WO2023136280A1 - フレッシュコンクリート用の粒状化剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、フレッシュコンクリートの粒状化性能に優れた、フレッシュコンクリート用の粒状化剤を提供することを目的とする。 本発明は、(i)水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体又は(ii)重合体の塩、を含有するフレッシュコンクリート用の粒状化剤に関する。

Description

フレッシュコンクリート用の粒状化剤
 本発明は、フレッシュコンクリートを粒状化するための技術、に関する。
 フレッシュコンクリート(通称、生コン)は生コン工場で生産されたのちにミキサー車等によって建設現場まで運ばれて使用されるのが一般的であるが、この際に工事で使用し切れなかったフレッシュコンクリート(所謂、残コン)が頻繁に生じ、一部の残コンは生コン工場に戻ってくる事態(当該残コンを戻りコンと呼ぶ)に直面することになる。この際、残コン及び生コンは洗浄および分離(スラッジ、中和水、石・砂)されたのち、産業廃棄物として埋め立てられることが現実には一般的であるが、当該処理には多大な労力や費用がかかり、また大量の産業廃棄物を生じてしまうといった問題が生じる。日本では生コン出荷量の2~5%程度が残コン及び生コンとして生じている。
 上記の問題につき、残コン及び戻りコンを積極的に再利用する仕組みが検討されてきている。具体的には、残コン及び戻りコン用の処理剤(例:残コンバスター、re-con zero evo、日藻の残コン処理剤等)を残コン又は戻りコンに添加して混和することで粒状化物を生成させ、当該粒状化物を新たな建材(例:敷材、路盤材、土木構造物、建築物)として再利用することである。当該仕組みはサーキュラーエコノミーに資するものとして現在非常に期待されている取り組みの一つとなっている。
 上記処理剤に関する技術は以下の文献によっても紹介がなされている。
 下記特許文献1では高吸収性ポリマー(アニオン性ポリアクリルアミド等)及び急結剤をフレッシュセメント組成物に添加及び混合して粒状化する技術が紹介されている。また下記特許文献2ではアニオン性ポリアクリルアミドを主成分とする高分子団粒化剤を余剰生コンに添加して攪拌する余剰生コンの団粒化処理方法が紹介されている。
 しかしながら、現状では残コン及び戻りコンの再利用が充分に行われているとは言い難い状況にあり、当該再利用が積極的に行われるように残コン及び戻りコン用の処理剤の種類の拡充や使用にあたっての利便性及び機能の向上が切に望まれているのが現状となっている。
国際公開第2012-084716号 特開2017-124569号公報
 本発明は、フレッシュコンクリートの粒状化性能に優れた、フレッシュコンクリート用の粒状化剤を提供することを目的とする。
 本発明者は、鋭意検討した結果、特定の重合体はフレッシュコンクリートを粒状化させる性能が優れていることを見出した。本発明者はその知見に基づいて、下記の本発明を完成させるに至った。
 本発明の好ましい構成は以下の(1)~(10)等において記述されるものである。
(1)(i)水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体又は(ii)重合体の塩、
 を含有するフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
(2)上記の重合体(酸性のpHを示す重合体及び/又は重合体の塩)が溶液中でエマルション化されているものである、前記(1)に記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
(3)上記の重合体がカルボキシル基を有する構造単位を含む、前記(1)又は(2)に記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
(4)上記の重合体が疎水性の構造単位も更に有する共重合体である、前記(1)~(3)に記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
(5)水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体を含有し、当該重合体が25.0℃における10.0質量%の水溶液又は水分散液としたときにpH2.0~5.0を示すものである、前記(1)~(4)のいずれかに記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
(6)上記の重合体の重量平均分子量が1,000~10,000,000である、前記(1)~(5)のいずれかに記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
(7)水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体を含有し、当該重合体が分散媒を水とした上でエマルション化されているものである、前記(1)~(6)のいずれかに記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
(8)急結促進剤を含まない、前記(1)~(7)のいずれかに記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
(9)前記(1)~(8)のいずれかに記載の粒状化剤をフレッシュコンクリートに添加して攪拌した上で其の混合物を養生する工程を含む、粒状化物を形成させる方法。
(10)前記(1)~(8)のいずれかに記載の粒状化剤及びセメントを含有している団粒物。
 本発明のフレッシュコンクリート用の粒状化剤は、フレッシュコンクリートの粒状化性能が優れたものである。
 以下で本発明のフレッシュコンクリート用の粒状化剤、其の使用方法及びそれを含む組成物に係る事項を詳細に説明する。但し、以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明をこの記載範囲にのみ特別限定する趣旨ではない。
(重合体)
 本発明のフレッシュコンクリート用の粒状化剤は、水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体、又は重合体の塩を含むものであり、好ましくは水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体を含み、より好ましくは水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体を含む。
本明細書において、酸性のpHとは、pHが7.0よりも小さい値を意味し、塩基性のpHとは、pHが7.0よりも大きい値を意味する。
 上記酸性のpHを示す重合体は、25.0℃の10.0質量%水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示すものであり、好ましくはpH2.0~6.0を示すものであり、より好ましくはpH2.0~5.0を示すものであり、さらにより好ましくはpH2.0~4.0を示すものである。
上記pHは、実施例に記載の方法により測定することができる。
尚、上記の水溶液又は水分散液は、蒸留水に所定濃度になるように上記重合体を溶解乃至は分散させる等の公知の適当な方法で用意できるものである。
