JP2000017042A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP2000017042A JP10185368A JP18536898A JP2000017042A JP 2000017042 A JP2000017042 A JP 2000017042A JP 10185368 A JP10185368 A JP 10185368A JP 18536898 A JP18536898 A JP 18536898A JP 2000017042 A JP2000017042 A JP 2000017042A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難接着性基材といわれるプラスチックに優れ
た接着性を短時間で示し、かつ貯蔵安定性に優れる硬化
性組成物を提供する。 【解決手段】 β−ジケトネート基含有有機化合物とイ
ソシアネートアルキル基含有加水分解性シラン化合物を
含有する硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性組成物に係
わり、特に、湿気の存在しない密封条件下では安定であ
り、空気中の水分と接触することにより、室温で硬化し
てゴム状弾性体を生じる、優れた接着性と優れた貯蔵安
定性を有する室温硬化性組成物である硬化性組成物に関
する。
【0002】また、本発明は、特に、比較的低温で硬化
し、プライマーを使用することなく金属およびプラスチ
ックなどの基材に接着性を示す接着性ポリオルガノシロ
キサン組成物である硬化性組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】硬化性組成物には、水分と接触して室温
で硬化するものや、加熱したり、紫外線を照射すると硬
化するもの等がある。
【0004】大気中の湿気と反応してゴム状に硬化する
重合体としては、たとえば、特公昭58−41291号
公報に記載されているようなポリエーテルが挙げられ
る。このようなポリエーテルは、末端にエーテル型アリ
ルオレフィン基を有するオキシアルキレン重合体をVII
I 族遷移金属の存在下で、加水分解性基を有するヒドロ
シリコン化合物と反応させることにより得られるポリエ
ーテルである。このようにして得られるポリエーテル
は、末端に加水分解性のシリル基を有するポリエーテル
であるが、本質的に接着性を有さず、シランカップリン
グ剤やチタンカップリング剤等の接着付与剤が必要であ
る。
【0005】このような末端に加水分解性シリル基を有
するポリエーテルに関しては、シランカップリング剤や
チタンカップリング剤等の配合により、アルミ等の金属
板に対し、ある程度の接着性を得ることができる。しか
しながら、エンジニアリングプラスチックや塩ビ鋼板等
の難接着基材に対しては、十分な接着性が得られていな
い。
【0006】室温で硬化し、ゴム状弾性体を生成するポ
リオルガノシロキサン組成物の中で、空気中の水分と接
触することにより縮合して硬化反応が生起するタイプの
ものは、使用直前に本体ベースポリマーや架橋剤、或い
は触媒を秤量したり、これらを混合したりする煩雑さが
無く、配合上のミスを生じることがない上、接着性に優
れているので、電気・電子工業などにおける弾性接着剤
やコーティング材として、また建築用シーリング材等と
して広く用いられている。このような組成物は、一般
に、分子末端が水酸基で閉塞されたシラノール基末端ポ
リジオルガノシロキサンに、分子中に2個を超える加水
分解性基を有する架橋剤等を配合したものであり、架橋
剤の種類に応じて、硬化の際に酢酸等のカルボン酸、有
機アミン、アミド、有機ヒドロキシルアミン、オキシム
化合物、アルコール、アセトンなどを放出する。
【0007】このうち、酢酸を放出するものは、接着性
および硬化性は極めて優れているが、その刺激臭のため
に環境衛生上の配慮が必要であり、また被着体が金属の
ときは、金属を錆びさせるため、防錆対策が必要である
などの問題がある。
【0008】また、長鎖カルボン酸放出型は刺激臭の問
題はないが、金属の発錆、特に浸水後の発錆を防ぐこと
が困難であった。同様に、脱アミン型は発生するアミン
の臭気と毒性に問題があり、脱ヒドロキシルアミン型、
脱オキシム型および脱アミド型は、金属に錆を生じさせ
やすいという問題があった。
【0009】さらに脱アセトン型のものは、硬化が速く
腐食性もないが、架橋剤の合成が難しく、また未硬化物
の保存中の黄変が甚だしいという問題があった。
【0010】これらに対して脱アルコール型のものは、
架橋剤であるアルコキシシランが安価に入手できるばか
りでなく、放出物質がメタノール、エタノールのような
アルコールなので揮散しやすく、臭気の問題がないとい
う利点がある。
【0011】しかし、その反面、硬化が遅いことおよび
保存中に系中に存在する微量の水により架橋剤が加水分
解して発生するアルコールがベースポリマーを切断する
ために保存安定性が悪いという難点があり、その克服が
要望されていた。
【0012】特に、接着剤、コーティング材などの目的
で室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を硬化せし
めてゴム状弾性体とすることが多く、現在、脱オキシム
型、脱アセトン型、脱アルコール型のものが用いられて
はいるが、それぞれの有する上述のような難点の改善が
望まれていた。
【0013】一方、末端の珪素原子にアルコキシ基の結
合したポリオルガノシロキサン、アルコキシシラン、硬
化触媒から成る1包装型の室温硬化性組成物が近頃見出
されている。これは末端が水酸基のポリオルガノシロキ
サンと比較し保存安定性が良好で硬化性も速いなどの特
徴を有している。
【0014】しかし、一般的に脱アルコール型のものは
他の脱酢酸型、脱オキシム型のものと比較し、接着性が
乏しく、保存安定性が劣るなどの問題を有している。し
かし、このような速硬化性の室温硬化性ポリオルガノシ
ロキサン組成物は、接着剤、コーティング材として有用
である。
【0015】一方、加熱により硬化する組成物として
は、付加反応型シロキサン組成物がある。これは、通
常、アルケニル基含有ポリオルガノシロキサン、ケイ素
原子に結合した水素原子を有するポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサンおよび付加反応用触媒から成ってい
る。該組成物は、加熱することにより、アルケニル基を
ヒドロシリル基との間で付加反応を起こし、その硬化物
であるシリコーンゴムになる。この際、該組成物は、硬
化時に反応副生成物を生じることなく、かつ内部まで均
一に硬化することなどの特徴を有し、しかも耐熱性およ
び電気絶縁性などに優れているため、電気・電子部品の
ポッティングやコーティングなどを中心に幅広く使用さ
れている。
【0016】しかしながら、上記のシロキサン組成物に
より得られたシリコーンゴムは、接着性を有さないため
に、該組成物を電気・電子部品のポッティングなどに用
いた場合、部品とシリコーンゴムの間に生じた間隙から
湿気が侵入し、これが原因で部品の腐食や絶縁不良を引
き起こすという欠点がある。そこで、従来から上記シロ
キサン組成物に種々の化合物を添加することにより、得
られるシリコーンゴムに接着性を付与する試みが行われ
ている。
【0017】このような方法として、ビニル基含有ポリ
オルガノシロキサンとヒドロシリル基含有ポリオルガノ
シロキサンの間の付加反応により、架橋をもたらし、硬
化を行う、いわゆる付加反応型シリコーンゴムに対し
て、第三成分としてケイ素原子に結合した水素原子とト
リアルコキシシリルアルキル基を有するポリシロキサン
を添加するもの(特開昭48−16952号公報)、ア
クリロキシアルキル基を有するシランまたはシロキサン
と有機過酸化物を添加するもの(特開昭50−2685
5号公報)、ケイ素原子にエポキシ基および/またはエ
ステル基ならびにケイ素原子に直結した水素原子を有す
るポリシロキサンを添加するもの(特開昭50−393
45号公報)があるが、いずれも電気・電子部品に用い
る各種基材に対して十分な接着性を示すに至っていな
い。
【0018】これらの不都合を改善すべく、第三成分と
してオキシシラン基、トリアルコキシシリル基およびヒ
ドロシリル基を有するポリオルガノシロキサンを添加す
る方法(特開昭53−33256号公報)が提案されて
おり、さらに70℃付近の低温加熱で硬化性、接着性を
得るべく、第三成分として、アルコキシシリルエステル
