JP5462932B2 - ボロン酸エステル化合物の製造方法 - Google Patents

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    • C07F5/025Boronic and borinic acid compounds

Description

本発明は、ボロン酸エステル化合物の製造方法に関する。
ボロン酸エステル化合物は、医農薬の合成中間体等として有用な化合物である。このボロン酸エステル化合物は、一般的にアリールハライドとジボロン化合物とをパラジウム触媒存在下で反応させることにより製造されていた(非特許文献1等参照)。
しかしながら、パラジウム触媒を用いた場合には、通常生成物から触媒を取り除くことが困難であるという問題がある。特に、医農薬を合成する場合には、生成物を極めて高い純度で得る必要があるが、純度を向上させるために精製を何度も繰り返した場合には生成物の収率が大幅に低下する(非特許文献2等参照)。
これに対して、特許文献1および2には、水洗等により容易に除去可能であり、かつ比較的安価なニッケル触媒を用いたボロン酸エステル化合物の製造方法が例示されている。
しかしながら、特許文献1および2等に記載の従来のニッケル触媒を用いたボロン酸エステル化合物の製造方法では、収率が不十分であるという問題があった。
国際公開第98/45265号 米国特許出願公開第2003/0032838号明細書 Journal of Organic Chemistry 60 (23), 7508 (1995) C. Someswara Rao, The Chemistry of Process Development in FineChemical & Pharmaceutical Industry Second Edition (John Wiley & sons,LTD, p. 981)
本発明は、ニッケル触媒を用いて、充分に高い収率で目的の生成物を得ることが可能なボロン酸エステル化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記の[1]〜[24]を提供する。
[1] 含窒素有機塩基、ニッケル触媒、ホスフィン化合物および溶媒の存在下、式(1)
Figure 0005462932

[式中、Arは、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、または置換されていてもよい芳香族複素環基を示し、Xは、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、または置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基を示す。]で表される化合物と式(2)
Figure 0005462932

[式中、Rは2価の有機基を示す。]で表される化合物(ジボロン化合物)とを反応させることを特徴とする、式(3)
Figure 0005462932

[式中、ArおよびRは上記と同義である。]で表されるボロン酸エステル化合物の製造方法。
[2] Arが、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、置換されていてもよい含窒素芳香族複素環基、置換されていてもよい含硫黄芳香族複素環基、または置換されていてもよい含酸素芳香族複素環基である、[1]に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[3] Arが、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、または置換されていてもよい含窒素芳香族複素環基である、[1]に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[4] Arが、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいインドリル基、または置換されていてもよいインダゾリル基である、[1]に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[5] ニッケル触媒が0価または2価のニッケル錯体である、[1]〜[4]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[6] ニッケル触媒が、ニッケル(0)−アルケン錯体、ニッケル(0)−ホスフィン錯体、ニッケル(0)−亜リン酸エステル錯体、ニッケル(II)無機酸塩、ニッケル(II)有機酸塩、ハロゲン化ニッケル(II)およびハロゲン化ニッケル(II)−ホスフィン錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種のニッケル錯体である、[1]〜[4]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[7] ニッケル触媒が、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、硝酸ニッケル(II)または塩化ニッケル(II)である、[1]〜[4]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[8] 含窒素有機塩基が3級アミン化合物または環状アミジン化合物である、[1]〜[7]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[9] 含窒素有機塩基がトリアルキルアミン化合物、環状3級アミン化合物または環状アミジン化合物である、[1]〜[7]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[10] 含窒素有機塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンである、[1]〜[7]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[11] ホスフィン化合物がトリアリールホスフィンである、[1]〜[10]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[12] ホスフィン化合物がトリフェニルホスフィンである、[1]〜[10]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[13] 溶媒が、アルコール溶媒、または、炭化水素溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、ケトン溶媒、アミド溶媒、ニトリル溶媒、スルホキシド溶媒およびハロゲン化炭化水素溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒とアルコール溶媒との混合溶媒である、[1]〜[12]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[14] 溶媒が、アルコール溶媒、または、炭化水素溶媒、エーテル溶媒およびエステル溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒とアルコール溶媒との混合溶媒である、[1]〜[12]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[15] アルコール溶媒がメタノールまたはエタノールである、[13]または[14]に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[16] アルコール溶媒がメタノールである、[13]または[14]に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[17] Rが、置換されていてもよいアルキレン基、または置換されていてもよいアリーレン基である、[1]〜[16]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[18] 式(2)で表される化合物がビス(ピナコラト)ジボロンである、[1]〜[17]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[19] Xが、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基またはベンゼンスルホニルオキシ基である、[1]〜[18]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[20] Xが、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である、[1]〜[18]のいずれかに記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[21] Arが、下記:
Figure 0005462932

Figure 0005462932

Figure 0005462932

[式中、波線はArにおける結合位置を示す。上記基は置換されていてもよい。]
からなる群より選ばれる芳香族複素環基である、[1]に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[22] 前記芳香族複素環基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシ基、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、ニトロ基、アミノ基、N−メチルアミノ基、N−アセチルアミノ基、ヒドロキシ基、メトキシ基、スルファニル基、メチルスルホニル基および式−NHC(=O)NHCHで表される基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で置換されている、[21]に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[23] 式(1)で表される化合物が、下記式:
Figure 0005462932

で表される化合物である、[1]に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
[24] 式(3)で表される化合物が、下記式:
Figure 0005462932

