WO2023190931A1 - 光造形用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、造形物の強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性に優れる光造形用樹脂組成物を提供する。本発明は、分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)、分子量500以上2000未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)、分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)及び光重合開始剤(D)を含有し、重合性単量体の総量100質量%において、前記分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)の含有量が25質量%以上75質量%以下であり、前記分子量500以上2000未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)の含有量が8質量%以上32質量%以下であり、前記分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量が0.1質量%以上10質量%未満である、光造形用樹脂組成物に関する。

Description

光造形用樹脂組成物
 本発明は光造形用樹脂組成物に関する。より詳細には、本発明は、造形物の強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性に優れた立体造形物を得ることができる。特に義歯床材料、歯科用咬合スプリント及び睡眠時無呼吸症候群用治療具に好適である。
 液状の光硬化性樹脂に必要量の制御された光エネルギーを供給して、薄層状に硬化させ、その上にさらに液状光硬化性樹脂を供給した後、制御下に光照射して薄層状に積層硬化させるという工程を繰り返すことによって立体造形物を製造する方法、いわゆる光学的立体造形法に関する多数の提案がなされている。
 立体造形物を光学的に製造する際の代表的な方法としては、容器に入れた液状光硬化性樹脂組成物の液面に、所望のパターンが得られるようにコンピューターで制御された紫外線レーザーを選択的に照射して所定の厚さで硬化させて硬化層を形成し、次にその硬化層の上に1層分の液状光硬化性樹脂組成物を供給して、同様に紫外線レーザーを照射して前記と同じように硬化させて連続した硬化層を形成させるという積層操作を繰り返して最終的な形状の立体造形物を製造する液槽光造形という方法が一般に採用されている。この方法による場合は、造形物の形状がかなり複雑であっても、簡単にかつ比較的短時間で精度良く目的とする立体造形物を製造することができるために近年大きな注目を集めている。
 そして、光造形法によって得られる立体造形物が単なるコンセプトモデルから、テストモデル、試作品、最終製品へと用途が展開されるようになっている。とりわけ、歯科材料分野においては、義歯床及び歯ぎしり防止や睡眠時無呼吸症候群用治療具等のマウスピース状の睡眠障害治療材料は、患者個人ごとに形状が異なり、かつ形状が複雑であることから、光造形法の応用が期待されている。
 義歯床材料は、歯の喪失により義歯を装着する際の、歯肉部分に使用される材料のことである。近年、高齢者人口の増加に伴い義歯の需要が急激に増加している。
 歯科用咬合スプリントは、歯列や顎位を矯正するために装着するもの、歯ぎしりによる歯の摩耗を抑制するために歯列に装着するもの、コンタクトスポーツにおいて、競技中に歯牙や顎骨に大きな外力が加わることにより発生する外傷を低減し、顎口腔系及び脳を保護するために口腔内に装着するものである。近年、歯科矯正においては審美性の良さや外したいときに外せるため急速に利用が拡大している装置である。
 睡眠時無呼吸症候群用治療具は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療のために夜間就寝中に歯列に装着する装置(オーラルアプライアンス:OA)であり、急速に利用が進んでいる。
 前記義歯床材料、歯科用咬合スプリント及びOAには、強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性が共通して要求されている。特に通称ノンメタルクラスプデンチャーと言われるメタルクラスプを含まない部分義歯床で要求される。強度が低いと咬合時のたわみや変形が大きくなり装着感の悪いものとなり、靭性が損なわれると咬合の負荷や装着時の変形によって破壊しやすくなり、頻繁に作り直す必要があるといった問題がある。また、耐水性が損なわれると使用中に力学的特性が低下し、装着時に変形しやすくなったり、破壊しやすくなり実用に耐えないものとなる問題がある。さらに、着脱時や清掃時に意図せず落としてしまうことがあり得るが、耐衝撃性が低いと容易に破損してしまうといった問題がある。
 また、通常、義歯床材料及び歯科用咬合スプリント、睡眠時無呼吸症候群用治療具を作製する際には、口腔内の印象を取得することが必要となるが、その不快感から患者負担となることや、技工操作に熟練を要するといった課題が従来から指摘されていた。近年では、デジタル技術の発達から、印象取得については、光学的な口腔内スキャンを応用する試みがなされ、成形においては光学的立体造形を応用する試みがなされている。造形においては光造形用樹脂組成物を使用するが、一般に強度を発現する樹脂組成物ほど、脆化する傾向となり、一方、靭性、すなわち柔軟性も付与しようとした場合、分子構造がフレキシブルになるため水分が侵入しやすくなるため、強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性をいずれも満足させることは困難であった。
 このような背景の中、強度、靭性及び耐水性に優れ、光学的立体造形物が得られる技術として、例えば、特許文献1には、特定のオリゴマー骨格を有するウレタン化(メタ)アクリル化合物と2つの芳香環を有する特定のモノ(メタ)アクリル酸エステル化合物とを必須成分とする光造形用樹脂組成物が開示され、特許文献2には、分子量1000以下のウレタン化(メタ)アクリル化合物と2つの芳香環を有する特定のモノ(メタ)アクリル酸エステル化合物とを必須成分とする光造形用樹脂組成物が開示されている。
国際公開第2021/054458号 国際公開第2021/162007号
 しかしながら、本発明者が検討したところ、特許文献1及び2に記載された光造形用樹脂組成物の硬化物は、強度、靭性及び耐水性に優れるものの、落下や衝突などにより容易に破壊し、耐衝撃性には、改良の余地があることが分かった。
 そこで、本発明は、強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性に優れる光造形用樹脂組成物を提供することを目的とする。
 本発明は、以下の発明を包含する。
[1]分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)、分子量500以上2000未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)、分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)及び光重合開始剤(D)を含有し、
 重合性単量体の総量100質量%において、
 前記分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)の含有量が25質量%以上75質量%以下であり、
 前記分子量500以上2000未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)の含有量が8質量%以上32質量%以下であり、
 前記分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量が0.1質量%以上10質量%未満である、光造形用樹脂組成物;
[2]単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)をさらに含有する、[1]に記載の光造形用樹脂組成物;
[3]前記多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)が、ウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(A)-Iを含有する、[1]又は[2]に記載の光造形用樹脂組成物;
[4]前記多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)が、ウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iを含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物;
[5]前記多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)が、ウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iを含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物;
[6]前記多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-I及び/又は多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iが、1分子内に、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ共役ジエン、及び水添ポリ共役ジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含有する(メタ)アクリレートである、[4]又は[5]に記載の光造形用樹脂組成物;
[7]前記多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-I及び/又は多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iが、1分子内に、分岐構造を有する炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位に由来する構造を有するポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ共役ジエン、及び水添ポリ共役ジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール部分を含有する(メタ)アクリレートである、[6]に記載の光造形用樹脂組成物;
[8]前記分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量が、重合性単量体の総量100質量%において、0.2質量%以上8.0質量%以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物;
[9][1]~[8]のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物の造形物からなる、歯科材料;
[10][1]~[8]のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物の造形物からなる、義歯床材料;
[11][1]~[8]のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物の造形物からなる、歯科用咬合スプリント;
[12][1]~[8]のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物の造形物からなる、睡眠障害治療材料;
[13][1]~[8]のいずれかに記載の光造形用樹脂組成物を用いて、光学的立体造形法によって立体造形物を製造する立体造形物の製造方法。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、造形物の強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性に優れる。そのため、本発明の光造形用樹脂組成物は、義歯床材料及び歯科用咬合スプリントに好適であり、睡眠時無呼吸症候群用治療具に用いる材料としても好適である。
 以下、本発明について実施形態を用いて詳細に説明する。
 本明細書において、数値範囲(各成分の含有量、各成分から算出される値及び各物性等)の上限値及び下限値は適宜組み合わせ可能である。例えば、本明細書において、数値範囲について、段階的に記載された下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、同一事項に対する「好ましくは0.2~8.0質量%、より好ましくは0.5~5.0質量%」という記載から、「好ましい下限値(0.2質量%)」と「より好ましい上限値(5.0質量%)」とを組み合わせて、「0.2~5.0質量%」とすることもでき、0.5~8.0質量%とすることもできる。
 また、数値範囲について、例えば、「12~28質量%であることがより好ましく、12.5~25質量%であることがさらに好ましい」との記載に基づいて、上限値は特に規定せずに下限値側だけ「12質量%以上」又は「12.5質量%以上」と規定することもでき、同様に、下限値は特に規定せずに上限値側だけ「28質量%以下」又は「25質量%以下」と規定することもできる。
