JP4271454B2 - 嵩高い炭化水素基の結合した第3級ホスフィンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は立体的に嵩高い炭化水素基が結合した第3級ホスフィンの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は有機合成反応において遷移金属触媒の配位子として有用である、立体的に嵩高い炭化水素基が結合した第3級ホスフィンを、工業的規模で、簡便かつ安全な操作により、高収率かつ高純度で製造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
近年、パラジウムのような遷移金属にtert−ブチル基やアダマンチル基のような立体的に嵩高い炭化水素基を有する第3級ホスフィンを配位させ、こうして得た遷移金属触媒を利用した有機合成反応が多数報告されている(例えば、非特許文献1、2参照)。
【0003】
従来、嵩高い炭化水素基としてtert−ブチル基が結合した第3級ホスフィン化合物類の合成法としては、例えば以下の▲1▼〜▲8▼の文献に記載されているように、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドとアリールリチウム試薬あるいはアルキルまたはアリールのグリニヤール試薬とを反応させる方法が知られている。
【0004】
▲1▼ 非特許文献3には、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドとフェニルリチウム試薬とをエーテル溶媒中で反応させることにより、収率60%でジ−tert−ブチルフェニルホスフィンが得られることが記載されている。
しかし、この方法では、原料であるアリールリチウム試薬を合成するために、取り扱いの危険な金属リチウム、あるいは高価なアルキルリチウムを使用しなければならず、工業生産を考えた場合には、安全面とコスト面で問題がある。
【0005】
▲2▼ 特許文献1には、α,α’−ジクロロ−o−キシレンとマグネシウムからテトラヒドロフラン溶媒中で調製したグリニヤール試薬と、4当量のジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドとを50℃で24時間反応させることにより、収率61.8%でα,α’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−o−キシレンが得られることが記載されている。
【0006】
この方法では、原料のグリニヤール試薬に対して4当量のジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドを必要としているが、目的物の収率が低く、工業生産を考えた場合にコスト面で不利である。
▲3▼ 非特許文献4には、イソプロピルブロマイドとマグネシウムから調製したグリニヤール試薬と、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドとを反応させることにより、ジ−tert−ブチルイソプロピルホスフィンが得られることが記載されている。
【0007】
この方法では、反応が完結せず、目的物は原料のジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドとの混合物としてしか得られない。
▲4▼ 非特許文献5には、1−(ブロモメチル)−o−カルボランとマグネシウムから調製したグリニヤール試薬と、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドとをエーテル中で還流下で2時間反応させることにより、収率39%で1−(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−o−カルボランが得られることが記載されている。
【0008】
この方法では、低い収率でしか目的物が得られていない。
▲5▼ 非特許文献1には、2−ブロモビフェニルとマグネシウムからテトラヒドロフラン中で調製したグリニヤール試薬に、2−ブロモビフェニルに対して1.05モル倍の塩化銅(I)と、1.20モル倍のジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドとを還流下で8時間反応させ、室温でヘキサンおよびエーテルを添加した後、目的物の銅錯体を固体として一旦取り出してから、ヘキサン、酢酸エチルおよびアンモニア水溶液の混合液で処理して、収率67%で2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニルが得られることが記載されている。
【0009】
この方法では、2−ブロモビフェニルに対して1.05モル倍の塩化銅(I)を使用し、反応後は目的物を固体の銅錯体として一旦系外に取り出した後、その銅錯体を分解するために、毒性が高く、環境汚染の原因となるアンモニア水で処理している。このため、この方法は反応操作が煩雑であり、作業の安全面でも問題がある。その上、銅とアンモニアを含む大量の廃液が発生し、工業的製法としては好ましくない。
