JP2000007776A - ポリカ―ボネ―ト共重合体およびその用途 - Google Patents

ポリカ―ボネ―ト共重合体およびその用途

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JP2000007776A
JP2000007776A JP11073544A JP7354499A JP2000007776A JP 2000007776 A JP2000007776 A JP 2000007776A JP 11073544 A JP11073544 A JP 11073544A JP 7354499 A JP7354499 A JP 7354499A JP 2000007776 A JP2000007776 A JP 2000007776A
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tetramethyl
spirobiindane
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JP11073544A
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Atsuo Otsuji
淳夫 大辻
Rihoko Suzuki
理穂子 鈴木
Kenichi Sugimoto
賢一 杉本
Tatsunobu Uragami
達宣 浦上
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(1−a)および一般式(2−
a)で表される繰り返し構造単位を含有してなるポリカ
ーボネート共重合体。 (式中、R1 はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ
基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R2 およびR
3 はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、
4 はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基または
ハロゲン原子を表し、kはそれぞれ独立に0〜3の整数
を表し、lはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す) 【効果】 透明性、耐熱性、機械物性等が良好で、且
つ、低複屈折性を有し、さらに溶融流動性が良好で成形
加工性に優れ、種々の光学部品用樹脂として有用なポリ
カーボネート共重合体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
共重合体に関し、さらには、該ポリカーボネート共重合
体からなる光学部品に関する。本発明のポリカーボネー
ト共重合体は、透明性、耐熱性、機械物性に優れ、且
つ、低複屈折性を有し、さらには溶融流動性が良好で成
形加工性に優れており、光ディスク基板、ピックアップ
レンズ、光ファイバーなどを代表とする光学部品に有用
である。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートはエンジニアリングプ
ラスチックとして自動車、電気、光学分野で幅広く使用
されている。現在、幅広く使用されているポリカーボネ
ートは、通常、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(以下、ビスフェノールAと称する)とホ
スゲン等のハロゲン化カルボニル化合物より製造されて
いる。ビスフェノールAより製造されるポリカーボネー
トは、透明性、耐熱性、低透湿性、耐衝撃性、寸法安定
性等の特性をバランス良く備えた樹脂であって広く用い
られており、特に近年、光ディスク基板等の光学部品分
野で使用されている。
【0003】ところで、これらの情報記録媒体として使
用される光ディスクにおいては、ディスク本体をレーザ
ー光線が通過するために透明であることは勿論のこと、
読みとり誤差を少なくするために光学的均質性が強く求
められている。しかしながら、例えば、ビスフェノール
Aから製造されるポリカーボネートを用いた場合には、
ディスク基板成型時の樹脂の冷却および流動過程におい
て生じた熱応力、分子配向、ガラス転移点付近の容積変
化等による残留応力が原因となり、レーザー光線がディ
スク基板を通過する際に複屈折が生じる。この複屈折に
起因する光学的不均一性が大きいことは、例えば、記録
された情報の読みとり誤りを生じるなど、光ディスク基
板等の光学部品にとっては致命的欠陥となる。さらに、
該ポリカーボネートは溶融時の粘度が高いため、例え
ば、記録密度を高めるためにより狭いトラックピッチ、
より短いピット径を有するディスク基板を射出成形して
得るのが非常に困難である等、成形加工性に問題があっ
た。
【0004】このような問題点を解決する方法として種
々の新しいポリマー(が提案されており)、例えば、ス
ピロビインダノール単独のポリカーボネート、または、
スピロビインダノールとビスフェノールAとの共重合ポ
リカーボネートが開示されている(特開昭63−314
235号公報など)。しかし、前者のポリカーボネート
は低複屈折であるものの、例えば、成形加工した際に成
形物にクラックが生じるなど透明性、機械物性が悪く、
実用的に問題点を有していた。また、後者のポリカーボ
ネートはビスフェノールAの含有率の増加に伴い、透明
性および機械物性は向上するものの、複屈折が大きくな
り、上述したような情報記録媒体等の光学部品としての
使用には問題点があった。
【0005】また、特開平7−330884号公報に
は、スピロビインダノールと特定構造のビスフェノール
類との共重合ポリカーボネート(交互共重合体)が開示
されている。しかし、該公報には、光学的な物性(例え
ば、複屈折率など)については記載されておらず、該公
報の実施例に開示されているスピロビインダノールとビ
スフェノールAとの共重合ポリカーボネートについて検
討したところ、上記ポリカーボネート同様、複屈折は大
きいものであり、実質的に情報記録媒体等の光学部品と
しての使用には問題があった。さらに、これらのポリカ
ーボネートは、既存のビスフェノールAから製造される
ポリカーボネートに比較して、前述したような精密加工
性を要求される情報記録媒体用のディスク基板を射出成
形して得るには実用上、十分な溶融流動性を有している
とは言い難く、これらの問題点の解決が強く望まれてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記の
問題点を克服し、透明性、耐熱性、機械物性等に優れ、
且つ、低複屈折性を有し、さらには溶融流動性が良好で
成形加工性に優れる光学部品用として有用なポリカーボ
ネート共重合体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため、鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、一般式(1−a)および一
般式(2−a)(化2)で表される繰り返し構造単位を
含有してなるポリカーボネート共重合体に関するもので
あり、また、該ポリカーボネート共重合体において、
全繰り返し構造単位中に含まれる上記一般式(1−a)
で表される繰り返し構造単位の割合が5〜90モル%で
ある前記のポリカーボネート共重合体、重量平均分
子量が10000〜150000である前記または
のポリカーボネート共重合体に関するものであり、さら
に、これらポリカーボネート共重合体を含有してなる光
学部品に関するものである。
【0008】
【化2】 (式中、R1 はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ
基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R2 およびR
3 はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表
し、R4 はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基ま
たはハロゲン原子を表し、kはそれぞれ独立に0〜3の
整数を表し、lはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す)
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。本発明のポリカーボネート共重合体は、後で詳細
に説明するが、下記一般式(1)(化3)で表されるジ
ヒドロキシ化合物と、一般式(2)(化3)で表される
ジヒドロキシ化合物をカーボネート前駆体と作用させ共
重合させることにより得られるものであり、一般式
(1)で表される化合物とカーボネート前駆体とから誘
導される前記一般式(1−a)で表される繰り返し構造
単位と、一般式(2)で表される化合物とカーボネート
前駆体とから誘導される前記一般式(2−a)で表され
る繰り返し構造単位の両繰り返し構造単位を、必須の繰
り返し構造単位として有する共重合体であって、ランダ
ム共重合体、交互共重合体あるいはブロック共重合体の
いずれであってもよい。
【0010】
【化3】 (上式中、R1、R2 、R3 、R4 、kおよびlは前記
と同じ意味を表す)
【0011】これらのポリカーボネート共重合体の中で
も、耐熱性、機械物性等の諸物性のバランスを考慮する
と、一般式(1−a)および一般式(2−a)で表され
る全繰り返し構造単位中に含まれる一般式(1−a)で
表される繰り返し構造単位の割合は、好ましくは、5〜
90モル%であり、より好ましくは、10〜80モル%
であり、さらに好ましくは、20〜70モル%である。
【0012】一般式(1−a)において、R1 はそれぞ
れ独立に、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基または
ハロゲン原子を表し、好ましくは、置換基を有していて
もよい直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換基を有
していてもよい直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、
ニトロ基あるいはハロゲン原子を表し、好ましくは、置
換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖、分岐ま
たは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素
数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、ニ
トロ基またはハロゲン原子を表す。
【0013】R1 のアルキル基またはアルコキシ基中の
置換基としては、例えば、アルコキシ基、アルコキシア
ルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロ原子含有のシク
ロアルキル基、シクロアルコキシ基、ヘテロ原子含有の
シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アリールオキ
シアルコキシ基、ハロゲン原子等が例示される。
【0014】該置換基R1 の具体例としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エ
チルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−
ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−ter
t−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シク
ロオクチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシ
ルエチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メトキシ
エチル基、2−エトキシエチル基、2−n−ブトキシエ
チル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピ
ル基、3−n−プロポキシプロピル基、3−n−ブトキ
シプロピル基、3−n−ヘキシルオキシプロピル基、2
−メトキシエトキシエチル基、2−エトキシエトキシエ
チル基、2−フェノキシメチル基、2−フェノキシエト
キシエチル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、
3−クロロプロピル基、2,2,2−トリクロロエチル
基、
【0015】メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ
基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−
ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−
オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシル
オキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−オクタデシ
ルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシル
オキシ基、4−tert−ブチルシクロヘキシルオキシ
基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ
基、シクロヘキシルメトキシ基、シクロヘキシルエトキ
シ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ
基、2−n−ブトキシエトキシ基、3−メトキシプロポ
キシ基、3−エトキシプロポキシ基、3−n−プロポキ
シプロポキシ基、3−n−ブトキシプロポキシ基、3−
n−ヘキシルオキシプロポキシ基、2−メトキシエトキ
シエトキシ基、2−フェノキシメトキシ基、2−フェノ
キシエトキシエトキシ基、クロロメトキシ基、2−クロ
ロエトキシ基、3−クロロプロポキシ基、2,2,2−
トリクロロエトキシ基、ニトロ基、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0016】該置換基R1 は、好ましくは、炭素数1〜
10の無置換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1
〜10の無置換の直鎖または分岐のアルコキシ基、フッ
素原子あるいは塩素原子であり、より好ましくは、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メト
キシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブ
トキシ基、フッ素原子または塩素原子であり、置換基R
1 として、メチル基またはフッ素原子は特に好ましい。
【0017】一般式(1−a)において、kはそれぞれ
独立に0〜3の整数を表し、好ましくは、0、1または
2であり、より好ましくは、0または1である。kとし
て、整数0は特に好ましい。一般式(1−a)で表され
る繰り返し構造単位において、カーボネート結合もしく
はカーボネート結合を含む置換基の置換位置はスピロビ
インダン構造内のベンゼン環上で、それぞれ、4、5、
6または7位であるか、4’、5'、6'または7’位であ
る。一般式(1−a)で表される繰り返し構造単位の中
でも、下記式(1−a−A)(化4)で表される繰り返
し構造単位は特に好ましい。
【0018】
【化4】 (式中、R1 およびkは前記と同じ意味を表す)
【0019】一般式(2−a)において、R2 およびR
3 はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表
す。R2 およびR3 の具体例としては、水素原子、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−
エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n
−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−ter
t−ブチルシクロヘキシル基、トリフルオロメチル基な
どが例示される。
【0020】該置換基R2 およびR3 は、好ましくは、
水素原子または炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状
のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素
数1〜4の直鎖のアルキル基であり、該置換基R2 およ
びR3 として、メチル基は特に好ましい。
【0021】R4 はそれぞれ独立に、アルキル基、アル
コキシ基またはハロゲン原子を表し、好ましくは、置換
基を有していてもよい直鎖、分岐または環状のアルキル
基、置換基を有していてもよい直鎖、分岐または環状の
アルコキシ基あるいはハロゲン原子を表し、好ましく
は、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖、
分岐または環状のアルキル基、置換基を有していてもよ
い炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルコキシ
基またはハロゲン原子を表す。R4 のアルキル基または
アルコキシ基中の置換基としては、例えば、アルコキシ
基、アルコキシアルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテ
ロ原子含有のシクロアルキル基、シクロアルコキシ基、
ヘテロ原子含有のシクロアルコキシ基、アリールオキシ
基、アリールオキシアルコキシ基、ハロゲン原子等が例
示される。
【0022】該置換基R4 の具体例としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エ
チルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−
ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−ter
t−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シク
ロオクチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシ
ルエチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メトキシ
エチル基、2−エトキシエチル基、2−n−ブトキシエ
チル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピ
ル基、3−n−プロポキシプロピル基、3−n−ブトキ
シプロピル基、3−n−ヘキシルオキシプロピル基、2
−メトキシエトキシエチル基、2−エトキシエトキシエ
チル基、2−フェノキシメチル基、2−フェノキシエト
キシエチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル
基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、2,
2,2−トリクロロエチル基、
【0023】メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ
基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−
ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシル基、n
−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシ
ルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−オクタデ
シルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシ
ルオキシ基、4−tert−ブチルシクロヘキシルオキ
シ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ
基、シクロヘキシルメトキシ基、シクロヘキシルエトキ
シ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ
基、2−n−ブトキシエトキシ基、3−メトキシプロポ
キシ基、3−エトキシプロポキシ基、3−n−プロポキ
シプロポキシ基、3−n−ブトキシプロポキシ基、3−
n−ヘキシルオキシプロポキシ基、2−メトキシエトキ
シエトキシ基、2−フェノキシメトキシ基、2−フェノ
キシエトキシエトキシ基、クロロメトキシ基、2−クロ
ロエトキシ基、3−クロロプロポキシ基、2,2,2−
トリクロロエトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0024】該置換基R4 は、好ましくは、炭素数1〜
10の無置換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1
〜10の無置換の直鎖または分岐のアルコキシ基あるい
はフッ素原子、塩素原子であり、より好ましくは、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メト
キシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキ
シ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブ
トキシ基、フッ素原子または塩素原子であり、置換基R
4 として、メチル基、フッ素原子は特に好ましい。一般
式(2−a)において、lはそれぞれ独立に0〜2の整
数を表し、好ましくは、0または1である。lとして、
整数0は特に好ましい。一般式(2−a)で表される繰
り返し構造単位の中でも、下記式(2−a−A)(化
5)で表される繰り返し構造単位は特に好ましい。
【0025】
【化5】 (式中、R2 、R3 、R4 およびlは前記と同じ意味を
表す)本発明のポリカーボネート共重合体は、前記一般
式(1)で表されるジヒドロキシ化合物と一般式(2)
で表されるジヒドロキシ化合物を、カーボネート前駆体
と作用させ共重合することにより得られる。
【0026】本発明のポリカーボネート共重合体の原料
である一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合物とし
ては、以下に示すジヒドロキシ化合物が例示されるが、
勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。 例示化合物 番号 1. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラ
メチル−1,1'−スピロビインダン 2. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3',5,5'
−ヘキサメチル−1,1'−スピロビインダン 3. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジエチル−3,
3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン 4. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−プロピ
ル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビ
インダン 5. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジイソプロピル
−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイ
ンダン 6. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−ブチル
−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイ
ンダン 7. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−tert−
ブチル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピ
ロビインダン 8. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−ペンチ
ル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビ
インダン 9. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−イソペンチ
ル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビ
インダン 10. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−ヘキ
シル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロ
ビインダン
【0027】11. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−
ジ−n−オクチル−3,3,3',3'−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダン 12. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−(2−エ
チルヘキシル)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,
1'−スピロビインダン 13. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−ノニ
ル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビ
インダン 14. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−デシ
ル−3,3,3',3',−テトラメチル−1,1'−スピロ
ビインダン 15. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−ドデ
シル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロ
ビインダン 16. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−ウン
デシル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピ
ロビインダン 17. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−オク
タデシル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−ス
ピロビインダン 18. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジシクロペン
チル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロ
ビインダン 19. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジシクロヘキ
シル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロ
ビインダン 20. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジシクロヘプ
チル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロ
ビインダン
【0028】21. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−
ジシクロオクチル−3,3,3',3'−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダン 22. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(4−メチ
ルシクロヘキシル)−3,3,3',3'−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダン 23. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(4−te
rt−ブチルシクロヘキシル)−3,3,3',3'−テト
ラメチル−1,1'−スピロビインダン 24. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジシクロヘキ
シルメチル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−
スピロビインダン 25. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジシクロヘキ
シルエチル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−
スピロビインダン 26. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジテトラヒド
ロフルフリル−3,3,3',3',−テトラメチル−1,
1'−スピロビインダン 27. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−メト
キシエチル)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'
−スピロビインダン 28. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−エト
キシエチル)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'
−スピロビインダン 29. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−n−
ブトキシエチル)−3,3,3',3'−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダン 30. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(3−メト
キシプロピル)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,
1'−スピロビインダン
【0029】31. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−
ジ(3−エトキシプロピル)−3,3,3',3'−テトラ
メチル−1,1'−スピロビインダン 32. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(3−n−
ブトキシプロピル)−3,3,3',3'−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダン 33. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(3−n−
ヘキシルオキシプロピル)−3,3,3',3'−テトラメ
チル−1,1'−スピロビインダン 34. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−メト
キシエトキシエチル)−3,3,3',3'−テトラメチル
−1,1'−スピロビインダン 35. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−エト
キシエトキシエチル)−3,3,3',3'−テトラメチル
−1,1'−スピロビインダン 36. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−フェ
ノキシメチル)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,
1'−スピロビインダン 37. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−フェ
ノキシエトキシエチル)−3,3,3',3',−テトラメ
チル−1,1'−スピロビインダン 38. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ビスクロロメ
チル−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロ
ビインダン 39. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−クロ
ロエチル)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−
スピロビインダン 40. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(3−クロ
ロプロピル)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'
−スピロビインダン
【0030】41. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−
ジ(2,2,2−トリクロロエチル)−3,3,3',3'
−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン 42. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジメトキシ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン 43. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジイソプロポ
キシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロ
ビインダン 44. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−ブト
キシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロ
ビインダン 45. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−ヘキ
シルオキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−
スピロビインダン 46. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−オク
チルオキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−
