JP3267666B2 - グラフト共重合体の製法 - Google Patents

グラフト共重合体の製法

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JP3267666B2 JP09637192A JP9637192A JP3267666B2 JP 3267666 B2 JP3267666 B2 JP 3267666B2 JP 09637192 A JP09637192 A JP 09637192A JP 9637192 A JP9637192 A JP 9637192A JP 3267666 B2 JP3267666 B2 JP 3267666B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラフト共重合体の製
法に関する。さらに詳しくは、ゴム状重合体含有グラフ
ト共重合体を製造する際に重要な問題である、重合スケ
ールの発生量を減少させたグラフト共重合体の製法に関
する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】塩化ビニ
ル樹脂、メチルメタクリレート樹脂、アクリロニトリル
- スチレン樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂などの硬質重
合体は、機械的特性や光学的特性にすぐれ、また加工性
も良好なことから広く用いられているが、これらは脆い
という欠点を有している。
【0003】したがって、前記樹脂の耐衝撃性を改良す
るため、ブタジエン系やアクリル酸アルキルエステル系
などのゴム状幹重合体にメチルメタクリレート、スチレ
ン、アクリロニトリルなどをグラフト重合させたグラフ
ト共重合体を混合する方法が知られている。前記グラフ
ト共重合体は、混合対象樹脂の性能を損うことなくその
耐衝撃性を改良する耐衝撃強化剤として広く用いられて
いる。
【0004】たとえば、透明性が必要とされる用途に使
用される塩化ビニル樹脂(PVC)に用いられる耐衝撃
強化剤は、PVCの良好な透明性、低い折り曲げ白化性
を保持しながら耐衝撃性を改良するものであるが、これ
らの特性を兼ね備えた耐衝撃強化剤として前記グラフト
共重合体が用いられており、その製法に関して多くの改
良法が検討されている。
【0005】前記改良法の一例として、特公昭42-22541
号公報には、ブタジエン系共重合体水性ラテックスに水
溶性電解質を添加してグラフト単量体を重合条件下にお
き、グラフト重合中にラテックス粒子を凝集肥大させて
グラフト重合体をうる耐衝撃強化剤の製法が記載されて
いる。
【0006】しかし、前記方法においては、グラフト重
合時に発生する重合スケールの量が多いという欠点を有
しており、重合スケールの量の減少は重要な課題となっ
ている。
【0007】前記方法以外にも、水性ラテックス状のゴ
ム状重合体を凝集肥大させてからグラフト重合を行なう
方法や、凝集肥大を行なわず通常の方法によりゴム状重
合体にグラフト重合を行なう方法があげられるが、これ
らの方法においても、重合スケールの発生は免れえず、
その減少は生産性向上などの観点からやはり重要であ
る。
【0008】前記耐衝撃強化剤を製造する際に発生する
重合スケールの量を減少させる方法として、乳化剤量を
増加させる方法も一般に知られている。
【0009】しかしながら、乳化剤量の増加は、最終成
形体の透明性や折り曲げ白化性の低下、熱安定性の低下
などをもたらすという大きな欠点を有している。
【0010】このため、品質を低下させることのない重
合スケールの量の工業的な減少法が強く要望されてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、グラフト
共重合体の他の特性を変えることなく、重合スケールの
量を減少させるため鋭意検討を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、ゴム状重合体の水性
ラテックス20〜90部(重量部、以下同様)(固形分)
に、グラフト単量体80〜10部を乳化重合によってグラフ
ト重合させる際に、前記グラフト単量体の少なくとも一
部を、乳化する単量体に対して0.1〜2重量%(以下、
%という)の乳化剤であらかじめ水に乳化させた状態で
添加することによりグラフト重合を行なうことを特徴と
するグラフト共重合体の製法に関する。
【0013】
【実施例】本発明に用いるゴム状重合体としては、従来
からグラフト共重合体の製造に用いられているものであ
ればとくに限定なく使用しうるが、たとえばブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレンなどのジエンや、エチル
アクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレ
ートなどの炭素数が2〜10のアルキル基を有するアクリ
