JP2000007728A - 凝集ラテックスの製造方法 - Google Patents
凝集ラテックスの製造方法Info
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- JP2000007728A JP2000007728A JP10171305A JP17130598A JP2000007728A JP 2000007728 A JP2000007728 A JP 2000007728A JP 10171305 A JP10171305 A JP 10171305A JP 17130598 A JP17130598 A JP 17130598A JP 2000007728 A JP2000007728 A JP 2000007728A
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- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F6/00—Post-polymerisation treatments
- C08F6/14—Treatment of polymer emulsions
- C08F6/22—Coagulation
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- Health & Medical Sciences (AREA)
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- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 凝集工程に長時間を要し、粒子径肥大程度も
小さく、また凝集を停止することが困難で、凝集後のラ
テックスを貯蔵する間にも粒子径が変化したり、また均
一な粒子径を持つラテックスが得られなかった。 【解決手段】 粒子径が500〜2000Åである乳化
重合法により得られた小粒子径ポリマーラテックスに、
分子内に分子構造の異なる2種以上の親水基をもつ乳化
剤を加え、さらに酸を加えて凝集させ、次いでアルカリ
物質で中和させ、これにより平均粒子径が2500Å以
上の単分散ポリマーラテックスを凝集させる方法。
小さく、また凝集を停止することが困難で、凝集後のラ
テックスを貯蔵する間にも粒子径が変化したり、また均
一な粒子径を持つラテックスが得られなかった。 【解決手段】 粒子径が500〜2000Åである乳化
重合法により得られた小粒子径ポリマーラテックスに、
分子内に分子構造の異なる2種以上の親水基をもつ乳化
剤を加え、さらに酸を加えて凝集させ、次いでアルカリ
物質で中和させ、これにより平均粒子径が2500Å以
上の単分散ポリマーラテックスを凝集させる方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリマーラテックス
の凝集方法に関し、特に凝集工程において凝固粒子を副
生せず、短時間で安定に大径粒子を含有したポリマーラ
テックスを得るためのポリマーラテックスの製造方法に
関する。
の凝集方法に関し、特に凝集工程において凝固粒子を副
生せず、短時間で安定に大径粒子を含有したポリマーラ
テックスを得るためのポリマーラテックスの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムラテックスを基質として乳化重合し
て得られる樹脂は、エンジニアリングプラスチックとし
て重要なものが多く、その主な例としてはポリブタジエ
ンにスチレンとアクリロニトリルをグラフト重合して得
られるABS樹脂やポリブチルアクリレートにスチレン
とアクリロニトリルをグラフト重合するASA樹脂など
を挙げることができる。
て得られる樹脂は、エンジニアリングプラスチックとし
て重要なものが多く、その主な例としてはポリブタジエ
ンにスチレンとアクリロニトリルをグラフト重合して得
られるABS樹脂やポリブチルアクリレートにスチレン
とアクリロニトリルをグラフト重合するASA樹脂など
を挙げることができる。
【0003】一般にグラフト化したゴム粒子を成分とす
るポリマーはグラフト重合方法によって物性が変化する
が、ゴム基質粒子の粒子径及びその分布を変えることに
よってもポリマーの物性が大きく変化するため、適切な
粒子径及び分布状態を持ったゴム基質を用いる必要があ
ることは、良く知られている。たとえばABS樹脂の場
合は一般に少なくとも重量平均粒子径が2500Å以上
でなければ良好な物性を得ることが難しく、さらに重量
平均粒子径が5000Å以上の粒子が多少とも含まれて
いる方が好ましい。
るポリマーはグラフト重合方法によって物性が変化する
が、ゴム基質粒子の粒子径及びその分布を変えることに
よってもポリマーの物性が大きく変化するため、適切な
粒子径及び分布状態を持ったゴム基質を用いる必要があ
ることは、良く知られている。たとえばABS樹脂の場
合は一般に少なくとも重量平均粒子径が2500Å以上
でなければ良好な物性を得ることが難しく、さらに重量
平均粒子径が5000Å以上の粒子が多少とも含まれて
いる方が好ましい。
【0004】しかしながら、このように大粒子径のポリ
マー粒子を乳化重合で製造することは、乳化重合の一般
的な理論から容易に導かれるように、重合速度が著しく
低下するために、工業的に不利である。小粒子径ポリマ
ーラテックスを凝集する方法は、これまでにも種々知ら
れている。たとえば、米国特許第2446101号明細
書および同第2494002号明細書には、塩化アンモ
ニウムをラテックスに添加する方法が開示されている
が、このような水溶性塩類を用いて凝集を行なう方法で
は、その効果が小さいために粒子径肥大効果を高めるた
めには多量添加しなければならない。しかも、凝集後の
ポリマーラテックスを再安定化するために多量の乳化剤
を添加する必要がある。
マー粒子を乳化重合で製造することは、乳化重合の一般
的な理論から容易に導かれるように、重合速度が著しく
低下するために、工業的に不利である。小粒子径ポリマ
ーラテックスを凝集する方法は、これまでにも種々知ら
れている。たとえば、米国特許第2446101号明細
書および同第2494002号明細書には、塩化アンモ
ニウムをラテックスに添加する方法が開示されている
が、このような水溶性塩類を用いて凝集を行なう方法で
は、その効果が小さいために粒子径肥大効果を高めるた
めには多量添加しなければならない。しかも、凝集後の
ポリマーラテックスを再安定化するために多量の乳化剤
を添加する必要がある。
【0005】さらに、凝集工程で多量添加されたこれら
低分子成分は、後工程において安定性に問題を引起す場
