JP2000005343A - ゴルフボール - Google Patents
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Abstract
少し、飛距離が増大すると共に、アイアンやサンドウェ
ッジでのショット時にはスピン量が増加して良好なコン
トロール性を有するゴルフボールを得る。 【解決手段】 コアと該コアを被覆するカバーとからな
るゴルフボールにおいて、上記カバーが外層カバーと該
外層カバーより硬度の低い内層カバーとからなり、この
内層カバーの外表面に形成された凹部に外層カバーが凸
型突起形状に侵入した状態で内層カバーの周囲に外層カ
バーが被覆形成されていると共に、内層カバー内に形成
された全凸型突起の根元断面積の合計が内層カバーに凹
部を形成していないと仮想した内層カバー被覆仮想球の
表面積に対して2〜45%であり、上記凸型突起の法線
方向の高さが内層カバーの凹部非形成箇所の厚みの30
%以上であることを特徴とするゴルフボール。
Description
と外層カバーとからなるゴルフボールにおいて、内層カ
バーに対して外層カバーが凸型突起形状に侵入し、内層
カバー内に凸型突起を形成することにより、ドライバー
などの低ロフト角のクラブでの打撃時に低スピン化し、
優れた飛び性能を有すると共に、アイアンやサンドウェ
ッジでの打撃時に良好なコントロール性を有するゴルフ
ボールに関する。
り、ゴルフボールの飛距離の増大と良好なフィーリング
性能を両立させるために、様々な検討及び提案が試みら
れており、中でもソリッドコアとカバーからなるソリッ
ドゴルフボールにおいては、コア及びカバーを多層と
し、その硬度や大きさ(直径、厚み)などを調整するこ
とが一般的に行われている。
公報には、コアと内層カバーと外層カバーとからなるス
リーピースボールにおいて、内層カバーより外層カバー
を硬く形成したスリーピースゴルフボールが提案されて
おり、米国特許第5,490,674号公報には、内層
と外層からなるソリッドコアにカバーを被覆してなるス
リーピースゴルフボールにおいて、内層コアを外層コア
より硬く形成したスリーピースボールが提案されてい
る。
形状は滑らかな球面が主流であるが、米国特許第2,3
76,085号公報、同第5,692,973号公報に
は、コアの周囲にカバーをインジェクション成形する時
にコアの偏芯を抑制する目的で、コアに突起を有するゴ
ルフボールが提案されている。
は、インジェクション成形時のサポートピンの代用を計
るためのものであり、このサポートピン突起の形状効果
について積極的に活用を試みたものではなく、むしろカ
バー内に異なる材質の材料が入らないようにカバーと同
一の材料を使用するものである。
アとカバー、多層構造ソリッドコアの隣接する層、及び
多層カバー間などに凹凸を設けたゴルフボールが提案さ
れている(特開平9−285565号公報)。このゴル
フボールは、打撃するクラブのロフト角によってプレー
ヤーに異なる打感を与えることができるものである。
の点は改善されているが、飛び性能、スピン性能等の点
で十分なものではなく、更なる改良の余地を残してい
た。
で、内層カバー内に外層カバーの凸型突起を形成するこ
とにより、ソフトな打感を有し、低ロフト角のクラブで
の打撃時に低スピン化し、良好な飛び性能を有すると共
に、アイアンやサンドウェッジでの打撃時に良好なコン
トロール性を有するゴルフボールを提供することを目的
とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、材料力学上、はり(柱)が軸方向の圧縮荷重を受け
ると、荷重の増加とともに均等な圧縮が不安定になって
横に逃げ湾曲する現象(いわゆる座屈現象)が生じるこ
とは一般に広く知られているが、この座屈現象をゴルフ
ボールのカバーに応用して変形量の大きいボール表層付
近(具体的には、内層カバー)に硬度差を有する凸形状
(柱)を形成することにより、打撃時にボールに生じる
変形の鉛直方向成分と水平方向成分の挙動を従来とは異
なった状態とすることができ、これにより、初期条件
(特にスピン量)のクラブ依存性を調整できることを知
見した。
らなるゴルフボールにおいて、上記カバーを外層カバー
と該外層カバーより硬度の低い内層カバーとから形成
し、この内層カバーの外表面に形成された凹部に外層カ
バーが凸型突起形状に侵入した状態で内層カバーの周囲
に外層カバーを被覆形成すると共に、内層カバー内に形
成された凸型突起の全根元断面積の合計量及び上記凸型
