JP2000025868A - 食品を包装するための袋及びその使用方法 - Google Patents

食品を包装するための袋及びその使用方法

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JP2000025868A
JP2000025868A JP10189981A JP18998198A JP2000025868A JP 2000025868 A JP2000025868 A JP 2000025868A JP 10189981 A JP10189981 A JP 10189981A JP 18998198 A JP18998198 A JP 18998198A JP 2000025868 A JP2000025868 A JP 2000025868A
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克也 五味
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Abstract

(57)【要約】 【課題】食品を球状に成形して包装するための袋につ
き、天然ゴム特有のゴム臭を無くし、また奇麗に包装で
きる袋及びその使用方法を提供する。 【課題の解決手段】食品を球状に成形して包装するため
の袋であって、脱蛋白天然ゴムの伸縮性薄膜で作成され
ていることを特徴とする袋である。この袋の形状は試験
管状であることが好ましい。袋の容積は0.5〜4cm
3が好ましい。また本発明は、脱蛋白天然ゴムの伸縮性
薄膜からなる袋に、食品を充填して球状に膨張させ、そ
の状態で充填した食品を固化一体化させる食品の包装方
法である。更に脱蛋白天然ゴムの伸縮性薄膜からなる試
験管状の袋に、食品を該袋が球状になる量或はそれ以上
の量を充填し、その状態で充填した食品を固化一体化す
る食品の包装方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ようかんなどの和
菓子類、豆腐、魚介類のすり身練り製品、畜産肉類のす
り身練り製品、魚鶏卵加工品、冷菓など成形可能な食品
について、これを球状に成形し、且つその状態で包装す
るための袋、及びこの袋を用いて包装する方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】天然ゴムの薄膜でようかんや豆腐を包装す
ることが知られている。例えば、天然ゴム膜で作られた
中空の球状本体部とそれに連なるチューブ状の注入部と
を有する袋に、豆乳を加圧しながら充填した後、密封
し、次いで加熱凝固し、その後冷却して球形の豆腐を製
造することが知られている(特公昭62−9292号公
報)。ところが、天然ゴムは伸縮性に優れ、このような
袋には極めて適するが、ゴム特有の臭い所謂ゴム臭を有
する。しかして、このゴム臭が包装した食品に移り、食
するとき不快感を与える問題点がある。
【0003】この問題点を解消すべく、従来は、包装の
対象となる食品にようかん等の臭いの付きにくい食品を
選ぶとか、或はゴム臭に対して消臭効果のある添加剤、
例えば豆腐に対して抹茶等を添加して包装していた。そ
のため、この包装方法は限られた食品以外には普及しな
かった。また従来の天然ゴム膜製袋では、球状本体部の
ゴム膜の厚さが薄い場合や球状本体部にその容積の10
倍以上の食品を充填した場合には、充填後の球形の形状
がイビツになりやすく、奇麗に包装することが難しかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みなされたもので、食品を球状に成形して包装する
ための袋につき、ゴム臭による問題点を解消し、またゴ
ム膜の厚さが薄くても奇麗に包装でき、またこの包装を
奇麗に且つ円滑に解くことができる袋を提供し、またそ
の袋の使用方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、蛋白質を除
去した天然ゴムはゴム臭の発生を抑え得ることに注目
し、この脱蛋白天然ゴムを包装材に用いることによって
上記問題点を解消し得ることを知り、また脱蛋白天然ゴ
ムは伸縮性、引張強度、破断伸度が向上するため、ゴム
膜の厚さを薄くできることを知り、更には袋の形状が試
験管状であっても、その袋の容積の20倍以上の食品を
