JP3455572B2 - ポリマーラテックスの凝集方法 - Google Patents

ポリマーラテックスの凝集方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリマーラテックスの凝
集方法に関し、特には凝集工程において凝固粒子を副生
せず、短時間で安定に大粒子径ポリマーラテックスを得
るためのポリマーラテックスの凝集方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ゴム
ラテックスを基質として乳化重合して得られる樹脂は、
エンジニアリングプラスチックとして重要なものが多
く、その主な例としてはポリブタジエンを基質としてス
チレンとアクリロニトリルをグラフト重合して得られる
ABS樹脂、ポリブチルアクリレートを基質としてスチ
レンとアクリロニトリルをグラフト重合して得られるA
SA樹脂、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合
体ゴムを基質としてスチレンとアクリロニトリルをグラ
フト重合して得られるAES樹脂が挙げられる。
【0003】このようにグラフト化したゴム粒子を成分
とするポリマーは、一般にグラフト重合の方法によって
物性が変化するが、ゴム基質粒子の粒子径およびその分
布を変えることによってもポリマーの物性が大きく変化
するため、適切な粒子径および分布を持ったゴム基質を
用いる必要があることは、良く知られている。
【0004】例えば、ABS樹脂の場合は、一般に少な
くとも2,500Å以上の粒子径でなければ良好な物性
を得ることは難しく、さらに5,000Å以上の大粒子
径が多少とも含まれることが好ましく、このようにゴム
粒子径として中粒子径さらに大粒子径をある程度含んだ
分布を持ったゴムが必要になる。そこで、大粒子径のゴ
ムを乳化重合により製造し、これと中粒子径のゴムをブ
レンドして適切な粒子径および分布状態を持ったゴム基
質を用いている。
【0005】しかし、このような大粒子径のポリマー粒
子を乳化重合で製造することは、乳化重合の一般的な理
論から容易に導かれるように、重合速度が著しく低下す
るため重合に長時間を要することとなり、工業的に不利
である。
【0006】一方、小粒子径ポリマーラテックスを凝集
する方法もこれまでに種々知られており、例えば米国特
許第2,446,101号明細書、同第2,494,0
02号明細書には塩化アンモニウムをラテックスに添加
する方法が開示されているが、このような水溶性塩類を
用いて凝集を行う方法では、その粒子径肥大効果が小さ
いため、十分な効果をあげるためには多量に添加しなけ
ればならない。しかも、凝集後のポリマーラテックスを
再安定化するために多量の乳化剤を添加する必要があ
る。さらに、凝集工程で多量に添加されたこれら低分子
量成分は、後工程において安定性等に問題を引き起こす
場合があり、また最終ポリマーに残存して製品の品質を
損なう場合もあり好ましくない。
【0007】米国特許第3,281,386号明細書、
同第3,551,370号明細書および同第3,65
2,721号明細書には、酢酸または無水酢酸を用いて
乳化剤の界面活性能を失活させることによってラテック
ス粒子を凝集する方法が提案されている。しかし、この
方法ではラテックスに酸を添加する工程が最も不安定で
あり、添加した酸がラテックス内に拡散する境界面で凝
固粒子(粒子径が10μm以上になるまで凝集・肥大化
してもはや乳化状態には戻りえない粒子であり、以下コ
アギュラムと称す)を生成する場合が多く、これを生成
させないためには酸の濃度を十分に低くする必要があ
る。そしてこのように低濃度の酸を用いるのは最終ラテ
ックス濃度が低下するばかりでなく、粒子径そのものの
肥大効果も小さくなるため不利な方法と言える。
【0008】さらに、親水基と疎水基を一分子中に有す
るいわゆる高分子凝集剤を用いる方法が、米国特許第
3,049,500号明細書、同第3,056,758
号明細書、同第3,330,795号明細書、同第3,
288,741号明細書および特公昭46−14539
号公報に提案されている。これらの方法では、高分子凝
集剤をそのままあるいは変性したものを単独で用いる
か、あるいは特定の塩と併用している。しかし、高分子
凝集剤を用いる方法は凝集工程に長時間を要し、粒子径
肥大効果も小さくまた凝集を停止することが困難で、凝
集後のラテックスを貯蔵する間にも粒子径が変化すると
いう大きな欠点を有する。
【0009】ところで、現在工業的に行われている方法
としては、高圧ホモジナイザーを用いる方法とポリマー
ラテックスに対して親和性の良い溶媒を添加する方法を
挙げることができるが、前者の場合はラテックス粒子の
一部が凝集するだけで均一な粒子径を持つラテックスが