突起の法線方向の高さを特定すること、或いは、上記内
層カバー内に形成された凸型突起を、外層カバー厚みT
と下記式で示される関係を満たすようにすることによ
り、凸型突起が内層カバー内に最適な状態で形成され、
ドライバーでの打撃では、高ヘッドスピードと低ロフト
角の関係上、衝撃力はクラブフェースに対して鉛直方向
成分が大きくなり、このため、内層カバー内に形成され
た凸型突起に座屈現象が生じ(ボールがつぶれやすくな
る)、スピン量の低下と高打ち出し角を実現でき、飛距
離が飛躍的に増大すると共に、ショートアイアンでの打
撃では、ロフト角の関係上、衝撃力はクラブフェースに
対して水平方向成分が大きくなり、内層カバー内に形成
された凸型突起は鉛直方向成分以外は座屈現象を生じな
いので、良好なスピン性能を得ることができることを見
出し、本発明を完成したものである。
被覆するカバーとからなるゴルフボールにおいて、上記
カバーが外層カバーと該外層カバーより硬度の低い内層
カバーとからなり、この内層カバーの外表面に形成され
た凹部に外層カバーが凸型突起形状に侵入した状態で内
層カバーの周囲に外層カバーが被覆形成されていると共
に、内層カバー内に形成された全凸型突起の根元断面積
の合計が内層カバーに凹部を形成していないと仮想した
内層カバー被覆仮想球の表面積に対して2〜45%であ
り、上記凸型突起の法線方向の高さが内層カバーの凹部
非形成箇所の厚みの30%以上であることを特徴とする
ゴルフボール、(B)コアと内層カバーと外層カバーと
からなるゴルフボールにおいて、上記外層カバーが内層
カバーより高硬度であり、この内層カバーの外表面に形
成された凹部に外層カバーが凸型突起形状に侵入した状
態で内層カバーの周囲に外層カバーが被覆形成されてい
ると共に、上記内層カバー内に形成された凸型突起が外
層カバー厚みTと下記式で示される関係を満たすことを
特徴とするゴルフボールを提供する。
2)、Nは突起本数、Tは外層カバーの突起を含まない
部分の厚み(mm)である。]
のように、ヘッドスピードが速く、ボールに大きな衝撃
力を与えた場合、凸型突起を座屈させるようにする一
方、ショートアイアンでショットした場合のように、ヘ
ッドスピードが遅く、ボールに対する衝撃力が小さな場
合、凸型突起を座屈させないように構成したものであ
る。前者の衝撃力が大きい場合、凸型突起は座屈するの
で、内層カバー内に侵入した外層カバーの凸型突起の強
度は実質的に作用せず、凸型突起より柔らかく形成され
た内層カバーの強度だけが寄与するようになるので、ス
ピン量が低減し、飛距離が増大する。他方、後者の衝撃
力が小さい場合は、凸型突起は座屈しないので、実質的
な内層カバーの強度は、本来の内層カバーの強度と、こ
れに侵入した外層カバーの凸型突起の強度とが複合され
たものになり、本来の内層カバーの硬度より高硬度の外
層カバーからなる凸型突起が複合された分、より強度の
高いものになる。従って、内層カバーが硬い挙動を示す
ため、スピン量が増大するものである。
ボールは、衝撃力の多少及びロフト角の大小、つまりク
ラブの番手により、凸型突起が侵入した内層カバーが異
なる挙動を示し、クラブに応じて最適な飛び性能及びコ
ントロール性を発揮し得るものである。
図1は、本発明のゴルフボールの一実施例を示す概略断
面図であり、このゴルフボール1は、ソリッドコア2
と、該コア2を被覆する内層カバー3と、この内層カバ
ー3を被覆する外層カバー4から構成されている。
ム、ポリイソプレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴムを
主成分とする基材ゴムを主材とするゴム組成物から形成
することができるが、特に反発性を上げるためにはポリ
ブタジエンゴムが好ましい。ポリブタジエンゴムとして
は、シス構造を少なくとも40%以上有するポリブタジ
エンが好適である。また、この基材ゴム中には、所望に
より上記ポリブタジエンに天然ゴム、ポリイソプレンゴ
ム、スチレンブタジエンゴムなどを適宜配合することが
できるが、ゴム成分を多くすることによりゴルフボール
の反発性を向上させることができるので、これらポリブ
タジエン以外のゴム成分はポリブタジエン100重量部
に対して10重量部以下とすることが好ましい。
剤としてメタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和
脂肪酸の亜鉛塩,マグネシウム塩やトリメチルプロパン
メタクリレート等のエステル化合物などを配合し得る