で表される化合物である、[1]に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
本発明のボロン酸エステル化合物の製造方法によれば、触媒としてニッケル触媒を用いた場合であっても、充分に高い収率で目的の生成物を得ることができる。
さらに、従来のニッケル触媒を用いたボロン酸エステル化合物の製造方法では、原料のアリールハライドとして比較的高価で反応性の高いアリールヨージドを用いる必要があったが、本発明によれば、比較的安価で反応性の低いアリールクロライドやアリールブロミドを用いた場合であっても充分に高い収率で目的の生成物を得ることができる。
さらに、本発明のボロン酸エステル化合物の製造方法によれば、従来のパラジウム触媒やニッケル触媒を用いた場合と比較して、温和な条件で反応が進行する。
以下、本発明の実施形態の例について詳細に説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
[式(1)で表される化合物]
上記Arの「置換されていてもよい芳香族炭化水素基」における「芳香族炭化水素基」としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。その具体例としては、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、アントリル基が挙げられる。
上記Arの「置換されていてもよい芳香族複素環基」における「芳香族複素環基」としては、含窒素芳香族複素環基、含硫黄芳香族複素環基または含酸素芳香族複素環基が好ましく、含窒素芳香族複素環基がより好ましい。
含硫黄芳香族複素環基の具体例としては、チエニル基が挙げられる。なお、含硫黄芳香族複素環基は、チアゾリル基やベンゾチアゾリル基等といった硫黄と窒素とを含む芳香族複素環基であってもよい。
含酸素芳香族複素環基の具体例としては、フリル基、イソベンゾフラニル基が挙げられる。なお、含酸素芳香族複素環基は、オキサゾリル基やベンゾオキサゾリル基等といった酸素と窒素とを含む芳香族複素環基であってもよい。
含窒素芳香族複素環基の具体例としては、インドリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、キノリル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ピローリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基が挙げられる。
なお、含窒素芳香族複素環基がNH残基を有する場合には、当該NH残基は、ベンジルオキシカルボニル基等の置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基;tert−ブトキシカルボニル基等の置換されていてもよいアルコキシカルボニル基;アリルオキシカルボニル基等の置換されていてもよいアリルオキシカルボニル基;テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、3−ブロモテトラヒドロフラン−2−イル基、1,4−ジオキサン−2−イル基等の置換されていてもよい環状エーテル−2−イル基;ベンジル基等の置換されていてもよいアラルキル基;p−トルエンスルホニル基等の置換されていてもよいスルホニル基;アセチル基等の置換されていてもよいアシル基等の保護基によって保護されていてもよい。
なお、上記保護基の説明における「置換されていてもよい」とは、対象となる基が、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基等の置換基を有していてもよいことを示す。
また、上記Arの説明における「置換されていてもよい」とは、対象となる基が、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、その他の特性基等の置換基を有していてもよいことを示す。
脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロへキシル基、アダマンチル基、ドデシル基等の炭素数1〜20の直鎖、分岐状または環状のアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、シクロヘキセニル基、オクタジエニル基等の炭素数2〜20の直鎖、分岐状または環状のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、ドデシニル基等の炭素数2〜20の直鎖、分岐状または環状のアルキニル基が挙げられる。これらの基は、上述の芳香族炭化水素基や後述するその他の特性基等によりさらに置換されていてもよく、また2以上の脂肪族炭化水素基が一緒になって環を形成していてもよい。
芳香族炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものが挙げられる。なお、芳香族炭化水素基は、上述の脂肪族炭化水素基や、芳香族炭化水素基、後述するその他の特性基等によりさらに置換されていてもよい。
芳香族複素環基の具体例としては、上記と同様のものが挙げられる。
その他の特性基の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;カルボキシ基;メトキシカルボニル基等の置換されていてもよいアルコキシカルボキシ基;ホルミル基;アセチル基等のアシル基;メトキシ基、ベンジルオキシ基等の置換されていてもよいアルコキシ基;カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基等の置換されていてもよいカルバモイル基;アミノ基、N−メチルアミノ基、N−tert−ブトキシカルボニルアミノ基、N−アセチルアミノ基等の上述の保護基で保護されていてもよいアミノ基;ホルミル基やアセチル基とアミノ基とが脱水縮合してなるイミノ基等のイミノ基;ベンゼンスルホニル基等の置換されていてもよいスルホニル基;メチルチオ基等の置換されていてもよいアルキルチオ基;チオキソ基;シアノ基;ヒドロキシ基;スルファニル基;ニトロ基;式−NHC(=O)NHCHで表される基が挙げられる。
なお、上記その他の特性基の説明における「置換されていてもよい」とは、対象となる基が、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基等の置換基を有していてもよいことを示す。
上記Arは、芳香族炭化水素基または含窒素芳香族複素環基であると好ましく、フェニル基、ピリジル基、インドリル基またはインダゾリル基であるとより好ましい。
上記Xにおける「ハロゲン原子」としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
上記Xにおける「置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基」の具体例としては、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基が挙げられる。
上記Xにおける「置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基」の具体例としては、トルエンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基が挙げられる。
なお、上記Xの説明における「置換されていてもよい」とは、対象となる基が、メチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基等の置換されていてもよいアルコキシ基;シアノ基等の置換基を有していてもよいことを示す。
上記Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基であると好ましく、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であるとより好ましい。
上述のArおよびXを有する式(1)で表される化合物の具体例としては、クロロベンゼン、4−クロロトルエン、4−クロロアニソール、4−クロロアセトフェノン、4−クロロベンゾニトリル、4−クロロピリジン、4−クロロインドール、2−アミノ−6−クロロトルエン、4−クロロスチレン、1−クロロ−4−エチニルベンゼン、1−クロロ−4−フェニルベンゼン、1−クロロ−4−フルオロベンゼン、4−クロロ安息香酸、4−クロロ安息香酸メチル、4−クロロ安息香酸アミド、2−(N−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6−クロロトルエン、N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)アセトアミド、4−クロロフェノール、1−クロロナフタレン、1−クロロフェナントレン、1−クロロアントラセン、4−クロロベンゾトリアゾール、4−クロロキノリン、5−クロロフタラジン、5−クロロピリミジン、4−クロロベンゾチアゾリン、4−クロロベンゾイソチアゾリン、4−クロロベンゾオキサゾリン、4−クロロベンゾイソオキサゾリン、1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−クロロ−1H−インダゾール、2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−クロロ−2H−インダゾール、4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール、4−クロロ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール、4−クロロ−1−(テトラヒドロフラン−2−イル)−1H−インダゾール、4−クロロ−2−(テトラヒドロフラン−2−イル)−2H−インダゾール、1−アセチル−4−クロロ−1H−インダゾール、2−アセチル−4−クロロ−2H−インダゾールが挙げられる。
さらにこれらの化合物の位置異性体や、これらの化合物における塩素原子(クロロ基)が臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基で置換された化合物、上述の化合物がNH残基を有する場合には当該NH残基が保護基により保護された化合物も式(1)で表される化合物の具体例として挙げられる。
[式(2)で表される化合物]
上記Rにおける「2価の有機基」としては、置換されていてもよいアルキレン基(特に炭素数2〜6のもの)、置換されていてもよいアリーレン基(特に炭素数6〜10のもの)が挙げられる。
上記「置換されていてもよいアルキレン基」における「アルキレン基」の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基が挙げられる。
上記「置換されていてもよいアリーレン基」における「アリーレン基」の具体例としては、フェニレン基、ベンゾフェニレン基が挙げられる。
上記Rの説明における「置換されていてもよい」とは、対象となる基が、メチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の鎖状、分岐状または環状のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基;エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;N,N−ジメチルカルバモイル基等の置換されていてもよいカルバモイル基等の置換基を有していてもよいことを示す。なお、上記アルキル基は、上述の芳香族炭化水素基を置換基として有していてもよく、上記アリール基は、上述の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を置換基として有していてもよい。
上述のRを有する式(2)で表される化合物の具体例としては、下記の化合物:
Figure 0005462932