スピロビインダン 47. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ−n−オク
タデシルオキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,
1'−スピロビインダン 48. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジシクロヘキ
シルオキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−
スピロビインダン 49. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(4−te
rt−ブチルシクロヘキシルオキシ)−3,3,3',3'
−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン 50. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジシクロヘキ
ルメチルオキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,
1'−スピロビインダン
【0031】51. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−
ジシクロヘキシルエチルオキシ−3,3,3',3'−テト
ラメチル−1,1'−スピロビインダン 52. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−メト
キシエトキシ)−3,3,3',3',−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダン 53. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−エト
キシエトキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,
1'−スピロビインダン 54. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−n−
ブトキシエトキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダン 55. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(3−メト
キシプロポキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダン 56. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(3−エト
キシプロポキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダン 57. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(3−n−
ブトキシプロポキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル
−1,1'−スピロビインダン 58. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(3−n−
ヘキシルオキシプロポキシ)−3,3,3',3'−テトラ
メチル−1,1'−スピロビインダン 59. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−メト
キシエトキシエトキシ)−3,3,3',3'−テトラメチ
ル−1,1'−スピロビインダン 60. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−エト
キシエトキシエトキシ)−3,3,3',3'−テトラメチ
ル−1,1'−スピロビインダン
【0032】61. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−
ジ(2−フェノキシメトキシ)−3,3,3',3'−テト
ラメチル−1,1'−スピロビインダン 62. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−フェ
ノキシエトキシ)−3,3,3',3',−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダン 63. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−フェ
ノキシエトキシエトキシ)−3,3,3',3',−テトラ
メチル−1,1'−スピロビインダン 64. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2−クロ
ロエトキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'
−スピロビインダン 65. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(3−クロ
ロプロポキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,
1'−スピロビインダン 66. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ(2,2,
2−トリクロロエトキシ)−3,3,3',3'−テトラメ
チル−1,1'−スピロビインダン 67. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジニトロ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン 68. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジフルオロ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン 69. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジクロロ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン 70. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジブロモ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン
【0033】71. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−
ジヨード−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−ス
ピロビインダン 72. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3',4,
4’−ヘキサメチル−1,1'−スピロビインダン 73. 6,6'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン 74. 6,6'−ジヒドロキシ−4,4'−ジニトロ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン 75. 6,6'−ジヒドロキシ−4,4'−ジクロロ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン 76. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3',7,
7'−ヘキサメチル−1,1'−スピロビインダン 77. 6,6'−ジヒドロキシ−7,7'−ジメトキシ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン 78. 6,6'−ジヒドロキシ−7,7'−ジニトロ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン 79. 6,6'−ジヒドロキシ−7,7'−ジクロロ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダン 80. 6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3',5,
5',7,7'−オクタメチル−1,1'−スピロビインダン
【0034】81. 6,6'−ジヒドロキシ−5,5',
7,7'−テトラクロロ−3,3,3',3'−テトラメチル
−1,1'−スピロビインダン 82. 6,6'−ジヒドロキシ−7,7'−ジクロロ−
3,3,3',3',5,5'−ヘキサメチル−1,1'−スピ
ロビインダン 83. 6,6'−ジヒドロキシ−4,4',5,5',7,
7'−ヘキサクロロ−3,3,3',3',−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダン 84. 4,4'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テト
ラメチル−1,1'−スピロビインダン 85. 5,5'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テト
ラメチル−1,1'−スピロビインダン 86. 7,7'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テト
ラメチル−1,1'−スピロビインダン
【0035】本発明のポリカーボネートのもう一つの原
料である一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と
しては、以下に示す化合物が例示されるが、勿論、本発
明はこれらに限定されるものではない。 例示化合物 番号 1. α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3−ジイソプロピルベンゼン 2. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフ
ェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 3. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−エチルフ
ェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 4. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−n−プロ
ピルフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 5. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−イソプロ
ピルフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 6. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−n−ブチ
ルフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 7. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−イソブチ
ルフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 8. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−tert
−ブチルフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 9. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−n−ペン
チルフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 10. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−イソペ
ンチルフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン
【0036】11. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ
−2−n−ヘキシルフェニル)−1,3−ジイソプロピ
ルベンゼン 12. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−n−オ
クチルフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 13. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−メトキ
シフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 14. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−エトキ
シフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 15. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−n−プ
ロポキシフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 16. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−イソプ
ロポキシフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 17. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−n−ブ
トキシフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 18. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロ
フェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 19. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオ
ロフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 20. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモ
フェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン
【0037】21. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ
−3−クロロフェニル)−1,3−ジイソプロピルベン
ゼン 22. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3−ヨード
フェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン 23. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロ
−2−メチルフェニル)−1,3−ジイソプロピルベン
ゼン 24. α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3−ジエチルベンゼン 25. α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,4−ジイソプロピルベンゼン 26. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル
フェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン 27. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−メトキ
シフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン 28. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−エトキ
シフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン 29. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロ
フェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン 30. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオ
ロフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン 31. α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロ
フェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン 32. α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3−ジエチルベンゼン
