本発明は、余剰生コンの団粒化方法およびそれによる再生材の製造方法およびそれに使用する団粒化装置に関するものである。
生コンの多くは、用途に応じた所定の配合で製造され、打設前の生コンのフレッシュ性状の試験結果で硬化コンクリートに影響を及ぼすものと判断されたものは、その時点で不合格となり使用されない。なお、生コンのフレッシュ性状とは生コンの練混ぜ直後から、打設されて凝結・硬化に至るまでの状態にあるコンクリートの状態をいうが、主に、現場での作業性を評価する言葉として使われ、現場で実施される試験としてはスランプ試験や空気量試験で判定する場合が多い。
建設工事現場で使用する生コンは、生コン工場で製造し生コン車で現場まで配達され、その際に現場で不合格になった生コンや所定時間内に打設出来なかった生コンおよび使い残した生コンは、一般に生コン工場に戻して処理されている。
このような余剰生コンは、生コン工場だけでなくコンクリート製品工場でも発生し、そのままの状態で有効利用されることは少なく、一般的には、生コン工場に持ち帰った後に処理される。
生コン工場に持ち帰った余剰生コン(工事現場やコンクリート製品工場等において、余った生コンや不要になった生コン)を処理する場合、余剰生コンに加水して、固形物とスラリー分と固形分(砂利・砕石・砂分等)に分級し、スラリー分は水処理を行い、固形分の内利用可能なものは使用し、その他は産廃物となる。また、余剰生コンを硬化後に破砕してコンクリートガラとして処分する方法や他の処理業者に委託して処分されることもある。
硬化していない状態(流動化状態)の余剰生コンは産業廃棄物においては、無機汚泥という扱いになるが、硬化した状態だとコンクリートくず(強度が8N/mm2以上あるコンクリート)として扱われている。
余剰生コンの有効利用の一例は、残コンを団粒化し、路盤材や土壌改良材等として使用することであり、例えば下記特許文献1には、使用されずに残った生コンクリートに投入される残コン処理材であって、水溶紙で袋状に形成された包装体と、該包装体の内部に封入された粉末状または顆粒状の吸水性高分子体とを具備することを特徴とする残コン処理材が開示されている。
実用新案登録第3147832号公報
この特許文献1では、残コン処理材を余剰生コンに投入し、その後にアジテータ車のコンクリート・ミキサーのドラムを回転させることによって余剰生コンを撹拌すると、骨材を核としてその周囲にセメントと吸水性高分子体との混合物の層が形成され、団子状の造粒体となる。この造粒体は、その後、セメントの水分による硬化により、硬くなる。このようにして得られる硬化した造粒体は、そのまま、路盤材として使用することができるとある。
特許文献1における吸水性高分子体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸塩、アクリルアミド、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、スチレンスルホン酸塩、無水マレイン酸等の一種類の重合体、あるいは、二種類以上の共重合体を使用する。
特許文献1では残コン処理材を残コンに投入すると、水溶紙で形成された包装体が残コン中の水に溶解または分散し、包装体に封入されていた吸水性高分子体が残コンと接触する。そして残コンが撹拌されると、残コンと混ざり合った吸水性高分子体が残コン中の水を吸収して膨潤し、三次元的な網目構造を有するゲルを形成すると共に、その網目とセメントペーストが絡み合い、骨材は吸水性高分子体とセメントの網目構造の中に取り込まれる。
コンクリート製造事業所に残コンを持ち帰ったアジテータ車のドラム内の残コンに残コン処理材を投入し、撹拌によって残コンが練り混ぜられると、吸水性高分子体のゲルとセメントとの混合物層が骨材を核として成長し造粒されて、ほぼ球形の団子状の造粒体となると記載されている。
下記特許文献2は、余剰の生コンクリートをドラム内で団粒化し、且つ該ドラムに新しく投入される生コンクリートの流動性の低下を抑制する生コンクリート凝集剤及び生コンクリートの処理方法として提案されたもので、ポリアクリル系、ポリビニルアルコール系、多糖類系、及びタンパク質からなる群より選ばれた水分を吸収しうる高分子吸収体を分散質として、例えば有機溶媒、塩水溶液等の高分子吸収体を溶解しない分散媒中に備える生コンクリート凝集剤を余剰の生コンクリートと混合し、排出する。
特開2009−126761号公報
この特許文献2では、生コンクリート凝集剤は、ポリアクリルアミド系の高分子吸収体を分散質として分散媒中に備える生コンクリート凝集剤(商品名:トンネルA3−L、住友大阪セメント社製)を用いる。
下記特許文献3は、廃棄物を生成させずに短時間で未硬化の残コンクリートを粒状材料へ転化させる、残余フレッシュコンクリートを再生利用する新しい方法として提案されたもので、急結促進剤及び高吸収性ポリマーを未硬化のフレッシュセメント組成物に添加することを内容とする。
特許5813131号公報
特許文献3は、急結促進剤が、ケイ酸ナトリウム、又はアルミン酸カルシウム水和物を形成する物質から選択され、高吸収性ポリマーは、イオン性SAPであり、特にアクリル酸で修飾され直鎖及び架橋構造を共に有するポリアクリルアミドをベースとしたものである。
急結促進剤の用量が、コンクリート1m3当たりの用量として0.3〜50kg/m3、好ましくは0.6〜20kg/m3、より好ましくは0.8〜15kg/m3の範囲である。
高吸収性ポリマーの用量が、コンクリート1m3当たりの用量として0.05〜10kg/m3、好ましくは0.1〜5kg/m3、より好ましくは0.15〜2kg/m3の範囲である。
下記特許文献4は余剰生コン(残コン)等の硬化していないコンクリート組成物やセメント組成物を団粒化することが可能となる生コンクリート凝集材として提案されたもので、重量平均分子量が1,100万乃至2,200万のアニオン性ポリアクリルアミド系高分子化合物(式I)を、生コンクリート凝集剤として使用する。
特開2014−181147号公報
前記特許文献1〜特許文献4はアジテータ車を利用することを原則とするものであるが、次のような問題がある。
余剰生コンは使い残しにより出荷時に比べて容積が少なくなっているので、図21に示すように生コン搭載のアジテータの内部の余剰生コンの表面の位置は、出荷時の位置より下にある。余剰生コンをアジテータ内に投入して撹拌する場合、アジテータを回転させる。
しかし、スパイラル状の翼をドラムの側壁に部分的に取り付けた状態となっているため、流動化している生コンの場合は図22Aに示すようにその表面の位置をキープしたままでアジテータが撹拌される。
そして団粒化剤が添加されることで、余剰生コンが団粒化剤に触れた部分を中心に流動性が失われ粘着力が増大するため、図22Bに示すようにドラム側壁に付着したまま回転されることがある。
これは、ドラムの回転数によっても異なるが、一般的にコンクリート混和剤を後添加した際のドラム回転数は10min-1〜18min-1程度、遠心力が働く状態になる。