 また、上記重合体の塩は、水溶液又は水分散液としたときに酸性又は塩基性のpHを示す重合体を中和した塩であり、好ましくは水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す上記重合体を中和した塩である。当該塩の具体例として、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等が挙げられるが、好ましくはナトリウム塩である。
(酸性官能基を有する構造単位)
 本発明における水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体は、酸性官能基を有する構造単位を1又は2種類以上含むものである。
当該酸性官能基として、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、亜リン酸基、ヒドロキシ基等が挙げられ、好ましくはカルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸基であり、より好ましくはカルボキシル基である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 上記の酸性官能基を有する構造単位の具体例として、上記式(I)で表現される構造単位がある。
上記式(I)中、R~Rの1又は2以上は酸性官能基であり、それ以外のR~Rが、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1~8の非置換の若しくは置換された1価炭化水素基である。
 上記式(I)において、好ましくはR~Rの1つ又は2つが酸性官能基であり、より好ましくは1つが酸性官能基である。
 上記それ以外のR~Rについては、好ましくは其の2以上が水素原子であり、より好ましくは其のいずれもが水素原子である。上記の炭素数1~8の非置換若しくは置換の1価炭化水素基として、好ましくは炭素数1~4の非置換の1価炭化水素基である。当該非置換の1価炭化水素基として、より具体的には、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基であり、特に好ましくはメチル基が挙げられる。上記の置換された1価炭化水素基は、水素原子の一部又は全部が置換基により置換されたものであるが、当該置換基としてメトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
 上記式(I)で表現される構造単位は、不飽和カルボン酸系単量体が有する炭素-炭素二重結合が開裂した際に形成される構造単位であって良く、当該不飽和カルボン酸系単量体として、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、3-メチルクロトン酸、2-メチル-2-ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、2-メチレングルタル酸が挙げられ、好ましくはアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸又はフマル酸であり、より好ましくはアクリル酸である。
 尚、本明細書において酸性官能基というときは、特記されてない限りにおいて、中和されていない状態のものである。
(疎水性構造単位)
 本発明における重合体は、疎水性構造単位を1又は2種類以上含む共重合体であることが望ましい。
 疎水性構造単位は、上記酸性官能基を有しないものであって、単独重合体の溶解性パラメータが15以下の疎水性単量体由来の構造単位である。
溶解性パラメータは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE」(1974年、Vol.14、No.2)の147~154ページに記載の方法によって計算される値である。
以下にその方法を概説する。単独重合体の溶解性パラメータ(δ)(cal/cm1/2は、該重合体を形成している構成単位の蒸発エネルギー(△ei)及びモル体積(△vi)に基づいて、下記の計算法により算出される。
δ=(△ei/△vi)1/2(cal/cm1/2
上記溶解性パラメータとして好ましくは14以下であり、より好ましくは13以下であり、更に好ましくは12以下であり、特に好ましくは11以下である。上記溶解性パラメータとしては通常5以上である。
疎水性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸と置換基を有していてもよいアルコールとのエステル(置換基を有していてもよい(メタ)アクリレート)類;スチレン等の芳香族ビニル系単量体;プロピレン等のオレフィン系単量体;酢酸ビニル等の不飽和アルコールとカルボン酸とのエステル;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;1-アリルオキシ-3-ブトキシプロパン-2-オール等の炭素数2~8の環状エーテル含有基を有する不飽和単量体と炭素数1~20のアルコールとの付加反応物;アリルアルコールのエチレンオキシド付加物、メタリルアルコールのエチレンオキシド付加物、イソプレノールのエチレンオキシド付加物等の炭素数2~20の不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物及びそれらの末端疎水変性物;N-ビニルピロリドン等の環状ビニル系単量体が挙げられる。
当該疎水性構造単位は、親水性の官能基を有さないものであることが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 上記の疎水性構造単位の好ましい例として、上記式(II)で表現される構造単位がある。上記式(II)中、R~Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1~8の非置換の若しくは置換された1価炭化水素基又は-COOM(Mは炭素数1~8の1価炭化水素基)であり、好ましくはR~Rの1つが-COOMであって残りのR~Rが水素原子又は炭素数1~4の非置換の1価炭化水素基であり、より好ましくはR~Rの1つが-COOMであって残りのR~Rが水素原子である。
 上記Mは、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であり、より好ましくはエチル基である。
上記の非置換の1価炭化水素基として、より具体的には、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基であり、特に好ましくはメチル基が挙げられる。上記の置換された1価炭化水素基は、水素原子の一部又は全部が置換基により置換されたものであるが、当該置換基としてメトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。
 上記式(II)で表現される構造単位は、疎水性の単量体が有する炭素-炭素二重結合が開裂した際に形成される構造単位であって良く、当該疎水性の単量体として、例えばスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙げられるが、好ましくはアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルであり、より好ましくはアクリル酸エステルであって、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル等を挙げることができるが、特に望ましくはアクリル酸エチルである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