得られないし、後者の場合はグラフト重合の前段階とし
て溶媒を溜去する必要があり、改善の余地が大きい。
【0010】本発明者はかかる状況に鑑み、ゴム粒子径
の分布を任意にコントロールすることを可能にするた
め、大粒子径(5000Å以上)のポリマーラテックス
を、凝集プロセスにおいてコアギュラムの生成をせず短
時間で得られ、しかも高濃度でかつ安定して得られる、
工業的に有利なポリマーラテックスの凝集方法を提供す
ることを目的として鋭意研究を進めた結果、本発明に到
達したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のポリマーラテッ
クスの凝集方法は、酸性で界面活性能が低下する乳化剤
を主体とする乳化剤を用いて乳化重合法により得た小粒
子径ポリマーラテックスに、酸を加えてラテックス粒子
を凝集させて肥大化する方法において、あらかじめ小粒
子径ポリマーラテックスに酸性で良好な界面活性能を有
する乳化剤を添加しておき、次いで第一段階として、小
粒子径ポリマーラテックスに酸を加えて凝集させて中粒
子径ポリマーラテックスを得た後、アルカリ物質で酸を
中和して中粒子径ポリマーラテックスを安定化し、第二
段階として、再びこの中粒子径ポリマーラテックスに酸
および高分子凝集剤を加えて凝集させて粒径5,000
Å以上の大粒子径ポリマーラテックスを得ることを特徴
とする。
【0012】また、本発明のポリマーラテックスの凝集
方法は、上記大粒子径ポリマーラテックスを得た後、さ
らにアルカリ物質または乳化剤を加えて安定化すること
を特徴とする。
【0013】本発明で用いる小粒子径ポリマーラテック
スは、酸性で界面活性能が低下する乳化剤を主体として
さらにモノマー、水、開始剤等を用いて常法の乳化重合
によって生成されるもので、酸性で界面活性能が低下す
る乳化剤としては特に限定はされないが、例えばカルボ
ン酸基とアルカリ金属の塩を有する乳化剤で代表される
ものであり、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウ
ム、混合脂肪酸カリウム、ロジン酸カリウムなどのアニ
オン性乳化剤が使用される。その添加量は凝集に用いる
小粒子径ポリマーラテックスを重合する際に、ラテック
スの安定性が保たれればよく特に限定されないが、一般
にポリマー100部(重量基準、以下同じ)に対し0.
5〜5部の範囲が好ましい。
【0014】本発明において小粒子径ポリマーラテック
スとは、一般に小粒子径と呼ばれる1,500Å以下の
ポリマーラテックスをいう。小粒子径ポリマーラテック
スの粒子径としては、短時間の乳化重合により製造され
る工業的有利さと凝集工程での粒子径肥大効果の観点よ
り選択されるため特に限定されないが、500Å〜1,
000Åが好ましい。
【0015】小粒子径ポリマーラテックスの成分として
は特に限定されないが、例えばポリブタジエンラテック
ス、ポリスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポ
リアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、
ポリブチルアクリレートラテックスなどの軟質ポリマー
ラテックスが好適であり、ポリスチレンラテックス、ポ
リアクリロニトリル−スチレン共重合体ラテックスなど
の硬質ポリマーラテックスも使用可能である。
【0016】本発明では上記小粒子径ポリマーラテック
スに酸を加える前にあらかじめ、酸性で良好な界面活性
能を有する乳化剤を添加しておくが、その乳化剤として
は、後述する酸よりも電離定数の高い酸基を有するもの
なら何れも用いられ、例えばスルホン酸基とアルカリ金
属の塩で構成される乳化剤として、アルキルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナ
トリウム、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸カリ
ウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどが用いられる。添加
量は後述する酸の種類と濃度、および小粒子径ポリマー
ラテックスの種類と濃度により変化するため特に限定さ
れないが、一般にはポリマー100部に対し0.01〜
1部の範囲が好ましく、添加量が少な過ぎる場合には酸
の添加工程でコアギュラムを生じたり、多過ぎる場合に
は粒子径肥大効果が小さくなる傾向がある。また上記乳
化剤の添加時期としては、小粒子径ポリマーラテックス
を重合する時点でも重合した後でもさしつかえない。
【0017】次に、第一段階として、小粒子径ポリマー
ラテックスを中粒子径に凝集・肥大化するが、ここで中
粒子径ポリマーラテックスとは、一般に中粒子径と呼ば
れる1,500Å〜3,000Å程度のポリマーラテッ
