JP2000026947A - 亜鉛系溶融金属の連続めっきラインの金属蒸気分離回収方法及び装置 - Google Patents

亜鉛系溶融金属の連続めっきラインの金属蒸気分離回収方法及び装置

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JP2000026947A
JP2000026947A JP10192942A JP19294298A JP2000026947A JP 2000026947 A JP2000026947 A JP 2000026947A JP 10192942 A JP10192942 A JP 10192942A JP 19294298 A JP19294298 A JP 19294298A JP 2000026947 A JP2000026947 A JP 2000026947A
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Hideyuki Nakagawa
英之 中川
Katsumi Ubusawa
勝美 生澤
Eiji Oshida
栄二 押田
Shunichi Kamezaki
俊一 亀崎
Toshio Ishii
俊夫 石井
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロアーのような強制的に炉内ガスを吸引す
る装置を使用することなく金属蒸気を含む炉内ガスを速
やかに炉外に排出して亜鉛系溶融金属の連続めっきの際
のスナウト内のドロス付着による品質欠陥を防止し、ま
た排出したガス中に含まれる金属蒸気を簡易な設備で分
離回収できるようにする。 【解決手段】 一端が焼鈍炉1に接続され、他端がめっ
き浴中に浸漬されたスナウト3の内部を通過させた鋼帯
Sを溶融金属のめっき浴に浸漬して、該鋼帯Sに溶融金
属の連続めっきを行うに際して、スナウト3内の金属蒸
気を含むガスをスナウト3の下部から炉外に排出し、前
記金属蒸気の凝集固体化物を分離回収装置24で慣性集
塵して分離回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯の溶融金属の
連続めっきラインの金属蒸気分離回収方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の溶融金属の連続めっき装置を図3
に示す。この装置を用いて金属めっきする方法について
説明する。
【0003】鋼帯Sを、焼鈍炉で連続的に焼鈍すると同
時にその表面を清浄にした後、めっき槽4に通板して、
鋼帯Sにめっきを施す。通常、この焼鈍工程は還元雰囲
気になっているため、還元雰囲気を常時確保できるよう
に、焼鈍炉1とめっき槽4の間に断面形状が矩形のスナ
ウト3が配設されており、鋼帯Sは、大気に触れること
なく、スナウト3内を通って、所定の溶融金属が入って
いるめっき槽4に浸漬されて所定の金属めっきが施され
る。鋼帯Sは、めっき槽4内のシンクロール6で方向転
換され、鉛直に上昇してめっき槽4から引き出される。
めっき槽4から引き出された鋼帯Sはガスワイピングノ
ズル7により所定のめっき金属厚みに調整された後、図
示されていない冷却装置により冷却され、さらに必要に
応じて、調質圧延等の処理を施す後工程に通板される。
【0004】雰囲気ガスは、焼鈍炉出側の冷却帯やスナ
ウト3から炉内に供給され、鋼帯Sの走行方向とは逆方
向の焼鈍炉入側に向かって流れる。スナウト内は還元雰
囲気であるため、スナウト内の溶融金属浴面Lには酸化
膜が形成されにくい。そのため、溶融金属が直接浴面に
露出することになり、溶融金属が、溶融金属浴温度にお
ける飽和蒸気圧まで蒸発する。蒸発した溶融金属の蒸気
は、スナウト3内や焼鈍炉1内の還元雰囲気内に存在す
る微量酸素と反応して酸化物になる。
【0005】また、酸化物にならなくても、焼鈍炉1内
あるいはスナウト3内で、蒸発した溶融金属の蒸気圧が
その場所の飽和蒸気圧以上になった場合、蒸発した溶融