【0010】
▲6▼ 特許文献2には、例えば2−ブロモ−4’−トリフルオロメチル−ビフェニルとマグネシウムから調製したグリニヤール試薬に、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドに対して0.91モル倍の塩化銅(I)と、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドとを加えて加熱条件下で14時間反応させた後、反応混合物をエーテルで希釈した懸濁液をろ過して得た固体を、酢酸エチルとアンモニア水で処理することにより、収率31%で2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−4’−トリフルオロメチル−ビフェニルが得られるなど、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドに対してほぼ等モル量の塩化銅(I)を用いてジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドとアリールグリニヤール試薬とを反応させることが実施例に記載されている。
【0011】
この方法では、低い収率でしか目的物が得られていない。さらに、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドに対してほぼ等モル量の塩化銅(I)を使用しており、銅錯体から目的物を遊離させるためアンモニア水による処理が必須であることから、上記▲5▼と同様の問題がある。
▲7▼ 非特許文献6には、2−ブロモ−N,N−ジメチルアニリンと2−ブロモクロロベンゼンとマグネシウムとから調製したグリニヤール試薬に、塩化銅(I)(ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドに対して15モル%)を加えて混合し、続けてジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドを加えて60℃で20時間反応させた後、有機溶媒およびアンモニア水と混合して得た反応溶液をセライトでろ過処理することにより、収率47%で2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−2’−ジメチルアミノ−ビフェニルが得られることが記載されている。
【0012】
この方法では、上記文献▲5▼に比較して銅化合物の使用量は減っており、反応液から目的物の銅錯体を取り出すことなく後処理を行っているが、収率が低いことに加えて、アンモニア水を使用することの問題は解決できていない。
▲8▼ 特許文献3には、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドと、これに対して10モル%のヨウ化銅(I)および20モル%の臭化リチウムとを溶媒に加えた溶液へ、1−アダマンチルマグネシウムブロマイド溶液を加えて常温で17時間反応させた後、ベンゼンに溶媒置換した溶液をセライトでろ過処理することにより、収率86%でジ−tert−ブチル(1−アダマンチル)ホスフィンが得られることが記載されている。
【0013】
この方法では、グリニヤール試薬をジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドの2モル倍使用していることに加え、銅化合物の他に臭化リチウムを使用し、反応後は発癌性のあるベンゼンへの溶媒置換や、セライトを用いたろ過が必要であることなど経済性、安全性、操作性の面で問題がある。
したがって、上記のいずれの方法も工業的に満足すべきものではなかった。
【0014】
このような状況下、tert−ブチル基やアダマンチル基のような嵩高い炭化水素基の結合した第3級ホスフィンを工業的規模で、簡便かつ安全な操作により、高収率かつ高純度で製造する方法の開発が期待されている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、第3級炭化水素基をもつジアルキルホスフィナスハライドと、アリールグリニヤール試薬とを、特定量の銅化合物の存在下で反応させることにより、第3級ホスフィンを特に高収率で製造することができることを見出し本発明を完成するに至った。
【0015】
【特許文献1】
国際公開第99/9040号パンフレット p.5−6
【特許文献2】
米国特許第6,307,087号明細書 第70列
【特許文献3】
国際公開第02/48160号パンフレット p.17
【非特許文献1】
「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Journalof the American Chemical Society)」(アメリカ) 1999年 第121巻 p.4369−4378
【非特許文献2】
「ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of the Organic Chemistry)」(アメリカ) 2000年 第65巻 p.1158−1174
