JP4918257B2 - 不斉還元方法 - Google Patents

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Description

本発明は、糖尿病治療薬として有用な(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸又はその塩の新規な製造方法に関する。より詳細には、本発明は、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸を不斉還元して(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸又はその塩を製造する方法に関する。
(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸(以下、「ミチグリニド」ということがある。)又はその塩は、インスリンの放出因子として作用するため強力な血糖低下作用を有する(特許文献1参照)。特に、そのカルシウム塩二水和物を用いた製剤であるミチグリニドカルシウム水和物〔製品名:グルファスト(登録商標)〕は、2型糖尿病における食後血糖推移の改善薬として高い評価を得ている。
ミチグリニド及びその塩の製造方法については、既にいくつか提案されている(特許文献2及び3参照)が、いずれの方法にも反応収率及び光学純度において必ずしも十分ではなく、医薬品グレードのミチグリニド及びその塩を製造するためにはさらなる改善が必要とされている。また、ミチグリニド及びその塩は、それ自体を精製することが困難な場合が多く、製造段階で十分な転化率で、収率よく、かつ光学純度のよいミチグリニドを製造することが必要である。光学活性なベンジルコハク酸の製造方法としては、不斉水素化触媒としてルテニウム等の遷移金属のキラルなジホスフィン錯体を用いて、ベンジリデンコハク酸を接触還元することによる製造方法が知られている(特許文献4参照)が、光学純度において満足できるものではなく、光学純度を向上させるためには、接触還元終了後にさらに精製操作を加える必要がある。
最近、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸(特許文献5参照)の炭素−炭素二重結合部分を不斉配位子が(2S,4S)−N−(t−ブトキシカルボニル)−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(以下、「BPPM」ということがある。)であるロジウム錯化合物を使用した不斉還元に付してミチグリニドを製造する方法が報告された(特許文献6参照)。しかしながら、本発明者らがこの方法を追試したところ、この方法では、通常の触媒量では反応速度が非常に遅いため反応終了までに長時間を要すること、及び反応を進行させるのに必要な基質と不斉触媒とのモル比(以下「S/C」と記す。)が低いため高価な貴金属触媒を多量に使用しなければならず、工業的な製造方法としては十分でないことが判明した。
不斉還元用のロジウム錯化合物における不斉配位子としては、ピロリジンの4位のホスフィン部分がジシクロヘキシルホスフィンであるものも知られており(特許文献7及び8参照)、ピロリジンの窒素原子における置換基としてBPPMにおけるt−ブトキシカルボニル基等を有するカルバメート型だけでなく、t−ブチルアミノカルボニル基等を有するウレア型も知られている(特許文献7〜9参照)。
また、ミチグリニドは融点が低く、再結晶などによる精製が困難であるために、製造工程において可能な限りの高純度で光学純度の優れたベンジルコハク酸誘導体を製造することができる方法の開発が望まれている。
特開平4−356459号公報 特開平6−340622号公報 特開平6−340623号公報 特開平5−170718号公報 特開平4−330055号公報 特表2002−507222号公報 特許第2544926号公報 特許第2617329号公報 特許第2816555号公報
本発明は、高い光学純度のミチグリニドを工業的に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、ミチグリニドの工業的な製造方法について種々検討してきた結果、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の炭素−炭素二重結合部分の還元に、不斉配位子として特許文献6のカルバメート型ピロリジンビスホスフィン化合物に分類されるBPPMに代えて、(2S,4S)−N−フェニルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(以下、「PCPPM」ということがある。)等のウレア型ピロリジンビスホスフィン化合物に分類される不斉配位子から調製されるロジウム錯化合物を用いることにより、高い基質濃度においても極めて短時間、かつごく少量の触媒で、極めて効率的に不斉還元反応が進行し、工業的に高い光学純度のミチグリニドが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、ピロリジンビスホスフィン化合物及びロジウム化合物から調製される不斉触媒の存在下、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸を接触還元することを特徴とする(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の製造方法に関する。さらに、本発明は、前記した本発明の方法により製造された(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸を水酸化カルシウムなどの塩基物質と反応させて、その塩及び/又は水和物を製造する方法に関する。
本発明をより詳細に説明すれば、以下の(1)〜(7)のとおりとなる。
(1)下記一般式(I)
Figure 0004918257
(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示す。ピロリジン環中の*印は当該位置の炭素原子がS配置であることを示す。)
で表されるピロリジンビスホスフィン化合物、及びロジウム化合物から調製される不斉触媒の存在下で、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸を接触還元して(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸を製造する方法。
(2)一般式(I)で表されるピロリジンビスホスフィン化合物のRが、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、置換基としてアルケニル基を有してもよいフェニルアルキル基、又は置換基としてハロゲン原子を有していてもよいフェニル基である前記(1)に記載の方法。
(3)一般式(I)で表されるピロリジンビスホスフィン化合物のR及びRが、それぞれ独立して、置換基として炭素数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基を有していてもよいフェニル基である前記(1)又は(2)に記載の方法。