ル酸アルキルエステルなどの単独重合体、これらの単独
重合体の製造に用いられる単量体と該単量体と共重合可
能な単量体(以下、共重合可能な単量体(A)という)
との共重合体などがあげられる。
【0014】前記共重合可能な単量体(A)としては、
たとえばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレートなどの炭素数1〜5程度のアルキル基
を有するアクリル酸アルキルエステル、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレートなどの炭素数1〜5程度
のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル、
スチレン、α- メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合
物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニ
ルシアン化合物、アクリル酸、メタクリル酸などのカル
ボン酸系化合物などがあげられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0015】前記ゴム状重合体は、架橋剤により架橋さ
れていてもよく、架橋されていなくてもよい。また、ゴ
ム状重合体は必要に応じて複数種を併用してもよい。
【0016】本発明においては、前記ゴム状重合体の水
性ラテックスが使用される。
【0017】前記ゴム状重合体の水性ラテックスは、グ
ラフト共重合体の耐衝撃性付与能力の点から前記ゴム状
重合体を40〜85%含有するものが好ましく、またラテッ
クスの安定性の点から、たとえば脂肪酸、ジアルキルス
ルホコハク酸、アルキルサルフェート、アルキルベンゼ
ンスルホン酸などのアルカリ金属塩のごときアニオン性
乳化剤や、8〜20程度のHLB値を有するノニオン性乳
化剤などの乳化剤を0.1〜5%、さらには0.3〜3%含有
するものが好ましい。
【0018】また、前記ゴム状重合体の重量平均粒径
は、グラフト共重合体の混合される被改質樹脂の種類や
その用途にもよるが、グラフト共重合体の耐衝撃性付与
能力の点から300 〜9000Aであるのが好ましく、500 〜
3000Aであるのがさらに好ましい。
【0019】本発明においては、前記ゴム状重合体の水
性ラテックス20〜90部(固形分)、好ましくは40〜85部
に、グラフト単量体(B)80〜10部、好ましくは60〜15
部が乳化重合によってグラフト重合せしめられるが、こ
の際、グラフト単量体の少なくとも一部をあらかじめ水
に乳化して添加される。
【0020】前記のごとくグラフト単量体の少なくとも
一部があらかじめ水に乳化して添加されるため、グラフ
ト共重合体の他の特性をかえることなく、ゴム状重合体
含有グラフト共重合体を製造する際の問題である重合ス
ケールの発生量を減少させることができる。
【0021】前記ゴム状重合体20〜90部に対するグラフ
ト重合させるグラフト単量体の量が80〜10部の範囲内の
ばあいには、グラフト共重合体を耐衝撃強化剤として使
用可能となる。
【0022】グラフト単量体の少なくとも一部をあらか
じめ水に乳化するとは、グラフト単量体のうちの少なく
とも5%、好ましくは10〜100%を、あらかじめ乳化す
るグラフト単量体に対して0.1〜2%程度の乳化剤を含
む水(乳化するグラフト単量体に対して5〜300%(水
のみの量)程度、好ましくは10〜200%程度の水)に乳
化することを意味する。
【0023】前記乳化するグラフト単量体の全グラフト
単量体に対する割合が少なくとも5%に達しないばあい
には、重合スケール発生量の減少の程度が小さくなる。
また、乳化するグラフト単量体に対する乳化剤の量が0.
1 〜2%の範囲内のばあいには、グラフト単量体乳化物
の乳化状態が安定で、乳化剤の使用量も少ないなどの点
から好ましく、また、乳化するグラフト単量体に対する
水の量が10〜200 %の範囲内のばあいには、単量体の乳
化が容易であり、一方、グラフト共重合体の固形分濃度
の低下も小さいなどの点から好ましい。
【0024】前記グラフト単量体(B)の具体例として
は、たとえば(a)メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、ブチルメタクリレートなどの炭素数1〜6
程度のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステ
ル、(b)スチレン、α- メチルスチレンなどの芳香族
ビニル化合物、(c)メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレートなどの炭素数1〜6程度
のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル、