合があり、また最終ポリマーに残存して製品の品質を損
なう場合もあって好ましくない。米国特許第32813
86号明細書、同第3551370号明細書及び同第3
652721号明細書には、酢酸または無水酢酸を用い
て乳化剤の界面活性能を失活させることによってラテッ
クス粒子を凝集する方法が提案されている。しかし、こ
の方法ではラテックスに酸を添加する工程が最も不安定
であり、添加した酸がラテックス内に拡散する境界面で
凝固粒子(粒子が10μ以上になるまで凝集、肥大して
もはや乳化状態には戻り得ない粒子、以下コアギュラム
と称す)を生成する場合が多く、これを生成させないた
めには酸の濃度を充分に低くする必要がある。そしてこ
のように低濃度の酸を用いるのは最終ラテックス濃度が
低下するばかりでなく、粒子径そのものの肥大効果も小
さくなるため、不利な方法と言える。 一方、親水基と
疎水基を一分子中に有する、いわゆる高分子凝集剤を用
いる方法が、米国特許第3049500号明細書、同第
3056758号明細書、同第3330795号明細
書、同第3288741号明細書および特公昭46−1
4539号公報に提案されている。これらの方法では、
高分子凝集剤をそのまま、あるいは一部を変性し、単独
に用いるか、あるいは特定の塩と併用している。
低分子成分は、後工程において安定性に問題を引起す場
合があり、また最終ポリマーに残存して製品の品質を損
なう場合もあって好ましくない。米国特許第32813
86号明細書、同第3551370号明細書及び同第3
652721号明細書には、酢酸または無水酢酸を用い
て乳化剤の界面活性能を失活させることによってラテッ
クス粒子を凝集する方法が提案されている。しかし、こ
の方法ではラテックスに酸を添加する工程が最も不安定
であり、添加した酸がラテックス内に拡散する境界面で
凝固粒子(粒子が10μ以上になるまで凝集、肥大して
もはや乳化状態には戻り得ない粒子、以下コアギュラム
と称す)を生成する場合が多く、これを生成させないた
めには酸の濃度を充分に低くする必要がある。そしてこ
のように低濃度の酸を用いるのは最終ラテックス濃度が
低下するばかりでなく、粒子径そのものの肥大効果も小
さくなるため、不利な方法と言える。 一方、親水基と
疎水基を一分子中に有する、いわゆる高分子凝集剤を用
いる方法が、米国特許第3049500号明細書、同第
3056758号明細書、同第3330795号明細
書、同第3288741号明細書および特公昭46−1
4539号公報に提案されている。これらの方法では、
高分子凝集剤をそのまま、あるいは一部を変性し、単独
に用いるか、あるいは特定の塩と併用している。
【0006】しかしながら、高分子凝集剤を用いる方法
は、凝集工程に長時間を要し、粒子径肥大程度も小さ
く、また凝集を停止することが困難で、凝集後のラテッ
クスを貯蔵する間にも粒子径が変化するという大きな欠
点を有している。ところで、現在工業的に行なわれてい
る方法としては、高圧ホモジナイザーを用いる方法と、
ポリマーラテックスに対し親和性の良い溶媒を添加する
方法を挙げることができるが、前者の場合には、ラテッ
クス粒子の一部が凝集するだけで、均一な粒子径を持つ
ラテックスが得られないし、後者の場合には、グラフト
重合の前段階として溶媒を留去する必要があり、改善の
余地が大きい。
は、凝集工程に長時間を要し、粒子径肥大程度も小さ
く、また凝集を停止することが困難で、凝集後のラテッ
クスを貯蔵する間にも粒子径が変化するという大きな欠
点を有している。ところで、現在工業的に行なわれてい
る方法としては、高圧ホモジナイザーを用いる方法と、
ポリマーラテックスに対し親和性の良い溶媒を添加する
方法を挙げることができるが、前者の場合には、ラテッ
クス粒子の一部が凝集するだけで、均一な粒子径を持つ
ラテックスが得られないし、後者の場合には、グラフト
重合の前段階として溶媒を留去する必要があり、改善の
余地が大きい。
【0007】また、肥大化の目的のために、多種類の乳
化剤を各々添加し、酸により肥大化する方法が、特開平
9−104715号公報に提案されているが、均一な粒
子径にコントロールすることが難しばかりでなく、多種
の乳化剤を使用することは計量を煩雑にすると共に、工
業的に設備が複雑になり、肥大化粒子径をコントロール
する事が難しくなる欠点を有している。
化剤を各々添加し、酸により肥大化する方法が、特開平
9−104715号公報に提案されているが、均一な粒
子径にコントロールすることが難しばかりでなく、多種
の乳化剤を使用することは計量を煩雑にすると共に、工
業的に設備が複雑になり、肥大化粒子径をコントロール
する事が難しくなる欠点を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はポリマーラテ
ックスの凝集方法に関し、特に凝集工程において1種類
の乳化剤の添加によりコアギュラムを副生せず、短時間
で安定に単分散の大粒子径ポリマーラテックスを得るた
めのポリマーラテックスの凝集方法を提供することを目
的とする。
ックスの凝集方法に関し、特に凝集工程において1種類
の乳化剤の添加によりコアギュラムを副生せず、短時間
で安定に単分散の大粒子径ポリマーラテックスを得るた
めのポリマーラテックスの凝集方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、分子内に分子構
造の異なる2種以上の親水基をもつ乳化剤を加え、硫
酸、塩酸、スルホン酸などの強酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、酢酸などの弱酸のうち1種または2種以上の酸を
加えて凝集させ、次いで水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化アンモニウムなどのアルカリ物質で中和さ
せることが、その目的に適合しうることを見いだし、こ
の知見に基づいて本発明をなすに至った。 すなわち、
本発明は、乳化重合法により得られた重量平均分子量が
500〜2000Åである小粒子径ポリマーラテックス
の固形分100重量部に対し、分子内に分子構造の異な
る2種以上の親水基をもつ乳化剤を0.001〜0.5
重量部加え、硫酸、塩酸、スルホン酸などの強酸、マレ
イン酸、イタコン酸、酢酸から選ばれる1種または2種
以上の酸を加えて凝集させ、次いで水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、あるいは水酸化アンモニウムで中和さ
せて、重量平均粒子径が2500Å以上の凝集ポリマー
ラテックスを得ることを特徴とするラテックスの製造方
