JP3267214B2 - 亜鉛系溶融金属の連続めっき方法および装置 - Google Patents

亜鉛系溶融金属の連続めっき方法および装置

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JP3267214B2 JP26316697A JP26316697A JP3267214B2 JP 3267214 B2 JP3267214 B2 JP 3267214B2 JP 26316697 A JP26316697 A JP 26316697A JP 26316697 A JP26316697 A JP 26316697A JP 3267214 B2 JP3267214 B2 JP 3267214B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛または亜鉛ア
ルミ合金を溶融した亜鉛系溶融金属を鋼帯に連続めっき
する方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、溶融亜鉛めっき鋼帯は安価で
耐食性に優れる防錆鋼板として広く使用されている。亜
鉛に多量のアルミを添加した溶融亜鉛アルミ合金めっき
鋼帯は、溶融亜鉛めっき鋼帯よりもさらに耐食性が優れ
るため、近年、その用途が拡大しつつある(以下の説明
において、亜鉛系溶融金属という場合、前記した溶融亜
鉛と溶融亜鉛アルミ合金を含めたものを指す)。
【0003】鋼帯の亜鉛系溶融金属の連続めっきライン
においては、表面を洗浄した鋼帯を連続的に焼鈍し、所
定温度に冷却後、亜鉛または亜鉛アルミ合金を溶融した
めっき槽に通板して、鋼板に亜鉛または亜鉛アルミ合金
のめっきを施す。
【0004】通常、この焼鈍冷却工程は還元雰囲気にな
っており、鋼帯をめっき槽に通板するまでの間、還元雰
囲気を常時確保できるように、焼鈍冷却を行なう炉設備
とめっき槽の間に、スナウトと呼ばれる矩形断面の装置
があり、大気を遮断する役目を果している。
【0005】また、めっき槽内にはシンクロールが設置
されており、鋼帯はシンクロールで走行方向を転換し
て、鉛直方向に上昇する。めっき槽から引き出された鋼
帯は、ガスワイピングノズルで所定のめっき厚みに調整
された後、冷却されて後工程に通板される。
【0006】スナウト内は還元雰囲気であるために、ス
ナウト内のめっき槽の溶融金属浴面には酸化膜が形成さ
れにくく、薄い酸化膜が形成されているだけである。ス
ナウト内の溶融金属浴面では酸化膜が強固でないため、
鋼帯がめっき槽に進入する際、振動等の理由により、溶
融金属が浴面に露出する場合がある。この場合、液相で
ある溶融金属は、加熱されている溶融金属の飽和蒸気圧
まで、還元雰囲気ガス内に蒸発する。
【0007】蒸発した溶融金属の蒸気は、還元雰囲気ガ
ス内に微少量存在する酸素と反応して酸化物を形成す
る。また、酸化物にならなくても、炉内あるいはスナウ
ト内で、蒸発した溶融金属の蒸気圧がその場所の飽和蒸
気圧以上になった場合、蒸発した溶融金属は、蒸気の状
態で存在できないため、液相あるいは固相の金属に相変
化する。特に、炉内の冷却炉部分やスナウト内面の温度
が、蒸発した溶融金属の蒸気圧における飽和温度以下の
温度である場合、その温度以下になった部位で、蒸気が
金属粉になり、炉壁内面やスナウト内面に粉末状の金属
になって付着する。
【0008】これらの酸化物あるいは付着物が、操業時
に清浄化された鋼帯に直接付着した場合、めっきが不均
一になったり、めっきされない状態になったりするた
め、品質欠陥が発生する。
【0009】また、酸化物がスナウト内の溶融金属浴面
に落下した場合、酸化物の溶融温度は溶融金属浴の温度
よりも高いために溶融金属浴に再溶解しない。付着物が
スナウト内の溶融金属浴面に落下した場合、付着物が溶
融金属と同じ金属の場合には再溶解するが、多くの場
合、不純物が混入しているため、付着物も溶融金属浴に
再溶解しないことが多い。
【0010】落下しても再溶解しない前記酸化物や付着
物は、スナウト浴面を浮遊し、スナウト内を走行してめ
っき槽に進入する鋼帯に随伴する流れにのり、鋼帯側に
移動し、走行する鋼帯に付着する。この場合にも、鋼帯
のめっきを阻害する要因として作用するため、めっき厚
が薄くなったり、不めっきになったりして、品質欠陥が