充填したときには奇麗な球形を呈することを知見し、本
発明を完成した。すなわち本発明は、食品を球状に成形
して包装するための袋であって、脱蛋白天然ゴムの伸縮
性薄膜で作成されていることを特徴とする袋である。こ
の袋は試験管状の形状であることが好ましい。またこの
袋の容積は0.5〜4cm3が好ましい。また上記の伸
縮性薄膜の厚さは0.01〜1mmが好ましい。
【0006】また本発明は、脱蛋白天然ゴムの伸縮性薄
膜からなる袋に、食品を充填して球状に膨張させ、その
状態で充填した食品を固化一体化させることを特徴とす
る食品の包装方法である。更に本発明は、脱蛋白天然ゴ
ムの伸縮性薄膜からなる試験管状の袋に、食品を該袋が
球状になる量或はそれ以上の量を充填し、その状態で充
填した食品を固化一体化することを特徴とする食品の包
装方法である。これらの包装方法において、袋の容積を
0.5〜4cm3にし、充填量が袋の容積の10倍以上
になるようにするのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、包装の対象とな
る食品は、流動状態にすることができ、且つ加熱処理、
冷却処理、化学処理などによってこの流動状態を固化状
態にすることができる食品である。例えば、ようかんな
どの和菓子類、豆腐、魚介類のすり身練り製品、畜産肉
類のすり身練り製品、魚鶏卵加工品、冷菓などなどであ
る。本発明の食品を球状に成形して包装するための袋
は、脱蛋白天然ゴムの伸縮性薄膜からなる袋である。脱
蛋白天然ゴムの伸縮性薄膜からなる袋は、脱蛋白処理し
た天然ゴムラテックスを原料にし、これを常法で成形し
て製造した袋である。ここで脱蛋白天然ゴムとは、天然
ゴムラテックスを脱蛋白処理して、ラテックス中の蛋白
質の全てを除去するか或ラテックス中の蛋白質含有率を
低減さた天然ゴムを言う。すなわち、天然ゴム中の蛋白
質含量は大体1.0〜3.5重量%であるが、この蛋白
質含量が0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以
下になるまで除去したものである。このように脱蛋白処
理した天然ゴムはゴム臭が無くなる。
【0008】本発明の食品を球状に成形して包装するた
めの袋は、従来から使用されている袋、すなわち、例え
ば図1の断面図に示すように、中空の球状の本体部1と
これに繋がるチューブ状の注入部2とからなり、注入口
3を有する袋でよい。この袋の容積(ここで、「袋の容
積」とは、充填前の袋の容積を言い、球状本体部を有す
る袋については球状本体部の容積を言う。)は0.5〜
4cm3、好ましくは1.0〜3.0cm3である。0.
5cm3未満では充填しにくく、また4cm3を超える
と、成形した食品が大きくなり過ぎ固化一体化の処理に
時間がかかるなどして好ましくない。図1には、球状本
体部1の直径が注入口3の直径より大きい場合を示した
が、袋の容積が小さい場合には、注入口3の直径を球状
本体部1の直径より大きくしてもよい。この球状本体1
に包装しようとする食品を充填する。食品の充填が進行
するにしたがって、球状本体部が球状を保ったまま膨張
する。所定量の充填、好ましくは袋の容積の10倍以
上、更に好ましくは20倍以上、特に好ましくは30倍
以上充填した後、チューブ状の注入部2の根元部分を紐
や針金で括って密閉する。
【0009】また、本発明では、図1に示すような球状
本体部をもたない袋も使用できる。すなわち、図2の斜
視図に示すような試験管状の袋も使用できる。図2にお
いて3は注入口、4は円筒状の本体部である。この試験
管状の袋の場合にはこの筒状部分に食品を充填する。こ
の袋の容積(ここで、「袋容積」とは、充填前の袋の容
積を言い、試験管状の袋については、袋全体の容積を言
う。)は0.5〜4cm3、好ましくは1.0〜3.0
cm3である。0.5cm3未満では充填しにくく、また
4cm3を超えると、成形した食品が大きくなり過ぎ固
化一体化の処理に時間がかかるなどして好ましくない。
試験管状の袋の場合、充填初期にはこの試験管状のまま
膨張するが、充填量が袋容積の20倍以上程度になる
と、膨張して球状を呈するようになる。したがって、充
填量を袋容積の20倍以上、好ましくは30倍以上、特
に好ましくは40倍以上にする。この球状になった時
点、或は更に充填した後に注入口の下部を紐や針金で括
って密閉する。なお、試験管状の袋の場合も、中空の筒