法に関するものである。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、分子内に分子構
造の異なる2種以上の親水基をもつ乳化剤を加え、硫
酸、塩酸、スルホン酸などの強酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、酢酸などの弱酸のうち1種または2種以上の酸を
加えて凝集させ、次いで水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化アンモニウムなどのアルカリ物質で中和さ
せることが、その目的に適合しうることを見いだし、こ
の知見に基づいて本発明をなすに至った。 すなわち、
本発明は、乳化重合法により得られた重量平均分子量が
500〜2000Åである小粒子径ポリマーラテックス
の固形分100重量部に対し、分子内に分子構造の異な
る2種以上の親水基をもつ乳化剤を0.001〜0.5
重量部加え、硫酸、塩酸、スルホン酸などの強酸、マレ
イン酸、イタコン酸、酢酸から選ばれる1種または2種
以上の酸を加えて凝集させ、次いで水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、あるいは水酸化アンモニウムで中和さ
せて、重量平均粒子径が2500Å以上の凝集ポリマー
ラテックスを得ることを特徴とするラテックスの製造方
法に関するものである。
【0010】本発明のポリマーラテックスの凝集方法
は、重量平均粒子径が500〜2000Å、好ましくは
500〜1500Å、さらに好ましくは600〜100
0Åである乳化重合法により得られた小粒子径ポリマー
ラテックスに、1種類の乳化剤を加え、酸を加えて凝集
させ、次いでアルカリ物質で中和させ、これにより重量
平均粒子径が2500Å以上のポリマーラテックスを凝
集させる方法である。
は、重量平均粒子径が500〜2000Å、好ましくは
500〜1500Å、さらに好ましくは600〜100
0Åである乳化重合法により得られた小粒子径ポリマー
ラテックスに、1種類の乳化剤を加え、酸を加えて凝集
させ、次いでアルカリ物質で中和させ、これにより重量
平均粒子径が2500Å以上のポリマーラテックスを凝
集させる方法である。
【0011】本発明で用いる重量平均粒子径が500〜
2000Åの小粒子径ポリマーラテックスは、常法の乳
化重合によって生成され、用いられる界面活性剤として
は、たとえばカルボン酸基とアルカリ金属の塩を有する
乳化剤で代表されるものであり、ラウリン酸カリウム、
オレイン酸ナトリウム、混合脂肪酸カリウム、ロジン酸
カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、フェニ
ルエトキシサルフェート等のアニオン界面活性剤が用い
られる。
2000Åの小粒子径ポリマーラテックスは、常法の乳
化重合によって生成され、用いられる界面活性剤として
は、たとえばカルボン酸基とアルカリ金属の塩を有する
乳化剤で代表されるものであり、ラウリン酸カリウム、
オレイン酸ナトリウム、混合脂肪酸カリウム、ロジン酸
カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、フェニ
ルエトキシサルフェート等のアニオン界面活性剤が用い
られる。
【0012】またポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の
ノニオン性界面活性剤を使用することが出来る。本発明
において小粒子径ポリマーラテックスとは、一般に小粒
子径と呼ばれる重量平均粒子径が2000Å以下のポリ
マーラテックスをいう。小粒子径ポリマーラテックスの
重量平均粒子径としては、短時間の乳化重合により製造
される工業的有利さと凝集工程での粒子径肥大効果の観
点より500Å〜2000Åである。
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の
ノニオン性界面活性剤を使用することが出来る。本発明
において小粒子径ポリマーラテックスとは、一般に小粒
子径と呼ばれる重量平均粒子径が2000Å以下のポリ
マーラテックスをいう。小粒子径ポリマーラテックスの
重量平均粒子径としては、短時間の乳化重合により製造
される工業的有利さと凝集工程での粒子径肥大効果の観
点より500Å〜2000Åである。
【0013】本発明の小粒子径ポリマーラテックスの成
分としては、例えばポリブタジエンラテックス、ポリス
チレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、、ポリブチ
ルアクリレートラテックスなどの軟質ポリマーラテック
スが好適であり、ポリスチレンラテックス、ポリアクリ
ロニトリル−スチレン共重合体ラテックスなどの硬質ポ
リマーラテックスも使用可能である。
分としては、例えばポリブタジエンラテックス、ポリス
チレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、、ポリブチ
ルアクリレートラテックスなどの軟質ポリマーラテック
スが好適であり、ポリスチレンラテックス、ポリアクリ
ロニトリル−スチレン共重合体ラテックスなどの硬質ポ
リマーラテックスも使用可能である。
【0014】本発明において凝集前に添加する乳化剤と
は、分子中に親水基および疎水基を有し、気−液、液−
液、固−液界面張力を低下させる能力のある化合物のう
ち、親水基はアニオン性、ノニオン性、カチオン性のい
ずれの組み合わせでもよいが、分子中に分子構造の異な
る親水基が2種類以上含まれる化合物である。本発明に
おいてノニオン性親水基とは非イオン性の親水基で、た
とえばポリアルキレンオキサイド基、エステル基、ケト
ン基、アルコール基等である。好ましくはポリエチレン
オキサイド基である。
は、分子中に親水基および疎水基を有し、気−液、液−
液、固−液界面張力を低下させる能力のある化合物のう
ち、親水基はアニオン性、ノニオン性、カチオン性のい
ずれの組み合わせでもよいが、分子中に分子構造の異な
る親水基が2種類以上含まれる化合物である。本発明に
おいてノニオン性親水基とは非イオン性の親水基で、た
とえばポリアルキレンオキサイド基、エステル基、ケト
ン基、アルコール基等である。好ましくはポリエチレン
オキサイド基である。
【0015】本発明に使用する乳化剤の例としては次の
ものがあげられる。下記式(1)で表されるグリシジル
エーテル誘導体およびグリシジルエステル誘導体
ものがあげられる。下記式(1)で表されるグリシジル
エーテル誘導体およびグリシジルエステル誘導体
【0016】
【化1】