発生する。
【0011】溶融金属の蒸発に起因する品質欠陥の発生
を解決する方法が多数提案されている。
【0012】第1の方法は、スナウト内の浴面上に落下
した不純物をスナウト外に排出除去する方法である。例
えば、特開平2−70049号公報、特開平4−120
258号公報、特開平5−279827号公報(以下、
総称して先行技術1という)には、スナウト内の溶融金
属を連続的にスナウト外に流すことによって、スナウト
内に落下した不純物を除去するとともに新鮮な溶融金属
の浴面を確保して、品質欠陥を防止することが記載され
ている。
【0013】第2の方法は、スナウト内の酸化物の発生
を抑制して、品質欠陥の発生を低減する方法である。例
えば、特開平6−49610号公報(以下、先行技術2
という)には、スナウト上部に鋼帯に接触あるいは非接
触のシールを設け、シールと溶融金属浴間のスナウト内
に、焼鈍炉内よりも還元性の高いガスを吹き込み、スナ
ウト内の溶融金属浴面での酸化物の発生を抑制し、ドロ
ス発生を抑制する方法が開示されている。
【0014】第3の方法は、スナウト内の溶融金属浴面
から発生する金属ヒュームそのものを設備外に排出除去
することによって、スナウト内の酸化物等の発生を抑制
し、品質欠陥を防止する方法である。
【0015】例えば、特開昭61−246352号公報
(以下、先行技術3という)には、スナウト内の亜鉛華
の凝固を防ぐために、スナウト内にシールを設け、さら
にスナウト下部に排ガス管を設けて、スナウト内へ供給
した雰囲気ガスとともにスナウト内の亜鉛蒸気をスナウ
ト外に排出することが記載されている。
【0016】また、特公平6−60372号公報(以
下、先行技術4という)には、スナウトの熱処理炉側に
雰囲気シール機構を設け、スナウトの下部から雰囲気ガ
スをブロアーで吸引し、雰囲気ガス中の金属を除去した
後、雰囲気ガスを熱処理炉内やスナウト内に再供給する
ことが記載されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、先行技術1に
記載の方法では、金属の蒸気を除去していないので、根
本的な解決策には至らない。
【0018】先行技術2に記載の方法では、溶融金属浴
面が清浄化されて酸化膜が低減するので、浴面からの金
属蒸気の蒸発がより多くなる。蒸発した溶融金属を含む
還元性ガスが、スナウト途中のシールを通って、スナウ
トから焼鈍炉側に流れ、スナウト内や焼鈍炉内で固相金
属になり、あるいは炉内の微量酸素と反応して酸化物に
なり、スナウト内や焼鈍炉内の付着物になる。
【0019】生成した酸化物や付着物は、鋼帯表面に直
接付着し、あるいはスナウト内の溶融金属浴面を浮遊
し、操業の経過に伴い堆積して、鋼帯に付着して品質欠
陥を発生するようになる。したがって、この表面欠陥を
解消する手段を別途に設ける必要があり、品質欠陥対策
としては不十分である。
【0020】先行技術3に記載の方法では、先行技術2
と同様に、浴面から溶融金属の蒸発が多くなる。そのた
め、蒸発した溶融金属の一部が、スナウト内で固相金属
になり、あるいはスナウト内の微量酸素と反応して酸化
物になり、スナウト内の付着物になる。生成した酸化物
や付着物は、先行技術2に記載の方法の場合と同様に、
鋼帯に付着して品質欠陥を発生するようになり、この表
面欠陥を解消する手段を別途に設ける必要があり、品質
欠陥対策としては不十分である。また、スナウト外に排
気された溶融金属の蒸気は、外気中で温度が低下して固
相金属になる。作業環境面から、固相金属を回収するこ
とが望ましいが、先行技術3には、固相金属の回収方法
については、具体的に記載されていない。
【0021】先行技術4に記載の方法では、スナウト内
の雰囲気ガスを機械的な方法で吸引しているので、操業
トラブル時あるいは操業の立上げ、立下げ時に、炉内ガ
スを吸引しすぎる場合があり、その時に炉内圧を正圧に
確保できなくなり、外気を炉内に吸引してしまい、最終
的に炉内を還元雰囲気にできなくなり、あるいは常に制
御が完全でないと同様に外気を吸引しすぎる危険性があ
り、実操業上の大きな障害になっているため、実用化さ
れていない。
【0022】すなわち、亜鉛系溶融金属めっきにおい
て、スナウト内で蒸発した溶融金属から生成した酸化物