【非特許文献3】
「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー(C)(Journal ofthe Chemical Society(C))」(イギリス) 1971年 p.1931
【非特許文献4】
「ヒェーミッシェ・ベリヒテ(Chemische Berichte)」(ドイツ) 1967年 第100巻 p.693
【非特許文献5】
「ブレチン・オブ・コーリアン・ケミカル・ソサイエティー(Bulletinof the Korean Chemical Society)」(韓国) 1999年 第20巻 第5号 p.601
【非特許文献6】
「アドバンスド・シンセシス・アンド・キャタリシス(Advanced Synthesis & Catalysis)」(ドイツ) 2001年 第8号
p.793
【0016】
【発明の目的】
本発明は、有機合成反応において遷移金属触媒の配位子として有用である、立体的に嵩高い炭化水素基の結合した第3級ホスフィンを、工業的規模で、簡便かつ安全な操作により、高収率かつ高純度で製造することを目的としている。
【0017】
【発明の概要】
本発明は、下記一般式(1)
【0018】
【化4】
【0019】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して炭素数4〜13の第3級炭化水素基を表し、Xは、塩素または臭素原子を表す。)
で示される、ジアルキルホスフィナスハライドと、下記一般式(2)
【0020】
【化5】
【0021】
(式中、R3はフェニル基またはナフチル基を表し、これらは低級アルキル基、低級アルコキシ基、ジ(低級アルキル)アミノ基、フェニル基、ナフチル基で置換されていてもよく、これらのうち、フェニル基およびナフチル基は、さらに低級アルキル基、低級アルコキシ基、ジ(低級アルキル)アミノ基、置換フェニル基、置換ナフチル基で置換されていてもよく、X’は塩素、臭素またはヨウ素原子を表す。)
で示されるグリニヤール試薬とを、一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライドに対して0.1〜5モル%、好ましくは0.1〜3モル%に相当する量である銅化合物の存在下で反応させることにより、下記一般式(3)
【0022】
【化6】
【0023】
(式中、R1、R2およびR3は、上記と同義である。)
で示される第3級ホスフィンを製造することを特徴としている。
添加する銅化合物の種類は、無機銅化合物および有機銅化合物のいずれも使用可能であり、特に好ましくは、ハロゲン化銅または銅(II)アセチルアセトナートである。
【0024】
また、上記の発明においては、一般式(1)で示されるジアルキルホスフィナスハライドと一般式(2)で示されるグリニヤール試薬との反応混合液(a)と、水あるいは酸性水溶液と、必要に応じて適当な有機溶媒とを混合攪拌して得られた混合液(b)から、水層を分液除去し、次いで、常圧あるいは減圧下において有機層から溶媒を留去することにより、簡便かつ安全な操作で、高収率かつ高純度で目的とする第3級ホスフィンを製造することができる。
【0025】
すなわち、本発明の方法では、一般式(1)で示されるジアルキルホスフィナスハライドと一般式(2)で示されるグリニヤール試薬とを銅化合物を触媒として反応させることにより、副反応を伴うことなく反応が容易に進行する。特に、一般式(2)で示されるグリニヤール試薬のマグネシウム原子に結合している炭素原子に隣り合う位置に置換基を有する立体的に込み入ったグリニヤール試薬においても容易に反応が進行する。
【0026】
しかも銅化合物の使用量が極めて少量ですむために、生成した第3級ホスフィン化合物と銅化合物との錯体の生成量も極小量である。したがって、目的とするホスフィン化合物を遊離させるためのアンモニア水による処理などの操作も必要なく、後処理は通常のホスフィナスハライドとグリニヤール試薬とによる第3級ホスフィンの合成法に準じればよい。すなわち、副生するハロゲン化マグネシウムなどの無機塩を除去するため、適量の水あるいは希硫酸などの酸性水溶液で処理するだけで、目的とする第3級ホスフィン化合物を得ることができる。同時に、銅化合物の使用量自体も従来法に比べてはるかに少ないため、廃液に含まれる銅の量も極めて少なく、その後に特別な処理も不要となる。したがって、本発明の方法は特に工業的規模での製造に適した方法である。
【0027】
【発明の具体的説明】
以下、本発明を具体的に説明する。