【0017】式中、Xは置換基を有してもよいアルキル
基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキルア
リール基、アシル基、(メタ)アリル基または(メタ)
アクリロイル基を示す。Yは水素、または−SO3M
(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ
ニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモ
ニウム)で表される硫酸エステル塩、または−CH2C
OOM(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキル
アンモニウム)で表されるカルボン酸塩、または式
(1’)
基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキルア
リール基、アシル基、(メタ)アリル基または(メタ)
アクリロイル基を示す。Yは水素、または−SO3M
(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ
ニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモ
ニウム)で表される硫酸エステル塩、または−CH2C
OOM(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキル
アンモニウム)で表されるカルボン酸塩、または式
(1’)
【0018】
【化2】
【0019】で表されるリン酸モノエステル、または、
式(1”)
式(1”)
【0020】
【化3】
【0021】で表されるスルホコハク酸モノエステル塩
を示す。Zは炭素数8〜30の置換基を有してもよいア
ルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラル
キルアリール基またはアシル基を示す。Aは炭素数2〜
4のアルキレン基または置換アルキレン基、mは0〜1
00、nは0〜50の正数を示す。
を示す。Zは炭素数8〜30の置換基を有してもよいア
ルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラル
キルアリール基またはアシル基を示す。Aは炭素数2〜
4のアルキレン基または置換アルキレン基、mは0〜1
00、nは0〜50の正数を示す。
【0022】式(1)の具体例として下記式(2)〜
(9)があげられる。
(9)があげられる。
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】下記式(10)で表されるグリシジルエー
テル誘導体およびグリシジルエステル誘導体
テル誘導体およびグリシジルエステル誘導体
【0032】
【化12】
【0033】式中、Xはの置換基を有してもよいアルキ
ル基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキル
アリール基またはアシル基、(メタ)アリル基または
(メタ)アクリロイル基を示す。Yは、式(10’)
ル基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキル
アリール基またはアシル基、(メタ)アリル基または
(メタ)アクリロイル基を示す。Yは、式(10’)
【0034】
【化13】
【0035】で表される、それぞれリン酸ジエステル
塩、またはスルホコハク酸ジエステル塩を示す。Zは炭
素数8〜30の置換基を有してもよいアルキル基、アル
ケニル基、アルキルアリール基、アラルキルアリール基
またはアシル基を示す。Aは炭素数2〜4のアルキレン
基または置換アルキレン基、m、nは0〜50の正数を
示す。
塩、またはスルホコハク酸ジエステル塩を示す。Zは炭
素数8〜30の置換基を有してもよいアルキル基、アル
ケニル基、アルキルアリール基、アラルキルアリール基
またはアシル基を示す。Aは炭素数2〜4のアルキレン
基または置換アルキレン基、m、nは0〜50の正数を
示す。
【0036】式(10)の具体例を下記式(11)があ
げられる。
げられる。
【0037】
【化14】
【0038】下記式(12)で表されるエーテル誘導体
およびエステル誘導体
およびエステル誘導体
【0039】
【化15】
【0040】式中、Xはの置換基を有してもよいアルキ
ル基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキル
アリール基またはアシル基、(メタ)アリル基または
(メタ)アクリロイル基を示す。Yは水素、またはメチ
ル基、または−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒ
ドロキシアルキルアンモニウム)で表される硫酸エステ
ル塩、または−CH2COOM(Mは水素、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜
4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表されるカル
ボン酸塩、または式(1’)で表されるリン酸モノエス
テル塩を示す。
ル基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキル
アリール基またはアシル基、(メタ)アリル基または
(メタ)アクリロイル基を示す。Yは水素、またはメチ
ル基、または−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒ
ドロキシアルキルアンモニウム)で表される硫酸エステ
ル塩、または−CH2COOM(Mは水素、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜
4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表されるカル
ボン酸塩、または式(1’)で表されるリン酸モノエス
テル塩を示す。
【0041】Zは、炭素数8〜30のアルキル基を示
す。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキ
レン基、mは0〜20、nは0〜50の正数を示す。式
(12)の具体例としては下記式(13)、(14)が
あげられる。
す。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキ
レン基、mは0〜20、nは0〜50の正数を示す。式
(12)の具体例としては下記式(13)、(14)が
あげられる。