また、ドラム側面はスチール製であり、生コンの骨材との撹拌等で無数に細かい傷があり表面積を大きくしているので、団粒化物が付着しやすい環境になっている。
かかる付着物は大きな硬いブロックを形成することがあり、排出及び廃棄するのに努力を要し、時間の浪費と追加コストを伴う。
特許文献3ではこのような欠点を補うために、急結促進剤を併用する必要がある。
また、特許文献4では、生コンクリートを団粒化させるための凝集剤として、アニオン性のポリアクリルアミド系高分子化合物を使用する場合、分子量は、大きすぎると団粒化が達成されず、小さすぎると次バッチのモルタルのフローを低下させるとされ、また、イオン性がない場合、即ちアニオン部を有しない場合は、団粒化が達成されないとある。特に、イオン性の強さ(アニオン部の割合)については、大きすぎると団粒化が達成されず、小さすぎると次バッチのモルタルのフローを低下させるとある。
特許文献4は表2の比較例1,2において、イオン性の強さ(モル%)26または23、平均分子量(×10,000)1,600、または2,300は団粒化状体が「×」となっていて、イオン性の強さ(モル%)が制限される。
また、特許文献1や特許文献2は顆粒状にした高吸収性ポリマーはものが使用されるが、作業性が悪い。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、生コン車搭載のアジテータ内で流動化している余剰生コンを団粒化するのにアジテータで攪拌せずに、排出後に撹拌装置にかけることでアジテータ車を利用することのトラブルを回避でき、しかも、システム化により流動化している余剰生コンを容易に移動、移送、解す、積込み、破砕、分級等の作業を容易にすることができ、しかもアニオン性のポリアクリルアミド系高分子化合物を使用する場合、イオン性が強いものでも団粒化が実現でき、かつ、これまで実施してきた骨材分級工程や作業性を改善することができ、また、水処理設備等の小規模化等に寄与できる余剰生コンの団粒化方法およびそれによる再生材の製造方法およびそれに使用する団粒化装置を提供することにある。
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、生コン車搭載のアジテータ内で流動化している余剰生コンを排出後に撹拌装置にかけ、事前にエマルジョン化させた、重量平均分子量が、1000万〜2500万、アニオン性単量体としては25〜100モル%のアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子団粒化剤を添加して、該撹拌装置により空気間隙量を増大化させることを要旨とするものである。請求項2記載の本発明は、余剰生コンは生コン車搭載のアジテータ内で流動化しているもので、アジテータから排出後に撹拌装置にかけることを要旨とするものである。
請求項1および請求項2記載の本発明によれば、生コン車搭載のアジテータ内で流動化している余剰生コンを団粒化するのにアジテータでそのまま攪拌せずに、排出後に撹拌装置にかけることでアジテータ内で付着物として大きな硬いブロックを形成して排出及び廃棄するのに努力を要し、時間の浪費と追加コストを伴うというアジテータ車を利用することのトラブルを回避できる。
また、アニオン性単量体としては25〜100モル%のアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子団粒化剤というイオン性が強いものでも撹拌装置により空気間隙量を増大化させることができるので団粒化が確実に実現できる。
しかもアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子団粒化剤は、事前にエマルジョン化させたものであり、これにより撹拌時間を短いものとすることができ、作業効率を上げることができる。
団粒化直後の余剰生コンは、水分の排出はほとんどなく山積みできる状態になる。また、時間経過と伴にセメントの水和により固化される(団粒固化)されるが、団粒化時の間隙が残っているため、強度的には脆い状態で硬化コンクリートの破壊強度に比べて遥かに小さい強さで破壊されるものとなる。
団粒化初期の段階で、セメント粒子も団粒化剤により凝結される。セメントはこれとは別の凝集作用があり結合水を取り込む。ただし、間隙量が大きい状態であるため拘束水の一部と自由水は間隙水として残る。時間と共に間隙中の水分は気化され空気間隙量が大きくなる。つまり、セメントペーストは水分が少ないほうが強い接着力を示すが、団粒化により元の余剰生コンより空気間隙量が増大するため単位容積質量は小さくなり、単位容積当たりに混入しているセメント質量は少なくなっている。
すなわち、元の余剰生コンよりセメントペーストの濃度が濃くなるが、総体的なセメント量は、湿潤密度が小さくなるので単位容積当たりのセメント質量は少なく空気量が多いので壊れやすい状態で固まっているといえる。
余剰生コンから骨材を回収するような場合において、硬化後の破砕強度は小さくなるため、その破壊エネルギー量により破砕作業(設備やエネルギーコストの低減)は容易になる。また、分級せずに団粒化物を解した状態でも路盤用材料などにも利用できる。
請求項3記載の本発明は、アニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子団粒化剤は、余剰生コンの容積1m3当たりに添加する単位添加量を0.5kg/m3〜5kg/m3の範囲でとすることを要旨とするものである。
請求項3記載の本発明によれば、団粒化状態にするのに適正な高分子団粒化剤の量を提示するものである。
請求項4記載の本発明は、細粒分以下にされた粉砕鉱物、工業用ベントナイト、スラグ、粘土鉱物等から選択された粒径0.15mm以下の細粒分以下の粒子分を余剰生コンの容積1m3当たり単位添加量0.5kg/m3以上添加すること、請求項5記載の本発明は1mm以下の粒子が粒度分布で40%以上ある再生砂を余剰生コンの容積1m3当たり単位添加量を15kg/m3以上添加すること要旨とするものである。
請求項4記載もしくは請求項5記載の本発明によれば、細粒分・微粒分分子もしくは再生砂を添加することで団粒化剤のバインダー能(付着性能)を高めることができる。
請求項6記載の本発明は、余剰生コンの空気間隙量を増大化させるための撹拌装置は、パドル型の翼を有する連続式撹拌装置であること、請求項7記載の本発明は連続式撹拌装置は、1軸式もしくは2軸式で、撹拌装置の回転数は100min-1以上とすることを要旨とするものである。
請求項6記載の本発明によれば、余剰生コンの空気間隙量を増大化させるための撹拌装置は、生コン車搭載のアジテータのような重力撹拌の傾動式ではなく、撹拌は、空気を連行しやすくするために連続式撹拌装置としたものであり、翼の形状をパドル型とすることにより再混練により再流動化を抑え撹拌時間の短縮させることができる。連続式撹拌装置を使用することのメリットは下記の通りである。
