JP2000007615A - (メタ)アクリル酸エステルの製造装置及び製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの製造装置及び製造方法

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JP2000007615A
JP2000007615A JP10192449A JP19244998A JP2000007615A JP 2000007615 A JP2000007615 A JP 2000007615A JP 10192449 A JP10192449 A JP 10192449A JP 19244998 A JP19244998 A JP 19244998A JP 2000007615 A JP2000007615 A JP 2000007615A
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acrylic
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浩 宮崎
Toshihiko Tsukishiro
利彦 築城
Soichi Nomura
聡一 野村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒として硫酸を使用でき、アルカリによる
ポリマー除去洗浄を行うことができ、且つ小型化が可能
である(メタ)アクリル酸エステルの製造装置及び製造
方法を提供する。 【解決手段】 硫酸の存在下において(メタ)アクリル
酸とアルコールとを反応させて(メタ)アクリル酸エス
テルを製造する製造装置において、該製造装置を構成す
る各構成部(構成装置)のうちの、上記(メタ)アクリ
ル酸及び上記硫酸を含有する溶液と接触する表面を備え
る部材の少なくとも該表面を、ジルコニウム又はその合
金で形成する。この各構成部は、例えば、粗アクリル酸
メチル液製造装置部分における反応容器1、反応精留塔
2、循環ポンプ41、反応加熱器42、配管31〜37
等とすることができる。この装置を用いて(メタ)アク
リル酸エステルを効率よく製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硫酸存在下で(メ
タ)アクリル酸とアルコールとを反応させて(メタ)ア
クリル酸エステルを製造する、あるいは製造工程中に生
成した副生成物から(メタ)アクリル酸エステルを回収
する製造装置及び製造方法に関する。更に詳しく言え
ば、製造装置を構成する構成部(構成装置ともいえ
る。)のうちの反応液等と接触する部材の腐食が少な
く、(メタ)アクリル酸エステルの反応溶液中の不純物
を減らすことができる(メタ)アクリル酸エステルの製
造装置及びこの装置を用いた製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、(メタ)アクリル酸エステル
の製造方法として、粗(メタ)アクリル酸及びアルコー
ルを、酸性触媒の存在下で反応させる方法が用いられて
いる。この酸性触媒としては、硫酸、リン酸、塩酸、パ
ラトルエンスルホン酸、メタスルホン酸、陽イオン交換
樹脂、固体酸等を使用することができるが、硫酸又は陽
イオン交換樹脂を使用することが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】硫酸は安価で効率よく
エステル化反応を行うことができるが、腐蝕性が高いと
いう問題がある。このため、循環ポンプ等の装置部品の
部材に、ステンレス鋼等の一般に使用される構造材料を
用いると、容易に侵されてしまう。また、これらの侵さ
れた部材が反応溶液中に溶解して、製品である(メタ)
アクリル酸エステルの特性に影響を及ばす場合もある。
一方、陽イオン交換樹脂を触媒として用いる場合は腐蝕
性が低いためにステンレス鋼等の構造材料を用いること
ができるが、樹脂の耐熱上の制約から反応温度を高くす
ることができず、触媒としての性能は硫酸よりも低い。
また、陽イオン交換樹脂は硫酸に比較して触媒コストが
はるかに高価な上、経時的な触媒性能劣化に伴う定期交
換が必要であるためランニングコストが高いものとなっ
た。
【0004】また、(メタ)アクリル酸エステルの製造
を長期間行うと、溶液中の(メタ)アクリル酸エステル
等が重合して各構造部の容器内及び管内等の壁面に付着
することがある。これらは、管を塞いだりするなどのト
ラブルの原因となるので、定期的に洗浄してこれらを除
去する必要がある。この洗浄には熱苛性ソーダが効果的
であるが、グラスライニング材、セラミック及び炭素構
造材等の耐酸性材料はアルカリに対して弱いために熱苛