金属は蒸気の状態で存在できないために金属に戻る。特
に焼鈍炉1内の冷却帯やスナウト内面の温度が、蒸発し
た溶融金属の蒸気圧における飽和温度以下の温度である
場合、金属蒸気が凝縮して金属粉になり、炉内内面やス
ナウト内面に粉末状の金属になって付着する。
【0006】これらの酸化物あるいは付着物が、操業時
に清浄化された鋼帯に直接付着した場合、めっきが不均
一になったり、めっきされない状態になったりして、品
質欠陥を招く。
【0007】また、酸化物がスナウト3内で溶融金属浴
面Lに落下した場合、酸化物の溶融温度は溶融金属浴温
度よりも高いために溶融金属浴Mに溶解しない。付着物
がスナウト内で溶融金属浴面Lに落下した場合、付着物
が溶融金属と同じ金属の場合には再溶解するが、多くの
場合、付着物に不純物が混入しているため、付着物も溶
融金属浴Mに溶解しないことが多い。
【0008】落下しても溶解しない前記酸化物や付着物
は、スナウト3内の溶融金属浴面L上に浮遊したまま、
めっき槽4に侵入する鋼帯Sに随伴する溶融金属浴Mの
流れにのり、鋼帯の方向に移動して走行する鋼帯Sに付
着する。この場合も、鋼帯Sのめっきを阻害する要因と
して作用するため、めっき厚が薄くなったり、不めっき
になったりして品質欠陥を招く。
【0009】スナウト3内の品質欠陥の発生を解決する
方法として、スナウト3内から亜鉛蒸気を含む炉ガスを
炉外に排出して亜鉛蒸気を固体化し分離回収し、分離回
収後のガスを炉内に還流する方法が多数提案されてい
る。また、亜鉛蒸気を固体化し、分離回収する亜鉛除去
方法としては、フィルター法あるいはウオッシャー法が
用いられている。
【0010】例えば、特公昭53−35858号公報に
は、図4に示すように、雰囲気ガス供給管61とデフレ
クターロール5との間に蒸気取り出し管62を設け、操
業中に発生する亜鉛蒸気を含むスナウト3内のガスをエ
ジェクター63を用いて窒素主体のガスで吸引希釈し3
00℃以下に冷却し、固体化した亜鉛を双室型フィルタ
ーを備える亜鉛除去装置64で取り除いた後、亜鉛除去
後のガスを供給管65を経てシール装置66より上流側
の焼鈍炉1内に還流する方法(フィルター法)、また窒
素主体のガスで冷却する代りに、亜鉛蒸気をメタノール
等その気化蒸気が炉内に入っても鋼帯Sに悪影響を与え
ない液体冷媒中に通し、蒸気を冷却して固体にして除去
する方法(ウオッシャー法)が記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特公昭53−3585
8号公報に記載の方法の場合、フィルター法では、フィ
ルターの圧力損失があるため、系内に強力なブロアーま
たはエジェクターが必要である。また、フィルターの目
詰まりを解消するために、通常の流れとは逆方向にパル
ス的にガスを吹き付ける目詰まり防止機構が必要であ
る。しかしブロアーのような強制的に吸引する装置で
は、炉内が瞬間的に負圧になり、空気が混入する可能性
があるので、実際には採用できない。ウオッシャー法で
も前記フィルター法と同様にブロアー等が必要で、フィ
ルター法と同様の問題があるので採用できない。
【0012】本発明はかかる事情を鑑みてなされたもの
であり、ブロアーのような強制的に炉内ガスを吸引する
装置を使用することなく金属蒸気を含む炉内ガスを速や
かに炉外に排出して亜鉛系溶融金属の連続めっきの際の
スナウト内のドロス付着による品質欠陥を防止し、また
排出したガス中に含まれる金属蒸気を簡易な設備で分離
回収できる金属蒸気分離回収方法と装置を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の要旨は以下の通りである。
【0014】(1)一端が焼鈍炉に接続され、他端がめ
っき浴中に浸漬されたスナウトの内部を通過させた鋼帯
を溶融金属のめっき浴に浸漬して、該鋼帯に溶融金属の
連続めっきを行うに際して、スナウト内の金属蒸気を含
むガスをスナウトの下部から炉外に排出し、前記金属蒸
