JP2000017581A - 皮革様シート状物の製造方法 - Google Patents

皮革様シート状物の製造方法

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JP2000017581A JP19969898A JP19969898A JP2000017581A JP 2000017581 A JP2000017581 A JP 2000017581A JP 19969898 A JP19969898 A JP 19969898A JP 19969898 A JP19969898 A JP 19969898A JP 2000017581 A JP2000017581 A JP 2000017581A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂エマルジヨンを繊維質基材に含浸し凝固
して皮革様シート状物を製造するエマルジヨン含浸・凝
固法によって、柔軟性、充実感に優れ、天然皮革に近い
良好な風合および物性を有する高級感のある皮革様シー
ト状物を得ることのできる改良法の提供。 【解決手段】 予め柔軟撥水剤を付与した繊維質基材
に、感熱ゲル化性のポリウレタン系エマルジヨンであっ
て、該エマルジヨンを温度50℃で乾燥して得られる厚
さ100μmのフィルムの90℃における弾性率が2.
0×107〜5.0×108dyn/cm2であるポリウ
レタン系エマルジヨンを含浸して凝固する皮革様シート
状物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は皮革様シート状物の
製造方法およびそれにより得られる皮革様シート状物に
関する。より詳細には、本発明は、柔軟撥水剤を予め付
与した繊維質基材に特定のポリウレタン系エマルジヨン
を含浸し凝固して皮革様シート状物を製造する方法およ
びそれにより得られる皮革様シート状物に関する。本発
明により得られる皮革様シート状物は、エマルジョン系
樹脂を繊維質基材に含浸させて得られる従来の皮革様シ
ート状物に比べて、著しく改良された柔軟性および充実
感を有していて、天然皮革に極めて近い、高級感のある
優れた風合、触感、物性を有している。
【0002】
【従来の技術】天然皮革の代用品(人工皮革)として、
ポリウレタンなどの樹脂成分を繊維質基材に結束剤とし
て含浸したシート状物が従来より製造されている。その
代表的な製造方法としては、ポリウレタン等の樹脂成分
をジメチルホルムアミドなどの有機溶剤に溶解した溶液
を繊維質基材に含浸させた後に水などの非溶剤中で凝固
する湿式法と、ポリウレタンなどの樹脂成分を有機溶剤
に溶解した溶液または水に分散させたエマルジヨンを繊
維質基材に含浸した後に乾燥する乾式法を挙げることが
できる。
【0003】湿式法による場合は、乾式法に比べて、天
然皮革により近い風合を有するシート状物を得ることが
可能であるが、生産性に劣り、ジメチルホルムアミドな
どの有機溶剤の使用が不可欠であるという欠点がある。
一方、乾式法のうちで、樹脂エマルジヨンを使用する場
合は、有機溶剤を使用することなくシート状物を得るこ
とが可能であるが、湿式法により得られるシート状物に
比べて風合が著しく劣る。その理由は、乾式法によって
得られるシート状物では、その乾燥過程で樹脂が繊維質
基材中で局部的に存在し、その部分で繊維を強く拘束し
た構造形態をなし、それによってシート状物の柔軟性が
失われて、硬い風合になるためである。そのことは、汎
用の樹脂エマルジヨンを繊維質基材に含浸し凝固して得
られた従来の皮革様シート状物の断面構造を示す図1の
電子顕微鏡写真からも明らかである。そして、樹脂エマ
ルジヨンを用いる従来の乾式法において、柔軟性を損な
わないようにするために付着樹脂量を少なくすると、不
織布などの繊維質基材の風合がそのまま出現して皮革様
の風合が得られず、一方充実感を与えて皮革様の風合を
得ようとすると柔軟性が低下して硬くなり、いずれの場
合も、天然皮革に近似した高級感のある風合を得ること
ができない。
【0004】エマルジヨン樹脂を用いる乾式法におい
て、樹脂付与後に柔軟剤を付与して柔軟性を発現させる
ことも考えられるが、柔軟剤の付与工程を追加する必要
があり、生産性が低下し、しかも柔軟剤を付与しても天
然皮革に近似した高級感のある風合にはなりにくい。ま
た、エマルジヨン樹脂を用いる乾式法の一つとして、単
繊維繊度が0.5デニール以下の極細繊維を主体とする
繊維層を含む不織シートに、平均粒度が0.1〜2.0
μmである水系ポリウレタンエマルジヨンに無機塩類を
溶解混合したエマルジヨン液を付与し、加熱乾燥して人
工皮革を製造する方法が提案されている(特開平6−3
16877号公報)。しかしこの方法により得られる人
工皮革は、柔軟性、風合などの点で十分に改良されてい
るとは言い難い。そのため、人工皮革の製造に当たって
は、生産性が低く、しかも有機溶剤の使用が不可欠では
あるが、品質の高い人工皮革が得られる湿式法が工業的
に専ら採用されているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、樹脂
エマルジヨンを用いる従来の人工皮革の製造技術におけ
る問題点、すなわち得られるシート状物における柔軟性
の欠如や充実感の欠如などの問題点を解決して、樹脂エ
マルジヨンを用いて、柔軟性および充実感に優れていて
天然皮革に近似した良好な風合、触感、物性を有する高
級感のある皮革様シート状物を製造する方法並びにその
ような皮革様シート状物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、繊維質基材として柔軟
撥水剤を予め付与したものを用い、さらに樹脂エマルジ
ヨンとして特定のポリウレタン系エマルジヨンを用いる
と、該ポリウレタン系エマルジヨンを繊維質基材に含浸
して凝固したときに、ポリウレタンが粒状に連結しなが
ら繊維を拘束することなく凝固して繊維空間を満たすこ
と、それによって柔軟性を有し、しかも充実感のある、
天然皮革に近似した極めて良好な風合、触感、物性を有
する高級感のある皮革様シート状物が得られることを見
出して本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、繊維質基材にポリウ
レタン系エマルジヨンを含浸し凝固して皮革様シート状
物を製造する方法であって、(i) 繊維質基材として
予め柔軟撥水剤を付与したものを用い;そして、(ii)
ポリウレタン系エマルジヨンとして、感熱ゲル化性の
ポリウレタン系エマルジヨンであって、且つ該ポリウレ
タン系エマルジヨンを温度50℃で乾燥して得られる厚
さ100μmのフィルムの90℃における弾性率が2.
0×107〜5.0×108dyn/cm2であるものを
用いる;ことを特徴とする皮革様シート状物の製造方法
である。そして、本発明は、前記の製造方法で得られる
皮革様シート状物である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。まず、繊維質基材について説明すると、本発明で
用いる繊維質基材は、適度の厚みと充実感を有し、かつ
柔軟な風合を有するものであればよく、従来より皮革様
シート状物の製造に用いられている不織布、織編布等の
各種の繊維質基材を使用することができる。そのうちで
も、本発明では、繊維質基材として、不織布のみからな
る繊維質基材、或いは不織布層を少なくとも一方の表面
側に有する不織布と織布および/または編布との積層物
(例えば不織布層と織編布層よりなる2層構造物、表面
と裏面が不織布層で中央が織編布層よりなる3層構造物
など)が好ましく用いられ、不織布のみからなる繊維質
基材がより好ましく用いられる。繊維質基材として好ま
しく用いられる不織布としては、絡合不織布、ラップ型
不織布などを挙げることができ、なかでも絡合不織布が
好ましく用いられる。
【0009】繊維質基材を構成する繊維の種類として
は、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル
系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊
維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリビニルアルコール
系繊維などの合成繊維;半合成繊維;綿、羊毛、麻など
の天然繊維などを挙げることができる。そのうちでも、
繊維質基材は、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊
維、アクリル系繊維などの合成繊維から主としてなって
いることが好ましい。また、繊維質基材を構成する上記
した繊維は、収縮や伸長を生じない通常の繊維、収縮性
繊維、潜在自発伸長性収縮性繊維、各種複合繊維や混合
紡糸繊維(例えば多層貼り合わせ型潜在分割性複合繊維
や混合紡糸繊維)、極細繊維またはその束状繊維、特殊
多孔質繊維などのいずれであってもよい。
【0010】繊維質基材を構成する繊維の太さは特に制
限されず、得られる皮革様シート状物の用途などに応じ
て選択可能であるが、一般には、その単繊維繊度が0.
