JP2000027609A - カム位相可変装置 - Google Patents
カム位相可変装置Info
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Abstract
ンスによる種々の不具合を未然に防止することができる
カム位相可変装置を提供する。 【解決手段】 高回転域の位相可変部材12の回動位置
において本体4,7,8と位相可変部材12とのアセン
ブリ状態での回転バランスが均衡するように、本体4,
7,8の一側に重量調整部41,42を設けた。即ち、
カム位相可変装置は実際の稼働時と同じアセンブリ状態
で、かつ、アンバランスの悪影響が顕著に現れる高回転
域の作動状態で回転バランスの均衡が図られる。
Description
エンジンと称す)の吸気弁や排気弁の開閉タイミングを
運転状態に応じて調整するカム位相可変装置に関する。
て、例えば、特開平9−60508号に記載のものを挙
げることができる。この可変装置はクランクシャフトに
より回転駆動されるカムスプロケットに設けられて、内
部にカムシャフトと連結したベーンロータを配置してお
り、油圧によってベーンロータの位相を進角側或いは遅
角側に変更して、カムスプロケットに対するカムシャフ
トの位相を変更し、その結果、吸排気弁の開閉タイミン
グを調整している。
フトはエンジン回転速度の1/2で高速回転することか
ら、そのカムシャフトと共に回転するカム位相可変装置
には精密な回転バランスが要求される。しかしながら、
上記した公報記載のカム位相可変装置は回転バランスに
ついての配慮は何らなされず、アンバランスによる種々
の不具合、例えば、カムシャフトの回転に伴って軸受部
に偏荷重が加わったときのフリクション増大や焼付き、
或いはカムシャフトの回転変動による機関不調に伴う振
動及び騒音発生等を生じる可能性があった。
衡させて、アンバランスによる種々の不具合を未然に防
止することができるカム位相可変装置を提供することに
ある。
め、本発明では、クランクシャフトで回転駆動される本
体内に位相可変部材を配置して弁開閉駆動用のカムシャ
フトと連結し、その位相可変部材の回動位置を内燃機関
の回転速度に応じて調整し、弁の開閉タイミングを変更
するように構成した。そして、高回転域の位相可変部材
の回動位置において本体と位相可変部材とのアセンブリ
状態での回転バランスが均衡するように、本体の一側に
重量調整部を設けた。即ち、カム位相可変装置は実際の
稼働時と同じアセンブリ状態で、かつ、アンバランスの
悪影響が顕著に現れる高回転域の作動状態で回転バラン
スの均衡が図られている。
ミングを調整するカム位相可変装置に具体化した一実施
例を説明する。
リンダヘッド1の軸受部2には吸気側のカムシャフト3
が回転可能かつ軸方向に移動不能に支持され、カムシャ
フト3の回転に伴って各気筒の図示しない吸気弁が開閉
駆動されるようになってる。カムシャフト3の前端はシ
リンダヘッド1から側方に突出してタイミングプーリ4
のボス部4aが回動可能に嵌め込まれ、このタイミング
プーリ4はタイミングベルト5を介して図示しないクラ
ンクシャフトに連結されて、カムシャフト3の軸線を中
心として図2の矢印方向に1/2に減速されて回転駆動
される。図示はしないがタイミングベルト5には排気側
のタイミングプーリも連結されて、排気側のカムシャフ
トにて排気弁が開閉駆動されるようになっている。な
お、タイミングプーリ4のボス部4aと軸受部2との間
にはオイルシール6が嵌め込まれ、シリンダヘッド1か
ら外部へのオイルの流出を防止している。
ング7とフロントカバー8がボルト9により固定され、
その内部にカムシャフト3の軸心を中心とした略十字状
の油圧室10が形成されて、Oリング11により油密を
保持されている。油圧室10内にはベーンロータ12が
配置され、その中心部はカムシャフト3の前端に図示し
ないノックピンで位置決めされてカムボルト14で固定
されている。カムボルト14の頭部14aはベーンロー
タ12に形成された油分配室15内に位置し、この分配
室15は前記フロントカバー8に螺合したプラグ16に
より閉塞されている。本実施例では、タイミングプーリ
4、ハウジング7及びフロントカバー8が本体として機
能し、ベーンロータ12が位相可変部材として機能す
る。
略十字状をなして、その90度間隔の4つのベーン12
a間には、油圧室10の固定摺接面10aに当接する円
弧状の可動摺接面12bが形成され、それぞれのベーン
12aの先端にはオイルシール18が設けられている。
これらの摺接面10a,12bにより油圧室10は各ベ