【0038】一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合
物ならびに一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物
はそれぞれ公知化合物であり、公知の方法により好適に
製造される。一般式(1)で表されるジヒドロキシ化合
物は公知の方法、例えば、特開昭62−10030号公
報などに記載の方法、すなわち、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンをペルフルオロアルカンス
ルホン酸の存在下に加熱処理する方法により、好適に製
造される。
【0039】また、一般式(2)で表されるジヒドロキ
シ化合物は公知の方法、例えば、特公平8−13770
号公報などに記載の方法、すなわち、イオン交換樹脂な
どの酸触媒の存在下に、α,α’−ジヒドロキシジイソ
プロピルベンゼン類やジイソプロペニルベンゼン類など
の化合物とフェノール類とを反応させる方法などによ
り、好適に製造される。
【0040】本発明のポリカーボネート共重合体は、製
造方法それ自体は公知の各種ポリカーボネート重合方法
[例えば、実験化学講座第4版、(28)高分子合成、
231〜242頁、丸善出版(1988年)に記載の方
法で、例えば、溶液重合法、エステル交換法または界面
重合法など]に従って、代表的には、一般式(1)で表
されるジヒドロキシ化合物と一般式(2)で表されるジ
ヒドロキシ化合物にカーボネート前駆体(例えば、炭酸
ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニル等の炭酸ジエ
ステル化合物、ホスゲン等のハロゲン化カルボニル化合
物など)を反応させることにより好適に製造される。
【0041】溶液重合法は、ピリジン等の有機塩基の存
在下、有機溶媒中で、上記ジヒドロキシ化合物とハロゲ
ン化カルボニル化合物(例えば、ホスゲンなど)を反応
させる方法である。界面重合法は、ジヒドロキシ化合物
とアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基を含有する
水溶液と有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチ
レン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロ
ロプロパン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、あるいは、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン
化炭化水素、またはそれらの混合物等)よりなる界面条
件下で、ハロゲン化カルボニル化合物との反応を行い、
所望により触媒(例えば、トリエチルアミン)、分子量
調節剤の存在下に重縮合反応を行う製造方法である。エ
ステル交換法は、前記ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テル化合物(例えば、ジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネート、ジフェニルカーボネートなど)を溶融状
態または溶液状態で、加熱下、所望により触媒の存在下
に反応させる方法である。
【0042】本発明のポリカーボネート共重合体は、所
望の効果を損なわなければ、ランダム共重合体であって
もよく、交互共重合体であってもよく、あるいはブロッ
ク共重合体であってもよい。本発明のポリカーボネート
共重合体をランダム共重合体として製造する場合には、
一般式(1)および一般式(2)で表されるジヒドロキ
シ化合物を混合して、このジヒドロキシ化合物の混合物
にカーボネート前駆体を作用させることにより製造する
ことができる。本発明のポリカーボネート共重合体を交
互共重合体として製造する場合には、一般式(1)また
は一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物のいずれ
か一方とカーボネート前駆体から、末端がハロホーメー
ト基または炭酸エステル基である単量体の中間体を製造
し、この中間体ともう一方のジヒドロキシ化合物を作用
させることにより製造することができる。本発明のポリ
カーボネート共重合体をブロック共重合体として製造す
る場合には、一般式(1)または一般式(2)で表され
るジヒドロキシ化合物のいずれか一方を単独でカーボネ
ート前駆体と作用させ、大部分の末端がハロホーメート
基または炭酸エステル基であるポリカーボネートのオリ
ゴマーを調製し、その後、他方のジヒドロキシ化合物ま
たはそのジヒドロキシ化合物から誘導されるポリカーボ
ネートオリゴマーを作用させることにより製造すること
が可能である。
【0043】本発明のポリカーボネート共重合体の分子
量としては、特に限定されるものではないが、通常、G
PC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)
で測定する標準ポリスチレン換算の分子量として重量平
均分子量が、5000〜200000であり、好ましく
は、10000〜150000であり、より好ましく
は、15000〜120000である。また、重量平均
分子量と数平均分子量の比として表される多分散性イン
デックスとしては、特に限定されるものではないが、好
ましくは、1.5〜20.0であり、より好ましくは、
2.0〜15.0であり、さらに好ましくは、2.0〜
10.0である。
【0044】本発明のポリカーボネート共重合体は、一
般式(1−a)または一般式(2−a)で表される繰り
返し構造単位のうち、異なる複数の繰り返し構造単位を
含有してなるポリカーボネート共重合体であってもよ
い。また、一般式(1−a)または一般式(2−a)で
表される繰り返し構造単位以外の、他の繰り返し構造単
位を含有してなるポリカーボネート共重合体であっても
よい。
【0045】一般式(1−a)または一般式(2−a)
で表される繰り返し構造単位以外の他の繰り返し構造単
位を含有する場合、全繰り返し構造単位中の一般式(1
−a)と一般式(2−a)で表される繰り返し構造単位
の占める割合は、特に制限されるものではないが、本発
明の所望の効果を得るためには、通常、50モル%以上
であり、好ましくは、70モル%以上であり、より好ま
しくは、90モル%以上である。
【0046】本発明の所望の効果を最大限に得るために
は、前述の一般式(1−a)または一般式(2−a)で
表される繰り返し構造単位のみからなる、他の繰り返し
構造単位を含有しない共重合体は特に好ましい。この場
合、ポリマー鎖の末端基の構造単位としては、後述する
ような分子量調節剤から誘導される返し構造単位が挙げ
られる。
【0047】本発明で用いられる他の繰り返し構造単位
は、一般式(1)または一般式(2)で表されるジヒド
ロキシ化合物以外の他のジヒドロキシ化合物から誘導さ
れる繰り返し構造単位であり、該ジヒドロキシ化合物と
しては、各種公知の芳香族ジヒドロキシ化合物または脂
肪族ジヒドロキシ化合物を例示することができる。
【0048】該芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例とし
ては、例えば、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)ジフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)-1-ナフチルメタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェ
ニル)-1-フェニルエタン、2-(4'−ヒドロキシフェニ
ル)-2-(3'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4'−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4'−ヒドロキシ
フェニル)-3−メチルブタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシ
フェニル)ペンタン、3,3-ビス(4'-ヒドロキシフェニ
ル) ペンタン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル) ヘキ
サン、2,2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)オクタン、2,
2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,
2-ビス(4'-ヒドロキシフェニル) ヘプタン、4,4-ビス
(4'-ヒドロキシフェニル) ヘプタン、2,2-ビス(4'-ヒド
ロキシフェニル) トリデカン、2,2-ビス(4'−ヒドロキ
シフェニル)オクタン、2,2-ビス(3'−メチル−4'−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−エチル−
4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−n
−プロピル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-
ビス(3'−イソプロピル−4'−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2-ビス(3'−sec−ブチル−4'−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'−tert−ブチ
ル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3'
−シクロヘキシル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(3'−アリル−4'−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2-ビス(3'−メトキシ−4'−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2-ビス(3',5'-ジメチル−4'−ヒ
ドロキシフェニル) プロパン、2,2-ビス(2',3',5',6'-
テトラメチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シアノメタン、1-シアノ
-3,3−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、
【0049】1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロペンタン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘプタン、1,1-ビス(3'−メチル−4'−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(3',5'-ジメチル−
4'−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス
(3',5'-ジクロロ−4'−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1-ビス(3'−メチル−4'−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルシクロヘキサン、1,1-ビス (4'−ヒド
ロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,
2-ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2-
ビス(4'−ヒドロキシフェニル)アダマンタン等のビス
(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4'- ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル、4,4'- ジヒドロキシ-3,
3'-ジメチルジフェニルエーテル、エチレングリコール
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(ヒ
ドロキシアリール)エーテル類、4,4'- ジヒドロキシジ
フェニルスルフィド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロ
キシジフェニルスルフィド、3,3'−ジシクロヘキシル−
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3'−ジフ
ェニル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等の
ビス(ヒドロキシアリール)スルフィド類、
【0050】4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、3,3'−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルス
ルホキシド等のビス(ヒドロキシアリール)スルホキシ
ド類、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'-
ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホン等のビ
ス(ヒドロキシアリール)スルホン類、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)ケトン等のビス(ヒドロキシアリー
ル)ケトン類、さらには、7,7'−ジヒドロキシ−3,3',
4,4'-テトラヒドロ−4,4,4',4'-テトラメチル-2,2'-ス
ピロビ(2H−1−ベンゾピラン)、トランス-2,3- ビ
ス(4'−ヒドロキシフェニル)-2- ブテン、9,9-ビス
(4'−ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,3-ビス(4'
−ヒドロキシフェニル)-2- ブタノン、1,6-ビス(4'−
ヒドロキシフェニル)-1,6- ヘキサンジオン、4,4'−ジ
ヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン等
が挙げられる。さらに、例えばビスフェノールA2モル
とイソフタロイルクロライドまたはテレフタロイルクロ
ライド1モルとを反応させることにより製造することが
できるエステル結合を含む芳香族ジヒドロキシ化合物も
有用である。
【0051】該脂肪族ジヒドロキシ化合物の具体例とし
ては、1,2−ジヒドロキシエタン、1,3−ジヒドロ
キシプロパン、1,4−ジヒドロキシブタン、1,5−
ジヒドロキシペンタン、3−メチル−1,5−ジヒドロ
キシペンタン、1,6−ジヒドロキシヘキサン、1,7
−ジヒドロキシヘプタン、1,8−ジヒドロキシオクタ
ン、1,9−ジヒドロキシノナン、1,10−ジヒドロ
キシデカン、1,11−ジヒドロキシウンデカン、1,
12−ジヒドロキシドデカン、ジヒドロキシネオペンチ
ル、2−エチル−1,2−ジヒドロキシヘキサン、2−
メチル−1,3−ジヒドロキシプロパン等のジヒドロキ
シアルカン、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、
1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン及び2,2−ビス
(4'−ヒドロキシルシクロヘキシル)プロパン等のジヒ
ドロキシシクロアルカンを挙げることができる。
【0052】さらに、o−ジヒドロキシキシリレン、m
−ジヒドロキシキシリレン、p−ジヒドロキシキシリレ
ン、1,4−ビス(2'−ヒドロキシエチル)ベンゼン、
1,4−ビス(3'−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、
1,4−ビス(4'−ヒドロキシブチル)ベンゼン、1,
4−ビス(5'−ヒドロキシペンチル)ベンゼン、1,4
−ビス(6'−ヒドロキシヘキシル)ベンゼン、2,2−
ビス[4'−(2"−ヒドロキシエチルオキシ)フェニル]
プロパン等のジヒドロキシ化合物を挙げることができ
る。
【0053】さらに、一般式(1−a)または一般式
(2−a)で表される繰り返し構造単位以外の他の繰り
返し構造単位として、上記ジヒドロキシ化合物以外の2
官能性化合物から誘導される繰り返し構造単位を含有し
ていてもよい。すなわち、該ジヒドロキシ化合物以外の
2官能性化合物としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族
ジカルボン酸、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン、芳香
族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート等の化合
物が挙げられる。これらの2官能性化合物を用いること
により、カーボネート基以外に、イミノ基、エステル
基、エーテル基、イミド基、アミド基、ウレタン基、ウ
レア基等の基を含有するポリカーボネート共重合体が得
られ、本発明はかかるポリカーボネート共重合体も包含
するものである。
【0054】本発明のポリカーボネート共重合体におい
て、末端基は、ヒドロキシ基、ハロホーメート基、炭酸
エステル基等の反応性の末端基であってもよく、また、
分子量調節剤で封止された不活性な末端基であってもよ
い。ポリカーボネート共重合体中の末端基の量は特に制
限はないが、通常、構造単位の総モル数に対して、0.