01〜10デニールであることが好ましく、0.02〜
8デニールであることがより好ましい。
【0011】繊維質基材の厚さは、得られる皮革様シー
ト状物の用途などに応じて任意に選択できるが、一般に
は、0.3〜3.0mm程度であることが風合の点から
好ましく、0.8〜2.5mm程度であることがより好
ましい。
【0012】繊維質基材の見かけ密度は、柔軟な風合、
適度な腰感と反発性を有する皮革様シート状物を得るた
めに、0.1〜0.5g/cm3であることが好まし
く、0.15〜0.45g/cm3であることがより好
ましい。繊維質基材の見かけ密度が0.1g/cm3
りも小さいと、得られる皮革様シート状物の反発性およ
び腰感が劣ったものになり、天然皮革のような風合が損
なわれる傾向がある。一方、繊維質基材の見かけ密度が
0.5g/cm3よりも大きいと、得られる皮革様シー
ト状物の腰感が無くなったり、ゴム様の不良な風合とな
る傾向がある。
【0013】そのうちでも、本発明では、繊維質基材と
して、収縮性ポリエチレンテレフタレート繊維を少なく
とも一部として用いて形成された比重が0.25〜0.
50の不織布を用いることが好ましく、かかる繊維質基
材を用いると柔軟性および腰感に極めて優れる皮革様シ
ート状物を得ることができる。その場合に、繊維質基材
を構成する収縮性ポリエチレンテレフタレート繊維とし
ては、70℃の温水中での収縮率が10〜60%である
ものが好ましく用いられる。収縮性ポリエチレンテレフ
タレート繊維を少なくとも一部として用いて形成された
比重0.25〜0.50の前記した不織布は、例えば、
特開昭56−37353号公報や特開昭53−5338
8号公報に記載されている通常のポリエステル繊維と潜
在自発伸長性収縮性繊維を適当な割合で併用して得られ
る不織布を、温水中で収縮させた後、乾熱処理して自発
伸長させることによって得ることができる。
【0014】本発明では、上記した繊維質基材に予め柔
軟撥水剤を付与しておくことが必要である。柔軟撥水剤
を予め付与した繊維質基材を用い、これに本発明で用い
る特定のポリウレタン系エマルジヨンを含浸し凝固する
ことによって、繊維質基材に樹脂エマルジヨンを含浸し
凝固して得られる従来の人工皮革では得られなかった、
柔軟性および充実感に優れる、天然皮革に極めて近似し
た皮革様シート状物を得ることができる。ここで、本発
明でいう「柔軟撥水剤」とは、繊維質基材に高い柔軟性
を与える撥水剤を意味し、このような柔軟撥水剤として
はシリコーン系の撥水剤が好ましく用いられる。本発明
における柔軟撥水剤として有効に用い得る、シリコーン
系の柔軟撥水剤の具体例としては、ジメチルシリコーン
オイル(油状のジメチルポリシロキサン)、メチルフェ
ニルシリコーンオイル(油状のメチルフェニルポリシロ
キサン)、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(油
状のメチルハイドロジェンポリシロキサン、油状のメチ
ルハイドロジェンシロキシ単位とジメチルシロキシ単位
を有するポリシロキサン、またはそれらの混合物)、ジ
オルガノポリシロキサンジオール、フロロシリコーンオ
イル、シリコーンポリエーテル共重合体、アルキル変性
シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、
アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーン
オイルなどを挙げることができ、これらの1種または2
種以上を用いることができる。
【0015】上記したうちでも、柔軟撥水剤としては、
ジメチルシリコーンオイル(油状のジメチルポリシロキ
サン)と、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(油
状のメチルハイドロジェンポリシロキサン、油状のメチ
ルハイドロジェンシロキシ単位とジメチルシロキシ単位
を有するポリシロキサンまたはこれらの混合物)との混
合物が、繊維質基材への撥水性および柔軟性の付与機能
に優れ、入手も容易であることから好ましく用いられ
る。前記したシリコーンオイルでは、Si−H結合が多
いほど撥水性が向上し、しかも焼き付け温度を低くする
ことができる。そのため、ジメチルシリコーンオイルと
併用するメチルハイドロジェンシリコーンオイルがメチ
ルハイドロジェンシロキシ単位とジメチルシロキシ単位
を有するポリシロキサンである場合は、メチルハイドロ
ジェンシロキシ単位の割合が60モル%以上であるもの
を用いることが好ましい。また、柔軟撥水剤におけるジ
メチルシリコーンオイル:メチルハイドロジェンシリコ
ーンオイルの重量比は1:9〜9:1の割合であること
が好ましい。ジメチルシリコーンオイル(ジメチルポリ
シロキサン)の割合が全体の10重量%よりも少ない
と、得られる皮革様シート状物の風合が硬くなる傾向が
あり、一方メチルハイドロジェンシリコーンオイルの割
合が全体の10重量%よりも少ないと、得られる皮革様
シート状物の撥水性が不十分になる傾向がある。
【0016】シリコーン系の柔軟撥水剤はオイル型、エ
マルジヨン型、溶液型などがあり、本発明ではそのいず
れもが使用可能であるが、工業的に使用する場合は水中
油滴型に乳化分散したエマルジヨンが好ましく用いられ
る。また、柔軟撥水剤は、低温で皮革様シート状物に高
撥水性を付与するために、触媒として有機酸の金属塩を
含有することができ、具体例としては、有機酸の錫、チ
タン、ジルコニウム、亜鉛塩などを挙げることができ
る。
【0017】繊維質基材への柔軟撥水剤の付与方法とし
ては、繊維質基材に柔軟撥水剤を均一に付与し得る方法
であればいずれの方法を採用してもよい。そのうちで
も、例えば、柔軟撥水剤を水で希釈して濃度が0.5〜
5重量%程度の水性液とし、必要に応じてそれに触媒を
加えて処理液を調製し、その処理液中に繊維質基材を浸
漬し、次いで処理液から繊維質基材を取り出して柔軟撥
水剤の付着量を調節するための絞りを行い、場合により
予備乾燥を行った後、加熱乾燥する方法などが好ましく
採用される。その際の加熱乾燥温度としては、繊維質基
材にシリコーン系柔軟撥水剤を強く付着させるために、
一般に50〜150℃の温度が好ましく採用される。
【0018】繊維質基材への柔軟撥水剤の付着量(加熱
乾燥後の付着量)は、繊維質基材の重量に対して0.0
5〜5重量%であることが好ましく、0.3〜3重量%
であることがより好ましい。柔軟撥水剤の付着量が0.