 なお、特に言及しない限り、数値範囲として単に「30~70」と記載する場合、30以上70以下の範囲を表す。さらに、例えば、数値範囲が「25質量%以上75質量%以下」である場合、数値範囲の境界は「25質量%超」「25質量%以上」「75質量%以下」「75質量%未満」のいずれを選択することもできる。
 前記同様、例えば、同一事項に対する「0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上がさらに好ましく」の記載と、「15質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましく」という記載から、「より好ましい下限値(0.05質量部以上)」と「さらに好ましい上限値(10質量部以下)」とを組み合わせて、「0.05質量部以上10質量部以下」とすることもできる。また、前記同様、下限値側だけ「0.05質量部以上」又は「0.1質量部以上」と規定することもでき、同様に、上限値側だけ「15質量部以下」又は「10質量部以下」と規定することもできる。
 前記した数値範囲は、質量%、質量部を例示に挙げて説明したにすぎず、分子量等についても同様である。
 本明細書において、「重合性単量体」とは、後述する光重合開始剤(D)によって重合される重合性化合物の意味で用いられる。
 また、本明細書において、「(メタ)アクリル」との表記は、「メタクリル」と「アクリル」の両者を包含する意味で用いられる。「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸エステル」、「(メタ)アクリルアミド」、「(メタ)アクリロイルオキシ」等のこれに類する表記も同様である。
 また、本明細書において、「(メタ)アクリル系単量体」は、「(メタ)アクリルオキシ基」を重合性基として有する単量体と「(メタ)アクリルアミド基」を重合性基として有する単量体の両者を包含する意味で用いられる。
 また、本明細書において、「多官能性」は、重合性基の数が1を超えていることを意味する。
 また、本明細書において「分子量」とは、オリゴマー又はポリマー構造を含まない場合は、原子量から算出される単一の値であり、オリゴマー又はポリマー構造を含む場合は、特に断らない限り重量平均分子量のことであり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で求めたポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)、分子量500以上2000未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)、分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)及び光重合開始剤(D)を含有する。
[分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)]
 分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)は、本発明の光造形用樹脂組成物において、光造形用樹脂組成物に造形性を付与し、造形物に強度及び靭性を付与するために用いられる。
 分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)としては、二官能性(メタ)アクリル系単量体、三官能性(メタ)アクリル系単量体、四官能性以上の(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。
 分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)としては、ウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(A)-I(以下、単に「多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(A)-I」とも称する)、及びウレタン結合を含有しない多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)-II(以下、単に「多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)-II」とも称する)が挙げられるが、造形物の靭性が優れる観点から多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(A)-Iを含有することが好ましい。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(A)-Iは、例えば、アルキレン骨格、フェニレン骨格を含有するイソシアネートを含有する化合物と、水酸基(-OH)を有する(メタ)アクリル化合物とを付加反応させることにより、容易に合成することができる。前記付加反応は、公知の方法及び条件を使用することができ、特に限定されない。
 アルキレン骨格としては、例えば、アルキレン基を有する化合物が好ましい。
 アルキレン骨格を構成するアルキレン基の炭素数としては、1~15が好ましく、2~10がより好ましく、3~8がさらに好ましく、4~8が特に好ましい。
 前記アルキレン基は、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれであってもよい。
 前記アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、テトラデシレン基等が挙げられる。
 フェニレン骨格を含有するイソシアネートを含有する化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等が挙げられる。
 水酸基(-OH)を有する(メタ)アクリル化合物としては、後述するウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iの製造において例示した化合物と同様である。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(A)-Iとしては、二官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体、三官能性のウレタン化(メタ)アクリル系単量体、四官能性以上のウレタン化(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(A)-Iの例としては、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート(通称:UDMA)、2,4-トリレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート、ビスヒドロキシエチルメタクリレート-イソホロンジウレタン等の多官能性ウレタン化(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
 これらの中でも造形物の強度及び靭性の観点から、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレートが好ましい。
 多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)中の多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(A)-Iの含有量は、多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)の総量100質量%において、造形物の強度及び靭性により優れる点から、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
 ある好適な実施形態において、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(A)-Iの含有量は、多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)の総量100質量%において、100質量%であってもよい。
 多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)-IIとしては、二官能性重合性単量体、及び三官能性以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体が挙げられるが、造形物の靭性及び耐衝撃性の観点から二官能性重合性単量体が好ましく、二官能性(メタ)アクリレート系単量体がより好ましい。
 多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)-IIの例としては、2,2-ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(例えば、エトキシ基の平均付加モル数:2.6)、1,4-ビス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)ピロメリテート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2-エチル-1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ビス(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)エタン、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 三官能性以上の重合性単量体としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、1,7-ジ(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラ(メタ)アクリロイルオキシメチル-4-オキサヘプタン等が挙げられる。
 本発明の光造形用樹脂組成物における多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)の含有量は、重合性単量体の総量100質量%において、25質量%以上75質量%以下であることが必要であり、他の成分と組み合わせた際に造形物の強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性により優れる点から、30~70質量%であることが好ましく、35~65質量%であることがより好ましく、40~60質量%であることがさらに好ましい。多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
 また、ある実施形態においては、多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)の含有量は、光造形用樹脂組成物の総量100質量%において、他の成分と組み合わせた際に造形物の強度、耐水性、靭性及び耐衝撃性により優れる点から、25~75質量%であることが好ましく、30~70質量%であることがより好ましく、35~65質量%であることがさらに好ましく、40~60質量%であることが特に好ましい。
[分子量500以上2000未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)]
 分子量500以上2000未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)は、本発明の光造形用樹脂組成物において、造形物に靭性及び耐衝撃性を付与するために用いられる。
 分子量500以上2000未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)としては、二官能性(メタ)アクリル系単量体、三官能性(メタ)アクリル系単量体、四官能性以上の(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。
 多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)としては、オリゴマー又はポリマー構造を含有する多官能性(メタ)アクリル系単量体と、オリゴマー又はポリマー構造を含有しない多官能性(メタ)アクリル系単量体との2つに分類される。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、造形物の靭性及び耐衝撃性に優れる観点から、オリゴマー又はポリマー構造を含有する多官能性(メタ)アクリル系単量体を含有することが好ましい。
 さらに、多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)としては、ウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-I(以下、単に「多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-I」とも称する)、及びウレタン結合を含有しない多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)-IIが挙げられるが、造形物の靭性及び耐衝撃性が優れる観点から多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iを含有することが好ましい。