ーン12aに対応して4つに区画され、各油圧室10内
においてベーン12aの両側には遅角油圧室17aと進
角油圧室17bが形成されている。
で示すように各ベーン12aの進角油圧室17b側を油
圧室10の内壁に当接させて遅角油圧室17aの容積を
最大とする最遅角位置と、仮想線で示すように各ベーン
12aの遅角油圧室17a側を油圧室10の他方の内壁
に当接させて進角油圧室17bの容積を最大とする最進
角位置との間で、カムシャフト3の軸線を中心として回
動し得る。その結果、タイミングプーリ4に対するカム
シャフト3の位相が変化して、吸気弁の開閉タイミング
が変更される。
12の各ベーン12aには、その厚み方向(カムシャフ
ト3の軸線方向)にピン孔19が貫設され、各ピン孔1
9内にはロックピン20が軸方向に摺動可能に嵌め込ま
れている。ロックピン20の長さはベーンロータ12の
厚みとほぼ等しく設定され、ロックピン20の先端(図
3の下端)はテーパ状に面取り形成されている。タイミ
ングプーリ4には、ベーンロータ12が最遅角位置にあ
るときに各ピン孔19とそれぞれ対応するロック孔21
が形成され、各ロック孔21はロックピン20の先端と
対応するテーパ状の断面形状をなしている。ロックピン
20はピン孔19内で摺動して、図3に示すように先端
をロック孔21内に嵌入させてベーンロータ12を最遅
角位置で回動規制するロック位置と、先端をロック孔2
1内から離脱させてベーンロータ12の回動を許容する
ロック解除位置との間で切換えられる。
角油圧室17a内とを連通させるロック油路22a、及
びピン孔19内と進角油圧室17b内とを連通させるロ
ック解除油路22bが形成され、後述するように遅角油
圧室17a内の油圧が増加したときには、その油圧がロ
ック油路22aを経てロックピン21の基端側に作用し
てロック位置に切換え、又、進角油圧室17b内の油圧
が増加したときには、その油圧がロック解除油路22b
を経てロックピン21の先端側に作用してロック解除位
置に切換える。
を中心として放射状に4本の進角導入油路23が形成さ
れ、各進角導入油路23の一端は油分配室15内に開口
し、他端はそれぞれ進角油圧室17b内に開口してい
る。油分配室15は、カムボルト14を貫通する貫通油
路24、貫通油路24より連続する第一油路25及び第
二油路26を介してカムシャフト3の外周全周に形成さ
れたオイル溝27内に開口し、前記軸受部2に形成され
た進角供給油路28に対してカムシャフト3の回転角度
に拘わらず常に連通している。
の遅角導入油路29が形成され、各遅角導入油路29の
一端は遅角油圧室17a内に開口している。各遅角導入
油路29の他端はそれぞれ第三油路30及び第四油路3
1を介してカムシャフト3のオイル溝32内に開口し、
軸受部2に形成された遅角供給油路33に対してカムシ
ャフト3の回転角度に拘わらず常に連通している。
遅角供給油路33には、オイルタンク34内の作動油を
オイルポンプ35により圧送する圧送路36とオイルタ
ンク34内に作動油を排出する排出路37とが切換弁3
8を介して接続され、切換弁38の切換動作に応じて各
供給油路28,33が圧送路36及び排出路37と交互
に連通、或いは双方とも遮断される。
面側の一側には表面側バランス孔41が、タイミングプ
ーリ4の裏面側の一側には裏面側バランス孔42が形成
されている。これらのバランス孔41,42は、カム位
相可変装置の回転バランスを均衡させるためにドリルに
より穿孔したものである。尚、図では理解を容易にする
ために、同一位相位置に1個ずつバランス孔41,42
を設けた例を示しているが、実際にはカムシャフト3の
軸線を中心とした所定半径上で、回転バランスが均衡す
る位相位置に必要な個数だけバランス孔41,42が設
けられている。本実施例では、これらのバランス孔4
1,42が重量調整部として機能する。
する。
3を模した回転治具上にカム位相可変装置のアセンブリ
(切換弁38等の油圧回路を除き、カムシャフト3と共
に回転するタイミングプーリ4、ハウジング7及びフロ
ントカバー8等を組立てた状態)をセットして確認され
る。まず、カム位相可変装置を構成する各部品の製造が
完了すると、実際のカムシャフト3への組付け状態と全
く同様に、回転治具に対して各構成部品を順次組付け、
アセンブリとして完成させる。
が、図2の構成から明らかなように、内部のベーンロー
タ12の位相位置に応じてカム位相可変装置の回転重心
が移動することから、全ての位相位置で回転バランスを
均衡させることは不可能である。よって、ベーンロータ
12の特定の位相位置に絞って回転バランスを均衡させ
