせたうえで結合したオーバラップ結
合部を有しているが、この部分の屈曲剛性が高くなり、
走行振動や剥離損傷の原因になっていた。これの解消を
図る。 【解決手段】 抗張体15をクローラ本体2の幅方向で
複数本設けておき、それぞれにオーバラップ結合部16
を設ける。また、各オーバラップ結合部16は、周方向
に沿ってラグ間隔の1ピッチ分を超えて位置ズレさせ
る。これにより、高剛性化される部分をクローラ本体2
の幅方向及び周方向に分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、土木用、建設用、
又は農業用等の無限軌道車において用いられる弾性クロ
ーラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】弾性クローラは、ゴム等の弾性材で形成
されたエンドレス帯状をしたクローラ本体に対し、その
外周面に互いに所定間隔をおいて複数のラグが突設(隆
起)されて成るものであって、スプロケットによる噛合
伝動方式又はドラムホイールによる摩擦伝動方式等によ
り、循環走行されるようになっている。この種の弾性ク
ローラでは、クローラ本体の補強のため、このクローラ
本体内の周方向に沿ってスチールコード等より成る抗張
体が埋設されているのが普通である。この抗張体は、そ
の両側の素材端が所定長さ分だけオーバラップ状態で結
合されることにより、エンドレスを形成するようになっ
ている(実開昭54−178324号公報、実開昭55
−139983号公報、実開昭58−90887号公報
等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように抗張体に
設けられたオーバラップ結合部では、当然に、その他の
部分(オーバラップしていない部分)に比して屈曲剛性
が高くなっている。そのため、このオーバラップ結合部
が駆動輪に巻きつくとき等に走行振動が起こりやすく、
場合によっては脱輪をはじめ、クローラ本体内での剥離
損傷の原因になったりするおそれもあった。また、オー
バラップ結合部が駆動輪の周部に位置しているときに、
この駆動輪まわりで石等の噛み込みが起こると、これを
原因とした張力上昇がオーバラップ結合部に集中して、
このオーバラップ結合部での破断に繋がるということも
あった。
【0004】これらの不具合は、低速走行時(又は低速
走行車)よりも高速走行時(又は高速走行車)の場合に
起こりやすいという傾向にあった。本発明は、上記事情
に鑑みてなされたものであって、抗張体に設けられるオ
ーバラップ結合部を原因として、走行振動や脱輪、剥離
損傷、破断等が起こるのを少なくした(抑制した)弾性
クローラを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係る弾性クローラは、エンドレス帯状に形成され外
周面に周方向所定間隔でラグが隆起された弾性材製のク
ローラ本体を有し、両端部がオーバラップ結合されるこ
とでエンドレス帯状に形成される抗張体が上記クローラ
本体内の全周にわたって埋設されていることを基本構成
とする。そして、抗張体のオーバラップ結合部は、クロ
ーラ本体の幅方向で複数箇所に分散して設けられている
と共に、個々のオーバラップ結合部は、クローラ本体の
周方向で位置ズレ配置されたものとなっている。
【0006】また、各オーバラップ結合部の周方向位置
ズレは、ラグ間隔の1ピッチ分を超えたオーバラップ状
態とされているか、又は互いにオーバラップしない状態
とされているものである。このように、抗張体のオーバ
ラップ結合部がクローラ本体の幅方向で複数に分散され
且つ周方向で位置ズレされていることは、個々のオーバ
ラップ結合部に起因して生じる屈曲剛性の高い部分が、
クローラ本体の全体としてその幅方向及び周方向の双方
で拡散されることを意味し、且つまた、個々のオーバラ
ップ結合部での屈曲剛性は、程度の低いものに抑えられ
ることを意味する。
【0007】このため、これらのオーバラップ結合部が
駆動輪に巻きつくとき等において、走行振動は低減乃至
解消されるものとなり、脱輪や剥離損傷、破断等も防止