 ある好適な実施形態としては、多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)がウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iを含有し、前記多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iが、オリゴマー又はポリマー構造を含有する多官能性(メタ)アクリル系単量体である、光造形用樹脂組成物が挙げられる。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iが、オリゴマー又はポリマー構造を含有する多官能性(メタ)アクリル系重合性化合物であることによって、得られる造形物の靭性及び耐衝撃性において、より優れる。
 以下、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iが、オリゴマー又はポリマー構造を含有する多官能性(メタ)アクリル系重合性化合物である場合を例に挙げて説明する。
 オリゴマー又はポリマー構造を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iは、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリジエン及び水添ポリ共役ジエン等のポリマー構造などのポリマー骨格を有するポリオールと、イソシアネート基(-NCO)を有する化合物と、水酸基(-OH)を有する(メタ)アクリル化合物とを付加反応させることにより、容易に合成することができる。また、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物に、ラクトン又はアルキレンオキシドを開環付加反応させた後、得られた片末端に水酸基を有する化合物を、イソシアネート基を有する化合物に付加反応させることによっても、容易に合成することができる。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iは、1分子内に、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ共役ジエン、及び水添ポリ共役ジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
 前記構造において、例えば、ポリエステルとしては、ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;マレイン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸)と炭素数2~18の脂肪族ジオールとの共重合体、ジカルボン酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸)と炭素数2~18の脂肪族ジオールとの共重合体、β-プロピオラクトンの重合体、γ-ブチロラクトンの重合体、δ-バレロラクトン重合体、ε-カプロラクトン重合体及びこれらの共重合体などが挙げられ、ジカルボン酸(好適には、芳香族ジカルボン酸、不飽和脂肪族ジカルボン酸)と炭素数2~12の脂肪族ジオールとの共重合体、ジカルボン酸(好適には、飽和脂肪族ジカルボン酸)と炭素数2~12の脂肪族ジオールとの共重合体が好ましい。
 ポリカーボネートとしては、炭素数2~18の脂肪族ジオールから誘導されるポリカーボネート、ビスフェノールAから誘導されるポリカーボネート、及び炭素数2~18の脂肪族ジオールとビスフェノールAから誘導されるポリカーボネートなどが挙げられ、炭素数2~12の脂肪族ジオールから誘導されるポリカーボネート、ビスフェノールAから誘導されるポリカーボネート、及び炭素数2~12の脂肪族ジオールとビスフェノールAから誘導されるポリカーボネートが好ましい。
 ポリウレタンとしては、炭素数2~18の脂肪族ジオールと炭素数1~18のジイソシアネートの重合体などが挙げられ、炭素数2~12の脂肪族ジオールと炭素数1~12のジイソシアネートの重合体が好ましい。
 ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリ(1-メチルブチレングリコール)などが挙げられる。
 ポリ共役ジエン及び水添ポリ共役ジエンとしては、1,4-ポリブタジエン、1,2-ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(ブタジエン-イソプレン)、ポリ(ブタジエン-スチレン)、ポリ(イソプレン-スチレン)、ポリファルネセン、及びこれらの水添物が挙げられる。これらの中でも、靭性及び耐水性に優れる点で、ポリエステルの構造が好ましい。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iとしては、二官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体、三官能性のウレタン化(メタ)アクリル系単量体、四官能性以上のウレタン化(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iは、1分子内に、分岐構造を有する炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位に由来する前記特定の構造をポリマー骨格として有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
 前記ポリエステルとしては、分岐構造を有する炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位に由来する構造と、分岐構造を有しない炭素数4~18の脂肪族鎖状ジカルボン酸及び/又は芳香族ジカルボン酸単位に由来する構造とを有する共重合体などが挙げられる。
 前記ポリカーボネートとしては、分岐構造を有する炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位に由来する構造と、分岐構造を有しない炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位に由来する構造とを有する共重合体などが挙げられる。
 前記ポリウレタンとしては、分岐構造を有する炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位に由来する構造及びジイソシアネート化合物の重縮合体などが挙げられる。
 前記ポリエーテルとしては、分岐構造を有する炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位に由来する構造を有するポリエーテル、分岐構造を有しない炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位に由来する構造を有するポリエーテルが挙げられる。
 前記ポリ共役ジエンとしては、共役ジエン単量体の単独重合体又は共重合体が挙げられる。前記共役ジエン単量体としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペタンジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。
 前記水添ポリ共役ジエンとしては、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリイソブチレンなどが挙げられる。
 これらの中でも、靭性、耐水性、及び耐衝撃性に優れる点で、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、及び水添ポリ共役ジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種の構造をポリマー骨格として含有することが好ましく、ポリエステル、ポリカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種の構造をポリマー骨格として含有することがより好ましく、ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の構造をポリマー骨格として含有することがさらに好ましい。
 前記分岐構造を有する炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位を構成するジオールとしては、例えば、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2,7-ジメチル-1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,9-ノナンジオール、2,8-ジメチル-1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,10-デカンジオール、2,9-ジメチル-1,10-デカンジオール、2-メチル-1,11-ウンデカンジオール、2,10-ジメチル-1,11-ウンデカンジオール、2-メチル-1,12-ドデカンジオール、2,11-ジメチル-1,12-ドデカンジオール、2-メチル-1,13-トリデカンジオール、2,12-ジメチル-1,13-トリデカンジオール、2-メチル-1,14-テトラデカンジオール、2,13-ジメチル-1,14-テトラデカンジオール、2-メチル-1,15-ペンタデカンジオール、2,14-ジメチル-1,15-ペンタデカンジオール、2-メチル-1,16-ヘキサデカンジオール、2,15-ジメチル-1,16-ヘキサデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、光造形用樹脂組成物が硬化性に優れ、低粘度である観点から、2-メチル-1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2,7-ジメチル-1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,9-ノナンジオール、2,8-ジメチル-1,9-ノナンジオールなどのメチル基を側鎖として有する炭素数5~12の脂肪族ジオールをポリオールとして使用することが好ましく、2-メチル-1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2,7-ジメチル-1,8-オクタンジオールがより好ましく、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオールがさらに好ましい。
 イソシアネート基を有する化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)、トリシクロデカンジイソシアネート(TCDDI)、及びアダマンタンジイソシアネート(ADI)等が挙げられる。
 水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2,2-ビス〔4-(2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、1,2-ビス〔3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物;N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ(メタ)アクリルアミド化合物等が挙げられる。
 イソシアネート基を有する化合物と水酸基を有する(メタ)アクリル化合物との付加反応は、公知の方法及び条件を使用することができ、特に限定されない。
 オリゴマー又はポリマー構造を含有しない多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iの例としては、N,N-(2,2,4-トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2-(アミノカルボキシ)プロパン-1,3-ジオール〕テトラ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトルエンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートイソホロン、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも造形物の強度の観点から、N,N-(2,2,4-トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2-(アミノカルボキシ)プロパン-1,3-ジオール〕テトラ(メタ)アクリレートが好ましい。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iの分子量は、500~2000であることが必要であり、強度及び耐衝撃性の観点から、750~1900が好ましく、1000~1800がより好ましい。
 多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)中の多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iの含有量は、多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)の総量100質量%において、他の成分と組み合わせた際に造形物の強度、耐水性、靭性及び耐衝撃性により優れる点から、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
 ある好適な実施形態において、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iの含有量は、多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)の総量100質量%において、100質量%であってもよい。