や付着物に起因する品質欠陥の防止効果の大きい実用的
なめっき方法やめっき装置は未だ見出されていない。
【0023】本発明はかかる事情を鑑みてなされたもの
であり、スナウト内で蒸発した溶融金属から生成した酸
化物や付着物に起因する品質欠陥の防止効果の大きい亜
鉛系溶融金属の連続めっき方法とめっき装置を提供する
ことを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】亜鉛系溶融金属めっきに
おける溶融金属の蒸発によって生成した酸化物や付着物
(以下、アッシュ)に起因する品質欠陥を防止するに
は、蒸発した金属ヒュームを速やかに設備外に排出する
ことが有効であり、また金属ヒュームの排出は、先行技
術4に記載されるような機械的な方法によらないで排気
することが必要であると考えた。また、作業環境面か
ら、排出した炉内ガス中に含まれる金属ヒュームを回収
することが必要であると考えて、同時に、金属ヒューム
の回収方法についても検討した。
【0025】本発明は、このような考えに基いた検討結
果から得られたものであり、その特徴とする構成は以下
のとおりである。
【0026】(1)亜鉛または亜鉛アルミ合金を溶融し
た亜鉛系溶融金属のめっき槽に連続的に鋼帯を通過させ
て、鋼帯に亜鉛系溶融金属めっきを行なうに際して、金
属ヒュームを含む炉内ガスを炉外に排出する排気口をス
ナウトの溶融金属浴面上2m以内に設けて、前記排気口
から、前記炉内ガスを亜鉛の融点以上の温度にしながら
アッシュ回収部に導入し、前記アッシュ回収部で導入し
前記炉内ガスの温度を亜鉛の融点以下にして、前記
内ガス中に含まれる金属ヒュームをアッシュにして回収
除去し、次いで、金属ヒュームを除去した炉内ガスを前
アッシュ回収部から放散管を介して、炉内圧と外気の
圧力差および前記排気口と前記放散管先端までのドラフ
トによって外気中に放散することを特徴とする亜鉛系溶
融金属の連続めっき方法。
【0027】(2)前記(1)において、放散管途中に
設けた流量調整手段によって、炉内ガスの排気流量を制
御することを特徴とする亜鉛系溶融金属の連続めっき方
法。
【0028】(3)亜鉛または亜鉛アルミ合金を溶融し
た亜鉛系溶融金属のめっき槽に連続的に鋼帯を通過させ
て鋼帯に亜鉛系溶融金属めっきを行なうめっき装置にお
いて、金属ヒュームを含むスナウト内の炉内ガスを排出
する排気口をスナウトの溶融金属浴面上2m以内に設
け、また前記排気口から排気した前記炉内ガスを亜鉛の
融点以上の温度にして導く配管、前記配管に連接して
炉内ガスを亜鉛の融点以下にして前記炉内ガス中に含
まれる金属ヒュームをアッシュにして回収除去するアッ
シュ回収タンク、および前記アッシュ回収タンクで金属
ヒュームを除去した炉内ガスを炉内圧と外気の圧力差お
よび前記排気口と放散管先端までのドラフトによって
気中に放散する放散管を備えることを特徴とする亜鉛系
溶融金属の連続めっき装置。
【0029】(4)前記(3)において、放散管の途中
に炉内ガスの流量調整手段を備えることを特徴とする亜
鉛系溶融金属の連続めっき装置。
【0030】亜鉛または亜鉛アルミ合金を溶融した溶融
金属浴面から蒸発した金属ヒュームは、スナウトに設け
た排気口から速やかに設備外に排気される。排気口から
排気された炉内ガスは、亜鉛の融点以上の温度で、後続
するアッシュ回収部(アッシュ回収タンク)に導かれる
ので、金属ヒュームが途中でアッシュになることがな
い。アッシュ回収部(アッシュ回収タンク)では、炉内
ガスが亜鉛の融点以下の温度になり、アッシュを生成す
る。生成したアッシュは、そこで回収除去され、スナウ
ト内に戻ることがない。
【0031】以上の結果から、スナウト内や炉内におけ
る金属ヒュームによって生成するアッシュの発生を大幅
に低減できるので、スナウト内のアッシュに起因する品
質欠陥の発生を防止できる。
【0032】また、炉内ガス中に含まれる金属ヒューム
は、タンク内でアッシュとして回収除去されるので、外
気中にアッシュが放散されなくなる。
【0033】また、排気口を溶融金属浴面上2m以内に
設置して、炉内圧と外気の圧力差および排気口と放散管
先端までのドラフトによって炉内ガスを外気中に放散す
るとともに、放散管途中に設けた流量調整手段によっ
て、炉内ガスの排気流量を制御する。すなわち、機械的