されるものとなる。なお、抗張体のオーバラップ結合部
は、クローラ本体の幅方向における3箇所以上に設ける
ことも可能であり、この場合、全てのオーバラップ結合
部をラグ間隔の1ピッチ分を超えたオーバラップ状態と
したり、或いは全てのオーバラップ結合部を互いにオー
バラップしない状態にしたりすることができる。
【0008】しかし、これらとは異なり、互いに隣接す
るオーバラップ結合部同士ではオーバラップしない状態
とし、隣接しないオーバラップ結合部同士(例えば1個
おきのものとする等)ではラグ間隔の1ピッチ分を超え
たオーバラップ状態とするといった変則的な適用状態に
することも可能である。各抗張体において、オーバラッ
プ結合部は、言うまでもなく抗張体としての両側の素材
端をクローラ本体の肉厚方向で重ね合わせることによっ
て形成したものであり、従って一方の素材端はクローラ
本体の接地面側へ向けられ(即ち、エンドレスの外側配
置となり)、他方の素材端はエンドレスの内側配置とな
る。
【0009】そこで、このうちクローラ本体の接地面側
へ向けられる素材端については、全てのオーバラップ結
合部を含めたオーバラップ分布域(即ち、各オーバラッ
プ結合部をクローラ本体の周方向で位置ズレさせた全体
長さ領域)に対し、その両側の域端を除く分布域内方に
位置付けるようにするのが好適である。このようにする
と、このオーバラップ分布域の一部又は全部が、駆動輪
に巻きついているとき又は駆動輪の周部に位置している
とき等にあっても、クローラ本体の接地面側へ向けられ
る上記素材端に対して屈曲剛性が集中するといったこと
は起こり難くなり(即ち、応力緩和されることにな
り)、この部分での剥離損傷や破断等が防止されること
になる。
【0010】また、このようなオーバラップ分布域の全
長は、装着対象となる機体の駆動輪と第1転輪との隣接
間隔に対して同等以上に形成するのが好適である。この
ようにすると、オーバラップ分布域の一部又は全部が駆
動輪に巻きついているとき又は駆動輪の周部に位置して
いるとき等に、例えば駆動輪まわりでの石の噛み込み等
が生じて駆動輪と第1転輪との隣接間で張力が急激に上
昇したとしても、少なくとも一つのオーバラップ結合部
は駆動輪又は第1転輪を超えた位置付けとされることに
なり、この部分での剥離損傷や破断等が防止されるとい
う利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1乃至図3は、本発明に係る弾
性クローラ1の第1実施形態を示している。この弾性ク
ローラ1は、ゴム等の弾性材を素材としてエンドレス帯
状に形成されたクローラ本体2を主体とするもので、こ
のクローラ本体2におけるエンドレスの外周面には、周
方向に所定間隔をおいてラグ3が隆起して設けられてい
る。図示したラグ3は、クローラ本体2に対してその幅
方向を一文字状に横切る堤状をして突出したものとなっ
ている。
【0012】クローラ本体2には、その周方向に沿って
所定間隔で、金属製又は樹脂製の横置補強体5が埋設さ
れる(図3参照)ことがあり(無いものもある)、この
ような横置補強体5では、多くの場合、クローラ本体2
のエンドレス内方へ向けて突出する突起6が設けられる
ことになる。この突起6は、装着対象となる機体8(土
木用、建設用、又は農業用等の無限軌道車の走行装置)
が具備する駆動輪9や遊動輪10又は転輪11等に対し
て走行踏面及び走行ガイドとしての作用を奏する。
【0013】また、駆動輪9がスプロケット形である場
合、上記横置補強体5は、それ自体に設けられた肉厚方
向の貫通孔12又は横置補強体5の隣接間にできる隙間
で、クローラ本体2の肉厚方向を貫通するピッチ送り孔
13を形成させて、このピッチ送り孔13で駆動輪9と
係合させるようになっている。このようなクローラ本体
2の内部には、その全周にわたり、エンドレス帯状に形
成された抗張体15が埋設されている。本第1実施形態
において、この抗張体15は、クローラ本体2の幅方向
右半部と幅方向左半部とに各々対応するように、2本設
けられたものとしてある。
【0014】横置補強体5が埋設されている場合、抗張
体15はそれよりエンドレス外周側となるように位置付