001〜10モル%であり、好ましくは、0.01〜5
モル%であり、より好ましくは、0.1〜3モル%であ
る。
【0055】本発明のポリカーボネート共重合体を前記
の方法に従い重合して製造する際に、分子量を調節する
目的で分子量調節剤の存在下に重合を行うことは好まし
いことである。かかる分子量調節剤としては特に限定さ
れるものではなく、公知のポリカーボネート重合の際に
使用される各種既知の分子量調節剤であればよく、例え
ば、1価のヒドロキシ脂肪族化合物またはヒドロキシ芳
香族化合物もしくはその誘導体(例えば、1価のヒドロ
キシ脂肪族化合物またはヒドロキシ芳香族化合物のアル
カリ金属またはアルカリ土類金属塩、1価のヒドロキシ
脂肪族化合物またはヒドロキシ芳香族化合物のハロホー
メート化合物、1価のヒドロキシ脂肪族化合物またはヒ
ドロキシ芳香族化合物の炭酸エステルなど)、1価のカ
ルボン酸もしくはその誘導体(例えば、1価のカルボン
酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、1価のカ
ルボン酸の酸ハライド、1価のカルボン酸のエステルな
ど)等が挙げられる。
【0056】上記の1価のヒドロキシ脂肪族化合物また
はヒドロキシ芳香族化合物としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、ブタノール、オクタノール、ラウリル
アルコール、メトキシエタノール、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジル
アルコール、アリルアルコール、フェノール、4−tert
−ブチルフェノール、2−クレゾール、3−クレゾー
ル、4−クレゾール、2−エチルフェノール、4−エチ
ルフェノール、4−クミルフェノール、4−フェニルフ
ェノール、4−シクロヘキシルフェノール、4−n−オ
クチルフェノール、4−イソオクチルフェノール、4−
ノニルフェノール、4−メトキシフェノール、4−n−
ヘキシルオキシフェノール、4−イソプロペニルフェノ
ール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、
4−クロロフェノール、2−ブロモフェノール、3−ブ
ロモフェノール、4−ブロモフェノール、2,4−ジク
ロロフェノール、2,4−ジブロモフェノール、ペンタ
クロロフェノール、ペンタブロモフェノール、β−ナフ
トール、α−ナフトール、2−(4'−メトキシフェニ
ル)−2−(4"−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙
げられる。
【0057】また、上記の1価のカルボン酸としては、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプ
タン酸、カプリル酸、2,2−ジメチルプロピオン酸、
3−メチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、4−メチル吉
草酸、3,3−ジメチル吉草酸、4−メチルカプロン
酸、2,4−ジメチル吉草酸、3,5−ジメチルカプロ
ン酸、フェノキシ酢酸等の脂肪族カルボン酸類、安息香
酸、4−プロポキシ安息香酸、4−ブトキシ安息香酸、
4−ペンチルオキシ安息香酸、4−ヘキシルオキシ安息
香酸、4−オクチルオキシ安息香酸等の安息香酸類が挙
げられる。
【0058】分子量調節剤の使用量は特に制限するもの
でなく、目的の分子量に調節するために所望に応じて用
いればよいが、通常、重合するジヒドロキシ化合物の総
モル数に対して、0.001〜10モル%であり、好ま
しくは0.01〜5モル%である。
【0059】本発明のポリカーボネート共重合体は、所
望の効果を損なわない範囲で、2,2−ビス(4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンから誘導される芳香族ポリ
カーボネートと配合することにより成形材料として使用
することも可能である。さらに他のポリマーと併用して
成形材料として使用することが可能である。他のポリマ
ーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリトリ
フルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
アセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、パラオキシ
ベンゾイル系ポリエステル、ポリアリーレート、ポリス
ルフィド等が挙げられる。
【0060】また、本発明のポリカーボネート共重合体
は、単独で、もしくは、他のポリマーと混合して、ポリ
カーボネート共重合体の製造時または製造後に公知の方
法で、顔料、染料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、離型剤、有機ハロゲン化合物、アルカリ金属スルホ
ン酸塩、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、硫酸バ
リウム、TiO2 等の公知の添加剤を添加してもよい。
【0061】本発明のポリカーボネート共重合体は、単
独で、または他のポリマーと混合した状態で、所望によ
り、上記の添加剤を添加して成形材料として、電気機器
等のシャーシやハウジング材、電子部品、自動車部品、
光ディスク等の情報記録媒体の基板、カメラや眼鏡のレ
ンズ等の光学材料、ガラス代替の建材等に成形すること
が可能である。本発明のポリカーボネート共重合体は熱
可塑性であり、溶融状態で射出成形、押出成形、ブロー
成形、フィラー等への含浸等が可能であり、さらには、
圧縮成形、溶液キャスティングなど、各種公知の成形方
法により容易に成形可能である。
【0062】本発明のポリカーボネート共重合体からな
る光学部品としては、光ディスク基板、光磁気ディスク
基板などの光記録媒体基板、ピックアップレンズなどの
光学レンズ、液晶セル用プラスチック基板、プリズム、
光ファイバー等の各種光学部品を挙げることができる。
これらの光学部品は、上述したような従来より公知の各
種成形方法(代表的には、射出成形など)により、好適
に製造することができる、このようにして得られる本発
明の光学部品は、低複屈折性を有し、諸性能(例えば、
光ディスクとしての光記録特性、耐久性など)に優れて
おり、非常に有用である。
【0063】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は以下の実施れに限定されるもので
はない。なお、実施例および比較例で製造したポリカー
ボネートの物性の測定は以下の方法により行った。 〔分子量の測定〕芳香族ポリカーボネートの0.2重量
%クロロホルム溶液をGPC(ゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィー)〔昭和電工(株)製、Syst
em−11〕により測定し、重量平均分子量(Mw)を
求めた。尚、測定値は、標準ポリスチレン換算の値であ
る。 〔溶融粘度〕島津高化式フローテスター(CFT500
A)を使用し、荷重100kgで直径0.1cm、長さ
1cmのオリフィスを用いて測定した。
【0064】実施例1 内容量2リットルのバッフル付きフラスコに、格子翼を
備えた撹拌機、還流冷却管、ホスゲン(塩化カルボニ
ル)吹き込み用浸漬管を設けた。このフラスコに、原料
モノマーとして下記式(1−1)(化6)で表される
6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル
−1,1'−スピロビインダン77.1g(0.25モ
ル)と下記式(2−1)(化6)で表されるα,α’−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジイソプロ
ピルベンゼン86.6g(0.25モル)、水酸化ナト
リウム56g(1.40モル)、分子量調節剤として4
−tert−ブチルフェノール2.58g(3.43モル%
対ジオール成分)、ならびに、600ミリリットルの脱
イオン水を装入し水溶液を調製した。その後、該水溶液
に600ミリリットルのジクロロメタンを添加し、2相
混合物とし、この2相混合物を撹拌しながら、該混合物
にホスゲン59.4g(0.60モル)を9.9g/分
の供給速度で供給した。ホスゲンの供給終了後、0.0
8gのトリエチルアミンを反応混合物に添加し、さらに
90分間撹拌混合した。その後、撹拌を停止し、反応混
合物を分液し、ジクロロメタン相を塩酸水溶液により中
和し、脱イオン水を使用して、水性洗浄液に電界質が実
質的に検出されなくなるまで洗浄した。その後、ジクロ
ロメタン相から、ジクロロメタンを蒸発留去することに
より、下記式(1−a−1)および下記式(2−a−
1)(化6)で表される繰り返し構造単位を含有してな
るポリカーボネート共重合体(ランダム共重合体)を白
色粉状固体で得た。重量平均分子量は51000であっ
た。
【0065】
【化6】
【0066】得られたポリカーボネート共重合体につい
て、走査熱量計(DSC−3100、マックサイエンス