原料である一般式(1)で示されるジアルキルホスフィナスハライドは、公知の方法あるいは公知の方法に準じて合成できる。例えば、ジアルキルホスフィナスクロライドの例としてジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドは、ヒェーミッシェ・ベリヒテ 1967年 第100巻 p.692に記載の方法で、ジ−tert−アミルホスフィナスクロライドは、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー(C) 1970年 p.2529に記載の方法で、それぞれ三塩化りんと対応するアルキルマグネシウムハライドから合成できる。さらに、ジアルキルホスフィナスブロマイドの例としてジ−tert−ブチルホスフィナスブロマイドは、ヒェーミッシェ・ベリヒテ 1978年 第111巻 p.1420に記載の方法で、三臭化りんと対応するtert−ブチルマグネシウムハライドから合成することができる。
【0028】
一般式(1)で示されるジアルキルホスフィナスハライドとしては、例えばジ−tert−ブチルホスフィナスクロライド、ジ−tert−ブチルホスフィナスブロマイド、ジ−tert−アミルホスフィナスクロライド、ジ−tert−アミルホスフィナスブロマイド、tert−アミル−tert−ブチルホスフィナスクロライド、ビス(1,1−ジメチルブチル)ホスフィナスクロライド、ビス(1,1−ジエチルプロピル)ホスフィナスクロライド、ジ(1−アダマンチル)ホスフィナスクロライド、ジ(1−アダマンチル)ホスフィナスブロマイド、(1−アダマンチル)−tert−ブチルホスフィナスクロライドが挙げられる。
【0029】
もう一方の原料であるグリニヤール試薬は一般式(2)で示される。一般式(2)中、R3のアリール基はフェニル基またはナフチル基であり、これらは低級アルキル基、低級アルコキシ基、ジ(低級アルキル)アミノ基、フェニル基、ナフチル基で置換されていてもよい。これらのうち、フェニル基およびナフチル基は、さらに低級アルキル基、低級アルコキシ基、ジ(低級アルキル)アミノ基、置換フェニル基、置換ナフチル基で置換されていてもよい。
【0030】
R3のアリール基としては、例えばフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−シクロプロピルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、3−ビニルフェニル基、4−ビニルフェニル基、4−(2−プロペニル)フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−イソプロピルオキシフェニル基、4−ブチルオキシフェニル基、4−tert−ブチルオキシフェニル基、4−tert−アミルオキシフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、2−(2−メチルフェニル)フェニル基、2−(2−イソプロピルフェニル)フェニル基、2−(4−tert−ブチルフェニル)フェニル基、2−(2−メトキシフェニル)フェニル基、2−(2−ジメチルアミノフェニル)フェニル基、2−(2−フェニルフェニル)フェニル基、2−(1−ナフチル)フェニル基、2−(1−(2−メチル)ナフチル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−(1−フェニル)ナフチル基、1−(2−(2−メチルフェニル))ナフチル基、2−(1−(2−メチルフェニル))ナフチル基、2−(1−(2−メトキシフェニル))ナフチル基、2−(1−(1−ナフチル))ナフチル基、1−(2−(1−(2−メチル)ナフチル))ナフチル基、2−(1−(1−(2−メチル)ナフチル))ナフチル基が挙げられる。
【0031】
また、一般式(2)中、X’は塩素、臭素あるいはヨウ素原子を表す。
一般式(2)で示されるグリニヤール試薬は、通常のグリニヤール試薬の調製方法、すなわちエーテル系溶媒中、あるいはエーテル系溶媒と炭化水素系溶媒との混合液中で、一般式(2)に対応するハロゲン化アリール(R3X’)と金属マグネシウムとを反応させることにより製造することができる。
【0032】
この反応で用いられるエーテル系溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどの鎖状エーテルや、あるいはテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテルが挙げられる。これらのエーテル系溶媒は1種類のみを用いてもよく、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
【0033】
また、炭化水素系溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素や、あるいはベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。これらの炭化水素系溶媒は1種類のみを用いてもよく、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
【0034】
本発明では、上記した調製法で得られたグリニヤール試薬を、特に単離することなく不活性溶媒溶液としてそのまま一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライドとの反応に用いることができる。