が挙げられ、ビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(エタンジオラト)ジボロンおよびビス(ネオペンタンジオラト)ジボロンが好ましく、ビス(ピナコラト)ジボロンがより好ましい。
上記式(2)で表される化合物の使用量は、上記式(1)で表される化合物に対して、通常1〜30モル倍であり、1〜5モル倍であると好ましく、1〜2モル倍であるとより好ましい。
[含窒素有機塩基]
含窒素有機塩基としては、例えば、アミン化合物、環状アミジン化合物、置換されていてもよい含窒素芳香族複素環化合物が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、1級アミン化合物(特に炭素数1〜10のもの)、2級アミン化合物(特に炭素数2〜20のもの)、3級アミン化合物(特に炭素数3〜40のもの)が挙げられる。
1級アミン化合物の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、アニリンが挙げられる。
2級アミン化合物の具体例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチルアニリン、モルホリンが挙げられる。
3級アミン化合物の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ウンデシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリベンジルアミン等の置換されていてもよいトリアルキルアミン化合物;N,N−ジメチルアニリン等のジアルキルアリールアミン化合物;トリフェニルアミン等のトリアリールアミン化合物が挙げられる。
N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン等の環状3級アミン化合物が挙げられる。
環状アミジン化合物の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンが挙げられる。
置換されていてもよい含窒素芳香族複素環化合物の具体例としては、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ピコリン、N−メチルイミダゾール、オキサゾールが挙げられる。
上記含窒素有機塩基は、3級アミン化合物または環状アミジン化合物であると好ましく、トリアルキルアミン化合物、環状3級アミン化合物または環状アミジン化合物であるとより好ましく、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンであると特に好ましい。
含窒素有機塩基の使用量は、上記式(1)で表される化合物に対して、通常1〜30モル倍であり、1〜10モル倍であると好ましく、1〜5モル倍であるとより好ましい。
[ニッケル触媒]
ニッケル触媒としては、例えば、ニッケル錯体、ニッケル合金、ニッケル担持化合物が挙げられる。
ニッケル錯体とは、ニッケル原子を中心として、周囲に配位子が結合した構造を有する化合物をいい、例えば、0価ニッケル錯体、2価ニッケル錯体が挙げられる。
0価ニッケル錯体の具体例としては、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)等のニッケル(0)アルケン錯体;テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)等のニッケル(0)−ホスフィン錯体;テトラキス(亜リン酸トリフェニル)ニッケル(0)等のニッケル(0)−亜リン酸エステル錯体が挙げられる。
2価ニッケル錯体の具体例としては、硝酸ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)、炭酸ニッケル(II)等のニッケル(II)無機酸塩;トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル(II)、酢酸ニッケル(II)、安息香酸ニッケル(II)、ビスアセチルアセトン酸ニッケル(II)等のニッケル(II)有機酸塩;フッ化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II)等のハロゲン化ニッケル(II);塩化ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、臭化ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)等のハロゲン化ニッケル(II)−ホスフィン錯体;酸化ニッケル(II);水酸化ニッケル(II)が挙げられる。
ニッケル合金としては、例えば、ニッケル−13族金属合金が挙げられ、ニッケル−アルミニウム合金、ラネーニッケルが好ましい。
ニッケル担持化合物としては、例えば、13族もしくは14族元素からなる単体または13族もしくは14族元素を含む化合物にニッケルが担持された化合物が挙げられ、ニッケル炭素、ニッケルアルミナが好ましい。
上記ニッケル触媒は、ニッケル錯体であると好ましく、ニッケル(0)−アルケン錯体、ニッケル(0)−ホスフィン錯体、ニッケル(0)−亜リン酸エステル錯体、ニッケル(II)無機酸塩、ニッケル(II)有機酸塩、ハロゲン化ニッケル(II)またはハロゲン化ニッケル(II)−ホスフィン錯体であるとより好ましく、ニッケル(0)−アルケン錯体、ニッケル(II)無機酸塩またはハロゲン化ニッケル(II)であるとさらに好ましく、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、硝酸ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)であると特に好ましい。
これらのニッケル触媒は、市販のものであってもよく、任意の公知の方法によって製造されたものであってもよい。また、ニッケル触媒は、水和物であってもよく、反応系中で発生させたものであってもよい。
上記ニッケル触媒の使用量は、上記式(1)で表される化合物に対して、通常0.0001〜0.5モル倍であり、0.001〜0.3モル倍であると好ましく、0.01〜0.1モル倍であるとより好ましい。
[ホスフィン化合物]
ホスフィン化合物としては、トリアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、芳香族基を有する2座配位型ホスフィン化合物等といった芳香族基を有するホスフィン化合物;トリアルキルホスフィン、芳香族基を有しない2座配位型ホスフィン化合物等といった芳香族基を有しないホスフィン化合物が挙げられる。
トリアリールホスフィンの具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(m−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、ジフェニル(トリル)ホスフィン、トリス(ジメチルフェニル)ホスフィン、トリメシチルホスフィン、トリス(メトキシフェニル)ホスフィン、ビス(メトキシフェニル)フェニルホスフィン、トリス(フルオロフェニル)ホスフィン、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィン、トリフリルホスフィン、トリチエニルホスフィンが挙げられ、アルキルジアリールホスフィンの具体例としては、エチルジフェニルホスフィンが挙げられる。
芳香族基を有する2座配位型ホスフィン化合物の具体例としては、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1−〔2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル〕エチルジシクロヘキシルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルが挙げられる。
トリアルキルホスフィンの具体例としては、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリ(n−ヘキシル)ホスフィン、トリ(n−オクチル)ホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンが挙げられる。
芳香族基を有しない2座配位型ホスフィン化合物の具体例としては、1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、1,3‐ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパンが挙げられる。
上記ホスフィン化合物は、芳香族基を有するホスフィン化合物であると好ましく、トリアリールホスフィンであるとより好ましく、トリフェニルホスフィンであると特に好ましい。
これらのホスフィン化合物は、市販のものであってもよく、任意の公知の方法によって製造されたものであってもよい。また、上記ニッケル触媒が、配位子としてホスフィンを有するものである場合には、必ずしもホスフィンを添加しなくともよい。
上記ホスフィン化合物の使用量は、上記式(1)で表される化合物に対して、通常0.0001〜1.0モル倍であり、0.001〜0.6モル倍であると好ましく、0.01〜0.2モル倍であるとより好ましい。
[溶媒]
溶媒としては、例えば、アルコール溶媒、炭化水素溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、ケトン溶媒、アミド溶媒、ニトリル溶媒、スルホキシド溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられる。
アルコール溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、2−メトキシエタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールが挙げられる。
炭化水素溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ニトロベンゼン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサンが挙げられる。
エーテル溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテルが挙げられる。
エステル溶媒の具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、ブチロラクトンが挙げられる。
ケトン溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノンが挙げられる。
アミド溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが挙げられる。
ニトリル溶媒の具体例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリルが挙げられる。
スルホキシド溶媒の具体例としては、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、スルホランが挙げられる。
ハロゲン化炭化水素溶媒の具体例としては、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロブタン、フルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンが挙げられる。
上記溶媒は、アルコール溶媒、または、炭化水素溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、ケトン溶媒、アミド溶媒、ニトリル溶媒、スルホキシド溶媒およびハロゲン化炭化水素溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒とアルコール溶媒との混合溶媒であると好ましく、メタノール、エタノール、または、炭化水素溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、ケトン溶媒、アミド溶媒、ニトリル溶媒、スルホキシド溶媒およびハロゲン化炭化水素溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒とメタノールもしくはエタノールとの混合溶媒であるとより好ましく、メタノール、または炭化水素溶媒、エーテル溶媒およびエステル溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒とメタノールとの混合溶媒であると特に好ましい。
上記混合溶媒を用いる場合におけるアルコール溶媒の割合は、混合溶媒全量に対して、通常1質量%以上であり、10質量%以上であると好ましく、50質量%以上であると特に好ましい。
上記溶媒の使用量は、上記式(1)で表される化合物に対して、通常500質量倍以下であり、0.1〜100質量倍であると好ましく、1〜30質量倍であるとより好ましい。
[含窒素有機塩基、ニッケル触媒およびホスフィン化合物の好適な組合せ]
含窒素有機塩基、ニッケル触媒およびホスフィン化合物は、
含窒素有機塩基:3級アミン化合物または環状アミジン化合物、
ニッケル触媒:0価または2価ニッケル錯体、
ホスフィン化合物:芳香族基を有するホスフィン化合物
の組合せであると好ましく、