05重量%未満であると得られる皮革様シート状物の柔
軟性および撥水性が不足し易くなり、一方5重量%を超
えると柔軟撥水剤が皮革様シート状物の表面にブリード
アウトしてきて表面の触感の悪化、外観不良、他の物へ
の柔軟撥水剤の付着などが生じ易くなる。
【0019】また、繊維質基材は、皮革様シート状物の
耐洗濯性を向上させるために、必要に応じて、尿素樹
脂、メラミン樹脂、エチレン尿素樹脂、グリオキザール
樹脂などで予め処理を行っておいてもよい。
【0020】本発明では、柔軟撥水剤を予め付与した繊
維質基材に、感熱ゲル化性のポリウレタン系エマルジヨ
ンであって、且つ該ポリウレタン系エマルジヨンを温度
50℃で乾燥して得られる厚さ100μmのフィルムの
90℃における弾性率が2.0×107〜5.0×108
dyn/cm2であるポリウレタン系エマルジヨンを含
浸させ凝固して皮革様シート状物を製造する。
【0021】ここで、本発明でいう「感熱ゲル化性のポ
リウレタン系エマルジヨン」とは、加熱したときに流動
性を失ってゲル状物となるポリウレタン系エマルジヨン
を言う。本発明では、感熱ゲル化性のポリウレタン系エ
マルジヨンとして、一般的には、35〜90℃の加熱温
度、好ましくは40〜80℃の加熱温度で流動性を失っ
てゲル化するポリウレタン系エマルジヨンが望ましく用
いられる。ポリウレタン系エマルジヨンが感熱ゲル化性
でないと、繊維質基材にポリウレタン系エマルジヨンを
含浸して熱風で乾燥ゲル化した時に、繊維質基材中でエ
マルジヨン粒子の移動などが生じて、ポリウレタンを繊
維質基材中に均一に分散付与できなくなり、皮革様シー
ト状物の強伸度、柔軟性などの物性が低下し、しかも風
合が悪くなる。また、繊維質基材にポリウレタン系エマ
ルジヨンを含浸した後に温水中でエマルジヨンの凝固を
行う場合は、水中へのエマルジヨンの流出を生じ、やは
り繊維質基材中にポリウレタンを均一に分散付与できな
くなり、前記と同じように、皮革様シート状物の強伸
度、柔軟性などの物性の低下、風合の悪化を生ずる。
【0022】感熱ゲル化性のポリウレタン系エマルジヨ
ンとしては、それ自体で感熱ゲル化性を有するポリウレ
タンを含有するエマルジヨン、またはポリウレタン系エ
マルジヨン中に感熱ゲル化剤を添加して感熱ゲル化性に
したエマルジヨンのいずれもが使用できる。感熱ゲル化
性のポリウレタン系エマルジヨンを得るための感熱ゲル
化剤としては、例えば、無機塩類、ポリエチレングリコ
ール型ノニオン性界面活性剤、ポリビニルメチルエーテ
ル、ポリプロピレングリコール、シリコーンポリエーテ
ル共重合体、ポリシロキサンなどを挙げることができ、
これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0023】そのうちでも感熱ゲル化剤としては、無機
塩類とポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤
の組み合わせが良好な感熱ゲル化性をポリウレタン系エ
マルジヨンに与えるために好ましく用いられる。その場
合の無機塩類としては、ポリエチレングリコール型ノニ
オン性界面活性剤の曇点を低下させることのできる一価
または二価の金属塩が好ましく用いられ、具体例として
は、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウ
ム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、塩化亜鉛、塩化マグネ
シウム、塩化カリウム、炭酸カリウム、硝酸ナトリウ
ム、硝酸鉛などを挙げることができ、これらの1種また
は2種以上を用いることができる。また、ポリエチレン
グリコール型ノニオン性界面活性剤の具体例としては、
高級アルコールのエチレンオキサイド付加物、アルキル
フェノールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチ
レンオキサイド付加物、多価アルコールの脂肪酸エステ
ルのエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンの
エチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコール
のエチレンオキサイド付加物などを挙げることができ、
これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0024】感熱ゲル化性のポリウレタン系エマルジヨ
ンとして感熱ゲル化剤を含有するものを用いる場合は、
感熱ゲル化剤の配合量は、エマルジヨン中の樹脂100
重量部に対して0.2〜20重量部であることが好まし
い。
【0025】さらに、本発明で用いる感熱ゲル化性のポ
リウレタン系エマルジヨンは、上述のように、該ポリウ
レタン系エマルジヨンを温度50℃で乾熱乾燥して厚さ
100μmのフィルムにした時に、その90℃における
弾性率が2.0×107〜5.0×108dyn/cm2
であるフィルムを形成し得るポリウレタン系エマルジヨ
ンであることが必要である。90℃における弾性率が
2.0×107dyn/cm2未満である前記乾燥フィル
ムを与えるようなポリウレタン系エマルジヨンを用いる
と、繊維質基材にポリウレタン系エマルジヨンを含浸し
凝固したときに繊維がポリウレタンによって強く拘束さ
れてしまい、その結果、得られるシート状物の風合が充
実感のない、天然皮革に近似しない、繊維質様の劣った
風合となる。一方、90℃における弾性率が5.0×1
8dyn/cm2を超える前記乾燥フィルムを与えるよ
うなポリウレタン系エマルジヨンを用いると、得られる
シート状物の風合が柔軟性のない、硬く、劣った風合と
なる。なお、本発明における、ポリウレタン系エマルジ
ヨンから形成される上記乾燥フィルムの弾性率の測定法
の具体的な内容は以下の実施例の項に記載するとおりで
ある。
【0026】また、本発明で用いるポリウレタン系エマ
ルジヨンは、上記した特定の弾性率特性と共に、さら
に、該ポリウレタン系エマルジヨンを温度50℃で乾燥
して得られる厚さ100μmのフィルムのα分散の温度
(Tα)が−10℃以下であるという特性を備えている
ことが好ましく、該α分散の温度(Tα)が−20℃以
下であるという特性を備えていることがより好ましい。
ポリウレタン系エマルジヨンが前記したα分散の温度
(Tα)特性を有していることにより、得られる皮革様
シート状物の耐屈曲性などの物性が優れたものとなる。
なお、本発明における、ポリウレタン系エマルジヨンか
ら形成された上記乾燥フィルムのα分散の温度(Tα)
の測定法の具体的な内容は以下の実施例の項に記載する
とおりである。
【0027】本発明で用いるポリウレタン系エマルジヨ
ンは、水中油型(O/W型)のエマルジヨンであって
も、または油中水型(W/O型)のエマルジヨンのいず
れであってもよい。また、本発明で用いるポリウレタン
系エマルジヨンは、有機溶剤を含有していても、または
有機溶剤を含まない完全水系であってもよい。そのうち
でも、有機溶剤による環境汚染が生じず、しかも有機溶
剤の回収工程が不要であることから、有機溶剤を含まな
い水系エマルジヨンであることが好ましい。
【0028】本発明で用いるポリウレタン系エマルジヨ
ン中に含まれるポリウレタンは、感熱ゲル化剤を添加し
なくてもそれ自体で感熱ゲル化性のポリウレタン系エマ
ルジヨンを形成するか、または感熱ゲル化剤を添加した
ときに感熱ゲル化性のポリウレタン系エマルジヨンとな
るポリウレタンであって、且つ上記した特定の弾性率を
有するフィルムとなり得るポリウレタン系エマルジヨン
を形成するポリウレタンであればいずれでもよく、特に
制限されない。一般には、本発明におけるポリウレタン
系エマルジヨンで用いるポリウレタンは、高分子ポリオ
ール、有機ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤を適宜組
み合わせて反応させることによって製造することができ
る。
【0029】ポリウレタンの製造に用いられる上記した
高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、
ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオー
ル、ポリエステルポリカーボネートポリオールなどを挙
げることができ、ポリウレタンはこれらの高分子ポリオ
ールの1種または2種以上を用いて形成されていること
ができる。
【0030】ポリウレタンの製造に用い得るポリエステ
ルポリオールは、例えば、常法にしたがってポリカルボ
ン酸、そのエステル、無水物などのエステル形成性誘導
体などのポリカルボン酸成分とポリオール成分を直接エ
ステル化反応させるかまたはエステル交換反応させるこ
とによって製造することができる。また、ポリエステル
ポリオールはラクトンを開環重合することによっても製
造することができる。
【0031】ポリウレタンの製造に用い得るポリエステ
ルポリオールの製造原料であるポリカルボン酸成分とし
ては、ポリエステルの製造において一般的に使用されて
いるものを用いることができ、例えば、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、メチルコハク酸、
2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、トリメ
