JP2000022338A - 多層配線基板およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板およびその製造方法

Info

Publication number
JP2000022338A
JP2000022338A JP10182065A JP18206598A JP2000022338A JP 2000022338 A JP2000022338 A JP 2000022338A JP 10182065 A JP10182065 A JP 10182065A JP 18206598 A JP18206598 A JP 18206598A JP 2000022338 A JP2000022338 A JP 2000022338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
wiring layer
insulating substrate
wiring board
conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10182065A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3827447B2 (ja
Inventor
Masanobu Ishida
政信 石田
Shigeki Yamada
成樹 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP18206598A priority Critical patent/JP3827447B2/ja
Publication of JP2000022338A publication Critical patent/JP2000022338A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3827447B2 publication Critical patent/JP3827447B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】低抵抗導体からなる配線層を同時焼成により形
成し、銅の拡散による配線層間の絶縁劣化を防止し、高
密度の配線層が形成可能であり、且つ研磨工程等を必要
としない安価な多層配線基板の製造方法を提供する。 【解決手段】Al2 3 等の酸化物セラミックスからな
る複数の絶縁層1a,1b、1cを積層してなる絶縁基
板1と、絶縁基板1内部に、少なくとも銅単体、あるい
は銅とタングステンおよび/またはモリブデンを含み、
Cu/(Cu+W+Mo)の体積比率が0.3以上の複
合材料を主成分とする導体からなる内部配線層2aが配
設され、水素を含む露点が−20℃以下の非酸化性雰囲
気中で同時焼成することにより、内部配線層2aの周囲
のセラミックスへの銅の拡散距離を20μm以下とする
とともに、平均表面粗さ(Ra)が1μm以下の平滑性
に優れた基板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物セラミック
スを絶縁基板とする多層配線基板に関し、詳細には14
00℃〜1500℃の温度での焼結が可能で良好な熱伝
導率を有し、かつマイグレーションの少ない低抵抗の配
線層を具備した多層配線基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、半導体素子の高集積化に伴い、半導
体装置から発生する熱も増加している。半導体装置の誤
動作をなくすためには、このような熱を装置外に放出可
能な配線基板が必要である。
【0003】一方、電気的な特性としては、演算速度の
高速化により、信号の遅延が問題となり、導体損失の小
さい、つまり低抵抗の導体を用いることが要求されてき
た。従来から多用されているタングステンを主体とした
導体では高々8mΩ/□程度までしか低くできなかっ
た。そこで低抵抗導体である銅や銀と同時焼成可能な、
いわゆるガラスセラミックスを用いた多層配線基板が提
案されている。
【0004】ところが、ガラスセラミックスの熱伝導率
は高々数W/m・Kしかなく、前記熱的問題を解決する
ことが難しくなってきている。そこで、この熱的問題点
と、電気的問題点を同時に解決する方法として、酸化ア
ルミニウムに、銅、または銅とタングステンまたはモリ
ブデンを組み合わせた導体層を同時焼成により形成する
方法が特開平7−15101号、特開平8−8502
号、特許第2666744号に提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−8502号は、そもそも酸化アルミニウムを緻密化
させるために、1600℃以上の高い温度で焼成するこ
とを前提とするものであり、その結果、配線層中の銅成
分が、焼成中に絶縁基板のセラミックス中に拡散し、配
線層間の絶縁性が劣化するという問題があった。
【0006】銅の拡散を抑制する為には、セラミックス
の低温での焼結性を改善して焼成温度を低くするも有効
的と考えられるが、焼成温度を低くしても焼成炉及び焼
成治具等から発生する酸素またはこの酸素と雰囲気中の
水素との反応で生成する水蒸気により銅が酸化してしま
い、銅が拡散しやすい酸化銅となるために、結果として
焼成中の拡散または揮散を防止することができず、配線
層間の絶縁性が劣化を防止できないという問題があっ
た。
【0007】しかも、特開平7−15101号によれ
ば、すべての配線層を絶縁基板内部に配設して同時焼成
した後、研磨等により表面の絶縁層を除去して導体を表
面に露出させて表面配線層を形成することが開示されて
