JP2000017131A - 農業用フィルムの改質剤及び農業用フィルム - Google Patents

農業用フィルムの改質剤及び農業用フィルム

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JP2000017131A
JP2000017131A JP10189965A JP18996598A JP2000017131A JP 2000017131 A JP2000017131 A JP 2000017131A JP 10189965 A JP10189965 A JP 10189965A JP 18996598 A JP18996598 A JP 18996598A JP 2000017131 A JP2000017131 A JP 2000017131A
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vinyl
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acid group
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Yoshimi Umemura
芳海 梅村
Shigeki Takada
重喜 高田
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、このような背景下におい
て、保温性、焼却性、力学物性などに優れたフィルムが
得られる農業用フィルム改質剤などに好適なポリビニル
アルコール系重合体を提供し、さらには該改質剤を用い
た農業用フィルムを提供することにある。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系重合体(A)1
00重量部、ならびにボロン酸基、ボリン酸基および水
の存在下でボロン酸基またはボリン酸基に転化しうるホ
ウ素含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官
能基を有する熱可塑性重合体(B)1〜100重量部か
らなる農業用フィルムの改質剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農業用フィルムの改
質剤及びそれを用いた農業用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農業用ハウス、トンネルハウス、
マルチング用などの農業用フィルムとしては、ポリ塩化
ビニルフィルム、低密度ポリエチレンフィルム、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体フィルムが主に使用されてき
た。
【0003】ポリ塩化ビニルフィルムは、保温性及び強
靭性の点で優れているが、焼却時に有毒ガスを発生する
こと、長期間使用すると可塑剤が表面に移行することに
伴う透明性の低下が著しいこと、他の2者に比べてコス
トが高いことが問題となっている。
【0004】低密度ポリエチレンフィルムは、コスト的
には最も有利であり、焼却性も比較的良好であるが、保
温性が劣ること、帯電によるほこりの吸着に起因して透
明性が低下するなどの欠点がある。
【0005】エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム
は、焼却性が良好でコスト及び保温性は上記2者の中間
に位置するが、保温性が不足している。
【0006】このような背景から良好な焼却性を有し、
かつ保温性に優れたビニルアルコール系重合体、殊にエ
チレン−酢酸ビニル共重合体けん化物の使用が検討され
ているが、まだ満足できる性能を有するものは得られて
いない。また、ポリオレフィン系樹脂とポリビニルアル
コールは本来相溶性が悪く、単にブレンドしただけでは
透明性や力学物性が著しく低下するという問題が生じて
いる。これらの改良のため各種相溶化剤が検討されてい
るが、満足できる性能を有するものは得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような背景下において、保温性、焼却性、力学物性の要
求を満足するフィルムを与えることができる農業用フィ
ルムの改質剤を提供し、さらには該改質剤を用いた農業
用フィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、ポリビニル
アルコール系重合体(A)100重量部、ならびにボロ
ン酸基、ボリン酸基および水の存在下でボロン酸基また
はボリン酸基に転化しうるホウ素含有基からなる群より
選ばれる少なくとも一つの官能基を有する熱可塑性重合
体(B)1〜100重量部からなる農業用フィルムの改
質剤を提供することにより達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用するポリビニルアル
コール系重合体(A)は、ビニルエステル重合体のけん
化物またはビニルエステルと共重合可能な他のビニルモ
ノマーとの共重合体のけん化物である。ビニルエステル
(単独)重合体のけん化物のけん化度は、高過ぎると融
点と熱分解温度とが接近するので好ましくなく、10〜
99モル%の範囲から選ばれ、50〜98モル%が好ま
しい。ビニルエステルと他のビニルモノマーとの共重合
体のけん化物のけん化度は、ビニルモノマーの含有量に
もよるがビニルエステル(単独)重合体けん化物より融
点が低下するため、10〜100モル%の範囲から選ば