る必要があり、本実施例では、最遅角位置においてバラ
ンス取りがなされる。
持して回転治具に対して相対回転させ、ベーンロータ1
2を図2の最遅角位置に切換える。次に、この最遅角位
置を保持するためにロックピン20をロック位置に切換
えるのであるが、アセンブリ状態ではロックピン20に
触れて直接操作できない。そこで、ロックピン20が鉄
系材料からなることを利用して、図3に示すように、タ
イミングプーリ4の裏面側より磁石Mで吸引してロック
位置に切換える。
装置を回転回転駆動して回転バランスの均衡状態を確認
し、表面側及び裏面側共に、重心が偏っている位相位置
にバランス孔41,42を適宜ドリルにより穿孔する。
詳細は説明しないが、このバランス取り作業の手順は、
一般的なバランス取りの手法を利用している。尚、バラ
ンス孔41,42の穿孔に代えて、重心が偏っている位
相位置の反対側にウエイトを固定しても同様の効果が得
られる。
変装置は、エンジンに組付けられた実際の稼働時と同じ
アセンブリ状態で、かつ、ベーンロータ12を最遅角位
置に保持した状態で回転バランスが最も均衡することに
なる。その後、カム位相可変装置を回転治具より取り外
して、分解することなくそのままエンジンに組付ける。
従って、再組立による部品相互間の位置関係の狂いで回
転バランスが悪化する虞がなくなり、カム位相可変装置
はバランス取り時の最良の状態でエンジンに組付けられ
る。又、このようにアセンブリ状態でバランス孔41,
42を穿孔するため、油圧室10内等に切り粉が付着し
たときの動作不良を未然に回避可能となる。
状況を説明する。
ータ12は図2に実線で示す最遅角位置(図4の進角量
0°)に切換えられ、図3に示すロック位置に切換えら
れたロックピン20により回動規制されている。エンジ
ン始動に際して切換弁38は図1に示す位置に切り換え
られ、オイルポンプ35からの作動油は遅角供給油路3
3、第四油路31、第三油路30及び遅角導入油路29
を経て遅角油圧室17a内に導入されて、ベーンロータ
12を最遅角位置に保持する。尚、このように始動時に
ベーンロータ12を最遅角位置に保持するのは始動性向
上を目的としたものであり、ロックピン20は、始動完
了によりオイルポンプ35が作動して遅角油圧室17a
内の油圧を立ち上げるまでの間、ベーンロータ12を最
遅角位置に保持する役割を果たす。
は、図4のマップに従ってエンジン回転速度Neやエン
ジントルクTq(負荷)に基づいて制御される。図から
明らかなように、エンジン回転速度Neが高いほど、或
いはエンジントルクが低いほど、小さな進角量を適用し
てベーンロータ12を遅角側に制御する。この制御特性
は、遅角側への制御により排気側とのオーバラップを縮
小して、吸入空気の充填効率を向上させることを目的と
するものである。
と、エンジン回転速度NeとエンジントルクTqの増加に
伴って次第に大きな進角量が設定される。それに応じて
切換弁38は図1とは逆位置に切り換えられ、作動油を
進角供給油路28、第二油路26、第一油路25、貫通
油路24、油分配室15及び進角導入油路23を経て進
角油圧室17b内に導入する。その油圧によりロックピ
ン20がロック解除位置に切換えられると共に、ベーン
ロータ12が進角側に回動し、所定位置に達したときに
切換弁38を中立に切り換えて、ベーンロータ12の回
動位置を保持する。
制御される場合のエンジン運転状況としては、上記した
エンジン始動時の他に、図4のマップから明らかなよう
に高回転域及び低トルク域を挙げることができる。そし
て、上記のようにカム位相可変装置は、この最遅角位置
において回転バランスが最も均衡しているが故に、以下
に述べるアンバランスによる不具合を未然に回避するこ
とができる。
アンバランスが生じているとカムシャフト3の回転に伴
って軸受部2に偏荷重が加わってしまうが、カム位相可
変装置の回転バランスが均衡しているために偏荷重が防
止され、それによって引き起こされる軸受部2のフリク
ション増大や焼付きを未然に回避することができる。更
に、タイミングベルト5に作用する偏荷重も防止される
ため、その耐久性を向上させることができる。
6000〜7000rpmの回転域で最も均衡するが、ベ
ーンロータ12が最遅角位置からそれほど位相変化しな
い領域、例えば進角量10°程度に対応する5000〜
6000rpmの回転域でも十分良好な回転バランスが得
られるため、上記した不具合を回避することができる。
車中のように周囲の騒音(エンジンの燃焼音や走行音)
や振動が低いために運転者が騒音や振動に最も敏感にな
る領域であるが、カム位相可変装置の回転バランスが均