クスをいう。
【0018】中粒子径に凝集・肥大化するために加えら
れる酸としては、酸性で界面活性能が低下する乳化剤の
酸基よりも電離定数の高いものなら何れも用いられ、例
えば硫酸、塩酸、スルホン酸などの強酸、マレイン酸、
イタコン酸、酢酸などの弱酸のうち1種または2種以上
の混合液が使用できる。ただし、その濃度は凝集工程に
おいてコアギュラムを生成しない範囲内でできるだけ高
いことが好ましい。
【0019】小粒子径ポリマーラテックスに対する酸の
添加量は、用いている乳化剤の種類と量によって変化す
るため特に限定できないが、ポリマーラテックスのpH
を6以下にする量が好ましい。
【0020】本発明の第一段階で用いる小粒子径ポリマ
ーラテックスの濃度は、高過ぎる場合には酸を添加する
工程においてコアギュラムを生じ、低過ぎる場合には粒
子径肥大効果が小さくなる傾向がある。しかし、その濃
度範囲は用いる酸の種類と濃度、および酸性で良好な界
面活性能を有する乳化剤の種類と添加量などによって変
化するため特に限定されないが、生産性等の工業的な目
的から30%以上が好ましい。
【0021】本発明の酸添加による第一段階の凝集・肥
大化終了後の中粒子径ポリマーラテックスは、極めて不
安定で、コアギュラムを生じやすい。そこで、中粒子径
ポリマーラテックスにアルカリ物質を添加してラテック
スの安定化を図る必要がある。ラテックスの安定化を図
る方法としては、pH5以下で安定な乳化剤を添加する
方法もあるが、ラテックスの安定化を図るためには、多
量の乳化剤の添加が必要であり、しかも第二段階の大粒
子径への肥大効果が小さくなるので好ましくない。
【0022】中粒子径ポリマーラテックスの安定化に用
いられるアルカリ物質としては、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムが挙げられ
る。添加量は、第一段階の凝集工程で加えられた酸を中
和する量が適当であり、濃度が高過ぎる場合にはその添
加工程でコアギュラムが生成するので、15%以下が好
ましい。
【0023】第二段階の中粒子径から大粒子径へポリマ
ーラテックスを肥大化するために、酸および高分子凝集
剤を併用する。酸単独または高分子凝集剤の単独使用に
よる凝集では、粒子間距離が広がることから凝集速度が
低下し、粒子径肥大効果が小さく好ましい大粒子径ポリ
マーラテックスを得ることはできない。
【0024】第二段階の凝集で用いる酸としては、第一
段階の肥大化で用いたものと同様のものが用いられる。
高分子凝集剤としては、一分子中に水と親和する極性基
を有し、かつポリマーラテックスと親和する非極性基を
有する水溶性のもので、例えばポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイドで代表されるポリアルキ
レンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコールなどのポリアルキレングリコール、ポリ
アルキレンオキサイドの部分酸化物、ポリビニルメチル
エーテル、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリ酢酸
ビニルなどがあり、これらはそれぞれ単独使用でも2種
以上を併用してもよい。これらのポリマーの分子量は広
範囲で用いられるが、水溶性を保つ範囲に限定される。
高分子凝集剤の添加量は用いている乳化剤の種類と量、
また用いる高分子凝集剤の種類により変化するため特に
限定されないが、中粒子径ポリマーラテックスの固形分
100部に対し0.0005〜0.2部の範囲で用いら
れる。添加量が0.0005部より少ないと、ポリマー
ラテックスの粒子径肥大効果が小さくなり、また0.2
部より多いとコアギュラムを形成し易くなる傾向があ
る。
【0025】本発明において出発原料中にあらかじめ水
溶性塩類を添加することは、小粒子径ポリマーラテック
スを重合する際の安定性を高めたり、粒子径をコントロ
ールするために有効であり、さらに凝集工程において粒
子径肥大効果を高める上で、有効である。使用する塩の
種類としては水溶性であることが必要で、添加する酸と
反応して不溶性塩を生成したりガスを発生しないもので
あれば特に限定されず、例えば塩化ナトリウム、硫酸カ
リウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸
4カリウムなどがあり、これらはそれぞれ単独で用いて
もよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0026】第二段階の肥大化終了後の大粒子径ポリマ
ーラテックスは不安定で、そのままでは移送および長期
の貯蔵が困難となる場合がある。したがって、それを再
安定化させることが好ましい。それにはアルカリ物質を