れ、50〜100モル%が好ましい。重合度は50〜8
000、好ましくは100〜1000の範囲から選ばれ
る。
【0010】ここで、ビニルエステルとしては酢酸ビニ
ルが代表例として挙げられるが、その他にプロピオン酸
ビニル、ピバリン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリ
ン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステルも挙げ
られる。これらのビニルエステルは一種あるいは二種以
上混合して使用してもよい。ビニルエステルと共重合可
能なビニルモノマーとしてはエチレン、プロピレン、1
−ブテン、イソブテン等のオレフィン系単量体;アクリ
ルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のアク
リルアミド系単量体;メタクリルアミド、N−メチルメ
タクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N
−ジメチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド系単
量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエー
テル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエー
テル等のビニルエーテル系単量体;アリルアルコール;
ビニルトリメトキシシラン;N−ビニル−2−ピロリド
ン、イソプロペニルアルコール、7−オクテン−1−オ
ール、アリルアセテート、イソプロペニルアセテート等
が挙げられる。特に炭素数4以下のα−オレフィンを1
〜20モル%共重合したポリビニルアルコールが、成形
性、熱可塑性樹脂との相容性等の点で好適に用いられ、
中でもエチレン、プロピレンを共重合したポリビニルア
ルコールが特に好適である。さらにポリビニルアルコー
ルにシリル基を導入することでより保温性を向上させる
ことができる。またポリビニルアルコール系重合体は、
これらのコモノマーの種類や量、けん化度、重合度のう
ち少なくともひとつが異なるポリビニルアルコール系重
合体を混合して使用してもよい。
【0011】本発明に使用するポリビニルアルコール系
重合体(以下「PVA」と略記する。)としては、熱可塑性
であることが重要である。熱可塑性とは、熱成形時にお
いて著しい劣化やゲル化等の変質をきたさないような成
形条件を設定し得るものであって、ポリビニルアルコー
ル系重合体にグリセリン、その誘導体、ポリエチレング
リコール、水等の可塑剤が添加されているものも包含さ
れる。またポリビニルアルコール系重合体に他の添加剤
(熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、滑
剤、離型剤、フィラーなど)を本発明の目的が阻害され
ない範囲で使用できる。
【0012】本発明に使用するボロン酸基、ボリン酸基
および水の存在下でボロン酸基またはボリン酸基に転化
しうるホウ素含有基から選ばれる少なくとも一つの官能
基を有する熱可塑性重合体(B)とは、ボロン酸基、ボ
リン酸基あるいは水の存在下でボロン酸基またはボリン
酸基に転化しうるホウ素含有基からなる群より選ばれる
少なくとも一つの官能基がホウ素−炭素結合により主
鎖、側鎖また末端に結合した熱可塑性重合体である。こ
のうち前記官能基が側鎖または末端に結合した熱可塑性
重合体が好ましく、末端に結合した熱可塑性重合体が最
適である。ここで末端とは片末端または両末端を意味す
る。またホウ素−炭素結合の炭素は後述する熱可塑性重
合体(B)のベースポリマーに由来するもの、あるいは
ベースポリマーに反応させるホウ素化合物に由来するも
のである。ホウ素−炭素結合の好適な例としては、ホウ
素と主鎖あるいは末端あるいは側鎖のアルキレン基との
結合が挙げられる。本発明において、ボロン酸基とは、
下記の化1で示されるものである。
【0013】
【化1】
【0014】また水の存在下でボロン酸基に転化しうる
ホウ素含有基(以下「ホウ素含有基」と略記する。)と
しては、水の存在下で加水分解を受けて上記の化1で示
されるボロン酸基に転化しうるホウ素含有基であれば、
どのようなものでもよいが、代表例として下記の化2で
示されるボロン酸エステル基、下記の化3で示されるボ
ロン酸無水物基、下記の化4で示されるボロン酸塩基が
挙げられる。
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】式中、X、Yは水素原子、脂肪族炭化水素
基(炭素数1〜20の直鎖状、または分岐状アルキル
基、またはアルケニル基など)、脂環式炭化水素基(シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基など)、芳香族炭
化水素基(フェニル基、ビフェニル基など)を表し、
X、Yは同じ基でもよいし、異なっていてもよい。また
XとYは結合していてもよい。ただしX、Yがともに水
素原子である場合は除かれる。またR1、R1、R3は上
記X、Yと同様の水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式
炭化水素基、芳香族炭化水素基を表し、 R1、R1、R3
は同じ基でもよいし、異なっていてもよい。またMはア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。また上記の