な排出手段を使用しないで、自然の原理であるドラフト
を利用して炉内ガスを排気するので、先行技術4に見ら
れる外気を炉内に吸引するという問題を確実に防止でき
る。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基いて、本発明を
具体的に説明する。
【0035】図1は本発明の実施例を説明するめっき装
置の断面を示す概略図、図2は図1の装置の炉内ガスを
排気する配管の要部を示す図である。図1、図2におい
て、1は冷却炉、3はスナウト、4はめっき槽、6はシ
ンクロール、7はガスワイピングノズル、19、20は
排気口、21、22、81、82は排気配管、51、5
2はアッシュ回収タンク、8は放散管である。
【0036】スナウト3に設けられた炉内ガスの排気口
19、20は、操業時の溶融金属浴面から1mの位置で
鋼帯幅方向に1800mmの間隔で2個所、鋼帯表裏面
に対向する同じ位置に合計で4個所設けられている。排
気口19、20を鋼帯表裏面の幅方向の離れた位置に設
けたのは、炉内ガスが鋼帯Sに随伴してスナウト3に流
れ込むので、金属ヒュームを含む炉内ガスをスナウト3
から効率よく排気するには、金属ヒュームを含む炉内ガ
スをスナウト3の鋼帯幅方向両端部から抜くことが有効
であることが、数値解析および風洞実験から求められた
ためである。
【0037】排気口を鋼帯幅方向にスリット状に設ける
と、排気効率が更に高くなることが実験で確認された
が、排気口を含めた排気装置を考慮した場合、排気口の
開口部形状を排気口に接続する排気配管21、22の形
状と同一にする方が、設備的な制約がより少なく、採用
が容易であるので、図1の装置では、排気口19、20
の開口部形状は、排気配管21、22の断面形状と同じ
円形にした。
【0038】排気配管21、22内で、排気された炉内
ガス中に含まれる金属ヒュームが固化してアッシュが生
成しないように、この配管部分では、排気された炉内ガ
ス温度を亜鉛の融点以上の温度にする必要がある。排気
される炉内ガス温度が高い場合、排気配管21、22は
通常の配管を使用すればよい。しかし、溶融亜鉛めっき
のように、排気される炉内ガス温度が低い場合、排気配
管21、22の管内面温度が亜鉛の融点以下になり、こ
の近傍のガス温度が亜鉛の融点以下になって、ここでア
ッシュを生成し、このアッシュがスナウト内に戻るおそ
れがある。このような場合、排気配管21、22を、断
熱配管あるいは加熱配管にして、管内面温度が亜鉛の融
点以上になるようにして、ガス温度が亜鉛の融点以下に
ならないようにする必要がある。
【0039】排気配管21、22は、設備的に清掃しに
くい構造になっている。排気配管21、22におけるガ
ス温度を亜鉛の融点以上にすることによって、この配管
部分でアッシュの生成を防止できるので、配管清掃が不
要になる。また、排気配管21、22を、排気口19、
20から概ね水平方向もしくは下方に向かって配設する
と、仮にライン立ち上げ時等に少量のアッシュが生成す
ることがあっても、このアッシュがスナウト内へ流入す
ることを防止できるので、より望ましい。
【0040】図1の装置では、排気配管21、22は、
排気されるガス温度が低い場合であっても、管内面温度
を亜鉛の融点を超える420℃以上を確保して、ガス温
度を420℃以上にできるように、断熱配管からなり、
管内径が100mmで水平に設置されている。
【0041】また、図2に示すように、排気配管21、
22は、スナウト3の鋼帯Sの表裏面に対向するそれぞ
れの側の鋼帯幅方向に2個所ずつ設けられている。鋼帯
幅方向に設けられた排気配管21、22は、それぞれア
ッシュ回収タンク51、52に接続されている。アッシ
ュ回収タンク51、52は、内径250mmの配管51
a、52aとその両端部にフランジによって脱着可能に
取り付けられた側板51b、52bからなる。
【0042】アッシュ回収タンク51、52は断熱性を
有しておらず、放冷状態のため、アッシュ回収タンク5
1、52内では、炉内ガス温度が300℃程度に低下す
る。そのために、炉内ガス内に含まれる金属ヒュームが
固化してアッシュになる。アッシュ回収タンク51、5
2内を定期的に清掃することにより常時最適な設備運転
が可能になる。重要なことはアッシュの発生する場所を