含窒素有機塩基:トリアルキルアミン化合物、環状3級アミン化合物または環状アミジン化合物、
ニッケル触媒:ニッケル(0)−アルケン錯体、ニッケル(II)無機酸塩またはハロゲン化ニッケル(II)、
ホスフィン化合物:トリアリールホスフィン
の組合せであるとより好ましく、
含窒素有機塩基:トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、
ニッケル触媒:ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、硝酸ニッケル(II)または塩化ニッケル(II)、
ホスフィン化合物:トリフェニルホスフィン、
の組合せであると特に好ましい。
[反応条件等]
本発明の製造方法によれば、上述の含窒素有機塩基、ニッケル触媒、ホスフィン化合物および溶媒の存在下、上記式(1)で表される化合物と上記式(2)で表される化合物とを反応させることにより、上記式(3)で表されるボロン酸エステル化合物が得られる。
上記反応における反応温度は、通常−40〜150℃であり、−20〜100℃であると好ましく、0〜80℃であるとより好ましい。好適な反応時間は反応温度等の反応条件により異なるが、通常1分間〜48時間である。
上述の成分の混合順序は特に限定されないが、上記式(2)で表される化合物、含窒素有機塩基を予め溶媒中で混合した後に、ニッケル触媒、ホスフィン化合物、上記式(1)で表される化合物を連続して加えてもよく、上記式(2)で表される化合物、含窒素有機塩基、ニッケル触媒、ホスフィン化合物を予め溶媒中で混合した後に、式(1)で表される化合物を加えてもよく、上記式(2)で表される化合物、含窒素有機塩基、式(1)で表される化合物を予め溶媒中で混合した後に、ニッケル触媒とホスフィン化合物とを加えてもよく、上述の成分を一括して加えてもよい。
反応の進行は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、NMR等の通常の分析手段により確認することができる。
反応終了後、得られた反応混合物に、分液処理、濾過処理、洗浄処理、濃縮処理等の通常の後処理を施すことにより、上記式(3)で表されるボロン酸エステル化合物を単離することができる。上記後処理としては、より具体的には、反応混合物に水を加えて分液処理し、得られた有機層を減圧濃縮した後に水洗浄する方法や、反応混合物を減圧濃縮した後に水洗浄する方法等が挙げられる。
単離された上記式(3)で表されるボロン酸エステル化合物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー処理、蒸留処理等の通常の精製処理によって、さらに精製されてもよい。また、式(3)で表されるボロン酸エステル化合物が結晶性を有する場合には、再結晶処理により精製することもできる。
上記分液処理をする際に、反応で用いた溶媒が水と抽出溶媒のいずれにも溶解する場合には、該溶媒を留去した後に分液処理を行なうことが望ましい。また、反応混合物に不要な残留触媒や不溶不純物等が残留する場合は、これらを濾過処理により除去してから分液処理を行なうことが望ましい。
分液処理における抽出溶媒としては、例えば、tert−ブチルメチルエーテル、イソプロピルエチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒等が挙げられる。反応時にこれら抽出溶媒と同じ溶媒を使用した場合は、そのまま分液操作を行なうこともできる。
また、反応混合物に残留するニッケル触媒等の不純物を除去するために、水洗浄、食塩水洗浄、酸洗浄や塩基洗浄等を行なってもよい。酸としては例えば、塩化水素、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸や、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。塩基としては、アンモニア、アンモニア水、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機塩基や、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が挙げられる。酸や塩基の使用量は特に制限されないが、目的の生成物に影響を与えない範囲での使用が望ましい。
上記再結晶処理する場合に用いられる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭素水素溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;水等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を同時に用いてもよい。好ましくは脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、あるいはこれらの混合溶媒である。再結晶に用いられる溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、通常、得られた生成物の重量に対して0.1〜100倍の範囲である。
上述の本発明の製造方法により得られる上記式(3)で表されるボロン酸エステル化合物の具体例としては、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニソール、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アセトフェノン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリル、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インドール、2−アミノ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)スチレン、1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4−エチニルベンゼン、1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4−フェニルベンゼン、1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4−フルオロベンゼン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチル、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸アミド、2−(N−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエン、N−[3−(4’,4’,5’,5’−テトラメチル−1’,3’,2’−ジオキサボロラン−2’−イル)−2−メチルフェニル]アセトアミド、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール、1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール、2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2H−インダゾール、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1−(テトラヒドロフラン−2−イル)−1H−インダゾール、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−(テトラヒドロフラン−2−イル)−2H−インダゾール、1−アセチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール、2−アセチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2H−インダゾール、1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ナフタレン、1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェナントレン、1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アントラセン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾトリアゾール、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キノリン、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フタラジン、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾチアゾリン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾイソチアゾリン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾオキサゾリン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾイソオキサゾリンが挙げられる。
さらにこれらの化合物の位置異性体も式(3)で表されるボロン酸エステル化合物の具体例として挙げられる。
以下、実施例にて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。なお、各実施例において、
4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾールは「クロロ−THP−1H−インダゾール」と、
4−クロロ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾールは「クロロ−THP−2H−インダゾール」と、
1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾールは「THP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステル」と、
2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2H−インダゾールは「THP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステル」と、
それぞれ略記する。
(クロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールとの混合物)
製造例1
窒素雰囲気下、フラスコに4−クロロインダゾール33.0g(含量91.0重量%、196.6mmol)とピリジニウム p−トルエンスルホナート0.49g(2.0mmol)と3,4−ジヒドロ−2H−ピラン36.4g(432.6mmol)とジクロロメタン265gとを仕込み、得られた混合物を内温45℃で8時間撹拌した。得られた反応混合物を25℃に冷却し、そこにジクロロメタンと水を加えて撹拌した後、分液した。得られた有機層に5重量%炭酸水素ナトリウム水を加えて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動層:ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、48.5gの油状物を得た。該油状物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、クロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールの含量は、合わせて98.4重量%であった(クロロ−THP−1H−インダゾール:クロロ−THP−2H−インダゾール=1:3.3、収率100%)。
製造例2
窒素雰囲気下、フラスコに4−クロロインダゾール31.8g(含量94.3重量%、196.6mmol)とピリジニウム p−トルエンスルホナート0.99g(3.9mmol)と3,4−ジヒドロ−2H−ピラン36.4g(432.6mmol)とトルエン132gとヘプタン132gとを仕込み、得られた混合物を40℃まで加熱し、9時間撹拌した。得られた反応混合物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液101gを加え混合しながら25℃まで冷却した後、分液した。得られた有機層に再度、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液101gを加え、混合・分液を2回繰り返した後、トルエン20gと炭酸水素ナトリウム0.33gを加え減圧濃縮を行なった。この濃縮物にメタノールを加え再度、減圧濃縮し、濾過を行い、濾液70.8gを得た。該濾液を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、クロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールの含量は、合わせて65.2重量%であった(クロロ−THP−1H−インダゾール:クロロ−THP−2H−インダゾール=1:13.7、収率100%)。
(THP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとの混合物)
Figure 0005462932