社製)で、0℃から300℃の温度範囲で示差熱分析を
行ったところ、ガラス転移温度(Tg)は145℃であ
った。また240℃における溶融粘度は4500ポイズ
であった。得られたポリカーボネート共重合体の1重量
%重水素化クロロホルム溶液の 1H−NMR(400M
Hz)を測定した結果およびIR測定結果を下記に示し
た。 ・ 1H−NMR δ(CDCl3 ):1.3(s,12
H)、1.4(s,12H)、2.3(m,8H)、
3.9〜4.5(m,8H)、6.3〜7.2(m,1
2H) 上記 1H−NMR測定でスピロビインダン環上のメチル
基とイソプロピリデン基に含まれるメチル基との積分比
を求めることによって、得られたポリカーボネート共重
合体中の式(1−a−1)で表される繰り返し構造単位
と、式(2−a−1)で表される繰り返し構造単位との
モル比は50:50であることが確認された。 ・IR(KBr法):1780cm-1〔−O−C(=
O)−O−〕
【0067】実施例2 実施例1において、原料モノマーとして、6,6'−ジヒ
ドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−ス
ピロビインダン123.4g(0.40モル)とα,
α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジイ
ソプロピルベンゼン34.7g(0.10モル)を使用
し、さらに、分子量調節剤として、フェノール471m
g(0.005モル;1モル%対ジオール分)を使用す
る以外は、実施例1に記載の方法と同様な方法に従っ
て、前記式(1−a−1)および(式2−a−1)で表
される繰り返し構造単位を含有してなるポリカーボネー
ト共重合体(ランダム共重合体)を製造した。重量平均
分子量は95000であり、ガラス転移温度(Tg)は
180℃であった。また240℃における溶融粘度は5
500ポイズであった。実施例1と同様な方法により、
得られたポリカーボネート共重合体を 1H−NMR測定
して解析した結果、該ポリカーボネート共重合体中の式
(1−a−1)で表される繰り返し構造単位と、式(2
−a−1)で表される繰り返し構造単位とのモル比は8
0:20であることが確認された。
【0068】実施例3 実施例1において、原料モノマーとして、6,6'−ジヒ
ドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−ス
ピロビインダン107.9g(0.35モル)、α,
α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジイ
ソプロピルベンゼン52.0g(0.15モル)を使用
し、さらに分子量調節剤として、フェノール941mg
(0.010モル;2モル%対ジオール分)を使用する
以外は、実施例1に記載の方法と同様な方法に従って、
前記式(1−a−1)および式(2−a−1)で表され
る繰り返し構造単位を含有してなるポリカーボネート共
重合体(ランダム共重合体)を製造した。重量平均分子
量は65000であり、ガラス転移温度(Tg)は17
0℃であった。また240℃における溶融粘度は150
0ポイズであった。実施例1と同様な方法により得られ
たポリカーボネート共重合体を 1H−NMR測定解析し
た結果、得られたポリカーボネート共重合体中の式(1
−a−1)で表される繰り返し構造単位と、式(2−a
−1)で表される繰り返し構造単位とのモル比は70:
30であることが確認された。
【0069】実施例4 実施例1において、原料モノマーとして、6,6'−ジヒ
ドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−ス
ピロビインダン92.5g(0.30モル)、α,α’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジイソプ
ロピルベンゼン69.3g(0.20モル)を使用し、
さらに、分子量調節剤として、フェノール706mg
(0.0075モル;1.5モル%対ジオール分)を使
用する以外は、実施例1に記載の方法と同様な方法に従
って、前記式(1−a−1)および式(2−a−1)で
表される繰り返し構造単位を含有してなるポリカーボネ
ート共重合体(ランダム共重合体)を製造した。重量平
均分子量は80000であり、ガラス転移温度(Tg)
は155℃であった。また240℃における溶融粘度は
3000ポイズであった。実施例1と同様な方法により
得られたポリカーボネート共重合体を 1H−NMR測定
解析した結果、得られたポリカーボネート共重合体中の
式(1−a−1)で表される繰り返し構造単位と、式
(2−a−1)で表される繰り返し構造単位とのモル比
は60:40であることが確認された。
【0070】実施例5 実施例1において、原料モノマーとして、6,6'−ジヒ
ドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−ス
ピロビインダン38.55g(0.125モル)、α,
α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジイ
ソプロピルベンゼン129.92g(0.375モル)
を使用し、さらに、分子量調節剤として、フェノール1
412mg(0.015モル;3.0モル%対ジオール
分)を使用する以外は、実施例1に記載の方法と同様な
方法に従って、前記式(1−a−1)および式(2−a
−1)で表される繰り返し構造単位を含有してなるポリ
カーボネート共重合体(ランダム共重合体)を製造し
た。重量平均分子量は38000であり、ガラス転移温
度(Tg)は155℃であった。また240℃における
溶融粘度は3000ポイズであった。実施例1と同様な
方法により得られたポリカーボネート共重合体を 1H−
NMR測定解析した結果、得られたポリカーボネート共
重合体中の式(1−a−1)で表される繰り返し構造単
位と、式(2−a−1)で表される繰り返し構造単位と
のモル比は25:75であることが確認された。
【0071】参考製造例1 内容量2リットルのフラスコに撹拌機、還流冷却管、ホ
スゲン吹き込み用浸漬管を設けた。このフラスコに6,
6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3'−テトラメチル−
1,1'−スピロビインダン308g(1.00モル)お
よびトルエン500gを秤取した。この混合物に対し
て、氷冷下、塩化カルボニル207.9g(2.10モ
ル)を60分間かけて供給した後、引き続き、N,N−
ジエチルアニリン313.4g(2.10モル)を2時
間かけて滴下した。氷冷下でさらに2時間撹拌した後、
窒素ガスを吹き込んで余剰の塩化カルボニルを留去し
た。反応液を濾過して、N,N−ジエチルアニリン塩酸
塩を除いて得られた溶液を希塩酸500gで2回洗浄・
分液して、残存するN,N−ジエチルアニリンを除去し
た。その後、水層が中性になるまで純水で水洗・分液を
繰り返した後、トルエンを減圧下、留去して得られた固
体をさらにヘキサンより再結晶して、下記式(1−1−
a)(化7)で表される6,6,−ジヒドロキシ−3、
3、3'、3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン
のビスクロロホーメート体380gを得た。
【0072】
【化7】
【0073】実施例6 内容量500ミリリットルのフラスコに撹拌機、還流冷
却管を設け、このフラスコに、α,α’−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン
34.65g(0.10モル)、末端停止剤としてフェ
ノール376mg(0.004モル;2モル%対ジオー
ル分)、ピリジン23.73g(0.30モル)ならび
にジクロロメタン100gを秤取した。この混合物に対
して、参考製造例1で製造した式(1−1−a)で表さ
れるビスクロロホーメート43.34g(0.10モ
ル)をジクロロメタン100gに溶解した溶液を氷冷
下、1時間を要して滴下した後、さらに同温度で2時間
攪拌した。重合反応終了後、反応混合物に5%塩酸水溶
液300gを加えて攪拌して過剰のピリジンを塩酸塩と
して水層へ除いた後、ジクロロメタン相をイオン交換水
により中性になるまで洗浄、分液した。得られたポリカ
ーボネート共重合体のジクロロメタン溶液からジクロロ
メタンを留去することにより、前記式(1−a−1)お
よび式(2−a−1)で表される繰り返し構造単位を含
有するポリカーボネート共重合体(交互共重合体)を無
色固体として得た。このポリカーボネートの重量平均分
子量は45000であり、ガラス転移温度(Tg)は1
50℃であった。また240℃における溶融粘度は42
00ポイズであった。実施例1と同様な方法により、得
られたポリカーボネート共重合体を 1H−NMR測定解
析した結果、得られたポリカーボネート共重合体中の前
記式(1−a−1)で表される繰り返し構造単位と、前
記式(2−a−1)で表される繰り返し構造単位とのモ
ル比は50:50であることが確認された。