状の本体部に、これに繋がるチューブ状の注入部を設け
てもよい。
【0010】従来の脱蛋白処理しない天然ゴムラテック
スから作成したこの種の袋は、その形状を図1に示すよ
うに球状本体部を有する形状にしないと、球状に充填し
て包装するのは難しかった。また、このような球状本体
部を有する袋を用いても、その充填量を袋容積の10倍
以上にすると、ゴム膜の厚さが薄いとその球状の形状が
イビツになりやすかった。しかし、脱蛋白質処理した天
然ゴムラテックスから作った薄膜は伸縮性、引張強度が
よいので、脱蛋白質処理した天然ゴムラテックスを素材
に用いた場合には、ゴム膜の厚さが薄くても、球状本体
部を有する袋を用いて充填量を袋容積の10倍以上にし
てもイビツになる傾向が少なく、また充填量を袋容積の
10倍以上、更には20倍以上、或は30倍以上にする
ことができるので、充填量が特に多くなる場合には、上
述したの如く、球状本体部を有さない試験管状の袋を用
いて球状に包装することができる利点がある。
【0011】本発明の袋を構成する脱蛋白天然ゴム薄膜
の厚さは、0.01〜1mm、好ましくは0.05〜
0.5mmである。0.01mmよりも薄いとゴムが破
れやすいので好ましくなく、1mmより厚いと内容物の
充填がしにくくなるので好ましくない。また、ゴム薄膜
は適度の伸縮性が必要である。伸長性が乏しいと内容物
の食品を収納したとき袋が伸長しないので好ましくな
い。また、伸長した状態から開放したときに収縮する力
が乏しいと、固化一体化した食品を取り出すときの操作
が円滑に行えなく、折角成形した球形が破損する場合が
ある。この点に関して脱蛋白天然ゴムの薄膜は優れてい
る。本発明で用いるゴム薄膜としては、破断伸度が10
0〜1000%、好ましくは500〜1000%であ
り、引張強さが100〜400Kgf/cm2、好まし
くは200〜350Kgf/cm2であるものが適す
る。
【0012】本発明における袋は、脱蛋白した天然ゴム
ラテックスで成形して製造する。脱蛋白した天然ゴムラ
テックスは種々の方法で調製できる。例えば、天然ゴム
ラッテクスに蛋白分解酵素を作用させて蛋白質を分解し
て除去する方法である。具体的には、硫黄、塩化硫黄、
セレン、テルル、ベンゾイルペルオキサイド、酸化亜鉛
などの加硫剤を用いて前加硫する工程、並びにエスペラ
ーゼ、アルカラーゼなどのタンパク質分解酵素と水を加
えて蛋白質を分解する工程とを行い、更に水を加え遠心
分離する工程を経て調製する(特開平6−256404
号公報)。また、天然ゴムラテックスを、アルカリプロ
テアーゼなどの蛋白質分解酵素と各種の陰イオン界面活
性剤、非イオン界面活性剤又は両性界面活性剤とで処理
して、天然ゴムラテックス中の蛋白質を分解し、次いで
天然ゴムラテックスに炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリ
ウム、酢酸ナトリウムなどの塩類を添加し、洗浄しても
よい(特開平8−143606号公報)。そのほか、蛋
白質分解酵素を使用せずに、酸又はアルカリ洗浄と水洗
いとを組み合わせて処理することよっても容易に低蛋白
にした天然ゴムを得ることができる。
【0013】脱蛋白天然ゴムラテックスを用いて本発明
の袋を成形するには、例えば次のようにして行う。すな
わち、陶磁、ガラス、金属、合成樹脂、木材などで所望
の形状の成形型、例えば球形の本体部を形成するための
成形型部に注入用チューブ部を形成するための棒状体を
取り付けた成形型を作成する。この成形型を脱蛋白天然
ゴムラテックスに1〜3回浸漬し、引き上げて成形型の
周囲にゴムラテックスを付着させ、このゴムラテックス
を硝酸カルシウムなどの凝固剤で凝固させ、成形型の周
囲に凝固したゴムを形成させる。最後に凝固したゴムを
成形型から剥離し、加硫、洗浄などの通常の仕上げ加工
を施す。斯くて、図1に示すごとき、伸縮性薄膜で構成
され、中空の球状の本体部1、該本体部につながる注入
用チューブ2を備えた本発明の袋が得られる。また、陶
磁、ガラス、金属、合成樹脂、木材等で作った先端を丸
めた棒状体を成形型に用いることによって、図2に示す
如き、試験管状の袋を簡単に成形することができる。試
験管状の袋を成形する場合は、球状本体部を有する袋を
成形する場合に比し、成形型の作成が容易であり、また
球形部がないので袋の成形操作も容易である。