性ソーダを使用することができず、別の手段を用いて洗
浄する必要があった。更に、熱伝導の悪さ等の問題点が
あり、熱交換器や反応加熱器等の構成部品が大型化する
傾向にあった。更に、上記構造材料にグラスライニング
材、セラミック及び炭素構造材等を用いた場合は、特に
ポンプ等の可動部分を備える構造部で割れによるトラブ
ルの原因となりやすかった。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、硫酸を触媒として用いても腐蝕されにくく、重合物
による閉塞に対してアルカリによる洗浄が行うことがで
き、更に、熱伝導性の良さによる構成部品の小型化が可
能であって、且つ、ランニングコストが安価な(メタ)
アクリル酸エステルの製造装置、及びこの装置を用いた
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本第1発明の(メタ)ア
クリル酸エステルの製造装置は、硫酸の存在下において
(メタ)アクリル酸とアルコールとを反応させて(メ
タ)アクリル酸エステルを製造する、あるいは製造工程
中に生成した副生成物から(メタ)アクリル酸エステル
を回収する製造装置において、該製造装置を構成する各
構成部(構成装置ともいう。)のうちの、上記(メタ)
アクリル酸及び上記硫酸を含有する溶液と接触する表面
を備える部材(構成部材ともいう。)の少なくとも該表
面を、ジルコニウム又はその合金で形成することを特徴
とする。
【0007】本第3発明の(メタ)アクリル酸エステル
の製造方法は、硫酸の存在下において(メタ)アクリル
酸とアルコールとを反応させて(メタ)アクリル酸エス
テルを製造する、あるいは製造工程中に生成した副生成
物から(メタ)アクリル酸エステルを回収する製造方法
において、上記(メタ)アクリル酸及び上記硫酸を含有
する溶液と少なくとも接触する表面がジルコニウム又は
その合金で形成される部材を備える各構成部に、上記
(メタ)アクリル酸及び上記硫酸を含有する溶液を供給
し、(メタ)アクリル酸エステルを製造することを特徴
とする。
【0008】上記「(メタ)アクリル酸」とは、アクリ
ル酸又はメタクリル酸のいずれであってもよい意味に用
いられる。また、上記「アルコール」は、脂肪族アルコ
ール、脂環式アルコール、芳香族アルコール等のいずれ
であってもよい。そして、この脂肪族アルコールとして
は、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール、イソブチルアルコール、n−ヘプチルアルコー
ル、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアル
コール、イソオクチルアルコール、n−ノニルアルコー
ル、イソノニルアルコール、ステアリルアルコール等を
例示することができる。また、脂環式アルコールとして
は、シクロヘキシルアルコール、メチルヘキシルアルコ
ール等が例示することができる。更に、芳香族アルコー
ルとしては、ベンジルアルコール、メチルベンジルアル
コール等を例示することができる。
【0009】上記各「構成部」は、本(メタ)アクリル
酸エステル製造装置を構成する多くの装置単体(構成装
置)のうちのこの一装置単体(構成装置)を意味する。
この構成部は、第2発明又は第4発明に示すように、循
環ポンプ、熱交換器、反応加熱器、反応器蒸留塔及び反
応精留塔の少なくとも1つとすることができる。即ち、
循環ポンプ、熱交換器、反応加熱器、反応器蒸留塔及び
反応精留塔のすべてを構成してもよいし、これらのうち
のいくつかであってもよい。更に、この構成部は、上記
装置単体に限るものではなく、塔頂蒸気凝縮器コンデン
サ、還流液供給装置ポンプ、流出液抜出装置ポンプ及び
/又は塔底液排出装置ポンプ等とすることもできる。ま
た、上記「部材」は、上記構成部に具備される部材であ
って、(メタ)アクリル酸及び硫酸を含有する溶液と接
触する部位を備える部材であれば、特に問わない。この
部材としては、例えば、循環ポンプに備えられる羽根
車、ケーシング等、熱交換器に備えられるパイプ、管板
等、反応加熱器に備えられる反応容器本体等や、反応器
及び蒸留塔の本体等を例として挙げることができる。こ
の部材も、一構成部のうちの2以上の部材とすることが
できる。
【0010】上記「ジルコニウム又はその合金」は、純
ジルコニウム又は主成分がジルコニウムの合金であれば
よい。この合金としては、ジルカロイ、又はHfやNb
等との合金等を例として挙げることができ、通常、ジル
コニウムの90重量%以上(好ましくは95重量%以
上)の含有割合とする。そして、この「ジルコニウム又
はその合金」が構成される場所は、硫酸を含有する溶液
と接触する部位であればよく、上記部材自体全部でもよ