本発明での一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライドと一般式(2)のグリニヤール試薬との反応は、不活性溶媒中で行われる。一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライドを溶解するのに用いる不活性溶媒は、反応原料および反応生成物に対して不活性であれば特に限定されない。このような不活性溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0035】
また、本発明に用いられる一般式(2)のグリニヤール試薬の使用量は、一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライドに対して0.5〜5当量であり、好ましくは0.9〜1.5当量である。
本発明に使用される銅化合物としては、無機銅または有機銅が使用できる。無機銅としては、例えば塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、酸化銅(I)、酸化銅(II)、炭酸銅(I)、炭酸銅(II)、硫酸銅(II)、シアン化銅(II)、水酸化銅(II)、塩化二アンモニウム銅(II)が挙げられる。
【0036】
また、有機銅としては、例えば無水酢酸銅(II)、酢酸銅(II)、銅(II)アセチルアセトナート、安息香酸銅(II)、銅(II)ベンゾイルアセトナート、クエン酸銅(II)、銅(II)ジピバロイルメタナート、エチルアセト酢酸銅(II)、2−エチルヘキサン酸銅(II)、オレイン酸銅(II)、ステアリン酸銅(II)、チオシアン酸銅(I)、銅(II)トリフルオロアセチルアセトナートが挙げられる。
【0037】
これらの銅化合物うち、臭化銅(I)、臭化銅(II)、塩化銅(I)、塩化銅(II)などのハロゲン化銅化合物または銅(II)アセチルアセトナートを用いることが好ましい。
銅化合物の使用量は、一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライドに対して0.1〜5モル%である。銅化合物をこの範囲の量で用いることにより、特に高収率で効率よく目的物である一般式(3)の第3級ホスフィンを得ることができる。
【0038】
一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライドに対して銅化合物の使用量が0.1モル%未満の場合は、反応速度が遅かったり、途中で触媒が失活してしまい、反応が充分に進行せず収率が低下する。
また、銅化合物の使用量が5モル%を超えた場合は、反応は充分に進行するが、次の理由から収率の低下が起こる。第3級ホスフィンは銅化合物に配位して錯体を形成することが知られている(インオーガニック・シンセシス 1979年p.87には塩化銅(I)が3モル倍のトリフェニルホスフィンと錯体を形成することが記載されている)。銅化合物の使用量が多くなると、目的とするホスフィン化合物との錯体の生成量も増加し、収率低下の要因となる。また、形成した錯体を分解して目的とするホスフィン化合物を遊離させるためにはアンモニアなどによる処理が必要となり、工業的に実施する場合は、発生する廃液の環境負荷が大きいことなどの問題が生じるが、本発明ではアンモニアによる処理を行わずとも、充分に高い収率で目的とする第3級ホスフィンの製造が可能である。
【0039】
反応速度、収率、および後処理の操作性などを考慮すると、特に好ましい銅化合物の使用量は、一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライドに対して0.1〜3モル%である。
本発明の反応は、用いる一般式(1)、一般式(2)の化合物の種類により異なるが、一般的には−70℃から用いられる溶媒の沸点までの間の温度であれば進行する。しかし、好ましくは20℃から用いられる溶媒の沸点までの間の温度である。また、反応時間は、用いる一般式(1)、一般式(2)の化合物の種類や量、銅化合物の種類や量、反応温度、用いる溶媒によって変わるが、1時間から1日であり、多くの場合は2〜12時間で反応が完結する。
【0040】
本発明では、反応操作時における一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライド、一般式(2)のグリニヤール試薬および銅化合物の添加の順序や添加の方法としては、例えば上記した適当な溶媒中で一般式(2)のグリニヤール試薬と銅化合物とを混合し、無溶媒あるいは上記した適当な溶媒に溶解した一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライドを添加する方法や、あるいは上記した適当な溶媒中で一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライドと銅化合物とを混合し、ここに一般式(2)のグリニヤール試薬を添加する方法や、あるいは一般式(2)のグリニヤール試薬に、上記した適当な溶媒中で一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライドと銅化合物とを混合して添加する方法などが挙げられる。ただし、本発明は、これらの方法のみに限定されるものではない。