衡しているためにカムシャフト3の回転変動が防止さ
れ、それによって引き起こされる機関不調による振動及
び騒音を回避して、運転者に極めて良好な運転環境を提
供できる。
態様はこの実施例に限定されるものではない。例えば、
上記実施例では、吸気側カムシャフト3にカム位相可変
装置を取り付けてその位相を調整したが、加えて、排気
側カムシャフトにも同様のカム位相可変装置を取り付け
てもよい。この場合の排気側のカム位相可変装置は、例
えば図5に示すマップに従って、エンジン回転速度Ne
が高いほど、或いはエンジントルクが高いほど、大きな
進角量を適用してベーンロータ12を進角側に制御し、
吸気側とのオーバラップ縮小により吸入空気の充填効率
向上を図る。又、アイドル時にも進角側に制御してオー
バラップを縮小し、EGR減による回転の安定化を図
る。尚、排気側では、始動性向上のためにベーンロータ
12を最進角位置で保持する必要があるため、最進角位
置でベーンロータ12を回動規制できるようにロック孔
21の位置を変更する。
装置は、ロックピン20により最進角位置を保持した状
態で、吸気側と同様の手順でバランス取り作業を実施す
る。即ち、上記のように回転バランスの均衡が最も要求
される高回転域及びアイドル時には最進角位置に制御さ
れるため、この最進角位置で最も回転バランスを均衡さ
せているのである。その結果、吸気側のカム位相可変装
置で述べたようにアンバランスによる不具合、つまり、
高回転域では軸受部2のフリクション増大や焼付きを、
アイドル時には機関不調による振動及び騒音発生を未然
に回避することができる。
らの油圧を利用してベーンロータ12を回動させる油圧
式のカム位相可変装置として具体化したが、その作動原
理はこれに限定されるものではなく、例えば、電動モー
タ等を駆動源とするカム位相可変装置に具体化してもよ
い。
変装置によれば、アンバランスの悪影響が顕著に現れる
高回転域の作動状態で回転バランスの均衡が図られ、極
めて精密に回転バランスを均衡させて、アンバランスに
よる種々の不具合を未然に防止することができる。
断面図である。
である。
る。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 内燃機関のクランクシャフトで回転駆動
される本体と、 前記本体内に相対回動可能に配置されて弁開閉駆動用の
カムシャフトに対して連結され、内燃機関の回転速度に
応じて本体内での回動位置を調整される位相可変部材
と、 前記本体の一側に設けられて、高回転域の位相可変部材
の回動位置において前記本体及び位相可変部材のアセン
ブリ状態での回転バランスを均衡させる重量調整部とを
備えたことを特徴とするカム位相可変装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19898098A JP4120720B2 (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | カム位相可変装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family
ID=16400127
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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DE102009052767A1 (de) | 2008-11-12 | 2010-07-08 | Mitsubishi Jidosha Kogyo K.K. | Variabler Ventilmechanismus für einen Verbrennungsmotor |
DE102009052766A1 (de) | 2008-11-12 | 2010-08-05 | Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha | Variabler Ventilmechanismus für einen Verbrennungsmotor |
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-
1998
- 1998-07-14 JP JP19898098A patent/JP4120720B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (7)
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