けられる。また、上記のようにクローラ本体2にピッチ
送り孔13が設けられている場合、抗張体15はこのピ
ッチ送り孔13を挟んだ左右両側へ振り分けられるよう
に、相互間に隙間Wが保たれた配置となっている。この
抗張体15は、1本又は並行状態で束ねた複数本のスチ
ールコード等より成るもので、その両側の素材端を所定
長さだけオーバラップさせたうえで、溶接や金具止め、
接着等の適宜接合手段又はこれら積極策を伴わない状態
で結合されることにより、全体としてクローラ本体2と
同じエンドレスを呈するものとなっている。
【0015】図例では、この抗張体15に設けられるオ
ーバラップ結合部16の長さMを、丁度、ラグ間隔の4
ピッチ分に相当させるように形成してあり、またこのオ
ーバラップ結合部16の両端16a,16b(抗張体1
5としての両側の素材端)をそれぞれ、ラグ3の中心位
置と一致させるように位置付けてある。抗張体15が上
記のようにクローラ本体2の幅方向で2本設けられてい
ることに伴い、各抗張体15のオーバラップ結合部16
は、このクローラ本体2に対して幅方向の2箇所に分散
して設けられていることになる。そして、なお且つこれ
ら2箇所のオーバラップ結合部16は、クローラ本体2
の周方向で互いに位置ズレして配置されている。
【0016】各オーバラップ結合部16間の周方向位置
ズレは、ラグ間隔の1ピッチ分を超えたものとされてい
る。図例では、この周方向位置ズレをラグ間隔の5ピッ
チ分に相当させるように形成してあり、従って、2本の
抗張体15のオーバラップ結合部16は、互いにオーバ
ラップしない(両オーバラップ結合部16の間にいずれ
とも干渉しないラグ3が1本存在する)状態となってい
る。すなわち、双方のオーバラップ結合部16を含めた
オーバラップ分布域としての全体長さLは、オーバラッ
プ結合部16の長さMの2倍よりも長くなっている(L
>2M)。
【0017】このようなことから、次のような作用が得
られる。すなわち、個々のオーバラップ結合部16での
屈曲剛性が各抗張体15におけるその他の部位の屈曲剛
性よりも高くなるとしても、全てのオーバラップ結合部
16での屈曲剛性の和は、クローラ本体2の全体として
オーバラップ結合部を1箇所しか設けなかった場合(即
ち、従来の弾性クローラに相当)における当該オーバラ
ップ結合部での屈曲剛性と同じであるから、結果とし
て、本発明のようにオーバラップ結合部16を多く設け
れば設ける程、その数に反比例して個々のオーバラップ
結合部16での高剛性化の程度は、小さくなる。
【0018】従って、これをクローラ本体2の全体とし
て観察すれば、高剛性化された部位がその幅方向及び周
方向の双方で拡散されている状態となる。しかも、上記
したように個々のオーバラップ結合部16での屈曲剛性
は小さく抑えられたかたちになっているので、これらの
ことから、各オーバラップ結合部16が駆動輪9に巻き
つくとき等において、走行振動は低減乃至解消されるも
のとなり、また脱輪や剥離損傷、破断等も防止されるこ
とになる。なお、各抗張体15において、オーバラップ
結合部16は、言うまでもなく抗張体15としての両側
の素材端をクローラ本体2の肉厚方向で重ね合わせたも
のである。従って、図1上側のオーバラップ結合部16
で言えば、左方を向いた素材端16aは、その肉厚方向
位置付けがクローラ本体2におけるエンドレスの内側配
置となり、これに対して同、右方を向いた素材端16b
は接地面側(即ち、エンドレスの外側配置)となってい
る。
【0019】また同様に、図1下側のオーバラップ結合
部16でも、左方を向いた素材端16aは、その肉厚方
向位置付けがクローラ本体2におけるエンドレスの内側
配置となり、これに対して同、右方を向いた素材端16
dは接地面側(即ち、エンドレスの外側配置)となって
いる。ここにおいて、図1上側のオーバラップ結合部1
6では、クローラ本体2の接地面側へ向けられる素材端
16bが、オーバラップ分布域(長さL)の分布域内方
へ位置付けられていることになる。そのため、少なくと
もこの素材端16bでは、オーバラップ分布域が駆動輪
9に巻きついてゆく過程にあって屈曲剛性が集中し難い
