JPH11210421A - カム位相可変装置 - Google Patents

カム位相可変装置

Info

Publication number
JPH11210421A
JPH11210421A JP1152698A JP1152698A JPH11210421A JP H11210421 A JPH11210421 A JP H11210421A JP 1152698 A JP1152698 A JP 1152698A JP 1152698 A JP1152698 A JP 1152698A JP H11210421 A JPH11210421 A JP H11210421A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vane
hydraulic
hydraulic chamber
oil
vane rotor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP1152698A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Murata
真一 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP1152698A priority Critical patent/JPH11210421A/ja
Publication of JPH11210421A publication Critical patent/JPH11210421A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作不良を未然に防止するとともに、カムの
位相を円滑に変化させることができるカム位相可変装置
を提供する。 【解決手段】 付勢部材(21)によりベーン部材(1
2)を回動付勢するとともに、オイルポンプからの作動
油を切換弁により第一の油圧室(17a)と第二の油圧
室(17b)に選択的に供給して、ベーン部材(12)
と共にカムシャフトを任意の方向に回動させる。よっ
て、オイルポンプから作動油が送られていないときに
は、付勢部材(21)によりベーン部材(12)が確実
に位置保持され、かつ、作動油が送られるとベーン部
(12a)の両側の油圧室(17a,17b)が共に位
置保持の作用を奏するため、ベーン部(12a)の位置
ずれが減少して位置補正のための切換弁の制御が容易と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カムを位相変化さ
せてそのカムにて駆動される機構の動作タイミングを調
整可能なカム位相可変装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来のこの種のカム位相可変装置として、
例えば、内燃機関の吸気弁や排気弁の開閉タイミングを
運転状態に応じて調整するバルブタイミング調整装置を
挙げることができる。特開平9−60508号公報に記
載のように、このような調整装置ではチェーンスプロケ
ットに形成したハウジング内にカムシャフトと一体回転
するベーンロータを配置し、ハウジング内の油圧を制御
してベーンロータの位相を進角側或いは遅角側に変更し
て、吸排気弁の開閉タイミングを調整している。そし
て、以上のようなバルブタイミング調整装置では、十分
に油圧が上がらない機関始動時においては、ベーンロー
タに設けたテーパ状のストッパピンをハウジングのスト
ッパ孔に嵌め込んで最遅角側に保持し、始動に伴って油
圧が上昇すると、油圧によりストッパピンをストッパ孔
より離脱させてカムシャフトの位相制御を開始してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
バルブタイミング装置では、ストッパピンがストッパ孔
内に咬み込んだりストッパ孔内で片当たりして早期摩耗
したりして、動作不良を発生する可能性があった。一
方、特開昭60−175738号公報ではディーゼル式
内燃機関に用いられる燃料噴射ポンプの噴射タイミング
を調整する噴射タイミング調整装置が記載されている
が、この調整装置では、ストッパピンを用いずに圧縮コ
イルばねによりベーンロータを遅角側に付勢し、その付
勢力に抗して油圧により進角側にベーンロータを制御し
て所望の噴射タイミングを得ている。
【0004】しかしながら、この噴射タイミング調整装
置では圧縮コイルばねの付勢力に油圧を均衡させてタイ
ミング制御しているため、特にベーンロータの中間位置
において不具合が生じる。即ち、周囲のクリアランスか
らの油漏れにより中間位置のベーンロータは次第に遅角
側に位置ずれするため、これを補正すべく油圧制御用の
切換弁は単に中立を維持するだけでなく適宜切換制御さ
れている。ところが、このタイミング調整装置では、ベ
ーンロータの位置ずれを規制するのが進角側への油圧力
だけであるため位置ずれ量が非常に大きく、これを補正
するための切換弁の制御が複雑化してしまい、噴射タイ
ミングを円滑に変化させることができなかった。
【0005】本発明の目的は、動作不良を未然に防止す
るとともに、カムの位相を円滑に変化させることができ