 また、ある実施形態においては、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iの含有量は、重合性単量体の総量100質量%において、他の成分と組み合わせた際に造形物の強度、耐水性、靭性及び耐衝撃性により優れる点から、8~32質量%であることが好ましく、10~30質量%であることがより好ましく、12~28質量%であることがさらに好ましく、12.5~25質量%であることが特に好ましい。
 また、他のある実施形態においては、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iの含有量は、光造形用樹脂組成物の総量100質量%において、他の成分と組み合わせた際に造形物の強度、耐水性、靭性及び耐衝撃性により優れる点から、8~32質量%であることが好ましく、10~30質量%であることがより好ましく、12~28質量%であることがさらに好ましく、12.5~25質量%であることが特に好ましい。
 ウレタン結合を含有しない多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)-IIとしては、二官能性(メタ)アクリル系単量体、三官能性の(メタ)アクリル系単量体、四官能性以上の(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。
 ウレタン結合を含有しない多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)-IIの例としては、2,2-ビス〔4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン(通称「Bis-GMA」)、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2-(4-(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)-2-(4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2-(4-(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)-2-(4-(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2-(4-(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)-2-(4-(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N’-(2,2,4-トリメチルヘキサメチレン)ビス[2-(アミノカルボキシ)プロパン-1,3-ジオール]テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、造形物の強度、耐水性、靭性及び耐衝撃性により優れる点から、Bis-GMA、N,N’-(2,2,4-トリメチルヘキサメチレン)ビス[2-(アミノカルボキシ)プロパン-1,3-ジオール]テトラメタクリレートが好ましい。
 本発明の光造形用樹脂組成物における多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)の含有量は、重合性単量体の総量100質量%において、8質量%以上32質量%以下であることが必要であり、造形物の強度、耐水性、靭性及び耐衝撃性により優れる点から、10~30質量%であることが好ましく、12~28質量%であることがより好ましく、12.5~25質量%であることがさらに好ましい。多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
 また、ある実施形態においては、多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)の含有量は、光造形用樹脂組成物の総量100質量%において、他の成分と組み合わせた際に造形物の強度、耐水性、靭性及び耐衝撃性により優れる点から、8~32質量%であることが好ましく、10~30質量%であることがより好ましく、12~28質量%であることがさらに好ましく、12.5~25質量%であることが特に好ましい。
[分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)]
 分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)は、本発明の光造形用樹脂組成物において、造形物に耐水性及び耐衝撃性を付与するために用いられる。
 分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)としては、二官能性(メタ)アクリル系単量体、三官能性(メタ)アクリル系単量体、四官能性以上の(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。
 多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)としては、ウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-I(以下、単に「多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-I」とも称する)、及びウレタン結合を含有しない多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)-IIが挙げられるが、造形物の強度、耐水性及び耐衝撃性が優れる観点から多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iを含有することが好ましい。
 ある好適な実施形態としては、多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)がウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iを含有し、前記多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iが、オリゴマー又はポリマー構造を含有する多官能性(メタ)アクリル系単量体である、光造形用樹脂組成物が挙げられる。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iが、オリゴマー又はポリマー構造を含有する多官能性(メタ)アクリル系重合性化合物であることによって、得られる造形物の強度、耐水性及び耐衝撃性において、より優れる。
 以下、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iが、オリゴマー又はポリマー構造を含有する多官能性(メタ)アクリル系重合性化合物である場合を例に挙げて説明する。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iとしては、二官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体、三官能性のウレタン化(メタ)アクリル系単量体、四官能性以上のウレタン化(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iは、1分子内に、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ共役ジエン、及び水添ポリ共役ジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iの分子量は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリジエン及び水添ポリ共役ジエン等のポリマー構造などのポリマー骨格を有するポリオールの分子量を適宜選択することによって、前述の多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iと同様に調整することができる。
 前記構造において、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリジエン及び水添ポリ共役ジエンとしては、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iで説明したものと同様のものが挙げられる。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iは、1分子内に、分岐構造を有する炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位に由来する前記特定の構造をポリマー骨格として有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
 前記分岐構造を有する炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位としては、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iで説明したものと同様のものが挙げられる。
 イソシアネート基を有する化合物としては、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iで説明したものと同様のものが挙げられる。
 水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iで説明したものと同様のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物、ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド化合物等が挙げられる。
 イソシアネート基を有する化合物と水酸基を有する(メタ)アクリル化合物との付加反応は、公知の方法及び条件を使用することができ、特に限定されない。
 得られる多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iとしては、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iの説明で前記した、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ共役ジエン、及び水添ポリ共役ジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を有するポリオールと、イソシアネート基を有する化合物と、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物との任意の組み合わせの反応物が挙げられる。
 多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iの分子量は、2000以上であることが必要であり、光造形用樹脂組成物の粘度及び造形物の耐衝撃性の観点から、2000~10000が好ましく、2100~5000がより好ましく、2200~3000がさらに好ましい。
 多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)中の多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iの含有量は、多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の総量において、造形物の強度、耐水性及び耐衝撃性により優れる点から、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
 ある好適な実施形態において、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iの含有量は、多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の総量100質量%において、100質量%であってもよい。
 本発明の光造形用樹脂組成物における多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量は、他の成分と組み合わせた際に造形物の強度、靭性及び耐水性を損なわずに、耐衝撃性を付与する点から、重合性単量体の総量100質量%において、0.1質量%以上10質量%未満であることが必要であり、造形物の強度、耐水性及び耐衝撃性により優れる点から、0.2~8.0質量%であることが好ましく、0.5~5.0質量%であることがより好ましく、1.0~2.5質量%であることがさらに好ましい。多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
 また、ある実施形態においては、多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量は、光造形用樹脂組成物の総量100質量%において、他の成分と組み合わせた際に造形物の強度、耐水性、靭性及び耐衝撃性により優れる点から、0.1~10質量%であることが好ましく、0.2~8.0質量%であることがより好ましく、0.5~5.0質量%であることがさらに好ましく、1.0~2.5質量%であることが特に好ましい。