いるが、本方法では当然ながら、研磨等の工程が付加さ
れるためコストアップにつながるものであった。
【0008】さらに、特許第2666744号には、平
均粒径が5〜50nmの微細なアルミナ粉末を用い12
00℃以下の低温で金、銀、銅、等と同時焼成する方法
が開示されているが、このような微粉末を用いることは
工程上、大きな困難を伴うことになり、コストアップに
つながるものであった。
【0009】従って、本発明は、銅を含む低抵抗導体か
らなる内部配線層を同時焼成により形成し、銅の拡散に
よる配線層間の絶縁劣化を防止し、高密度の配線層が形
成可能であり、且つ研磨工程等を必要としない安価な多
層配線基板と、その製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
に対して検討を重ねた結果、酸化物セラミックスを絶縁
基板とする多層配線基板において、配線層中の銅のセラ
ミックス中への拡散距離が20μm以下であると実質的
に配線層間の絶縁性が劣化しないこと、また、焼成温度
及び雰囲気の最適化を図ることにより、配線層中の銅の
拡散または揮散を抑制し、銅の拡散距離を小さくでき、
しかも焼き肌面の表面粗さを小さくできることを見出し
本発明に至った。
【0011】即ち、本発明の多層配線基板は、主結晶相
の平均結晶粒径が1.5〜5.0μmの酸化物セラミッ
クスからなる複数の絶縁層を積層してなる絶縁基板と、
該絶縁基板内部に、銅とタングステンおよび/またはモ
リブデンを含み、Cu/(Cu+W+Mo)の体積比率
が0.3以上の複合材料を主成分とする導体からなる内
部配線層が配設され、前記内部配線層の周囲のセラミッ
クスへの銅の拡散距離が20μm以下であり、且つ焼き
肌面の表面粗さ(Ra)が1μm以下であることを特徴
とするものである。
【0012】なお、前記酸化物セラミックスは、熱伝導
率が15W/m・K以上の酸化アルミニウム質セラミッ
クスからなることが望ましい。
【0013】また、かかる多層配線基板の製造方法とし
て、平均粒径が0.5〜2.5μmの酸化物セラミック
粉末を主成分とする混合粉末からなり、その表面に少な
くとも銅、あるいは銅とタングステンおよび/またはモ
リブデンとの複合材料を主成分とする導体ペーストを配
線パターン状に印刷塗布してなる複数のシート状成形体
を積層した後、該積層体を水素を含む露点−20℃以下
の非酸化性雰囲気中で1400〜1500℃の温度で焼
成することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の多層配線基板の
一実施態様を示す概略断面図を基に説明する。図1の多
層配線基板は、酸化物セラミックスからなる複数の絶縁
層1a,1b、1cが積層された絶縁基板1と、その絶
縁層1a,1b,1c間に、内部配線層2a、さらには
最表面の絶縁層1aの表面に表面配線層2bが設けられ
ている。そして、上記の配線層のうち、内部配線層2a
を少なくとも銅、あるいは銅とタングステンおよび/ま
たはモリブデンとの複合材料を主成分とする導体によっ
て形成したものであり、この内部配線層2aは、絶縁基
板1と同時焼成によって形成されたものである。
【0015】また、各層の配線層間は、絶縁層を貫通す
るように形成されたビアホール導体3によって電気的に
接続される。このビアホール導体3も内部配線層2aと
同様な導体によって同時焼成によって形成されることが
望ましい。
【0016】本発明によれば、図2に示すように、上記
少なくとも銅を含む内部配線層2aの周囲の絶縁基板1
のセラミックスへの銅の拡散距離xが20μm以下、特
に10μm以下であることが重要である。即ち、銅のセ
ラミックス中への拡散距離が20μmを超えると、配線
層間の絶縁性が低下し、配線基板としての信頼性が保証
できなくなるためである。なお、拡散距離xは、EPM
A(X線マイクロアナライザー)分析において、配線層
2aの端部から同一平面内において、銅元素が検出され
る領域の最外部までの距離xを10箇所測定した平均値
である。
【0017】また、絶縁基板1を形成する酸化物系セラ
ミックスとしては、酸化アルミニウム、ムライト、フォ
ルステライト等が知られているが、本発明における絶縁
基板1は、酸化アルミニウムを主成分とするセラミック
スであることが望ましい。これは、ムライトやフォルス
テライトセラミックスは、一般に熱伝導率が低く、前記
熱的問題の解決には有効でないためである。また、絶縁
基板1の熱伝導率は15W/m・K以上、特に20W/
m・K以上であることが望ましい。
【0018】なお、絶縁基板1が、酸化アルミニウムか
ら構成される場合、セラミックス中には、内部配線層2
aとの同時焼結性を達成する上で、焼結助剤として、S
iO2 およびMgO、CaO、SrO等のアルカリ土類
元素酸化物、さらに着色剤としてタングステン、モリブ
デン等の遷移金属を含んでもよい。
【0019】なお、これらの焼結助剤成分は、合計で
0.3〜10重量%の割合で含有することが望ましい。
これらの焼結助剤の量が0.3重量%よりも少ないと、
銅含有導体からなる内部配線層2aとの同時焼結性が低
下し、10重量%よりも多いと、絶縁基板1の熱伝導性
が低下するために、絶縁基板1のガラスセラミックスに
対する長所が発揮されないためである。特に、銅含有導
体との同時焼結性を高める上では、SiO2 およびMg
O、CaOを酸化物換算で0.4〜8重量%の割合で含
有せしめることが望ましい。
【0020】絶縁基板1を形成する酸化物セラミックス
の主結晶相を構成する酸化アルミニウム結晶は、粒状ま
たは柱状の結晶として存在するが、これら主結晶層の平
均結晶粒径は、1.5〜5.0μmであることが必要で