(1)連続性があるので、余剰生コン搭載のアジテータ車数が多くても連続作業になり、生コン工場だけでなく、中間処理等で余剰生コンの処理する場合に適している。バッチ作業は単作業になるのでこうした連続作業には不向きである。
(2)装置の生コン定量フィーダーの容量を大きくすることで、数台のアジテータ搭載の余剰生コンを同時に処理することが可能になる。
(3)前記における制御を自動化することで余剰生コンを集約化して、無人化に近い状態で稼働することが可能になる。
(4)連続作業になるため、排出された団粒化生コンの処理作業も容易になる。
請求項7記載の本発明によれば、1軸式もしくは2軸式で、撹拌装置の回転数は100min-1以上とすることで、詰まり現象と撹拌時間の短縮を考慮したものとなる。
請求項8記載の本発明は余剰生コンの団粒化による再生材の製造方法として、請求項1により生成された団粒化した余剰生コンを団粒化直後にトロンメルや振動式篩等の分級装置で粗粒分と細粒分に分けて骨材とすることを要旨とするものである。
請求項8記載の本発明によれば、余剰生コンの団粒化による再生材としての骨材を固化という工程を経ることなく、迅速に製造することができる。
請求項9記載の本発明は余剰生コンの団粒化による再生材の製造方法として、請求項1により生成された団粒化した余剰生コンを余剰生コン中のセメントと水分による水和作用によって固化させ、固化した状態のものを破砕して、振動式篩等の分級装置で粗粒分と細粒分に分けて、骨材や埋め戻し材の一部や路盤材(RC材)とすることを要旨とするものである。
請求項9記載の本発明によれば、骨材や埋め戻し材の一部や路盤材(RC材)とすることのタイミングを団粒化した余剰生コン中のセメントと水分による水和作用によって固化するタイミングとして計らい、固化した状態のものを破砕した後に、分級装置を介して、粗粒分と細粒分に分けることで、経時的なタイミングにより、固化前(即時的)と固化後の処理が可能になる。
請求項10記載の本発明は余剰生コンの団粒化方法に使用する団粒化装置として、生コン車搭載のアジテータ内で流動化している余剰生コンを排出後に撹拌装置にかけ、事前にエマルジョン化させた、重量平均分子量が、1000万〜2500万、アニオン性単量体としては25〜100モル%のアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子団粒化剤を添加して、該撹拌装置により空気間隙量を増大化させることを特徴とした余剰生コンの団粒化処理方法に使用する撹拌装置であり、余剰生コンの定量化フィーダー、高分子団粒化剤添加装置を装備することを要旨とするものである。
請求項10記載の本発明によれば、余剰生コンが生コン車で持ち込まれる場合、生コン車から生コンを排出する際の吐出量は安定しておらず、供給される余剰生コンの量が不安定になるが、余剰生コンの定量化フィーダー、高分子団粒化剤添加装置を装備することで連続撹拌装置に投入する量を安定させることができ、また、団粒化剤の添加量や団粒化剤のバインダー能(吸着性)を向上させるための細粒分・微粒分の添加量を安定させることが可能になり、システム化が実現できる。
請求項11記載の本発明はさらに、補助材添加フィーダーを装備することを要旨とするものである。
請求項11記載の本発明によれば、団粒化剤のバインダー能(付着性能)を高めるため細粒分・微粒分分子もしくは再生砂を添加する場合も補助材添加フィーダーを装備することで添加量を安定させることが可能になり、システム化が実現できる。
以上述べたように本発明の余剰生コンの団粒化方法およびそれによる再生材の製造方法およびそれに使用する団粒化装置は、流動化している余剰生コンを容易に移動、移送、解す、積込み、破砕、分級等の作業を容易にすることができるもので、特に余剰生コンを分級して再生骨材を生産する場合の作業性を向上させることができるものである。
本発明は、生コン車搭載のアジテータ内で流動化している余剰生コンを団粒化するのにアジテータで攪拌せずに、排出後に撹拌装置にかけることでアジテータ車を利用することのトラブルを回避でき、しかも、システム化により流動化している余剰生コンを容易に移動、移送、解す、積込み、破砕、分級等の作業を容易にすることができ、しかもアニオン性のポリアクリルアミド系高分子化合物を使用する場合、イオン性が強いものでも団粒化が実現できる。
本発明の幾つかの手法を組み合わせることで、次のような利点が得られる。
(1) 余剰生コンを処理する場合においては、団粒化することで流動性が失われるため、バックフォウ等のショベルでの積み込み、ダンプトラックによる運搬、ベルトコンベヤの移送が即時に行える。
(2) 生コン工場等で余剰生コンを希釈・分級して骨材を回収する方法から、一部でも団粒化技術を応用してRCの製造に利用することで、スラリー分の処理量の削減により、水処理・脱水処理設備の小規模化が可能になる。また、RCの販売による利益も見込める。
(3) 余剰生コンを硬化させコンクリート化した状態で、破砕処理を施し、分級して骨材を採集するような方法においては、本技術を応用して余剰生コンを固化することで、破壊エネルギー量を抑えることが可能になり破砕作業の簡素化と設備の小規模化が可能になる。
(4) さらに、固まるまでの時間を待たずに即時に分級することも可能になる。これにより、破砕作業工程は省略される。
(5) 余剰生コンを路盤材等に利用するような場合においては、硬化後に破砕するような作業をせずに団粒化した余剰な生コンを解すだけで利用可能になる。
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の余剰生コンの団粒化方法を示すフロー図で、本発明は余剰生コンに団粒化剤を添加し、撹拌装置4により空気間隙量を増大化させることにより団粒化状態の余剰生コンを得るものである。
図4〜図6に示すように、前記撹拌装置4は余剰生コンに団粒化剤を添加し、撹拌装置4により空気間隙量を増大化させることにより団粒化状態の余剰生コンを得るものとして、生コン車6からの余剰生コンをホッパーに貯留してスクリュー供給され、供給量を可変速可能にすることで安定化を図る定量化フィーダー5を備える。
定量化フィーダー5の後段には、余剰生コンを撹拌することにより空気間隙量を増大化させる撹拌装置4が設けられている。
また、団粒化装置である撹拌装置4は、団粒化剤量の可変添加可能な供給装置(ポンプ)で団粒化剤を連続添加できる団粒化剤添加装置9を有する。なお、図4には示していないが、撹拌装置4のスクリュー1(後述)近傍には団粒化剤を供給するための配管が団粒化剤添加装置9から設けられている。