基含有シロキサン(ハイドロジェンシロキサンに(メ
タ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシラン付加反
応物)を添加することにより、70℃という低温加熱に
おいても接着性に優れた組成物が提案されている(特開
昭54−48853号公報)。
【0019】これらの方法により、接着性の優れた付加
反応型ポリオルガノシロキサン組成物が得られている
が、最近の電気・電子部品への用途では、より短時間で
接着性が発現する組成物が求められている。また、電気
・電子部品用途に使用されて基材も多様化し、さらに難
接着性を示すものが多くなってきている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、難接
着性基材に対しても十分な接着性を有し、かつ、環境上
の問題もなく、防錆性および保存安定性に優れ、短時間
で硬化する硬化性組成物が望まれていた。
【0021】本発明はかかる従来技術の問題点を解決
し、難接着性基材といわれるプラスチックに優れた接着
性を短時間で示し、かつ貯蔵安定性に優れる硬化性組成
物を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者は前述の従来技
術の問題点を解決すべき検討した結果、β−ジケトネー
ト基を含有する有機化合物と有効量のイソシアネートア
ルキル基を有する加水分解性シラン化合物を配合するこ
とにより、硬化性、保存安定性および接着性に優れた組
成物が得られることを見出した。
【0023】すなわち、本発明は、(A1)反応性珪素
基含有有機重合体100重量部、(B)硬化触媒0.5
〜25重量部、(C)β−ジケトネート基含有有機化合
物0.05〜20重量部および(D)イソシアネートア
ルキル基含有加水分解性シラン化合物0.2〜25重量
部を含有する硬化性組成物を提供する。
【0024】また、本発明は、(A2)珪素官能性ポリ
ジオルガノシロキサン100重量部、(B)硬化触媒
0.5〜15重量部、(C)β−ジケトネート基含有有
機化合物0.05〜20重量部および(D)イソシアネ
ートアルキル基含有加水分解性シラン化合物0.2〜2
5重量部を含有する硬化性組成物を提供する。
【0025】上述した2種類の硬化性組成物は、湿気の
存在しない密封条件下では優れた貯蔵安定性を有するも
のの、空気中の水分と接触すると、縮合して室温で即時
に硬化してゴム状弾性体を生じる室温硬化性組成物であ
る。これらの室温硬化性組成物はプラスチック等の難接
着性基材に対しても良好な接着性を示す。
【0026】さらに、本発明は、(A3)一般式:R1
a 2 b SiO{4-(a+b)}/2 ………(I)(式中、R1
はアルケニル基、R2 は脂肪族不飽和結合を含まない置
換または非置換の1価の炭化水素基、aは1および2か
ら選ばれた数、bは0,1および2から選ばれた数で、
a+bが1、2および3から選ばれた数を示す)で表わ
される単位を分子中に少なくとも2個有するポリオルガ
ノシロキサン100重量部、(A4)一般式:R3 c
d SiO{4-(c+d)}/2 ………(II)(式中、R3 は置換
または非置換の1価の炭化水素基、cは0、1および2
から選ばれた数、dは1および2から選ばれた数で、c
+dが1、2および3から選ばれた数を示す)で表され
る単位を有し、かつケイ素原子に結合した水素原子を分
子中に少なくとも3個有するポリオルガノハイドロジェ
ンシロキサンを(A3)のポリオルガノシロキサンのR
1 1個に対してケイ素原子に結合した水素原子に結合し
た水素原子の量が0.5〜4.0個になるような量、
(C)β−ジケトネート基含有有機化合物0.05〜1
0重量部、(D)イソシアネートアルキル基含有加水分
解性シラン化合物0.2〜20重量部、(F)触媒量の
白金系、パラジウム系またはロジウム系化合物(A3)
成分と(A4)成分の合計量に対して金属として0.1
〜1000ppm を含有する硬化性組成物を提供する。
【0027】以下、本発明について詳細に説明する。
【0028】本発明に使用できる(A1)成分の反応性
珪素基含有有機重合体とは、特に限定されるものではな
いが、代表的なものを示すと、例えば、特開昭50−1
56599号、同54−6096号、同57−1268
23号、同59−78223号、同55−137129
号、同62−230822号、同63−83131号、
特開平3−47825号、同3−72527号、同3−
122152号、同5−70531号、米国特許第3,
632,557号、同4,345,053号、同4,3
66,307号、同4,960,844号に開示されて
いるものが例示できる。
【0029】本発明の(A1)反応性珪素基含有有機重
合体は、主鎖が、本質的に、式(1):−R1 −O−
(式中、R1 は炭素数2〜4個の2価のアルキレン基)
で示される化学的に結合された繰り返し単位を含み、か
つ分子末端に反応性珪素基を有するポリオキシアルキレ
ン重合体である。
【0030】本発明でいう反応性珪素基は特に限定され
るものではないが、代表的なものを示すと、例えば、下
記一般式(2)で表わされる基が挙げられる。
【0031】
【化1】 式中、R1 およびR2 は、いずれも炭素数1〜20のア
ラルキル基または(R’)3 SiO−で示されるトリオ
ルガノシロキシ基を示し、R1 またはR2 が2個以上存
在するとき、それらは同一であってもよく、異なってい
てもよい。ここでR’は炭素数1〜20の1価の炭化水
素基であり、3個のR’は同一であってもよく、異なっ
ていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、
Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよ
く、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、
bは0、1または2をそれぞれ示す。また、m個の基
【化2】 におけるbは基により異なっていてもよい。mは0〜1
9の整数を示す。ただし、a+Σb≧1を満足するもの
とする。
【0032】上記Xで示される加水分解性基は特に限定
されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的
には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ
基、アシルオキシ基、ケトキシノート基、アミノ基、ア
ミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、
アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、
水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメ
ート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカ
プト基およびアルケニルオキシ基が好ましいが、加水分
解性が穏やかで取り扱いやすいという観点からメトキシ
基等のアルコキシ基が好ましい。
【0033】この加水分解性基や水酸基は1個の珪素原
子に1〜3個結合することができ、(a+Σb)は1〜
5であるのが好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性
珪素基中に2個以上存在する場合には、それらは同一で
あってもよく、異なっていてもよい。
【0034】反応性珪素基中に、珪素原子は1個あって
もよく、2個以上あってもよいが、シロキサン結合等に
より珪素原子の連結された反応性珪素基の場合には、2
0個程度あってもよい。
【0035】なお、下記一般式(3)で表わされる反応
性基が、入手の点から好ましい。
【0036】
【化3】 (式中、R2 、X、aは前記と同じ。)また、上記一般
式におけるR1 およびR2 の具体例としては、例えば、
メチル基、エチル基などのアルキル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基、フェニル基などのアリール
基、ベンジル基などのアラルキル基、R’がメチル基や
フェニル基などである(R’)3 SiO−で示されるト
リオルガノシロキシ基が特に好ましい。
【0037】上記に例示した反応性基含有有機重合体中
でも主鎖が炭素数1〜4のポリオキシアルキレンで加水
分解性シリコン官能基がジメトキシメチルシリル基−S
i(CH3 )(OCH3 2 −を有する反応性珪素基含