【0014】次に本発明の袋を用いて食品を球状に成形
し、包装する方法を説明する。本発明の袋にまず食品を
充填する。食品は流動性のある状態で充填する。図1に
示すごとき球状本体部を有する袋の場合は、注入口から
注入用チューブを通して球状本体部に充填する。袋が試
験管状の場合には注入口から筒状の本体部に充填する。
この充填量は、袋容積の10倍以上、好ましくは20倍
以上、特に好ましくは30倍以上である。袋が試験管状
の場合には、少なくとも充填後の袋が球形を呈するまで
充填する。具体的には、袋容積の20倍以上、好ましく
は30倍以上、特に好ましくは40倍以上である。しか
して、上記いずれの場合も、充填量が多いほど、袋を構
成するゴム薄膜の伸長率が大きくなり、その結果、球状
体の取り出しが円滑に行える。また、本発明の袋は伸縮
性があるので、その中に充填する食品の量を自由に変え
ることができる。
【0015】本発明の袋に所望の量の食品を充填した
後、その注入用チューブ口を密封して食品の袋への収納
を完了する。注入用チューブ部の密封は、注入用チュー
ブ自体を結んで括ってもよいし、注入用チューブ部にゴ
ム紐、繊維製紐、針金などを巻きつけて括ってもよい。
試験管状の袋の密封もこの手法で行える。図3は本発明
の袋に食品を充填した状態を示した斜視図である。6は
食品を充填して球状に膨らんだ充填部、3は注入口、5
は括り部である。このように、食品を充填した後、加熱
処理、冷却処理、化学処理などによって、流動状態の食
品を固化一体化させる。ここで固化一体化とは、食品の
流動性が失われ、且つ充填された食品の全体が一つの塊
になることを言う。これによって食品は球状に成形され
る。
【0016】上記食品を球状に成形し、包装した袋から
食品を取り出すには、刃物で袋の充填部分の一部に、ナ
イフ、フォーク、爪楊枝の先端などで突くなどして切り
込みを入れる。本発明においては、袋にその容積以上の
食品を充填させてあるので袋が膨張し、袋を構成するゴ
ム薄膜は伸長した状態になっている。このときのゴム薄
膜の伸長は、充填量が増加するほど大きくなる。そし
て、この伸長が大きいと、袋に切り込みを入れたとき、
この切り込み部からの裂け目は瞬時にして袋の注入用チ
ューブ部の括り部4まで広がり、また伸長していたゴム
薄膜は、固化一体化した食品の表面に沿って収縮する。
そのため、中味の食品をその球状の形を維持したままス
ムースに取り出すことができる。
【0017】従来の脱蛋白処理しない天然ゴムで作った
袋を用いた場合には、食品を袋の容積の10倍以上充填
すると、充填倍率が大きくなる程上記の切り込みを入れ
て取り出す際、ゴム薄膜の切断破片が生じ、これが四方
に飛散したり、食品の表面に付着する不都合があった
が、本発明の如く、脱蛋白天然ゴム製の袋を用いた場合
にはかかる破片が飛散するなどの不都合がなくなる。本
発明は各種の食品に適用でき、しかも包装した食品は包
装を解くと、奇麗な球形に成形された食品が取り出せ
る。そしてこの食品はそのまますぐに調理できたり、場
合によってはそのまま食することができる。したがっ
て、ファミリーレストラン、居酒屋、喫茶店などの外食
産業向けの加工素材として特に有用である。また、上記
の如くして球形に成形し包装した食品を冷凍ないし冷蔵
し、この冷凍ないし冷蔵したものを、その状態のまま包
装を解かずに電子レンジにかけるか或は熱湯にドブ漬け
して、食べ頃の温度になったときに包装を解いてもよ
い。特に電子レンジ加温の場合は、加熱により発生する
水蒸気が包装の袋を膨らませるので、この膨らみが、食
べ頃の温度になった目安になる利点がある。
【0018】
【実施例】実施例1 高アンモニア天然ゴムラテックス(マレーシア産、固形
分濃度60%、総窒素含有量0.200%)100部
に、ラウリン酸カリウム2部、硫黄2部、酸化亜鉛1
部、加硫促進剤としてジ−N−ブチルジチオカルバミン
酸亜鉛(総窒素含有量0.06%)0.5部を加え、攪
拌しながら50℃で15時間加熱し、前加硫を行った。
放冷後、ラウリン酸カリウム3部を添加した後、リン酸
二水素ナトリウム2部を加え、系のpHを9に調整し
た。次に、アルカラーゼ0.5部を加えたのち、固形分
濃度が約30%になるように純水を加え、系内を均一に
分散させた状態で、50℃で5時間保持してラテックス
中のタンパク質を分解させた。続いて、放冷後の被処理