さらに、団粒化剤添加装置には、団粒化剤のバインダー能を高めるための補助材としての再生砂を余剰生コンに添加するための補助材添加フィーダー7が装備されている。また、団粒化剤のバインダー能を高めるための細粒分・微粒分分子は、別途設けられたフィーダーにより余剰生コンに添加されてもよい。図中8は撹拌装置4において前記余剰生コンの定量化フィーダー5、団粒化剤添加装置9、補助材添加フィーダー7との連動と動作の設定を行う制御盤である。
先に、本発明で使用する団粒化剤について説明する。本発明で使用する団粒化剤はアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)を主成分とした高分子団粒化剤である。ここで主成分としたとは後述のようにエマルジョン化したものを使用するもので、エマルジョン化には乳化剤を事前に添加されてるので、純粋にA−PAM単味ではないという意味である。
A−PAMの重量平均分子量は、1000万〜2500万の範囲である。好ましくは1200万〜2000万、更に好ましくは1200万〜1800万である。1000万より低いと本発明の団粒効果が得られない。2500万より高いと適正な団粒化状態が得られない。
アニオン性単量体としては、25〜100モル%の範囲であり、好ましくは27〜100モル%、更に好ましくは30〜100モル%のである。アニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子は、ポリアクリルアミドをアルカリ等により加水分解反応して得られたもの、あるいはアクリルアミド単量体とアクリル酸単量体とを共重合して得られたものである。A−PAMを製造する際に使用するアニオン性単量体としては、アクリル酸の他にメタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、p−カルボキシスチレン、アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸、スチレンスルフォン酸等を併用しても良い。アニオン性単量体のモル数としては、25〜100モル%の範囲であり、好ましくは27〜100モル%、更に好ましくは30〜100モル%である。又、共重合可能な非イオン性単量体としては、アクリルアミドの他にN,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等を併用しても良い。
このアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子団粒化剤は、予めエマルジョン化(液状化)したものを用いる。エマルジョンは分子量を調製しやすく水溶液の分散性が高いため、油中水型エマルジョンの形態を採用する。油中水型エマルジョンの製造は常法による。即ち、特開2014-117625に記載している様に、イオン性単量体あるいは非イオン性単量体、又はイオン性単量体及び非イオン性単量体混合物を水、水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させた後、重合して製造する。
アニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)を主成分とした高分子団粒化剤は、余剰生コンに、余剰生コン1m3当たり0.5〜5kg/m3添加する。
前記余剰生コンの空気間隙量を増大化させるための撹拌装置4としては、生コンを製造する際のミキサー等のように重力撹拌の傾動式で、練り込むことを主体とするものはなるべく避け、数秒間の撹拌で効率よく空気を巻き込むようなものが好適であり、それであれば、単位操作のバッチ式撹拌装置でも連続式撹拌装置でもよい。
なお、生コン製造に用いる強制2軸式と呼ばれるミキサー(混練設備)は、混錬翼の回転で空気の巻き込みを最小限するために、ミキサー製造者らのノウハウとして、回転速度は25min-1〜50min-1程度にしているケースが多いが、回転制御が困難であり、再練り流動化が起きる可能性が大きいので不適である。
図2にその1例を示す。これは後述の表1に示す一軸式連続撹拌装置のBタイプである。撹拌装置4は、スクリュー1、パドル2およびスクリュー3を有し、前段にあるスクリュー1は余剰生コンをパドル2に供給し、パドル2で撹拌を行なう。パドル2は詰まり現象を軽減するための角度があり、パドル2の撹拌後にスクリュー3で排出する。
この機長は2mであり、表1に示す一軸連続ミキサーAタイプは2.4mである。
一軸連続ミキサーAタイプのパドル2とスクリュー1,3の配置の変形パターンを図3に示す。図示の例では、余剰生コンの供給用スクリュー1は共通してパドル2の前位置にあるが、排出用のスクリュー3はこれをパドル2の後位置に設けた場合(中段の図)の他、パドル2間に組み合わせて配置することも可能である。
パドル2とスクリュー1,3の配置は撹拌物の性状や撹拌時間によって異なるが、団粒化を行う場合においては、撹拌時間を長くせずに、空気を巻き込みやすいパドル形状(例えば4枚羽根や2枚羽根)が好ましい。ただし、パドル2の角度・位置は、連続的に投入されてくる余剰生コンの詰まりの要因になるため、これらを配慮した形状とされている。攪拌装置4のケーシング径はあまり大きくならないようにされ、例えば、一軸式連続撹拌装置 Bタイプの場合で550mm以内としている。
また、詰まり現象と撹拌時間の短縮から、回転速度は100min-1rpm以上とした方が好ましい。好ましくは、130min-1〜180min-1である。
本発明は、流動性がなく、生コンの品質としては悪いとされる空気量(連続気泡体)が大きい団粒化体を形成することで、余剰生コン処理の移送、破砕等の作業性を改善することができるものである。
本発明では、余剰生コンに、ポリアクリル酸を主成分とし、重量平均分子量1000万以上、アニオン性単量体25モル%以上の凝集作用を示すアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子を団粒化剤として使用して流動性を失わせる。
生コンのワーカビリティ―性を評価するためのスランプ試験で団粒化剤の添加量とスランプ値の変化を図20に示す。
図20に示すスランプ値は、上限25cm、下限0cmで示され、流動性が大きいほど、上限値に近い値となり、小さいほど下限値に近くなるため、流動性に富む異なる試料を比較しても上限値と同じ値になる。逆に、流動性が無い状態で0cmとなり、これも同様に変形量の大小の比較にならないため、参考値として比較している。
この例によると、団粒化剤の添加量を多くすることで、流動性が失われることが分かる。例(1)では団粒化剤添加量1.5kg/m3で、例(2)は2.5kg/m3でスランプ値がゼロになっていることから、流動性が小さくなっていることが分かる。
スランプ試験のフローコーンに試料を詰めた状態で、そのフローコーンを上部に引き抜いた際に、底部から生コンが流れだして広がる状態をフロー値として測定した例を図7に示す。