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】下記式(15)で表せられるエーテル誘導
体およびエステル誘導体
体およびエステル誘導体
【0045】
【化18】
【0046】式中、Xはの置換基を有してもよいアルキ
ル基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキル
アリール基またはアシル基、(メタ)アリル基または
(メタ)アクリロイル基を示す。Yは、式(15’)
ル基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキル
アリール基またはアシル基、(メタ)アリル基または
(メタ)アクリロイル基を示す。Yは、式(15’)
【0047】
【化19】
【0048】で表されるリン酸ジエステル塩を示す。Z
は、炭素数8〜30のアルキル基を示す。Aは炭素数2
〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、n、mは
0〜50の正数を示す。下記式(16)で表される化合
物
は、炭素数8〜30のアルキル基を示す。Aは炭素数2
〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、n、mは
0〜50の正数を示す。下記式(16)で表される化合
物
【0049】
【化20】
【0050】式中、Xは置換基を有してもよいアルキル
基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキルア
リール基またはアシル基、(メタ)アリル基、(メタ)
アクリロイル基または(α−メチル)ビニル基を示す。
Yは−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシ
アルキルアンモニウム)で表される硫酸エステル塩、ま
たは−CH2COOM(Mは水素、アルカリ金属、アル
カリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒド
ロキシアルキルアンモニウム)で表されるカルボン酸
塩、 または式(1’)で表されるリン酸モノエステル
塩を示す。
基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキルア
リール基またはアシル基、(メタ)アリル基、(メタ)
アクリロイル基または(α−メチル)ビニル基を示す。
Yは−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシ
アルキルアンモニウム)で表される硫酸エステル塩、ま
たは−CH2COOM(Mは水素、アルカリ金属、アル
カリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒド
ロキシアルキルアンモニウム)で表されるカルボン酸
塩、 または式(1’)で表されるリン酸モノエステル
塩を示す。
【0051】R1は炭素数6〜18のアルキル基、アル
ケニル基もしくはアラルキル基、R2は水素または炭素
数6〜18のアルキル基、アルケニル基もしくはアラル
キル基、R3は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2
〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、nは1〜
200の正数を示す。式(16)の具体例としては、下
記式(17)〜(22)があげられる。
ケニル基もしくはアラルキル基、R2は水素または炭素
数6〜18のアルキル基、アルケニル基もしくはアラル
キル基、R3は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2
〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、nは1〜
200の正数を示す。式(16)の具体例としては、下
記式(17)〜(22)があげられる。
【0052】
【化21】
【0053】
【化22】
【0054】
【化23】
【0055】
【化24】
【0056】
【化25】
【0057】
【化26】
【0058】下記式(23)で表される化合物
【0059】
【化27】
【0060】式中、Xは置換基を有してもよいアルキル
基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキルア
リール基、アシル基、(メタ)アリル基、(メタ)アク
リロイル基または(α−メチル)ビニル基を示す。R1
は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基もしくは
アラルキル基、R2は水素または炭素数6〜18のアル
キル基、アルケニル基もしくはアラルキル基、R3は水
素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン
基または置換アルキレン基、nは1〜200の正数を示
す。
基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキルア
リール基、アシル基、(メタ)アリル基、(メタ)アク
リロイル基または(α−メチル)ビニル基を示す。R1
は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基もしくは
アラルキル基、R2は水素または炭素数6〜18のアル
キル基、アルケニル基もしくはアラルキル基、R3は水
素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン
基または置換アルキレン基、nは1〜200の正数を示
す。
【0061】Yは式(15’)で表されるリン酸ジエス
テル塩を示す。下記式(24)で表されるコハク酸誘導
体
テル塩を示す。下記式(24)で表されるコハク酸誘導
体
【0062】
【化28】
【0063】式中、Xは置換基を有してもよいアルキル
基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキルア
リール基、アシル基、(メタ)アリル基または(メタ)
アクリロイル基を示す。B1、B2は次に表されるYまた
はZを示し、B1、B2は異なるものである。Yは、Mま
たは−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシ
アルキルアンモニウム)を示す。
基、アルケニル基、アルキルアリール基、アラルキルア
リール基、アシル基、(メタ)アリル基または(メタ)
