JP4436122B2 - 溶融メッキラインのスナウト内アッシュ発生防止装置 - Google Patents
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Description
本発明は、溶融メッキラインのスナウト内アッシュ発生防止装置に関するものである。
連続溶融メッキラインでは、還元雰囲気の連続焼鈍炉で機械的性質やメッキ浴への侵入温度を調整されたストリップは、大気雰囲気から遮断して清浄なままメッキ浴に送り込む役目の筒状スナウトを通って、メッキ浴に入る。その後、ストリップは、浴中のシンクロール，サポートロールを介して上方に引き上げられガスワイピングノズルで付着量調整される。
このスナウト内は、水素と窒素の混合ガスを吹き込んで還元雰囲気としているのが通常であるが、スナウト内のメッキ浴表面から金属ヒュームが発生し、比較的温度の低いスナウト内壁面に凝固付着する。また、スナウト前の炉内壁面やロールに付着することもある。これは、一般的に灰状の不純物（溶融亜鉛では純亜鉛や酸化亜鉛等）でアッシュと呼ばれている。
このアッシュが堆積し、落下すると浴表面上に浮遊し、ストリップに引き込まれるとドロス欠陥や不メッキ欠陥が発生する原因となる。炉内ロールに付着すると、ストリップに接触した場合も表面欠陥の原因となる。
従来技術としては最も主流なもの（従来第１例）は、スナウトの両サイドにポンプを設け、スナウト内に強制的な流れを作り、浮遊するアッシュを回収する方法である。他の方法（従来第２例）としては、下記特許文献のようなアッシュ回収方法がある。これは、スナウト内の雰囲気ガスをスナウト外へ引き出し、ガス処理回路で金属ヒュームを処理するものである。
特開平０７−３１６７６０公報
しかしながら、前記従来第１例では、入側面（ストリップの下側）から落ちてくるアッシュ回収については有効であるが、出側面（ストリップの上側）から落ちてくるアッシュについては、スナウトが傾斜しているのでストリップ上に落下し、ストリップと共に引き込まれ、品質異状を完全に防止することはできない。
従来第２例では、強制対流装置（ブロワ等）設置の必要があり、設備が大掛かりなものになる。
従来第２例では、強制対流装置（ブロワ等）設置の必要があり、設備が大掛かりなものになる。
本発明の目的は、溶融メッキラインのスナウト内壁面に付着するアッシュが剥落してストリップに付着し、メッキ品質を損なう品質異常の発生を抑制できるような溶融メッキラインのスナウト内アッシュ発生防止装置を提供することである。
本発明の装置は、メッキ浴槽のメッキ液内に設置されたシンクロールに案内された鋼帯が筒状スナウトを通って、斜め上方から下方にメッキ液内に導入され、前記シンクロールを経て上方に導出されるよう構成されたものにおいて、前記鋼帯の上側面に対向する前記スナウトの壁には、吸入口を下部に持ち、吐出口を上部でストリップを避けたところに持ったダクトが接続され、
該ダクトにおいて、上下方向に延びる縦部材の上下端にほぼ水平にスナウトに向かって横部材が延び、それらの先端から鋼帯の幅方向に幅部材が延び、これら幅部材の先端に、上側において吐出口、下側において吸入口となり、
前記ダクトの途中には、前記吐出口から吸入口に向かう噴流が生ずるようなエジェクタ手段が接続され、該エジェクタ手段には前記スナウト内に投入している雰囲気ガスを導くエジェクタ管路が接続され、前記エジェクタ手段の上流の前記ダクトには、前記スナウト中の雰囲気ガス中のメッキ金属蒸気を凝結させるセパレータが接続され、
前記セパレータの外面にはバイブレータが取り付けられ、前記セパレータの上流側または下流側には仕切り弁が設けられ、前記バイブレータによる振動により、前記セパレータに付着した凝結物を外部に落下できるように、カバーが着脱自在に設けられ、