 また、上記の疎水性構造単位の好ましい例として、上記式(III)で表現される構造単位もある。上記式(III)中、XはC=O又は(CH)p[pは0~5の整数]であり、R12は炭素数2~8の炭化水素基であり、mは5~300の整数であり、R13は水素原子又は炭素数1~8の1価炭化水素基であるものであって、残りのR~R11が同一又は異なって、水素原子、炭素数1~8の非置換の若しくは置換された1価炭化水素基である。
 上記pは、好ましくは0~2の整数であり、更により好ましくは0である。上記Xは、好ましくはC=O又は(CHであり、より好ましくはC=Oである。R12は、好ましくは炭素数2~4の炭化水素基であり、より好ましくはCである。上記mは、好ましくは5~150の整数であり、より好ましくは8~90の整数である。R13は、好ましくは水素原子又は炭素数1~4の1価炭化水素であり、より好ましくはCHである。上記残りのR~R11は、好ましくは水素原子又は炭素数2~4の1価炭化水素基であり、より好ましくはR~R11のうちの1つが炭素数2~4の1価炭化水素基(望ましくはメチル基)であって残りのR~R11が水素原子である。
 上記式(III)で表現される構造単位は、ポリアルキレングリコール基(水酸基末端)、アルコキシポリアルキレングリコール基(アルキル基末端)、又はフェノキシポリアルキレングリコール基(アリール基末端)を含有する単量体(以下、ポリアルキレングリコール基等含有単量体と言う。)が炭素-炭素二重結合が開裂した際に形成される構造単位であって良く、当該ポリアルキレングリコール基等含有単量体として、例えばポリアルキレングリコールモノメタクリレート、ポリアルキレングリコールモノアクリレート、アルコキシポリアルキレングリコールモノメタクリレート、アルコキシポリアルキレングリコールモノアクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールモノメタクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールモノアクリレート等が挙げられ、好ましくはアルコキシポリアルキレングリコールモノメタクリレート又はアルコキシポリアルキレングリコールモノアクリレートであり、より好ましくはアルコキシポリアルキレングリコールモノメタクリレートである。
 上記アルコキシポリアルキレングリコールモノメタアクリレートとして、例えば、メトキシポリエチレングリコール-メタクリレート、オクトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-メタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール-メタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール-メタクリレートが挙げられ、好ましくはメトキシポリエチレングリコール-メタクリレートである。
 上記フェノキシポリアルキレングリコールモノメタクリレートとして、例えば、フェノキシポリエチレングリコール-メタクリレートが挙げられる。
 上記アルコキシポリアルキレングリコールモノアクリレートとして、例えば、メトキシポリエチレングリコール-アクリレートが挙げられる。
 上記フェノキシポリアルキレングリコールモノアクリレートとして、例えば、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール-アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールアクリレートが挙げられる。
 上記ポリアルキレングリコールモノメタクリレートとして、例えば、ポリエチレングリコール-モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール-モノメタクリレート、ポリエチレングリコール-プロピレングリコール-モノメタクリレート、ポリエチレングリコール-テトラメチレングリコール-モノメタクリレート、プロピレングリコール-ポリブチレングリコール-モノメタクリレートが挙げられる。
 上記ポリアルキレングリコールモノアクリレートとして、例えば、ポリエチレングリコール-モノアクリレート、ポリプロピレングリコール-モノアクリレートが挙げられる。
 また、上記以外のポリアルキレングリコール基を含有する単量体として、3-メチル-3-ブテン-1-オール(イソプレノール)の水酸基にエチレンオキシドを付加(例えばエチレンオキシドの平均付加モル数50)させた化合物も例示として挙げることができる。
 (中和された構造単位)
 本発明における重合体の塩は、中和された酸性官能基又は塩基性官能基を有する構造単位を1又は2種類以上含むものであることが好ましい。より好ましくは中和された酸性官能基を有する構造単位を含むものである。酸性官能基を有する構造単位の好ましい例は上記に記載された通りで、それを中和して塩にすることで本発明における重合体の塩が得られる。
 当該塩基性官能基(未中和)として、具体的にはアミノ基等が挙げられる。
 本発明における重合体の塩において、中和及び未中和の酸性官能基又は塩基性官能基を有する構造単位(mol)に対する中和された酸性官能基又は塩基性官能基を有する構造単位(mol)の比、すなわち、中和された酸性官能基又は塩基性官能基を有する構造単位(例えばアクリル酸ナトリウム由来の構造単位(mol))/中和及び未中和の酸性官能基又は塩基性官能基を有する構造単位(例えばアクリル酸ナトリウム由来の構造単位及びアクリル酸由来の構造単位の合計(mol))は、0.2以上であることが好ましく、より好ましくは0.3以上であり、更に好ましくは0.4以上である。また、上記比として好ましくは0.8以下であり、より好ましくは0.6以下である。
 本発明における重合体の塩は、取り扱い性の観点から水溶液又は水分散体であってよい。
 本発明における重合体の塩に関し、上記重合体の塩が、中和された酸性官能基又は塩基性官能基を有する構造単位を有し、水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体である場合は、本発明における(i)水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体と解する。また、上記重合体の塩が、中和された酸性官能基又は塩基性官能基を有する構造単位を有し、水溶液又は水分散液としたときに中性または塩基性のpHを示す重合体である場合は、本発明における(ii)重合体の塩であると解する。
 本発明における水分散体とは、分散媒である水に、分散質である重合体又は重合体の塩が均一に分散しているものであり、例えば一般的なエマルションが該当する。つまり、本願の水分散体とは、分散質が分散媒である水から分離や沈降、凝集が起こっていないものを言う。例えば水と混合した場合、吸水し、ゲル物となる特許文献1に記載のような高吸水性ポリマーは、本発明における水溶液又は水分散体を形成することができない。つまり、本発明における水分散体を形成する(i)の重合体または(ii)の重合体の塩には、高吸水性ポリマーは含まれないことが好ましく、本発明における粒状化剤において、高吸水性ポリマーが含まれない形態もまた、本発明の好ましい実施形態の1つである。