X、Y、 R1、R1、R3には他の基、たとえばカルボキ
シル基、ハロゲン原子などを有していてもよい。
【0019】化2〜化4で示されるボロン酸エステル基
の具体例としてはボロン酸ジメチルエステル基、ボロン
酸ジエチルエステル基、ボロン酸ジプロピルエステル
基、ボロン酸ジイソプロピルエステル基、ボロン酸ジブ
チルエステル基、ボロン酸ジヘキシルエステル基、ボロ
ン酸ジシクロヘキシル基、ボロン酸エチレングリコール
エステル基、ボロン酸プロピレングリコールエステル基
(ボロン酸1,2−プロパンジオールエステル基、ボロ
ン酸1,3−プロパンジオールエステル基)、ボロン酸
トリメチレングリコールエステル基、ボロン酸ネオペン
チルグリコールエステル基、ボロン酸カテコールエステ
ル基、ボロン酸グリセリンエステル基、ボロン酸トリメ
チロールエタンエステル基等のボロン酸エステル基;ボ
ロン酸無水物基;ボロン酸のアルカリ金属塩基、ボロン
酸のアルカリ土類金属塩基等が挙げられる。
【0020】また本発明において、ボリン酸基とは、下
記の化5で示されるものである。
【0021】
【化5】
【0022】また水の存在下でボリン酸基に転化しうる
ホウ素含有基としては、水の存在下で加水分解を受けて
上記の化5で示されるボリン酸基に転化しうるホウ素含
有基であればどのようなものでもよい。その代表例とし
て下記の化6で示されるボリン酸エステル基、下記の化
7で示されるボリン酸無水物基、下記の化8で示される
ボリン酸塩基が挙げられる。
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】式中、Xは前記化2のXと同じ意味であ
り、Zは前記のXと同様の脂肪族炭化水素基、脂環式炭
化水素基、芳香族炭化水素基、アミノ基、アミド基を表
す。またXとZは結合していてもよい。またR1、R1
3は前記の化4のR1、R1、R3と同じ意味である。ま
たMは前記の化4のMと同じ意味である。
【0027】化5〜化8で示されるボリン酸エステル基
の具体例としてはX、Z、R1、R1、R3がメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、1−メチルプロピル
基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基等の低級炭化
水素基を示すものが挙げられる。代表例としてはメチル
ボリン酸基、メチルボリン酸メチルエステル基、エチル
ボリン酸メチルエステル基、メチルボリン酸エチルエス
テル基、ブチルボリン酸メチルエステル基、3−メチル
−2ブチルボリン酸メチルエステル基が挙げられる。前
記の官能基の中でも特にボロン酸エチレングリコールエ
ステル基などのボロン酸エステル基がポリビニルアルコ
ール系重合体(A)との相溶性の点から好ましい。なお
前記の水の存在下でボロン酸基またはボリン酸基に転化
しうるホウ素含有基とは、熱可塑性重合体(B)を、水
または水と有機溶媒(トルエン、キシレン、アセトンな
ど)との混合液体、またホウ酸水溶液と前記有機溶媒と
の混合液中で、反応時間10分〜2時間、反応温度室温
〜150℃の条件下に加水分解した場合に、ボロン酸基
またはボリン酸基に転化しうる基を意味する。
【0028】前記官能基の含有量は特に制限はないが、
0.0001〜1meq/g(ミリ当量/g)が好まし
く、特に、0.001〜0.1meq/gが好ましい。
この程度の少量の官能基の存在により、樹脂組成物の相
溶性、透明性等が著しく改善されることは驚くべきこと
である。
【0029】熱可塑性重合体(B)のベースポリマーと
してはポリビニルアルコール系重合体と本質的に相溶性
のよくないオレフィン系重合体、ビニル系重合体および
ジエン系重合体が代表例として挙げられる。オレフィン
系重合体、ビニル系重合体およびジエン系重合体を構成
する単量体としてはエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、イソブテン、3−メチルペンテン、1−ヘキセン、
1−オクテン等のα−オレフィン類で代表されるオレフ
ィン系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバ
リン酸ビニル等のビニルエステル系単量体;メチルアク
リレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、
ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ドデシ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の
アクリル酸エステル系単量体;メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチ
ルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のメタク
リル酸エステル系単量体;アクリルアミド、N−メチル
アクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−
ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;
メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−
エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリル
アミド等のメタクリルアミド系単量体;塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル系単
量体;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル
系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
アクリロニトリル系単量体;ブタジエン、イソプレン等
のジエン系単量体等が挙げられる。
【0030】ベースポリマーはこれらの単量体の一種ま
たは二種あるいは三種以上からなる重合体として使用さ
れる。これらのベースポリマーのうち、特にエチレン系
重合体{超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体の金属塩(Na,K,Zn系アイオノマ
ー)、エチレン−プロピレン共重合体等}、プロピレン
系重合体、芳香族ビニル系重合体(ポリスチレン、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体)、ジエ
ン系重合体{芳香族ビニル系単量体−ジエン系単量体−
芳香族ビニル系単量体のブロック共重合体水添物、ポリ
イソプレン、ポリブタジエン、クロロプレン、イソプレ
ン−アクリロニトリル共重合体(ニトリルゴム)、イソ
プレン−イソブテン共重合体(ブチルゴム)等}が好適
なものとして挙げられる。
【0031】本発明に使用する熱可塑性重合体(B)の
好適なメルトインデックス(MI)(190℃、216
0g荷重下で測定した値)は0.01〜1000g/1
0分が好ましく、0.1〜100g/10分がより好ま
しい。
【0032】次に本発明に用いるボロン酸基、ボリン酸
基およびホウ素含有基のうち少なくとも一つの官能基を
有する熱可塑性重合体(B)の代表的製法について述べ
る。第一の製法;末端にボロン酸基、ボリン酸基または
ホウ素含有基を有するオレフィン系重合体は、オレフィ
ン系重合体を熱分解し、主として末端に二重結合を導入
した後、これにボラン錯体およびホウ酸トリアルキルエ
ステルを反応させることによって得られる。
【0033】原料のオレフィン系重合体は、エチレン、
プロピレン、1−ブテン等のオレフィンモノマー単位か
らなる、MI(230℃、2160g)が10g/10
分以下のものが好ましく、さらには1g/10分以下の
高重合度のオレフィン系重合体が好ましい。
【0034】熱分解は窒素雰囲気あるいは真空中等の無
酸素条件下で行われ、反応温度は300℃〜500℃、
反応時間は1分〜10時間が好ましい。熱分解の程度と
しては、熱分解により生成したオレフィン系重合体中の
二重結合量が0.001から0.2meq/gの範囲と
なるようにするのが好ましい。
【0035】ボロン酸基の導入は、窒素雰囲気下で二重
結合を有するオレフィン系重合体、ボラン錯体、ホウ酸
トリアルキルエステルおよびこれらの三成分の溶媒を撹
拌しながら加熱反応させることによって行われる。ボラ
ン錯体としては、ボラン−テトラヒドロフラン錯体、ボ
ラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラン−ピリジン錯
体、ボラン−トリメチルアミン錯体、ボラン−トリエチ
ルアミン錯体等が好ましい。これらのなかで、ボラン−
トリエチルアミン錯体およびボラン−トリメチルアミン
錯体がより好ましい。ボラン錯体の仕込み量はオレフィ
ン系重合体の二重結合に対し、1/3当量から10当量
の範囲が好ましい。ホウ酸トリアルキルエステルとして
は、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリプ
ロピルボレート、トリブチルボレート等のホウ酸低級ア
ルキルエステルが好ましい。ホウ酸トリアルキルエステ
ルの仕込み量はオレフィン系重合体の二重結合に対し1
から100当量の範囲が好ましい。溶媒は特に使用する
必要はないが、使用する場合は、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、エチル
シクロヘキサン、デカリン等の飽和炭化水素系溶媒が好
ましい。
【0036】二重結合を有するオレフィン系重合体へボ
ロン酸基を導入する反応は、反応温度室温〜300℃、
好ましくは100〜250℃、反応時間1分〜10時
間、好ましくは5分〜5時間で行うのがよい。ボロン酸
基またはホウ素含有基の種類は水あるいはアルコールの
存在によって容易に相互変換できる。例えばボロン酸ジ
メチルエステルは水と反応することによりボロン酸にな
り、ボロン酸はエチレングリコールと反応することによ
りエチレングリコールエステルになる。このエステル基
の種類はメルトインデックスに影響を与える。一般に、
ボロン酸基を有するポリオレフィンにエチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール等のジオールを反応さ
せ、環状エステル化することによりメルトインデックス
が大きくなる。したがって、エステル基の量を増減する
ことによってメルトインデックスの調整が可能となる。
【0037】熱可塑性重合体(B)の第二の製法;末端
にボロン酸基、ボリン酸基およびホウ素含有基から選ば
れる少なくともひとつの官能基を有するオレフィン系重
合体、ビニル系重合体およびジエン系重合体は、ボロン
酸基、ボリン酸基、あるいはホウ素含有基を有するチオ
ール存在下でオレフィン系単量体、ビニル系単量体、ジ
エン系単量体から選ばれる少なくとも一種をラジカル重