チルアジピン酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジ
メチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸などの
炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサン
ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;テレフタル
酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸など
のようなトリカルボン酸;それらのエステル形成性誘導
体などを挙げることができ、ポリエステルポリオールは
前記したポリカルボン酸成分の1種または2種以上を用
いて形成されていることができる。そのうちでも、ポリ
エステルポリオールは、ポリカルボン酸成分として、脂
肪族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体から
主としてなり、場合により少量の3官能以上のポリカル
ボン酸またはそのエステル形成性誘導体を含むものを用
いて製造されたものであることが好ましい。
【0032】ポリウレタンの製造に用い得るポリエステ
ルポリオールの製造原料であるポリオール成分として
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール,2,2−ジエチル−1,3−プロパンジ
オール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,7−
ジメチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナン
ジオール、2,8−ジメチル−1,9−ノナンジオー
ル、1,10−デカンジオールなどの炭素数2〜15の
脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、シ
クロヘキサンジメタノール、ジメチルシクロオクタンジ
メタノールなどの脂環式ジオール;1,4−ビス(β−
ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族二価アルコ
ール;ポリアルキレングリコール類;グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ブタントリオール、ペンタエリス
リトールなどのポリオールを挙げることができ、前記し
たポリオール成分の1種または2種以上を用いることが
できる。そのうちでも、ポリエステルポリオールは、主
として脂肪族ポリオールからなり、さらに場合により少
量の3官能以上のポリオールを含むポリオール成分を用
いて製造されたポリエステルポリオールであることが好
ましい。
【0033】ポリウレタンの製造に用い得るポリエステ
ルポリオールの製造原料であるラクトンとしては、例え
ば、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラク
トンなどを挙げることができる。
【0034】ポリウレタンの製造に用い得るポリエーテ
ルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)な
どを挙げることができ、これらの1種または2種以上を
用いることができる。
【0035】ポリウレタンの製造に用い得るポリカーボ
ネートポリオールとしては、例えば、ポリオールとジア
ルキルカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカ
ーボネート化合物との反応により得られるポリカーボネ
ートポリオールを挙げることができる。ポリカーボネー
トポリオールの製造原料であるポリオールとしては、ポ
リエステルポリオールの製造原料であるポリオールとし
て上記に挙げたものを用いることができる。また、ジア
ルキルカーボネートとしてはジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネートなどを、ジアリールカーボネートと
してはジフェニルカーボネートなどを挙げることができ
る。
【0036】ポリウレタンの製造に用い得るポリエステ
ルポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリ
オール、ポリカルボン酸およびカーボネート化合物を同
時に反応させて得られたもの、予め製造しておいたポリ
エステルポリオールとポリカーボネートポリオールとを
カーボネート化合物と反応させて得られたもの、ポリオ
ールとポリカルボン酸を反応させて得られたものなどを
挙げることができる。
【0037】本発明では、ポリウレタンの製造に用いる
高分子ポリオールの数平均分子量は500〜5000で
あることが好ましく、600〜3000であることがよ
り好ましい。なお、本明細書でいう高分子ポリオールの
数平均分子量はJIS K1577に準拠して測定した
水酸基価に基づいて算出した数平均分子量をいう。
【0038】ポリウレタンの製造に用いられる高分子ポ
リオールでは、その1分子当たりの水酸基の数は、ポリ
ウレタン系エマルジヨンの製造に支障をきたさない限り
は、2より大きくても構わない。1分子当たりの水酸基
の数が2よりも大きな高分子ポリオール、例えば、ポリ
エステルポリオールは、該高分子ポリオールの製造時
に、グリセリン、トリメチロールプロパン、ブタントリ
オール、ヘキサントリオール、トリメチロールブタン、
ペンタエリスリトールなどのポリオールをポリオール成
分の一部として用いることによって製造することができ
る。
【0039】ポリウレタンの製造に用いる上記した有機
ジイソシアネート化合物の種類は特に制限されず、ポリ
ウレタン系エマルジヨンの製造に従来から使用されてい
る分子中にイソシアネート基を有する公知の脂肪族ジイ
ソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソ
シアネートのいずれでも使用できる。ポリウレタンの製
造に用い得る有機ジイソシアネート化合物の具体例とし
ては、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシ
アネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ
−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水素
化キシリレンジイソシアネートなどを挙げることがで
き、これらの有機ジイソシアネートの1種または2種以
上を用いることができる。それらのうちでもイソホロン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが好ましく用
いられる。
【0040】ポリウレタンの製造に用いる上記した鎖伸
長剤としては、ポリウレタン系エマルジヨンの製造に従
来から用いられている鎖伸長剤のいずれもが使用でき、
そのうちでもイソシアネート基と反応し得る活性水素原
子を分子中に2個以上有する分子量400以下の低分子
化合物が好ましく用いられる。そのような鎖伸長剤とし
ては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、
ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシ
リレングリコール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエト
キシ)ベンゼンなどのジオール類;ヒドラジン、エチレ
ンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロンジアミ
ン、ピペラジンおよびその誘導体、フェニレンジアミ
ン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、アジピン
酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ヘキサメ
チレンジアミン、4,4’−ジアミノフェニルメタン、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミンなどのジア
ミン類;ジエチレントリアミンなどのトリアミン類;ア
ミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコールなど
のアミノアルコール類などを挙げることができ、これら
の1種または2種以上を用いることができる。これらの
うちでも、エチレングリコール、イソホロンジアミン、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどが好まし
く用いられる。
【0041】ポリウレタンの製造に当たっては、[全イ
ソシアネート基]/[水酸基、アミノ基などのイソシア
ネート基と反応する全官能基]の当量比が、0.9〜
1.1の範囲になるようにして、上記した高分子ポリオ
ール、有機イソシアネート化合物および鎖伸長剤を反応
させることが、引裂き強力の高い皮革様シート状物が得
られる点から好ましい。また、ポリウレタンの耐溶剤
性、耐熱性、耐熱水性などを向上させる目的で、必要に