一定の位置に規定できるシステムを設計することであ
る。図1の装置では、排気口から排気されたガスが集合
する一定の場所(アッシュ回収タンク51、52)でア
ッシュを発生することができる。
【0043】金属ヒュームがアッシュとして除去された
炉内ガスは、アッシュ回収タンク51、52からそれぞ
れ排気配管81、82を経て、放散管8で合流後、外気
10中に放散される。
【0044】炉内ガスの排気流量が多すぎる場合、炉内
圧の制御が不可能になり、外気を炉内に吸引するおそれ
があるため、設備に最適な流量を選択する必要がある。
図1の装置では、排気流量が標準状態で50〜300m
3/hになるように、放散管8の途中に設けたバルブ9
で流量を調整した。
【0045】図1の装置では、炉内圧と外気の圧力差お
よび排気口と放散管先端までのドラフトによって炉内ガ
スを外気中に放散するとともに、放散管途中に設けたバ
ルブ9によって、炉内ガスの排気流量を制御するので、
炉内に外気を吸引することがない。
【0046】なお、バルブ9はアッシュ回収タンク5
1、52出側の配管81、82に取付けても良いが、こ
の場所ではガス温度が高いため、あるいはアッシュによ
る詰まりで流量調整ができなくなるおそれがあるために
採用しなかった。
【0047】図1の装置の場合、放散管8の配管長は概
ね10m程度で、バルブ9の位置でのガス温度は100
℃以下で、アッシュもほとんど存在していないために、
特に大きな流量調整上の問題は生じなかった。
【0048】炉内ガスをスナウトから排気する配管径お
よび、排気した炉内ガスを集合して金属ヒュームをアッ
シュにするアッシュ回収タンクの配管径は、排気した炉
内ガスの滞留時間で規定されるものであり、炉内ガスの
排気流量を決めた後に必要な滞留時間を考慮して配管径
を決定する。炉内ガス中の金属ヒュームがアッシュにな
る時間は実機試験の結果から0.5秒以上であれば十分
であることを確認した。
【0049】図1の装置では、440℃の炉内ガスを4
00m3/hで排気するように設計した。すなわち、ス
ナウトから炉内ガスを排気する排気配管21、22の1
個所あたりの流量は100m3/hである。アッシュ回
収タンク51、52には、内径250mm、実質長さ4
00mmの配管51a、52aを選定することにより、
平均滞留時間0.7秒を確保した。
【0050】アッシュ回収タンク51、52内に堆積し
たアッシュは定期的に清掃する必要がある。この装置で
はシンクロール6を交換するタイミングで、シンクロー
ル交換時間内に、アッシュ回収タンク51、52の両側
の側板51b、52bを外して、アッシュ回収タンク内
のアッシュを吸引清掃を行なうことが可能である。
【0051】図1の装置を用いて、次のようにしてめっ
きを行なう。図示されていない焼鈍炉で焼鈍後に冷却帯
炉1で冷却して所定の熱処理を施した鋼帯Sをスナウト
3を通過してめっき槽4に導く。めっき槽4から引き出
された鋼帯Sを、ガスワイピングノズル7で所定のめっ
き厚みに調整した後、冷却されて後工程に通板する。
【0052】雰囲気ガスは、図示されていない焼鈍炉、
冷却炉1等から設備内に供給され、鋼帯Sの走行方向と
は逆方向の設備入側に向かって流れる。また雰囲気ガス
の一部は、スナウトの排気口19、20から、金属ヒュ
ームとともに排気され、アッシュ回収タンク51、52
で金属ヒュームがアッシュとして回収除去された後、放
散管8から外気中に放散される。その際、バルブ9を調
整して所定の排気流量に調整する。
【0053】図1の装置を用いてめっきを行なったとこ
ろ、スナウト内の金属ヒュームから生成するアッシュに
起因して発生する品質欠陥が低減し、高品質な亜鉛系溶
融金属めっき鋼板の製造が可能になった。また、従来炉
内に発生したアッシュの発生が皆無になり、定期的に行
なっていた炉内清掃が不要になった。さらに、アッシュ
をほとんど含まない炉内ガスが外気中に放散されるの
で、作業環境が改善された。
【0054】図3は、本発明の別の実施例を説明するめ
っき装置の断面を示す図である。この装置では、スナウ
ト内の金属ヒュームを確実に排気し、また炉内ガスの排
気流量を低減することを目的として、排気口よりも上部
にシール装置31、32が設けられている。その他の装
置の構成は図1に示した装置の場合と同様である。シー