 ここで、高吸水性ポリマーとは、ERT441.2-02で規定するCRC(無加圧下吸水倍率)が5[g/g]以上のポリマーである。
本発明における重合体は、水溶液又は水分散体とした場合に、沈降物、凝集物の量が重合体100質量%に対して1質量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0.01質量%以下であり、最も好ましくは0質量%である。
前記沈殿物および凝集物とは、重合体または重合体の塩を同重量の水と混合した場合に沈殿または凝集する物を意味し、水溶液、水分散体となる態様は意図しない。
当該沈降物、凝集物の量は、以下の方法により測定することができる。
まず、重合体または重合体の塩を同重量の水と混合し、混合液を、ステンレスメッシュ金網(100メッシュ(目開き0.154mm))を使用して濾過し濾物を得る。得られた濾物を熱風乾燥機で110℃の温度で1時間乾燥させ、得られた残渣を沈殿物、凝集物とし、式:
沈殿物・凝集物量(質量%)=(〔残渣の質量〕÷〔重合体または重合体の塩の質量〕)×100(%)
に基づいて求めることもできる。
 (その他構造単位)
 本発明における重合体は、上記で説明されている構造単位以外の構造単位(IV)を残部に含むことが可能である。
 (重合体の構成)
 本発明における重合体は、上記の酸性官能基を有する構造単位(I)を当該重合体全質量に対して10.0~90.0質量%含むことが好ましい。より好ましくは20.0~60.0質量%、更に好ましくは30.0~50.0質量%含むことが望ましい。また、本発明における重合体は、上記の疎水性構造単位(II)を当該重合体全質量に対して10.0~90.0質量%含むことが好ましい。より好ましくは30.0~70.0質量%、更に好ましくは40.0~60.0質量%含むことが望ましい。また、本発明における重合体は、上記の疎水性構造単位(III)を当該重合体全質量に対して1.0~40.0質量%、好ましくは2.0~30.0質量%含むことが望ましい。
上記構造単位(I)の質量割合は、酸型換算の質量割合である。
本発明において「酸型換算」とは、重合体全質量に対する酸性官能基を有する構造単位(I)の質量割合(組成比)を算出するに際し、対応する酸型の構造単位として計算することを意味する。例えば、アクリル酸ナトリウム由来の構造単位の重合体全質量に対する質量割合を計算する場合、対応する酸型構造であるアクリル酸由来の構造単位として質量計算することを意味する。
構造単位(I)、(II)、(III)以外のその他の構造単位(IV)の含有割合としては、重合体全質量に対して0~10質量%であることが好ましい。より好ましくは0~5質量%であり、更に好ましくは0~1質量%であり、最も好ましくは0質量%である。
本発明における重合体は、酸性官能基を有する構造単位(I)及び疎水性構造単位(II)を含むことが望ましく、より望ましくは酸性官能基を有する構造単位(I)、疎水性構造単位(II)及び疎水性構造単位(III)を含むことが望ましく、それらからなることがより好ましい。
本発明における重合体のいくつかの例として、例えば(I)アクリル酸又はメタクリル酸を用いて重合したもの、当該(I)に加えて(II)アルキル(炭素数1~8のもの)アクリレートを用いて共重合したもの、当該(I)及び(II)に加えて(III)ポリアルキレングリコール基等含有単量体を用いて共重合したもの、(IV)用いるアクリル酸又はメタクリル酸の全て又は一部を中和して重合したもの、等が挙げられる。
 本発明における重合体は、塩基性官能基(未中和)やアミド基を有する構造単位を実質的に含有しないものであることが望ましい。
 本発明における重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)として1,000~10,000,000、好ましくは2,000~8,000,000、より好ましくは3,000~6,000,000であり、更により好ましくは4,000~5,000,000である。また、一態様において上記重合体は、重量平均分子量が10,000~2,500,000であってよく、好ましくは50,000~1,000,000であり、より好ましくは100,000~800,000であり、更により好ましくは200,000~600,000である。
 本発明における重合体のガラス転移温度は、造膜性等の観点から、例えば、-40℃以上、好ましくは-30℃以上、より好ましくは-20℃以上、特に好ましくは-10℃以上等であってもよい。また、本開示の重合体のガラス転移温度の上限値は、例えば、80℃以下、好ましくは75℃以下、より好ましくは65℃以下、特に好ましくは50℃以下等であってもよい。
なお、ガラス転移温度は、ポリマーを構成するモノマー成分に使用されているモノマーの単独重合体のガラス転移温度を用いて、
式(I):1/Tg=Σ(Wm/Tgm)/100  (I)
〔式中、Wmは重合体を構成するモノマー成分における単量体mの含有率(質量%)、Tgmはモノマーmの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度:K)を示す〕で表されるフォックス(Fox)の式に基づいて求められた温度であってもよい。
 本発明における重合体の酸価は、例えば50mgKOH/g以上、好ましくは100mgKOH/g以上、より好ましくは150mgKOH/g以上、更により好ましくは180mgKOH/g以上である。
 当該酸価の上限値は、例えば、500mgKOH/g以下、好ましくは400mgKOH/g以下、より好ましくは300mgKOH/g以下である。
 本開示における重合体の酸価は、例えば、自動滴定装置(商品名:COM-555、平沼産業社製)によってJISK0070:1992に従って重合体固形分1g当たりの酸価(mgKOH/g)を測定することによって求められる。
 本発明のフレッシュコンクリート用の粒状化剤100質量部における、重合体及び重合体の塩の合計の含有量は、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、25質量部以上がさらに好ましく、60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましい。
 本発明のフレッシュコンクリート用の粒状化剤100質量部における、固形分(不揮発分)の含有量は、10質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、25質量部以上がさらに好ましく、60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましい。
 本発明の固形分(不揮発分)としては、公知の方法によって求めることができ、例えば粒状化剤1gを秤量し、熱風乾燥機で110℃の温度で1時間乾燥させ、得られた残渣を不揮発分とし、式:
粒状化剤における不揮発分量(質量%)=(〔残渣の質量〕÷〔粒状化剤1g〕)×100(%)
に基づいて求めることもできる。 
 (エマルション)