【0074】実施例7 実施例1において、6,6'−ジヒドロキシ−3,3,
3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンの代
わりに6,6'−ジヒドロキシ−3,3,3',3',5,
5',7,7'−オクタメチル−1,1'−スピロビインダン
を使用し、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1,3−ジイソプロピルベンゼンの代わりにα,α’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプ
ロピルベンゼンを使用する以外は、実施例1に記載の方
法と同様な方法に従って行い、下記式(1−a−2)お
よび下記式(2−a−2)(化8)で表される繰り返し
構造単位を含有するポリカーボネート共重合体を製造し
た。実施例1と同様な方法により、得られたポリカーボ
ネート共重合体を 1H−NMR測定解析した結果、得ら
れたポリカーボネート共重合体中の下記式(1−a−
2)で表される繰り返し構造単位と、下記式(2−a−
2)で表される繰り返し構造単位とのモル比は50:5
0であることが確認された。重量平均分子量は4500
0であり、ガラス転移温度(Tg)は135℃であっ
た。また240℃における溶融粘度は5000ポイズで
あった。
【0075】
【化8】
【0076】実施例8 実施例1において、6,6'−ジヒドロキシ−3,3,
3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンの代
わりに6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジフルオロ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダンを使用し、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3−ジイソプロピルベンゼンの代わりにα,
α’−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−
1,3−ジイソプロピルベンゼンを使用する以外は、実
施例1に記載の方法と同様な方法に従って行い、下記式
(1−a−3)および下記式(2−a−3)(化9)で
表される繰り返し構造単位を含有するポリカーボネート
共重合体を製造した。実施例1と同様な方法により、得
られたポリカーボネート共重合体を 1H−NMR測定解
析した結果、得られたポリカーボネート共重合体中の下
記式(1−a−3)で表される繰り返し構造単位と、下
記式(2−a−3)で表される繰り返し構造単位とのモ
ル比は50:50であることが確認された。重量平均分
子量は55000であり、ガラス転移温度(Tg)は1
40℃であった。また240℃における溶融粘度は45
00ポイズであった。
【0077】
【化9】
【0078】実施例9 実施例1において、6,6'−ジヒドロキシ−3,3,
3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンの代
わりに6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジメトキシ−
3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビイン
ダンを使用し、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,3−ジイソプロピルベンゼンの代わりにα,
α’−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)
−1,3−ジイソプロピルベンゼンを使用する以外は、
実施例1に記載の方法と同様な方法に従って行い、下記
式(1−a−4)および下記式(2−a−4)(化1
0)で表される繰り返し構造単位を含有するポリカーボ
ネート共重合体を製造した。実施例1と同様な方法によ
り、得られたポリカーボネート共重合体を 1H−NMR
測定解析した結果、得られたポリカーボネート共重合体
中の下記式(1−a−4)で表される繰り返し構造単位
と、下記式(2−a−4)で表される繰り返し構造単位
とのモル比は50:50であることが確認された。重量
平均分子量は55000であり、ガラス転移温度(T
g)は135℃であった。また240℃における溶融粘
度は3000ポイズであった。
【0079】
【化10】
【0080】実施例10 実施例1において、6,6'−ジヒドロキシ−3,3,
3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダンの代
わりに6,6'−ジヒドロキシ−5,5'−ジニトロ−3,
3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン
を使用し、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1,3−ジイソプロピルベンゼンの代わりにα,α’
−ビス(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−
1,3−ジイソプロピルベンゼンを使用する以外は、実
施例1に記載の方法と同様な方法に従って行い、下記式
(1−a−5)および下記式(2−a−5)(化11)
で表される繰り返し構造単位を含有するポリカーボネー
ト共重合体を製造した。実施例1と同様な方法により、
得られたポリカーボネート共重合体を 1H−NMR測定
解析した結果、得られたポリカーボネート共重合体中の
下記式(1−a−5)で表される繰り返し構造単位と、
下記式(2−a−5)で表される繰り返し構造単位との
モル比は50:50であることが確認された。重量平均
分子量は55000であり、ガラス転移温度(Tg)は
130℃であった。また240℃における溶融粘度は3
500ポイズであった。
【0081】
【化11】
【0082】比較例1 ビスフェノールAとホスゲンから常法(界面重合法)に
従い、公知のポリカーボネートを製造した。内容量2リ
ットルのバッフル付きフラスコに、格子翼を備えた撹拌
機、還流冷却管、ホスゲン吹き込み用浸漬管を設けた。
このフラスコに、114g(0.50モル)のビスフェ
ノールA、56g(1.40モル)の水酸化ナトリウ
ム、2.58gの4−tert−ブチルフェノールおよび、
600ミリリットルの脱イオン水を装入し水溶液を調製
した。その後、該水溶液に600ミリリットルのジクロ
ロメタンを添加し、2相混合物とし、この2相混合物を
撹拌しながら、該混合物に59.4g(0.60モル)
の塩化カルボニルを9.9g/分の供給速度で供給し
た。塩化カルボニルの供給終了後、0.08gのトリエ
チルアミンを反応混合物に添加し、さらに90分間撹拌
混合した。その後撹拌を停止し、反応混合物を分液し、
ジクロロメタン相を塩酸水溶液により中和し、脱イオン
水を使用して、水性洗浄液に電界質が実質的に検出され
なくなるまで洗浄した。その後、ジクロロメタン相か
ら、ジクロロメタンを蒸発留去することにより、固体状
態の芳香族ポリカーボネートを得た。重量平均分子量は
51000であり、300℃における溶融粘度は540
0ポイズであった。
【0083】比較例2 特開昭63−314235号公報、実施例7に記載の方
法に従い、ビスフェノールAとスピロビインダノールと
のポリカーボネート共重合体を製造した。重量平均分子
量は44800であり、280℃における溶融粘度は4
800ポイズであった。
【0084】比較例3 特開平7−330884号公報の実施例1に記載の方法
に従い、ビスフェノールAとスピロビインダノールとの
ポリカーボネート共重合体(実質的に、交互共重合体)
を製造した。重量平均分子量45000であり、ガラス
転移温度は179℃であった。また、280℃における
溶融粘度は4500ポイズであった。
【0085】比較例4 特開昭63−314235号公報の実施例9に記載の方
法に従い、スピロビインダノールのホモポリカーボネー
トを製造した。重量平均分子量57000であり、ガラ
ス転移温度は228℃であった。また、300℃におけ
る溶融粘度は4500ポイズであった。このポリカーボ
ネートを用いて、後述する評価方法に従いプレス成形に
よる試験片を作製して評価試験を行おうとしたところ、
得られた試験片は非常に脆く容易に割れてしまい、実質
的に成形不可能であった。
【0086】各実施例で製造した本発明のポリカーボネ
ート共重合体は、比較例で製造した公知のビスフェノー
ルAのポリカーボネートと比較して約40〜60℃低い
温度で同等の溶融粘度(数千ポイズオーダー)を示し、
溶融時の流動性に富み成形加工性が良好であることが判
った。 〔評価方法〕各実施例および比較例で製造したポリカー
ボネートを用い、プレス成形して厚さ1.2mmの板状
試験片を作製し、この試験片について以下に示した項目
の評価試験を行った。結果を下記の第1表(表1)に示
した。 (1)外観 試験片の透明性、光学的面状態を目視観察、評価した。 ○:ひび割れ、クラック、面荒れ等が無く、無色透明で