合することによって得られる。
【0038】原料のボロン酸基あるいはホウ素含有基を
有するチオールは窒素雰囲気下で二重結合を有するチオ
ールにジボランまたはボラン錯体を反応後、アルコール
類または水を加えることによって得られる。また、ボリ
ン酸基あるいはホウ素含有基を有するチオールは窒素雰
囲気下で二重結合を有するチオール、ジボランまたはボ
ラン錯体およびオレフィン類を反応させた後、アルコー
ル類または水を加えることによって得られる。ここで二
重結合を有するチオールとしては2−プロペン−1−チ
オール、2−メチル−2−プロペン−1−チオール、3
−ブテン−1−チオール、4−ペンテン−1−チオール
等が挙げられる。これらの中でも2−プロペン−1−チ
オールおよび2−メチル−2−プロペン−1−チオール
が好ましい。ボラン錯体としては、前記したと同様なも
のが使用され、このうちボラン−テトラヒドロフラン錯
体が特に好ましい。ジボランまたはボラン錯体の添加量
は二重結合を有するチオールに対し当量程度が好まし
い。反応条件としては室温から200℃が好ましい。溶
媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、ジグライム
等のエーテル系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、エチルシク
ロヘキサン、デカリン等の飽和炭化水素系溶媒等が挙げ
られる。これらの中でもTHFが好ましい。反応後に添
加するアルコール類としてはメタノール、エタノール等
の低級アルコールが好ましく、特に、メタノールが好ま
しい。ボリン酸基を有するチオールを製造する際に添加
するオレフィン類としては、特に制限はないが、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテ
ン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチ
ル−2−ブテン、1−ヘキセン、シクロヘキセン等の低
級オレフィンが好ましい。
【0039】このようにして得られた、ボロン酸基、ボ
リン酸基およびホウ素含有基から選ばれる少なくとも一
つの官能基を有するチオールの存在下、オレフィン系単
量体、ビニル系単量体およびジエン系単量体から選ばれ
る少なくとも一種をラジカル重合することによって末端
に該官能基を有する重合体が得られる。重合条件として
は、アゾ系あるいは過酸化物系の開始剤を用い、重合温
度は室温から150℃の範囲が好ましい。該官能基を有
するチオールの添加量としては単量体1g当たり0.0
01ミリモルから1ミリモル程度が好ましく、チオール
の添加方法としては、特に制限はないが、単量体として
酢酸ビニル、スチレン等の連鎖移動しやすいものを使用
する場合は、重合時にチオールをフィードすることが好
ましく、メタクリル酸メチル等の連鎖移動しにくいもの
を使用する場合は、チオールを最初から加えておくこと
が好ましい。
【0040】熱可塑性重合体(B)の第三の製法;側鎖
にボロン酸基、ボリン酸基およびホウ素含有基から選ば
れる少なくとも一つの官能基を有する熱可塑性樹脂は、
ボロン酸基、ボリン酸基およびホウ素含有基から選ばれ
る少なくとも一つの官能基を有する単量体と前記したオ
レフィン系単量体、ビニル単量体およびジエン系単量体
から選ばれる少なくとも一種の単量体とを共重合させる
ことによって得られる。ここで、ボロン酸基、ボリン酸
基またはホウ素含有基から選ばれる少なくとも一つの官
能基を有する単量体としては、例えば、3−アクリロイ
ルアミノベンゼンボロン酸、3−メタクリロイルアミノ
ベンゼンボロン酸、4−ビニルベンゼンボロン酸などが
挙げられる。また側鎖にボロン酸基、ボリン酸基および
ホウ素含有基から選ばれる少なくともひとつの官能基を
有する熱可塑性重合体は、例えば、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、および
無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸と前記したオレ
フィン系単量体、ビニル系単量体およびジエン系単量体
の少なくとも一種の単量体との共重合体またはグラフト
共重合体のカルボキシル基をカルボジイミド等の縮合剤
を必要に応じ用いてm−アミノベンゼンボロン酸などの
アミノ基含有ボロン酸とアミド反応させることによって
も得られる。
【0041】本発明の改質剤はポリビニルアルコール系
重合体(A)に熱可塑性重合体(B)を配合して得られ
る。熱可塑性重合体(B)の配合量としては、ポリビニ
ルアルコール系重合体(A)100重量部に対し、1〜
100重量部であることが必要であり、3〜80重量部
であることが好ましく、5〜50重量部が特に好まし
い。配合量が1重量部未満では、該改質剤と他の熱可塑
性樹脂との相容性が悪くなり、該改質剤を用いて作製し
た農業用フィルムの透明性、力学物性が低下する。一
方、配合量が100重量部を超えると、得られた農業用
フィルムの保温性、流滴性、防曇性が低下する。
【0042】さらに該改質剤には本発明の効果を妨げな
い範囲で、従来公知の添加剤、例えば、熱安定剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、可塑剤、着色剤、
離型剤、滑剤、香料、フィラー等を配合することができ
る。保温性をさらに向上させるため、コロイダルシリカ
等のシリカ化合物を添加しても良い。また他の高分子材
料もブレンドできる。