るカム位相可変装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、付勢部材によりベーン部材を回動付勢
するとともに、作動油供給手段からの作動油を第一の油
圧室と第二の油圧室に選択的に供給して、ベーン部材と
共にカムを任意の方向に回動させるものとしている。よ
って、作動油供給手段から未だ作動油が送られていない
ときには、付勢部材によりベーン部材が確実に位置保持
され、かつ、作動油が送られるとベーン部の両側の油圧
室が共に位置保持の作用を奏するため、位置ずれが減少
して位置補正のための作動油供給手段の制御が容易とな
る。
【0007】本発明は、好適には内燃機関の吸気弁や排
気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整
装置として具体化することができる。即ち、本発明によ
れば、内燃機関のクランクシャフトにより回転駆動され
る収容部材と、ベーン部を備えるとともに、前記収容部
材内の同一軸心上に配設されて弁開閉用のカムシャフト
と一体で収容部材に対して相対回動可能に設けられたベ
ーン部材と、前記ベーン部材を遅角側に回動付勢する付
勢部材と、前記収容部材内で前記ベーン部の両側に形成
され、内部の油圧によりベーン部材に遅角側または進角
側に回転力を付与可能な第一の油圧室及び第二の油圧室
と、前記第一の油圧室及び第二の油圧室に対して選択的
に作動油を供給する作動油供給手段とを備えたことを特
徴とするバルブタイミング調整装置が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】(第一実施例)以下、本発明を内
燃機関の吸気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイ
ミング調整装置に具体化した第一実施例を説明する。図
1及び図2に示すように、内燃機関のシリンダヘッド1
の軸受部2にはカムとしての吸気側のカムシャフト3が
回転可能かつ軸方向に移動不能に支持され、カムシャフ
ト3の回転に伴って各気筒の図示しない吸気弁が開閉駆
動されるようになってる。カムシャフト3の前端はシリ
ンダヘッド1から側方に突出してタイミングプーリ4の
ボス部4aが回動可能に嵌め込まれ、このタイミングプ
ーリ4はタイミングベルト5を介して駆動源としての図
示しないクランクシャフトに連結されて、カムシャフト
3の軸線を中心として図1の矢印方向に回転駆動され
る。図示はしないがタイミングベルト5には排気側のタ
イミングプーリも連結されて、排気側のカムシャフトに
て排気弁が開閉駆動されるようになっている。なお、タ
イミングプーリ4のボス部4aと軸受部2との間にはオ
イルシール6が嵌め込まれ、シリンダヘッド1から外部
へのオイルの流出を防止している。
【0009】タイミングプーリ4の一側面には、収容部
材としてのハウジング7とフロントカバー8がボルト9
により固定され、その内部にカムシャフト3の軸心を中
心とした略十字状の油圧室10が形成されて、Oリング
11により油密を保持されている。油圧室10内にはベ
ーン部材としてのベーンロータ12が配置され、その中
心部はカムシャフト3の前端にノックピン13で位置決
めされてカムボルト14で固定されている。カムボルト
14の頭部14aはベーンロータ12に形成された油分
配室15内に位置し、この分配室15は前記フロントカ
バー8に螺合したプラグ16により閉塞されている。
【0010】ベーンロータ12はベーン部としての4つ
のベーン12aを90度間隔で備え、各ベーン12aの
間には油圧室10の固定摺接面10aに当接する円弧状
の可動摺接面12bが形成され、それぞれのベーン12
aの先端にはオイルシール18が設けられている。これ
らの摺接面10a,12bにより油圧室10は各ベーン
12aに対応して4つに区画され、各油圧室10内にお
いてベーン12aの両側には第一の油圧室及び第二の油
圧室としての遅角油圧室17aと進角油圧室17bが形
成されている。
【0011】そして、ベーンロータ12は、図1に示す
ように各ベーン12aの進角油圧室側を油圧室10の内
壁に当接させて遅角油圧室17aの容積を最大とする最
遅角位置と、図5に示すように各ベーン12aの遅角油
圧室側を油圧室10の他方の内壁に当接させて進角油圧
室17bの容積を最大とする最進角位置との間で、カム
シャフト3の軸線を中心として回動し得る。その結果、
タイミングプーリ4に対するカムシャフト3の位相が変
化して、吸気弁の開閉タイミングが変更される。なお、
排気側にはこのようなバルブタイミング調整装置が備え
られていないため、排気弁の開閉タイミングは固定され
たままである。
【0012】図1及び図4に示すように、180度対向
する2つのベーン12aには遅角油圧室17a側に開口
するばね凹部19が形成され、半球状に凹設されたその
奥部には、対応する半球状の傾動ばね座20が前後左右
に傾動可能に格納されている。遅角油圧室17a内には
ばね凹部19に対応して付勢部材としての圧縮コイルば
ね21が配設され、その一端はばね凹部19内で傾動ば
ね座20に、他端は摺動ばね座22を介して遅角油圧室