 ある好適な実施形態としては、造形物が強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性により優れる点から、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-I及び/又は多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iが、1分子内に、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ共役ジエン、及び水添ポリ共役ジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含有する(メタ)アクリレートである、光造形用樹脂組成物が挙げられる。
 他のある好適な実施形態としては、造形物が強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性により優れる点から、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-I及び/又は多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iが、1分子内に、分岐構造を有する炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位に由来する構造を有するポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ共役ジエン、及び水添ポリ共役ジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール部分を含有する(メタ)アクリレートである、光造形用樹脂組成物が挙げられる。
 ある好適な実施形態としては、造形物が強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性により優れる点から、多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)の含有量が、多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量の3倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましく、10倍以上であることがさらに好ましく、11倍以上であることが特に好ましい。
 他の好適な実施形態としては、造形物が強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性により優れる点から、多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)の含有量が、多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)の含有量と多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量の合計より多いことが好ましい。
 別の他の好適な実施形態としては、造形物が強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性により優れる点から、多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)の含有量が、多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)の含有量より多く、かつ多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)の含有量が、多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量より多いことが好ましい。
[単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)]
 単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)は、本発明の光造形用樹脂組成物において、粘度を低減し、造形物に強度を付与するために用いられる。
 単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)としては、芳香環を含有する単官能性(メタ)アクリル系単量体、脂環式単官能性(メタ)アクリル系単量体、複素環を含有する単官能性(メタ)アクリル系単量体等が挙げられる。複素環を含有する単官能性(メタ)アクリル系単量体としては、含窒素複素環を含有する単官能性(メタ)アクリレート系単量体、含窒素複素環を含有する単官能性(メタ)アクリルアミド系単量体等が挙げられる。
 芳香環を含有する単官能性(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、m-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、p-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシ化-o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシ化-m-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシ化-p-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化-o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化-m-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化-p-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化-o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化-m-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化-p-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、ブトキシ化-o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、ブトキシ化-m-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、ブトキシ化-p-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、o-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、m-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、p-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、2-(o-フェノキシフェニル)エチル(メタ)アクリレート、2-(m-フェノキシフェニル)エチル(メタ)アクリレート、2-(p-フェノキシフェニル)エチル(メタ)アクリレート、3-(o-フェノキシフェニル)プロピル(メタ)アクリレート、3-(m-フェノキシフェニル)プロピル(メタ)アクリレート、3-(p-フェノキシフェニル)プロピル(メタ)アクリレート、4-(o-フェノキシフェニル)ブチル(メタ)アクリレート、4-(m-フェノキシフェニル)ブチル(メタ)アクリレート、4-(p-フェノキシフェニル)ブチル(メタ)アクリレート、4-ビフェニリル(メタ)アクリレート、クミルフェノール(メタ)アクリレート、ベンズヒドロール(メタ)アクリレート等の芳香環を2個含有する(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸-o-2-プロペニルフェニル等の芳香環を1個含有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸1-ナフチル、(メタ)アクリル酸2-ナフチル、(メタ)アクリル酸アントリル、フルオレニル(メタ)アクリレート、フルオレニルメチル(メタ)アクリレート等の縮合二環又は縮合三環等の縮合芳香環を1個含有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 脂環式単官能性(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2-(1-アダマンチル)プロピル、(メタ)アクリル酸2-メチルアダマンチル-2-イル、(メタ)アクリル酸2-エチルアダマンチル-2-イル、(メタ)アクリル酸2-n-プロピルアダマンチル-2-イル、(メタ)アクリル酸2-イソプロピルアダマンチル-2-イル、(メタ)アクリル酸1-(アダマンタン-1-イル)-1-メチルエチル、(メタ)アクリル酸1-(アダマンタン-1-イル)-1-エチルエチル、(メタ)アクリル酸1-(アダマンタン-1-イル)-1-メチルプロピル、(メタ)アクリル酸1-(アダマンタン-1-イル)-1-エチルプロピル等の単官能性(メタ)アクリレート系単量体が挙げられる。
 含窒素複素環を含有する単官能性(メタ)アクリレート系単量体としては、例えば、ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、4-(ピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル(メタ)アクリレート等の含窒素複素環を含有する単官能性(メタ)アクリレート系単量体等が挙げられる。含窒素複素環の数は特に限定されず、例えば、1~3個であってもよく、1個又は2個であってもよい。含窒素複素環に含まれる窒素原子の数は、1~5個であってもよく、1個又は2個であってもよい。含窒素複素環に含まれるヘテロ原子は、窒素原子のみであってもよく、窒素原子と、酸素原子又は硫黄原子との組み合わせであってもよい。
 含窒素複素環を含有する単官能性(メタ)アクリルアミド系単量体としては、例えば、N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N-(メタ)アクリロイルピロリジン、N-(メタ)アクリロイルピペリジン、N-(メタ)アクリロイル-2-メチルピペリジン、N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。含窒素複素環の数は特に限定されず、例えば、1~3個であってもよく、1個又は2個であってもよい。含窒素複素環に含まれる窒素原子の数は、1~5個であってもよく、1個又は2個であってもよい。含窒素複素環に含まれるヘテロ原子は、窒素原子のみであってもよく、窒素原子と、酸素原子又は硫黄原子との組み合わせであってもよい。含窒素複素環に含まれる窒素原子は、(メタ)アクリルアミド基を構成する窒素原子と重複((メタ)アクリルアミド基を構成する窒素原子が含窒素複素環の窒素原子も兼ね備える)していてもよい。
 単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)としては、芳香環を含有する単官能性(メタ)アクリル系単量体、複素環を含有する単官能性(メタ)アクリル系単量体が好ましく、これらの中でも、本発明の光造形用樹脂組成物の造形物の強度、靭性及び耐水性が優れる観点から、o-フェノキシベンジルアクリレート、m-フェノキシベンジルアクリレート、p-フェノキシベンジルアクリレート、2-(o-フェノキシフェニル)エチルアクリレート、2-(m-フェノキシフェニル)エチルアクリレート、2-(p-フェノキシフェニル)エチルアクリレート、フルオレニル(メタ)アクリレート、フルオレニルメチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、4-ビフェニリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸1-ナフチル、(メタ)アクリル酸2-ナフチル、(メタ)アクリル酸アントリル、ベンズヒドロール(メタ)アクリレート、クミルフェノール(メタ)アクリレート、N-アクリロイルモルホリン、N-(メタ)アクリロイルピペリジン、N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)(メタ)アクリルアミド、ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレート等がより好ましく、m-フェノキシベンジルアクリレート、2-(o-フェノキシフェニル)エチルアクリレート、フルオレニル(メタ)アクリレート、フルオレニルメチル(メタ)アクリレート、4-ビフェニリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸1-ナフチル、(メタ)アクリル酸2-ナフチル、ベンズヒドロール(メタ)アクリレート、クミルフェノール(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイルピペリジン、N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)(メタ)アクリルアミド、ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレートがさらに好ましく、m-フェノキシベンジルアクリレート、2-(o-フェノキシフェニル)エチルアクリレート、フルオレニル(メタ)アクリレート、フルオレニルメチル(メタ)アクリレート、4-ビフェニリル(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイルピペリジン、N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)(メタ)アクリルアミドが特に好ましい。