前記セパレータは熱交換面を持ち、該熱交換面は凝結物が落下容易な鉛直面を持つことを特徴としている。
該ダクトにおいて、上下方向に延びる縦部材の上下端にほぼ水平にスナウトに向かって横部材が延び、それらの先端から鋼帯の幅方向に幅部材が延び、これら幅部材の先端に、上側において吐出口、下側において吸入口となり、
前記ダクトの途中には、前記吐出口から吸入口に向かう噴流が生ずるようなエジェクタ手段が接続され、該エジェクタ手段には前記スナウト内に投入している雰囲気ガスを導くエジェクタ管路が接続され、前記エジェクタ手段の上流の前記ダクトには、前記スナウト中の雰囲気ガス中のメッキ金属蒸気を凝結させるセパレータが接続され、
前記セパレータの外面にはバイブレータが取り付けられ、前記セパレータの上流側または下流側には仕切り弁が設けられ、前記バイブレータによる振動により、前記セパレータに付着した凝結物を外部に落下できるように、カバーが着脱自在に設けられ、
前記セパレータは熱交換面を持ち、該熱交換面は凝結物が落下容易な鉛直面を持つことを特徴としている。
本発明によれば、ドロス生成を未然に抑制防止するものであり、スナウト内の浮遊ドロスが減少することにより、鋼帯表面のドロス付着が抑制防止され、ドロス欠陥や不メッキ欠陥を減少させ、メッキ品質が安定化する。また、スナウトや炉内の清掃作業が低減できることとなった。しかも、処理回路でのガス循環を雰囲気ガスを導いて、エジェクタ手段で噴射させるようにしたので、装置が簡単、かつ、エネルギーが不要となった。
セパレータの両側には仕切り弁を設け、かつ、セパレータ部にバイブレータを設け、セパレータに付着した凝結物を外部に落下できるように、カバーが着脱自在に設けたので、運転中にもセパレータ内のアッシュを回収できる。
セパレータの両側には仕切り弁を設け、かつ、セパレータ部にバイブレータを設け、セパレータに付着した凝結物を外部に落下できるように、カバーが着脱自在に設けたので、運転中にもセパレータ内のアッシュを回収できる。
以下に本発明の実施態様を図面に示す一実施例にもとづき説明する。
図１，２において、メッキ浴槽１のメッキ液内に設置されたシンクロール２に案内される鋼帯Ａが筒状スナウト３を通って、斜め上方から下方にメッキ液内に導入され、前記シンクロール２を経て上方に導出されるよう構成されている。
図１，２において、メッキ浴槽１のメッキ液内に設置されたシンクロール２に案内される鋼帯Ａが筒状スナウト３を通って、斜め上方から下方にメッキ液内に導入され、前記シンクロール２を経て上方に導出されるよう構成されている。
前記鋼帯Ａの上側面に対向する前記スナウト３の壁には、吸入口を下部に持ち、吐出口を上部で鋼帯Ａを避けたところに持ったダクト４が接続される。
図３において、ダクト４は、上下方向に延びる縦部材４ａの上下端にほぼ水平にスナウトに向かって横部材４ｂ，４ｃが延び、それらの先端から鋼帯Ａの幅方向に幅部材４ｄ，４ｅが延びる。そして、これら幅部材の先端に、上側において吐出口４ｆ、下側において吸入口４ｇとなる。
図３において、ダクト４は、上下方向に延びる縦部材４ａの上下端にほぼ水平にスナウトに向かって横部材４ｂ，４ｃが延び、それらの先端から鋼帯Ａの幅方向に幅部材４ｄ，４ｅが延びる。そして、これら幅部材の先端に、上側において吐出口４ｆ、下側において吸入口４ｇとなる。
ダクトの上横部材４ｂ途中には、前記吐出口から吸入口に向かう噴流が生ずるようなエジェクタ手段５が接続される。該エジェクタ手段には前記スナウト３内に投入している雰囲気ガスを、スナウト３へ導く管路から分岐したエジェクタ管路６が接続される。