ある。なお、主結晶相が柱状結晶からなる場合、上記平
均結晶粒径は、短軸径に基づくものである。
【0021】この主結晶相の平均結晶粒径が1.5μm
よりも小さいと、高熱伝導化が難しく、平均粒径が5.
0μmよりも大きいと、銅がセラミックス中へ拡散する
ときのパスである粒界の長さが短くなるとともに拡散速
度も速くなるために拡散距離が30μmを超えてしまう
とともに、基板材料として用いる場合に要求される十分
な強度が得られないためである。また、上記焼結助剤成
分は、上記主結晶相の粒界に非晶質相あるいは結晶相と
して存在するが、銅の拡散を抑制し、熱伝導性を高める
上で粒界中に結晶相が形成されていることが望ましい。
【0022】本発明によれば、上記多層配線基板におい
て、内部配線層2a、さらにはビアホール導体3は、い
ずれも絶縁基板1と同時焼成によって形成されるもので
あるが、絶縁基板1を形成するセラミックスの焼成温度
に応じて、配線層を形成する導体も変えることが望まし
い。
【0023】例えば、絶縁基板1の焼成温度が1100
℃以下の場合には、銅単味で可能であるが、1400℃
以上の場合には、銅に対して、タングステンあるいはモ
リブデンを添加することにより、導体の焼成温度を徐々
に高めることができ、酸化物系セラミックスとの焼成温
度を整合させることができる。但し、タングステンやモ
リブデンの配合量が多くなると、導体の抵抗が大きくな
り、銅導体を用いることの長所が生かせなくなる。
【0024】焼成温度を1400℃以上で整合させるこ
とと、導体抵抗の抵抗を8mΩ/□以下とする上で、銅
とタングステンおよび/またはモリブデンの体積比は、
Cu/(Cu+W+Mo)は、0.3以上、特に0.4
以上が望ましいが、酸化物セラミックスとの同時焼結を
可能にし、配線のにじみ防止および熱膨張差を小さくす
る上で0.9以下が望ましい。
【0025】また、本発明の多層配線基板において、表
面配線層2bは、内部配線層2aと同様に、上記銅含有
導体によって絶縁基板1と同時焼成によって形成するこ
ともできるが、概して、銅含有導体の最適焼成温度より
も高い温度で焼成すると、導体が溶融して表面張力によ
って凝集してしまう傾向にある。従って、表面配線層2
bは、Wおよび/またはMoからなる導体成分に、酸化
アルミニウム、または絶縁基板と同じ成分の粉末を2〜
10重量%程度添加含有した組成のメタライズ層によっ
て形成されることが望ましい。
【0026】なお、本発明の多層配線基板は、内部配線
層2a中の銅の拡散距離を20μm以下とすることによ
り、前記配線層のうち、同一平面内に形成された配線層
間の最小線間距離を100μm以下、特に90μm以下
の高密度配線化を図ることができる。また、同様に図1
に示すように、1つの絶縁層内に複数のビアホール導体
3が形成される場合、そのビアホール導体3間の最小離
間距離も上記と同様な理由から100μm以下、特に9
0μm以下に制御することが可能である。
【0027】さらに本発明の多層配線基板は、後述する
ように焼成温度及び雰囲気を制御して焼成することによ
って、絶縁基板1の表面の平均表面粗さRaを1μm以
下、特に0.7μm以下の平滑性に優れた表面を形成で
きるものであり、その結果、絶縁基板1の表面に表面配
線層2bを形成する場合、絶縁基板1表面を研磨加工等
を施す必要がないことも大きな特徴である。
【0028】次に、本発明の多層配線基板の製造方法に
ついて具体的に説明する。まず、絶縁基板を形成するた
めに、酸化物セラミック粉末として、平均粒径が0.5
〜2.5μm、特に0.5〜2.0μmの粉末を用い
る。これは、平均粒径は0.5μmよりも小さいと、粉
末の取扱いが難しく、また粉末のコストが高くなり、
2.5μmよりも高いと、1500℃以下の温度で焼成
することが難しくなるためである。
【0029】また、酸化物セラミック粉末には、適宜焼
結助剤を添加することができる。例えば、酸化アルミニ
ウム原料粉末に対しては、焼結助剤成分として、SiO
2 およびMgO、CaO粉末等を0.4〜8重量%の割
合で添加混合する。そして、この混合粉末を用いて絶縁
層を形成するためのシート状成形体を作製する。
【0030】シート状成形体は、周知の成形方法によっ
て作製することができる。例えば、上記混合粉末に有機
バインダーや溶媒を添加してスラリーを調製した後、ド
クターブレード法によって形成したり、混合粉末に有機
バインダーを加え、プレス成形、圧延成形等により所定
の厚みのシート状成形体を作製できる。
【0031】このようにして作製したシート状成形体に
対して、銅粉末、あるいは銅粉末とタングステン粉末お
よび/またはモリブデン粉末とを、Cu/(Cu+W+
Mo)の体積比率が0.3以上、特に0.4以上、さら
には0.9以下の割合からなる混合粉末を主成分とする
導体ペーストを調製し、このペーストを各シート状絶縁
層にスクリーン印刷、グラビア印刷等の手法によって印
刷塗布する。また、表面配線層として、上記銅含有導体
用ペーストに代えて、固形成分として、タングステンお
よび/またはモリブデンを導体成分とする導体ペースト
を所定のシート状成形体表面に印刷塗布してもよい。
【0032】なお、ビアホール導体を形成する場合に
は、シート状成形体に対して、マイクロドリル、レーザ
ー等により直径が50〜250μmのビアホールを形成
した後、このビアホール内に上記銅含有導体ペースト、
あるいは上記銅無添加導体ペーストを充填する。
【0033】これらの導体ペースト中には、絶縁層との
密着性を高めるために、絶縁層を形成する酸化物セラミ
ックスの主成分と同一の酸化アルミニウム粉末や、絶縁
層の形成組成と同一の組成物を2〜10重量%の割合で
添加することが望ましい。