いし、又はこの部材の表面のみでもよい。尚、この硫酸
を含有する溶液中の硫酸濃度は、一般に0.1〜100
0g/l程度である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明する。 (1)耐蝕試験及び評価 硫酸水溶液に対する腐食について 表1に示す材質により作製された平板状試験片を硫酸濃
度が100g/l(1.02mol/l)の硫酸水溶液
に、表2に示す温度及び日数の間浸漬し、一定時間経過
後の試験片の重量の変化を測定した。この結果を表2に
示す。更に、硫酸濃度と腐食量(mm/y(年))との
関係を図2に示す。尚、表1に示す「溶接線入り平板」
とは、中央に溶接した後の溶接線があるもの、「鋳物を
切り出した平板」とは、ジルコニウムを鋳込んだ板状体
から一部を切り出したものである。図2に示す腐食量
(mm/y(年))は、重量減少分を平板状試験片の厚
みに換算し、浸漬時間をベースに1年換算したものであ
る。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】表2の結果によると、〜のジルコニウ
ムの腐蝕率は、ハステロイC及びセラミック(安定化
ジルコニア)より低く、エステル化反応の反応容器、
熱交換器等に適していることがわかる。特に、通常のZ
r平板及び鋳物を切り出した平板においては、その
腐食率が、ハステロイCと比べて1/30以下と著し
く小さい。尚、腐食し易い溶接線入り試験片において
も、同様に1/2.9と小さい。また、SiCセラミッ
ク試験片と比べても、同等又はそれ以下の腐食率を示
した。更に、図2に示すように、一般的な(メタ)アク
リル酸エステル製造時の硫酸濃度である0.1〜100
0g/lの硫酸水溶液においては、ジルコニウムは、ハス
テロイ(HC)又はインコネルと比べて、耐腐食性が極
めて優れる。
【0015】実液における材質の検討 更に、実際の(メタ)アクリル酸エステル製造時におけ
る反応液(試験液という。)に対する耐腐食性素材を検
討するため、前記各種試験片、及びについて腐食
試験(浸漬温度は表3に示す120℃、140℃及び1
50℃、浸漬日数は350日)を行った。尚、この試験
液組成は、以下の通りである。 〔試験液組成〕 (1)硫酸:約100g/l(1.02mol/l) (2)アクリル酸:約60g/l (3)水:約50g/l (4)ブタノール:約10g/l この試験の結果を表3に示した。
【0016】
【表3】
【0017】この表3の結果によると、ジルコニウム製
試験片のいずれも、最も高温である150℃であっても
腐蝕率が、0.0004〜0.0009mm/yと極めて
小さく、十分に実用に耐えることが判る。尚、溶接線入
り試験片においても、腐蝕率(150℃)が0.00
07mm/yと極めて小さいことを示している。従っ
て、実際のアクリル酸エステル製造時の温度である約9
0〜130℃において、このジルコニウム製素材〜
を用いれば十分な耐蝕性を得ることがわかる。
【0018】比熱、熱伝導率等の物性の比較について ジルコニウム、ステンレス鋼、ハステロイ、SiCセラ
ミック、安定化ジルコニアセラミック、グラスライニン
グの各素材について、比重、比熱、熱伝導率、熱膨張
率、耐硫酸性(10%、60%)及び耐熱カセイソーダ
性の物性・性能を比較評価した。この結果を表4にまと
めて示す。
【0019】
【表4】
【0020】この表4の結果によれば、グラスライニン
グ材及びセラミック(SiC、安定化ジルコニア)は、
熱苛性ソーダで溶解等してしまうため、これを用いて、
反応容器等に付着したポリマーの除去を行うことができ
ない。また、ステンレス鋼は10%前後の硫酸酸性にお
いて容易に腐蝕するし、また、ジルコニウムと比べると
比重が大きく、熱膨張率も約3倍と大きく、熱伝導率も
小さい。ハステロイCは、ジルコニウムと比べると耐硫
酸性が悪く、比重も熱膨張率も大きい。一方、ジルコニ
ウム素材は、比熱、熱伝導率、比重、熱膨張率、耐硫酸
性(10%、60%)及び耐熱カセイソーダ性の物性・
性能の全てについて、優れ、極めて性能・物性のバラン
スが良い。
【0021】まとめ 以上より、ジルコニウム素材〜は、硫酸水溶液、及
び実際の(メタ)アクリル酸エステル製造時の硫酸存在
下に対する耐腐食性に優れる。従って、この製造時の反
応液等に構造部材が溶出してアクリル酸エステル製品の
品質に影響を及ぼすことも少ない。また、耐熱カセイソ
ーダ性にも優れるので、反応容器等に付着したアクリル
酸エステルのポリマーの除去を容易に行うことができ
る。また、ジルコニウム素材〜は、他の素材と比べ
ると、比熱が小さくそのため熱容量が少なくてすみ、熱
伝導率が大きいので熱の拡散効果に優れる。更に、熱膨