状態に保持され(応力緩和され)、従ってこの部分での
剥離損傷や破断等が防止されることになる。
【0020】なお、図1下側のオーバラップ結合部16
でも、クローラ本体2の接地面側へ向けられる素材端1
6dを、オーバラップ分布域(長さL)の分布域内方へ
位置付けるようにすれば(即ち、図1中で素材端16a
と素材端16dとの左右配置を入れ換えれば)、なお好
適なものとなる。また、このようなオーバラップ分布域
の長さLは、駆動輪9とこれに隣接する第1転輪11A
との隣接間隔P(図2参照)に対して同等以上となるよ
うに形成しておくのが好適である。
【0021】このようにすると、このオーバラップ分布
域の一部又は全部が駆動輪9に巻きつくか又は駆動輪9
の周部に位置している場合にあって、図2に示したよう
に、例えば駆動輪9まわりでの石Xの噛み込み等が生じ
て、駆動輪9と第1転輪11Aとの間の張力が急激に上
昇するようなことがあっても、少なくとも一方のオーバ
ラップ結合部16は駆動輪9又は第1転輪11Aを超え
た位置付けとされることになる。そのため、この部分で
抗張体15とクローラ本体2との間の剥離損傷が起きた
り、抗張体15に対してオーバラップ結合部16やその
周辺で破断が起きたりすることはないものとされる。
【0022】図4は、本発明に係る弾性クローラ1の第
2実施形態を示している。この第2実施形態が第1実施
形態と最も異なるところは、各抗張体15のオーバラッ
プ結合部16間において、それらを周方向に位置ズレさ
せる長さを、ラグ間隔の2ピッチ分に相当させるように
形成した点にある。なお、各オーバラップ結合部16の
長さMを、丁度、ラグ間隔の4ピッチ分に相当させるよ
うに形成してあり、また図4上側に示すオーバラップ結
合部16の両側の素材端16b,16fや、図4下側に
示すオーバラップ結合部16の両側の素材端16a,1
6eをそれぞれ、ラグ3の中心位置と一致するように位
置付けてある点は、第1実施形態の場合と同じである。
【0023】従って、2本の抗張体15のオーバラップ
結合部16は、ラグ間隔の2ピッチ分に相当した長さN
で互いにオーバラップする状態となっている。すなわ
ち、双方のオーバラップ結合部16を含めたオーバラッ
プ分布域としての全体長さLは、オーバラップ結合部1
6の長さMの2倍よりも短くなっている(L<2M)。
また、この第2実施形態では、図4下側のオーバラップ
結合部16において、左方を向いた素材端16eは、肉
厚方向位置付けがクローラ本体2の接地面側(即ち、エ
ンドレスの外側配置)となり、これに対して同、右方を
向いた素材端16fはエンドレスの内側配置となってい
る。なお、図4上側のオーバラップ結合部16のうち左
方を向いた素材端16aがクローラ本体2におけるエン
ドレスの内側配置となり、これに対して同、右方を向い
た素材端16bが接地面側(即ち、エンドレスの外側配
置)となっていることは、第1実施形態と同じである。
【0024】すなわち、双方のオーバラップ結合部16
とも、クローラ本体2の接地面側へ向けられる素材端1
6b,16eが、オーバラップ分布域(長さL)の分布
域内方へ位置付けられていることになる。そのため、こ
れら両方の素材端16b,16eにおいて、オーバラッ
プ分布域が駆動輪9に巻きついてゆく過程にあって屈曲
剛性が集中し難い状態に保持され(応力緩和され)、こ
の部分での剥離損傷や破断等が防止されるという利点が
得られるものである。その他の細部構成や作用効果等に
関しては、上記第1実施形態と略同じであり、ここでの
詳説は省略する。
【0025】図5及び図6は、本発明に係る弾性クロー
ラ1の第3実施形態を示している。この第3実施形態の
弾性クローラ1では、クローラ本体2の外周面に設けら
れるラグ3が、クローラ本体2の幅方向両側からそれぞ
れ対辺側へ斜めに突き出すような堤状をして突出したも
のとなっている。また、クローラ本体2に横置補強体は
埋設されておらず、駆動輪9に対して係合するピッチ送
り孔的なものも設けられていない代わりに、クローラ本
体2自体に、エンドレス内方へ突出する係合用爪20が
その周方向で互いに所定間隔をおいて設けられたものと