応じて、トリメチロールプロパンなどの三官能以上のポ
リオールや三官能以上のアミン等を反応させてポリウレ
タン中に架橋構造を持たせてもよい。
【0042】本発明で用いるポリウレタン系エマルジヨ
ンは、ポリウレタン系エマルジヨンの製造に従来から用
いられているのと同様の方法で製造することができ、例
えば、(1)反応の完了した液状ポリウレタンポリマー
を乳化剤の存在下に高い機械的剪断力で水中に強制乳化
させて非イオン性のポリウレタン系エマルジヨンを製造
する方法、(2)末端にイソシアネート基を有するウレ
タンプレポリマーを製造し、そのプレポリマーを乳化剤
の存在下に高い機械的剪断力で水中に強制乳化させると
同時にまたはその後に適当な鎖伸長剤で鎖伸長反応を完
結して非イオン性の高分子量化したポリウレタンエマル
ジヨンを製造する方法、(3)親水性の高分子ポリオー
ルを用いて自己乳化型のポリウレタンを製造し、それを
そのまま乳化剤を用いずに水中に乳化させてポリウレタ
ン系エマルジヨンを製造する方法などを挙げることがで
きる。
【0043】前記した(1)または(2)の方法で用い
られる乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキ
シエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等
のノニオン性界面活性剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ラ
ウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルフォン
酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルフォ
ン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハ
ク酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤などを挙げる
ことができる。この中でも、HLB値が6〜20のノニ
オン性界面活性剤を用いるのが好ましい。
【0044】また、前記した(3)の方法における親水
性の高分子ポリオールは、高分子ポリオールの製造原料
に、親水性基を有する活性水素原子含有化合物を併用す
ることにより得られる。その際の親水性基を有する活性
水素原子含有化合物としては、分子内に水酸基またはア
ミノ基等の活性水素原子を1個以上含有し、且つカルボ
ン酸基、スルホン酸基、カルボン酸塩、スルホン酸塩等
のアニオン性基;ポリオキシエチレン基等のノニオン性
基;三級アミノ基、四級アンモニウム塩等のカチオン性
基から選ばれる1種以上の親水性基を有する化合物が挙
げられる。具体例としては、2,2−ジメチロールプロ
ピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチ
ロール吉草酸等のカルボキシル基含有化合物およびこれ
らの誘導体;1,3−フェニレンジアミン−4,6−ジ
スルホン酸、2,4−ジアミノトルエン−5−スルホン
酸等のスルホン酸基含有化合物およびこれらの誘導体;
分子量200〜10,000のポリオキシエチレングリ
コールおよびそのモノアルキルエーテル等のノニオン性
基含有化合物;3−ジメチルアミノプロパノール等の三
級アミノ基含有化合物およびこれらの誘導体等が挙げら
れる。そのうちでも、前記した(3)の方法としては、
高分子ポリオールの製造原料に親水性基を有する活性水
素原子含有化合物として2,2−ジメチロールプロピオ
ン酸を併用して親水性の高分子ポリオールを形成させ、
これに有機ジイソシアネート化合物を反応させてポリウ
レタンプレポリマーを製造し、プレポリマー反応終了後
にトリエチルアミン、トリメチルアミン、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等の塩基性物質を添加してカルボ
ン酸塩に変換してポリウレタン系エマルジヨンを製造す
る方法が好ましく採用される。
【0045】本発明で用いるポリウレタン系エマルジヨ
ンの製造は、上記の(1)〜(3)の方法のいずれか1
種または2種以上を用いて、ホモミキサー、ホモジナイ
ザー等の乳化分散装置を使用して行われる。この際、イ
ソシアネート基と水との反応を抑制するために、乳化温
度は40℃以下であることが好ましく、30℃以下であ
ることがより好ましい。
【0046】また、ポリウレタン系エマルジヨンは、得
られる皮革様シート状物の性質を損なわない限りは、エ
マルジヨン中に他の重合体を含有してもよく、他の重合
体としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの合成ゴ
ム、エチレン−プロピレン共重合体、ポリアクリレー
ト、アクリル系共重合体、シリコーン、他のポリウレタ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル−
ポリエーテルブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体などの弾性を有する合成重合体などを挙げるこ
とができる。ポリウレタン系エマルジヨンはこれらの重
合体の1種または2種以上を含有することができる。
【0047】ポリウレタン系エマルジヨンは、必要に応
じて、さらに公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、浸透剤等の界面活性剤、増粘剤、防黴剤、ポ
リビニルアルコールやカルボキシメチルセルロースなど
の水溶性高分子化合物、染料、顔料、充填剤、凝固調節
剤などの1種または2種以上を含有していてもよい。
【0048】柔軟撥水剤を予め付与した繊維質基材にポ
リウレタン系エマルジヨンを含浸する方法は特に制限さ
れず、繊維質基材中のポリウレタン系エマルジヨンを均
一に含浸させ得る方法であればいずれの方法を用いてよ
く、一般的には、柔軟撥水剤を付与した繊維質基材をポ
リウレタン系エマルジヨン中に浸漬する方法が好ましく
採用される。繊維質基材にポリウレタン系エマルジヨン
を含浸した後、プレスロールやドクターナイフなどを用
いてポリウレタン系エマルジヨンの含浸量を適量なもの
に調整する。
【0049】次に、繊維質基材中に含浸しているポリウ
レタン系エマルジヨンを加熱して凝固する。ポリウレタ
ン系エマルジヨンの加熱凝固方法の代表例としては、
(1)ポリウレタン系エマルジヨンを含浸した繊維質基
材を70〜100℃の温水浴中に浸漬して凝固する方
法、(2)ポリウレタン系エマルジヨンを含浸した繊維
質基材に100〜200℃の加熱水蒸気を吹き付けて凝
固する方法、(3)ポリウレタン系エマルジヨンを含浸
した繊維質基材を50〜150℃の乾燥装置中にそのま
ま導入して乾熱乾燥して凝固する方法などを挙げること
ができる。そのうちでも、上記(1)の温水浴中での凝
固方法または上記(2)の加熱水蒸気を用いる凝固方法
が、より柔軟な風合を有する皮革様シート状物が得られ
る点から好ましく採用される。上記(1)または(2)
の凝固方法を用いた場合は、続いて加熱乾燥または風乾
を行って、皮革様シート状物中に含まれる水分を除去す
る。
【0050】繊維質基材にポリウレタン系エマルジヨン
を含浸し凝固し、乾燥することによって最終的に得られ
る皮革様シート状物では、皮革様シート状物における重
合体の付着量(ポリウレタン系エマルジヨンが他の重合
体を含有する場合はポリウレタンを含めた全重合体の付
着量)が、繊維質基材の重量に対して5〜150重量%
であることが好ましく、10〜100重量%であること
がより好ましい。重合体の付着量が5重量%未満である
と、得られる皮革様シート状物の充実感が不足し、天然
皮革様の風合が得られなくなる傾向があり、一方150
重量%を超えると得られる皮革様シート状物が硬くなっ
てやはり天然皮革様の風合が得られなくなる傾向があ
る。
【0051】上記により得られる本発明の皮革様シート
状物は、柔軟性に富み、同時に充実感を有する天然皮革
に極めて近似した良好な風合を有しており、従来の湿式
凝固法により得られる人工皮革と比べても何ら遜色がな
い。本発明者らの分析の結果、本発明で得られる皮革様
シート状物では、その断面を撮影した図2の電子顕微鏡
写真(以下の実施例1で得られた皮革様シート状物の断
面を撮影した電子顕微鏡写真)に見るように、ポリウレ
タンが繊維質基材中で繊維を拘束することなく粒状に連
結して凝固していることが観察された。そのため、本発
明で得られる皮革様シート状物では、繊維の拘束によっ
て生ずる柔軟性の低下が防止され、その一方で凝固した
ポリウレタン粒子が繊維質基材の繊維間の空隙を埋めて
いて見かけの樹脂部分の充填量が増していることによ
り、従来のエマルジヨン含浸型の皮革様シート状物に比
べて、良好な柔軟性を保ちながら、充実感のある、天然
皮革に極めて近似した優れた風合を有する皮革様シート
状物が得られるものであると思われる。
【0052】本発明で得られる皮革様シート状物は、上
記した優れた性質を活かして、例えば、マットレス、鞄
内張り材料、衣料用芯地、靴用芯地、クッション材、自
動車、列車、航空機などの内装材、壁材、カーペットな
どの広範な用途に有効に使用することができる。さら
に、本発明で得られる皮革様シート状物の片面にポリウ
レタン層などを既知の方法で設けることにより、スポー