 本発明の光造形用樹脂組成物における単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)の含有量は、重合性単量体の総量100質量%において、1.0~60質量%が好ましく、他の成分と組み合わせた際に耐衝撃性を損なうことなく、光造形用樹脂組成物を低粘度にでき、造形物の強度、靭性及び耐水性に優れる観点から、5.0~50質量%であることがより好ましく、10~40質量%であることがさらに好ましい。単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
 また、ある実施形態においては、単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)の含有量は、光造形用樹脂組成物の総量100質量%において、他の成分と組み合わせた際に造形物の強度、耐水性、靭性及び耐衝撃性により優れる点から、1.0~60質量%であることが好ましく、5.0~50質量%であることがより好ましく、10~40質量%であることがさらに好ましい。
 他の好適な実施形態としては、単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)の含有量が、多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量より多いことが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることがさらに好ましく、3倍以上であることが特に好ましい。
[光重合開始剤(D)]
 本発明に用いられる光重合開始剤(D)は、一般工業界で使用されている重合開始剤から選択して使用でき、中でも歯科用途に使用されている光重合開始剤が好ましい。
 光重合開始剤(D)としては、(ビス)アシルホスフィンオキシド類、チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩、ケタール類、α-ジケトン類、クマリン類、アントラキノン類、ベンゾインアルキルエーテル化合物、α-アミノケトン系化合物等が挙げられる。光重合開始剤(D)は、1種を単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 これらの光重合開始剤(D)の中でも、(ビス)アシルホスフィンオキシド類と、α-ジケトン類とからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これにより、紫外領域及び可視光域での光硬化性に優れ、レーザー、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、及びキセノンランプのいずれの光源を用いても十分な光硬化性を示す光造形用樹脂組成物が得られる。
 (ビス)アシルホスフィンオキシド類のうち、アシルホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6-ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、2,3,5,6-テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジ(2,6-ジメチルフェニル)ホスホネート、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシドナトリウム塩、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシドカリウム塩、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドのアンモニウム塩が挙げられる。ビスアシルホスフィンオキシド類としては、例えば、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-1-ナフチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,5,6-トリメチルベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド等が挙げられる。さらに、特開2000-159621号公報に記載されている化合物を挙げることができる。
 これらの(ビス)アシルホスフィンオキシド類の中でも、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、及び2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシドナトリウム塩を光重合開始剤(D)として用いることが特に好ましい。
 α-ジケトン類としては、例えば、ジアセチル、ベンジル、カンファーキノン、2,3-ペンタジオン、2,3-オクタジオン、9,10-フェナントレンキノン、4,4’-オキシベンジル、アセナフテンキノンが挙げられる。この中でも、可視光域の光源を使用する場合には、カンファーキノンが特に好ましい。
 本発明の光造形用樹脂組成物における光重合開始剤(D)の含有量は特に限定されないが、得られる光造形用樹脂組成物の硬化性等の観点から、重合性単量体の総量100質量部に対し、光重合開始剤(D)が0.01~20質量部が好ましい。光重合開始剤(D)の含有量が0.01質量部未満の場合、重合が十分に進行せず、成形品が得られないおそれがある。光重合開始剤(D)の含有量は、前記総量100質量部に対し、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上がさらに好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。一方、光重合開始剤(D)の含有量が20質量部を超える場合、重合開始剤自体の溶解性が低い場合には、光造形用樹脂組成物からの析出を招くおそれがある。光重合開始剤(D)の含有量は、前記総量100質量部に対し、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましく、5.0質量部以下が特に好ましい。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、上記の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)、多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)及び多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)及び光重合開始剤(D)を含有していれば特に限定はなく、例えば、これ以外の成分を含んでいてもよい。
 ある好適な実施形態において、(メタ)アクリルアミド系ウレタンオリゴマー及びポリマーを実質的に含まない、光造形用樹脂組成物が挙げられる。
 「(メタ)アクリルアミド系ウレタンオリゴマー及びポリマーを実質的に含まない」とは、(メタ)アクリルアミド系ウレタンオリゴマー及びポリマー((メタ)アクリルアミド基、ウレタン結合及びオリゴマー又はポリマー構造を有する重合性化合物)の含有量が、光造形用樹脂組成物において、1質量%未満であることが好ましく、0.5質量%未満であることがより好ましく、0.1質量%未満であることがさらに好ましい。
 本発明の光造形用樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、公知の光造形用樹脂組成物の製造方法に準じて本発明の光造形用樹脂組成物を製造できる。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、本発明の趣旨を損なわない範囲内で、光硬化性の向上を目的として、重合促進剤を含むことができる。重合促進剤としては、例えば、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸メチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸n-ブトキシエチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸ブチルが挙げられる。これらの中でも、光造形用樹脂組成物に優れた硬化性を付与する観点から、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸n-ブトキシエチル、及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンゾフェノンからなる群より選択される少なくとも1つが好ましく用いられる。
 本発明の光造形用樹脂組成物には、ペースト性状を調整するために、又は、光造形用樹脂組成物の造形物の機械的強度を高めるために、フィラーがさらに配合されていてもよい。フィラーとして、例えば、有機フィラー、無機フィラー、有機-無機複合フィラー等が挙げられる。フィラーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 有機フィラーの材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル-メタクリル酸エチル共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。有機フィラーの形状は特に限定されず、フィラーの粒子径を適宜選択して使用できる。
 無機フィラーの材料としては、例えば、石英、シリカ、アルミナ、シリカ-チタニア、シリカ-チタニア-酸化バリウム、シリカ-ジルコニア、シリカ-アルミナ、ランタンガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ガラスセラミック、アルミノシリケートガラス、バリウムボロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、カルシウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムフルオロアルミノシリケートガラス、バリウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムカルシウムフルオロアルミノシリケートガラスが挙げられる。これらもまた、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機フィラーの形状は特に限定されず、不定形フィラー又は球状フィラー等を適宜選択して使用できる。
 本発明の光造形用樹脂組成物には、本発明の趣旨を損なわない範囲内で、柔軟性、流動性等の改質を目的として重合体を添加することができる。例えば、天然ゴム、合成ポリイソプレンゴム、液状ポリイソプレンゴム及びその水素添加物、ポリブタジエンゴム、液状ポリブタジエンゴム及びその水素添加物、スチレン-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン-プロピレンゴム、アクリルゴム、イソプレン-イソブチレンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、又はスチレン系エラストマーを添加することができる。添加可能な他の重合体の具体例としては、ポリスチレン-ポリイソプレン-ポリスチレンブロック共重合体、ポリスチレン-ポリブタジエン-ポリスチレンブロック共重合体、ポリ(α-メチルスチレン)-ポリブタジエン-ポリ(α-メチルスチレン)ブロック共重合体、ポリ(p-メチルスチレン)-ポリブタジエン-ポリ(p-メチルスチレン)ブロック共重合体、又はこれらの水素添加物等が挙げられる。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、必要に応じて、軟化剤を含有していてもよい。軟化剤としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系のプロセスオイル等の石油系軟化剤、及び、パラフィン、落花生油、ロジン等の植物油系軟化剤が挙げられる。これらの軟化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。軟化剤の含有量は、本発明の趣旨を損なわない限り特に制限はないが、通常、重合性単量体の総量100質量部に対して200質量部以下であり、好ましくは100質量部以下である。
 また、本発明の光造形用樹脂組成物には、劣化の抑制、又は光硬化性の調整を目的として、公知の安定剤を配合することができる。前記安定剤としては、例えば、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤が挙げられる。
 重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ジブチルヒドロキノン、ジブチルヒドロキノンモノメチルエーテル、4-t-ブチルカテコール、2-t-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエンが挙げられる。重合禁止剤の含有量は、重合性単量体の総量100質量部に対し、0.001~5.0質量部が好ましい。