【0034】その後、導体ペーストを印刷塗布したシー
ト状成形体を位置合わせして積層圧着する。この時、銅
含有導体ペーストを印刷したシート状成形体は、内部配
線層を形成するように、導体ペースト塗布面に他のシー
ト状成形体が積層される。
【0035】次に、本発明によれば、この焼成を、水素
及び窒素を含み露点−20℃以下、特に−30℃以下の
非酸化性雰囲気中、1400〜1500℃の温度で行う
ことが必要である。この焼成条件において、水素は銅含
有導体の焼成前までの製造工程中で不可避的に生成され
た酸化膜を還元して除去する上で必要である。また、所
望により、アルゴンガス等の不活性ガスを混入してもよ
い。
【0036】なお、焼成時の露点が−20℃より高い
と、焼成中に酸化物セラミックスと雰囲気中の水分とが
反応し酸化膜を形成し、この酸化膜と銅含有導体の銅が
反応してしまい、導体の低抵抗化の妨げとなるのみでな
く、銅の拡散を助長してしまうためである。
【0037】また、焼成温度が1500℃より高いと、
酸化物セラミックスの主結晶相の粒径が大きくなり異常
粒成長が発生するようになり、銅がセラミックス中へ拡
散するときのパスである粒界の長さが短くなるとともに
拡散速度も速くなる結果、拡散距離を30μm以下に抑
制することが困難となるためである。好適には、143
0〜1480℃の範囲がよい。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例をもとに説明する。酸
化アルミニウム粉末(平均粒径0.65μm)を主成分
として表1に示すような各種焼結助剤と、成形用有機樹
脂(バインダー)としてアクリル系バインダーと、トル
エンを溶媒として混合した後、ドクターブレード法にて
厚さ250μmのシート状に成形した。 そして、所定箇
所にホール径120μmのビアホールをレーザーにより
形成した。
【0039】次に、銅粉末(平均粒径5μm)とW粉末
(平均粒径1.2μm)あるいはMo粉末(平均粒径1
μm)とを表1および3に示す比率で混合しアクリル系
バインダーとをアセトンを溶媒として内部配線層用導体
ペーストを作製した。また、W粉末(平均粒径:1.2
μm)とアクリル系バインダーとをアセトンを溶媒とし
て混合し表面配線層用およびビアホール導体用の導体ペ
ーストを調製した。
【0040】そして、シート状成形体上に内部配線層用
導体ペーストを印刷塗布、乾燥を繰り返した。また、最
表面絶縁層用のシート状成形体の表面には、表面配線層
用導体ペーストを印刷塗布し乾燥した。なお、各シート
状成形体のビアホール導体には、上記表面配線層用導体
ペーストを充填した。
【0041】上記のようにして作製した各シート状成形
体を位置合わせして積層圧着して成形体積層体を作製し
た。その後、この成形体積層体を実質的に水分を含まな
い酸素含有雰囲気中(N2 +O2 または大気中)で脱脂
を行った後、表1に示した温度、雰囲気にて焼成した。
【0042】得られた焼結体の内部抵抗の導体抵抗、長
さ、幅、厚みを測定した後、厚さ15μmの導体に換算
したシート抵抗(mΩ/□)を算出した。同時に導体間
抵抗は線間距離100μmの導体間の抵抗値を測定して
求めた。また同試料について、銅の拡散距離をEPMA
(X線マイクロアナライザー)を用いて測定した。
【0043】なお、各絶縁基板の熱伝導率をレーザーフ
ラッシュ法により測定し、その結果を表1に示した。ま
た、走査電子顕微鏡(SEM)写真に対してインタセプ
ト法に基づき絶縁基板における主結晶粒子の平均結晶粒
径を求めた。さらに、絶縁基板の最表面における平均表
面粗さRaを触針式表面粗さ計により測定した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表1に示すように、同時焼成時の露点が−
20℃よりも高い試料No.1では、導体抵抗の上昇、銅
の拡散距離が20μmを超え且つ表面荒さも低下した。
また、雰囲気中に水素を含まない試料No.19、20で
は、メタライズの酸化が起こり、導体抵抗が上昇した。
【0047】また、内部配線層組成において、Cu/
(Cu+W+Mo)の体積比が0.3よりも小さい試料
No.9、13では、導体抵抗が8mΩ/□よりも大きく
なった。また、同時焼成の温度が1500℃よりも高い
試料No.17では、銅拡散距離が20μmよりも大きく
なることにより絶縁基板の絶縁性が劣化した。
【0048】これらの比較例に対して、本発明の多層配
線基板によれば、シート抵抗が8mΩ/□以下、銅の拡
散距離20μm以下であり、これにより配線層間の抵抗
を109 Ω以上に高めることができた。しかも、いずれ
も表面粗さRaが1μm以下であり、表面平滑性に優れ
るものであった。
【0049】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の銅含有導体
からなる内部配線層を形成する場合、水素を含む露点が
−20℃以下の非酸化性雰囲気中で同時焼成することに
より、銅の絶縁基板中への拡散を20μm以下に抑制で
き、これにより配線層間の絶縁劣化を防止し、高信頼性
の高密度の配線層を形成することができる。しかも、焼
成後の基板表面の平滑性に優れ、研磨工程等を必要とし
ない安価な多層配線基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の一実施態様を示す概略
断面図である。
【図2】本発明の多層配線基板における内部配線層中の
銅の拡散状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 1a,1b、1c 絶縁層 2a 内部配線層 2b 表面配線層 3 ビアホール導体 4 銅元素