この場合の試験値の下限値は、フローコーンの底部の直径20cmとなる。すなわち、スランプフロー値20cmが流動していない状態になる。この例では、試料(1)が1kg/m3、試料(2)が2.5kg/m3で流動性がないと判断できる。図20に示した試料と同じ生コンを使用している。
このように、余剰生コンの流動状態を団粒化剤で抑えることが可能である。また、図20のスランプ試験におけるスランプ値がゼロ(0)の状態とは、スランプコーンを引き抜いても形状を保っている状態であるため、ベルトコンベヤでの移送が行える状態であり、積み込みも容易に行える。
一般に使用されている生コンは流動性を保つようにAE減水剤等の界面活性剤を使用して、水分量が少なくても混錬しやすく生コンの作業性を良くするために独立した気泡を一様に形成させるようにしている。また、生コン製造時のミキサーで混錬中は、生コン中に連続空気量の巻き込みを抑えるようなミキサーの羽根形状、回転数、混練時間、混練量等に配慮して設計されている。
このように生コンにはAE減水剤が混合され分散状態になっている。この界面活性を示す高分子量は、例えばポリカルボン酸系の分子量であれば数万程度で、高分子剤の中での分子量は決して多い方ではない。この分散状態を凝集状態にするために、高分子量がこれの1万倍近いアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子剤を用いて凝集作用を引き起こさせる。ただし、余剰生コンに団粒化剤が撹拌されてそのフロックが形成されなければ、団粒化状態にはならない。前記撹拌装置4は団粒化状態にする必須条件である。
また、添加量は余剰生コンの状態によって異なる。ここでいう状態とは、生コンは骨材とセメントと水および混和剤で構成されており、この内、概ね粒子径が1mm以上の粒径の骨材中の砂・砂利・砕石等は固体と見なし、凝集をさせようとするものはセメントと水および混和剤が混合されているセメントスラリーである。
このセメントスラリーにはセメント粒子と微粒分が含まれ、団粒化剤が添加されると、瞬時に強い凝集が生じるため流動性が失われる。これにより、セメントスラリーは粘着力が増した状態で骨材間の隙間に入り込んでいるので、空気間隙も増大して団粒化状態になる。
ただし、水分が多い場合はその粘着力は弱いので、団粒化によって生じる間隙量は小さくなる。つまり、セメントスラリー中に存在した細骨材と粗骨材との接触面積が、団粒化になること減少し気間隙が発生し、増大した粘着力の効果もあって、骨材間と少ない接触面積で吸着している。
本発明で使用している団粒化剤と余剰生コンが団粒化するメカニズムを図8について説明するが、本発明の団粒化のメカニズムは水処理の凝集とは異なるものである。
水処理の分野における高分子凝集剤の廃水中(排水とは別の意味で使用)にある懸濁物の粒子径の適応範囲として、一般には100μm(0.1mm)以下の粒子といわれている(日本科学情報編「水溶性、水分散型高分子材料の最新技術動向と工業応用」2001)。水処理の場合の凝集剤の利用は、主として水中の浮遊物を凝集して沈殿速度を早めることである。
本発明は、水処理のような沈降・沈殿の改善ではなく、これに比べて水分量は圧倒的に少ない余剰生コンの団粒化である。余剰生コンの水分量は、質量比(含水率)で多くて15%程度であり、出荷時の生コンの配合は概ね10%以下であり、これから想定しても10〜12%程度であることが多い。したがって水処理の懸濁水に場合に比べて水分量は圧倒的に少なく、微粒分の比率も全体の粒子径分布から比べて少ない。すなわち、水処理でいわれている高分子凝集剤の適応範囲とは異なる。
生コン材料の細骨材は、土質分類においては、10mm以下の粗粒分以下の粒子径を対象としている。砂の粒子周辺は、セメントスラリーと細粒分が付着している。
図11に示した日本統一土質分類法による土質分類に、生コンに使用される細骨材と粗骨材の粒径を示した。水処理でいう高分子凝集剤の懸濁物の粒子径の適応範囲0.01mmは、生コンでいう細骨材に含まれる微粒分に該当する。また、セメント粒子は10μm以下の微粉末であるが、セメント水和による凝集でペースト化されている。
生コンの配合は、水とセメントの質量比W/Cから設計されている。しかし、余剰生コンは、工事現場では不要な生コンとされ、廃コンとして加水され、設計時の水分より多い状態になっていることもある。その加水により、密度は元の生コンの密度に比べて小さくなっている。
つまり、余剰生コンの容積は元の生コンより増えているので、余剰生コンの単位容積中にある細粒分量およびセメント分の比率は出荷時の配合比率より小さくなる。そのため、水分が多くなるので流動性も増しているので、団粒化の状態は水分が多くなるにつれて悪化する。ただし、生コンの加水は多くても全体の含水率が2〜3%程度上昇する程度で流動化が保たれるので水処理の水分率、含水率とは異なる。
本発明の団粒化の場合は、水処理のような沈殿・沈降ではなく、余剰生コン中のセメント粒子を含めた細粒分以下の凝集によるフロックの拡大化によって生じる粘着力が増大し、それが砂分に付着し、さらにその砂分に付着した団粒化物が粗粒分に付着することで団粒化が形成される。
この粘着の増大は、セメントスラリー中の水和中のセメント粒子との強い凝集作用により余分な水分が取り込まれなくなり粘着力が増大したものと考えられる。
なぜなら、水分によって粘着力が増大するものは、生コン原料においては吸水能が悪い細骨材中に含まれる比較的吸水能の優れた微粒分と吸水能が優れ水和性の良いセメントだけであるため凝集作用が強く、粘着力が増大する。このとき、余剰生コン中の自由水も排水され間隙内に留まっている。これの水分は後に気化される。
余剰生コンの団粒化は前記図8に示したように、団粒化剤による凝集作用とセメント濃度が上昇し、時間の経過に伴う粘着力の増大および微粒分子の粘着力の相乗効果により微粒分粒子が細粒分粒子に付着、その付着の連鎖が粗粒分にまで影響する。
団粒化の作用における、最初の凝集においては、細粒分以下の粒子の量は、ある程度必要である。水分量の多い余剰生コンの単位水量を減少させるためと凝集物の付着相手として再生砂のような、微粒分から粗粒分までの粒度分布がなされているものは、粗骨材に付着がしやすく間隙量を確保することができる。
コンクリート中の骨材(砕石・砂利)を固形物として考えて、団粒化における容積変化への影響はないものとし、モルタル(砂+セメント+水)に団粒化剤を添加した団粒化モルタルの材齢4日までの初期段階の空気間隙量と気化した水分からセメント水比W/Cの変化を示したものを図9に示す。図中のPがモルタル、Gが団粒化モルタルの値である。
これによると、W/Cは団粒化モルタルの方が小さくなっており、水和された単位容積当たりの水分量が少なくなり、セメント水和物自体の水分濃度は大きくなっていることが分かる。一般には、セメントペースト濃度は高い方が強度は大きくなる。ただし、この場合は団粒化することで単位セメント量が少なくなり、連行空気量が増加したため、ポーラス状態の固化物となり強度は小さくなる。