用いる方法と界面活性剤を用いる方法がある。前者の方
法は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化アンモニウムを添加するもので、添加量は第二段階の
凝集工程で加えられた酸を中和する量が適当であり、濃
度が高過ぎる場合にはその添加工程でコアギュラムが生
成するので、15%以下が好ましい。
【0027】また、後者の方法は、pH5以下で安定な
乳化剤を添加する方法で、酸性で良好な界面活性能を有
する前記乳化剤はもちろんのこと、それ以外にポオキシ
エチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチ
ルフェニルエーテル、ソルビタンモノオレエートなどの
非イオン性界面活性剤も使用できる。
【0028】
【実施例】次に、実施例と比較例を挙げて本発明をさら
に具体的に説明する。 実施例1 ブタジエンモノマー100部、脱イオン水150部、オ
レイン酸カリウム3.0部、有機スルホン酸ナトリウム
(TAMOL−SN TR ロームアンドハース社製)
0.3部、硫酸ナトリウム0.3部、過硫酸カリウム
0.2部、ターシャルドデシルメルカプタン0.20
部、水酸化カリウム0.18部を攪拌機を付設した耐圧
容器に収納して温度を60℃に上げ、重合を開始した。
【0029】重合開始後、重合率65%のときに過硫酸
カリウム0.1部を溶解した脱イオン水5部を上記耐圧
容器に加えて重合温度を65℃に上げた。重合時間13
時間で重合率95%、平均粒子径850Å、固形分4
0.2%、粘度150センチポイズのポリブタジエンラ
テックスを得た。これをラテックスAとする。
【0030】なお、ポリマーラテックスの平均粒子径
は、電子顕微鏡写真をもとに作成した検量線を基準とし
た光散乱法により求めた。
【0031】次に、ラテックスAに有機スルホン酸ナト
リウムをラテックスAの固形分100部に対して0.1
部を加え、脱イオン水を添加して固形分を34%に調整
した。
【0032】このラテックス200gを500gビーカ
に入れ、12%酢酸を11.3g添加したところラテッ
クスのpHは3.6であった。40分後に10%の水酸
化カリウム水溶液を9.8g添加したところ、pH1
1.5、平均粒子径2,000Åであった。
【0033】次に、このラテックスに1%のポリエチレ
ンオキサイド水溶液を0.34g加え、さらに12%酢
酸を11.3g添加したところラテックスのpHは3.
7であった。20分後に10%の水酸化カリウム水溶液
を9.8g加えたところ、pHは11.5となり、平均
粒子径を測定すると5,300Åであった。また、ラテ
ックスの固形分は31%であり、このラテックスを20
0メッシュの金網で濾過したところコアギュラムの生成
はなかった。
【0034】実施例2 ラテックスAの希釈濃度を38%に調整した以外は、実
施例1と同様にして安定なラテッックスを得た。
【0035】このラテックスは、平均粒子径が5,50
0Åで固形分は35%であり、コアギュラムの生成もな
かった。
【0036】比較例1 ラテックスAに有機スルホン酸ナトリウムをラテックス
Aの固形分100部に対して0.1部を加え、脱イオン
水を添加して固形分を34%に調整した。
【0037】このラテックス200gを500gビーカ
に入れ、12%酢酸を22.6g添加したところpH
3.3であった。40分後に10%の水酸化カリウム水
溶液を19.6g添加したところ、pH11.5、平均
粒子径3,000Åであった。また、ラテックスの固形
分は31%でありコアギュラムの生成はなかった。
【0038】比較例2 ラテックスAに有機スルホン酸ナトリウムをラテックス
Aの固形分100部に対して0.1部を加え、脱イオン
水を添加して固形分を34%に調整した。
【0039】このラテックス200gを500gビーカ
に入れ、12%酢酸を33.9g添加したところ、ラテ
ックスは安定化せず凝固してしまった。
【0040】比較例3 ラテックスAに有機スルホン酸ナトリウムをラテックス
Aの固形分100部に対して0.1部を加え、脱イオン
水を添加して固形分を34%に調整した。
【0041】このラテックス200gを500gビーカ
に入れ、3%酢酸を135.6g添加したところpH
3.5であった。80分後に10%の水酸化カリウム水
溶液を29.4g添加したところ、pH11.5、平均
粒子径3,600Åであった。また、ラテックスの固形
分は23%でありコアギュラムの生成はなかった。
【0042】比較例4 次ぎに、ラテックスAに有機スルホン酸ナトリウムをラ
テックスAの固形分100部に対して0.1部を加え、
脱イオン水を添加して固形分を38%に調整した。
【0043】ラテックス200gを500gビーカに入
れ、これに1%のポリエチレンオキサイド水溶液を0.