実施例1
窒素雰囲気下、フラスコに、ビス(ピナコラト)ジボロン55.8g(0.22mol)とメタノール120gとトリエチルアミン44.5g(0.44mol)と製造例2で得たクロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールの混合物61.3g(合計含量:65.2重量%、0.17mol)を仕込み、窒素でバブリングしながら内温を0℃まで冷却した。そこに、硝酸ニッケル・6水和物2.0g(6.8mmol)とトリフェニルホスフィン3.6g(13.5mmol)を仕込んだ。得られた反応混合物を内温5℃まで昇温し、22時間撹拌した。その後、段階的に15℃まで6時間かけて昇温しながら撹拌した。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、該反応混合物にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、合わせて45.0g(0.14mol、反応収率81%)含まれていた。
この反応混合物にtert−ブチルメチルエーテル440gと5重量%塩酸168gを加えpH7.5に調整した後、分液した。得られた水層にtert−ブチルメチルエーテル360gを加えて再抽出を行った。それぞれ得られた有機層を合一し、水層を分離し、有機層を減圧濃縮した。得られた濃縮物にトルエン160gを加えて減圧濃縮し、濃縮物にトルエン120gと20重量%メタノール水溶液を150g加え混合・分液した。さらに得られた有機層に20重量%メタノール水溶液150gを加え混合・分液を2回繰り返した。得られた有機層に活性炭2.0gを加え室温で1時間撹拌し、濾過を行なった。この濾液を減圧濃縮し、濃縮物を81.67g得た。得られた濃縮物を高速液体クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーにて分析したところ、該濃縮物にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、含量55.0重量%(THP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステル=3.0重量%、THP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステル=52.0重量%、トルエン=22.4重量%)で含まれていた。この濃縮物にトルエン8.55gとヘプタン62.45g加え、45℃まで加熱した。この混合物にTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが混合した種晶を40mg加えたところ結晶が析出した。その後、この混合物を4時間かけて25℃まで冷却し、再び45℃へ加熱した後、0℃まで冷却し、濾過を行なった。得られた結晶を0℃のヘプタン11.2gとトルエン4.8gの混合液で洗浄・濾過した後、0℃のヘプタン21.6gでさらに洗浄・濾過した。残った結晶を減圧下で乾燥したところ、33.9gの結晶を得た。得られた結晶を高速液体クロマトグラフィー内標準法にて分析したところ、該結晶にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルは含まれておらずTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルのみが30.03g含まれていた(91.5mmol、含量:88.5重量%、収率54%)。また、濾液と洗液の混合物にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが10.4g、THP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが2.3g含まれていた。
実施例2
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.32g(1.27mmol)と脱気したエタノール3.6mlとトリエチルアミン0.26g(2.53mmol)とを仕込み、得られた混合物を内温25℃で撹拌しながら、そこに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル9.3mg(0.03mmol)とトリフェニルホスフィン17.7mg(0.07mmol)と、製造例1に準じて得たクロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールとの混合物0.20g(合計含量100.0重量%、0.85mmol)を仕込み、得られた混合物を30℃で5時間撹拌した後、さらに70℃で1時間撹拌した。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、該反応混合物にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、合わせて0.16g(0.48mmol、収率56%)含まれていた。
実施例3
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.32g(1.27mmol)と脱気したtert−ブチルメチルエーテル2.6gと脱気したメタノール0.3gとトリエチルアミン0.26g(2.53mmol)とを仕込み、得られた混合物を内温25℃で撹拌しながら、そこに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル9.3mg(0.03mmol)とトリフェニルホスフィン17.7mg(0.07mmol)と、製造例1に準じて得たクロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールとの混合物0.20g(合計含量98.5重量%、0.85mmol)を仕込み、得られた混合物を30℃で3時間撹拌した後、さらに60℃で1時間撹拌した。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、該反応混合物にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、合わせて0.16g(0.49mmol、収率58%)含まれていた。
実施例4〜6
tert−ブチルメチルエーテルに代えて表1に記載の溶媒を用い、反応温度と反応時間をそれぞれ表1に記載のとおりに変更した以外は、実施例3と同様にして反応を行なった。結果を表1に示す。
Figure 0005462932
実施例7
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.64g(2.53mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン0.66g(5.07mmol)とを仕込み、得られた混合物を内温25℃で撹拌しながら、そこに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル18.6mg(0.07mmol)とトリフェニルホスフィン35.5mg(0.14mmol)と、クロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールとの混合物0.45g(合計含量89.5重量%、1.69mmol)を仕込み、得られた混合物を30℃で5時間撹拌した。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、該反応混合物にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、合わせて0.39g(1.19mmol、収率70%)含まれていた。
実施例8
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.64g(2.53mmol)と脱気したメタノール3.0gとトリエチルアミン0.51g(5.07mmol)とを仕込み、得られた混合物を内温25℃で撹拌しながら、そこに、硝酸ニッケル・6水和物19.7mg(0.07mmol)とトリフェニルホスフィン35.5mg(0.14mmol)と、クロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールとの混合物0.45g(合計含量89.5重量%、1.69mmol)を仕込み、得られた混合物を30℃で6時間撹拌した。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、THP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、合わせて0.45g(1.37mmol、収率81%)含まれていた。
実施例9〜10
ビス(ピナコラト)ジボロンとトリエチルアミンの使用量を、それぞれ表2に記載のとおりに変えた以外は、実施例8と同様にして反応を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005462932
実施例11
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.24g(0.95mmol)と脱気したメタノール2.9gとトリエチルアミン0.17g(1.68mmol)とを仕込み、得られた混合物を内温25℃で撹拌しながら、そこに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル10mg(0.04mmol)とトリフェニルホスフィン18mg(0.07mmol)と、クロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールとの混合物0.20g(合計含量100重量%、0.84mmol)を仕込み、得られた混合物を30℃で3時間撹拌した。該反応混合物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、該反応混合物にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、合わせて0.19g(0.57mmol、収率68%)含まれていた。
比較例1