 また、本発明の光造形用樹脂組成物には、色調の調整又はペースト性状の調整を目的として、公知の添加剤を配合することができる。前記添加剤としては、例えば、顔料、染料、有機溶媒、増粘剤が挙げられる。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、造形性に加えて、造形物の強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性に優れる。従って、本発明の光造形用樹脂組成物は、このような利点が生かされる用途に適用でき、口腔内用途に適用できる。口腔内用途としては、例えば、義歯床材料、歯科用咬合スプリント等の歯科材料;睡眠障害治療材料(特に睡眠時無呼吸症候群用治療具)が挙げられる。本発明の光造形用樹脂組成物は、特に、義歯床材料、歯科用咬合スプリント及び睡眠時無呼吸症候群用治療具に最適である。
 本発明の光造形用樹脂組成物を用いる造形物の形状は、各用途に応じて変更することができる。また、本発明の光造形用樹脂組成物は、必要に応じて、義歯床材料、歯科用咬合スプリント及び睡眠時無呼吸症候群用治療具等の用途毎に、各成分多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)、多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)、多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)及び単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)、光重合開始剤(D)及び各種任意の成分(重合促進剤、フィラー、重合体、軟化剤、安定剤、添加剤等)の種類及び含有量を調整することができる。
 ある好適な実施形態(X-1)としては、分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)、分子量500以上2000未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)、分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)、光重合開始剤(D)及び単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)を含有し、重合性単量体の総量100質量%において、前記分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)の含有量が25~75質量%であり、前記分子量500以上2000未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)の含有量が8~32質量%であり、前記分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量が0.2~8質量%であり、前記単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)の含有量が1.0~60質量%である、光造形用樹脂組成物が挙げられる。
 前記実施形態(X-1)において、強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性により優れる点から、前記多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)がウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(A)-Iを含有し、前記多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)が、ウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iを含有し、前記多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)が、ウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iを含有する、光造形用樹脂組成物がより好適な実施形態(X-2)として挙げられる。
 分子量が異なり、ウレタン結合を含有する各成分の合計含有量が多く、かつ各成分の含有量がバランス良く配合されることで、耐衝撃性に優れつつ、強度、靭性、及び耐水性の優れた性能も維持できるものと考えられる。
 前記実施形態(X-1)及び(X-2)における各成分(任意の成分を含む)の種類及び含有量は、上記した説明に基づいて適宜変更できる。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、その特性、特に光で硬化した際に、体積収縮率が小さく、寸法精度に優れ、しかも造形物の強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性に優れる成形品あるいは立体造形物、さらにはその他の造形物が得られるという特性を活かして種々の用途に使用することができ、例えば、光学的立体造形法による立体造形物の製造、流延成形法や注型等による膜状物あるいは型物等の各種成形品の製造、被覆用、真空成形用金型等に用いることができる。
 そのうちでも、本発明の光造形用樹脂組成物は、上記した光学的立体造形法で用いるのに適しており、その場合には、光硬化時の体積収縮率を小さく保ちながら、寸法精度に優れ、且つ靭性及び力学的特性に優れる立体造形物を円滑に製造することができる。
 本発明の他の実施形態としては、前記したいずれかの光造形用樹脂組成物を用いて、光学的立体造形法によって立体造形物を製造する立体造形物の製造方法が挙げられる。
 光学的立体造形法は、特に限定されず、レーザー方式SLA(Stereolithography Apparatus)、DLP(digital light processing)方式SLA等の液槽光重合法を使用できる。SLAとしては、LFS(Low Force Stereolithography)なども使用できる。
 本発明の光造形用樹脂組成物を用いて光学的立体造形を行うに当たっては、公知の光学的立体造形法及び装置(例えば、DWS社製 DIGITALWAX(登録商標) 028J-Plus等の光造形機)のいずれもが使用できる。そのうちでも、本発明では、樹脂を硬化させるための光エネルギーとして、活性エネルギー光線を用いるのが好ましい。
 「活性エネルギー光線」は、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などのような光造形用樹脂組成物を硬化させ得るエネルギー線を意味する。例えば、活性エネルギー光線は、300~400nmの波長を有する紫外線であってもよい。
 活性エネルギー光線の光源としては、Arレーザー、He-Cdレーザーなどのレーザー;ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、LED、水銀灯、蛍光灯などの照明などが挙げられ、レーザーが特に好ましい。光源としてレーザーを用いた場合には、エネルギーレベルを高めて造形時間を短縮することが可能であり、しかもレーザー光線の良好な集光性を利用して、造形精度の高い立体造形物を得ることができる。
 上記したように、本発明の光造形用樹脂組成物を用いて光学的立体造形を行うに当たっては、公知の方法及び公知の光造形システム装置のいずれもが採用でき特に制限されないが、本発明で好ましく用いられる光学的立体造形法の代表例としては、所望のパターンを有する硬化層が得られるように、光造形用樹脂組成物に活性エネルギー光線を選択的に照射して硬化層を形成する工程、次いでその硬化層にさらに未硬化液状の光造形用樹脂組成物を供給し、同様に活性エネルギー光線を照射して前記の硬化層と連続した硬化層を新たに形成する積層する工程を繰り返すことによって、最終的に目的とする立体造形物を得る方法を挙げることができる。また、それによって得られる立体造形物はそのまま用いても、また場合によってはさらに光照射によるポストキュアあるいは熱によるポストキュア等を行って、その力学的特性あるいは形状安定性等を一層高いものとしてから使用するようにしてもよい。
 光学的立体造形法によって得られる立体造形物の構造、形状、サイズ等は特に制限されず、各々の用途に応じて決めることができる。本発明の光学的立体造形法の代表的な応用分野としては、設計の途中で外観デザインを検証するためのモデル;部品の機能性をチェックするためのモデル;鋳型を制作するための樹脂型;金型を制作するためのベースモデル;試作金型用の直接型等の作製等が挙げられる。より具体的には、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型等のためのモデルあるいは加工用モデル等の製作が挙げられ、特に光造形用樹脂組成物の造形物の強度、靭性に優れるという特性を活かして、構造物(例えば、建築構造物)中の複雑な形状をしたクッション材、真空成形用金型等の用途に極めて有効に使用することができる。
 本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上記した各実施形態の構成の全部又は一部を種々組み合わせた実施形態を含む。
 次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変更が本発明の技術的思想の範囲内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
 実施例又は比較例に係る重合性組成物である光造形用樹脂組成物に用いた各成分を略号とともに以下に説明する。
[多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(A)-I]
 UDMA:2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート(共栄社化学株式会社製 分子量:471)
[ウレタン結合を含有しない多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)-II]
 D2.6E:2,2-ビス(4-メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(エトキシ基の平均付加モル数:2.6、新中村化学工業株式会社製「BPE-100」、分子量:約478)
[多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-I]
<合成例1>[多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-I-1の製造]
(1)撹拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5Lの四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート250g、及びジラウリル酸ジ-n-ブチルスズ0.15gを添加して、撹拌下に70℃に加熱した。
(2)一方、ポリエステルポリオール(株式会社クラレ製「クラレポリオール(登録商標) P-530」;イソフタル酸と3-メチル-1,5-ペンタンジオールからなるポリオール、重量平均分子量Mw:500)520gを側管付きの滴下漏斗に添加し、この滴下漏斗の液を、上記(1)のフラスコ中に滴下した。なお、上記(1)のフラスコ中の溶液を撹拌しつつ、フラスコの内温を65~75℃に保持しながら4時間かけて等速で滴下した。さらに、滴下終了後、同温度で2時間撹拌して反応させた。
(3)次いで、別の滴下漏斗に添加した2-ヒドロキシエチルアクリレート150gとヒドロキノンモノメチルエーテル0.4gとを均一に溶解させた液をフラスコの内温を55~65℃に保持しながら2時間かけて上記(2)のフラスコ中に等速で滴下した後、フラスコ内の溶液の温度を70~80℃に保持しながら4時間反応させることにより、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-I-1を得た。GPC分析による多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-I-1の重量平均分子量Mwは1100であった。
[ウレタン結合を含有しない多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)-II]
 U4TH:N,N’-(2,2,4-トリメチルヘキサメチレン)ビス[2-(アミノカルボキシ)プロパン-1,3-ジオール]テトラメタクリレート(共栄社化学株式会社製 分子量:673)
 Bis-GMA:2,2-ビス〔4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン(新中村化学工業株式会社製 分子量:513)
[多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-I]
<合成例2>[多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-I-1の製造]
(1)撹拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5Lの四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート250g、及びジラウリル酸ジ-n-ブチルスズ0.15gを添加して、撹拌下に70℃に加熱した。