気の凝集固体化物を慣性集塵して分離回収することを特
徴とする亜鉛系溶融金属の連続めっきラインの金属蒸気
分離回収方法。
【0015】(2)前記(1)において、金属蒸気の凝
集固体化物を慣性集塵して分離回収する前に、金属蒸気
を含むガスを冷却して金属蒸気を凝集固体化することを
特徴とする亜鉛系溶融金属の連続めっきラインの金属蒸
気分離回収方法。
【0016】(3)スナウト下部から炉外に排出したガ
スを保温及び/又は加熱した後、前記(1)又は(2)
の金属蒸気分離回収を行うことを特徴とする亜鉛系溶融
金属の連続めっきラインの金属蒸気分離回収方法。
【0017】(4)前記(1)乃至(3)の内の何れか
の方法で金属蒸気分離回収を行ったガスを煙突を介して
大気中に放散することを特徴とする亜鉛系溶融金属の連
続めっきラインの金属蒸気分離回収方法。
【0018】(5)一端が焼鈍炉に接続され、他端がめ
っき浴中に浸漬されたスナウトの内部を通過させた鋼帯
を溶融金属のめっき浴に浸漬して、該鋼帯に溶融金属の
連続めっきを行う装置において、スナウト内の金属蒸気
を含むガスをスナウト下部から炉外に排出するガス排出
手段をスナウト下部に配設し、前記ガス排出手段に金属
蒸気の凝集固体化物を慣性集塵によって分離回収する分
離回収装置を付加したことを特徴とする亜鉛系溶融金属
の連続めっきラインの金属蒸気分離回収装置。
【0019】(6)前記(5)において、分離回収装置
の入り口に炉外に排出した金属蒸気を含むガスの冷却手
段を付加したことを特徴とする亜鉛系溶融金属の連続め
っきラインの金属蒸気分離回収装置。
【0020】(7)前記(5)又は(6)において、ス
ナウトと分離回収装置の間のガス排出手段の配管に炉内
ガスの保温手段及び/又は加熱手段を付加したことを特
徴とする亜鉛系溶融金属の連続めっきラインの金属蒸気
分離回収装置。
【0021】(8)前記(5)乃至(7)の内の何れか
の金属蒸気分離回収装置の後方に更に煙突を付設したこ
とを特徴とする亜鉛系溶融金属の連続めっきラインの金
属蒸気分離回収装置。
【0022】金属蒸気の凝集固体化物の分離回収を慣性
集塵で行うので、フィルター法に比べて圧力損失が少な
くなり、炉内ガスを排出するためにブロアーを必要とし
ないので、炉内が負圧になって空気が混入することがな
い。また、フィルターや液体冷媒等の消耗品がないの
で、簡易な設備でメンテナンス面の負荷も少ない。
【0023】慣性集塵は、重力集塵に比べて設備をコン
パクトにできるので、分離装置をスナウトに近づけるこ
とができ、金属蒸気を分離回収する前の保温・加熱を最
小限にすることができる。
【0024】分離回収装置で金属蒸気の凝集固体化物を
慣性集塵して分離回収する前に炉内ガスを冷却すること
によって、金属蒸気のほとんどを凝集でき、慣性集塵に
よる金属蒸気の凝集固体化物の集塵効率を著しく向上で
きる。冷却は慣性集塵の直前にガス温度を300℃程度
に冷却することが好ましい。ガスの冷却は、ガスに接す
る装置の冷却、装置内への冷却用ガスの吹込み、あるい
は両者の併用等によることができる。
【0025】スナウトから排出された金属蒸気を含むガ
スが容易に冷却されないように、スナウトと分離回収装
置間の配管を必要に応じて保温及び/又は加熱すること
が好ましい。このようにすることによって、分離回収装
置で金属蒸気が固体化し同時に分離回収されることにな
る。分離回収装置を定期的に開放して、分離回収された
金属(亜鉛粉末)を装置から取り出す。
【0026】分離回収装置の後方に煙突を備えると、煙
突のドラフト作用によってスナウト内のガスをより効率
よく炉外に排出し、大気中に放散することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図1、図
2を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る
金属蒸気分離回収装置の要部を示す図、図2は図1の装
置の分離回収装置の要部を示す図である。
【0028】図1において、Sは鋼帯、1は焼鈍炉、3