余剰生コンの団粒化は、団粒化剤による凝集作用とセメント濃度が上昇し、時間の経過に伴う粘着力の増大および微粒分子の粘着力の相乗効果により微粒分粒子が細粒分粒子に付着、その付着の連鎖が粗粒分にまで影響する。
この内、団粒化の作用でセメントの水和等や凝集によって閉じ込められた水分以外の余分な水分は、団粒化物の表面に付着あるいは間隙に留まり、それ以外は気化する。間隙水や付着水も時間経過に伴って気化するので、団粒化物中の間隙にある水分は空気と入れ替わり、空気間隙量が増大する。
生コン中の粗骨材は粒径が大きく固形物であるため、モルタルを用いて団粒化させた状態を調べた際の状況を図10に示す。
図10の左側の写真は、生コン中の粗骨材は粒径が大きく固形物であるため、モルタルを用いて団粒化させた状態を調べた際の状況である。右側の写真は、同量のモルタルを団粒化した際の容積変化を調べた際の写真である。
左側の写真における団粒化した際の右側のモルタルと目視して比べても、通常のモルタルより空隙が増えていることが明確に分かる。その空隙量は、右側の写真に示したように容積が約1.4倍程度に増量したことから、空隙は約40%増大していると判断できる。余剰生コンの場合は、これに固形物としての粗骨材が入ることからこの容積を固定値として換算すると、少なく見積もっても空隙は15〜17%程度の空隙が出来ることになる。ただし、これは余剰生コンと団粒化剤の撹拌具合が良く間隙が壊れない状態を想定した数値である。
次に補助材添加フィーダー5により添加する補助材としての細粒分以下の粒子分もしくは再生砂について説明する。これら細粒分以下の粒子分もしくは再生砂は団粒化剤のバインダー能(付着性能)を高めるもので、粒径0.15mm以下の細粒分以下の粒子分を余剰生コンの容積1m3当たり単位添加量0.5kg/m3以上添加するもしくは再生砂の場合は1mm以下の粒子が粒度分布で40%以上ある再生砂を余剰生コンの容積1m3当たり単位添加量を15kg/m3以上添加する。
生コンの配合水は、流動性を保たせるために、セメントの水和に理論的に必要な水分量より多い量で配合されている。しかし水和に必要な水以外にも、排水されない水分もある。
地盤改良等では、泥状土に生石灰等を使用して改質が行われる例もあるが、本発明では、余剰生コンからの骨材を採集して再生化することを考慮し、脱水、固化等に使用される生石灰等は使用せずに団粒化剤が細粒分以下の粒子と凝集しやすくかつ、その連鎖によるフロックが拡大しやすくなる環境を余剰生コンに持たせるように、団粒化剤のバインダー能(吸着性)を向上させるために、細粒分・微粒分を添加させ団粒化を促進させる。
添加する細粒分・微粒分は、前記図11に示すシルト・粘土分だけでなく、スラグ等でも良いが、余剰生コンから骨材を採集する作業工程を考慮して、生コンの原料から得られた再生砂を用いることで生コン工場でも容易に準備でき、新たに購入するようなものではないので経済的なメリットが大きく、骨材の再生化工程において新たな廃棄物も生まない。
実施例として、図12に団粒化剤の添加量を固定して再生砂の添加量による団粒化物のスランプコーンによるフロー値の変化を示した。これによると、余剰生コンの単位容積当たりの添加量15kg/m3以上添加することで、下限の20cm、すなわちスランプ値に換算すると0(ゼロ)の状態になることが分かる。
図13に使用した再生砂の粒径と通過質量百分率(粒度分布)を示した。図12に示した例では、図13のB工場再生砂を使用する。
先に述べた、水処理の分野における高分子凝集剤の廃水中にある懸濁物の粒子径の適応範囲が0.1mmとした場合、再生砂の例では通過質量百分率が5〜9%の範囲にあり、これらから0.1mm以下の粒子の添加量を余剰生コン容積に対して15kg/m3の添加を基準に換算すると、約1kg/m3であったことが分かる。
一般に生コンの細骨材の品質管理上のフルイ分け試験では、最小フルイの径は0.15mmであり、日常の管理では0.15mmの分布量でしか把握できない。通常、これ以下の粒径の分布量は調べていないため、この粒径0.15mmの分布量を基準にすると、再生砂の例においては、0.15mm以下の粒子は10%以上含まれている。再生砂を使用する場合においては、この0.15mmの粒径分布を目安にしても良い。また、細骨材では微粒分を0.075mm以下としていることから、これを目安としても良い。
本発明においては団粒化剤の効能だけでなく、撹拌のやり方を工夫して、間隙量を増大させるもので、撹拌装置4については前記の通りであるが、下記表1に示した撹拌装置を用いて余剰生コンの空気間隙量を測定した例について説明する。この例に示した試験から次のような知見が得られた。
余剰生コンの状態によって団粒化状態も異なるが、含水率10%程度の余剰生コンを用いた例において、団粒化状態の空気間隙量を一つの目安として団粒化物の湿潤密度から換算して求めるとバッチ式に比べると連続式ミキサーに方が空気間隙量を大きくすることができる。機能性は次のようであった。
生コンアジテータ:団粒化には不向き、ドラム内に100kg/m3の付着物が残る。
強制2軸式ミキサー:回転制御が困難であるため撹拌時間で判断したが、再練り流動化が起きる可能性が大きい。余剰生コン投入量をミキサー仕様の7割以下にすることで再流動は抑えられるが、バッチ作業になるため処理能力に劣る。(1バッチ:2m3)
二軸式連続ミキサー:撹拌軸が二つあることで軸間にデッドゾーンができる。洗浄作業に時間を要するため、ケーシング構造に留意する必要がある。(処理能力:15m3/hr)
一軸式連続ミキサー Aタイプ:既存の生コン再練り用ミキサーの回転数を制御して実施することで、団粒化状態は良好になる。ただし、ケーシング構造によっては作業終了後の洗浄に時間を要する。(処理能力:30m3/hr)
一軸式連続ミキサー Bタイプ:団粒化を意識して製作し、ケーシングは天然ゴムの純度の高いライナ―テックス構造とし、(4)の仕様に比べパドル部分を多くしている。(処理能力:35m3/hr)
結果的に連続ミキサーは練り返しが少なく、余剰生コン投入から排出までが数秒であることから作業性に富むという結果が得られた。
団粒化した状態で固化した供試体の空気間隙量は余剰生コンの状態に比べて遥かに大きくなる。この団粒化した後に固化した供試体の圧縮強度と破壊エネルギーを測定した結果を図14に示す。
なお、試験に用いた余剰生コンの配合は同じものを使用した。これによると、団粒化後に固化した供試体の圧縮強度は、硬化後の余剰生コンに比べて、概ね1/3〜1/4程度になっていることが分かる。一方、破壊エネルギーについては、団粒化して固化したものは硬化後の要所生コンに比べて、1/10以下になっていることが分かる。破壊エネルギー値は換算値であるが、団粒化した固化物の方がポーラスな構造になっているため、密度は硬化した余剰生コンと比べて小さい状態である。具体的に破壊した状態は材齢によっても異なるが、材齢4日後の場合、硬化後の余剰生コンの落下高さ約12mで破壊された。