面状態の良いもの ×:ひび割れ、クラック、面荒れ等が観察されるもの (2)全光線透過率(以下、透過率と称する) ASTMD−1003法に従った。 (3)複屈折 精密歪計(東芝硝子株式会社製・SVP−30−II)に
よって測定した。 (4)耐熱性 120℃で熱風乾燥基中に4時間放置した後、試験片を
取り出して、肉眼で観察し評価した。 ○:成形物の着色、表面の歪、クラック等が無いもの ×:成形物の着色、表面の歪、クラック等が観察される
もの
【0087】
【表1】 第1表から明らかなように、本発明のポリカーボネート
共重合体を成形して得られる成形物は、透明性、耐熱
性、械物性等が良好で、且つ、低複屈折性を有している
ことが明らかとなった。
【0088】実施例11(光ディスクの作製および評
価) 実施例1で製造したポリカーボネート共重合体をペレタ
イザー付き押出機(シリンダー温度240℃)にてペレ
ット状として、各ペレットを110℃にて4時間乾燥し
た後、290℃にて射出成形を行った。すなわち、金型
に鏡面を有するスタンパーを装着して、外径130m
m、厚さ1.2mmの円盤状の成形物を得た。得られた
基板の中心部を、内径15mmとなるように打ち抜い
て、ドーナツ状円盤とした。次に、基板の片面にアルミ
の真空蒸着を行い、厚み600オングストロームの反射
層を設けた。得られた光ディスクの複屈折およびBER
(ビットエラーレート)を測定した。ビットエラーレー
トは、波長780nm、線速2m/sec、0.8mW
のレーザー光を用いて、記録の読みとりのエラーの発生
率を測定した。結果を下記の第2表(表2)に示した。
【0089】実施例12〜20 実施例2〜10で製造したポリカーボネート共重合体を
用いる以外は、実施例11に記載の方法と同様な方法に
より、光ディスクを作製して評価を行った。結果を下記
の第2表に示した。
【0090】比較例5 比較例1で製造したポリカーボネートを使用して340
℃で射出成形する以外は、上記実施例と同様な方法によ
り光ディスクを製造した。得られた光ディスクの複屈折
およびBER(ビットエラーレート)を測定した結果
を、下記の第2表に示した。
【0091】比較例6 比較例2で製造したポリカーボネートを使用して320
℃で射出成形する以外は、上記実施例と同様な方法によ
り光ディスクを製造した。得られた光ディスクの複屈折
およびBER(ビットエラーレート)を測定した結果
を、下記の第2表に示した。
【0092】比較例7 比較例3で製造したポリカーボネートを使用して320
℃で射出成形する以外は、上記実施例と同様な方法によ
り光ディスクを製造した。得られた光ディスクの複屈折
およびBER(ビットエラーレート)を測定した結果
を、下記の第2表に示した。
【0093】
【表2】 第2表から明らかなように、本発明のポリカーボネート
共重合体を用いて得られる光ディスクは複屈折の低下に
より、既存のポリカーボネートを用いて得られる光ディ
スクと比較して、BERが向上している。
【0094】実施例21(光磁気ディスクの製造および
記録特性の評価) 実施例1において得られたポリカーボネート共重合体を
ペレタイザー付き押出機(シリンダー温度230℃)に
てペレット状として、各ペレットを110℃にて4時間
乾燥した後、射出成形を行った。すなわち、金型に鏡面
を有するスタンパーを装着して、外径130mm、厚さ
1.2mmの円盤状の成形物(基板)を得た。得られた
基板上に、Tb23.5Fe64.2Co12.3(原子%)の合金
ターゲットを用いてスパッタリング装置中[RFスパッ
タリング装置、日本真空(株)製]中で、厚み1000
オングストロームの光磁気記録層を形成した。この記録
膜上に、厚み1000オングストロームの無機ガラスの
保護膜を、上記と同じスパッタリング装置を用いて形成
した。得られた光磁気ディスクの複屈折、CN比、BE
R(ビットエラーレート)およびCN保持率を測定し
た。尚、CN比は、書き込みパワー7mW、読みとりパ
ワー1mW、キャリア周波数1MHz、分解能帯域幅3
0KHzで測定を行った。CN保持率は、60℃、90
%RH条件下で、30日経過後のCN比の低下度を初期
CN比に対する百分率(%)で示した。結果を下記の第
3表(表3)に示した。
【0095】実施例22〜30 実施例2〜10で製造したポリカーボネート共重合体を
使用する以外は、上記実施例21と同様な方法により光
磁気ディスクを製造した。得られた光磁気ディスクの複
屈折、CN比、BER(ビットエラーレート)およびC
N変化率を測定した結果を、下記の第3表に示した。
【0096】比較例8 比較例1で製造したポリカーボネートを使用する以外
は、上記実施例と同様な方法により光磁気ディスクを製
造した。得られた光磁気ディスクの複屈折、CN比、B
ER(ビットエラーレート)およびCN保持率を測定し
た結果を、下記の第3表に示した。
【0097】比較例9 比較例2で製造したポリカーボネートを使用する以外
は、上記実施例と同様な方法により光磁気ディスクを製
造した。得られた光磁気ディスクの複屈折、CN比、B
ER(ビットエラーレート)およびCN保持率を測定し
た結果を、下記の第3表に示した。
【0098】比較例10 比較例3で製造したポリカーボネートを使用する以外
は、上記実施例と同様な方法により光磁気ディスクを製
造した。得られた光磁気ディスクの複屈折、CN比、B
ER(ビットエラーレート)およびCN保持率を測定し
た結果を、下記の第3表に示した。
【0099】
【表3】 第3表から明らかなように、本発明のポリカーボネート
共重合体を用いて得られる光磁気ディスクは複屈折の低
下により、既存のポリカーボネートより得られる光磁気
ディスクと比較して、CN比およびBERが向上してお
り、また、CN保持率が改良されている。
【0100】
【発明の効果】本発明により、透明性、耐熱性、機械物
性等が良好で、且つ、低複屈折性を有するポリカーボネ
ート共重合体を提供することが可能になった。該ポリカ
ーボネート共重合体は公知の各種ポリカーボネートと比
較して溶融時の流動性が良好であり、成形加工性にも優
れている。本発明のポリカーボネート共重合体は、光デ
ィスク基板、ピックアップレンズ、光ファイバーなどの
光学部品用として非常に有用であり、特に、該ポリカー
ボネートを用いて得られる光ディスク基板は、光記録特
性に優れ、且つ、耐久性(耐熱性、耐湿性など)にも優
れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 賢一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 浦上 達宣 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1−a)および一般式(2−
    a)(化1)で表される繰り返し構造単位を含有してな
    るポリカーボネート共重合体。 【化1】 (式中、R1 はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ
    基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R2 およびR
    3 はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表
    し、R4 はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基ま
    たはハロゲン原子を表し、kはそれぞれ独立に0〜3の
    整数を表し、lはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す)
  2. 【請求項2】 一般式(1−a)および一般式(2−
    a)で表される全繰り返し構造単位中に含まれる一般式
    (1−a)で表される繰り返し構造単位の割合が5〜9
    0モル%である請求項1記載のポリカーボネート共重合
    体。
  3. 【請求項3】 重量平均分子量が10000〜1500
    00である請求項1または請求項2記載のポリカーボネ
    ート共重合体。
  4. 【請求項4】請求項1、2または請求項3記載のポリカ
    ーボネート共重合体を含有してなる光学部品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005272692A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Teijin Chem Ltd 芳香族ポリカーボネート共重合体、およびそれより形成された光ディスク基板
JP2006071782A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Fuji Photo Film Co Ltd プラスチック製レンズを用いた光学ユニット

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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