38g加え、さらに12%酢酸を22.6g添加したと
ころラテックスのpHは3.4であった。40分後に1
0%の水酸化カリウム水溶液を19.6g加えたとこ
ろ、pHは11.5となり、平均粒子径を測定すると
3,900Åであった。また、ラテックスの固形分は3
5%であり、このラテックスを200メッシュの金網で
濾過したところコアギュラムが固形分換算で0.5%生
成した。
【0044】
【発明の効果】以上で明らかなように、小粒子径から大
粒子径への肥大化は、一段の凝集工程では困難である。
ラテックスが安定可能な酸の濃度では粒子径肥大効果が
小さく(比較例1)、濃度を高くすると凝固してしまう
(比較例2)。また、低濃度の酸を多量に添加しても粒
子径肥大効果は小さく(比較例3)、ラテックスの固形
分が低下することから、工業的にも不利である。酸と高
分子凝集剤を併用しても、粒子径肥大効果は大きくなら
ず、逆にラテックスの安定性が悪くなり、コアギュラム
が生成した(比較例4)。
【0045】それに対し本発明の如く、第一段階で中粒
子径まで肥大化した後アルカリ物質で安定化させ、次い
で再び酸および高分子凝集剤を添加して大粒子径まで肥
大化させた場合は、凝集工程においてコアギュラムが生
成せず、短時間で高濃度のポリマーラテックスを得るこ
とができる。
【0046】従って、本発明は工業的に有利なポリマー
ラテックスの凝集方法を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 幸一 山口県宇部市大字沖宇部字沖の山525の 14番地 宇部サイコン株式会社 宇部工 場内 (72)発明者 赤星 純久 山口県宇部市大字沖宇部字沖の山525の 14番地 宇部サイコン株式会社 宇部工 場内 (56)参考文献 特開 昭63−132903(JP,A) 特開 昭63−117005(JP,A) 特開 昭63−117006(JP,A) 特開 昭58−147414(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 6/00 - 6/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性で界面活性能が低下する乳化剤を主
    体とする乳化剤を用いて乳化重合法により得た小粒子径
    ポリマーラテックスに、酸を加えてラテックス粒子を凝
    集させて肥大化する方法において、あらかじめ小粒子径
    ポリマーラテックスに酸性で良好な界面活性能を有する
    乳化剤を添加しておき、次いで第一段階として、小粒子
    径ポリマーラテックスに酸を加えて凝集させて中粒子径
    ポリマーラテックスを得た後、アルカリ物質で酸を中和
    して中粒子径ポリマーラテックスを安定化し、第二段階
    として、再びこの中粒子径ポリマーラテックスに酸およ
    び高分子凝集剤を加えて凝集させて粒径5,000Å以
    上の大粒子径ポリマーラテックスを得ることを特徴とす
    るポリマーラテックスの凝集方法。
  2. 【請求項2】 前記酸性で良好な界面活性能を有する乳
    化剤が、スルホン酸基とアルカリ金属の塩で構成される
    乳化剤である請求項1記載のポリマーラテックスの凝集
    方法。
  3. 【請求項3】 前記中粒子径ポリマーラテックスの粒子
    径が1,500Å〜3,000Åである請求項1記載の
    ポリマーラテックスの凝集方法。
  4. 【請求項4】 前記大粒子径ポリマーラテックスを得た
    後、さらにアルカリ物質または乳化剤を加えて安定化す
    ることを特徴とする請求項1記載のポリマーラテックス
    の凝集方法。
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