17aの内壁にそれぞれ当接し、この圧縮コイルばね2
1の付勢力によりベーンロータ12は常に図1に示す最
遅角位置側に付勢されている。圧縮コイルばね21の付
勢力は、吸気弁を開閉する際にカムシャフト3を介して
ベーンロータ12が受ける正・負のトルク変動より十分
に高く設定されている。
【0013】なお、圧縮コイルばね21の付勢力により
ベーンロータ12と共にカムボルト14にはカムシャフ
ト3の軸線を中心とするモーメントが作用するが、その
方向はカムボルト14の締付方向であるため緩む虞は全
くない。図1及び図3に示すように、前記ベーンロータ
12には油分配室15を中心として放射状に4本の進角
導入油路23が形成され、各進角導入油路23の一端は
油分配室15内に開口し、他端はそれぞれ進角油圧室1
7b内に開口している。油分配室15は、カムボルト1
4を貫通する貫通油路24、貫通油路24より連続する
第一油路25及び第二油路26を介してカムシャフト3
の外周全周に形成されたオイル溝27内に開口し、前記
軸受部2に形成された進角供給油路28に対してカムシ
ャフト3の回転角度に拘わらず常に連通している。
【0014】一方、ベーンロータ12には放射状に4本
の遅角導入油路29が形成され、各遅角導入油路29の
一端は遅角油圧室17a内に開口している。各遅角導入
油路29の他端はそれぞれ第三油路30及び第四油路3
1を介してカムシャフト3のオイル溝32内に開口し、
軸受部2に形成された遅角供給油路33に対してカムシ
ャフト3の回転角度に拘わらず常に連通している。
【0015】図3に示すように、進角供給油路28及び
遅角供給油路33には、オイルタンク34内の作動油を
オイルポンプ35により圧送する圧送路36とオイルタ
ンク34内に作動油を排出する排出路37とが切換弁3
8を介して接続され、切換弁38の切換動作に応じて各
供給油路28,33が圧送路36及び排出路37と交互
に連通、或いは双方とも遮断される。本実施例ではオイ
ルポンプ35と切換弁38により作動油供給手段が構成
されている。
【0016】次に、本実施例のバルブタイミング調整装
置の作動状況を説明する。内燃機関の停止時のベーンロ
ータ12は、圧縮コイルばね21の付勢力で図1に示す
最遅角位置に保持されている。機関始動に際して切換弁
38は図3に示す位置に切り換えられ、オイルポンプ3
5からの作動油は遅角供給油路33、第四油路31、第
三油路30及び遅角導入油路29を経て遅角油圧室17
a内に導入され、その油圧は圧縮コイルばね21の付勢
力と同方向に作用する。このとき、クランクシャフトに
て駆動されるオイルポンプ35の油圧は直ちに上がらな
いため、ベーンロータ12を最遅角位置に保持する作用
は専ら圧縮コイルばね21が果たすが、前記のようにそ
の付勢力が十分に高いため、正・負のトルク変動に抗し
てベーンロータ12は確実に最遅角位置に保持される。
【0017】そして、始動完了後の切換弁38は機関回
転数や負荷等に基づき制御され、吸気弁の開閉タイミン
グが機関の運転状態に応じて調整される。例えば、高回
転高負荷時にはバルブオーバーラップを増大すべく切換
弁38を図3とは逆位置に切り換え、作動油を進角供給
油路28、第二油路26、第一油路25、貫通油路2
4、油分配室15及び進角導入油路23を経て進角油圧
室17b内に導入する。その油圧によりベーンロータ1
2は圧縮コイルばね21の付勢力に抗して進角側に回動
し、所定位置に達したときに切換弁38を中立に切り換
えて、ベーンロータ12の位置を保持する。
【0018】ここで、ベーンロータ12の回動を許容す
べく前記固定摺接面10aと可動摺接面12bとの間、
及びベーンロータ12の両側面(図2の左右方向)と油
圧室10の内壁との間にはそれぞれ微小クリアランスが
設けられているため、これらのクリアランスや前記オイ
ルシール18を経て遅角油圧室17aや進角油圧室17
bにはごく僅かな作動油の流出入がある。よって、上記
のように所定の位置でベーンロータ12を保持すると
き、切換弁38は単に中立に維持されるだけでなく適宜
切換制御されて、ベーンロータ12の位置ずれを補正し
ている。
【0019】なお、ベーンロータ12の回動時にばね凹
部19はカムシャフト3の軸線を中心として円弧状の軌
跡を描くため、圧縮コイルばね21のばね凹部19側は
反対側に対して角度変化と位置変化(図1の上下方向)
を生ずる。しかしながら、図1及び図5に示すように、
ばね凹部19内で傾動ばね座20が傾動することにより
角度変化が吸収され、遅角油圧室17aの内壁上で摺動
ばね座22が摺動することにより位置変化が吸収される
ため、圧縮コイルばね21は無理なく軸方向に圧縮され
る。
【0020】以上のように本実施例のバルブタイミング
調整装置では、始動時のベーンロータ12を最遅角位置
に保持するために圧縮コイルばね21の付勢力を利用し
ているため、従来技術で述べた特開平9−60508号
公報のようなストッパピンの咬み込みや摩耗等の動作不
良を未然に防止することができる。また、ベーンロータ
12が中間位置にあるときベーン12aの両側の油圧室
17a,17bが共にその位置を保持する作用を奏する
ため、中間位置でのベーンロータ12の位置ずれが大幅