 本発明のフレッシュコンクリート用の粒状化剤は、上記で説明される重合体が単に溶媒中に溶解又は分散させられた状態の液体であってもよいが、当該重合体が乳化剤によって覆われて粒子化(ミセル化)されたエマルションの形態であることが特に望ましい。
 当該エマルションとして、例えば、O/W型(水中油型)、W/O型(油中水型)、O/W/O型(油中水中油型)、W/O/W型(水中油中水型)等が挙げられるが、好ましくはO/W型、W/O型であり、より好ましくはO/W型である。例えば特許文献1に記載の高吸収性ポリマーにおいては粉体の状態で使用することからフレッシュコンクリートを混合する際の取扱い性の改善が求められているが、O/W型エマルションを用いることにより、散布の際の作業性に優れ、フレッシュコンクリートに添加した際に急激な増粘を抑制し、均質な粒状化が期待できる。
また、特許文献2に記載のアニオン性ポリアクリルアミド系高分子はエマルジョンであるものの油中水型エマルジョンであることから環境保護の観点から改善が求められていた。これに対して、本発明の粒状化剤がO/W型エマルションである場合に、環境に対する負荷をより低減することができる。
 エマルションの分散媒としては、水、油、アルコール等が挙げられるが、好ましくは水が用いられる。固形分(重合体及び乳化剤)は、エマルションの全質量に対して1.0~80.0質量%、好ましくは10.0~50.0質量%、より好ましくは20.0~40.0質量%含まれる。
 エマルションの製造に使用される乳化剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、高分子乳化剤などが挙げられ、これらの乳化剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。乳化剤はそれに内包される上記重合体の全質量に対して1.0~20.0質量%、好ましくは1.0~5.0質量%で上記エマルションに存在することが望ましい。
 上記エマルションの粘度は、例えば、500mPa・s以下、好ましくは1~400mPa・s、より好ましくは5~300mPa・sである。
上記エマルションの粘度は、B型回転粘度計(ローターNo.2)を用いて、25℃、60rpmの条件により測定することができる。
 また、上記エマルションはpHが2.0~4.0であることが望ましい。エマルションのpHの測定方法は公知の手法を用いることができる。例えば、25℃でpHメーター(株式会社堀場製作所製LAQUA)を用いてJIS Z8802に準拠して測定する方法などが挙げられる。
 本発明におけるエマルション中の粒子(ミセル)の平均粒子径は、例えば、30nm以上、好ましくは50nm以上等であってもよく、エマルション粒子の平均粒子径の上限値は、例えば、3,000nm以下、好ましくは1,000nm以下等であってもよい。なお、エマルション粒子の平均粒子径は、動的光散乱法による粒度分布測定器〔パーティクル・サイジング・システムズ(Particle Sizing Systems)社製、商品名:NICOMP Model 380〕を用いて測定された体積平均粒子径であってよい。
 上記の乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、アニオン乳化剤(例えば、アンモニウムドデシルサルフェート、ナトリウムドデシルサルフェートなどのアルキルサルフェート塩;アンモニウムドデシルスルホネート、ナトリウムドデシルスルホネートなどのアルキルスルホネート塩;アンモニウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムドデシルナフタレンスルホネートなどのアルキルアリールスルホネート塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ジアルキルスルホコハク酸塩;アリールスルホン酸-ホルマリン縮合物;アンモニウムラウリレート、ナトリウムステアリレートなどの脂肪酸塩等)、ノニオン乳化剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの縮合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、エチレンオキサイドと脂肪族アミンとの縮合体等)、カチオン乳化剤(例えば、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、エステル型ジアルキルアンモニウム塩、アミド型ジアルキルアンモニウム塩、ジアルキルイミダゾリニウム塩等)、両性乳化剤(例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等)、高分子乳化剤(例えば、ポリビニルアルコールおよびその変性物;(メタ)アクリル酸系水溶性高分子;ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸系水溶性高分子;ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸系水溶性高分子;ポリビニルピロリドン等)等が挙げられ、好ましくはアニオン乳化剤であり、より好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩である。
(エマルションの製造方法)
 上記重合体を含むエマルションの製造方法は、特に限定されないが、例えば、溶媒中で、上記重合体の原料であるモノマー成分を乳化重合することにより製造してもよい。
 溶媒としては、例えば、水、水を含む溶媒[例えば、水とアルコール(例えば、メタノール、エタノール等のC1-4アルコール)の混合溶媒]等の水性溶媒が挙げられる。溶媒は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
 モノマー成分を乳化重合させる方法としては、特に限定されないが、例えば、乳化剤を含む溶媒に、モノマー成分を滴下などして重合する方法、予め乳化剤によって乳化させておいたモノマー成分を溶媒に滴下などして重合する方法等が挙げられる。具体的な乳化剤の例としては、上記で挙げられたものが存在する。
 乳化剤は、1種又は2種以上を使用してもよい。また、乳化剤としては、非反応性乳化剤であってもよいし、反応性乳化剤であってもよいが、エマルションの粒子安定性の観点から非反応性乳化剤が好ましく、非反応性アニオン乳化剤がより好ましい。
 なお、溶媒の量は、得られるエマルションに含まれる不揮発分量等を考慮して適宜設定すればよい。
 重合は、重合開始剤の存在下で行ってもよい。
 重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2―ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、4,4-アゾビス(4-シ アノ吉草酸)、2,2-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)などのアゾ化合物;過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、過酸化アンモニウムなどの過酸化物などが挙げられる。
 重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