物を、13,000r.p.mで30分間遠心分離し、
クリーム状のラテックス(固形分濃度約80%)を得
た。その後、このクリーム状のラテックスにラウリン酸
カリウム1部を加え、純水で固形分濃度が30%になる
ように稀釈し、再度同じ条件で遠心分離した。このよう
にして得られたクリーム状のラテックス(固形分濃度約
80%)に1%アンモニアを加え、固形分濃度60%に
まで稀釈した。
【0019】上記の如くして得た脱蛋白天然ゴムラテッ
クス(蛋白質含有量0.05重量%)を用いて、試験管
状の袋を成形した。なお、この袋を構成する弾性薄膜の
厚さは0.15mmであり、伸びが900%、引張強度
が350Kgf/cm2であった。この袋は内径1c
m、長さ2cm、容積1.6cm3であった。この袋
に、常法にしたがって調製された豆乳とグルコノデルタ
ラクトン(凝固剤)との混合物を注入口から加圧注入
し、直径5cm(容積65.4cc)の球状になるまで
充填し(袋容積の約40倍充填)、その後注入口を針金
で括って密封した。次いで、このものを90℃の熱湯に
10分間入れて豆乳を凝固させた。その後冷却して、球
状に成形し包装した球状豆腐を得た。この球状豆腐を包
むゴム薄膜の一部に竹製の爪楊枝を突き立てたところ、
ゴム薄膜が破けて収縮し、球状の豆腐を容易に取り出す
ことができた。
【0020】実施例2 実施例1で用いた高アンモニア天然ゴムラテックスを水
で希釈し、ゴム固形分が30重量%の天然ゴムラテック
スを100部に、プロテアーゼ0.02部、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム1部を添加
し、30℃で24時間静置した。静置後、ゴム固形分が
約10重量%になるように天然ゴムラテックスに水を加
えて300gまで希釈し、その際に炭酸ナトリウムを1
5g添加した。このようにして得られた脱蛋白天然ゴム
ラテックス(蛋白質含有量0.1重量%)を用いて、本
体部の形状が球状で、その先端に注入用チューブを設け
た袋を成形した。なお、この袋を構成する弾性薄膜の厚
さは0.2mmであり、伸びが950%、引張強度が3
50Kgf/cm2であった。また球状部の容積は1.
6cm3であった。この脱蛋白天然ゴムで構成された袋
に、はすこ餅を約90℃で、球状部に、その直径が4c
mになるまで充填した(袋容積の約40倍充填)。実施
例1と同様にして、球形のはすこ餅を取り出すことがで
きた。
【0021】実施例3 天然ゴムラテックスをpH9.5のアルカリ温水で数回
洗浄後、水洗し、ラテックス中の蛋白質含有量を0.5
重量%以下に低減させた。この脱蛋白処理したラテック
スの中に試験管状のガラス製成形型を3回繰返し浸漬し
て、成形型周辺にラテックスを厚さ0.1mmに付着さ
せた。その後乾燥させ、形成したゴム薄膜を成形型から
剥離し、加硫、洗浄して試験管状の伸縮性ゴム薄膜でで
きた袋を得た。この袋は、注入口の直径が0.8cmで
あり、長さが2cmであり、容積が1.0cm3であっ
た。この容器に魚肉すり身を加圧注入し、径が4cmの
球形(容積33.5cm3)になるまで充填した(袋容
積の約33倍充填)。ついでこのものを熱湯に入れ、魚
肉すり身を加熱凝固させ、固化一体化させた。これを−
20℃の冷凍庫に1か月保管した。冷凍庫から取り出
し、冷凍状態のまま電子レンジで加熱し、解凍調理し
た。品温が上昇し水蒸気でゴム袋が若干膨張した段階で
電子レンジから取り出し、包丁の先でゴム膜に切れ目を
入れた。ゴム膜が奇麗にとれ、加熱調理された球形の魚
肉すり身を得た。この魚肉すり身にゴム臭はなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明は、食品を球状に成形して包装す
るための袋として、脱蛋白天然ゴムの伸縮性薄膜で構成
された袋を用いるものである。この脱蛋白天然ゴム製の
袋を用いることによって、従来の脱蛋白処理してない天
然ゴム製の袋を用いた場合に比し次のような利点があ
る。 (1)脱蛋白天然ゴム製の袋は、天然ゴム特有の所謂ゴ
ム臭がない。したがって、食品にゴム臭が移行すること
がなく、食するとき不快感を与えない。また、従来は食
品に移行するゴム臭を和らげるため、時には風味を犠牲
にして種々の添加剤を配合していたが、かかる手段が不
要となる。 (2)脱蛋白天然ゴム製の袋は、伸縮性、引張強度が優