なっている。
【0026】そして、クローラ本体2の内部に埋設され
る抗張体15は、クローラ本体2の幅方向中央部(15
B)と、この左右両側(15A,15C)との合計3箇
所に各々対応するように、3本設けられたものとしてあ
る。従って、本第3実施形態では、各抗張体15ごとに
設けられるオーバラップ結合部16も、このクローラ本
体2に対して幅方向の3箇所(16A,16B,16
C)に分散して設けられていることになる。図例では、
クローラ本体2の幅方向中央部に位置付けられる抗張体
15Bを幅広なものとし、これのオーバラップ結合部1
6Bの長さTを、丁度、ラグ間隔の4ピッチ分に相当さ
せるように形成してある。これに対してクローラ本体2
の幅方向左右両側に位置付けられる抗張体15A,15
Cは幅狭なものとし、これらの各オーバラップ結合部1
6A,16Cの長さSを、ラグ間隔の3ピッチよりやや
大きい程度とさせるように形成してある。
【0027】また、これら3箇所のオーバラップ結合部
16A,16B,16Cは、クローラ本体2の周方向で
互いに位置ズレしたものとなっているが、このうち左右
両側のオーバラップ結合部16A,16C相互間(即
ち、互いに隣接しないもの同士)ではラグ間隔の1ピッ
チよりやや大きい程度でオーバラップする状態にしてあ
り、幅方向中央のオーバラップ結合部16Bは、他のオ
ーバラップ結合部16A,16Cとは(即ち、互いに隣
接するもの同士では)オーバラップしない状態にしてあ
る。
【0028】オーバラップ分布域の長さLが、駆動輪9
とこれに隣接する第1転輪11Aとの隣接間隔Pに対し
て同等以上となるように形成してあることは、他の実施
形態と同じである。更に、この第3実施形態では、全て
のオーバラップ結合部16A,16B,16Cにおい
て、肉厚方向位置付けでクローラ本体2の接地面側(即
ち、エンドレスの外側配置)となる素材端16g,16
h,16jが、オーバラップ分布域(長さL)の分布域
内方に位置付けられたものとなっている。
【0029】本発明は、上記各実施形態に限定されるも
のではない。例えば、クローラ本体2の幅方向に設ける
抗張体15の本数やオーバラップ結合部16を設ける数
等は、限定されるものではなく、それぞれ4以上とする
ことも可能である。なお、図2に示した機体6は、駆動
輪9や遊動輪10が地盤より浮き上がって設けられるタ
イプとしてあり、これは主として農業用無限軌道車等で
多用されるタイプであるが、図7に示すように、駆動輪
9や遊動輪10が地盤に着地するような主として土木用
や建設用の無限軌道車等で多用されるタイプにおいて、
本発明を適用することも可能である。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る弾性クローラでは、エンドレス帯状をしたクロー
ラ本体の全周にエンドレス状態で抗張体を埋設するにあ
たり、この抗張体にできるオーバラップ結合部をクロー
ラ本体の幅方向複数箇所に分散して設け、且つ個々のオ
ーバラップ結合部を、クローラ本体の周方向においてラ
グ間隔の1ピッチ分を超えて位置ズレさせているので、
クローラ本体としての屈曲剛性の高い部分がその幅方向
及び周方向の双方で拡散されることになり、その結果、
これらのオーバラップ結合部が駆動輪に巻きつくとき等
において、走行振動は低減乃至解消されるものとなり、
脱輪や剥離損傷、破断等も防止されるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性クローラの第1実施形態を示
す平面断面図(図3のB−B線断面矢視に相当)であ
る。
【図2】第1実施形態の弾性クローラの使用状態を示す
概略側面図である。
【図3】図2のA−A線拡大断面図である。
【図4】本発明に係る弾性クローラの第2実施形態を示
す平面断面図である。
【図5】本発明に係る弾性クローラの第3実施形態を示
す正面断面図(図3と比較し易く示した図)である。
【図6】本発明に係る弾性クローラの第3実施形態を示
す平面断面図(図5のC−C線断面矢視に相当)であ
る。
【図7】本発明を適用可能とされる弾性クローラの別タ