アクリロイル基を示す。B1、B2は次に表されるYまた
はZを示し、B1、B2は異なるものである。Yは、Mま
たは−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシ
アルキルアンモニウム)を示す。
【0064】Zは、炭素数8〜30のアルキル基または
アルケニル基を示す。Aは炭素数2〜4のアルキレン
基、置換基を有するアルキレン基であり、m、nは0〜
50の正数である。式(24)の具体例としては、下記
式(25)〜(28)があげられる。
アルケニル基を示す。Aは炭素数2〜4のアルキレン
基、置換基を有するアルキレン基であり、m、nは0〜
50の正数である。式(24)の具体例としては、下記
式(25)〜(28)があげられる。
【0065】
【化29】
【0066】
【化30】
【0067】
【化31】
【0068】
【化32】
【0069】下記式(29)で表されるジオール化合物
【0070】
【化33】
【0071】式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基で
あり、R1は炭素数8〜24の炭化水素基であり、R2は
水素またはメチル基であり、mおよびnはm+nが0〜
100の間の値となるようなそれぞれ0〜100の数で
あり、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアル
キルアンモニウムである。
あり、R1は炭素数8〜24の炭化水素基であり、R2は
水素またはメチル基であり、mおよびnはm+nが0〜
100の間の値となるようなそれぞれ0〜100の数で
あり、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアル
キルアンモニウムである。
【0072】式(29)の具体例として、下記式(3
0)があげられる。
0)があげられる。
【0073】
【化34】
【0074】下記式(31)で表せる化合物
【0075】
【化35】
【0076】式中、Xは(メタ)アリル基、(メタ)ア
リロキシ基または(メタ)アクリロイル基、(メタ)ア
クリロイルオキシ基または下記式(31’)を示す。
リロキシ基または(メタ)アクリロイル基、(メタ)ア
クリロイルオキシ基または下記式(31’)を示す。
【0077】
【化36】
【0078】Yは水素、または−SO3M(Mは水素、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは
炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表
される硫酸エステル塩、または−CH2COOM(Mは
水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム
または炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウ
ム)で表されるカルボン酸塩、または式(1’)で表さ
れるリン酸モノエステル、または、式(1”)で表され
るスルホコハク酸モノエステル塩を示す。
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは
炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表
される硫酸エステル塩、または−CH2COOM(Mは
水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム
または炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウ
ム)で表されるカルボン酸塩、または式(1’)で表さ
れるリン酸モノエステル、または、式(1”)で表され
るスルホコハク酸モノエステル塩を示す。
【0079】Zは炭素数6〜30の置換基を有してもよ
いアルキレン基を示す。Aは炭素数2〜4のアルキレン
基または置換アルキレン基、n、mは0〜50の正数を
示す。式(31)の具体例として、下記式(31)〜
(34)があげられる。
いアルキレン基を示す。Aは炭素数2〜4のアルキレン
基または置換アルキレン基、n、mは0〜50の正数を
示す。式(31)の具体例として、下記式(31)〜
(34)があげられる。
【0080】
【化37】
【0081】
【化38】
【0082】
【化39】
【0083】下記式(35)で表せる化合物
【0084】
【化40】
【0085】式中、R1は炭素数6〜8のアルキル基、
アルケニル基、又はアルキルフェニル基を示す。nは3
から20の整数である。m1およびm2は、各々1以上の
整数で、かつm1+m2=3である。式(35)の具体例
として、下記式(36)〜(37)があげられる。下記
式(38)で表せる化合物
アルケニル基、又はアルキルフェニル基を示す。nは3
から20の整数である。m1およびm2は、各々1以上の
整数で、かつm1+m2=3である。式(35)の具体例
として、下記式(36)〜(37)があげられる。下記
式(38)で表せる化合物
【0086】
【化41】
【0087】
【化42】
【0088】
【化43】
【0089】式中、R2はCH3又はHを示す。qは1〜
10の整数である。r1及びr2は、各々1以上の整数
で、かつr1+r2=3である。式(38)の具体例とし
て、下記式(39)〜(40)があげられる。
10の整数である。r1及びr2は、各々1以上の整数
で、かつr1+r2=3である。式(38)の具体例とし
て、下記式(39)〜(40)があげられる。
【0090】
【化44】
【0091】
【化45】
【0092】親水基の組み合わせとしては特に種類に限
定はないが好ましくはアニオン性基とノニオン性基、よ
り好ましくはスルフォン酸基とポリエチレンオキサイド
基との組合せが良い結果を得、またポリマー100重量
部に対し0.01〜0.5重量部、好ましくは0.05
〜0.2重量部である。添加量が少な過ぎる場合には酸
の添加工程でコアギュラムを生じたり、多過ぎる場合に
は粒子径肥大効果が小さくなる傾向がある。また上記乳
化剤の添加時期としては、小粒子径ポリマーラテックス
を重合する時点でも重合した後でもさしつかえない。
定はないが好ましくはアニオン性基とノニオン性基、よ
り好ましくはスルフォン酸基とポリエチレンオキサイド
基との組合せが良い結果を得、またポリマー100重量
部に対し0.01〜0.5重量部、好ましくは0.05
〜0.2重量部である。添加量が少な過ぎる場合には酸
の添加工程でコアギュラムを生じたり、多過ぎる場合に
は粒子径肥大効果が小さくなる傾向がある。また上記乳