(4)一般式(I)で表されるピロリジンビスホスフィン化合物が、(2S,4S)−N−フェニルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、(2S,4S)−N−3,4−ジクロロフェニルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、(2S,4S)−N−t−ブチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、(2S,4S)−N−メチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、(2S,4S)−N−1S−フェニルエチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、(2S,4S)−N−1R−フェニルエチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、及び(2S,4S)−N−1−(3−イソプロペニルフェニル)−1−メチルエチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンよりなる群から選ばれたものである前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の方法。
(5)ロジウム化合物が、配位子としてエチレン、1,5−シクロオクタジエン又は2,5−ノルボルナジエンを有するロジウム錯体である前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の方法。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法で製造された(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸を塩基性物質と反応させて、(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の塩を製造する方法。
(7)(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の塩が、カルシウム塩である前記(6)に記載の方法。
本明細書において、アルキル基とは、炭素数1〜10、好ましくは4〜10の直鎖状又は分岐状の低級アルキル基を意味する。本発明におけるアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、s−ペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
本明細書において、シクロアルキル基とは、炭素数3〜7、好ましくは5〜7の低級シクロアルキル基を意味する。本発明におけるシクロアルキル基の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
本明細書において、アリール基とは、炭素数6〜20、好ましくは6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式のアリール基を意味する。本発明におけるアリールの具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
本明細書において、アラルキル基とは、炭素数7〜25、好ましくは7〜13の単環式、多環式、又は縮合環式のアリール−アルキル基を意味する。本発明におけるアラルキル基としては、フェニルアルキル基が好ましく、フェニルアルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、α,α−ジメチルベンジル基等が挙げられる。
本明細書において、アルコキシ基とは、炭素数1〜10、好ましくは1〜7の直鎖状又は分岐状のアルキル基に酸素原子が結合した低級アルコキシ基を意味する。本発明におけるアルコキシ基の具体例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基等が挙げられる。
本明細書において、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子からなる群から選ばれる原子を意味する。本発明における好ましいハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
本明細書において、アルケニル基とは、炭素数2〜10、好ましくは2〜6の低級アルケニル基を意味する。本発明におけるアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、n−プロペニル基、イソプロペニル基等が挙げられる。
本明細書において、アルコキシカルボニル基とは、炭素数1〜10、好ましくは1〜7の直鎖状又は分岐状の低級アルキル基のオキシカルボニル基が結合した低級アルコキシカルボニル基を意味する。本発明におけるアルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
本発明で用いられるウレア型ピロリジンビスホスフィン化合物は、下記一般式(I)
Figure 0004918257
(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示す。ピロリジン環中の*印は当該位置の炭素原子がS配置であることを示す。)
で表される(2S,4S)−N−置換アミノカルボニル−4−ジアリールホスフィノ−2−ジアリールホスフィノメチルピロリジンである。
一般式(I)におけるアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基は、必要に応じて置換基を有していてもよく、このような置換基としては、前記したアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、及びアルコキシカルボニル基からなる群から選ばれる1種又は2種以上のものが挙げられる。より詳細には、アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
一般式(I)における好ましいRとしては、低級アルキル基、置換基としてアルケニル基を有してもよいフェニルアルキル基、又は置換基としてハロゲン原子を有していてもよいフェニル基等が挙げられる。置換基としてアルケニル基を有するフェニルアルキル基としては、例えば、1−(3−イソプロペニルフェニル)−1−メチルエチル基等が挙げられる。また、置換基としてハロゲン原子を有するフェニル基としては、例えば、3,4−ジクロロフェニル基等が挙げられる。
また、一般式(I)における好ましいR又はRとしては、置換基としてアルキル基又はアルコキシ基を有していてもよいフェニル基が挙げられ、より好ましい基としてはフェニル基が挙げられる。
好ましいウレア型ピロリジンビスホスフィン化合物としては、例えば、
(2S,4S)−N−フェニルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(PCPPM)、
(2S,4S)−N−3,4−ジクロロフェニルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(以下、「DCPCPPM」という。)、
(2S,4S)−N−t−ブチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(以下、「BCPPM」という。)、