有有機重合体であることが特に好ましい。
【0038】反応性珪素基はオキシプロピレン重合体1
分子中に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在
するのがよい。重合体1分子中に含まれる反応性珪素基
の数が、1個未満になると、硬化性が不十分になり、良
好なゴム弾性挙動を発現しにくくなる。
【0039】反応性珪素基はオキシプロピレン重合体分
子鎖の末端に存在してもよく、内部に存在してもよい。
反応性珪素基が分子鎖の末端に存在すると、最終的に形
成される硬化物に含まれるオキシプロピレン重合体成分
の有効網目鎖量が多くなるため、高強度、高伸張で、低
弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。
【0040】本発明の重合体における重合主鎖を構成す
るオキシプロピレン重合体は、下記一般式(4)
【化4】 で示される繰り返し単位を含有するものである。このオ
キシプロピレン重合体は、直鎖状であっても分岐状であ
ってもよく、あるいは、これらの混合物であってもよ
い。また、他の単量体単位が含まれていてもよいが、一
般式(4)に表わされる単量体単位が重合体中に50%
以上、好ましくは80%以上存在することが好ましい。
【0041】本発明の(A1)反応性珪素基含有有機基
重合体の平均分子量は、500〜100,000、好ま
しくは1,000〜50,000である。
【0042】なお、反応性珪素基を導入すると、分子量
分布は、導入前の重合体に比較し広がる傾向にあるの
で、導入前の重合体の分子量分布はできるだけ狭いこと
が好ましい。
【0043】また、本発明の(A1)反応性珪素基含有
有機基重合体の粘度は、20〜12000cP、好まし
くは50〜100,000cPである。
【0044】反応性珪素基の導入は公知の方法で行えば
よい。すなわち、例えば、以下の方法が挙げられる。
【0045】(1)末端に水酸基等の官能基を有するオ
キシプロピレン重合体に、この官能基に対して反応性を
示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応さ
せ、次いで、得られた反応生成物に加水分解性基を有す
るハイドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
【0046】(2)末端に水酸基、エポキシ基やイソシ
アネート基等の官能基(以下、Y官能基という)を有す
るオキシプロピレン重合体に、このY官能基に対して反
応性を示す官能基(以下、Y’官能基という)および反
応性珪素基を有する化合物を反応させる。
【0047】このY’官能基を有する珪素化合物として
は、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等
のようなアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチリ
ジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類;
ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン
類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等の塩素原
子含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエト
キシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシ
シラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシ
シラン等のイソシアネート基含有シラン類;メチルジメ
トキシシラン、トリメトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン等のハイドロシラン類等が具体的に例示される
が、これらに限定されるものではない。
【0048】以上の方法の中でも、末端に水酸基を有す
る重合体とイソシアネート基および反応性珪素基を有す
る化合物を反応させる方法が好ましい。
【0049】また、本発明を構成する(A2)成分は、
分子鎖末端に加水分解性基としてアルコキシ基を有する
ポリオルガノシロキサンであり、
【化5】 (式中、R1 はたがいに同一でも異なっていてもよい置
換または非置換の1価の炭化水素基を表し、R2 は−O
SiR3 3-p p を表し、R3 はたがいに同一でも異な
っていてもよい置換または非置換の1価の炭化水素基を
表し、Xは加水分解性基であるアルコキシ基を表し、p
は1〜8の数であり;nは該(A2)成分の25℃にお
ける粘度を20〜1,000,000cPにする数であ
る。)で示される、実質的に直鎖状のポリオルガノシロ
キサンであり、その末端基R2 は、ケイ素官能基Xを少
なくとも1個有するケイ素官能性シロキシ単位である。
すなわち、該(A2)成分は、分子の両末端に、上記の
ケイ素官能性基Xをそれぞれ少なくとも1個有する。
【0050】R1 としては、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ぺンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、
ドデシルのようなアルキル基;ビニル、アリルのような
アルケニル基;フェニル、トリル、キシリルのようなア
リール基;2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル
のようなアラルキル基が例示され;さらにこれらの炭化
水素基の水素原子の一部が他の原子または基で置換され
たもの、すなわちクロロメチル、3−クロロプロピル、
3,3,3−トリフルオロプロピルのようなハロゲン化
アルキル基;3−シアノプロピルのようなシアノアルキ
ル基などの置換炭化水素基が例示される。
【0051】これらのうち、合成が容易で、(A2)成
分が分子量の割に低い粘度を有し、硬化前の組成物に良
好な押出し性を与えることと、硬化後の組成物に良好な
物理的性質を与えることから、全有機基の85%以上が
メチル基であることが好ましく、実質的にすべての有機
基がメチル基であることが好ましい。
【0052】一方、特に耐熱性、耐放射線性、耐寒性ま
たは透明性を付与する場合は、R1の一部として必要量
のフェニル基を、耐油性、耐溶剤性を付与する場合は、
1の一部として3,3,3−トリフルオロプロピル基
や3−シアノプロピル基を、また塗装適性を有する表面
を付与する場合は、R1 の一部として長鎖アルキル基や
アラルキル基を、それぞれメチル基と併用するなど、目
的に応じて任意に選択できる。
【0053】末端基R2 のケイ素原子に結合するR3
たがいに同一でも異なっていてもよく、またR1 と同一
でも異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化
水素基であり、R1 と同様なものが例示される。合成が
容易で、Xの反応性が優れていることから、メチル基ま
たはビニル基が好ましい。
【0054】Xは末端基R2 に少なくとも1個存在する
ケイ素官能基、すなわち加水分解性基であるアルコキシ
基である。このようなXとしては、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシ基のようなアルコキシ基;2
−メトキシエトキシ、2−エトキシエトキシのような置
換アルコキシ基;イソプロペノキシ基のようなエノキシ
基などの加水分解性基が例示され、たがいに同一でも異
なっていてもよい。合成の容易さ、硬化前の組成物の物
性、保存中の安定性、硬化性、経済性および広範囲の用
途に用いられることから、アルコキシ基が好ましい。
【0055】末端基R2 におけるケイ素官能基Xの数p
は、1〜3である。Xが加水分解性基のものは、たとえ
ば、末端に水酸基を有するポリオルガノシロキサンに、
2個以上の任意の加水分解性基を有するシランを縮合さ
せることによって合成できる。この場合、該シランの加
水分解性基はこの縮合反応によって1個が消費されるの
で、反応によって得られたポリオルガノシロサンの末端
基R2 におけるXの数pは、用いられた加水分解性基含
有シランが有していたXの数よりも1個少ない。 ま
た、硬化前の組成物に適度の押出し性を付与するととも
に、硬化後のゴム状弾性体に優れた機械的特性を与える
ために、(A2)成分のnは、該(A2)の25℃にお