(d)アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのビ
ニルシアン化合物、(e)塩化ビニル、臭化ビニルなど
のハロゲン化ビニル、(f)アクリル酸、メタクリル酸
などのカルボン酸系単量体などがあげられるが、これら
に限定されるものではなく、また、これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。さらに、架橋剤
などを用いてもよい。これらグラフト単量体(B)のう
ち、あらかじめ乳化される一部のグラフト単量体とし
て、たとえばメチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレートなどの炭素数1〜6程度の
アルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリ
レートなどの炭素数1〜6程度のアルキル基を有するア
クリル酸エステル、アクリロニトリルやメタクリロニト
リルなどのビニルシアン化合物、アクリル酸やメタクリ
ル酸などのカルボン酸系単量体のような比較的極性の大
きな親水性グラフト単量体をえらび、水に乳化させた状
態で添加すると、スケール防止効果がとくに大きくな
る。それゆえ、たとえば親水性グラフト単量体を主成分
とする部分のみを水に乳化させた状態で添加し、非極性
の非親水性グラフト単量体を主成分とする部分は水に乳
化させることなく添加してもよい。
【0025】グラフト単量体を乳化させる際に使用する
乳化剤(C)としては、前記グラフト単量体を乳化させ
る能力を有するものであればとくに限定されるものでは
なく、たとえばオレイン酸、ステアリン酸、パルミチン
酸、リノール酸などの脂肪酸のアルカリ金属塩、ジアル
キルスルホコハク酸、アルキルアリルスルホン酸、高級
アルコール硫酸エステル(アルキル硫酸)、アルキルベ
ンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルフォ
スフェートなどのアルカリ金属塩のごときアニオン性乳
化剤のほか、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレ
ンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテルなどのノニオン性乳化剤のうち
8〜20程度のHLB値を有するものなどがあげられる
が、これらに限定されるものではない。これらは、単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】グラフト単量体を水に乳化させる方法とし
ては、たとえば剪断力で機械的に乳化させる方法、音波
や超音波により乳化させる方法、電気分散により乳化さ
せる方法など、公知の方法があげられるが、前記方法の
うちいずれの方法を採用してもよく、またそれらを組合
わせた方法でもよい。
【0027】前記剪断力で機械的に乳化させる方法とし
ては、従来からグラフト単量体を水に乳化させるのに使
用されている方法であればとくに限定はないが、たとえ
ば簡便な方法として撹拌翼やラインミキサーなどを用い
る方法が具体的な方法としてあげられる。
【0028】本発明においては、ゴム状重合体の水性ラ
テックスに、グラフト単量体が、グラフト単量体の少な
くとも一部が乳化せしめられた状態で添加せしめられ、
グラフト重合せしめられる。
【0029】グラフト単量体をすべて乳化させたもの
(グラフト単量体乳化物)として添加するばあいには、
ゴム状重合体の水性ラテックスへのグラフト単量体乳化
物の添加方法にはとくに限定はなく、一括添加、多段添
加、連続添加または多段の連続添加などの公知のいずれ
の方法で行なってもよい。
【0030】一方、グラフト単量体の一部をグラフト単
量体乳化物として加え、のこりをグラフト単量体として
加えるばあいには、まず、グラフト単量体乳化物を前記
と同様にして加えたのち、グラフト単量体を一括添加、
多段添加、連続添加または多段の連続添加などの公知の
方法で添加してもよく、逆に、のこりのグラフト単量体
をまず添加したのちグラフト単量体乳化物を添加しても
よく、また、のこりのグラフト単量体とグラフト単量体
乳化物とを交互にまたは同時に添加してもよい。
【0031】前記添加方法のうちで、グラフト単量体の
一部をグラフト単量体乳化物として加え、残りをグラフ
ト単量体として加える方法においては、多段添加や多段
の連続添加において、とくに重合スケールの発生量の多
い段階をグラフト単量体乳化物として加え、重合スケー
ルの発生量の少ない段階をグラフト単量体として加える
ことによって、グラフト単量体すべてを乳化物として加
えなくても、重合スケールの発生量を大幅に低下させる
ことができる。
【0032】グラフト単量体の添加にひきつづいて行な
われるグラフト重合法としては、水性ラテックス中のゴ
ム状重合体を凝集肥大させないで重合させる通常の重合
法のほか、水性ラテックス中のゴム状重合体の粒子を酸