(2S,4S)−N−メチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(以下、「MCPPM」という。)、
(2S,4S)−N−(1S)−1−フェニルエチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(以下、「SSS−C*PPM」という。)、
(2S,4S)−N−(1R)−1−フェニルエチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(以下、「SSR−C*PPM」という。)、
(2S,4S)−N−1−(3−イソプロペニルフェニル)−1−メチルエチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(以下、「DMPCPPM」という。)
などが挙げられる。
本発明の方法における原料化合物である2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸は、特許文献6に記載の方法により製造することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
本発明の方法で用いる不斉触媒は、前記した一般式(I)で表される光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物とロジウム化合物、好ましくはロジウム錯体から調製されるものであり、好ましくは一般式(I)で表される光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子とするロジウム錯化合物である。このようなロジウム錯化合物は特許文献8〜9のいずれかに記載の方法に準じて、例えば一般式(I)で表されるウレア型ピロリジンビスホスフィン化合物と、ロジウム化合物、好ましくは1価のロジウム錯体とから容易に調製することができる。
本発明の触媒の調製に使用されるロジウム化合物、好ましいロジウム錯体に特に制限はないが、ロジウム錯体としては、例えば、配位子としてエチレン、1,5−シクロオクタジエン又は2,5−ノルボルナジエンを有するロジウム錯体が好ましい。このようなロジウム錯体としては、例えば、ビス(エチレン)ロジウム−クロル錯体、(アセチルアセトナト)(η−1,5−シクロオクタジエン)ロジウム錯体、(アセチルアセトナト)ジカルボニルロジウム錯体、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−テトラフルオロホウ酸錯体、ロジウム−2,5−ノルボルナジエン−クロル錯体、ロジウム−2,5−ノルボルナジエン−テトラフルオロホウ酸錯体、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−トリフルオロメタンスルホン酸錯体、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−ヘキサフルオロリン酸錯体等が挙げられる。また、ロジウム錯体はシリカゲルやアルミナ等の不溶性の固体表面上に担持されたものでもよく、例えば、CATAXA/ロジウム−1,5−シクロオクタジエン錯体等が挙げられる。
不斉触媒は、ピロリジンビスホスフィン化合物と、ロジウム化合物、好ましくはロジウム錯体とを溶媒中で混合することにより調製することができる。また、反応溶媒中にこれらを混合して反応系で直接調製してもよい。
ロジウム化合物とピロリジンビスホスフィン化合物の比は、ロジウム原子1モルに対して0.5〜10モル、好ましくは1モルに対して1〜5モルである。
不斉反応におけるロジウム金属の量は、原料の2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸1モルに対し、ロジウム金属を1/2,000〜1/100,000モル、好ましくは1/5,000〜1/30,000モル、より好ましくは1/10000〜1/20000モルで用いられる。これを基質と不斉触媒とのモル比(S/C)で示せば、S/Cが、2000〜100000、好ましくは5000〜30000、より好ましくは10000〜20000となる。
本発明の方法は、触媒を固定化して行うこともできる。固定化触媒とすることにより、触媒の分離が容易になるだけでなく、繰り返して不斉還元反応に使用することができる。固定化触媒に用いる不斉触媒はシリカゲルやアルミナ等の担体に担持された固定層となったものが好ましい。このような触媒を調製するための好ましいロジウム錯体としては、CATAXA/ロジウム−1,5−シクロオクタジエン錯体等が挙げられる。また、固定化触媒における基質と不斉触媒とのモル比(S/C)は、均一触媒系のときの値の1/2〜1/10程度、例えば、200〜10000、好ましくは500〜5000程度とするのが好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明に係る不斉還元反応に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;トルエン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム等の有機溶媒とアルコール類との混合溶媒;又は水とアルコール類との混合溶媒等が挙げられる。
また、不斉還元反応における水素圧は、通常0.1〜15MPaである。0.1〜2MPa、特に0.2〜1MPaが好ましい。反応温度は、0〜150℃、好ましくは10〜100℃、特に好ましくは10〜50℃程度が挙げられる。
前記一般式(I)で表されるピロリジンビスホスフィン化合物及びロジウム化合物から調製される本発明の不斉触媒は、本発明の原料化合物である2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸に対する触媒活性が極めて強く、後述する実施例に記載されておりように、S/Cが10000以上でも十分に反応が進行し、反応時間としては約4時間という極めて短時間で原料の転化率が97%以上、通常は約100%の転化率を達成することができる。これは、本発明の不斉触媒が本発明の原料化合物である2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸と極めて優れた基質特異性を有しているためと考えられる。したがって、本発明の不斉触媒による2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の不斉還元反応は、通常の不斉還元反応に比べて極めて短時間で反応を完了することができ、本発明の方法における反応時間は、0.5〜100時間、0.5〜10時間、好ましくは2〜20時間、より好ましくは2〜10時時間で十分な場合が多い。
本発明の方法によれば、極めて短い反応時間でほぼ100%の転化率を達成することができ、高純度で高収率で目的物質を製造することができる。
本発明の(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の塩の製造方法は、通常の造塩反応として行うことができる。即ち、前記してきた不斉還元により製造された遊離の酸に、水酸化カルシウムなどの塩基性の物質を添加して、攪拌混合することにより行うことができる。溶媒としては水、含水アルコールなどを使用することができる。