ける粘度が20〜1000,000cPになるように選
択される。該粘度が20cP未満では硬化後のゴム状弾
性体の伸びが十分でなく、一方、1,000,000c
Pを超えると均一な組成物が得にくく、押出し作業性も
低下する。特に好ましい粘度は、硬化前および硬化後の
組成物に要求される性質を調和させることから、500
〜200,000cPの範囲である。
【0056】このような(A2)成分のうち、Xが加水
分解性基であり、pが平均1を超える数(すなわち、分
子中に平均2を超える数のXを有する)のものをベース
ポリマーとして用いる場合には、(A2)成分中の該X
が架橋手段となり、架橋剤がなくても架橋反応が進行
し、硬化してゴム状弾性体を生ずる。この場合、好まし
いXはメトキシのようなアルコキシ基;アセトキシのよ
うなアシロキシ基;およびメチルエチルケトキシマト基
である。このようなベースポリマーを用いることは、硬
化前の組成物を安定化させるとともに、優れた硬化性を
与えるために好ましい。
【0057】本発明に用いられる(A3)成分のポリオ
ルガノシロキサンは、上記一般式(I)で示される単位
を分子中に有するものであり、その構造は、直鎖状もし
くは分岐状のいずれでもよく、またこれらの混合物であ
っても構わない。
【0058】前記一般式(I)におけるR1 が表すアル
ケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル
基、1−ヘキセニル基などが例示されるが、合成の容易
さからビニル基が最も有利である。
【0059】R2 の脂肪族不飽和結合を含まない置換ま
たは非置換の一価炭化水素基およびR1 、R2 以外にシ
ロキサン単位のケイ素原子に結合する有機基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、ドデシル基などのアルキル基;フェニル基のような
アリール基;2−フェニルプロピル基のようなアラルキ
ル基が例示され、さらに、クロロメチル基、3,3,3
−トリフルオロプロピル基などの置換炭化水素基も例示
される。これらのうち、合成が容易であり、しかも硬化
後に良好な機械的性質を保有し、かつ硬化前の低い粘度
を保持するという点から、メチル基が最も好ましい。
【0060】また、組成物がポッティング、被覆、含浸
などに用いるのに好ましい性質、特に硬化前においては
適度な流れ性を有し、硬化後においては優れた機械的性
質を得るためには、その25℃における粘度が、20〜
100、000cPであり、好ましくは100〜10、
000cPである。粘度が50cP未満の場合は硬化後
に十分な伸びや弾性が得られず、100、000cPを
越える場合には注型やポッティングその他の作業におけ
る作業性が著しく低下する。ただし、室温で硬化させる
接着剤として用いる場合には、100、000cPを越
えるものであっても何ら問題はない。
【0061】本発明に用いられる(A4)成分のポリオ
ルガノハイドロジェンシロキサンは、上記一般式(II)
におけるR3 およびその他のシロキサン単位のケイ素原
子に結合した置換または非置換の一価炭化水素基として
は、前述の(A3)成分における一般式(I)中のR2
と同様のものが例示されるが、合成が容易であるという
点からメチル基が最も好ましい。
【0062】かかるポリオルガノハイドロジェンシロキ
サンとしては、その構造は、直鎖状、分岐状もしくは環
状のいずれであってもよく、またこれらの混合物であっ
てもよいが、特に下記の化合物が好ましい。
【0063】(CH3 2 HSiO1/2 単位とSiO2
単位から成り、ケイ素原子に結合した水素原子の含有量
が0.3〜1.2重量%の範囲である分岐状ポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサン。
【0064】
【化6】 (ただし、pは3〜100、qは0〜100の数を表
す)で示され、ケイ素原子に結合した水素原子の含有量
が0.5〜1.6重量%の範囲である直鎖状ポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサン。
【0065】
【化7】 (ただし、pは1〜100、qは0〜100の数を表
す)で示され、ケイ素原子に結合した水素原子の含有量
が0.5〜1.6重量%の範囲である直鎖状ポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサン。
【0066】(A4)成分の配合量は、(A3)成分中
のR1 基1個に対し、(A4)成分のケイ素原子に結合
した水素原子の数が0.5〜4.0個となる量であり、
好ましくは1.0〜3.0個となる量である。(A4)
成分の配合量が前記配合量より少なすぎると、組成物の
硬化が十分に進行しない。
【0067】本発明の(B)成分の硬化触媒は、(A
1)または(A2)成分自体の架橋手段として含有され
るX同士、および/または(A1)または(A2)成分
のXと架橋剤のYとを、水分の存在下に反応させて架橋
構造を形成させ、ゴム状弾性体を得るための硬化触媒で
ある。
【0068】このような(B)成分としては、鉄オクト
エート、マンガンオクトエート、亜鉛オクトエート、ス
ズナフテート、スズカプリレート、スズオレートのよう
なカルボン酸金属塩;ジブチルスズジアセテート、ジブ
チルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、
ジブチルスズジオレート、ジフェニルスズジアセテー
ト、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキサイド、
ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ、ジオクチ
ルスズジラウレート、オクチル酸スズ、ジブチルスズオ
キサイドとフタル酸エステルとの反応物、ジブチルスズ
アセチルアセトナートのような有機スズ化合物;テトラ
エトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブト
キシチタン、テトラ(イソプロポキシ)チタン、1,3
−プロポキシチタンビス(エチルアセチルアセテート)
のようなアルコキシチタン類;アルミニウムトリスアセ
チルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトア
セテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセト
アセテート、トリエトキシアルミニウムなどの有機アル
ミニウム;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、
テトライソプロポキシジルコニウムテトラブトキシジル
コニウム、トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネ
ート、トリブトキシジルコニウムステアレートなどの有
機ジルコニウム化合物;ブチルアミン、オクチルアミ
ン、ラウソルアミン、ジブチルアミン、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレ
イルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、
ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、
トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニ
ジン、2,4,8−トリス(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エ
チル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)などのアミ
ン系化合物;あるいはこれらアミン系化合物のカルボン
酸塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分
子量アミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物と
の反応生成物;7−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、y−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β