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.12g(0.47mmol)と脱気したメタノール1.4gとリチウムメトキシド31mg(0.82mmol)とを仕込み、得られた混合物を内温25℃で撹拌しながら、そこに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル3.0mg(0.01mmol)とトリフェニルホスフィン4.5mg(0.02mmol)と、クロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールとの混合物0.10g(合計含量97.7重量%、0.41mmol)を仕込み、得られた混合物を30℃で3.5時間撹拌した。その後、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル3.0mg(0.01mmol)とトリフェニルホスフィン4.5mg(0.02mmol)を加え、再度、混合物を30℃で2時間撹拌した。該反応混合物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、該反応混合物にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、合わせて22.9mg(0.07mmol、収率17%)含まれていた。
比較例2〜4
リチウムメトキシドに代えて表3に記載の塩基を用い、その使用量をそれぞれ表3に記載のとおりに変更した以外は、比較例1と同様にして反応を行なった。結果を表3に示す。
Figure 0005462932
比較例5
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.32g(1.26mmol)と脱気したジメチルスルホキシド3.6gと酢酸カリウム0.25g(2.54mmol)とを仕込み、得られた混合物を内温25℃で撹拌しながら、そこに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル10mg(0.04mmol)とトリフェニルホスフィン18mg(0.07mmol)と、クロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールとの混合物0.20g(合計含量100重量%、0.84mmol)を仕込み、得られた混合物を30℃で5時間撹拌した。その後さらに70℃まで加熱し、1時間撹拌した。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、該反応混合物にTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルは得られなかった(収率0%)。
実施例12
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.64g(2.5mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン0.66g(5.1mmol)とを仕込み、得られた混合物を内温25℃で撹拌しながら、そこに、硝酸ニッケル・6水和物19.7mg(0.07mmol)とトリフェニルホスフィン35.5mg(0.14mmol)と、クロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールとの混合物0.45g(合計含量89.5重量%、1.69mmol)を仕込み、得られた混合物を30℃で5時間撹拌した。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、該反応混合物にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、合わせて0.36g(1.2mmol、収率70%)含まれていた。
実施例13
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.32g(1.27mmol)と脱気したメタノール2.8gとトリエチルアミン0.26g(2.53mmol)とを仕込み、得られた混合物を内温25℃で撹拌しながら、そこに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル9.3mg(0.03mmol)とトリフェニルホスフィン17.7mg(0.07mmol)と、クロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールとの混合物0.20g(合計含量100.0重量%、0.85mmol)を仕込み、得られた混合物を30℃で3時間撹拌した。その後、70℃まで加熱して、さらに1時間撹拌した。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、THP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、合わせて0.23g(0.71mmol、収率83%)含まれていた。
(その他の化合物の製造)
実施例14:(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン1.35g(5.3mmol)と脱気したメタノール7.2gとトリエチルアミン1.08g(10.7mmol)とを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル39mg(0.14mmol)とトリフェニルホスフィン75mg(0.28mmol)と、クロロベンゼン0.40g(3.6mmol)を仕込み、30℃で21時間撹拌した。該反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンを0.50g(2.5mmol、収率69%)含んでいた。
実施例15〜17
トリエチルアミンに代えて表4に記載の塩基を用い、その仕込量を表4に記載のとおりに変更した以外は、実施例14と同様にして反応を行なった。結果を表4に示す。
Figure 0005462932
実施例18:(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン1.35g(5.3mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン1.38g(10.7mmol)とを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル39mg(0.14mmol)とトリフェニルホスフィン75mg(0.28mmol)と、クロロベンゼン0.44g(3.9mmol)を仕込み、30℃で21時間撹拌後、50℃で4時間撹拌した。該反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンを0.79g(3.9mmol、収率99%)含んでいた。
実施例19:(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン1.35g(5.3mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン1.38g(10.7mmol)とを仕込み、室温で撹拌した。ここに、硝酸ニッケル・6水和物41mg(0.14mmol)とトリフェニルホスフィン75mg(0.28mmol)と、クロロベンゼン0.40g(3.6mmol)を仕込み、30℃で21時間撹拌後、50℃で4時間撹拌した。該反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンを0.65g(3.2mmol、収率90%)含んでいた。
実施例20
硝酸ニッケル・6水和物に代えて表5に記載の触媒を用い、その使用量を表5に記載のとおりに変更した以外は実施例19と同様にして反応を行なった。結果を表5に示す。
Figure 0005462932
実施例21:(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.97g(3.8mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン0.99g(7.6mmol)とを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル28mg(0.10mmol)とトリフェニルホスフィン53mg(0.20mmol)と、ブロモベンゼン0.40g(2.5mmol)を仕込み、30℃で21時間撹拌した。該反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンを0.40g(2.0mmol、収率77%)含んでいた。
実施例22:(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.75g(2.9mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン0.76g(5.9mmol)とを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル22mg(0.1mmol)とトリフェニルホスフィン41mg(0.2mmol)と、ヨードベンゼン0.44g(2.2mmol)を仕込み、30℃で21時間撹拌した。該反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンを0.41g(2.0mmol、収率93%)含んでいた。
実施例23:4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエン
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン1.20g(4.7mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン1.23g(9.5mmol)とを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル35mg(0.13mmol)とトリフェニルホスフィン66mg(0.25mmol)と、4−クロロトルエン0.40g(3.2mmol)を仕込み、30℃で21時間撹拌した。その後、50℃で3時間撹拌した。該反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエンを0.41g(1.9mmol、収率60%)含んでいた。
実施例24:4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニソール
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン1.07g(4.2mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン1.09g(8.4mmol)とを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル31mg(0.11mmol)とトリフェニルホスフィン59mg(0.22mmol)と、4−クロロアニソール0.40g(2.8mmol)を仕込み、30℃で21時間撹拌した。その後、50℃で3時間撹拌した。該反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニソールを0.58g(2.7mmol、収率97%)含んでいた。
実施例25:4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アセトフェノン
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.99g(3.9mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン1.00g(7.8mmol)とを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル28mg(0.10mmol)とトリフェニルホスフィン54mg(0.21mmol)と、4’−クロロアセトフェノン0.40g(2.6mmol)を仕込み、30℃で21時間撹拌した。その後、50℃で3時間撹拌した。該反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アセトフェノンを0.58g(2.4mmol、収率91%)含んでいた。
実施例26:4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリル
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン1.11g(4.4mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン1.13g(8.7mmol)とを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル32mg(0.12mmol)とトリフェニルホスフィン61mg(0.23mmol)と、4−クロロベンゾニトリル0.40g(2.9mmol)を仕込み、30℃で21時間撹拌した。その後、50℃で3時間撹拌した。該反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾニトリルを0.58g(2.6mmol、収率88%)含んでいた。
実施例27:3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン1.34g(5.3mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン1.36g(10.6mmol)とを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル39mg(0.14mmol)とトリフェニルホスフィン74mg(0.28mmol)と、3−クロロピリジン0.40g(3.52mmol)を仕込み、30℃で21時間撹拌した。その後、50℃で3時間撹拌した。該反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンを0.29g(1.42mmol、収率41%)含んでいた。
実施例28:4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インドール
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン0.50g(2.0mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン0.51g(4.0mmol)とを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル15mg(0.05mmol)とトリフェニルホスフィン28mg(0.11mmol)と、4−クロロインドール0.20g(1.32mmol)を仕込み、30℃で21時間撹拌した。その後、50℃で3時間撹拌した。該反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インドールを0.26g(1.05mmol、収率80%)含んでいた。
実施例29:2−アミノ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエン
窒素雰囲気下、20ml容の反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン1.08g(4.2mmol)と脱気したメタノール7.2gとジイソプロピルエチルアミン1.10g(8.5mmol)とを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル31mg(0.11mmol)とトリフェニルホスフィン59mg(0.23mmol)と、2−アミノ−6−クロロトルエン0.40g(2.82mmol)を仕込み、30℃で21時間撹拌した。その後、50℃で3時間撹拌した。該反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、2−アミノ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエンを0.26g(1.11mmol、収率40%)含んでいた。
実施例30:クロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールとの混合物
窒素雰囲気下、反応容器に、ビス(ピナコラト)ジボロン11.07kg(43.6mol)とメタノール23.8kgとトリエチルアミン8.83kg(87.2mol)と製造例2に準じて製造したクロロ−THP−1H−インダゾールとクロロ−THP−2H−インダゾールの混合物15.49kg(クロロ−THP−1H−インダゾール=3.2重量%、クロロ−THP−2H−インダゾール=48.1重量%、合計=33.54mol)を仕込み、内温を6℃まで冷却した後、反応容器を減圧し窒素置換した。その後、反応容器に、硝酸ニッケル・6水和物0.39kg(1.3mol)とトリフェニルホスフィン0.70kg(2.7mol)を仕込んだ。得られた反応混合物を内温20℃まで昇温し、7時間撹拌した。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、該反応混合物にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、合わせて8.54kg(26.02mol、収率77.6%)含まれていた。
この反応混合物にtert−ブチルメチルエーテル87.3kgと5重量%塩酸34.5kgを加えpH7.5に調整した後、分液した。得られた水層にtert−ブチルメチルエーテル71.5kgを加えて再抽出を行った。それぞれ得られた有機層を合一し、水層を分離し、有機層を減圧濃縮した。得られた濃縮物にトルエン31.8kgを加えて減圧濃縮し、濃縮物にトルエン23.8kgと20重量%メタノール水溶液を29.8kg加え混合・分液した。さらに得られた有機層に20重量%メタノール水溶液29.8kgを加え混合・分液を2回繰り返した。得られた有機層に活性炭0.4kgを加え室温で1時間撹拌し、濾過を行なった。この濾液を減圧濃縮し、濃縮物を14.7kg得た。得られた濃縮物を高速液体クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーにて分析したところ、該濃縮物にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、含量56.4重量%(THP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステル=3.1重量%、THP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステル=53.3重量%、トルエン=20.4重量%)で含まれていた。さらに、ここでICP発光分析をした結果、この濃縮物にはニッケルが0.74g含まれていた(ニッケル残留率は仕込んだニッケル量を基準として0.94重量%)。この濃縮物にトルエン2.0kgとヘプタン11.6kg加え、48℃まで加熱した。この混合物にTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが混合した種晶を1g加えたところ結晶が析出した。その後、この混合物を9時間50分かけて0℃まで冷却し、再び20℃へ昇温した後、2℃まで冷却し、濾過を行なった。得られた結晶を0℃のヘプタン2.2kgとトルエン1.0kgの混合液で洗浄・濾過した後、残った結晶を減圧下で乾燥したところ、6.29kgの結晶を得た。得られた結晶を高速液体クロマトグラフィー内標準法にて分析したところ、該結晶にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステル0.4重量%とTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステル88.0重量%が、合わせて5.56kg(16.9mol、収率50.5%)含まれていた。またICP発光分析を行ったところ、該結晶中のニッケル含量は42ppmであった(ニッケル純分:0.26g、ニッケル残留率は仕込んだニッケル量を基準として0.34重量%)。反応容器中に残留した結晶にメタノールを加えて溶解し、得られた溶液を高速液体クロマトグラフィー内標準法にて分析したところ、該溶液にはTHP−1H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルとTHP−2H−インダゾールボロン酸ピナコールエステルが、合わせて0.50kg(1.53mol、収率4.6%)含まれていた。
本発明の製造方法により得られるボロン酸エステル化合物、特にインダゾール骨格を有するボロン酸エステル化合物は、医農薬の合成中間体等として有用である(例えば、国際公開第2007/127183号、国際公開第2006/046031号、国際公開第2006/046040号、国際公開第2006/046035号、国際公開第2007/129161号、国際公開第2007/132171号、国際公開第2007/127175号、国際公開第2008/073785号、国際公開第2008/070740号参照)。