この方法は、前記してきた不斉還元反応で製造された遊離の酸を単離してから行うこともできるが、前述してきたように本発明の不斉還元反応による方法では高純度の目的物を製造することができるので、目的物を単離することなく、不斉還元反応が完了した後の反応混合物を、必要により水又はアルコールで希釈した後、反応混合物に直接塩基性物質を添加することにより行うこともできる。
本発明の方法により製造される塩は、結晶水を含有した水和物であってもよい。
本発明に係る不斉還元方法によれば、高い光学純度、短時間、かつ少量の触媒で2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸からミチグリニドを製造することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸は、特許文献6に記載の方法に準じて製造した。
(1)S/Cが10000での製造例
2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸 15g及びメタノール59mLをオートクレーブに入れ、PCPPM 3.02mgとロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体 1.18mgとメタノール1mLより調製した触媒を加え(S/C=10000)、水素圧0.5MPaで室温下4時間反応させた。高性能液体クロマトグラフィーで2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸は検出されず、得られたミチグリニドの光学純度は95.1%e.e.であった。
(2)S/Cが20000での製造例
前記(1)の方法をS/Cが20000で、16時間の反応時間で行った。その結果、高性能液体クロマトグラフィーでの原料の残存率は1.27%で、光学純度は95.2%e.e.であった。
(1)S/Cが10000での製造例
実施例1において、PCPPM3.02mgに代えてDCPCPPM3.38mg(S/C=10000)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。反応後、高性能液体クロマトグラフィーでの2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の残存率は0.44%で、得られたミチグリニドの光学純度は94.6%e.e.であった。
(2)S/Cが20000での製造例
前記(1)の方法をS/Cが20000で、16時間の反応時間で行った。その結果、高性能液体クロマトグラフィーで原料を検出することができなかった。生成物の光学純度は94.4%e.e.であった。
実施例1において、PCPPM3.02mgに代えてBCPPM2.91mgを用いた以外は、実施例1と同様に行った。反応後、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸は検出されず、得られたミチグリニドの光学純度は96.6%e.e.であった。
実施例1において、PCPPM3.02mgに代えて、SSR−C*PPM3.16mgを用いた以外は、実施例1と同様に行った。反応後、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の残存率は0.55%、得られたミチグリニドの光学純度は96.3%e.e.であった。
(1)S/Cが10000での製造例
実施例1において、PCPPM3.02mgに代えてDMPCPPM3.44mg(S/C=10000)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。反応後、高性能液体クロマトグラフィーでの2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の残存率は0.02%であった。得られたミチグリニドの光学純度は96.4%e.e.であった。
(2)S/Cが20000での製造例
前記(1)の方法をS/Cが20000で、16時間の反応時間で行った。その結果、高性能液体クロマトグラフィーで原料を検出することはできなかった。生成物の光学純度は96.4%e.e.であった。
実施例1において、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体1.18mgに代えて、ロジウム−2,5−ノルボルナジエン−クロル錯体1.10mg(S/C=10000)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。反応後、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸は検出されず、得られたミチグリニドの光学純度は95.5%e.e.であった。
実施例1において、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体1.18mgに代えて、ロジウム−2,5−ノルボルナジエン−テトラフルオロホウ酸錯体1.79mg(S/C=10000)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。反応後、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の残存率は0.12%、得られたミチグリニドの光学純度は96.0%e.e.であった。
実施例1において、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体1.18mgに代えて、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−トリフルオロメタンスルホン酸錯体2.24mg(S/C=10000)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。反応後、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸検出されず、得られたミチグリニドの光学純度は95.9%e.e.であった。
実施例1において、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体1.18mgに代えて、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−テトラフルオロホウ酸錯体水和物1.94mg(S/C=10000)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。反応後、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の残存率は2.21%、得られたミチグリニドの光学純度は95.9%e.e.であった。
実施例1において、PCPPM 3.02mgに代えてPCPPM 10.04mgを用い、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体1.18mgに代えて、固定化ロジウムであるCATAXA/ロジウム−1,5−シクロオクタジエン錯体328mg(S/C=3000)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。反応後、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸は検出されず、得られたミチグリニドの光学純度は95.5%e.e.であった。