に減少する。つまり、中間位置に保持されたベーンロー
タ12が、例えば圧縮コイルばね21の付勢力で遅角側
に位置ずれする場合、遅角油圧室17a内に作動油を流
入させながらその容積を増大させるとともに、進角油圧
室17bから作動油を流出させながらその容積を減少さ
せる必要があり、非常に大きな抵抗を受けることにな
る。したがって、従来技術で述べた特開昭60−175
738号公報に記載の油圧室が片側のみのものに比較し
て、中間位置でのベーンロータ12の位置ずれが大幅に
減少して位置補正のための切換弁38の制御が容易とな
り、ひいては円滑に吸気弁の開閉タイミングを調整する
ことができる。
【0021】一方、前記圧縮コイルばね21の付勢力は
ベーンロータ12の遅角側への回動を補助し進角側への
回動を妨げる方向に作用するため、バルブタイミングの
進角側への制御は遅角側に対して若干緩慢である。しか
しながら、進角側への制御は機関回転数や負荷増加のよ
うに比較的応答性を要求されない場合に行われるため十
分に追従可能である。逆に、ニュートラルへの変速時等
に行われる遅角側への制御は迅速さを要求されるが、圧
縮コイルばね21の補助により速やかに遅角されること
から、より適切なタイミング制御を実現できる。
【0022】また、ベーンロータ12を最進角位置まで
回動させたとき、図5に示すように、各圧縮コイルばね
21はばね凹部19内に完全に収納される。即ち、圧縮
コイルばね21のために特別なスペースを必要とせずに
装置の小型化を実現できる上、ばね凹部19の形成によ
りベーンロータ12の慣性質量が軽減されて、バルブタ
イミング制御の応答性をより高めることができる。
【0023】(第二実施例)次に、本発明を別のバルブ
タイミング調整装置に具体化した第二実施例を説明す
る。尚、前記した第一実施例との相違は、圧縮コイルば
ね21に代えて捻りコイルばね101を用いてベーンロ
ータ12を付勢している点にある。よって、共通する構
成は同一番号を付して説明を省略し、相違点を重点的に
説明する。
【0024】図6及び図7に示すように、本実施例のば
ね凹部102は第一実施例のばね凹部19に比較してベ
ーン12aの基端側まで延設され、遅角導入油路29は
このばね凹部102内に開口している。ばね凹部102
内の基端側にはベーンロータ12の軸心に沿って支軸1
03が架設され、その支軸103には捻りコイルばね1
01が巻回されている。捻りコイルばね101の一端は
ばね凹部102の内壁に、他端は遅角油圧室17aの内
壁にそれぞれ当接し、その付勢力によりベーンロータ1
2は常に最遅角位置側に付勢されている。
【0025】以上のように設けられた捻りコイルばね1
01は圧縮コイルばね21と同様の機能を果たすため、
本実施例では第一実施例と同様の種々の作用効果が得ら
れる。また、図7に示すように、最進角位置で捻りコイ
ルばね101は圧縮コイルばね21と同じくばね凹部1
02内に完全に収納されるため、装置を小型化できると
ともにベーンロータ12の慣性質量を軽減することがで
きる。
【0026】加えて、図1と図6との比較から明らかな
ように傾動ばね座20や摺動ばね座22が省略されるた
め、部品点数を減少できる上に、捻りコイルばね101
の特性としてベーンロータ12の広い回動角度にわたっ
て十分な付勢力が得られるため、カムシャフト3の位相
制御の範囲をより拡大することができる。更に、上記の
ように遅角導入油路29がばね凹部102内に開口して
いるため、図7の最進角位置より遅角側に回動し始める
瞬間のベーンロータ12には、ばね凹部102の受圧面
積分の油圧が作用する。つまり、遅角導入油路29の開
口面積分しか油圧が作用しない第一実施例に比較してベ
ーンロータ12の回動立上がりを改善し、より応答性の
良い制御を実現できる。
【0027】ところで、上記第一実施例及び第二実施例
では、4つのベーン12aの内の180度対向する2つ
のベーン12aにコイルばね21,101を設けたが、
要はカムシャフト3周りの回転バランスを崩さない配置
であればよく、ベーンロータ12のベーン12aが偶数
なら本実施例のように対向するベーン12aにそれぞれ
コイルばね21,101を設け、ベーン12aが奇数な
ら全てのベーン12aにコイルばね21,101を設け
ればよい。また、それ以外のコイルばね21,101の
配置であっても、コイルばね21,101相当分のウエ
イト埋設や穴加工を行って不均衡を解消すればよい。そ
して、これにより回転バランスの悪化による種々の弊
害、例えば、カムシャフト3の回転に伴って軸受部2に
偏荷重が加わったときのフリクション増大や焼付き、或
いはカムシャフト3の回転変動による機関の不調や振動
発生等が未然に防止される。
【0028】また、上記第一実施例及び第二実施例で
は、吸気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミン
グ調整装置に具体化したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、吸気弁に代えて排気弁の開閉タイミン
グ、若しくは吸排気弁の開閉タイミングを共に調整する
バルブタイミング調整装置として具体化してもよい。更