化剤の添加時期としては、小粒子径ポリマーラテックス
を重合する時点でも重合した後でもさしつかえない。
【0093】小粒子径ポリマーラテックスを凝集・肥大
化するが、ここで肥大化粒子径ポリマーラテックス、大
粒子径ポリマーラテックスとは、重量平均粒子径が25
00Å〜10000Åのポリマーラテックスをいう。凝
集・肥大化するために加えられる酸としては、酸性で界
面活性能が低下する乳化剤の酸基よりも電離定数の高い
ものであればよく、例えば硫酸、塩酸、スルホン酸など
の強酸、マレイン酸、イタコン酸、酢酸などの弱酸のう
ち1種または2種以上の混合液が使用できる。ただし、
その濃度は凝集工程においてコアギュラムを生成しない
範囲内でできるだけ高いことが好ましい。
化するが、ここで肥大化粒子径ポリマーラテックス、大
粒子径ポリマーラテックスとは、重量平均粒子径が25
00Å〜10000Åのポリマーラテックスをいう。凝
集・肥大化するために加えられる酸としては、酸性で界
面活性能が低下する乳化剤の酸基よりも電離定数の高い
ものであればよく、例えば硫酸、塩酸、スルホン酸など
の強酸、マレイン酸、イタコン酸、酢酸などの弱酸のう
ち1種または2種以上の混合液が使用できる。ただし、
その濃度は凝集工程においてコアギュラムを生成しない
範囲内でできるだけ高いことが好ましい。
【0094】小粒子径ポリマーラテックスに対する酸の
添加量は、用いている乳化剤の種類と量によって変化す
るため特に限定できないが、ポリマーラテックスのpH
を6以下にする量が好ましい。本発明で用いる小粒子径
ポリマーラテックスの濃度は、高過ぎる場合には酸を添
加する工程においてコアギュラムを生じ、低過ぎる場合
には粒子径肥大効果が小さくなる傾向がある。しかし、
その濃度範囲は用いる酸の種類と濃度、および酸性で良
好な界面活性能を有する乳化剤の種類と添加量などによ
って変化するため特に限定されないが、生産性等の工業
的な目的から、ラテックス全体の重量を基準として30
重量%もしくはそれ以上が好ましい。
添加量は、用いている乳化剤の種類と量によって変化す
るため特に限定できないが、ポリマーラテックスのpH
を6以下にする量が好ましい。本発明で用いる小粒子径
ポリマーラテックスの濃度は、高過ぎる場合には酸を添
加する工程においてコアギュラムを生じ、低過ぎる場合
には粒子径肥大効果が小さくなる傾向がある。しかし、
その濃度範囲は用いる酸の種類と濃度、および酸性で良
好な界面活性能を有する乳化剤の種類と添加量などによ
って変化するため特に限定されないが、生産性等の工業
的な目的から、ラテックス全体の重量を基準として30
重量%もしくはそれ以上が好ましい。
【0095】肥大化粒子径ポリマーラテックスの安定化
に用いられるアルカリ物質としては、例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムが挙げら
れる。添加量は、凝集工程で加えられた酸を中和する量
が適当であり、濃度が高過ぎる場合にはその添加工程で
コアギュラムが生成するので、ラテックス全体の重量を
基準として15%以下が好ましい。
に用いられるアルカリ物質としては、例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムが挙げら
れる。添加量は、凝集工程で加えられた酸を中和する量
が適当であり、濃度が高過ぎる場合にはその添加工程で
コアギュラムが生成するので、ラテックス全体の重量を
基準として15%以下が好ましい。
【0096】
【発明の実施の形態】次に実施例を挙げて本発明の方法
を詳細に説明する。なお実施例および比較例において、
「部」は重量部を表し、重量平均粒子径は透過型電子顕
微鏡により測定した。固形分(%)はラテックスを13
0℃で1時間乾燥させ測定した。
を詳細に説明する。なお実施例および比較例において、
「部」は重量部を表し、重量平均粒子径は透過型電子顕
微鏡により測定した。固形分(%)はラテックスを13
0℃で1時間乾燥させ測定した。
【0097】ブタジエンモノマー100部、脱イオン水
135部、オレイン酸カリウム3.0部、過硫酸カリウ
ム0.3部、ターシャリードデシルメルカプタン0.2
部、および水酸化カリウム0.18部を撹拌機の付いた
耐圧容器に収納して、温度を70℃に上げ、重合を開始
した。重合時間15時間で重量平均粒子径800Å、固
形分40%のポリブタジエンラテックスを得た。
135部、オレイン酸カリウム3.0部、過硫酸カリウ
ム0.3部、ターシャリードデシルメルカプタン0.2
部、および水酸化カリウム0.18部を撹拌機の付いた
耐圧容器に収納して、温度を70℃に上げ、重合を開始
した。重合時間15時間で重量平均粒子径800Å、固
形分40%のポリブタジエンラテックスを得た。
【0098】
【実施例1】上記により得られた重量平均粒子径800
Å、固形分40%のポリブタジエンラテックスに乳化剤
(17)をラテックスの固形分100部に対して0.1
部加え、5分間攪拌後、酢酸1部を添加した。ついで、
水酸化カリウム1部を加えて安定なラテックスを得た。
このラテックスは、重量平均粒子径が3000Åの粒子
径分布を持ったラテックスであり、コアギュラムを副成
せず、固形分37%の高濃度凝集ラテックスであった。
4000Å以上の粒子径のラテックスの重量分率は11
%であった。
Å、固形分40%のポリブタジエンラテックスに乳化剤
(17)をラテックスの固形分100部に対して0.1
部加え、5分間攪拌後、酢酸1部を添加した。ついで、
水酸化カリウム1部を加えて安定なラテックスを得た。
このラテックスは、重量平均粒子径が3000Åの粒子
径分布を持ったラテックスであり、コアギュラムを副成
せず、固形分37%の高濃度凝集ラテックスであった。
4000Å以上の粒子径のラテックスの重量分率は11
%であった。
【0099】
【実施例2】上記により得られた重量平均粒子径800
Å、固形分40%のポリブタジエンラテックスに乳化剤
(17)をラテックスの固形分100部に対して0.1
部加え、5分間攪拌後、酢酸1.5部を添加した。つい
で、水酸化カリウム1.5部を加えて安定なラテックス
を得た。このラテックスは、重量平均粒子径が3800
Åの粒子径分布を持ったラテックスであり、コアギュラ
ムを副成せず、固形分37%の高濃度凝集ラテックスで
あった。4000Å以上の粒子径のラテックスの重量分
率は30%であった。
Å、固形分40%のポリブタジエンラテックスに乳化剤
(17)をラテックスの固形分100部に対して0.1
部加え、5分間攪拌後、酢酸1.5部を添加した。つい
で、水酸化カリウム1.5部を加えて安定なラテックス
を得た。このラテックスは、重量平均粒子径が3800