【0041】
反応終了後の処理方法としては、通常のホスフィナスハライドとグリニヤール試薬とによる第3級ホスフィン化合物類の合成法に準じればよい。すなわち、副生するハロゲン化マグネシウムなどの無機塩を除くために、一般式(1)で示されるジアルキルホスフィナスハライドと一般式(2)で示されるグリニヤール試薬との反応混合液(a)と、適量の水かまたは希硫酸などの酸性水溶液と、必要に応じてトルエンなどの適当な有機溶媒とを混合して得られた混合液(b)から水層を分液除去し、常圧あるいは減圧下において、得られた有機層から使用した溶媒を留去することにより、目的とする一般式(3)の第3級ホスフィンを得ることができる。
【0042】
なお、本発明においては、得られた反応混合液(a)に有機溶媒を添加、混合した後、得られた溶液に水あるいは酸性水溶液を添加、混合してもよく、あるいは有機溶媒に反応混合液(a)を添加、混合した溶液を、水あるいは酸性水溶液に添加、混合してもよく、その混合方法は特に限定されない。
以上の方法で得られた第3級ホスフィンは必要に応じて蒸留あるいは再結晶などにより精製してさらに高純度の製品にすることができる。
【0043】
本発明により製造される第3級ホスフィンを表1〜表4に例示する。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、有機合成反応において遷移金属触媒の配位子として有用である、立体的に嵩高い炭化水素基の結合した第3級ホスフィンを、工業的規模で、簡便かつ安全な操作により、高収率かつ高純度で製造することができる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、純度(%)はガスクロマトグラフィー分析での面積百分率値である。また、銅化合物の添加量については、ジアルキルホスフィナスクロライドに対するモル%を併せて示した。
【0050】
【実施例1】
充分に窒素置換した300ml容量の四頚フラスコに、テトラヒドロフラン40mlと、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライド18.1g(0.1モル)と、臭化銅(I)0.14g(0.001モル(1モル%相当))とを仕込んだ。そこへ、あらかじめクロロベンゼン13.5g(0.12モル)と金属マグネシウム3.5g(0.14モル)とより、テトラヒドロフラン100ml中で調製しておいたグリニヤール試薬溶液を、25℃から30℃の温度を保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、35℃から40℃の温度で3時間攪拌した。反応液を室温にもどした後、ガスクロマトグラフィーにてジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドの消失を確認した。その後、反応液にトルエン40mlおよび5%硫酸水溶液30mlを加えて分液し、次いで有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。さらに減圧下で溶媒を留去し、次いで蒸留を行い、5torrの減圧下において110℃から112℃で留出した留分を集めることにより、目的とするジ−tert−ブチルフェニルホスフィン19.9g(純度99.0%)を粘稠油状物質として得た。収率89.0%。
【0051】
【実施例2】
ジ−tert−ブチルフェニルホスフィンの合成(その2)実施例1においてクロロベンゼンの代わりにブロモベンゼン18.8g(0.12モル)を用いて、同様の操作を行い、ジ−tert−ブチルフェニルホスフィン19.6g(純度99.1%)を得た。収率88.5%。
【0052】
【実施例3】
ジ−tert−ブチル(2−メチルフェニル)ホスフィンの合成
充分に窒素置換した500ml容量の四頚フラスコに、あらかじめ2−ブロモトルエン20.5g(0.12モル)と金属マグネシウム3.1g(0.13モル)とより、テトラヒドロフラン100mlとトルエン40mlとの混合溶媒中で調製しておいたグリニヤール試薬溶液と、塩化銅(I)0.05g(0.0005モル(0.5モル%相当))とを仕込んだ。そこへテトラヒドロフラン30mlに溶解したジ−tert−ブチルホスフィナスクロライド18.1g(0.10モル)を、25℃から30℃の温度を保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、50℃で4時間攪拌した。反応液を室温にもどした後、ガスクロマトグラフィーにてジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドの消失を確認した。その後、反応液に5%硫酸水溶液30mlを加えて分液し、次いで有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。さらに減圧下で溶媒を留去し、次いで蒸留を行い、3torrの減圧下において112℃から114℃で留出した留分を集めることにより、目的とするジ−tert−ブチル(2−メチルフェニル)ホスフィン21.5g(純度99.0%)を得た。収率91.0%。