が、特に反発性の高さからアクリル酸亜鉛を好適に使用
し得る。これら架橋剤の配合量は、基材ゴム100重量
部に対し15〜40重量部であることが好ましい。
パーオキサイド等の加硫剤が配合されており、この加硫
剤の配合量は基材ゴム100重量部に対し0.1〜5重
量部とすることができる。
老化防止剤や比重調整用の充填剤として酸化亜鉛や硫酸
バリウム等を配合することができ、充填剤の配合量は、
基材ゴム100重量部に対し5〜130重量部である。
の好適な実施態様は、以下に示す通りである。
分間加硫を行う。
混練機(例えばバンバリーミキサー、ニーダー及びロー
ル等)を用いて混練し、得られたコンパウンドをコア用
金型を用いてインジェクション成形又はコンプレッショ
ン成形により形成する。
は、その直径が好ましくは28〜38mm、より好まし
くは30〜37mmと比較的大径に形成する。
ず、飛距離が低減する場合がある。一方、直径が38m
mを超えると突起がある内層カバーの厚さが十分とれず
突起を設けた効果が希薄となる場合がある。
量は好ましくは1.8〜5.0mm、より好ましくは
2.5〜4.5mmであり、重量は通常12〜35g程
度である。
造としてもよく、異種の材料からなる層を積層した2層
以上からなる多層構造としても構わない。
制限はなく、比較的軟らかいものであれば樹脂材料及び
ゴム材料のいずれを用いても構わないが、耐衝撃性の良
い樹脂材料が好ましく、例えばポリエステルエラストマ
ー、アイオノマー樹脂、スチレン系エラストマー、ウレ
タン系樹脂、水添ブタジエン樹脂及びこれらの混合物な
どが挙げられ、具体的には、「ハイミラン」(三井・デ
ュポンポリケミカル社製)、「サーリン」(デュポン社
製)、「ハイトレル」(東レ・デュポン社製)等の市販
品を用いることができる。
は10〜55、より好ましくは15〜40である。内層
カバーのショアD硬度が55を超えると外層カバーとの
硬度差が小さくなり、内層カバーに凸型突起を設けたこ
との効果が薄れる場合がある。一方、10未満ではゴル
フボールとしての反発性が損なわれる場合がある。
囲に通常のインジェクション成形又はコンプレッション
成形により形成することができ、この場合、内層カバー
の成形と同時にその表面に凹部を形成することが好まし
い。具体的には、内層カバー用金型のキャビティ内表面
に凹部に対応した凸部を形成しておき、この金型を用い
て通常のインジェクション成形により表面に多数の凹部
を有する内層カバーを形成することができる。なお、場
合によってはコアの周囲に内層カバーを形成後、その表
面をくり抜くことにより凹部を形成することも可能であ
る。そして、これら凹部間に後述する外層カバーの凸型
突起が形成される。
バーを覆って外層カバー材を通常のインジェクション成
形又はコンプレッション成形により被覆形成すること
で、内層カバー内に凸型突起が形成される。
制限されず、公知のカバー材を用いることができ、例え
ばアイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂、及びバラタゴム等から任意に選択することができ
るが、特にアイオノマー樹脂が好ましい。具体的には、
「サーリン」(デュポン社製)、「ハイミラン」(三井
・デュポンポリケミカル社製)などの市販品を用いるこ
とができる。
ン、硫酸バリウム等を添加して、比重などを調整するこ
とができる。更に、必要に応じてUV吸収剤、酸化防止
剤、金属石鹸等の分散剤などを添加することもできる。
なお、外層カバーは1種の材料からなる単層構造として
もよく、異種の材料からなる層を積層した2層以上の多
層構造としてもよい。
侵入部分を除く)は好ましくは0.5〜4.0mm、よ
り好ましくは1.0〜3.0mm、外層カバーのショア
D硬度は好ましくは40〜70、より好ましくは50〜
65であり、この外層カバーは内層カバーよりも硬く形
成する必要があり、両者の硬度差は5以上、より好まし
くは5〜45、更に好ましくは10〜45である。外層
カバーが内層カバーより軟らかいと凸型突起の変形が効
果的に起こらなくなる。
2に示したように、内層カバー3の表面には凹部が一様
に多数形成されており、これら凹部に外層カバー4が侵
入して、内層カバー内に凸型突起4aが形成される。
突起(凹部)の総数は、通常60〜600個、好ましく
は80〜500個、より好ましくは90〜400個であ
り、これら突起が内層カバー表面上に一定の規則性に従
って配置されることが好ましく、例えば正8面体配列、