 重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、単量体成分100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上、好ましくは0.1質量部以上等であってよく、例えば、2質量部以下、好ましくは1質量部以下等であってもよい。
 重合開始剤の添加方法は、特に限定されないが、例えば、一括仕込み、分割仕込み、連続滴下などが挙げられる。
 なお、重合反応は、必要に応じて、還元剤(例えば、亜硫酸水素ナトリウム)、重合開始剤の分解剤(例えば、硫酸第一鉄などの遷移金属塩)、連鎖移動剤[例えば、チオール基を有する化合物(例えば、tert-ドデシルメルカプタン)]、pH緩衝剤、キレート剤等の存在下で行ってもよい。
重合の際の雰囲気は、特に限定されないが、重合効率などの観点から、窒素ガスなどの不活性ガスであってもよい。
 重合温度は、特に限定されないが、例えば、50~100℃、好ましくは60~95℃であってもよい。重合温度は、一定であってもよく、重合反応の途中で変化させてもよい。重合時間は、特に限定されず、重合反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、例えば、1時間以上(例えば、1~24時間)、好ましくは2~12時間(例えば、2~9時間)程度であってもよい。
 (粒状化剤)
 本発明のフレッシュコンクリート用の粒状化剤は、フレッシュコンクリートに添加して攪拌した上で其の混合物を養生することによって粒状化物を形成させるような工程に用いられることが特に期待される。
本発明は、フレッシュコンクリートの粒状化のための、(i)水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体又は(ii)重合体の塩の使用でもある。
上記粒状化剤をフレッシュコンクリートに添加して攪拌した上で其の混合物を養生する工程を含む粒状化物の形成方法もまた、本発明の1つである。
更に、上記粒状化剤をフレッシュコンクリートに添加する工程と、該添加工程で得られた混合物を養生する工程とを含む粒状化物の製造方法もまた、本発明の1つである。
フレッシュコンクリートは、セメントと水を混和した後に硬化する前のコンクリートのことであるが、本発明において其の水セメント比(W/C%)は20~60%、好ましくは30~55%、より好ましくは40~50%である。上記粒状化剤は、フレッシュコンクリート1mあたりに0.5~5.0kgの範囲で添加されることが望ましい。上記の攪拌はドラム内で10~60rpmで2~10分程度行えば良く、上記の養生は少なくとも1時間外気中にて置いておけば可能である。本発明の粒状化剤のより具体的な使用工程の想定例として、フレッシュコンクリートが先に投入されてあるミキサー(例:生コン車)に当該粒状化剤を投入して攪拌し、攪拌後にフレッシュコンクリートを排出する、もしくは廃棄ピットに残コンを排出し、剤を添加し手もしくは重機等で撹拌・混練し、それを養生することが考えられる。
 尚、本発明のフレッシュコンクリート用の粒状化剤は、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミナセメント等の急結促進剤を含むものであっても良いが、それらを含まないものであっても良い。
上記粒状化剤における急結促進剤の含有割合は、粒状化剤100質量%に対して1質量%以下であることが好ましい。より好ましくは0.5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下であり、最も好ましくは0質量%である。
上記粒状化剤が、急結促進剤を含まない形態は本発明の好ましい実施形態の1つである。
 (粒状化物)
 本発明の粒状化剤のフレッシュコンクリートへの使用により、本発明の粒状化剤とセメントを含む粒状化物が製造される。当該粒状化物は新たな建材(例:敷材、路盤材、土木構造物、建築物)として再利用されることが期待されるものである。そのため、当該粒状化物は、長径が60mm以下、好ましくは50mm以下であり、5mm以上のもの(粗骨材相当)と5mm以下のもの(細骨材相当)が含まれており、それらを分別して使用可能であることが望ましい。
 次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において、特に断りがない限り、「部」は「質量部」を意味する。
<製造例1:セメント分散剤1である重合体の製造>
 ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水80.0部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら70℃まで加温した。次に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル(エチレンオキシドの平均付加モル数9個)133.4部、メタクリル酸26.6部、メルカプトプロピオン酸1.53部およびイオン交換水106.7部の混合溶液を4時間かけて滴下し、それと同時に過硫酸アンモニウム1.19部とイオン交換水50.6部の混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下完了後1時間、70℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子量100,000であるセメント分散剤1の水溶液を得た。
<実施例1>
 滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に脱イオン水453部、乳化剤〔(株)第一工業製薬製、商品名:ハイテノールLA-10〕の20%水溶液64部を仕込んだ。滴下ロートに脱イオン水30部、乳化剤〔(株)第一工業製薬製、商品名:ハイテノールLA-10〕の20%水溶液32部、エチルアクリレート322部、メタクリル酸234部およびメチルポリエチレングリコール(90)モノメタクリレート〔日油(株)、商品名:ブレンマーPME-4000〕の10%水溶液832部からなるプレエマルションを調製し、そのうちの73部をフラスコ内に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら72℃まで昇温し、亜硫酸水素ナトリウムの5.0%水溶液2.3部および過硫酸アンモニウムの1.0%水溶液8部をフラスコ内に添加することにより、重合を開始した。次に、滴下用プレエマルションの残部および過硫酸アンモニウムの1.0%水溶液144部を120分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、フラスコの内容物を72℃で60分間維持し、冷却して重合反応を終了した。得られた反応液を室温まで冷却した後、300メッシュ(JISメッシュ、以下同じ)の金網で濾過することにより、不揮発分量が29.6質量%であるエマルションを得た。当該樹脂エマルションに含まれるエマルション粒子は、平均粒子径が136nmでエマルション粒子全体のガラス転移温度は14℃であった。
<実施例2~12>
 実施例1で使用した単量体成分(エチルアクリレート、メタクリル酸、メチルポリエチレングリコール(90)モノメタクリレート)及び其の組成比等を下記表1、2に示す単量体成分(a、b、c)及び其の組成比(質量比)(a:b:c)等に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2~12の各エマルションを得た。当該樹脂エマルションの詳細な性質を下記表1、2に示す。