これに対して、団粒化後に固化したものは、0.5mの高さで破壊されていた。圧縮試験は、加圧面を供試体に押し付けた状態で加重する方法で、これに比べ、落下させた試験は動的なものになっていることから、破砕作業では破壊エネルギー換算値を参考した方が良い。つまり、余剰生コンを分級して骨材を採集する作業では、団粒化後に固化されている方が軽微な破砕処理で良いことが判断できる。
破壊状態の例を図15に示した。破壊状態も、団粒化したものは粉砕の状態が良く硬化した余剰生コンの場合は断面的なものになっていることから、重機で一時的に破砕して粉砕機等で実施する一般的な骨材採集方法の一時的な破砕作業を省略できる可能性が十分に高い。
この試験に用いた供試体の空気間隙量のヒストグラムを図16に示した。この試験に用いた供試体は、表−1に示した一軸式連続ミキサー Aタイプで実施したものを使用し、形成した供試体の空気間隙量は平均的に11%程度になっていた。なお、表−1に示したように、Bタイプは、Aタイプをより空気間隙量は増大する。
また、水分量まで含めた間隙量を湿潤密度等から換算すると、機械装置で実施した場合は供試体の扱いが難しく、解された状態で平均的に21%、供試体に詰めた場合は平均的に14%であった。これを図17に示した。
これらの実施例(試験結果)から、団粒化後に固化された状態は硬化した余剰生コンに比べて、著しく、破壊時のエネルギ−量が減少する。間隙増大により容積が増すことを考慮しても、再生骨材を製造する過程の作業量は減少し破砕作業が容易になる。
また、分級せずに路盤材や埋め戻し材として再利用が可能になる等、余剰生コンの再利用に伴う作業・設備が軽減できる。
このようにして得られた再生化された骨材は、硬化コンクリートを破砕して実施している品質と同等であり、生コン工場内におけるリサイクル品活用だけでなく商品化も可能になる。(表2参照)
次に、本発明において余剰生コンの団粒化した場合のその後の処理として余剰生コンの団粒化による再生材の製造方法について述べる。
図18に示すように本発明に関連する余剰生コンの分級における団粒化に固化して実施する場合と、図19に示すように団粒化直後(即時)に実施するフローに分けられる。
図18の場合は、生コン中のセメントと水分による水和作用によって固化するタイミングを計らい、固化した状態のものを破砕する。
前者は余剰生コンを団粒化処理して、数日後に破砕して重力式飾により粗粒分を細粒分に振り分けて、振動篩で粗粒分に付着した細粒分を排除して粗骨材(砂利)を分級する。なお、破砕設備投入はショベル等で所定の大きさにしておくと効率が良い。
後者は余剰生コンを団粒化処理した後、重力式飾により粗粒分を細粒分に振り分けて、振動飾で粗粒分に付着した細粒分を排除して粗骨材(砂利)を分級するものである。なお振動飾は粗骨材の品質を高めるために使用するので、分級だけ行う場合は、重力式だけでも良い。
図18に示す余剰生コンを団粒化して固化後に分級する場合は軽微な破砕作業が必要である。これに対して、図19に示す即時に分級する場合は破砕作業がなく、団粒化物を直接分級装置に投入するため、分級装置のスクリーン(網)にまだ固化していない団粒化物の一部が付着する可能性が高くなるため、振動篩のような高速振動で篩分けよりも回転式のフルイが好ましい。
即時分級を前提に団粒化物の状態を管理することで分級可能とする機構の装置ではなくなる。つまり、余剰生コンの状態から適切な団粒化剤および再生砂等の補助材の添加量の判断を行うこと、篩装置のスクリーンの監視を実施することで、即時分級は可能になる。団粒化後に分級する場合、ある程度(10%以上)の空気空隙量を確保するだけで、固化作用がセメント水和であるため管理は即時に比べて容易である。
また、生成された団粒化した余剰生コンを生コン中のセメントと水分による水和作用によって固化するタイミングを計らい、固化した状態のものを破砕して得られたものを埋め戻し材の一部や路盤材(RC材)とすることもできる。
余剰生コンを団粒化後に分級して得られた再生骨材の試験結果を下記表2に示した。
前記表2に示した品質評価試験例から、分級手法によって品質は異なるものの、再生骨材としての評価が得られることが証明された。即時分級ケース1とケース2は、振り分け装置の機種によるものである。各品質評価のH、M、Lは、JISによって定められた評価であり、表2の試験結果は、専門機関で実施・評価したものである。
本発明の余剰生コンの団粒化方法を示すフロー図である。
本発明の余剰生コンの団粒化方法で使用する撹拌装置の説明図である。
本発明の余剰生コンの団粒化方法で使用する撹拌装置の各例を示す説明図である。
本発明の余剰生コンの団粒化方法で使用する撹拌装置の設置例を示す平面図である。
本発明の余剰生コンの団粒化方法で使用する撹拌装置の設置例を示す側面図である。
本発明の余剰生コンの団粒化方法で使用する撹拌装置の設置例を示す正面図である。
スランプ試験のフローコーンに試料を詰めた状態で、そのフローコーンを上部に引き抜いた際に、底部から生コンが流れだして広がる状態をフロー値として測定した結果を示すグラフである。
団粒化剤と余剰生コンが団粒化するメカニズムを説明した概念図である。
コンクリート中の骨材(砕石・砂利)を固形物として考えて、団粒化における容積変化への影響はないものとし、モルタル(砂+セメント+水)に団粒化剤を添加した団粒化モルタルの材齢4日までの初期段階の空気間隙量と気化した水分からセメント水比W/Cの変化を示すグラフである。
生コン中の粗骨材は粒径が大きく固形物であるため、モルタルを用いて団粒化させた状態を調べた際の状況と同量のモルタルを団粒化した際の容積変化を調べた際の写真による状態図である。
日本統一土質分類法による土質分類に、生コンに使用される細骨材と粗骨材の粒径を示した説明図である。
団粒化剤の添加量を固定して再生砂の添加量による団粒化物のスランプコーンによるフロー値の変化を示したグラフである。
使用した再生砂の粒径と通過質量百分率(粒度分布)を示したグラフである。
団粒化した後に固化した供試体の圧縮強度と破壊エネルギーを測定した結果のグラフである。
破壊状態の例を示す写真による状態図である。
試験に用いた供試体の空気間隙量のヒストグラム図である。
水分量まで含めた間隙量を湿潤密度等から換算した結果のグラフである。
余剰生コンを団粒化して固化後に分級する方法の説明図である。
余剰生コンを団粒化直後に分級する方法の説明図である。
生コンのワーカビリティ―性を評価するためのスランプ試験で団粒化剤の添加量とスランプ値の変化を示すグラフである。
生コン車搭載のアジテータの内部概念図である。
生コン車搭載のアジテータの流動化状態を示す説明図である。
1,3…スクリュー 2…パドル
4…撹拌装置 5…定量化フィーダー
6…生コン車 7…補助材添加フィーダー
8…制御盤 9…団粒化剤添加装置
本発明は、余剰生コンの団粒化方法およびそれによる再生材の製造方法およびそれに使用する団粒化装置に関するものである。