や凝集肥大剤により凝集肥大させてからグラフト重合を
行なう方法、水溶性電解質を添加してグラフト重合中に
水性ラテックス中の粒子を凝集肥大させる方法などの公
知の方法があげられる。本発明では前記いずれの方法で
グラフト重合を行なってもよいが、とくに水溶性電解質
を添加してグラフト重合中に水性ラテックス中の粒子を
凝集肥大させる方法を採用したばあい、発生する重合ス
ケールの量の減少効果が著しい。
【0033】水溶性電解質を添加するばあい、その量は
0.5 〜5部が好ましい。また、使用する水溶性電解質と
しては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウ
ム、塩化カルシウム、塩化アルミニウムなどがあげられ
る。
【0034】本発明においては、ゴム状重合体の水性ラ
テックスにグラフト共重合体を添加してグラフト重合さ
せる際に、グラフト単量体の少なくとも一部をグラフト
単量体乳化物として添加してグラフト重合を行なわせる
ため、従来法によりグラフト重合体を製造する際の欠点
である重合スケールの発生量が多いという問題を解消す
ることができる。また、乳化剤量を増加させたばあいの
問題である最終成形体の透明性や折り曲げ白化性の低
下、熱安定性の低下などの問題を解消することができ
る。
【0035】つぎに本発明の方法を実施例に基づきさら
に詳しく説明する。
【0036】実施例1 水200 部、オレイン酸ソーダ1.5 部、硫酸第一鉄(Fe
SO4 ・7H2 O)0.002 部、エチレンジアミン四酢酸
二ナトリウム 0.005部、ホルムアルデヒドスルフォキシ
ル酸ソーダ0.2 部、リン酸三カリウム0.2 部、ブタジエ
ン75部、スチレン25部、ジビニルベンゼン1.0 部、ジイ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1 部を撹
拌機つき重合容器に仕込み、50℃で15時間重合させ、重
合転化率99%、重量平均粒子径800 Aのゴム状重合体ラ
テックスA(以下、ゴム状重合体ラテックスAという)
をえた。
【0037】ゴム状重合体ラテックスA 180部(固形分
60部)に、水80部(水の総量220 部)、硫酸第一鉄(F
eSO4 ・7H2 O)0.002 部、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム0.004 部、ホルムアルデヒドスルフォキ
シル酸ソーダ0.1 部を混合し、70℃に昇温した。これ
に、メチルメタクリレート20部、スチレン20部、クメン
ハイドロパーオキサイド0.2 部の単量体混合液に水20
部、ステアリン酸カリウム0.4 部を加えて撹拌して乳化
させたグラフト単量体乳化物B(以下、グラフト単量体
乳化物Bという)を4時間にわたって連続添加し、さら
に1時間の後重合を行なったのち重合を終了し、重量平
均粒子径940 Aのグラフト共重合体ラテックスをえた。
【0038】なお、グラフト単量体乳化物Bの調製は、
グラフト単量体混合物と水とが完全に乳化するように撹
拌することにより行なった。
【0039】グラフト重合体をえたのち、グラフト重合
操作中に発生した重合スケールの量を測定するため、重
合容器、撹拌翼に付着した重合スケールを含めて、60メ
ッシュ不通過のものを集めた。えられた重合スケールの
量は、グラフト共重合体の0.05%とわずかであった。
【0040】えられたグラフト共重合体ラテックスを硫
酸で凝固させ、熱処理、洗浄、脱水、乾燥ののち粉末状
のグラフト共重合体をえた。
【0041】えられた粉末状グラフト共重合体10部を、
オクチルスズメルカプト安定剤1.2部、グリセリンリシ
ノレート0.8 部、モンタン酸エステル0.2 部を含む塩化
ビニル樹脂(平均重合度700 )90部と混合し、170 ℃の
ロールで8分間混練後、190℃の熱プレスで15分間加圧
成形して、厚さ5mmの試験片を作製した。
【0042】えられた試験片の熱安定性の評価を、試験
片の色調を目視で判断することにより行ない、黄色味が
非常に少ないばあいをA(きわめてよい)、黄色味が少
ないばあいをB(よい)、黄色味がやや多いばあいをC
(わるい)、黄色味が多いばあいをD(きわめてわる
い)とする4段階にランク付した。結果を表1に示す。
【0043】実施例2 実施例1でえたゴム状重合体ラテックスA 180部(固形
分60部)に0.4 %塩酸水溶液40部を加えて、ラテックス
粒子の重量平均粒子径が1700Aとなるように凝集したゴ
ム状重合体ラテックスをえた。これを当量の2.5 %水酸
化ナトリウム水溶液にて中和したのち、水、硫酸第一鉄
(FeSO4 ・7H2 O)0.002 部、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム0.004 部、ホルムアルデヒドスルフ
ォキシル酸ソーダ0.1 部を混合し、70℃に昇温した。こ
れに、実施例1のグラフト単量体乳化物Bを4時間にわ