 本明細書において製造した重合体やエマルションの特性の評価方法の詳細について以下で記載しておく。
<粒子径>
 なお、本明細書において、エマルション粒子の平均粒子径は、動的光散乱法による粒度分布測定器〔パーティクル・サイジング・システムズ(Particle Sizing Systems)社製、商品名:NICOMP Model 380〕を用いて測定された体積平均粒子径を意味する。
<固形分(不揮発分)>
 エマルションにおける固形分量は、エマルション1gを秤量し、熱風乾燥機で110℃の温度で1時間乾燥させ、得られた残渣を不揮発分とし、式:エマルションにおける不揮発分量(質量%)=(〔残渣の質量〕÷〔エマルション1g〕)×100(%)に基づいて求められた値を意味する。
<分子量>
 重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
〔東ソー(株)製、品番:HLC-8120GPC、カラム:TSKgel G-5000HXLとTSKgel GMHXL-Lとを直列に使用〕を用いて測定した。(ポリスチレン換算)
<pH>
pHは、25℃でpHメーター(株式会社堀場製作所製 LAQUA)を用いてJISZ8802に準拠し測定した。
<Tg>
本明細書において、樹脂のガラス転移温度は、当該樹脂を構成する単量体成分に使用されている単量体の単独重合体のガラス転移温度を用いて、式:
   1/Tg=Σ(Wm/Tgm)/100
〔式中、Wmは樹脂を構成する単量体成分における単量体mの含有率(質量%)、Tgmは単量体mの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度:K)を示す〕
で表されるフォックス(Fox)の式に基づいて求められた温度を意味する。
本明細書においては、エマルション粒子を構成する樹脂のガラス転移温度は、特に断りがない限り、前記フォックス(Fox)に基づいて求められたガラス転移温度を意味する。
複数の樹脂層を有するエマルション粒子全体のガラス転移温度は、多段乳化重合の際に用いられたすべての樹脂層の原料として用いられた全単量体成分に使用されている単量体の単独重合体のガラス転移温度を用いて、前記フォックス(Fox)の式に基づいて求められたガラス転移温度を意味する。なお、特殊単量体、多官能単量体などのようにガラス転移温度が不明の単量体については、単量体成分における当該ガラス転移温度が不明の単量体の合計量が質量分率で10質量%以下である場合、ガラス転移温度が判明している単量体のみを用いてガラス転移温度が求められる。単量体成分におけるガラス転移温度が不明の単量体の合計量が質量分率で10質量%を超える場合には、樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析(DSC)、示差熱量分析(DTA)、熱機械分析(TMA)などによって求められる。
樹脂のガラス転移温度は、例えば、メチルメタクリレートの単独重合体では105℃、2-エチルヘキシルアクリレートの単独重合体では-70℃、n-ブチルアクリレートの単独重合体では-56℃、シクロヘキシルメタクリレートの単独重合体では83℃、tert-ブチルメタクリレートの単独重合体では107℃、2-ヒドロキシエチルメタクリレートの単独重合体では55℃、アクリル酸の単独重合体では95℃、メタクリル酸の単独重合体では130℃、スチレンの単独重合体では100℃である。
<酸価>
 自動滴定装置(商品名:COM-555、平沼産業社製)を用いてJISK0070:1992に従い樹脂固形分1g当たりの酸価(mgKOH/g)を測定した。
なお、表1~表3に記載の製品名または略号は、以下のことを意味する。
MAA:メタクリル酸
EA:エチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
EO:エチレンオキシド(エチレングリコール)
PO:プロピレンオキシド(プロピレングリコール)
BO:ブチレンオキシド(ブチレングリコール)
ブレンマー(登録商標)PME-4000:メトキシポリエチレングリコール(90)モノメタクリレート
ブレンマー(登録商標)PSE-1300:ステアロキシポリエチレングリコール(30)モノメタクリレート
ブレンマー(登録商標)PP-800:ポリプロピレングリコール(13)モノメタクリレート
ブレンマー(登録商標)PE-350:ポリエチレングリコール(8)モノメタクリレート
ブレンマー(登録商標)10PPB-500B:プロピレングリコールポリブチレングリコール(6)モノメタクリレート
ハイテノールLA-10:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム塩
アデカリアソープSR-20:エーテルサルフェート型アンモニウム塩
IPN-50:3-メチル-3-ブテン-1-オール(イソプレノール)の水酸基にエチレンオキシドを平均付加モル数50で付加させたもの
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
<実施例13>
PAA還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5LのSUS製反応容器に、脱イオン水:1358.8gを仕込み、攪拌下で沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点の重合反応系中に、80重量%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」と称する):523.5g(すなわち5.82モル)を75分間、15重量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下「15%NaPS」と称する):7.8gを140分間、脱イオン水:109.9gを140分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに65分間、上記反応液を沸点に保持(熟成)し、重合を完結させることで(メタ)アクリル酸系重合体の水溶液を得た。該水溶液の重量平均分子量(Mw)は45万、数平均分子量(Mn)は7.3万であった。
<実施例14>
 容量2000mlのステンレス製容器に37%アクリル酸ナトリウム水溶液1460gを入れた。このアクリル酸ナトリウム水溶液を窒素バブリングすることにより溶存酸素を除去した。次いでこの水溶液を20℃に温度調整した後、光重合開始剤であるV-50(和光純薬工業社製、アゾ系光重合開始剤、化学名:2,2′-アゾビス-2-アミジノプロパン2塩酸塩)の0.289%水溶液20g及び連鎖移動剤である次亜燐酸ナトリウムの0.862%水溶液20gを添加し均一混合した。反応液中の単量体(アクリル酸ナトリウム)濃度は36質量%であった。V-50の添加量は単量体1モルに対して0.01gであった。次亜燐酸ナトリウムの添加量は単量体1モルに対して0.03gであった。ポリアクリル酸完全中和重合体の重量平均分子量(Mw)は64万であり、数平均分子量(Mn)は11.2万であった。また、分散度(Mw/Mn)は5.7であった。
<実施例15>