れている。従来の脱蛋白処理してない天然ゴム製のこの
種の袋においては、球状の本体部をもつ袋が使用され、
この球状本体部に食品が充填されていたが、その充填量
が袋容積の10倍以上になると球形がイビツになり易い
欠点があり、ゴム膜の厚さを厚くせざるを得なかった。
脱蛋白天然ゴム製の本発明の袋はかかる欠点がない。 (3)脱蛋白天然ゴム製の袋は、伸縮性、引張強度が優
れているため、袋の容積の10倍以上の食品を充填でき
るので、袋の形状を試験管状にし、これにその容積の1
0倍以上の食品を充填して奇麗な球形に成形することが
できる。斯くの如く、本発明では、単純形状の試験管状
の袋を使用することができ、そのため袋の成形型の作成
や袋の成形操作が簡単になる。
【0023】(4)従来の脱蛋白処理しない天然ゴムで
作った袋を用いた場合には、食品を袋の容積の10倍以
上充填すると、上記の切り込みを入れて取り出す際、ゴ
ム薄膜の切断破片が生成し、これが四方に飛散したり、
食品の表面に付着する不都合があったが、脱蛋白天然ゴ
ム製の袋を用いた本発明の場合にはかかる不都合が少な
い。 (5)従来の脱蛋白処理しない天然ゴムで作った袋を用
いた場合には、餅のようにべとべとした粘着性の強い食
品を包装すると、該食品がゴム薄膜に貼り付き易く、ゴ
ム薄膜を破いて取り出すとき折角成形した球形が崩れや
すい。そのため、冷蔵庫などで冷却して固くしてから、
包装のゴム薄膜を破いて取り出すなどの工夫が必要であ
ったが、本発明の脱蛋白天然ゴム製の袋を用いると、離
型性がよいため、粘着性の高いものでも球形を崩さずに
取り出すことができる。 (6)従来の脱蛋白処理しない天然ゴムで作った袋を用
いた場合には、冷凍後のゴムの収縮性が劣るため、包装
後冷凍した冷凍食品の取り出しがスムースに行えない傾
向があったが、脱蛋白天然ゴムは冷凍後の収縮性がよい
ため、冷凍食品の取り出しもスムースに行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の食品を球状に成形して包装するための
袋の一例の断面図
【図2】本発明の食品を球状に成形して包装するための
袋の他の例の断面図
【図3】本発明の食品を球状に成形して包装するための
袋に食品を充填したときの斜視図
【符号の説明】
1 球状本体部、2 注入用チューブ、3 注入口、4
筒状本体部、5 括り部、6 充填部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食品を球状に成形して包装するための袋で
    あって、脱蛋白天然ゴムの伸縮性薄膜で作成されている
    ことを特徴とする袋。
  2. 【請求項2】形状が試験管状であることを特徴とする請
    求項1記載の袋。
  3. 【請求項3】容積が0.5〜4cm3である請求項1又
    は2記載の袋。
  4. 【請求項4】伸縮性薄膜の厚さが0.01〜1mmであ
    る請求項1、2又は3記載の袋。
  5. 【請求項5】脱蛋白天然ゴムの伸縮性薄膜からなる袋
    に、食品を充填して球状に膨張させ、その状態で充填し
    た食品を固化一体化させることを特徴とする食品の包装
    方法。
  6. 【請求項6】脱蛋白天然ゴムの伸縮性薄膜からなる試験
    管状の袋に、食品を該袋が球状になる量或はそれ以上の
    量を充填し、その状態で充填した食品を固化一体化する
    ことを特徴とする食品の包装方法。
  7. 【請求項7】袋の容積が0.5〜4cm3であり、充填
    量が袋の容積の10倍以上である請求項5又は6記載の
    食品の包装方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014168559A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Miyabicosmetics Co Ltd 化粧料包装体
JPWO2015092939A1 (ja) * 2013-12-20 2017-03-16 株式会社ネーゼコーポレーション ゲル状洗浄料の製造方法
KR102218064B1 (ko) * 2020-12-02 2021-02-19 와트레이딩 주식회사 젤리 포장용 탄성 튜브

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