Åの粒子径分布を持ったラテックスであり、コアギュラ
ムを副成せず、固形分37%の高濃度凝集ラテックスで
あった。4000Å以上の粒子径のラテックスの重量分
率は30%であった。
【0100】
【比較例1】上記により得られた重量平均粒子径800
Å、固形分40%のポリブタジエンラテックスの固形分
100部に対して有機スルフォン酸ソーダ乳化剤(商品
名「TAMOL−SNTR」、ロームアンドハース社
製)を0.15重量部とポリオキシエチレンノリルフェ
ニルエーテル(商品名「エマルゲン999S」、花王
製)を0.002重量部を加え、5分間撹拌後、酢酸1
重量部を添加した。ついで、水酸化カリウム1部を加え
て安定なラテックスを得た。このラテックスの平均粒子
径は1500Åと6000Åにピークを有するバイモー
ダルな粒子径分布を有するラテックスであった。また重
量分率としては1500Åは75重量%、6000Åは
25重量%であった。
Å、固形分40%のポリブタジエンラテックスの固形分
100部に対して有機スルフォン酸ソーダ乳化剤(商品
名「TAMOL−SNTR」、ロームアンドハース社
製)を0.15重量部とポリオキシエチレンノリルフェ
ニルエーテル(商品名「エマルゲン999S」、花王
製)を0.002重量部を加え、5分間撹拌後、酢酸1
重量部を添加した。ついで、水酸化カリウム1部を加え
て安定なラテックスを得た。このラテックスの平均粒子
径は1500Åと6000Åにピークを有するバイモー
ダルな粒子径分布を有するラテックスであった。また重
量分率としては1500Åは75重量%、6000Åは
25重量%であった。
【0101】
【比較例2】上記により得られた重量平均粒子径800
Å、固形分40%のポリブタジエンラテックスに乳化剤
(17)をラテックスの固形分100重量部に対して
0.005部加え、5分間攪拌後、酢酸1部を添加し
た。酢酸を添加する段階でコアギュラムを生成した。
Å、固形分40%のポリブタジエンラテックスに乳化剤
(17)をラテックスの固形分100重量部に対して
0.005部加え、5分間攪拌後、酢酸1部を添加し
た。酢酸を添加する段階でコアギュラムを生成した。
【0102】
【比較例3】上記ラテックスと同様の方法により得られ
た重量平均粒子径3000Å、固形分45%のポリブタ
ジエンラテックスに乳化剤(17)をラテックスの固形
分100重量部に対して0.1部加え、5分間攪拌後、
酢酸1部を添加した。ついで、水酸化カリウム1部を加
えて安定なラテックスを得た。このラテックスは、肥大
化を起こしておらず、重量平均粒子径が3000Åの粒
子径分布を持ったラテックスであった。
た重量平均粒子径3000Å、固形分45%のポリブタ
ジエンラテックスに乳化剤(17)をラテックスの固形
分100重量部に対して0.1部加え、5分間攪拌後、
酢酸1部を添加した。ついで、水酸化カリウム1部を加
えて安定なラテックスを得た。このラテックスは、肥大
化を起こしておらず、重量平均粒子径が3000Åの粒
子径分布を持ったラテックスであった。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、ポリマーラテックスの
凝集プロセスにおいて分子内に分子構造の異なる2種類
上の親水基を持つ乳化剤を1種類添加することによりコ
アギュラムを生成せず、短時間で、安定に単分散の大粒
子径ポリマーラテックスを得ることができる。
凝集プロセスにおいて分子内に分子構造の異なる2種類
上の親水基を持つ乳化剤を1種類添加することによりコ
アギュラムを生成せず、短時間で、安定に単分散の大粒
子径ポリマーラテックスを得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 乳化重合法により得られた重量平均粒子
径が500〜2000Åである小粒子径ポリマーラテッ
クスに、分子内に分子構造の異なる2種以上の親水基を
もつ乳化剤をポリマーラテックスの固形分100重量部
に対して0.001〜0.5重量部加え、硫酸、塩酸、
スルホン酸などの強酸、マレイン酸、イタコン酸、酢酸
から選ばれる1種または2種以上の酸を加えて凝集さ
せ、次いで水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、あるい
は水酸化アンモニウムで中和させて、重量平均粒子径が
2500Å以上の凝集ポリマーラテックスを得ることを
特徴とするラテックスの製造方法。 - 【請求項2】 小粒子径ポリマーラテックスの重量平均
粒子径が600〜1000Åである請求項1記載のラテ
ックスの製造方法 - 【請求項3】 小粒子径ポリマーラテックスの重量平均
粒子径が600〜1000Åであり、かつ、分子内に分
子構造の異なる2種以上の親水基をもつ乳化剤の添加量
がポリマーラテックスの固形分100重量部に対して
0.01〜0.5重量部である請求項1記載のラテック
スの製造方法 - 【請求項4】 小粒子径ポリマーラテックスの重量平均
粒子径が600〜1000Åであり、かつ、分子内に分
子構造の異なる2種以上の親水基をもつ乳化剤の添加量
がポリマーラテックスの固形分100重量部に対して
0.05〜0.2重量部である請求項1記載のラテック
スの製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10171305A JP2000007728A (ja) | 1998-06-18 | 1998-06-18 | 凝集ラテックスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10171305A JP2000007728A (ja) | 1998-06-18 | 1998-06-18 | 凝集ラテックスの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000007728A true JP2000007728A (ja) | 2000-01-11 |
Family
ID=15920823
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10171305A Pending JP2000007728A (ja) | 1998-06-18 | 1998-06-18 | 凝集ラテックスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000007728A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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