 容量2000mlのステンレス製容器にアクリル酸240g、37%アクリル酸ナトリウム水溶液918g及びイオン交換水282gを入れ、アクリル酸部分中和塩水溶液を得た。このアクリル酸部分中和塩水溶液を窒素バブリングすることにより溶存酸素を除去した。次いでこの水溶液を20℃に温度調整した後、光重合開始剤であるダロキュア1173(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、化学名;2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン)の0.36%アクリル酸溶液20g及び連鎖移動剤である0.36%次亜燐酸ナトリウム水溶液20gを添加し均一混合して反応液を得た。この反応液中には、単量体としてアクリル酸とアクリル酸ナトリウムが含まれ、全単量体中の塩型単量体(アクリル酸ナトリウム)の割合、つまり中和度は50モル%であった。また、この反応液中の単量体(アクリル酸とアクリル酸ナトリウム)濃度は40質量%であった。ダロキュア1173の添加量は単量体1モルに対して0.01gであった。次亜燐酸ナトリウムの添加量は単量体1モルに対して0.01gであった。重合体塩の重量平均分子量(Mw)は253万であり、数平均分子量(Mn)は4.4万であった。また、分散度(Mw/Mn)は57.5であった。
 実施例13~15の重合体に用いられた単量体成分の組成(モル比)および共重合体(塩)の性質を下記表3に示す。
AA:アクリル酸
SA:アクリル酸ナトリウム
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
<コンクリート混練方法と粒状化試験>
 セメントとして普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)、細骨材として大井川水系産陸砂、粗骨材として青海産砕石、混練水として水道水を用い、セメント:382kg/m、水:172kg/m、細骨材:796kg/m、粗骨材:930kg/m、細骨材率(細骨材/細骨材+粗骨材)(容積比):47%、水/セメント比(質量比):0.45となる配合にてフレッシュコンクリートを調製した。
 上記調整のための混練は室温20±3℃、湿度60±5%の環境下で強制練りミキサーを用いて混練時間90秒間で実施した。また、上記フレッシュコンクリートのフロー値と空気量の測定を日本工業規格(JISA-1101、1128:2014)に準拠して行い、其のスランプフロー値が400mm±20mmになるようにセメント分散剤1を添加した。
 なお、上記フレッシュコンクリートの温度が20℃の測定温度になるように、測定に使用する材料、強制練りミキサー、測定器具類を上記の測定温度雰囲気下で調温し、混練および各測定は上記の測定温度雰囲気下で行った。また、上記フレッシュコンクリート中の気泡がセメント組成物の流動性に及ぼす影響を避けるために、必要に応じてオキシアルキレン系消泡剤を用い、空気量が4.5±0.5%となるように調整した。
 フロー値と空気量を測定した後、30分間静置保持後に、70L容量の可傾式ミキサー(KYC社製)に上記フレッシュコンクリートを投入し、そこに実施例1~15で製造した溶液のいずれかを添加した上で、回転数は20rpmに設定して5分間攪拌したのち、粒状化物をミキサーから排出した上で1時間静置して養生させた。当該養生後に目開きが約4mmのJIS篩と約10mmのJIS篩を用いて分級(篩過)することを実施例1~15に係る上記粒状化物の其々において行った。
 なお、上記のミキサー中のフレッシュコンクリートに対して、実施例1~12の溶液(エマルション)は0.5kg/mとなる量で添加され、実施例13~15においては4.0kg/mとなる量で添加された。上記篩過した結果を下記の表4~6において示す(当該表中、数値のみ表示されたものの単位は質量%である)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
 表4、5の結果より、本発明に係る実施例1~12(カルボキシル基を1つ有する構造単位を含む)はフレッシュコンクリートを粒状化する性能に優れていることが示された。また、ポリアルキレングリコール基(水酸基末端)又はアルコキシポリアルキレングリコール基(アルキル基末端)を有する構造単位を含む実施例1~10においては、実施例11、12と比較して、粒状化物のサイズが小さくなる傾向がみられた。更に、エマルション化されている実施例1~12は、後述のエマルション化されていない実施例13~15と比較して添加量が少ないにもかかわらず同程度の粒状化の結果を示すことが確認された。
 表6の結果より、本発明に係る実施例13~15(カルボキシル基を1つ有する構造単位及び/又は其れが中和されたものを含む)はフレッシュコンクリートを粒状化する性能に優れていることが示された。また、カルボキシル基が中和された構造単位を含む実施例14、15は、実施例13と比較して、粒状化物のサイズが小さくなる傾向がみられた。

 

Claims (10)

  1.  (i)水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体又は(ii)重合体の塩、
     を含有するフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
  2.  上記の重合体がエマルション化されているものである、請求項1に記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
  3.  上記の重合体がカルボキシル基を有する構造単位を含む、請求項1又は2に記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
  4.  上記の重合体が疎水性の構造単位も更に有する共重合体である、請求項1~3のいずれかに記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
  5.  水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体を含有し、当該重合体が25.0℃における10.0質量%の水溶液又は水分散液としたときにpH2.0~5.0を示すものである、請求項1~4のいずれかに記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
  6.  上記の重合体の重量平均分子量が1,000~10,000,000である、請求項1~5のいずれかに記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
  7.  水溶液又は水分散液としたときに酸性のpHを示す重合体を含有し、当該重合体が分散媒を水とした上でエマルション化されているものである、請求項1~6のいずれかに記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
  8. 急結促進剤を含まない、請求項1~7のいずれかに記載のフレッシュコンクリート用の粒状化剤。
  9.  請求項1~8のいずれかに記載の粒状化剤をフレッシュコンクリートに添加して攪拌した上で其の混合物を養生する工程を含む、粒状化物を形成させる方法。
  10.  請求項1~8のいずれかに記載の粒状化剤及びセメントを含有している団粒物。
     

     
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