ツシューズ、紳士靴、鞄、ハンドバック、ランドセルな
どに用いられる銀付き人工皮革としても好適に使用する
ことができる。
【0053】
【実施例】以下に実施例などにより本発明を具体的に説
明するが、本発明はそれによって何ら制限されない。な
お、以下の実施例および比較例において、ポリウレタン
系エマルジヨンの感熱ゲル化温度、ポリウレタン系エマ
ルジヨンを乾燥して得られる厚さ100μmのフィルム
の90℃における弾性率およびα分散の温度(Tα)、
皮革様シート状物の柔軟性(曲げ剛性率)並びに風合を
以下の方法で測定または評価した。
【0054】(1)ポリウレタン系エマルジヨンの感熱
ゲル化温度:試験管にポリウレタン系エマルジヨン10
gを秤量し、それを90℃の恒温熱水浴中に漬けて撹拌
しながら昇温させ、ポリウレタン系エマルジヨンが流動
性を失ってゲル状物となった時のポリウレタン系エマル
ジヨンの温度を測定して感熱ゲル化温度(℃)とした。
【0055】(2)ポリウレタン系エマルジヨンを乾燥
して得たフィルムの90℃での弾性率およびα分散の温
度(Tα): (i) ポリウレタン系エマルジヨンをガラス板の上に
流延し、50℃の熱風式乾燥室中に入れて8時間乾燥し
てフィルムを形成させ、そのフィルムを厚さ方向にスラ
イスして厚さ100μmのフィルム試験片を得た。 (ii) 上記(i)で得られた厚さ100μmのフィル
ム試験片を用いて、粘弾性測定装置[(株)レオロジ製
「FTレオスペクトラーDVE−V4」]を使用して、
周波数11Hzで測定を行い、90℃における弾性率
(dyn/cm2)を求めると共に、その波形のピーク
よりα分散の温度(Tα)(℃)を求めた。
【0056】(3)皮革様シート状物の柔軟性(曲げ剛
性率):下記の実施例または比較例で得られた皮革様シ
ート状物から10cm×10cmの試験片を採取し、純
曲げ試験機(KATO TEKKO製「KES−FB2
−L」)を使用して、皮革様シート状物の巻き取り方向
に対して直角方向の曲げ剛性率(gfcm2/cm)を
測定して柔軟性の指標とした。
【0057】(4)皮革様シート状物の風合:下記の実
施例または比較例で得られた皮革様シート状物を手で触
って、天然皮革様の風合を有する場合を○、天然皮革に
比べて硬くて柔軟性が不足している場合および/または
充実感が不足していて天然皮革様の風合を有していない
場合を×として判定した。
【0058】また、以下の例で用いた高分子ポリオール
の略号とその内容は次のとおりである。 ○PMSA1850(略号):数平均分子量1850の
ポリエステルジオール[3−メチル−1,5−ペンタン
ジオールにアジピン酸とセバシン酸(モル比1/3)を反
応させて得られた脂肪族ポリエステルジオール] ○PHC2000(略号):数平均分子量2000のポ
リヘキサメチレンカーボネートジオール
【0059】《参考例1》[柔軟撥水剤を付与した繊維
質基材の製造] (1) ポリエチレンテレフタレート繊維(単繊維繊度
2デニール、繊維長51mm、70℃の温水中での収縮
率25%)を用いて、カードとクロスラッパーを使用し
て、240g/m2のウエブを製造した。このウエブを
ニードルロッカールームに通して700本/cm2のニ
ードルパンチを行い、その後70℃の温水中に2分間浸
漬して、元の面積の56%に収縮させた。これをシリン
ダーベルト加圧機を用いて155℃で加圧処理して、厚
さ1.2mm、重さ360g/m2および見かけ密度
0.30g/cm3の不織布を製造した。 (2) 上記(1)で得られた不織布に、ジメチルポリ
シロキサン(信越化学工業社製「KF96L」)とメチ
ルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業社製
「KF99」)を5:5の重量比で含有するシリコーン
系柔軟撥水剤のエマルジヨン(固形分濃度5重量%)を
含浸させ、130℃で30分間乾燥して、柔軟撥水剤を
付与した不織布を得た[不織布の重量に対するシリコー
ン系柔軟撥水剤(固形分)の付着量1.2重量%](以
下この不織布を「不織布」という)。
【0060】《参考例2》[柔軟撥水剤を付与しない繊
維質基材の製造]参考例1の(1)と同様の工程を行っ
て、柔軟撥水剤を付与しない不織布を製造した(以下こ
の不織布を「不織布」という)。
【0061】《参考例3》[柔軟撥水剤を付与した繊維
質基材の製造] (1) 汎用のポリエチレンテレフタレート繊維(単繊
維繊度2.5デニール)とナイロン繊維(単繊維繊度
1.5デニール)を35:65の重量比で用いて製造さ
れた絡合不織布(厚さ1.4mm、見かけ密度0.25
g/cm3)を準備した。 (2) 上記(1)で準備した絡合不織布に、シリコー
ン系柔軟撥水剤[松本油脂製薬(株)製「ゲラネックス
SH」)の5重量%水溶液を含浸させ、ロールで絞った
後に130℃で30分間乾燥して、柔軟撥水剤を付与し
た不織布を得た[不織布の重量に対するシリコーン系柔
軟撥水剤(固形分)の付着量1.0重量%](以下この
不織布を「不織布」という)。
【0062】《参考例4》[柔軟撥水剤を付与しない繊
維質基材] 参考例3の(1)で準備した絡合不織布を、柔軟撥水剤
を付着させずに繊維質基材として準備した(以下この不
織布を「不織布」という)。
【0063】《参考例5》[ポリウレタン系エマルジヨ
ンの製造] (1) 三つ口フラスコに、ポリエステルジオール(P
MSA1850)546.3g、イソホロンジイソシア
ネート176.7gおよび2,2−ビス(ヒドロキシメ
チル)プロピオン酸8.05gを秤取し、乾燥窒素雰囲
気下に、90℃で2時間撹拌して系中の水酸基とイソシ
アネート基を反応させて、イソシアネート基末端のウレ
タンプレポリマーを製造した。 (2) 上記(1)で得られたウレタンプレポリマー
に、2−ブタノン236.0gを加えて均一に撹拌した
後、フラスコ内温度を40℃に下げ、トリエチルアミン
6.07gを加えて10分間撹拌した。次いで、ノニオ
ン系界面活性剤(花王株式会社製「エマルゲン98
5」)55.3gを蒸留水472.5gに溶解して得た
水溶液を加えて、ホモミキサーで1分間撹拌して乳化し
た後、直ちにジエチレントリアミン12.8gとイソホ
ロンジアミン38.7gを蒸留水203.2gに溶解し
た水溶液を加えてホモミキサーで1分間撹拌して鎖伸長
反応を行った。その後、2−ブタノンをロータリーエバ
ポレーターにより除去してから、除去した2−ブタノン
に相当する重量の蒸留水を加えてポリウレタン系エマル
ジヨン(重合体濃度46重量%)を調製した。
【0064】(3) 上記(2)で得られたポリウレタ
ン系エマルジヨン80重量部に、蒸留水20重量部およ
び感熱ゲル化剤[水:ノニオン系界面活性剤(花王株式
会社製「エマルゲン910」):塩化カルシウム=5:
4:1の重量比で混合した溶液]4重量部を加えて、感
熱ゲル化性のポリウレタン系エマルジヨンを製造した
[以下これを「ポリウレタン系エマルジヨンA」とい
う]。 (4) 上記(3)で得られたポリウレタン系エマルジ
ヨンAの感熱ゲル化温度を上記した方法で測定したとこ
ろ48℃であった。また、上記(3)で得られたポリウ
レタン系エマルジヨンAを用いて上記した方法で厚さ1
00μmのフィルムを製造し、該フィルムの90℃にお
ける弾性率およびα分散の温度(Tα)を上記した方法
で測定したところ、それぞれ1.2×108dyn/c
2および−46℃であった。
【0065】《参考例6》[ポリウレタン系エマルジヨ
ンの製造] (1) 参考例5の(1)および(2)と同様の工程を
行って、感熱ゲル化剤を含有しないポリウレタン系エマ
ルジヨンを製造した[以下これを「ポリウレタン系エマ
ルジヨンB」という]。 (2) 上記(1)で得られたポリウレタン系エマルジ
ヨンBの感熱ゲル化温度を上記した方法で測定したとこ
ろ90℃でも流動性を有しゲル化挙動を示さなかった。
また、上記(1)で得られたポリウレタン系エマルジヨ
ンBを用いて上記した方法で厚さ100μmのフィルム
を製造し、該フィルムの90℃における弾性率およびα
分散の温度(Tα)を上記した方法で測定したところ、
それぞれ1.2×108dyn/cm2および−45℃で
あった。
【0066】《参考例7》[ポリウレタン系エマルジヨ
ンの製造] (1) 三つ口フラスコに、ポリヘキサメチレンカーボ
ネートジオール(PHC2000)333.9g、イソ
ホロンジイソシアネート155.59gおよび2,2−
ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸9.39gを秤
取し、乾燥窒素雰囲気下に、90℃で2時間撹拌して系
中の水酸基とイソシアネート基を反応させて、イソシア
ネート基末端のウレタンプレポリマーを製造した。 (2) 上記(1)で得られたウレタンプレポリマー
に、2−ブタノン261.5gを加えて均一に撹拌した
後、フラスコ内温度を40℃に下げ、トリエチルアミン
7.08gを加えて10分間撹拌した。次いで、ノニオ
ン系界面活性剤(花王株式会社製「エマルゲン98
5」)61.14gを蒸留水520.8gに溶解して得
た水溶液を加えて、ホモミキサーで1分間撹拌して乳化
した後、直ちにジエチレントリアミン13.73gとイ
ソホロンジアミン11.32gを蒸留水228.9gに
溶解した水溶液を加えてホモミキサーで1分間撹拌して
鎖伸長反応を行った。その後、2−ブタノンをロータリ
ーエバポレーターにより除去してから、除去した2−ブ
タノンに相当する重量の蒸留水を加えてポリウレタン系