(比較例1)
実施例1において、PCPPM3.02mgに代えて、(2S,4S)−N−フェニルオキシカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(PPPM)3.02mgを用いた以外は、実施例1と同様に行った。反応後、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の残存率は9.74%、得られたミチグリニドの光学純度は94.5%e.e.であった。
(比較例2)
実施例1において、PCPPM3.02mgに代えて、BPPM2.92mgを用いた以外は、実施例1と同様に行った。反応後、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の残存率は10.85%、得られたミチグリニドの光学純度は96.1%e.e.であった。
以上のとおり、不斉配位子としてウレア型ピロリジンビスホスフィン化合物は、カルバメート型ピロリジンビスホスフィン化合物よりも光学純度、反応速度及びS/Cのいずれにおいても優れている。したがって、本発明に係る製造方法は、高い光学純度、反応時間の短縮及び触媒量の低減を可能とする工業的に極めて優れた製造方法である。
2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸 15g及びメタノール59mLをオートクレーブに入れ、PCPPM 7.5mgとロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体 2.9mgより調製した触媒を加え、水素圧0.5MPaで、室温下に反応させた。4時間後反応液を取り出し、メタノール60mL及び水酸化カルシウム 1.7gを加えて30分間攪拌した後、水120mLを加えた。2時間攪拌後、結晶を濾過し、水で洗浄後乾燥してミチグリニドカルシウム塩二水和物を得た。
本発明の方法は、糖尿病治療薬として有用な式(I)で表される(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸又はその塩の効率的かつ高純度な新規な製造方法を提供するものであり、製薬分野において極めて有用なものであり、産業上の利用可能性を有している。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0004918257
    (式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示す。ピロリジン環中の*印は当該位置の炭素原子がS配置であることを示す。)
    で表されるピロリジンビスホスフィン化合物、及びロジウム化合物から調製される不斉触媒の存在下で、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸を接触還元して(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸を製造する方法。
  2. 一般式(I)で表されるピロリジンビスホスフィン化合物のRが、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、置換基としてアルケニル基を有してもよいフェニルアルキル基、又は置換基としてハロゲン原子を有していてもよいフェニル基である請求項1に記載の方法。
  3. 一般式(I)で表されるピロリジンビスホスフィン化合物のR及びRが、それぞれ独立して、置換基として炭素数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基を有していてもよいフェニル基である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 一般式(I)で表されるピロリジンビスホスフィン化合物が、(2S,4S)−N−フェニルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、(2S,4S)−N−3,4−ジクロロフェニルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、(2S,4S)−N−t−ブチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、(2S,4S)−N−メチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、(2S,4S)−N−1S−フェニルエチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、(2S,4S)−N−1R−フェニルエチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン、及び(2S,4S)−N−1−(3−イソプロペニルフェニル)−1−メチルエチルアミノカルボニル−4−ジフェニルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンよりなる群から選ばれたものである請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. ロジウム化合物が、配位子としてエチレン、1,5−シクロオクタジエン又は2,5−ノルボルナジエンを有するロジウム錯体である請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. (1)下記一般式(I)
    Figure 0004918257
    (式中、R は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。R 及びR は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示す。ピロリジン環中の*印は当該位置の炭素原子がS配置であることを示す。)
    で表されるピロリジンビスホスフィン化合物、及びロジウム化合物から調製される不斉触媒の存在下で、2−ベンジリデン−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸を接触還元して(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸を製造する工程、
    (2)次いで、前記(1)の工程で製造された(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸を塩基性物質と反応させる工程、
    を含有してなる(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の塩を製造する方法。
  7. (2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸の塩が、カルシウム塩である請求項6に記載の方法。
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