−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメト
キシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤;
などのシラノール縮合触媒、さらには他の酸性触媒、塩
基性触媒などの公知のシラノール触媒等が例示される。
これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用し
てもよい。微量の存在で大きな触媒能を持つことより、
有機錫化合物およびアルコキシチタン類が好ましい。
【0069】(B)成分の硬化触媒の配合量は、(A
1)または(A2)成分100重量部あたり0.05〜
25重量部、好ましくは0.1〜l0重量部である。
0.05重量部未満では、硬化触媒として十分に作用せ
ず、硬化に長い時間がかかるばかりでなく、特に空気と
の接触面から遠いゴム層の深部における硬化が不十分と
なる。25重量部を超えると、硬化時に局部的に発熱や
発泡が生じ、良好な硬化物が得られにくくなるばかり
か、その配合量に見合う効果がなく、無意味であり、経
済的にも不利益である。
【0070】本発明の(C)成分のβ−ジケトネート基
を有する有機化合物は、下記の一般式
【化8】 (式中、R5 はたがいに同一でも異なっていてもよい置
換または非置換の1価の炭化水素基を表し、R6 はたが
いに同一でも異なっていてもよい置換または非置換の1
価の炭化水素基および/または−OR7 ( R7 はたがい
に同一でも異なつていてもよい置換または非置換の1価
の炭化水素基を表す。)で示される。R5、R6 および
7 としては、有機基R1 と同様な基を例示することが
でき、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ぺンチル、
ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルのようなアルキ
ル基;ビニル、アリルのようなアルケニル基;フェニ
ル、トリル、キシリルのようなアリール基;2−フェニ
ルエチル、2−フェニルプロピルのようなアラルキル基
が例示され;さらにこれらの炭化水素基の水素原子の一
部が他の原子または基で置換されたもの、すなわちクロ
ロメチル、3−クロロプロピル、3,3,3−トリプル
オロプロピルのようなハロゲン化アルキル基;3−シア
ノプロピルのようなシアノアルキル基などの置換炭化水
素基が例示される。これらのうち、接着への効果、組成
物の硬化性、安定性および入手のしやすさから、メチル
基、エチル基、ブチル基またはオクチル(2−エチルヘ
キシル基)が好ましい。具体的には、アセチルアセト
ン、エチルアセチルアセテート、ブチルアセチルアセテ
ート、オクチルアセチルアセテート(2−エチルヘキシ
ルアセチルアセテート)ブチル、ブチロイルアセトン、
オクチロイルアセトン等が例示される。 (C)成分の
β−ジケトネート基を有する有機化合物の配合量は、
(A1)、(A2)または(A3)および(A4)成分
100重量部あたり、0.05〜20重量部、好ましく
は0.1〜10重量部である。0.05重量部未満では
十分な接着力が得られず、10重量部を越える場合で
は、硬化して得られる弾性体の機械的性質が劣るからで
ある。
【0071】(D)成分のイソシアネートアルキル基含
有加水分解性シラン化合物は、(C)成分と併用するこ
とにより、本発明の組成物に優れた保存安定性および接
着性を付与する、本発明において特徴的な成分である。
このような(D)成分としてはケイ素原子にイソシアネ
ートアルキル基が直接結合した3−イソシアネートプロ
ピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピル
メチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピト
リエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチル
ジエトキシシランが例示される。
【0072】(D)成分のイソシアネートアルキル基含
有加水分解性シラン化合物の配合量は、(A1)、(A
2)または(A3)および(A4)成分100重量部あ
たり、0.2〜25重量部、好ましくは0.5〜10重
量部である。0.2重量部未満では十分な接着力が得ら
れず、20重量部を越える場合、得られる弾性体の機械
的性質が劣るとともに、硬化性が低下し、表面に粘着性
が残るなどの不具合を生じる。
【0073】(C)成分のβ−ジケトネート基を有する
有機化合物と(D)成分のイソシアネ一トアルキル基含
有加水分解性シラン化合物は、本発明のポリオルガノシ
ロキサン組成物を自己接着性にする、本発明の必須成分
である。
【0074】また、(A2)成分が上記以外のとき、す
なわち、pが1である場合、架橋手段として(E)架橋
剤を配合する。
【0075】(E)架橋剤としては、水および硬化触媒
の存在下に(A1)または(A2)成分中のケイ素官能
性基Xと反応し、組成物を硬化させるためのケイ素官能
性基を有するケイ素化合物および/またはその部分加水
分解縮合物が用いられる。該架橋剤は、一般式:R4
4-q SiYq (式中、R4 はたがいに同一でも異なって
いてもよい置換または非置換の1価の炭化水素基を表
し、Yは加水分解性基を表し、qは平均2を超え、4以
下の数である)で示される。R4 としては、(A1)ま
たは(A2)成分のケイ素原子に直接結合した有機基R
1 と同様な基を例示することができ、入手のしやすさ
と、優れた架橋反応速度が得られるとから、メチル基ま
たはビニル基が好ましい。
【0076】また、加水分解反応性基Yとしては、(A
1)または(A2)成分の末端基に存在するXとして挙
げられたものと同様のものが例示される。
【0077】このような(E)架橋剤の例としては、テ
トラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシ
ランおよびそれらの部分加水分解縮合物のようなアルコ
キシ基含有化合物;テトラキス(2−エトキシエトキ
シ)シラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シ
ラン、ビニルトシル(2−エトキシエトキシ)シラン、
フェニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランおよび
それらの部分加水分解縮合物のような置換アルコキシ基
含有化合物;メチルトリイソプロペノキシシラン、ビニ
ルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリイソプロ
ペノキシシラン、ジメチルジイソプロペノキシシラン、
メチルビニルジイソプロペノキシシランおよびそれらの
部分加水分解縮合物のようなエノキシ基含有化合物など
が例示される。これらのうち、qが2であるシランは、
qが3または4であるシランと併用される。
【0078】これらのうち、合成が容易で、組成物の保
存安定性を損なうことなく、しかも大きな架橋反応速
度、したがって大きな硬化速度を与えることを考慮する
と、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
メチルトリス(イソプロペノキシ)シラン、ビニルトリ
ス(イソプロペノキシ)シラン、およびそれらの部分加
水分解縮合物を用いることが好ましい。
【0079】(E)架橋剤の配合量は、(A1)または
(A2)成分100重量部に対して、通常、0.5〜2
5重量部であり、好ましくは2〜10重量部である。
0.5重量部未満では架橋が十分に行われず、硬度の低
い硬化物しか得られないばかりでなく、架橋剤を配合し
た組成物の保存安定性が悪い。一方、25重量部を超え
て配合すると、保存中にその一部が系より分離し、硬化
の際に著しい収縮を生じ、得られたゴム状弾性体の物性
が低下する。
【0080】なお、前述の、(A2)成分として、Xが
加水分解性基で、pが平均1を超えるものを用いる場合
は、前述のように、基本的には(E)架橋剤がなくても
硬化が可能であるが、このような場合においても、組成
物の硬化性と、硬化して得られるゴム状弾性体の機械的
性質とをバランスよく具現するために、架橋手段とし
て、上記の(E)架橋剤を併用することが好ましく、加
水分解性基YがXと同じである(E)架橋剤を用いるこ
とがより好ましい。この場合の(E)架橋剤の配合量
は、(A1)または(A2)成分100重量部に対し
て、通常、0.1〜25重量部であり、好ましくは0.