はスナウト、4はめっき槽、7はワイピングノズル、2
1、22はスナウト3途中に設けたシール装置、23は
スナウト下部に接続され、炉内ガスを炉外に排出する排
気管、24は亜鉛蒸気を慣性集塵して分離回収する亜鉛
蒸気除去分離回収装置(以下、分離回収装置)、25は
煙突である。27は排出ガスの流量を調整するバタフラ
イ弁である。
【0029】操業中、焼鈍炉1内は還元雰囲気で大気圧
に対して若干陽圧に保持されている。そのため、スナウ
ト3下部に排気管を設けることによって、焼鈍炉1→ス
ナウト3→排気管23へと炉内ガスが流れて、スナウト
3内の亜鉛蒸気を含む炉内ガスが排気管23から排出さ
れ、分離回収装置24で凝集固体化した亜鉛を分離回収
後、煙突25の煙道出口26から大気中に排出される。
スナウト3内にシール装置21、22を設けると、スナ
ウトの金属蒸気を含んだガスが焼鈍炉1の方に戻ること
を防止できるので、スナウト3内のドロス付着による品
質欠陥を防止する上でより好ましい。
【0030】本来、分離回収装置24はスナウト3の直
近に設置し、スナウト3から排出したガスを適当な温度
まで冷却して亜鉛蒸気を凝集固体化して回収するのが望
ましい。しかし、装置の設置スペース、装置のメンテナ
ンス面等の考慮から、スナウト3の直近に設置しない場
合も考えられる。
【0031】この場合、排気管23内でガス温度が下が
り亜鉛蒸気が凝集し、排気管23内に付着あるいは堆積
し、見かけ上の配管径が縮小してガス流量が低下する。
ガス流量が低下すると、通過に要する時間が長くなり、
さらに冷却され、排気管23内で亜鉛の凝集固体化物の
堆積がさらに増加する。最終的にはほとんど閉塞状態と
なり、炉内圧力と流速と温度の関係がバランスした時点
で堆積は停止するが、このような状態になるとスナウト
3内の亜鉛蒸気を含むガスを効率よく炉外に排出するこ
とができない。これを防止するには、必要に応じて、排
気管23を保温材28で覆い及び/又はあらかじめヒー
タ29で排気管23内壁温度が420℃以上になるよう
に加熱しておくことが好ましい。このようにすることに
よって、めっき作業開始時に炉内ガスを排気管23から
排気開始直後に、排気管23内で炉内ガス中の亜鉛蒸気
が急冷されることによる排気管23内壁への亜鉛付着量
を最小限にすることができる。排気管23内を導かれた
炉内ガスは、慣性集塵機構を備える分離回収装置24に
導入される。
【0032】分離回収装置24において亜鉛蒸気を回収
する方法について図2を用いて説明する。排気管内を導
かれた炉内ガスは炉内ガス入り口31から分離回収装置
24内に入り、エルボ41で下方に導かれる。亜鉛蒸気
分離回収容器(以下、回収容器)33には冷却用窒素ガ
スノズル38が配設されており、炉内ガスは前記ノズル
38から放出される窒素ガスによって希釈冷却される。
その時の回収容器33の温度を熱電対39を介して温度
計40で監視し、回収容器33の温度が所定の温度にな
るように自動または手動で流量調整弁37の開度を制御
する。エルボ41、42は、凝縮した亜鉛が付着しない
ように断熱材34で覆われている。
【0033】めっき槽4の浴温度を450℃、回収容器
33の設定温度を330℃とすると、450℃における
亜鉛蒸気圧は6×10-4atm、330℃における亜鉛蒸
気圧は9×10-6atmであるから、亜鉛蒸気として残る
比率は、(9×10-6/6×10-4)×100=1.5
%となり、回収容器33でほとんどの亜鉛蒸気が凝集す
ることになる。
【0034】回収容器33の内部を通過した炉内ガス
は、エルボ42を通り炉ガス出口32から排出される
が、その際、凝集固体化した亜鉛は慣性力が大きいため
回収容器内箱35に堆積する。回収容器内箱35内に堆
積した凝集固体化した亜鉛(亜鉛粉末)を亜鉛酸化物取
出し口36から定期的に取出し回収する。
【0035】排気管23を保温することによってスナウ
ト3から排出されたガス温度を適温に保つことができ、