【0043】該改質剤の作製方法には特に限定はない
が、ポリビニルアルコール(A)と熱可塑性樹脂(B)
を所定量ブレンド後、熱溶融押出にて作製する方法、ポ
リビニルアルコール(A)を熱溶融押出しながら、熱可
塑性樹脂(B)を一定量フィードする方法などが挙げら
れる。
【0044】次に上記の改質剤を用いてなる農業用フィ
ルムについて説明する。本発明のフィルムは上記改質剤
を5〜60重量%、好ましくは10〜40重量%含有す
る農業用フィルムであり、その形態や作製方法は特に限
定はない。一例として、上記改質剤を他の熱可塑性樹脂
(C)にブレンドしてなる押出成形したフィルム、該フ
ィルムの少なくとも片面に熱可塑性樹脂を共押出やラミ
ネートしてなる多層フィルム、また改質剤を主たる成分
とするフィルムの少なくとも片面に他の熱可塑性樹脂
(C)を共押出やラミネートした多層フィルム等が挙げ
られる。これらのフィルムは、従来公知の成形方法、例
えばインフレーション成形、Tダイ押出成形、カレンダ
ー成形、溶融流延による押出成形法にて作製できる。ま
た、成分(A)100重量部に対して、成分(B)が1
〜100重量部であり、かつ、成分(A)と成分(B)
の合計量が5〜60重量%含有していれば、成分
(A)、成分(B)、成分(C)を添加する順序には特
に限定が無い。例えば成分(A)と成分(B)を予め混
練し、改質剤を作製後、成分(C)とブレンドしてもよ
く、成分(A)、成分(B)、成分(C)を一度にブレ
ンドしてもよく、成分(B)と成分(C)をブレンド
後、成分(A)を添加してもよい。
【0045】ここで、本発明の農業用フィルムに用いる
熱可塑性樹脂(C)は、農業用フィルムの主たる成分と
なる樹脂であり、その種類には特に限定はないが、通常
ポリオレフィン系樹脂が用いられる。ポリオレフィン系
樹脂としては、主として高密度もしくは低密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン−1などのα−オレ
フィンの単独重合体、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、ヘキセン−1などから選ばれたα−オレフィン同士
の共重合体である。また、以下の成分を共重合したもの
も含まれる。α−オレフィンとの共重合成分として、ジ
オレフィン、N−ビニルカルバゾール、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリ
ル、ビニルエーテルなどのビニル化合物、マレイン酸、
アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、
イタコン酸などの不飽和カルボン酸、そのエステルまた
はその無水物、あるいはこれらにヒドロキシル基または
エポキシ基を付加したものなどが挙げられる。また2種
以上を併用しても良い。中でも低密度ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体等が一般的に用いられる。
【0046】また、本発明の農業用フィルムには本発明
の特徴を損なわない範囲で、必要に応じて添加剤を配合
することもできる。このような添加剤の例としては、酸
化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、滑剤、着色剤、フィラー、保温剤、防曇剤あるいは
他の高分子化合物が挙げられる。添加剤の具体的な例と
しては次の様なものが挙げられる。
【0047】酸化防止剤としては、2,5−ジ−t−ブ
チルハイドロキシン、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、4,4′−チオビス−(6−t−ブチルフェ
ノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、4,4′−チオビス−(6−t
−ブチルフェノール)等が挙げられる。紫外線吸収剤と
しては、エチレン−2−シアノ−3,3′−ジフェニル
アクリレート、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチ
ル−5′−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オキトキシベンゾフェノン等
が挙げられる。可塑性としては、フタル酸ジメチル、フ
タル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、ワックス、流動
パラフィン、リン酸エステル、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン等が挙げられる。帯電防止剤としては、
ペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノ
パルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレン
オキシド、カーボワックス等が挙げられる。滑剤として
は、エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレート
等が挙げられる。着色剤としては、カーボンブラック、
フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔
料、ベンガラ等が挙げられる。充填剤としては、グラス
ファイバー、アスベスト、パラストナイト、ケイ酸カル
シウム等。保温剤としては、酸化ケイ素、ケイ酸塩類、
