JP2000026372A - 4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸tert−ブチルの製造方法 - Google Patents
4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸tert−ブチルの製造方法Info
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
ることなく、容易に、かつ高収率、高品質で4’−メチ
ル−2−ビフェニルカルボン酸tert−ブチルを製造
し得る方法を提供すること。 【解決手段】4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸
とイソブテンとを、酸触媒の存在下で反応させることを
特徴とする4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸t
ert−ブチルの製造方法。
Description
ビフェニルカルボン酸tert−ブチルの製造方法に関
する。さらに詳しくは、血圧降下剤の製造中間体として
有用な4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸ter
t−ブチルの製造方法に関する。
ルボン酸tert−ブチルの製造方法としては、(A)
p−メチルフェニル亜鉛クロライドと2−tert−ブ
トキシカルボニルヨードベンゼンとをNiCl2 (Ph
〔フェニル基、以下同じ〕3 P)2 触媒の存在下で反応
させる製造方法(特開平6−1790号公報)および
(B)無水エーテル中で4’−メチル−2−ビフェニル
カルボン酸とイソブテンとを濃硫酸触媒の存在下で反応
させる製造方法(特表平5−506443号公報)が知
られている。
化合物であるp−メチルフェニル亜鉛クロライドを調製
する際に、−78℃という極低温で反応を行う必要があ
るため、p−メチルフェニル亜鉛クロライドの調製に煩
雑な操作を必要とするという欠点をはじめ、2−ter
t−ブトキシカルボニルヨードベンゼンやNiCl
2(Ph3 P)2 という比較的高価な試剤を必要とする
などの欠点がある。
いるため、かかるエーテルのような危険性の高い溶媒を
使用しない方法が望まれている。
ニルカルボン酸tert−ブチルを簡便かつ高収率で工
業的に有利に製造しうる方法の確立が待ち望まれてい
る。
術に鑑みてなされたものであり、煩雑な操作を必要とせ
ず、危険な溶媒を使用することなく、容易に、かつ高収
率、高品質で4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸
tert−ブチルを製造し得る方法を提供することを目
的とする。
技術に鑑みて鋭意検討した結果、本発明における出発物
質が、ベンゼン環のオルト位にバルキーな置換基を有す
る4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸であるにも
かかわらず、イソブテンとともに酸触媒を用いた場合に
は、極めて高収率、高品質で4’−メチル−2−ビフェ
ニルカルボン酸tert−ブチルが得られるという全く
新しい事実を見出した。本発明は、かかる知見に基づき
完成されたものである。
−ビフェニルカルボン酸とイソブテンとを、酸触媒の存
在下で反応させることを特徴とする4’−メチル−2−
ビフェニルカルボン酸tert−ブチルの製造方法に関
する。
2−ビフェニルカルボン酸とイソブテンとを、酸触媒の
存在下で反応させることにより、4’−メチル−2−ビ
フェニルカルボン酸tert−ブチルを製造することが
できる。
−メチル−2−ビフェニルカルボン酸は、例えば、4’
−メチル−2−シアノビフェニルをアルカリ加水分解す
ることにより容易に製造することができる。
との反応に供されるイソブテンの量は、特に限定されな
いが、4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸1モル
に対して、反応性の観点から、2モル以上、好ましくは
3モル以上であることが望ましく、経済性の観点から、
10モル以下、好ましくは7モル以下であることが望ま
しい。
点から、硫酸、スルホン酸およびリンハロゲン化物が好
ましい。
ホン酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。ま
た、リンハロゲン化物としては、例えば、オキシ三塩化
リン、三塩化リン、五塩化リンなどが挙げられる。これ
らのリンハロゲン化物のなかでは、反応性の観点から、
オキシ三塩化リンおよび三塩化リンが好ましい。なお、
硫酸は、通常、96〜98重量%の濃度を有する濃硫酸
であることが好ましい。
−ビフェニルカルボン酸1モルに対して、反応性の観点
から、0.1モル以上、好ましくは0.2モル以上であ
ることが望ましく、経済性の観点から、1.2モル以
下、好ましくは1.1モル以下であることが望ましい。
る場合は、脱水剤の存在下で、4’−メチル−2−ビフ
ェニルカルボン酸とイソブテンとを反応させることが好
ましい。なお、酸触媒として、例えば、スルホン酸、リ
ンハロゲン化物などを用いる場合、これらの化合物は、
優れた脱水能力を有するので、脱水剤を特に必要とはし
ないが、所望により、該脱水剤を使用してもよい。
シウム、無水硫酸ナトリウムなどが挙げられる。これら
のなかでは、反応性の観点から、無水硫酸マグネシウム
が好ましい。
−ビフェニルカルボン酸1モルに対して、反応性の観点
から、0.1モル以上であることが望ましく、経済性の
観点から、3モル以下、好ましくは2モル以下であるこ
とが望ましい。
て反応を行う場合には、例えば、酸触媒、脱水剤および
後述する溶媒を混合し、得られた混合物に4’−メチル
−2−ビフェニルカルボン酸を添加し、イソブテンガス
を吹き込むことなどにより、4’−メチル−2−ビフェ
ニルカルボン酸とイソブテンとを反応させることができ
る。
ハロゲン化物を用いて反応を行う場合には、例えば、
4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸および後述す
る溶媒を混合し、得られた混合物にリンハロゲン化物を
添加し、イソブテンガスを吹き込むことなどにより、
4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸とイソブテン
とを反応させることができる。
供されるイソブテンの量が前記した量となるように調整
することが好ましい。
媒を用いることができる。かかる溶媒としては、例え
ば、シクロヘキサン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、
ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒
などが挙げられる。かかる溶媒の使用量は、通常、溶媒
100重量部に対して、4’−メチル−2−ビフェニル
カルボン酸が2〜70重量部程度となるように調整する
ことが好ましい。
とイソブテンとの反応温度は、脱水剤の有無などによっ
て異なるので一概には決定するができない。例えば、脱
水剤を使用しないで反応を行う場合、前記反応温度は、