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主結晶相の平均結晶粒径が1.5〜5.0
    μmの酸化物セラミックスからなる複数の絶縁層を積層
    してなる絶縁基板と、該絶縁基板内部に、銅とタングス
    テンおよび/またはモリブデンを含み、Cu/(Cu+
    W+Mo)の体積比率が0.3以上の複合材料を主成分
    とする導体からなる内部配線層が配設されてなり、前記
    内部配線層の周囲のセラミックスへの銅の拡散距離が2
    0μm以下であり、且つ前記絶縁基板の焼き肌面の表面
    粗さ(Ra)が1μm以下であることを特徴とする多層
    配線基板。
  2. 【請求項2】前記酸化物セラミックスが、熱伝導率が1
    5W/m・K以上の酸化アルミニウム質セラミックスで
    ある請求項1記載の多層配線基板。
  3. 【請求項3】平均粒径が0.5〜2.5μmの酸化物セ
    ラミック粉末を主成分とする混合粉末からなり、その表
    面に少なくとも銅、あるいは銅とタングステンおよび/
    またはモリブデンとの複合材料を主成分とする導体ペー
    ストを配線パターン状に印刷塗布してなる複数のシート
    状成形体を積層した後、該積層体を水素および窒素を含
    む露点−20℃以下の雰囲気中で1400〜1500℃
    の温度で焼成することを特徴とする多層配線基板の製造
    方法。
JP18206598A 1998-06-29 1998-06-29 多層配線基板およびその製造方法 Expired - Lifetime JP3827447B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18206598A JP3827447B2 (ja) 1998-06-29 1998-06-29 多層配線基板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18206598A JP3827447B2 (ja) 1998-06-29 1998-06-29 多層配線基板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000022338A true JP2000022338A (ja) 2000-01-21
JP3827447B2 JP3827447B2 (ja) 2006-09-27