リン酸塩類、ガラス微粉末等が挙げられる。防曇剤とし
ては、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキル
アミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキ
シエチルアルキルアミンの脂肪族エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル等が挙げられる。また、他の多くの高分子化
合物も本発明の作用効果が阻害されない程度にブレンド
することもできる。
【0048】
【実施例】次に、本発明を、合成例、実施例、及び比較
例にてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に
限定されるものではない。
【0049】合成例1 末端にボロン酸エチレングリコールエステル基を有する
超低密度ポリエチレンの合成:冷却器、撹拌機および滴
下ロート付きセパラブルフラスコに超低密度ポリエチレ
ン{MI:7g/10分(210℃、荷重2160
g)、密度0.89、末端二重結合量0.048meq
/g}1000g、デカリン2500gを仕込み、室温
で減圧することにより脱気を行った後、窒素置換を行っ
た。これにホウ酸トリメチル78g、ボラン−トリエチ
ルアミン錯体5.8gを添加し、200℃で4時間反応
後、蒸留器具を取り付け、さらにメタノール100ml
をゆっくり滴下した。メタノール滴下終了後、減圧蒸留
により、メタノール、ホウ酸トリメチル、トリエチルア
ミン等の低沸点の不純物を留去した。さらにエチレング
リコール31gを添加し、10分間撹拌後、アセトンに
再沈し、乾燥することにより、ボロン酸エチレングリコ
ールエステル基量0.027meq/g、MI5g/1
0分の超低密度ポリエチレン(ボロン酸変性ポリエチレ
ン)(以下「B−PE」と略す)を得た。
【0050】実施例1 エチレン変性ポリビニルアルコール系重合体(以下「エ
チレン変性PVA」と略す。)(重合度480、けん化
度97.6モル%、変性度7.8モル%)100部と、
合成例1で得た末端にボロン酸エチレングリコールエス
テル基を有する超低密度ポリエチレン(以下「B−P
E」と略す)20部を30mmφの2軸押出機を用い
て、230℃にて溶融混練しペレット(P−1)を作製
した。次いで、同じ押出機を用いて低密度ポリエチレン
(以下「LDPE」と略す。)[メルトインデックス1
g/10分(190℃、2160g荷重)]100部と
P−1ペレット50部とを230℃でさらに溶融混練し
て、ペレット(P−2)を得た。得られたペレット(P
−2)とLDPEを40mmφの単軸押出機にそれぞれ
投入し、230℃で溶融混練しながら、押出機の先端に
取り付けた共押出用のTダイより共押出して、LDPE
/(P−2)/LDPE=16μ/38μ/16μの構
成となる、幅600mm、厚さ70μmの3層フィルム
を得た。このフィルム中のP−1の重量比は20重量%
であった。なお測定は以下の方法で行った。結果を表1
および表2に示す。
【0051】(1)保温性 赤外分光光度計(FTIR8200PC、島津製作所
製)で測定したフィルムの赤外線吸収スペクトルにおい
て波数400〜2000cm-1の範囲における赤外線透
過率を積分し、その平均値を求めた。評価は以下の基準
で行った。 ◎:透過率30%未満 ○:透過率30%以上40%未満 △:透過率40%以上50%未満 ×:透過率50%以上 (2)透明性 反射透過率計を用い、ヘイズを測定した。 ◎:ヘイズが15%未満 ○:ヘイズが15%以上25%未満 △:ヘイズが25%以上35%未満 ×:ヘイズが35%以上 (3)引張伸度 オートグラフ(DCS−100型 島津製作所製)にて
フィルムの引張試験を行い、引張伸度の値で評価した。
テストスピードは500mm/min。 ◎:引張伸度200%以上 ○:引張伸度100%以上200%未満 △:引張伸度50%以上100%未満 ×:引張伸度50%未満
【0052】実施例2〜10 PVAの重合度、けん化度、変性種、変性度を変更した
こと以外は、実施例1と同様に3層フィルムを作製し、
評価した。結果を表1および表2に示す。
【0053】実施例11〜13、比較例3〜4 ペレットP−1を作製する際のB−PEの配合量を変更
したこと以外は、実施例1と同様にして3層フィルムを
作製し、評価した。結果を表1および表2に示す。
【0054】実施例14〜16、比較例5〜6 ペレットP−2を作製する際のペレットP−1の配合量
を変更したこと以外は、実施例1と同様にして3層フィ
ルムを作製し、評価した。結果を表1および表2に示
す。
【0055】実施例17 実施例1で作製したペレットP−2を40mmTダイか
ら単層で溶融押出しし、幅600mm、厚さ65μmの
単層フィルムを作製し、評価した。結果を表1および表
2に示す。
【0056】実施例18 LDPE100重量部、エチレン変性PVA40重量
部、B−PE10重量部をドライブレンド後、実施例1
と同様に溶融混練し、ペレットP−3を得た。P−2の
かわりにP−3を用いたこと以外は実施例1と同様にし
て3層フィルムを作製し、評価した。結果を表1および
表2に示す。
【0057】実施例19 実施例1で作製したP−1とLDPEを実施例1と同様
にして共押出して、LDPE/(P−1)/LDPE=
17μ/37μ/17μの構成となる3層フィルムを作
製し、評価した。結果を表1および表2に示す。
【0058】実施例20 LDPEとP−2を共押出しし、LDPE/(P−2)