張率が小さいので、熱による伸びをあまり考慮する必要
がない。従って、ジルコニウム素材〜は、伝熱係数
が大きくなり、エステル製造装置の構成部、ひいてはエ
ステル製造装置を小型化することができる。特に、熱交
換器としては、小型で大容量の熱を交換できるので、大
変有用である。
【0022】(2)製造装置の概要 本実施例に係わる製造装置は、アクリル酸メチルエステ
ルの製造装置である。図1の説明模式図は、この製造装
置のうちの粗アクリル酸メチルを製造する装置部分のみ
を抽出して示し、一例として、この装置部分(粗アクリ
ル酸メチル製造装置ともいう。)に本発明の特徴を適用
したものである。尚、この粗アクリル酸メチルの製造工
程以外の工程に係わる装置部分は図示せずに省略した。
【0023】この粗アクリル酸メチル製造装置は、反応
容器1と、反応精留塔2とを備えている。また、反応容
器1の頂部と精留塔2とは上部側配管31を介して接続
されている。また、反応精留塔2の底部と反応容器1と
は下部側配管32を介して接続されている。更に、反応
容器1には原料を供給するための原料供給用配管33、
及び蓄積する高沸分を抜き出すための高沸分抜出用配管
34が接続されており、反応精留塔2の頂部には粗エス
テル液流出用配管35が接続されている。また、反応容
器1内の液を循環加熱するための循環ポンプ41及び反
応加熱器42が、上部循環配管36と下部循環配管37
を経由して設置されている。これら反応容器1、反応精
留塔2、配管31〜37、循環ポンプ41及び反応加熱
器42の全ての構成部のうち、反応溶液と接する部材を
純ジルコニウム製(Zr純度:約98〜100%)とし
た。
【0024】この反応容器1に原料供給用配管33を介
して粗アクリル酸、メタノール及び硫酸を、粗アクリル
酸とメタノールとのモル比が約1:1.5となるように
供給し、硫酸触媒にてエステル化反応を行わせた。尚、
硫酸濃度は反応液全体に対して約20〜100g/lであ
る。生成したアクリル酸メチルエステルと水は、過剰の
メタノールとともに反応容器1及び反応精留塔2から粗
アクリル酸メチルエステル液として、粗エステル液流出
用配管35を介して留出される。反応容器1は約110
℃程度に保持され、蓄積する高沸分は廃液として高沸分
抜出用配管34から、適宜、抜き出される。更に、反応
精留塔2の底部から抜き出される反応液は、下部側配管
32により反応容器1内へ戻される。また、循環ポンプ
41や反応加熱器42を通して反応容器1内の液を循環
される。
【0025】以上より、本粗アクリル酸メチルエステル
の製造装置において、原料液、反応液又は粗アクリル酸
メチルエステル液(いずれもアクリル酸及び硫酸を含
む。)と接触する部材は、全て、純ジルコニウム製とな
っている。従って、これらの部材が粗アクリル酸メチル
エステル液等により腐食されることがほとんどない。こ
れは前記「(1)耐蝕試験及び評価」欄に示す試験結果
からも明らかである。
【0026】尚、本発明においては、上記実施例に限ら
ず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した
実施例とすることができる。即ち、本実施例で使用した
ジルコニウムは純ジルコニウムだけではなく、ジルカロ
イ、Zr−2. 5Nb等の合金として使用することが
できる。これらの合金を用いることで加工性や耐蝕性を
改善することができる。また、(メタ)アクリル酸エス
テルの製造装置としては、上記アクリル酸メチルエステ
ルの製造装置に限らず、他のアクリル酸アルキルエステ
ルの製造装置、更には、メタクリル酸エステルの製造装
置、又は製造工程中に生成した高沸物の分解装置とする
ことができる。また、本発明に係わる特徴的な構成部を
備える装置部分〔(メタ)アクリル酸エステル製造装置
の装置部分〕は、上記実施例に示す粗アクリル酸メチル
エステル製造装置部分に限らず、その後の製造工程に係
わる装置部分、例えば粗アクリル酸メチルエステルの精
留装置部分又はその抽出装置部分、又は製造工程中に生
成した高沸物の分解装置部分等とすることができるし、
更には、これらの各装置部分の2以上又は全部を組み合
わせた一連の装置部分とすることもできる。
【0027】更に、上記各構成部としては、上記実施例
に示した反応容器、反応精留塔、配管、循環ポンプ及び
反応加熱器だけでなく、熱交換器、他の反応塔、他の精
留塔、塔頂蒸気凝縮器コンデンサ、還流液供給装置ポン
プ、流出液抜出装置ポンプ及び/又は塔底液排出装置ポ
ンプ等の反応溶液等と接触する部位を備える構成部、更
には各装置部分に用いられる適宜の構成部等とすること
ができる。また、上記の各部材のうちの反応溶液等と接
触する表面のみをジルコニウム又はその合金で被覆した