【0053】
【実施例4】
ジ−tert−ブチル(2−メチルフェニル)ホスフィンの合成(その2)
実施例3において、塩化銅(I)の添加量を0.02g(0.0002モル(0.2モル%相当))とし、50℃で12時間反応させた後、同様の処理を行いジ−tert−ブチル(2−メチルフェニル)ホスフィン20.0g(純度98.8%)を得た。収率84.0%。
【0054】
【実施例5】
ジ−tert−ブチル(2−メトキシフェニル)ホスフィンの合成
充分に窒素置換した300ml容量の四頚フラスコに、あらかじめ2−ブロモアニソール12.1g(0.065モル)と金属マグネシウム2.1g(0.085モル)とより、テトラヒドロフラン65ml中で調製しておいたグリニヤール試薬溶液と、塩化銅(II)0.13g(0.0010モル(2モル%相当))とを仕込んだ。そこへジ−tert−ブチルホスフィナスクロライド9.0g(0.05モル)を溶媒に溶かさずそのままで、25℃から30℃の温度を保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、50℃で3時間攪拌した。反応液を室温にもどした後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドは痕跡程度であった。その後、反応液にトルエン65mlおよび水50mlを加えて分液し、次いで有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。さらに減圧下で溶媒および低沸点成分を留去して目的とするジ−tert−ブチル(2−メトキシフェニル)ホスフィン11.9g(純度95.0%)を得た。収率89.7%。
Mass(CI法)M/z 253(M++1:ベース)
【0055】
【実施例6】
ジ−tert−ブチル(2−フェニルフェニル)ホスフィンの合成
充分に窒素置換した500ml容量の四頚フラスコに、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライド9.0g(0.05モル)と、臭化銅(I)0.07g(0.0005モル(1モル%相当))と、テトラヒドロフラン50mlとを仕込んだ。そこへ、あらかじめ2−ブロモビフェニル14.0g(0.060モル)と金属マグネシウム1.7g(0.072モル)とより、テトラヒドロフラン100ml中で調製しておいたグリニヤール試薬溶液を、30℃から35℃の温度を保ちながら、1時間かけて滴下した。滴下終了後、還流温度で4時間攪拌した。反応液を室温にもどした後、ガスクロマトグラフィーにてジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドの消失を確認した。その後、反応液にトルエン30mlおよび5%硫酸水溶液30mlを加えて分液し、次いで有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。さらに減圧下で溶媒および低沸点成分を留去して得た粗結晶をMeOHから再結晶して目的とするジ−tert−ブチル(2−フェニルフェニル)ホスフィン13.2g(純度99.0%)を得た。収率87.5%。融点84−85℃。
【0056】
【実施例7】
ジ−tert−ブチル(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィンの合成
充分に窒素置換した300ml容量の四頚フラスコに、テトラヒドロフラン20mlと、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライド9.0g(0.05モル)と、塩化銅(I)0.05g(0.0005モル(1モル%相当))とを仕込んだ。そこへ、あらかじめメシチルブロマイド14.9g(0.075モル)と金属マグネシウム2.2g(0.090モル)とより、テトラヒドロフラン100ml中で調製しておいたグリニヤール試薬溶液を、50℃で1時間かけて滴下した。滴下終了後、73℃の還流下で4時間攪拌した。反応液を室温にもどした後、反応液にトルエン40mlおよび5%硫酸水溶液30mlを加えて分液し、次いで有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。さらに減圧下で溶媒を留去した後、少量のMeOHを添加し、全体を−30℃に冷却して析出した固体をろ取した。目的とするジ−tert−ブチル(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン11.9g(純度97.5%)を白色固体として得た。収率88.0%。融点36−37℃。
【0057】
【実施例8】
ジ−tert−ブチル(1−ナフチル)ホスフィンの合成