たって連続添加し、さらに1時間の後重合を行なったの
ち重合を終了して、重量平均粒子径2000Aのグラフト共
重合体ラテックスをえた。
【0044】えられたグラフト共重合体ラテックスを、
実施例1と同様に処理して粉末状のグラフト共重合体を
えた。
【0045】グラフト重合操作中に重合容器、撹拌翼に
付着した重合スケールの量を実施例1と同様にして測定
したところ、えられたグラフト共重合体の0.15%とわず
かであった。
【0046】えられた粉末状グラフト共重合体を用い
て、実施例1と同様に試験片を作製し、評価を行なっ
た。結果を表1に示す。
【0047】なお、本実施例で使用した水の総量は220
部であった。
【0048】実施例3 実施例1でえたゴム状重合体ラテックスA 180部(固形
分60部)に、水80部(水の総量220 部)、硫酸第一鉄
(FeSO4 ・7H2 O)0.002 部、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム0.004 部、ホルムアルデヒドスルフ
ォキシル酸ソーダ0.1 部および塩化カリウム1.4 部を混
合し、70℃に昇温した。これに、実施例1の単量体乳化
物Bを4時間にわたって連続添加し、さらに1時間の後
重合を行なったのち重合を終了し、重量平均粒子径2000
Aのグラフト共重合体ラテックスをえた。
【0049】えられたグラフト共重合体ラテックスを実
施例1と同様に処理して、粉末状のグラフト共重合体を
えた。
【0050】グラフト重合操作中に重合容器、撹拌翼に
付着した重合スケールの量を実施例1と同様にして測定
したところ、えられたグラフト共重合体の0.15%とわず
かであった。
【0051】えられた粉末状グラフト共重合体を用い
て、実施例1と同様に試験片を作製し、評価を行なっ
た。結果を表1に示す。
【0052】比較例1 実施例1でえたゴム状重合体ラテックスA 180部(固形
分60部)に、水100 部(水の総量220 部)、硫酸第一鉄
(FeSO4 ・7H2 O)0.002 部、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム0.004 部、ホルムアルデヒドスルフ
ォキシル酸ソーダ0.1 部、ステアリン酸カリウム0.4 部
を混合し、70℃に昇温した。これに、メチルメタクリレ
ート20部、スチレン20部、クメンハイドロパーオキサイ
ド0.2 部からなる単量体混合液C(以下、単量体混合液
Cという)を4時間にわたって連続添加し、さらに1時
間の後重合を行なったのち重合を終了し、重量平均粒子
径940 Aのグラフト共重合体ラテックスをえた。
【0053】えられたグラフト共重合体ラテックスを実
施例1と同様に処理して粉末状のグラフト共重合体をえ
た。
【0054】グラフト重合操作中、重合容器、撹拌翼に
は重合スケールが若干付着しており、前記重合スケール
の量を実施例1と同様にして測定したところえられたグ
ラフト共重合体の0.15%であった。
【0055】えられた粉末状グラフト共重合体を用い
て、実施例1と同様に処理して試験片を作製し、評価を
行なった。結果を表1に示す。
【0056】比較例2 実施例1でえたゴム状重合体ラテックスA 180部(固形
分60部)に、0.4 %塩酸水溶液40部を加え、ラテックス
粒子の平均粒子径が1700Aとなるように凝集したゴム状
重合体ラテックスをえた。これを当量の2.5 %水酸化ナ
トリウム水溶液にて中和したのち、水、硫酸第一鉄(F
eSO4 ・7H2 O)0.002 部、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム0.004 部、ホルムアルデヒドスルフォキ
シル酸ソーダ0.1 部、ステアリン酸カリウム0.4 部を混
合し、70℃に昇温した。これに、比較例1の単量体混合
液Cを4時間にわたって連続添加し、さらに1時間の後
重合を行なったのち重合を終了し、重量平均粒子径2000
Aのグラフト共重合体ラテックスをえた。
【0057】えられたグラフト共重合体ラテックスを実
施例1と同様に処理して、粉末状のグラフト共重合体を
えた。
【0058】グラフト重合操作中、重合容器、撹拌翼に
は重合スケールが若干付着しており、前記重合スケール
の量を実施例1と同様にして測定したところ、えられた
グラフト共重合体の0.5 %であった。
【0059】えられた粉末状グラフト共重合体を用い
て、実施例1と同様に処理して試験片を作製し、評価を
行なった。その結果を表1に示す。
【0060】なお、本比較例で使用した水の総量は220
部であった。
【0061】比較例3 実施例1でえたゴム状重合体ラテックスA 180部(固形
分60部)に、水100 部(水の総量220 部)、硫酸第一鉄
(FeSO4 ・7H2 O)0.002 部、エチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム0.004 部、ホルムアルデヒドスルフ