=40μ/20μの構成となる厚さ60μmの2層フィ
ルムを作製した。フィルムが2層であること以外は、実
施例1と同様に評価した。結果を表1および表2に示
す。
【0059】実施例21 ペレット(P−2)を40mmφの単軸押出機に投入
し、230℃で溶融混練しながら、押出機の先端に取り
付けたTダイより押出して、幅600mm、厚さ40μ
mの単層フィルムを得た。LDPEについても同様にし
て幅600mm、厚さ20μmの単層フィルムを得た。
得られたLDPEのフィルムにドライラミネーション接
着剤としてタケラックA−385(主剤)/タケネート
A―10(硬化剤)を酢酸エチルを希釈剤として、ドラ
イラミネーターを用いて固形分3g/m2塗布し、これ
に先に作製したP−2によるフィルムをドライラミネー
トして、LDPE/接着剤/(P−2)/接着剤/LD
PEの構成となる3種5層の厚さ95μmのフィルムを
作製し、評価した。結果を表1および表2に示す。
【0060】比較例1〜6 表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様
にしてフィルムを作製し、評価した。結果を表1および
表2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】(表1の成形方法に関する記号の説明) A:LDPE/(LDPE+PVA+B-PE)/LDPEの3層共押出しフィ
ルム B:(LDPE+PVA+B-PE)の単層フィルム C:LDPE/(LDPE+PVA+PE)/LDPEの3層共押出しフィル
ム。内層は一括で混練。 D:LDPE/(PVA+B-PE)/LDPEの3層共押出しフィルム E:LDPE/(LDPE+PVA+B-PE)の2層共押出しフィルム F:LDPE/(LDPE+PVA+B-PE)/LDPEの3層ドライラミネ
ートフィルム
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、保温性に優れ、力学物
性や透明性が良好でかつ焼却時に有毒ガスを発生するこ
とのない農業用フィルムを作製することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08F 216/06 C08F 216/06 (C08F 216/06 210:02) (C08F 216/06 210:04) Fターム(参考) 2B024 DA03 DB01 DB07 EA01 2B029 EB02 EB03 EC04 EC09 EC19 EC20 4J002 AC022 AC092 AC112 BB102 BB142 BB162 BB202 BC042 BC092 BD052 BD102 BD132 BD172 BE021 BE031 BF012 BG032 BG102 BG122 BN152 BP012 FD010 FD020 FD050 FD070 FD090 FD100 FD170 FD200 GA01 4J100 AA02Q AA03Q AA04Q AA06Q AD01Q AD02P AD03Q AE02Q AE03Q AE04Q AG02P AG10Q AM15Q AM17Q AM19Q AP16Q AQ08Q BA77Q CA01 CA04 CA31 HA08 HA09 JA64

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系重合体(A)1
    00重量部、ならびにボロン酸基、ボリン酸基および水
    の存在下でボロン酸基またはボリン酸基に転化しうるホ
    ウ素含有基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官
    能基を有する熱可塑性重合体(B)1〜100重量部か
    らなる農業用フィルムの改質剤。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール系重合体(A)が
    さらに炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜20モ
    ル%含有するポリビニルアルコール系重合体である請求
    項1記載の農業用フィルムの改質剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の改質剤を5〜6
    0重量%含有する農業用フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001200070A (ja) * 2000-01-20 2001-07-24 Kuraray Co Ltd ポリビニルアルコール系樹脂フィルム
JP2002338772A (ja) * 2001-05-15 2002-11-27 Kuraray Co Ltd ガスバリア性熱可塑性重合体組成物
JP2006008739A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Kuraray Co Ltd 接着性樹脂材料

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JP2001200070A (ja) * 2000-01-20 2001-07-24 Kuraray Co Ltd ポリビニルアルコール系樹脂フィルム
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