にバルブタイミング調整装置以外の、例えば従来技術で
説明した特開昭60−175738号公報のようにディ
ーゼル式内燃機関の燃料噴射タイミングを調整する噴射
タイミング調整装置に具体化してもよい。この場合のタ
イミング調整装置は燃料噴射ポンプの入力軸に設けら
れ、その入力軸に連結されたカムの位相を機関の運転状
態に応じて調整することになる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明のカム位相可
変装置によれば、作動油が送られていないときには付勢
部材によりベーン部材が確実に所定位置に保持され、作
動油が送られると両側の油圧室に作用する油圧によりベ
ーン部材が所定の位置に回動して保持されるため、動作
不良を起こすことなく円滑にベーン部材を作動させるこ
とができるとともに、ベーン部材を所定位置に保持する
際の位置ずれが減少して位置補正のための作動油供給手
段の制御が容易となり、カムの位相を適正に制御させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例のバルブタイミング調整装置の最遅
角位置を示す横断面図である。
【図2】第1図のII−II線断面図である。
【図3】第1図のIII−III線断面図である。
【図4】第1図のIV−IV線断面図である。
【図5】第一実施例のバルブタイミング調整装置の最進
角位置を示す横断面図である。
【図6】第二実施例のバルブタイミング調整装置の最遅
角位置を示す横断面図である。
【図7】第二実施例のバルブタイミング調整装置の最進
角位置を示す横断面図である。
【符号の説明】
3 カムシャフト(カム) 7 ハウジング(収容部材) 8 フロントカバー(収容部材) 12 ベーンロータ(ベーン部材) 12a ベーン(ベーン部) 17a 遅角油圧室(第一の油圧室) 17b 進角油圧室(第二の油圧室) 21 圧縮コイルばね(付勢部材) 35 オイルポンプ(作動油供給手段) 38 切換弁(作動油供給手段) 101 捻りコイルばね(付勢部材)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源により回転駆動される収容部材
    と、 ベーン部を備えるとともに、前記収容部材内の同一軸心
    上に配設されてカムと一体で収容部材に対して相対回動
    可能に設けられたベーン部材と、 前記ベーン部材を特定方向に回動付勢する付勢部材と、 前記収容部材内で前記ベーン部の両側に形成され、内部
    の油圧によりベーン部材に対向方向への回転力を付与可
    能な第一の油圧室及び第二の油圧室と、 前記第一の油圧室及び第二の油圧室に対して選択的に作
    動油を供給する作動油供給手段とを備えたことを特徴と
    するカム位相可変装置。
JP1152698A 1998-01-23 1998-01-23 カム位相可変装置 Withdrawn JPH11210421A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1152698A JPH11210421A (ja) 1998-01-23 1998-01-23 カム位相可変装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1152698A JPH11210421A (ja) 1998-01-23 1998-01-23 カム位相可変装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11210421A true JPH11210421A (ja) 1999-08-03

Family

ID=11780423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1152698A Withdrawn JPH11210421A (ja) 1998-01-23 1998-01-23 カム位相可変装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11210421A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001055562A1 (fr) * 2000-01-25 2001-08-02 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Dispositif de reglage du calage de distribution
JP2002061504A (ja) * 2000-08-18 2002-02-28 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関のバルブタイミング調整装置
JP2006002687A (ja) * 2004-06-18 2006-01-05 Suzuki Motor Corp 動弁装置、内燃機関、及びバルブ休止ユニット
JP2006090285A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Hitachi Ltd 内燃機関のバルブタイミング制御装置