前記エジェクタ手段５の下流の前記ダクト４の縦部材４ａには、前記スナウト中の雰囲気ガス中のメッキ金属蒸気を凝結させるセパレータ７が接続される。このセパレータ７は図４のように、熱交換面を持ち、該熱交換面は凝結物が落下容易な鉛直面を持つ。即ち、鉛直中心軸線を持つ矩形断面筒体からなるケース７ａの上部および下部側面に各々冷媒入口７ｂ，冷媒出口７ｃが設けられる。ケースの上下端に取り付けられた管板７ｄに熱交換パイプ７ｅが貫通して固定される。
前記セパレータ７の外面にはバイブレータ９が取り付けられる。前記セパレータ７の上流側のダクト縦部材４ａおよび下流側のダクト横部材４ｃには、仕切り弁８，８が設けられる。前記バイブレータによる振動により、前記セパレータ７に付着した凝結物を外部に落下できるように、ダクト縦部材４ａの下端にはカバー１０が着脱自在に設けられる。
吸い込み口の下側は、アッシュ付が付着する可能性があるので、スナウトの外側面にヒーター１１が設置され、メッキ浴と同等の温度まで過熱するようにして、アッシュ付着を防止する。このヒーター１１はメッキ金属浴Ｍから生成するメッキ金属蒸気を加熱し、該蒸気の降温・凝結を防止する役目を有している。加熱温度は、メッキ金属の沸点以上（例えば、亜鉛メッキの場合は、約４５０〜５００℃）に設定される。該ヒーターとしては、例えばシート状に形成されたリボンヒーターと称される抵抗発熱体等を適用することができる。
以上において、図１，２に示すとおり、スナウト３内に投入している雰囲気ガスを利用し、スナウト内のヒュームを含む雰囲気ガスをエジェクタ管路６で導いて、エジェクター手段５で噴出させ、ダクト４内のガスを強制対流させる。ダクト４のスナウト内にガス投入する吐出口４ｆは、鋼帯Ａの温度ムラ発生防止のため、直接鋼帯Ａに吹き付けないような個所に開口している。冷却機能を有するセパレータ７で、アッシュ回収する。セパレータの両側には仕切り弁８，８を設け、かつ、セパレータ部にバイブレータ９、セパレータ７の直下にアッシュ除去用カバー１０を設けたので、運転中にもセパレータ内のアッシュを回収できるようにする。この場合は、安全・品質異状防止のため、回収前後にＮ２ガスをパージできる機能を設ける。
セパレータ７は、そこを通過する雰囲気ガス中のメッキ金属蒸気を熱交換面に凝結させてガス中から分離する。吸引装置により管路始端部からスナウトの外に導出される雰囲気ガスは、セパレータを通ってメッキ金属蒸気を分離され、管路終端部からスナウト内に返戻される。セパレータ内に滞留したメッキ金属の凝集粒子は、適時にカバー１０を開けて回収する。
スナウト内部のドロスの大部分は前記メッキ金属蒸気のアッシュに由来するものであり、そのドロス生成量は、本発明によるスナウト壁面のアッシュ生成防止効果として、従来の約２０〜３０％程度にまで激減させることがでた。
〔実施例〕
実施条件
１）連続溶融亜鉛メッキラインで実施。
２）雰囲気ガス投入量：Ｈ２，Ｎ２の混合ガス，３０Ｎｍ３/Ｈｒ
３）強制対流ガス量：３００Ｎｍ３/Ｈｒ
４）吸込口面積：６００ｍｍ×３００ｍｍ×２カ所
５）吸込口流速：０.２８ｍ/ｓｅｃ
実施条件
１）連続溶融亜鉛メッキラインで実施。
２）雰囲気ガス投入量：Ｈ２，Ｎ２の混合ガス，３０Ｎｍ３/Ｈｒ
３）強制対流ガス量：３００Ｎｍ３/Ｈｒ
４）吸込口面積：６００ｍｍ×３００ｍｍ×２カ所
５）吸込口流速：０.２８ｍ/ｓｅｃ
実施結果
１）ドロス欠陥や不メッキ欠陥の品質異状発生率
実施前：３％ 実施後：１％
２）スナウト・炉内清掃作業の低減
実施前：１回/３カ月
実施後：１回/６カ月（炉内清掃時アッシュ回収量約３０％）
１）ドロス欠陥や不メッキ欠陥の品質異状発生率