エマルジヨン(重合体濃度46重量%)を調製した。
【0067】(3) 上記(2)で得られたポリウレタ
ン系エマルジヨン80重量部に、蒸留水20重量部およ
び感熱ゲル化剤として塩化カルシウム0.8重量部を加
えて、感熱ゲル化性のポリウレタン系エマルジヨンを製
造した[以下これを「ポリウレタン系エマルジヨンC」
という]。 (4) 上記(3)で得られたポリウレタン系エマルジ
ヨンCの感熱ゲル化温度を上記した方法で測定したとこ
ろ51℃であった。また、上記(3)で得られたポリウ
レタン系エマルジヨンCを用いて上記した方法で厚さ1
00μmのフィルムを製造し、該フィルムの90℃にお
ける弾性率およびα分散の温度(Tα)を上記した方法
で測定したところ、それぞれ3.0×107dyn/c
2および−33℃であった。
【0068】《参考例8》[ポリウレタン系エマルジヨ
ンの製造] (1) 参考例5の(1)において、イソホロンジイソ
シアネートの使用量を増やすことでポリウレタン中のハ
ードセグメント含量を増し、それに応じて他の成分のモ
ルバランスを調整した以外は参考例5の(1)〜(3)
と同様の工程を行って、感熱ゲル化性のポリウレタン系
エマルジヨンを製造した[以下これを「ポリウレタン系
エマルジヨンD」という]。 (2) 上記(1)で得られたポリウレタン系エマルジ
ヨンDの感熱ゲル化温度を上記した方法で測定したとこ
ろ45℃であった。また、上記(1)で得られたポリウ
レタン系エマルジヨンDを用いて上記した方法で厚さ1
00μmのフィルムを製造し、該フィルムの90℃にお
ける弾性率およびα分散の温度(Tα)を上記した方法
で測定したところ、それぞれ5.5×108dyn/c
2および−30℃であった。
【0069】《参考例9》[ポリウレタン系エマルジヨ
ンの製造] (1) 参考例7の(1)において、イソホロンジイソ
シアネートの使用量を減らすことでポリウレタン中のハ
ードセグメント含量を減らし、それに応じて他の成分の
モルバランスを調整した以外は参考例7の(1)〜
(3)と同様の工程を行って、感熱ゲル化性のポリウレ
タン系エマルジヨンを製造した[以下これを「ポリウレ
タン系エマルジヨンE」という]。 (2) 上記(1)で得られたポリウレタン系エマルジ
ヨンEの感熱ゲル化温度を上記した方法で測定したとこ
ろ57℃であった。また、上記(1)で得られたポリウ
レタン系エマルジヨンEを用いて上記した方法で厚さ1
00μmのフィルムを製造し、該フィルムの90℃にお
ける弾性率およびα分散の温度(Tα)を上記した方法
で測定したところ、それぞれ1.6×107dyn/c
2および−38℃であった。
【0070】《実施例1》[皮革様シート状物の製造] (1) 上記の参考例1で得られた柔軟撥水剤を予め付
与した不織布を上記の参考例5で得られた感熱ゲル化
性のポリウレタン系エマルジヨンAの浴中に浸漬してポ
リウレタン系エマルジヨンを含浸させた後、浴から取り
出し、プレスロールで絞り、次いで90℃の温水浴中に
1分間浸漬してポリウレタン系エマルジヨンを凝固さ
せ、さらに130℃の熱風乾燥機中で30分間乾燥して
皮革様シート状物を製造した。 (2) 上記(1)で得られた皮革様シート状物におけ
る樹脂付着量(ポリウレタン付着量)は、不織布重量に
対して66重量%であった。また、上記(1)で得られ
た皮革様シート状物の柔軟性(曲げ剛性率)および風合
を上記した方法で測定または評価したところ、下記の表
1に示すとおりであった。 (3) さらに、この実施例1で得られた皮革様シート
状物の横断面を電子顕微鏡で写真撮影したところ、図2
の写真に示す細部構造を有していた。すなわち、図2の
写真から明らかなように、ポリウレタンが繊維質基材中
で繊維を拘束することなく粒状に連結して凝固してお
り、これによって良好な柔軟性と、充実感のある、天然
皮革に極めて近似した優れた風合を有する皮革様シート
状物が得られた。
【0071】《実施例2》[皮革様シート状物の製造] (1) ポリウレタン系エマルジヨンとして、上記の参
考例7で得られた感熱ゲル化性のポリウレタン系エマル
ジヨンCを用いた以外は、実施例1の(1)と同様の工
程を行って、皮革様シート状物を製造した。 (2) 上記(1)で得られた皮革様シート状物におけ
る樹脂付着量(ポリウレタン付着量)は、不織布重量に
対して65重量%であった。また、上記(1)で得られ
た皮革様シート状物の柔軟性(曲げ剛性率)および風合
を上記した方法で測定または評価したところ、下記の表
1に示すとおりであった。
【0072】《実施例3》[皮革様シート状物の製造] (1) 不織布として、上記の参考例3で得られた柔軟
撥水剤を予め付与した不織布を用いた以外は、実施例1
の(1)と同様の工程を行って、皮革様シート状物を製
造した。 (2) 上記(1)で得られた皮革様シート状物におけ
る樹脂付着量(ポリウレタン付着量)は、不織布重量に
対して30重量%であった。また、上記(1)で得られ
た皮革様シート状物の柔軟性(曲げ剛性率)および風合
を上記した方法で測定または評価したところ、下記の表
1に示すとおりであった。
【0073】《比較例1》[皮革様シート状物の製造] (1) ポリウレタン系エマルジヨンとして、上記の参
考例6で得られた感熱ゲル化剤を含有しないポリウレタ
ン系エマルジヨンBを用いた以外は、実施例1の(1)
と同様の工程を行って皮革様シート状物を製造したとこ
ろ、ポリウレタン系エマルジヨンの白濁液が温水浴中に
流出して浴槽を汚染した。 (2) 上記(1)で得られた皮革様シート状物におけ
る樹脂付着量(ポリウレタン付着量)は、不織布重量に
対して25重量%であった。また、上記(1)で得られ
た皮革様シート状物の柔軟性(曲げ剛性率)を上記した
方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであっ
た。また、上記(1)で得られた皮革様シート状物の風
合を上記した方法で評価したところ、下記の表1に示す
とおりであり、全体的に不織布様の充実感のない触感で
あって、その中に局部的に硬い部分が存在する、天然皮
革の風合とは大きく異なる不良な風合であった。
【0074】《比較例2》[皮革様シート状物の製造] (1) 不織布として、上記の参考例2で得られた柔軟
撥水剤を予め付与していない不織布を用いた以外は、
実施例1の(1)と同様の工程を行って、皮革様シート
状物を製造した。 (2) 上記(1)で得られた皮革様シート状物におけ
る樹脂付着量(ポリウレタン付着量)は、不織布重量に
対して64重量%であった。また、上記(1)で得られ
た皮革様シート状物の柔軟性(曲げ剛性率)を上記した
方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであっ
た。また、上記(1)で得られた皮革様シート状物は充
実感を有しているものの、硬く柔軟性に劣る、不良な風
合であった。
【0075】《比較例3》[皮革様シート状物の製造] (1) ポリウレタン系エマルジヨンとして、上記の参
考例8で得られた感熱ゲル化剤を含有するがフィルムの
90℃での弾性率が5.5×108dyn/cm2である
ポリウレタン系エマルジヨンDを用いた以外は、実施例
1の(1)と同様の工程を行って、皮革様シート状物を
製造した。 (2) 上記(1)で得られた皮革様シート状物におけ
る樹脂付着量(ポリウレタン付着量)は、不織布重量に
対して62重量%であった。また、上記(1)で得られ
た皮革様シート状物の柔軟性(曲げ剛性率)を上記した
方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであっ
た。また、上記(1)で得られた皮革様シート状物の風
合を上記した方法で評価したところ、下記の表1に示す
とおりであり、硬く柔軟性に劣る、不良な風合であっ
た。
【0076】《比較例4》[皮革様シート状物の製造] (1) ポリウレタン系エマルジヨンとして、上記の参
考例9で得られた感熱ゲル化剤を含有するがフィルムの
90℃での弾性率が1.6×107dyn/cm2である
ポリウレタン系エマルジヨンEを用いた以外は、実施例
1の(1)と同様の工程を行って、皮革様シート状物を
製造した。 (2) 上記(1)で得られた皮革様シート状物におけ
る樹脂付着量(ポリウレタン付着量)は、不織布重量に
対して68重量%であった。また、上記(1)で得られ
た皮革様シート状物の柔軟性(曲げ剛性率)を上記した
方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであっ
た。また、上記(1)で得られた皮革様シート状物の風
合を上記した方法で評価したところ、下記の表1に示す
とおりであり、柔軟性を有するものの、充実感に劣って
いた。 (3) さらに、この比較例4で得られた皮革様シート
状物の横断面を電子顕微鏡で写真撮影したところ、図3
の写真に示す細部構造を有していた。すなわち、図3の
写真から明らかなように、ポリウレタンが繊維質基材中
で局在し、しかもその局在部で繊維を拘束しており、そ
れによってシート状物の風合を柔軟性に欠けていて硬
く、充実感のないものにしている。
【0077】《比較例5》[皮革様シート状物の製造] (1) 不織布として上記の参考例3で得られた柔軟撥
水剤を予め付与した不織布を用い、またポリウレタン
系エマルジヨンとして上記の参考例8で得られた感熱ゲ
ル化剤を含有するがフィルムの90℃での弾性率が5.