8〜10重量部である。25重量部を超えて配合する
と、先に述べたような現象を生ずる。
【0081】(F)成分の白金系、ロジウム系、パラジ
ウム系化合物は、前記(A3)成分と(A4)成分の付
加反応触媒として、本発明の組成物を硬化させるために
用いられる触媒である。これには塩化白金酸、アルコー
ル変性塩化白金酸、白金とオレフィンとの錯体、白金と
ケトン類との錯体、白金とビニルシロキサンとの錯体、
アルミナまたはシリカなどの担体に白金を保持させたも
の、白金黒などで例示される白金系化合物;テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウム黒
とトリフェニルホスフィンとの混合物などで例示される
パラジウム系化合物;あるいはロジウム系化合物などが
使用できる。これらのうち、塩化白金酸または白金とオ
レフィン類の錯体をアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、
エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤などに溶解したものを
使用することが好ましい。また、固体状のものは分散を
よくするために細かく粉砕する必要があり、使用する担
体も粒径が小さく、比表面積の大きいものが好ましい。
【0082】この(F)成分は触媒としての必要量が用
いられるが、この量は(A3)成分に対し、白金、パラ
ジウム、ロジウムの各元素量に換算して0.1〜100
0ppm となる範囲であり、好ましくは0.5〜200pp
m の範囲である。0.1ppm未満では触媒濃度が低いた
め、硬化が不十分となる。他方(F)成分は貴金属を含
み一般に高価であるから多量の添加は経済性が悪くなる
し、また1000ppmより多くしても意味がなく、さら
に耐熱性が悪くなるために、このような範囲が一応画定
される。
【0083】本発明の組成物に、必要に応じて、さらに
無機質を添加することにより、例えば、シーリング材、
接着剤、現場形成ガスケット等、その用途に適した流れ
性、硬化後の硬さ、引張強さ、伸び、モジュラスなどを
与えることができる。このような無機質充填剤として
は、通常、煙霧質シリカ、焼成シリカ、シリカエアロゲ
ル、沈降シリカ、けいそう土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化
チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜
鉛、カーボンブラックおよびこれらの表面をオルガノク
ロロシラン類、ポリオルガノシロキサン類、ヘキサメチ
ルジシラザンなどで疎水化したもの、ならびにけいそう
土、粉砕シリカ、アルミノケイ酸、酸化亜鉛、酸化アル
ミニウム、炭酸カルシウム、有機酸表面処理炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、珪酸カルシウム、タルク、酸
化第二鉄のような非補強性充填剤が例示され、硬化して
得られるゴム状弾性体に必要な物性に応じて選択され
る。
【0084】例えば、透明性が要求される場合には、煙
霧質シリカを用いることが好ましく、建築用シーリング
材として、特に低いモジュラスを有することが要求され
る場合には、これらのうち非補強性充填剤を用いること
が好ましい。また、必要により適当な顔科、染料、接着
助剤、防カビ剤、耐熱性向上剤、難燃剤または酸化防止
剤を添加することができる。さらに本発明を実施するに
際し、用途によっては本発明の組成物をトルエン、キシ
レンなど適当な有機溶剤に分散ないし溶解させてもよ
い。上記の補強性充填剤の量が少なすぎると、機械的特
性の向上の効果がほとんど現れず、逆に多すぎる場合に
は、モジュラスが大きくなり、破断時の伸びが小さくな
る。従って、これらの充填剤の添加量は、(A1)、
(A2)、または(A3)および(A4)100重量部
に対して1〜200重量部の範囲が好ましく、5〜10
0重量部がより好ましい。
【0085】さらに、本発明の組成物には、目的に応じ
て、顔料、チクソトロピー性付与剤、押し出し作業性を
改良するための粘度調整剤、ジオクチルフタレートのよ
うな可塑剤、紫外線吸収剤、防黴剤、耐熱向上剤、難燃
化剤など、各種の添加剤を加えても良い。
【0086】本発明の組成物を保存する場合には、(A
3)成分の一部および(F)成分と、(A3)成分の残
部、(A4)成分、(C)成分および(D)成分を別々
に保存することが好ましい。
【0087】本発明の組成物は、以上の全ての成分およ
び必要に応じて各種添加剤を、湿気を遮断した状態で混
合することにより得られる。得られた組成物は、密閉容
器中でそのまま保存し、使用時に空気中の水分に曝すこ
とによってはじめて硬化する、いわゆる1包装型室温硬
化性組成物として使用することができる。また、本発明
の組成物を、例えば架橋剤と硬化触媒を分けた組成物と
して調製し、適宜2〜8個の別々の容器に分けて保存
し、使用時にこれらを混合する、いわゆる多包装型室温
硬化性組成物として使用することもできる。
【0088】
【発明の実施の形態】以下において実施例をあげ、本発
明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。なお、実施例中、部とあるのはい
ずれも重量部を表し、粘度などの物性値はすべて25
℃、相対湿度(RH)60%での値を示す。
【0089】[実施例1]全末端の95%にメチルジメ
トキシシリル基を含有する平均分子量16000の線状
ポリオキシプロピレン(A1)100重量部に、脂肪酸
処理軽質炭酸カルシウム50部を添加し均一に混合し
た。次にメチルトリメトキシシラン(E)2.0部、ア
セチルアセトン(C)0.5部、3−イソシアネートプ
ロピルトリメトキシシラン(D)1.5部およびジブチ
ルビス(トリエトキシシロキシ)スズ(B)1.5部を
加え、湿気遮断下にて均一に混合し組成物1を得た。
【0090】[比較例1〜3]実施例1と同様の操作に
て、全末端の95%にメチルジメトキシシリル基を含有
する平均分子量16000の線状ポリオキシプロピレン
100重量部に、脂肪酸処理軽質炭酸カルシウム50部
を添加し均一に混合した。次にメチルトリメトキシシラ
ン2.0部およびジブチルビス(トリエトキシシロキ
シ)スズ0.5部を加え、湿気遮断下にて均一に混合し
比較組成物1を得た。また、メチルトリメトキシシラン
2.0部、アセチルアセトン0.5部およびジブチルビ
ス(トリエトキシシロキシ)スズ0.5部を加え、湿気
遮断下にて均一に混合し比較組成物2を得た。同様にメ
チルトリメトキシシラン2.0部、3−イソシアネート
プロピルトリメトキシシラン1.5部およびジブチルビ
ス(トリエトキシシロキシ)スズ1.5部を加え、湿気
遮断下にて均一に混合し比較組成物3を得た。
【0091】[実施例2]全末端の98%にメチルジメ
トキシシリル基を含有する平均分子量7000の線状ポ
リオキシプロピレン(A1)100重量部に、脂肪酸処
理軽質炭酸カルシウム40部、重質炭酸カルシウム10
重量部を添加し均一に混合した。次にメチルトリメトキ
シシラン(E)2.0部、エチルアセチルアセテート
(C)0.8部、3−イソシアネートプロピルトリメト
キシシラン(D)1.5部およびジブチルスズジラウレ