WO2020049653A1 (ja) * 2018-09-05 2020-03-12 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001055562A1 (fr) * 2000-01-25 2001-08-02 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Dispositif de reglage du calage de distribution
US6450138B1 (en) 2000-01-25 2002-09-17 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Valve timing adjusting device
KR100474398B1 (ko) * 2000-01-25 2005-03-08 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 밸브타이밍 조정장치
JP3964207B2 (ja) * 2000-01-25 2007-08-22 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置
JP2002061504A (ja) * 2000-08-18 2002-02-28 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関のバルブタイミング調整装置
JP2006002687A (ja) * 2004-06-18 2006-01-05 Suzuki Motor Corp 動弁装置、内燃機関、及びバルブ休止ユニット
JP2006090285A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Hitachi Ltd 内燃機関のバルブタイミング制御装置
WO2020049653A1 (ja) * 2018-09-05 2020-03-12 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7182052B2 (en) Valve timing controller
EP0799976B1 (en) Variable valve timing mechanism for internal combustion engine
JP3116858B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング可変機構
JP4262873B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング調整装置
US6779499B2 (en) Variable valve timing apparatus
JP3014893B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2004108370A (ja) 可変カムシャフトタイミング機構
JP2009103107A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2005002992A (ja) 位相器
US20090020085A1 (en) Valve timing adjuster
JP4492684B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JPH10220209A (ja) 可変動弁機構及び可変動弁機構付き内燃機関
JP4019614B2 (ja) 内燃機関の吸気弁駆動制御装置
US6334414B1 (en) Valve timing adjusting apparatus
US5803029A (en) Valve performance controller for internal combustion engine
JPH06317119A (ja) 液圧装置
US20050066923A1 (en) Valve timing regulating apparatus with improved phase control response
JPH09324612A (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング機構
JPH11210421A (ja) カム位相可変装置
JPH11223112A (ja) 弁開閉時期制御装置
US20030062011A1 (en) Variable valve timing controller
JP2015178814A (ja) 弁開閉時期制御装置
JPH11223113A (ja) カム位相可変装置
JPH11229828A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2002054466A (ja) 内燃機関の可変動弁装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050405