5×108dyn/cm2であるポリウレタン系エマルジ
ヨンDを用いて、実施例1の(1)と同様の工程を行っ
て、皮革様シート状物を製造した。 (2) 上記(1)で得られた皮革様シート状物におけ
る樹脂付着量(ポリウレタン付着量)は、不織布重量に
対して27重量%であった。また、上記(1)で得られ
た皮革様シート状物の柔軟性(曲げ剛性率)を上記した
方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであっ
た。また、上記(1)で得られた皮革様シート状物の風
合を上記した方法で評価したところ、下記の表1に示す
とおりであり、硬くて柔軟性に劣る不良な風合であっ
た。
【0078】《比較例6》[皮革様シート状物の製造] (1) 不織布として上記の参考例3で得られた柔軟撥
水剤を予め付与した不織布を用い、またポリウレタン
系エマルジヨンとして上記の参考例9で得られた感熱ゲ
ル化剤を含有するがフィルムの90℃での弾性率が1.
6×107dyn/cm2であるポリウレタン系エマルジ
ヨンEを用いて、実施例1の(1)と同様の工程を行っ
て、皮革様シート状物を製造した。 (2) 上記(1)で得られた皮革様シート状物におけ
る樹脂付着量(ポリウレタン付着量)は、不織布重量に
対して30重量%であった。また、上記(1)で得られ
た皮革様シート状物の柔軟性(曲げ剛性率)を上記した
方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであっ
た。また、上記(1)で得られた皮革様シート状物の風
合を上記した方法で評価したところ、下記の表1に示す
とおりであり、充実感のない、不良な風合であった。
【0079】《比較例7》[皮革様シート状物の製造] (1) 不織布として上記の参考例4で得られた柔軟撥
水剤を予め付与してない不織布を用い、またポリウレ
タン系エマルジヨンとして上記の参考例5で得られた感
熱ゲル化剤を含有するポリウレタン系エマルジヨンAを
用いて、実施例1の(1)と同様の工程を行って、皮革
様シート状物を製造した。 (2) 上記(1)で得られた皮革様シート状物におけ
る樹脂付着量(ポリウレタン付着量)は、不織布重量に
対して32重量%であった。また、上記(1)で得られ
た皮革様シート状物の柔軟性(曲げ剛性率)を上記した
方法で測定したところ下記の表1に示すとおりであっ
た。また、上記(1)で得られた皮革様シート状物の風
合を上記した方法で評価したところ、下記の表1に示す
とおりであり、硬くて柔軟性に欠ける、不良な風合であ
った。
【0080】
【表1】
【0081】上記に示す実施例1〜3および比較例1〜
7の結果から、予め柔軟撥水剤を付与した繊維質基材に
対して、感熱ゲル化性のポリウレタン系エマルジヨンで
あって且つ該ポリウレタン系エマルジヨンを温度50℃
で乾燥して得られる厚さ100μmのフィルムの90℃
における弾性率が2.0×107〜5.0×108dyn
/cm2の範囲にあるポリウレタン系エマルジヨンを含
浸し凝固して得られた実施例1〜3の皮革様シート状物
は、柔軟性および充実感に優れていて、天然皮革に近似
した良好な風合を有していることがわかる。
【0082】それに対して、上記の比較例1の結果か
ら、柔軟撥水剤を予め付与した繊維質基材を用いた場合
であっても、ポリウレタン系エマルジヨンが感熱ゲル化
性でない場合は、繊維質基材に含浸させたポリウレタン
系エマルジヨンが凝固用の温水浴中に流出してしまって
繊維質基材中に十分に保持されず、風合および外観の不
良なシート状物しか得られないことがわかる。
【0083】また、上記の比較例2および比較例7の結
果から、柔軟撥水剤を予め付与してない繊維質基材を用
いた場合には、硬くて柔軟性に欠ける、風合の不良なシ
ート状物しか得られないことがわかる。さらに、上記の
比較例3および比較例5の結果から、ポリウレタン系エ
マルジヨンとしてそれから得られるフィルムの上記90
℃の弾性率が5.0×108dyn/cm2を超えるポリ
ウレタン系エマルジヨンを用いた場合には、硬くて柔軟
性に欠ける、風合の劣ったシート状物が生成することが
わかる。また、上記の比較例4および比較例5の結果か
ら、ポリウレタン系エマルジヨンとしてそれから得られ
るフィルムの上記90℃の弾性率が2.0×107dy
n/cm2よりも小さいポリウレタン系エマルジヨンを
用いた場合には、充実感のない、不織布様のシート状物
しか得られないことがわかる。
【0084】
【発明の効果】本発明により得られる皮革様シート状物
は、柔軟性に富み、充実感に優れていて、天然皮革に近
似した極めて良好な風合および物性を有している。そし
て、本発明による場合は、柔軟撥水剤を付与した繊維質
基材に上記した特定のポリウレタン系エマルジヨンを含
浸して凝固するという極めて簡単な工程を採用するだけ
で、環境面、安全性、工程の複雑化などの点で問題の多
い有機溶剤を使用せずに、前記した優れた特性を有する
皮革様シート状物を簡単に、安価に製造することができ
る。本発明により得られる皮革様シート状物は、上記し
た優れた特性を活かして、例えば、マットレス、鞄内張
り材料、衣料用芯地、靴用芯地、クッション材、自動
車、列車、航空機などの内装材、壁材、カーペット、ス
ポーツシューズ、紳士靴、鞄、ハンドバック、ランドセ
ルなどの広範な用途に有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】繊維質基材に樹脂エマルジヨンを含浸し凝固し
て得られる従来の皮革様シート状物の断面を撮影した電
子顕微鏡写真(図面代用写真)である。
【図2】本明細書中の実施例1で得られた皮革様シート
状物の断面を撮影した電子顕微鏡写真(図面代用写真)
である。
【図3】本明細書中の比較例4で得られた皮革様シート
状物の断面を撮影した電子顕微鏡写真(図面代用写真)
である。
フロントページの続き (72)発明者 丹波 善博 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 Fターム(参考) 4F055 AA01 BA11 EA04 EA24 EA30 FA15 GA22 GA40 HA12 HA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維質基材にポリウレタン系エマルジヨ
    ンを含浸し凝固して皮革様シート状物を製造する方法で
    あって、(i) 繊維質基材として予め柔軟撥水剤を付
    与したものを用い;そして、(ii) ポリウレタン系エ
    マルジヨンとして、感熱ゲル化性のポリウレタン系エマ
    ルジヨンであって、且つ該ポリウレタン系エマルジヨン
    を温度50℃で乾燥して得られる厚さ100μmのフィ
    ルムの90℃における弾性率が2.0×107〜5.0
    ×108dyn/cm2であるものを用いる;ことを特徴
    とする皮革様シート状物の製造方法。
  2. 【請求項2】 柔軟撥水剤が、ジメチルポリシロキサン
    と、メチルハイドロジェンポリシロキサンおよびメチル
    ハイドロジェンシロキシ単位とジメチルシロキシ単位を
    有するポリシロキサンの少なくとも1種との混合物であ
    る請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリウレタン系エマルジヨンとして、感
    熱ゲル化性のポリウレタン系エマルジヨンであって、且
    つ該ポリウレタン系エマルジヨンを温度50℃で乾燥し
    て得られる厚さ100μmのフィルムの90℃における
    弾性率が2.0×107〜5.0×108dyn/cm2
    であり、更に該フィルムのα分散の温度(Tα)が−1
    0℃以下であるものを用いる請求項1または2に記載の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 感熱ゲル化性のポリウレタン系エマルジ
    ヨンが、感熱ゲル化剤を含有するポリウレタン系エマル
    ジヨンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 繊維質基材に含浸したポリウレタン系エ
    マルジヨンの凝固を70℃以上の温水中、またはスチー
    ム雰囲気下に行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 繊維質基材が、収縮性ポリエチレンテレ
    フタレート繊維を少なくとも一部として用いて形成され
    た比重0.25〜0.50の不織布である請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項の製造方法
    により得られる皮革様シート状物。
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