ート(B)0.5部を加え、湿気遮断下にて均一に混合
し組成物2を得た。
【0092】[実施例3]全末端の96%にメチルジメ
トキシシリル基を含有する平均分子量80000の線状
ポリオキシプロピレン(A1)100重量部に、脂肪酸
処理軽質炭酸カルシウム80部を添加し均一に混合し、
さらにジオクチルフタレート30重量部を添加し均一に
混合した。次にメチルトリメトキシシラン(E)2.0
部、オクチロイルアセトン(C)2.0部、3−イソシ
アネートプロピルトリメトキシシラン(D)2.0部お
よびテトラ(イソプロポキシ)チタン(B)1.5部を
加え、湿気遮断下にて均一に混合し組成物を得た。
【0093】[実施例4]粘度20,000cPのα,
ω−ビス(メチルジメトキシシロキシ)ポリジメチルシ
ロキサン(A2)100部に、オクタメチルシクロテト
ラシロキサンで表面を処理した比表面積200m2 / g
の煙霧質シリカ15部を添加し均一に混合した。次にメ
チルトリメトキシシラン(E)2.0部、アセチルアセ
トン(C)0.5部、3−イソシアネートプロピルトリ
メトキシシラン(D)l.5部およびジブチルビス(ト
リエトキシシロキシ)スズ(B)0.5部を加え、湿気
遮断下にて均一に混合し組成物4を得た。
【0094】[比較例4〜6]実施例1と同様の操作に
て、粘度20,000cPのα,ω−ビス(メチルジメ
トキシシロキシ)ポリジメチルシロキサン100部に、
オクタメチルシクロテトラシロキサンで表面を処理した
比表面積200m2 / gの煙霧質シリカ15部を添加し
均一に混合した。次にメチルトリメトキシシラン2.0
部およびジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ
0.5部を加え、湿気遮断下にて均一に混合し比較組成
物4を得た。また、メチルトリメトキシシラン2.0
部、アセチルアセトン0.5部およびジブチルビス(ト
リエトキシシロキシ)スズ0.5部を加え、湿気遮断下
にて均一に混合し比較組成物5を得た。同様にメチルト
リメトキシシラン2.0部、α−イソシアネートプロピ
ルトリメトキシシラン1.5部およびジブチルビス(ト
リエトキシシロキシ)スズ0.5部を加え、湿気遮断下
にて均一に混合し比較組成物6を得た。
【0095】[実施例5]粘度20,000cPのα,
ω−ビス(トリメトキシシロキシ)ポリジメチルシロキ
サン(A2)100部に、比表面積200m2 / gの煙
霧質シリカ15部を添加し均一に混合した。次にメチル
トリメトキシシラン(E)2.0部、エチルアセチルア
セテート(C)0.8部、3−イソシアネートプロピル
トリメトキシシラン(D)1.5部およびジブチルスズ
ジラウレート(B)0.5部を加え、湿気遮断下にて均
一に混合し組成物5を得た。
【0096】[実施例6]粘度20,000cPのα,
ω−ビス(メチルジメトキシシロキシ)ポリジメチルシ
ロキサン(A2)100部に、オクタメチルシクロテト
ラシロキサンで表面を処理した比表面積200m2 / g
の煙霧質シリカ15部を添加し均一に混合した。次にメ
チルトリメトキシシラン(E)2.0部、オクチロイル
アセトン(C)1.8部、3−イソシアネートプロピル
トリメトキシシラン(D)1.8部およびテトラブトキ
シチタン(B)1.5部を加え、湿気遮断下にて均一に
混合し組成物6を得た。
【0097】実施例1〜6および比較例1〜6において
調製し、密封して保存した組成物について、次のような
評価を行った。
【0098】(a)指触乾燥時間:組成物を20℃、6
0%RHの雰囲気中に押し出して、指で表面に接触して
乾燥状態にあることを確認するに至る時間を測定した。
【0099】(b)物理的特性:組成物を厚さ2mmの
シート状に押し出し、25℃、60%RHで168時間
故置し、空気中の湿気により硬化させて、その物理的性
質(JIS A硬度、引張り強さおよび伸び)をJIS
K 6301-1995 により測定した。
【0100】(c)保存安定性:湿気を遮断した容器に
組成物を入れて、70℃にて5日間加熱した後、指触乾
燥時間を20℃、60%RHの雰囲気下で測定した。ま
た、厚さ2mmのシート状に押し出し、25℃、60%
RHで168時間放置し、空気中の湿気により硬化させ
て、その物理的性質をJIS K 6301-1995 によ
り測定した。
【0101】(d)比重:JIS C 2123により
測定した。
【0102】(e)剪断断接着力:図1に示す剪断接着
力試験体を作成し、20℃、60%RHで72時間、そ
の後50℃の加熱容器中で98時間放置し、空気中の湿
気により硬化させて、その剪断接着力および凝集破壊率
を測定した。
【0103】これらの結果を表1に示す。
【0104】
【表1】 [実施例7]粘度3000cPの分子鎖両末端がジメチ
ルビニルシリル基で封鎖されたポリジメチルシロキサン
(A3)100部、分子鎖両末端がトリメチルシリル基
で封鎖された粘度15cPのポリメチルハイドロジェン
シロキサン(A4)2部、粒径2μの粉砕シリカ50
部、酸化チタン5部、塩化白金酸イソプロピルアルコー
ル溶液を白金(F)として0.05部を均一に混合し、
組成物7を得た。この組成物240部にケイ素原子に結
合した水素原子と、エチルアセチルアセテート(C)
1.0部、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシ
ラン(D)2.0部を添加し、十分に混合して、実施例
7の組成物を得た。
【0105】[比較例7〜9]組成物7を用い、実施例
7と同様操作にて接着性付与のために何も添加しないも
の、
【化9】 およびエチルアセチルアセテート1.0部を各々添加し
た比較例7〜9の組成物を得た。
【0106】[実施例8]粘度3000cPの分子鎖両
末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されたポリジメチ
ルシロキサン(A3)82部、(CH3 3 SiO1/2
単位37モル%、SiO2 単位56モル%および(CH
2 =CH)CH3 SiO単位モル7%からなるポリオル
ガノシロキサン(A3)18部、分子鎖両末端がトリメ
チルシリル基で封鎖され、(CH3 3 SiO1/2 単位
42モル%、(CH3 )HSiO1/ 2 単位58モル%の
粘度20cPのポリメチルハイドロジェンシロキサン
(A4)4部、粒径5μの粉砕シリカ120部、シラザ
ンで表面処理した煙霧質シリカ10部、塩化白金酸イソ
プロピルアルコール溶液を白金(F)として0.05部
を均一に混合し、ベース組成物を得た。このべース組成
物240部に、エチルアセチルアセテート(C)1.2
部および3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラ
ン(D)2.2部を添加し、十分に混合して、実施例8
の組成物を得た。
【0107】[実施例9]同様に、このベース組成物2
40部にアセチルアセトン(C)0.8部、3−イソシ
アネートプロピルトリエトキシシラン(D)2.2部を
添加し、十分に混合して、実施例9の組成物を得た。
【0108】実施例7〜9、比較例7〜9のおいて調製
し、密封して保存した組成物について、接着力を試験し
た。
【0109】まず、得られた各組成物を、2枚のアルミ