Family

ID=16111744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18206598A Expired - Lifetime JP3827447B2 (ja) 1998-06-29 1998-06-29 多層配線基板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3827447B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014106925A1 (ja) 2013-01-07 2014-07-10 株式会社アライドマテリアル セラミック配線基板、半導体装置、およびセラミック配線基板の製造方法
CN108346638A (zh) * 2017-01-25 2018-07-31 京瓷株式会社 陶瓷布线基板以及电子装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02263782A (ja) * 1989-02-22 1990-10-26 L'air Liquide セラミック―金属多層構成体の製造方法
JPH04280657A (ja) * 1991-03-08 1992-10-06 Ngk Insulators Ltd セラミックス基板およびその製造方法
JPH06112650A (ja) * 1992-09-29 1994-04-22 Sumitomo Metal Ind Ltd セラミックス多層配線基板
JPH0715101A (ja) * 1993-06-25 1995-01-17 Shinko Electric Ind Co Ltd 酸化物セラミック回路基板及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02263782A (ja) * 1989-02-22 1990-10-26 L'air Liquide セラミック―金属多層構成体の製造方法
JPH04280657A (ja) * 1991-03-08 1992-10-06 Ngk Insulators Ltd セラミックス基板およびその製造方法
JPH06112650A (ja) * 1992-09-29 1994-04-22 Sumitomo Metal Ind Ltd セラミックス多層配線基板
JPH0715101A (ja) * 1993-06-25 1995-01-17 Shinko Electric Ind Co Ltd 酸化物セラミック回路基板及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014106925A1 (ja) 2013-01-07 2014-07-10 株式会社アライドマテリアル セラミック配線基板、半導体装置、およびセラミック配線基板の製造方法
CN108346638A (zh) * 2017-01-25 2018-07-31 京瓷株式会社 陶瓷布线基板以及电子装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3827447B2 (ja) 2006-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0772092B2 (ja) 低温焼成基板
JP2000164992A (ja) 配線基板およびその製造方法
JP3924406B2 (ja) アルミナ質焼結体及びその製造方法、並びに配線基板及びその製造方法
JP3566569B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JP3517062B2 (ja) 銅メタライズ組成物及びそれを用いたガラスセラミック配線基板
JP2001015869A (ja) 配線基板
JP3538549B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JP3493310B2 (ja) 多層配線基板
JP3537698B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JP3827447B2 (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JP2989975B2 (ja) 窒化アルミニウム質基板の製造方法
JP2004006624A (ja) 配線基板及びその製造方法
JPH11274725A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JP4753469B2 (ja) 配線基板並びにその製造方法
JPH11330705A (ja) コンデンサ内蔵基板およびその製造方法
JP4575614B2 (ja) 複合セラミック基板
JP2002232142A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JP3898400B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JP3709062B2 (ja) 窒化アルミニウム質配線基板およびその製造方法
JP2002171044A (ja) 配線基板
JP2003277170A (ja) 配線導体用組成物
JP4530525B2 (ja) 配線基板
JP4646469B2 (ja) セラミック配線基板
JP4454183B2 (ja) 配線基板の製造方法
JP2763516B2 (ja) 窒化アルミニウム基板のメタライズ方法

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060704

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090714

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100714

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110714

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130714

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term