分離回収装置24で300℃程度に冷却される。分離回
収装置24で亜鉛凝集物が取り除かれ、分離回収装置2
4から排出された炉内ガスは、炉内ガス圧と煙突25の
ドラフト作用によって、煙突25を経て大気中に放散さ
れる。ドラフト力を増加させたい場合は、煙突25を保
温あるいは、煙突25の径を大きくする。またドラフト
力を弱め、高目の炉内圧を確保したい場合は、分離回収
装置24の設定温度を下げるかバタフライ弁27の開度
を絞るように調整する。分離回収装置24の設定温度を
下げた場合は、亜鉛蒸気として残る比率が下がり、分離
回収装置24での亜鉛蒸気の回収効率が上がる。亜鉛蒸
気の回収効率を上げるには、分離回収装置24の設定温
度を極力下げ、バタフライ弁27を最大開度とする方が
よい。
【0036】しかし、分離回収装置24内のガス温度が
低すぎるとドラフト力が低下するため、スナウトから炉
外に排出されるガス流量が低下して、亜鉛蒸気を含む炉
内ガスが焼鈍炉1側に流れないようにする作用が低下す
るため、焼鈍炉の冷却帯やスナウト内で溶融金属浴から
蒸発した金属の酸化物等の発生を防止する効果が低下す
る。一方、分離回収装置24内のガス温度が高すぎる
と、亜鉛蒸気の状態で分離回収装置24を通過して、分
離回収装置24後方の排気系に堆積して配管詰まりの問
題が生じたり、最終的に大気中に放散されて作業環境が
悪化するという問題が生じたりする。
【0037】そこで、実機で条件を変化させてテストを
行ったところ、亜鉛系の溶融金属の場合には、分離回収
装置24の炉内ガス温度が300℃程度の場合、焼鈍炉
の冷却帯やスナウト内で発生する、溶融金属浴から蒸発
した金属蒸気の酸化物や凝縮による付着物の発生を防止
する効果及び分離回収装置24における亜鉛の凝集化物
の集塵効率が何れも良好であった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、溶融金属浴から蒸発し
た金属蒸気をスナウト下部から速やかに炉外に排出する
ので、前記金属蒸気に起因して焼鈍炉の冷却帯やスナウ
ト内で発生する酸化物や凝縮による付着物の発生を防止
でき、その結果スナウト内のドロス付着による品質欠陥
の発生を大幅に低減することができ、また、焼鈍炉やス
ナウト内の酸化物や凝縮物の除去清掃回数を大幅に低減
することができる。
【0039】本発明では、金属蒸気の凝集固体化物の分
離回収を慣性集塵で行うので圧力損失が少なくなり、炉
内ガスを排出するためにブロアーを必要としないので、
炉内が負圧になって空気が混入することがない。また、
フィルターや液体冷媒等の消耗品がないので、簡易な設
備で、メンテナンス面での負荷軽減にも寄与する。
【0040】また、溶融金属浴から蒸発した金属蒸気の
酸化物や凝縮固体化物を分離回収装置内に効率よく堆積
して回収できるので、これらの除去作業を効率化でき、
またこれらが炉外に排出されて作業環境を悪化すること
もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る金属蒸気分離回収装
置の要部を示す図。
【図2】図1に示した装置の亜鉛蒸気分離回収装置の要
部を示す図。
【図3】通常のめっき装置を示す図。
【図4】従来技術のめっき装置を示す図。
【符号の説明】
1 焼鈍炉 2 冷却帯 3 スナウト 4 めっき槽 6 シンクロール 7 ワイピングノズル 21、22 シール装置 23 排気管 24 亜鉛蒸気除去分離回収装置(分離回収装置) 25 煙突 26 煙道出口 27 流量調整弁(バタフライ弁) 28 保温材 29 ヒータ 31 炉内ガス入口 32 炉内ガス出口 33 亜鉛蒸気分離回収容器(回収容器) 34 断熱材 35 回収容器内箱 36 亜鉛酸化物取出し口 37 流量調整弁 38 冷却窒素ガスノズル 39 熱電対 40 温度計 41、42 エルボ 61 雰囲気ガス供給管 62 蒸気取出し管 63 ガス吸引装置 64 亜鉛除去装置 65 供給管 66 シール装置 S 