ものとすることもできる。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造装置は、(メタ)アクリル
酸エステル製造装置を構成する各構成部のうちの、上記
(メタ)アクリル酸及び上記硫酸を含有する溶液と接触
する表面を備える部材の少なくとも該表面が、ジルコニ
ウム又はその合金で形成されている。従って、この部材
が腐蝕されにくいので、この構成部、ひいては本製造装
置の寿命が長くなり、そのため、腐食による製品中への
腐蝕物の混入がないか又は少ない。更に、本発明の製造
装置は、この部材をアルカリで洗浄することができるの
で、この部材への付着物の除去が容易な装置である。ま
た、ジルコニウムの物性等の観点から、本製造装置の構
成部材は、ステンレス部材又はハステロイ部材よりは軽
くでき、熱の拡散効果にも優れ、且つ熱による伸びも小
さくでき、そのため、装置の小型化が容易であり、更
に、セラミック部材よりは耐硫酸性及び耐熱カセイソー
ダ性に優れるとともに、構成部材等の割れも少ない。従
って、本製造装置は、極めて(メタ)アクリル酸エステ
ルの製造に好適なものである。
【0029】本発明の製造方法によれば、(メタ)アク
リル酸及び上記硫酸を含有する溶液と接触する部材を腐
蝕することが少ないので、この構成部、ひいては本製造
装置の寿命を長くできるし、腐蝕物の混入もないか又は
少ないので高品質な(メタ)アクリル酸エステルを安価
なランニングコストで製造することができる。また、小
型化された構成部(構成装置)ひいては製造装置を用い
て製造できるので、効率よく且つ経済的に(メタ)アク
リル酸エステルを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係わる、粗アクリル酸メチルの製造
装置を説明するための模式図である。
【図2】各種素材と、(メタ)アクリル酸エステル製造
時の硫酸濃度及び腐食量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1;反応容器、2;反応精留塔、31;上部側配管、3
2;下部側配管、33;原料供給用配管、34;高沸分
抜出用配管、35;粗エステル液流出用配管、36;上
部循環配管、37;下部循環配管、41;循環ポンプ、
42;反応加熱器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 聡一 愛知県名古屋市港区昭和町17番地の23 東 亞合成株式会社名古屋工場内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AA04 AC48 AD11 BA36 BD83 BD84 KA06 4H039 CA66 CD10 CD30 CE10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸の存在下において(メタ)アクリル
    酸とアルコールとを反応させて(メタ)アクリル酸エス
    テルを製造する、あるいは製造工程中に生成した副生成
    物から(メタ)アクリル酸エステルを回収する製造装置
    において、該製造装置を構成する各構成部のうちの、上
    記(メタ)アクリル酸及び上記硫酸を含有する溶液と接
    触する表面を備える部材の少なくとも該表面を、ジルコ
    ニウム又はその合金で形成することを特徴とする(メ
    タ)アクリル酸エステルの製造装置。
  2. 【請求項2】 上記各構成部は、循環ポンプ、熱交換
    器、反応加熱器、反応器蒸留塔及び反応精留塔の少なく
    とも1つである請求項1記載の(メタ)アクリル酸エス
    テルの製造装置。
  3. 【請求項3】 硫酸の存在下において(メタ)アクリル
    酸とアルコールとを反応させて(メタ)アクリル酸エス
    テルを製造する、あるいは製造工程中に生成した副生成
    物から(メタ)アクリル酸エステルを回収する製造方法
    において、上記(メタ)アクリル酸及び上記硫酸を含有
    する溶液と少なくとも接触する表面がジルコニウム又は
    その合金で形成される部材を備える各構成部に、上記
    (メタ)アクリル酸及び上記硫酸を含有する溶液を供給
    し、(メタ)アクリル酸エステルを製造することを特徴
    とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記各構成部は、上記各構成部は、循環
    ポンプ、熱交換器、反応加熱器、反応器蒸留塔及び反応
    精留塔の少なくとも1つである請求項3記載の(メタ)
    アクリル酸エステルの製造方法。
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