充分に窒素置換した500ml容量の四頚フラスコに、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライド18.1g(0.1モル)と、塩化銅(I)0.20g(0.002モル(2モル%相当))と、テトラヒドロフラン20mlおよびトルエン20mlとを仕込んだ。そこへ、あらかじめ1−ブロモナフタレン24.8g(0.12モル)と金属マグネシウム3.5g(0.14モル)とより、テトラヒドロフラン180ml中で調製しておいたグリニヤール試薬溶液を、25℃から30℃の温度を保ちながら、1時間かけて滴下した。滴下終了後、65℃で3時間攪拌した。反応液を室温にもどした後、ガスクロマトグラフィーにてジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドの消失を確認した。その後、反応液にトルエン30mlおよび5%硫酸水溶液30mlを加えて分液し、次いで有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。さらに減圧下で溶媒を留去して得た油状物質をメタノール150mlから再結晶し、目的とするジ−tert−ブチル(1−ナフチル)ホスフィン23.6g(純度98.5%)を白色結晶として得た。収率85.4%。融点95−97℃。
【0058】
【実施例9】
(ジ−tert−アミル)フェニルホスフィンの合成
充分に窒素置換した300ml容量の四頚フラスコに、テトラヒドロフラン20mlと、ジ−tert−アミルホスフィナスクロライド10.4g(0.050モル)と、銅(II)アセチルアセトナート0.13g(0.0005モル(1モル%相当))とを仕込んだ。そこへ、あらかじめクロロベンゼン6.8g(0.060モル)と金属マグネシウム1.9g(0.080モル)とより、テトラヒドロフラン45ml中で調製しておいたグリニヤール試薬溶液を、40℃から45℃の温度を保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で3時間攪拌した。反応液を室温にもどした後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところジ−tert−アミルホスフィナスクロライドは痕跡程度であった。その後、反応液にトルエン20mlおよび5%硫酸水溶液20mlを加えて分液し、次いで有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。さらに減圧下で溶媒および低沸点成分を留去して目的とする(ジ−tert−アミル)フェニルホスフィン12.0g(純度94.4%)を粘稠油状物質として得た。収率90.5%。
Mass(CI法)M/z 251(M++1:ベース)
【0059】
【比較例1】
実施例1において臭化銅(I)の添加量を2.8mg(0.02ミリモル(0.02モル%相当))として、同様の操作を行ったところ、24時間後のガスクロマトグラフィー分析で、ジ−tert−ブチルフェニルホスフィンへの転化率は11%であった。
【0060】
【比較例2】
実施例1において臭化銅(I)の添加量を2.2g(0.015モル(15モル%相当))として、同様の反応および処理を行った後、減圧下で低沸点成分を留去して、目的とするジ−tert−ブチルフェニルホスフィン12.1g(純度95.0%)を粘稠油状物質として得た。収率52.0%。
Claims (6)
- 下記一般式(1)
で示される、ジアルキルホスフィナスハライドと、下記一般式(2)
で示されるグリニヤール試薬とを、一般式(1)のジアルキルホスフィナスハライドに対して0.1〜5モル%に相当する量である銅化合物の存在下で反応させることを特徴とする、下記一般式(3)
で示される第3級ホスフィンの製造方法。 - 一般式(1)で示されるジアルキルホスフィナスハライドに対して、0.1〜3モル%に相当する量である銅化合物の存在下で反応させることを特徴とする、請求項1に記載の第3級ホスフィンの製造方法。
- 一般式(1)で示されるジアルキルホスフィナスハライドと一般式(2)で示されるグリニヤール試薬との反応混合液(a)と、水あるいは酸性水溶液と、必要に応じて有機溶媒とを混合攪拌し、得られた混合液(b)から水層を分液除去した後、常圧あるいは減圧下において溶媒を留去することを特徴とする、請求項1または2に記載の第3級ホスフィンの製造方法。
- 銅化合物が、ハロゲン化銅または銅(II)アセチルアセトナートであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の第3級ホスフィンの製造方法。
- 一般式(1)で示されるジアルキルホスフィナスハライドのXが塩素原子であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の第3級ホスフィンの製造方法。
- 一般式(1)で示されるジアルキルホスフィナスハライドが、ジ−tert−ブチルホスフィナスクロライドまたはジ−tert−アミルホスフィナスクロライドであることを特徴とする、請求項5に記載の第3級ホスフィンの製造方法。
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