実施前：３％ 実施後：１％
２）スナウト・炉内清掃作業の低減
実施前：１回/３カ月
実施後：１回/６カ月（炉内清掃時アッシュ回収量約３０％）
なお、図５のように、セパレータ７は前記ダクト４の横縦部材に接続されてもよい。
本発明は前記した実施例や実施態様に限定されず、特許請求の範囲および範囲を逸脱せずに種々の変形を含む。
本発明は、溶融メッキラインのスナウト内アッシュ発生防止装置に適用される。
Ａ 鋼帯
１ メッキ浴槽
２ シンクロール
３ スナウト
４ ダクト
４ａ 縦部材
４ｂ 横部材
４ｃ 横部材
４ｄ 幅部材
４ｅ 幅部材
４ｆ 吐出口
４ｇ 吸入口
５ エジェクタ手段
６ エジェクタ管路（雰囲気ガス投入配管）
７ セパレータ
７ａ ケース
７ｂ 冷媒入口
７ｃ 冷媒出口
７ｄ 管板
７ｅ 熱交換パイプ
８ 仕切り弁
９ バイブレータ
１０ アッシュ降去用カバー
１１ ヒーター
１ メッキ浴槽
２ シンクロール
３ スナウト
４ ダクト
４ａ 縦部材
４ｂ 横部材
４ｃ 横部材
４ｄ 幅部材
４ｅ 幅部材
４ｆ 吐出口
４ｇ 吸入口
５ エジェクタ手段
６ エジェクタ管路（雰囲気ガス投入配管）
７ セパレータ
７ａ ケース
７ｂ 冷媒入口
７ｃ 冷媒出口
７ｄ 管板
７ｅ 熱交換パイプ
８ 仕切り弁
９ バイブレータ
１０ アッシュ降去用カバー
１１ ヒーター
Claims (1)
- メッキ浴槽のメッキ液内に設置されたシンクロールに案内された鋼帯が筒状スナウトを通って、斜め上方から下方にメッキ液内に導入され、前記シンクロールを経て上方に導出されるよう構成されたものにおいて、前記鋼帯の上側面に対向する前記スナウトの壁には、吸入口を下部に持ち、吐出口を上部でストリップを避けたところに持ったダクトが接続され、
該ダクトにおいて、上下方向に延びる縦部材の上下端にほぼ水平にスナウトに向かって横部材が延び、それらの先端から鋼帯の幅方向に幅部材が延び、これら幅部材の先端に、上側において吐出口、下側において吸入口となり、
前記ダクトの途中には、前記吐出口から吸入口に向かう噴流が生ずるようなエジェクタ手段が接続され、該エジェクタ手段には前記スナウト内に投入している雰囲気ガスを導くエジェクタ管路が接続され、前記エジェクタ手段の上流の前記ダクトには、前記スナウト中の雰囲気ガス中のメッキ金属蒸気を凝結させるセパレータが接続され、
前記セパレータの外面にはバイブレータが取り付けられ、前記セパレータの上流側または下流側には仕切り弁が設けられ、前記バイブレータによる振動により、前記セパレータに付着した凝結物を外部に落下できるように、カバーが着脱自在に設けられ、
前記セパレータは熱交換面を持ち、該熱交換面は凝結物が落下容易な鉛直面を持つことを特徴とする溶融メッキラインのスナウト内アッシュ発生防止装置。
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| JP2003428424A JP4436122B2 (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 溶融メッキラインのスナウト内アッシュ発生防止装置 |
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| JP2003428424A JP4436122B2 (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | 溶融メッキラインのスナウト内アッシュ発生防止装置 |
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