イプ例を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 弾性クローラ 2 クローラ本体 3 ラグ 8 機体 9 駆動輪 11A 第1転輪 15 抗張体 16 オーバラップ結合部 16b クローラ本体の接地面側に向けられる抗張体と
しての素材端であってオーバラップ分布域の内方に含ま
れるもの(一例) L オーバラップ分布域の長さ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドレス帯状に形成され外周面に周方
    向所定間隔でラグ(3)が隆起された弾性材製のクロー
    ラ本体(2)を有し、両端部がオーバラップ結合される
    ことでエンドレス帯状に形成される抗張体(15)が上
    記クローラ本体(2)内の全周にわたって埋設されてい
    る弾性クローラにおいて、 上記抗張体(15)のオーバラップ結合部(16)がク
    ローラ本体(2)の幅方向で複数箇所に分散して設けら
    れていると共に、個々のオーバラップ結合部(16)が
    クローラ本体(2)の周方向で位置ズレ配置されてお
    り、 各オーバラップ結合部(16)の周方向位置ズレは、ラ
    グ間隔の1ピッチ分を超えたオーバラップ状態とされて
    いることを特徴とする弾性クローラ。
  2. 【請求項2】 エンドレス帯状に形成され外周面に周方
    向所定間隔でラグ(3)が隆起された弾性材製のクロー
    ラ本体(2)を有し、両端部がオーバラップ結合される
    ことでエンドレス帯状に形成される抗張体(15)が上
    記クローラ本体(2)内の全周にわたって埋設されてい
    る弾性クローラにおいて、 上記抗張体(15)のオーバラップ結合部(16)がク
    ローラ本体(2)の幅方向で複数箇所に分散して設けら
    れていると共に、個々のオーバラップ結合部(16)が
    クローラ本体(2)の周方向で位置ズレ配置されてお
    り、 各オーバラップ結合部(16)の周方向位置ズレは、互
    いにオーバラップしない状態とされていることを特徴と
    する弾性クローラ。
  3. 【請求項3】 エンドレス帯状に形成され外周面に周方
    向所定間隔でラグ(3)が隆起された弾性材製のクロー
    ラ本体(2)を有し、両端部がオーバラップ結合される
    ことでエンドレス帯状に形成される抗張体(15)が上
    記クローラ本体(2)内の全周にわたって埋設されてい
    る弾性クローラにおいて、 上記抗張体(15)のオーバラップ結合部(16)がク
    ローラ本体(2)の幅方向における3箇所以上に分散し
    て設けられていると共に、個々のオーバラップ結合部
    (16)がクローラ本体(2)の周方向で位置ズレ配置
    されており、 各オーバラップ結合部(16)の周方向位置ズレは、互
    いに隣接するもの同士ではオーバラップしない状態とさ
    れ、隣接しないもの同士ではラグ間隔の1ピッチ分を超
    えたオーバラップ状態とされていることを特徴とする弾
    性クローラ。
  4. 【請求項4】 少なくとも一つのオーバラップ結合部
    (16)は、クローラ本体(2)の接地面側に向けられ
    る抗張体(15)としての素材端(16b)が、全ての
    オーバラップ結合部(16)を含めたオーバラップ分布
    域に対してその両側の域端を除く分布域内方に位置付け
    られていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    すれかに記載の弾性クローラ。
  5. 【請求項5】 全てのオーバラップ結合部(16)を含
    めたオーバラップ分布域の全長が、装着対象となる機体
    (8)の駆動輪(9)と第1転輪(11A)との隣接間
    隔に対して同等以上に形成されていることを特徴とする
    請求項1乃至請求項4のいすれかに記載の弾性クロー
    ラ。
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