Claims (12)

  1. トリアルキルアミン化合物、環状3級アミン化合物および環状アミジン化合物からなる群より選ばれる含窒素有機塩基、0価または2価のニッケル錯体から選ばれるニッケル触媒、トリアリールホスフィンであるホスフィン化合物および溶媒の存在下、式(1)
    Figure 0005462932

    [式中、Arは、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、または置換されていてもよい芳香族複素環基を示し、Xは、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、または置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基を示す。]
    で表される化合物と式(2)
    Figure 0005462932

    [式中、Rは置換されていてもよいアルキレン基を示す。]
    で表される化合物とを反応させることを特徴とする、式(3)
    Figure 0005462932

    [式中、ArおよびRは上記と同義である。]
    で表されるボロン酸エステル化合物の製造方法。
  2. Arが、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、置換されていてもよい含窒素芳香族複素環基、置換されていてもよい含硫黄芳香族複素環基、または置換されていてもよい含酸素芳香族複素環基である、請求項1に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
  3. Arが、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいインドリル基、または置換されていてもよいインダゾリル基である、請求項1に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
  4. ニッケル触媒が、ニッケル(0)−アルケン錯体、ニッケル(0)−ホスフィン錯体、ニッケル(0)−亜リン酸エステル錯体、ニッケル(II)無機酸塩、ニッケル(II)有機酸塩、ハロゲン化ニッケル(II)およびハロゲン化ニッケル(II)−ホスフィン錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種のニッケル錯体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
  5. ニッケル触媒が、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、硝酸ニッケル(II)または塩化ニッケル(II)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
  6. 含窒素有機塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
  7. ホスフィン化合物がトリフェニルホスフィンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
  8. 媒がメタノールまたはエタノールである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
  9. 媒がメタノールである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
  10. 式(2)で表される化合物がビス(ピナコラト)ジボロンである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
  11. Xが、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基またはベンゼンスルホニルオキシ基である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
  12. Arが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシ基、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、ニトロ基、アミノ基、N−メチルアミノ基、N−アセチルアミノ基、ヒドロキシ基、メトキシ基、スルファニル基、メチルスルホニル基および式−NHC(=O)NHCH で表される基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基で置換されている、下記:
    Figure 0005462932

    Figure 0005462932

    Figure 0005462932

    [式中、波線はArにおける結合位置を示す。上記基は置換されていてもよい。]
    からなる群より選ばれる芳香族複素環基である、請求項1に記載のボロン酸エステル化合物の製造方法。
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