(2)一方、ポリエステルポリオール(株式会社クラレ製「クラレポリオール(登録商標) P-2050」;セバシン酸と3-メチル-1,5-ペンタンジオールからなるポリオール、重量平均分子量Mw:2000)2500gを側管付きの滴下漏斗に添加し、この滴下漏斗の液を、上記(1)のフラスコ中に滴下した。なお、上記(1)のフラスコ中の溶液を撹拌しつつ、フラスコの内温を65~75℃に保持しながら4時間かけて等速で滴下した。さらに、滴下終了後、同温度で2時間撹拌して反応させた。
(3)次いで、別の滴下漏斗に添加した2-ヒドロキシエチルアクリレート150gとヒドロキノンモノメチルエーテル0.4gとを均一に溶解させた液をフラスコの内温を55~65℃に保持しながら2時間かけて上記(2)のフラスコ中に等速で滴下した後、フラスコ内の溶液の温度を70~80℃に保持しながら4時間反応させることにより、多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-I-1を得た。GPC分析による多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-I-1の重量平均分子量Mwは2600であった。
 上記で合成した化合物の重量平均分子量Mwは、いずれもゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で求めたポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
[単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)]
 POBA:m-フェノキシベンジルアクリレート(共栄社化学株式会社製)
 EPPA:エトキシ化-o-フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
[光重合開始剤(D)]
 TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド
[重合禁止剤]
 BHT:3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン
[実施例1~8及び比較例1~10]
 表1及び表2に示す分量(質量部)で各成分を常温(20℃±15℃、JIS(日本工業規格) Z 8703:1983)下で混合して、実施例1~8及び比較例1~10に係る光造形用樹脂組成物としてのペーストを調製した。
 得られた光造形用樹脂組成物について、光造形機(DWS社製 DIGITALWAX(登録商標) 020D)を用いて、JIS T 6501:2012(義歯床用アクリル系レジン)に記載の寸法の試験片(長さ64.0mm、幅10.0mm、厚さ3.3mm)の造形を行った。この試験片を光造形用樹脂組成物の硬化物として、各種試験を行った。
<強度(曲げ弾性率、曲げ強さ)、靭性(曲げ破断点変位)>
 各実施例及び各比較例に係る光造形用樹脂組成物の硬化物について、空気中で1日保管後、強度(曲げ弾性率、曲げ強さ)、靭性(曲げ破断点変位)の測定を行った。測定においては、万能試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフAG-I 100kN)を用いて、クロスヘッドスピード5mm/minで各測定を実施した(n=5)。測定値の平均値を表1、2に示す。
 曲げ弾性率としては、2.0~4.0GPaの範囲が好ましく、2.5~3.5GPaの範囲がより好ましく、2.75~3.25GPaの範囲がさらに好ましい。曲げ強さとしては、70MPa以上が好ましく、80MPa以上がより好ましく、90MPa以上がさらに好ましい。
 破断点変位としては、破断しないことが好ましい。破断点変位について、変位10mm以上で破断した場合を靭性が良好「○」とし、変位5mm超10mm未満で破断した場合を靭性が中程度「△」とし、変位5mm以下で破断した場合を靭性が悪い「×」とし、「△」以上を合格とした。
<耐水性>
 各実施例及び各比較例に係る光造形用樹脂組成物の硬化物について、37℃の水中に168時間浸漬後、上記曲げ強さ試験と同様に、曲げ強さを測定した(n=5)。測定値の平均値を表1、2に示す。上記靭性における曲げ強さの測定結果を初期の曲げ強さとした時、以下に示す曲げ強さの変化率(低下率)が5%以下であれば耐水性に優れる。表1及び2において、37℃の水中に168時間浸漬後の曲げ強さを「浸漬後の曲げ強さ」と表記する。
 曲げ強さの変化率(低下率)(%)=〔{初期の曲げ強さ(MPa)-37℃の水中に168時間浸漬後の曲げ強さ(MPa)}/初期の曲げ強さ(MPa)〕×100
<耐衝撃性>
 各実施例及び各比較例に係る光造形用樹脂組成物の硬化物について、曲げ試験用ジグの二つの試験片支持部に硬化物を設置し、φ5/8インチSUS304製鋼球(ステンレス鋼球、型番:SUS-5/8、ASONE 研究用総合機器カタログより入手可能)1個を高さ40cmから自由落下させ、硬化物の中心に衝突させた。この試験で、硬化物が破断しないことが好ましい。硬化物が破壊しなかった場合を耐衝撃性が良好「○」とし、硬化物が破壊した場合を耐衝撃性が悪い「×」とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表1及び表2に示す通り、実施例1~8における光造形用樹脂組成物の造形物は、各成分が一体となって、強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性に優れていた。特に、実施例1~8に係る光造形用樹脂組成物の造形物の強度及び耐水性は、比較例1、3、6、9及び10の樹脂組成物より優れていた。
 また、実施例1~8に係る光造形用樹脂組成物の造形物の靭性は、比較例8の樹脂組成物の造形物のものに比べて優れていた。
 さらに、実施例1~8に係る光造形用樹脂組成物の造形物の耐衝撃性は、比較例2、4、5、7及び8の樹脂組成物に比べて優れていた。
 実施例1と、比較例1との対比から、光造形用樹脂組成物が多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)を含有しない成分の組み合わせでは、十分な強度が得られないことが確認された。
 また、実施例1と、比較例2及び3との対比から、光造形用樹脂組成物が多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)を含有しない成分の組み合わせでは、靭性に加えて、強度、耐水性と耐衝撃性を兼ね備えることができないことが確認された。特に、特許文献1に相当する比較例3は、多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量が特許文献1の好適な範囲にあるものの、強度、及び耐水性に改善の余地があった。これに対して、実施例1では、特許文献1の示唆とは反対に、多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量を比較例3より減らしたにもかかわらず、多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)を配合して、他の成分と組み合わせることによって、強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性のすべてにおいて優れていた。
 また、実施例1と、特許文献2に相当する比較例4との対比から、光造形用樹脂組成物が多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)及び多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)を含有しない成分の組み合わせでは、靭性に加えて、耐衝撃性を兼ね備えることができないことが確認された。
 さらに、実施例1と、比較例5、6及び7との対比から、光造形用樹脂組成物が多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)を含有しない成分の組み合わせでは、靭性に加えて、強度、耐水性と耐衝撃性を兼ね備えることができないことが確認された。
 また、実施例1と、比較例8との対比から、光造形用樹脂組成物が多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)の含有量が多すぎるように各成分の組み合わせた場合、靭性及び耐衝撃性を損なうことが確認された。
 さらに、比較例9及び10から、多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)又は多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量が多すぎるように各成分の組み合わせた場合、強度及び耐水性を損なうことが確認された。
 本発明の光造形用樹脂組成物は、造形物の強度、靭性、耐水性及び耐衝撃性に優れるため、各種歯科材料(特に義歯床材料、歯科用咬合スプリント)又は各種睡眠障害治療材料(特に睡眠時無呼吸症候群用治療具)等の口腔内用途に適している。

Claims (13)

  1.  分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)、分子量500以上2000未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)、分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)及び光重合開始剤(D)を含有し、
     重合性単量体の総量100質量%において、
     前記分子量500未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)の含有量が25質量%以上75質量%以下であり、
     前記分子量500以上2000未満の多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)の含有量が8質量%以上32質量%以下であり、
     前記分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量が0.1質量%以上10質量%未満である、光造形用樹脂組成物。
  2.  単官能性(メタ)アクリル系単量体(E)をさらに含有する、請求項1に記載の光造形用樹脂組成物。
  3.  前記多官能性(メタ)アクリル系単量体(A)が、ウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(A)-Iを含有する、請求項1又は2に記載の光造形用樹脂組成物。
  4.  前記多官能性(メタ)アクリル系単量体(B)が、ウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-Iを含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の光造形用樹脂組成物。
  5.  前記多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)が、ウレタン結合を含有する多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iを含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の光造形用樹脂組成物。
  6.  前記多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-I及び/又は多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iが、1分子内に、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ共役ジエン、及び水添ポリ共役ジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含有する(メタ)アクリレートである、請求項4又は5に記載の光造形用樹脂組成物。
  7.  前記多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(B)-I及び/又は多官能性ウレタン化(メタ)アクリル系単量体(C)-Iが、1分子内に、分岐構造を有する炭素数4~18の脂肪族鎖状ジオール単位に由来する構造を有するポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ共役ジエン、及び水添ポリ共役ジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール部分を含有する(メタ)アクリレートである、請求項6に記載の光造形用樹脂組成物。
  8.  前記分子量2000以上の多官能性(メタ)アクリル系単量体(C)の含有量が、重合性単量体の総量100質量%において、0.2質量%以上8.0質量%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の光造形用樹脂組成物。
  9.  請求項1~8のいずれか1項に記載の光造形用樹脂組成物の造形物からなる、歯科材料。
  10.  請求項1~8のいずれか1項に記載の光造形用樹脂組成物の造形物からなる、義歯床材料。
  11.  請求項1~8のいずれか1項に記載の光造形用樹脂組成物の造形物からなる、歯科用咬合スプリント。
  12.  請求項1~8のいずれか1項に記載の光造形用樹脂組成物の造形物からなる、睡眠障害治療材料。
  13.  請求項1~8のいずれか1項に記載の光造形用樹脂組成物を用いて、光学的立体造形法によって立体造形物を製造する立体造形物の製造方法。
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