ニウム板またはポリブチレンテレフタレート樹脂板の間
に流し込んだ。次いで、循環式硬化炉に入れて、アルミ
ニウム板の場合は120℃で6分間または60分間加熟
硬化させたもの、ポリブチレンテレフタレート樹脂板の
場合は100℃で10分間または60分間加熱硬化させ
たものをそれぞれ試験体とした。
【0110】得られた試験体について、2枚のアルミニ
ウム板またはポリブチレンテレフタレート樹脂板を、そ
れぞれ180°の方向に引っ張り、せん断接着力を測定
した。また、凝集破壊率も合わせて試験した。結果を表
2に示す。
【0111】
【表2】
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、湿気の存在しない密封
条件下では安定であり、空気中の水分と接触することに
より、室温で硬化してゴム状弾性体を生じ、難接着性と
いわれるプラスチック等の基材に対し優れた接着性を示
し、かつ貯蔵安定性に優れる室温硬化性組成物が得られ
る。
【0113】また、本発明によれば、比較的低温で硬化
し、プライマーを使用することなく金属およびプラスチ
ックなどの基材に接着性を示す接着性ポリオルガノシロ
キサン組成物である硬化性組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 剪断接着試験に供した試験体の斜視図。
【符号の説明】
1…試料、2…被着体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J005 AA04 BD05 BD08 4J034 CA01 CA12 CA32 CD15 DA01 DA03 DA07 DG02 DG04 DG32 DM01 HA04 HB16 KB02 LA12 RA07 4J035 BA01 CA02U CA021 CA05U CA052 CA061 CA082 CA102 CA132 CA14U CA141 CA152 CA18U CA182 CA192 CA262 EA01 GA07 GA08 GB05 LA05 LB02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β−ジケトネート基含有有機化合物とイソ
    シアネートアルキル基含有加水分解性シラン化合物を含
    有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 【請求項2】(A1)反応性珪素基含有有機重合体10
    0重量部、(B)硬化触媒0.5〜15重量部、(C)
    β−ジケトネート基含有有機化合物0.05〜20重量
    部、および(D)イソシアネートアルキル基含有加水分
    解性シラン化合物0.2〜25重量部を含有することを
    特徴とする硬化性組成物。
  3. 【請求項3】前記(A1)反応性珪素基含有有機重合体
    の主鎖が本質的に、式(1): −R1 −O− (式中、R1 は炭素数2〜4個の2価のアルキレン基)
    で示される化学的に結合された繰り返し単位を含み、か
    つ分子末端に反応性珪素基を有するポリオキシアルキレ
    ン重合体である請求項2記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】前記(A1)反応性珪素基が水酸基および
    /または加水分解性基である請求項3記載の硬化性組成
    物。
  5. 【請求項5】前記(A1)反応性珪素基の主鎖が本質的
    にポリオキシプロピレンである請求項4記載の硬化性組
    成物。
  6. 【請求項6】(A2)珪素官能性ポリジオルガノシロキ
    サン100重量部、(B)硬化触媒0.5〜15重量
    部、(C)β−ジケトネート基含有有機化合物0.05
    〜20重量部、および(D)イソシアネートアルキル基
    含有加水分解性シラン化合物0.2〜25重量部を含有
    することを特徴とする硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 さらに、(E)架橋剤0.1〜25重量
    部を含有することを特徴とする請求項2または6記載の
    組成物。
  8. 【請求項8】 (C)成分中に含まれるβ−ジケトネー
    ト基1個に対し、(D)成分中に含まれるイソシアネー
    ト基が1個またはそれ以上である請求項2または6記載
    の組成物。
  9. 【請求項9】(A3)一般式: R1 a 2 b SiO{4-(a+b)}/2 ………(I) (式中、R1 はアルケニル基、R2 は脂肪族不飽和結合
    を含まない置換または非置換の1価の炭化水素基、aは
    1および2から選ばれた数、bは0、1および2から選
    ばれた数で、a+bが1、2および3から選ばれた数を
    示す)で表わされる単位を分子中に少なくとも2個有す
    るポリオルガノシロキサン100重量部、(A4)一般
    式: R3 c d SiO{4-(c+d)}/2 ………(II) (式中、R3 は置換または非置換の1価の炭化水素基、
    cは0、1および2から選ばれた数、dは1および2か
    ら選ばれた数で、c+dが1、2および3から選ばれた
    数を示す)で表される単位を有し、かつケイ素原子に結
    合した水素原子を分子中に少なくとも3個有するポリオ
    ルガノハイドロジェンシロキサンを(A3)のポリオル
    ガノシロキサンのR1 1個に対してケイ素原子に結合し
    た水素原子に結合した水素原子の量が0.5〜4.0個
    になるような量、(C)β−ジケトネート基含有有機化
    合物0.05〜10重量部、(D)イソシアネートアル
    キル基含有加水分解性シラン化合物0.2〜20重量
    部、(F)触媒量の白金系、パラジウム系またはロジウ
    ム系化合物(A3)成分と(A4)成分の合計量に対し
    て金属として0.1〜1000ppmを含有することを特
    徴とする硬化性組成物。
  10. 【請求項10】(A3)のR1 がビニル基である請求項
    9記載の硬化性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003018658A1 (de) * 2001-08-28 2003-03-06 Consortium für elektrochemische Industrie GmbH Einkomponentige alkoxysilanterminierte polymere enthaltende schnell härtende abmischungen
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JP2010111744A (ja) * 2008-11-05 2010-05-20 Momentive Performance Materials Inc 室温硬化性組成物
WO2013035736A1 (ja) * 2011-09-08 2013-03-14 積水化学工業株式会社 光半導体装置用硬化性組成物
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