ォキシル酸ソーダ0.1 部、ステアリン酸カリウム0.4 部
および塩化カリウム1.4 部を混合し、70℃に昇温した。
これに、比較例1の単量体混合液Cを4時間にわたって
連続添加し、さらに1時間の後重合を行なったのち重合
を終了し、重量平均粒子径2000Aのグラフト共重合体ラ
テックスをえた。
【0062】えられたグラフト共重合体ラテックスを実
施例1と同様に処理して、粉末状のグラフト共重合体を
えた。
【0063】グラフト重合操作中、重合容器、撹拌翼に
は重合スケールが若干付着しており、前記重合スケール
の量を実施例1と同様にして測定したところ、えられた
グラフト共重合体の0.6 %であった。
【0064】ついで、えられた粉末状グラフト共重合体
から、実施例1と同様にして試験片を作製し、評価を行
なった。結果を表1に示す。
【0065】比較例4 グラフト重合を行なう際に、ステアリン酸カリウムを使
用せず、塩化カリウムを1.3 部使用したほかは、比較例
3と同様にしてグラフト重合を行ない、重量平均粒子径
2000Aのグラフト共重合体ラテックスをえた。
【0066】えられたグラフト共重合体ラテックスを実
施例1と同様に処理して、粉末状のグラフト共重合体を
えた。
【0067】グラフト重合操作中、重合容器、撹拌翼に
は多量の重合スケールが付着しており、前記重合スケー
ルの量を実施例1と同様にして測定したところ、えられ
たグラフト共重合体の1.0 %であった。
【0068】えられた粉末状グラフト共重合体を用い
て、実施例1と同様に処理して試験片を作製し、評価を
行なった。結果を表1に示す。
【0069】比較例5 グラフト重合を行なう際、ステアリン酸カリウム0.8
部、塩化カリウム1.5 部としたほかは、比較例3と同様
にしてグラフト重合を行ない、重量平均粒子径2000Aの
グラフト共重合体ラテックスをえた。
【0070】えられたグラフト共重合体ラテックスを実
施例1と同様に処理して、粉末状のグラフト共重合体を
えた。
【0071】グラフト重合操作中、重合容器、撹拌翼に
は重合スケールが若干付着しており、前記重合スケール
の量を実施例1と同様にして測定したところ、えられた
グラフト共重合体の0.3 %であった。
【0072】えられた粉末状グラフト共重合体を用い
て、実施例1と同様に処理して試験片を作製し、評価を
行なった。結果を表1に示す。
【0073】比較例6 グラフト重合を行なう際、ステアリン酸カリウム1.6
部、塩化カリウム1.6 部としたほかは、比較例3と同様
にしてグラフト重合を行ない、重量平均粒子径2000Aの
グラフト共重合体ラテックスをえた。
【0074】えられたグラフト共重合体ラテックスを実
施例1と同様に処理して、粉末状のグラフト共重合体を
えた。
【0075】グラフト重合操作中、重合容器、撹拌翼に
付着した重合スケールはわずかであり、前記重合スケー
ルの量を実施例1と同様にして測定したところ、えられ
たグラフト共重合体の0.15%であった。
【0076】えられた粉末状グラフト共重合体を用い
て、実施例1と同様に処理して試験片を作製し、評価を
行なった。結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】本発明の製法により、えられたグラフト
共重合体の品質を低下させることなく、グラフト重合を
行なう際の重合スケールの発生量を減少させることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−10511(JP,A) 特開 昭51−125494(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 279/00 - 279/06 C08F 2/00 - 2/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状重合体の水性ラテックス20〜90重
    量部(固形分)に、グラフト単量体80〜10重量部を乳化
    重合によってグラフト重合させる際に、前記グラフト単
    量体の少なくとも一部を、乳化する単量体に対して0.1
    〜2重量%の乳化剤であらかじめ水に乳化させた状態で
    添加することによりグラフト重合を行なうことを特徴と
    するグラフト共重合体の製法。
  2. 【請求項2】 ゴム状重合体の水性ラテックス20〜90重
    量部(固形分)に、グラフト単量体80〜10重量部を乳化
    重合によってグラフト重合させる際に、水溶性電解質や
    酸や凝集肥大剤によりゴム状重合体粒子を凝集肥大さ
    せ、前記グラフト単量体の少なくとも一部を、乳化する
    単量体に対して0.1〜2重量%の乳化剤であらかじめ水
    に乳化させた状態で添加することによりグラフト重合を
    行なうことを特徴とするグラフト共重合体の製法。
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