正20面体配列などの公知のディンプル配列態様を援用
できる。凸型突起の高さ(長さ)は通常0.8〜3.5
mm、好ましくは1.0〜3.0mmであり、凸型突起
の形状は特に制限されないが、円柱、円錐、角柱、角
錐、円錐、角柱、角錐、円錐台柱、角錐台柱等の適宜な
形状に形成することができ、凸型突起の根元断面寸法
(大きさ;円柱の場合は平均直径、角柱の場合は平均
幅)が0.5〜4.0mm、好ましくは0.5〜3.0
mm、より好ましくは1.0〜3.0mmである。
起の根元断面積の合計が内層カバーに凹部を形成しない
と仮想した場合における内層カバー被覆仮想球の表面積
に対して2〜45%、好ましくは3〜43%、より好ま
しくは3〜40%、更に好ましくは3〜30%である。
2%未満では内層カバー内に形成された凸型突起の数
(割合)が少なくなりすぎ、凸型突起の効果が発揮し得
なくなる。一方、45%を超えると内層カバー内に形成
された凸型突起の数(割合)が多くなりすぎ、本発明の
作用効果を奏することができない。
に形成された外層カバーの凸型突起4aの法線方向の高
さdが内層カバー3の凹部非形成箇所の厚みSに対する
割合(d/S)×100(以下、高さ割合という)が3
0%以上、好ましくは50〜100%、より好ましくは
60〜100%、更に好ましくは70〜100%であ
る。高さ割合が30%未満では、凸型突起の座屈現象が
起こり難くなり、内層カバー内に突起を設けた効果が発
揮し得なくなる。
箇所の厚み(内層カバーの厚み)Sは、0.8〜3.5
mm、特に1.2〜3.0mmであることが好ましい。
元断面の平均直径(断面直径が1種の場合は単に直径を
意味する)の外層カバーの突起を含まない部分の厚みT
に対する割合[(根元平均直径/外層カバー厚みT)×
100]は好ましくは20〜500%(0.2倍〜5
倍)、より好ましくは30〜300%(0.3倍〜3
倍)である。この範囲を上回っても下回っても内層カバ
ーに凸型突起を形成した効果が損なわれ、本発明の目的
を達成できない場合がある。なお、断面形状が略円形の
場合には、ほぼ等しい仮想円を描いて直径を算出する。
形成された凸型突起4aは外層カバー厚みTと下記式で
表される関係を満たす。
計を表し、Nは突起本数を表し、上述した突起総数と同
じである。Tは外層カバーの突起を含まない部分の厚み
を示し、上述した外層カバー厚みと同じである。凸型突
起と外層カバー厚みとが上記関係式を満たさないと本発
明の作用効果を発揮し得ない。
カバーに多数の凹部を設け、これら凹部に外層カバーが
凸型突起形状に侵入することにより、内層カバー内にこ
の内層カバーよりも高硬度の外層カバーからなる凸型突
起を形成し得、低ロフト角のクラブであるドライバーを
用いて比較的速いヘッドスピードで打撃した時には、内
層カバー内に形成された凸型突起に座屈現象が生じるた
めボールが大きく変形し、バックスピン量の低減と高打
ち出し角により、飛距離が飛躍的に増大する。
ッドスピードで打撃した時には、内層カバー内に形成さ
れた凸型突起が座屈現象を生じないのでボールの変形が
抑制され、バックスピン量が増大し、良好なコントロー
ル性能を有するものである。
ンやサンドウェッジの打撃では優れたスピン特性を有
し、良好なコントロール性能を発揮し得ると共に、低ロ
フト角のドライバー打撃ではスピン量の低減と高打ち出
し角により、キャリーとトータル距離が増大するもので
ある。
ルは、その表面に多数のディンプルが形成されており、
必要に応じて表面に塗装及びスタンプなどの仕上げ処理
を施すことができる。またボール全体の硬度が100k
gの荷重を負荷した時に生じる変形量で好ましく2.6
〜4.5mm、より好ましくは2.8〜3.8mmであ
り、ボール直径及び重量はR&Aのゴルフ規則に従い、
直径42.67mm以上、重量45.93g以下に形成
することができる。
に外層カバーからなる凸型突起を形成することにより、
ドライバーでのショット時にはスピン量が減少し、飛距
離が増大すると共に、アイアンやサンドウェッジでのシ
ョット時にはスピン量が増加して良好なコントロール性
を有するものである。
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
ゴム組成物をニーダーで混練し、コア用金型内で155
℃の温度で約15分間加硫することにより実施例、比較
例のソリッドコアを作成した。コア配合 JSR BR01*1 50 重量部 JSR BR11*1 50 〃 亜鉛華 30 〃 ジクミルパーオキサイド 1.2 〃 アクリル酸亜鉛 18 〃 *1:日本合成ゴム(株)製 ポリブタジエンゴム