ル装置31、32を設けたことによって、さらに排気ガ
ス流量を50%削減することが可能になった。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が得られ
る。 (1)スナウト内の金属ヒュームから生成するアッシュ
に起因して発生する品質欠陥を低減できる。その結果、
高品質な亜鉛系溶融金属めっき鋼板の製造が可能にな
る。 (2)炉内のアッシュがなくなるので、従来定期的に行
なっていた炉内清掃が不要になり、生産性を向上でき
る。 (3)アッシュが外気中に放散されなくなるので、作業
環境を改善できる。 (4)ドラフトによって炉内ガスを排出するので、外気
を吸引するという問題がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するめっき装置の断面
図。
【図2】図1の装置の炉内ガスを排気する配管の要部を
示す斜視図。
【図3】本発明の別の実施例を説明するめっき装置の断
面図。
【符号の説明】
1 冷却炉 3 スナウト 4 めっき槽 6 シンクロール 7 ガスワイピングノズル 8 放散管 9 バルブ 21、22 排気配管(断熱配管) 31、32 シール装置 51、52 アッシュ回収部(アッシュ回収タンク) 81、82 排気配管 S 鋼帯
フロントページの続き (72)発明者 大石 均 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 赤司 健太郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 福井 孝幸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−316760(JP,A) 特開 平6−306555(JP,A) 特開 平6−272006(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛または亜鉛アルミ合金を溶融した亜
    鉛系溶融金属のめっき槽に連続的に鋼帯を通過させて、
    鋼帯に亜鉛系溶融金属めっきを行なうに際して、金属ヒ
    ュームを含む炉内ガスを炉外に排出する排気口をスナウ
    の溶融金属浴面上2m以内に設けて、前記排気口か
    ら、前記炉内ガスを亜鉛の融点以上の温度にしながらア
    ッシュ回収部に導入し、前記アッシュ回収部で導入した
    前記炉内ガスの温度を亜鉛の融点以下にして、前記炉内
    ガス中に含まれる金属ヒュームをアッシュにして回収除
    去し、次いで、金属ヒュームを除去した炉内ガスを前記
    アッシュ回収部から放散管を介して、炉内圧と外気の圧
    力差および前記排気口と前記放散管先端までのドラフト
    によって外気中に放散することを特徴とする亜鉛系溶融
    金属の連続めっき方法。
  2. 【請求項2】 散管途中に設けた流量調整手段によっ
    て、炉内ガスの排気流量を制御することを特徴とする請
    求項1記載の亜鉛系溶融金属の連続めっき方法。
  3. 【請求項3】 亜鉛または亜鉛アルミ合金を溶融した亜
    鉛系溶融金属のめっき槽に連続的に鋼帯を通過させて鋼
    帯に亜鉛系溶融金属めっきを行なうめっき装置におい
    て、金属ヒュームを含むスナウト内の炉内ガスを排出す
    る排気口をスナウトの溶融金属浴面上2m以内に設け、
    また前記排気口から排気した前記炉内ガスを亜鉛の融点
    以上の温度にして導く配管、前記配管に連接して前記
    内ガスを亜鉛の融点以下にして前記炉内ガス中に含まれ
    る金属ヒュームをアッシュにして回収除去するアッシュ
    回収タンク、および前記アッシュ回収タンクで金属ヒュ
    ームを除去した炉内ガスを炉内圧と外気の圧力差および
    前記排気口と放散管先端までのドラフトによって外気中
    に放散する放散管を備えることを特徴とする亜鉛系溶融
    金属の連続めっき装置。
  4. 【請求項4】 散管の途中に炉内ガスの流量調整手段
    を備えることを特徴とする請求項3記載の亜鉛系溶融金
    属の連続めっき装置。
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