鋼帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 押田 栄二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 亀崎 俊一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 石井 俊夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K027 AA02 AA22 AB42 AD10 AD18 AD25 AD26 AE04 AE32 AE37

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が焼鈍炉に接続され、他端がめっき
    浴中に浸漬されたスナウトの内部を通過させた鋼帯を溶
    融金属のめっき浴に浸漬して、該鋼帯に溶融金属の連続
    めっきを行うに際して、スナウト内の金属蒸気を含むガ
    スをスナウトの下部から炉外に排出し、前記金属蒸気の
    凝集固体化物を慣性集塵して分離回収することを特徴と
    する亜鉛系溶融金属の連続めっきラインの金属蒸気分離
    回収方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、金属蒸気の凝集固体
    化物を慣性集塵して分離回収する前に、金属蒸気を含む
    ガスを冷却して金属蒸気を凝集固体化することを特徴と
    する亜鉛系溶融金属の連続めっきラインの金属蒸気分離
    回収方法。
  3. 【請求項3】 スナウト下部から炉外に排出した金属蒸
    気を含むガスを保温及び/又は加熱した後、請求項1又
    は請求項2に記載の金属蒸気分離回収を行うことを特徴
    とする亜鉛系溶融金属の連続めっきラインの金属蒸気分
    離回収方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の内の何れかの項
    に記載の方法で金属蒸気分離回収を行ったガスを煙突を
    介して大気中に放散することを特徴とする亜鉛系溶融金
    属の連続めっきラインの金属蒸気分離回収方法。
  5. 【請求項5】 一端が焼鈍炉に接続され、他端がめっき
    浴中に浸漬されたスナウトの内部を通過させた鋼帯を溶
    融金属のめっき浴に浸漬して、該鋼帯に溶融金属の連続
    めっきを行う装置において、スナウト内の金属蒸気を含
    むガスをスナウト下部から炉外に排出するガス排出手段
    をスナウト下部に配設し、前記ガス排出手段に金属蒸気
    の凝集固体化物を慣性集塵によって分離回収する分離回
    収装置を付加したことを特徴とする亜鉛系溶融金属の連
    続めっきラインの金属蒸気分離回収装置。
  6. 【請求項6】 分離回収装置の入り口に炉外に排出した
    金属蒸気を含むガスの冷却手段を付加したことを特徴と
    する請求項5に記載の亜鉛系溶融金属の連続めっきライ
    ンの金属蒸気分離回収装置。
  7. 【請求項7】 スナウトと分離回収装置の間のガス排出
    手段の配管に炉内ガスの保温手段及び/又は加熱手段を
    付加したことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載
    の亜鉛系溶融金属の連続めっきラインの金属蒸気分離回
    収装置。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至請求項7の内の何れかの項
    に記載の金属蒸気分離回収装置の後方に更に煙突を付設
    したことを特徴とする亜鉛系溶融金属の連続めっきライ
    ンの金属蒸気分離回収装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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