通常、0〜40℃、好ましくは20〜30℃であること
が望ましい。また、脱水剤として、例えば、無水硫酸マ
グネシウムなどを用いる場合、硫酸マグネシウムが約4
8℃で結晶水を放出し、脱水能力を失うため、前記反応
温度は、通常、0〜45℃、好ましくは15〜35℃で
あることが望ましい。
異なるので一概には決定することができないが、反応が
終了する程度の時間であればよく、通常、1〜24時間
程度である。なお、反応の終了は、例えば、高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)などを用いて確認するこ
とができる。
えば、反応終了後、反応溶液に脱イオン水を添加し、十
分に攪拌、分液した後、有機層を水酸化ナトリウム水溶
液などで洗浄し、有機溶媒を濃縮留去することにより、
単離することができる。
ビフェニルカルボン酸tert−ブチルは、例えば、血
圧降下剤などの医薬の製造中間体として好適に使用し得
るものである。
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
マグネシウム0.24g(2ミリモル)および濃硫酸
0.11ml(2ミリモル)を添加し、激しく攪拌し
た。これに4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸
2.12g(10ミリモル)を添加し、1.2リットル
/分の流速で2分間、イソブテンガス(98ミリモル)
を吹き込んだ。得られた混合物を室温で6時間攪拌し
た。HPLCにより4’−メチル−2−ビフェニルカル
ボン酸のピークの消失を確認した後、脱イオン水4ml
を注ぎ、十分に攪拌後静置し、分液した。上層のトルエ
ン層をとり、1.5M水酸化ナトリウム水溶液で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ロータリー
エバポレーターでトルエンを濃縮留去し、結晶として
4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸tert−ブ
チル2.54gを得た(収率:4’−メチル−2−ビフ
ェニルカルボン酸に対して95%、HPLC純度:9
9.9%)。
−ビフェニルカルボン酸tert−ブチルであること
は、以下の物性を有することから確認された。
28、1708、1478、1446、1368、13
02、1250、1174、1128、848、82
0、760 (3) 1H−NMR(CDCl3 )δ(ppm):7.
08〜7.74(m,8H)、2.34(s,3H)、
1.27(s,9H)
−メチル−2−ビフェニルカルボン酸2.12g(10
ミリモル)を添加し、激しく攪拌した。これに、メタン
スルホン酸0.32ml(5ミリモル)を添加し、1.
2リットル/分の流速で2分間、イソブテンガス(98
ミリモル)を吹き込んだ。得られた混合物を室温で20
分間攪拌した。HPLCにより4’−メチル−2−ビフ
ェニルカルボン酸のピークの消失を確認した後、反応液
を1.5M水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで
トルエンを濃縮留去し、結晶として4’−メチル−2−
ビフェニルカルボン酸tert−ブチル2.52gを得
た(収率:4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸に
対して94%、HPLC純度:99.9%)。なお、得
られた化合物は、実施例1で得られた化合物と同様の物
性を有していた。
−メチル−2−ビフェニルカルボン酸2.12g(10
ミリモル)を添加し、激しく攪拌した。これに、オキシ
三塩化リン0.18ml(2ミリモル)を添加し、1.
2リットル/分の流速で2分間、イソブテンガス(98
ミリモル)を吹き込んだ。得られた混合物を室温で6時
間攪拌した。HPLCにより4’−メチル−2−ビフェ
ニルカルボン酸のピークの消失を確認した後、反応液を
1.5M水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸
マグネシウムで乾燥させた後に、ロータリーエバポレー
ターでトルエンを濃縮留去し、結晶として4’−メチル
−2−ビフェニルカルボン酸tert−ブチル2.63
gを得た(収率:4’−メチル−2−ビフェニルカルボ
ン酸に対して98%、HPLC純度:99.9%)。な
お、得られた化合物は、実施例1で得られた化合物と同
様の物性を有していた。
れば、4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸ter
t−ブチルを、簡便かつ高収率、高品質で得ることがで
きることがわかる。
ず、危険な溶媒を使用することなく、常温程度の温和な
反応条件で4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸t
ert−ブチルを簡便かつ高収率、高品質で工業的に有
利に製造することができるという効果が奏される。
Claims (4)
- 【請求項1】 4’−メチル−2−ビフェニルカルボン
酸とイソブテンとを、酸触媒の存在下で反応させること
を特徴とする4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸
tert−ブチルの製造方法。 - 【請求項2】 酸触媒が硫酸、スルホン酸またはリンハ
ロゲン化物である請求項1記載の4’−メチル−2−ビ
フェニルカルボン酸tert−ブチルの製造方法。 - 【請求項3】 酸触媒として硫酸を用い、脱水剤の存在
下で4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸とイソブ
テンとを反応させる請求項2記載の4’−メチル−2−
ビフェニルカルボン酸tert−ブチルの製造方法。 - 【請求項4】 脱水剤が無水硫酸マグネシウムである請
求項3記載の4’−メチル−2−ビフェニルカルボン酸
tert−ブチルの製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006328012A (ja) * | 2005-05-27 | 2006-12-07 | Idemitsu Kosan Co Ltd | アクリル系化合物、その製造方法及びアクリル系重合体 |
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- 1998-07-08 JP JP19303498A patent/JP3884572B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1999
- 1999-02-23 IN IN220MA1999 patent/IN187700B/en unknown
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006328012A (ja) * | 2005-05-27 | 2006-12-07 | Idemitsu Kosan Co Ltd | アクリル系化合物、その製造方法及びアクリル系重合体 |
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