用組成物を混練後、上記コアの周囲に表2の組み合わせ
で内層カバー用金型を用いて射出成形により被覆形成し
た。形成された内層カバー上に、表1に示した配合処方
の外層カバー材を表2の組み合わせで射出成形により被
覆し、通常の塗装を施すことにより実施例1〜5及び比
較例1〜6のスリーピースゴルフボールを作成した。
内層カバー用金型には、そのキャビティ内周面に多数の
凸部が表2の凸型突起に対応して正8面体配列に形成さ
れており、内層カバーの成形と同時にその表面に凹部が
形成される。そしてこれら内層カバーの凹部に外層カバ
ーの成形と同時に外層カバーが凸型突起形状に侵入し、
内層カバー内に表2に示した凸型突起が形成される。形
成された凸型突起の性状を表2に併記する。
下記の方法によりボール硬度、飛び性能、スピン特性を
評価した。結果を表2に示す。ボール硬度 ボールに100kg荷重を負荷した時の歪み量(mm)
で表した。飛び性能 ゴルフボールをドライバー(#W1;Tour Sta
ge X100 ロフト角10度(ブリヂストンスポー
ツ(株)製))を用いて、スイングロボット(ミヤマエ
社製)により、ヘッドスピード45m/sec(HS4
5)でショットした時の初速、キャリー、トータル飛距
離を測定した。スピン特性 ゴルフボールをスイングロボット(ミヤマエ社製)によ
り、下記のクラブ及びヘッドスピードにて打撃した時の
スピン量を測定した。 ドライバー(W#1;Tour Stage X10
0 ロフト角10度(ブリヂストンスポーツ(株)
製))、ヘッドスピード50m/s(HS50) ドライバー(W#1;同上)、ヘッドスピード45m
/s(HS45) 5番アイアン(I#5;Tour Stage X1
000(ブリヂストンスポーツ(株)製))、ヘッドス
ピード40m/s(HS40) サンドウェッジ(SW;Tour Stage X1
000(ブリヂストンスポーツ(株)製))、ヘッドス
ピード25m/s(HS25)
性エラストマー *3:デュポン社製 アイオノマー樹脂 *4:三井・デュポンポリケミカル社製 アイオノマー
樹脂
の表面積)×100
ボールは、比較例のボールに比べてドライバーでのスピ
ン量が少なく、5番アイアン、サンドウェッジでのスピ
ン量が同等乃至多く、このため実施例のボールは比較例
のボールに比べてコントロール性が同等乃至優れると共
に、キャリー,トータル距離が飛躍的に増大することが
認められた。
面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 コアと該コアを被覆するカバーとからな
るゴルフボールにおいて、上記カバーが外層カバーと該
外層カバーより硬度の低い内層カバーとからなり、この
内層カバーの外表面に形成された凹部に外層カバーが凸
型突起形状に侵入した状態で内層カバーの周囲に外層カ
バーが被覆形成されていると共に、内層カバー内に形成
された全凸型突起の根元断面積の合計が内層カバーに凹
部を形成していないと仮想した内層カバー被覆仮想球の
表面積に対して2〜45%であり、上記凸型突起の法線
方向の高さが内層カバーの凹部非形成箇所の厚みの30
%以上であることを特徴とするゴルフボール。 - 【請求項2】 コアと内層カバーと外層カバーとからな
るゴルフボールにおいて、上記外層カバーが内層カバー
より高硬度であり、この内層カバーの外表面に形成され
た凹部に外層カバーが凸型突起形状に侵入した状態で内
層カバーの周囲に外層カバーが被覆形成されていると共
に、上記内層カバー内に形成された凸型突起が外層カバ
ー厚みTと下記式で示される関係を満たすことを特徴と
するゴルフボール。 【数1】 [但し、式中Aは全凸型突起の根元断面積の合計(mm
2)、Nは突起本数、Tは外層カバーの突起を含まない
部分の厚み(mm)である。] - 【請求項3】 凸型突起の根元断面の平均直径が0.5
〜4.0mmの範囲である請求項1又は2記載のゴルフ
ボール。 - 【請求項4】 内層カバーの凹部非形成箇所の厚みが
0.8〜3.5mmである請求項1乃至3のいずれか1
項記載のゴルフボール。 - 【請求項5】 外層カバーのショアD硬度が40〜7
0、内層カバーのショアD硬度が10〜55であり、両
者の硬度差がショアDで5以上である請求項1乃至4の
いずれか1項記載のゴルフボール。
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