生コンの多くは、用途に応じた所定の配合で製造され、打設前の生コンのフレッシュ性状の試験結果で硬化コンクリートに影響を及ぼすものと判断されたものは、その時点で不合格となり使用されない。なお、生コンのフレッシュ性状とは生コンの練混ぜ直後から、打設されて凝結・硬化に至るまでの状態にあるコンクリートの状態をいうが、主に、現場での作業性を評価する言葉として使われ、現場で実施される試験としてはスランプ試験や空気量試験で判定する場合が多い。
建設工事現場で使用する生コンは、生コン工場で製造し生コン車で現場まで配達され、その際に現場で不合格になった生コンや所定時間内に打設出来なかった生コンおよび使い残した生コンは、一般に生コン工場に戻して処理されている。
このような余剰生コンは、生コン工場だけでなくコンクリート製品工場でも発生し、そのままの状態で有効利用されることは少なく、一般的には、生コン工場に持ち帰った後に処理される。
生コン工場に持ち帰った余剰生コン(工事現場やコンクリート製品工場等において、余った生コンや不要になった生コン)を処理する場合、余剰生コンに加水して、固形物とスラリー分と固形分(砂利・砕石・砂分等)に分級し、スラリー分は水処理を行い、固形分の内利用可能なものは使用し、その他は産廃物となる。また、余剰生コンを硬化後に破砕してコンクリートガラとして処分する方法や他の処理業者に委託して処分されることもある。
硬化していない状態(流動化状態)の余剰生コンは産業廃棄物においては、無機汚泥という扱いになるが、硬化した状態だとコンクリートくず(強度が8N/mm2以上あるコンクリート)として扱われている。
余剰生コンの有効利用の一例は、残コンを団粒化し、路盤材や土壌改良材等として使用することであり、例えば下記特許文献1には、使用されずに残った生コンクリートに投入される残コン処理材であって、水溶紙で袋状に形成された包装体と、該包装体の内部に封入された粉末状または顆粒状の吸水性高分子体とを具備することを特徴とする残コン処理材が開示されている。
実用新案登録第3147832号公報
この特許文献1では、残コン処理材を余剰生コンに投入し、その後にアジテータ車のコンクリート・ミキサーのドラムを回転させることによって余剰生コンを撹拌すると、骨材を核としてその周囲にセメントと吸水性高分子体との混合物の層が形成され、団子状の造粒体となる。この造粒体は、その後、セメントの水分による硬化により、硬くなる。このようにして得られる硬化した造粒体は、そのまま、路盤材として使用することができるとある。
特許文献1における吸水性高分子体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸塩、アクリルアミド、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、スチレンスルホン酸塩、無水マレイン酸等の一種類の重合体、あるいは、二種類以上の共重合体を使用する。
特許文献1では残コン処理材を残コンに投入すると、水溶紙で形成された包装体が残コン中の水に溶解または分散し、包装体に封入されていた吸水性高分子体が残コンと接触する。そして残コンが撹拌されると、残コンと混ざり合った吸水性高分子体が残コン中の水を吸収して膨潤し、三次元的な網目構造を有するゲルを形成すると共に、その網目とセメントペーストが絡み合い、骨材は吸水性高分子体とセメントの網目構造の中に取り込まれる。
コンクリート製造事業所に残コンを持ち帰ったアジテータ車のドラム内の残コンに残コン処理材を投入し、撹拌によって残コンが練り混ぜられると、吸水性高分子体のゲルとセメントとの混合物層が骨材を核として成長し造粒されて、ほぼ球形の団子状の造粒体となると記載されている。
下記特許文献2は、余剰の生コンクリートをドラム内で団粒化し、且つ該ドラムに新しく投入される生コンクリートの流動性の低下を抑制する生コンクリート凝集剤及び生コンクリートの処理方法として提案されたもので、ポリアクリル系、ポリビニルアルコール系、多糖類系、及びタンパク質からなる群より選ばれた水分を吸収しうる高分子吸収体を分散質として、例えば有機溶媒、塩水溶液等の高分子吸収体を溶解しない分散媒中に備える生コンクリート凝集剤を余剰の生コンクリートと混合し、排出する。
特開2009−126761号公報
この特許文献2では、生コンクリート凝集剤は、ポリアクリルアミド系の高分子吸収体を分散質として分散媒中に備える生コンクリート凝集剤(商品名:トンネルA3−L、住友大阪セメント社製)を用いる。
下記特許文献3は、廃棄物を生成させずに短時間で未硬化の残コンクリートを粒状材料へ転化させる、残余フレッシュコンクリートを再生利用する新しい方法として提案されたもので、急結促進剤及び高吸収性ポリマーを未硬化のフレッシュセメント組成物に添加することを内容とする。
特許5813131号公報
特許文献3は、急結促進剤が、ケイ酸ナトリウム、又はアルミン酸カルシウム水和物を形成する物質から選択され、高吸収性ポリマーは、イオン性SAPであり、特にアクリル酸で修飾され直鎖及び架橋構造を共に有するポリアクリルアミドをベースとしたものである。
急結促進剤の用量が、コンクリート1m3当たりの用量として0.3〜50kg/m3、好ましくは0.6〜20kg/m3、より好ましくは0.8〜15kg/m3の範囲である。
高吸収性ポリマーの用量が、コンクリート1m3当たりの用量として0.05〜10kg/m3、好ましくは0.1〜5kg/m3、より好ましくは0.15〜2kg/m3の範囲である。
下記特許文献4は余剰生コン(残コン)等の硬化していないコンクリート組成物やセメント組成物を団粒化することが可能となる生コンクリート凝集材として提案されたもので、重量平均分子量が1,100万乃至2,200万のアニオン性ポリアクリルアミド系高分子化合物(式I)を、生コンクリート凝集剤として使用する。
特開2014−181147号公報
前記特許文献1〜特許文献4はアジテータ車を利用することを原則とするものであるが、次のような問題がある。
余剰生コンは使い残しにより出荷時に比べて容積が少なくなっているので、図21に示すように生コン搭載のアジテータの内部の余剰生コンの表面の位置は、出荷時の位置より下にある。余剰生コンをアジテータ内に投入して撹拌する場合、アジテータを回転させる。
しかし、スパイラル状の翼をドラムの側壁に部分的に取り付けた状態となっているため、流動化している生コンの場合は図22Aに示すようにその表面の位置をキープしたままでアジテータが撹拌される。
そして団粒化剤が添加されることで、余剰生コンが団粒化剤に触れた部分を中心に流動性が失われ粘着力が増大するため、図22Bに示すようにドラム側壁に付着したまま回転されることがある。
これは、ドラムの回転数によっても異なるが、一般的にコンクリート混和剤を後添加した際のドラム回転数は10min-1〜18min-1程度、遠心力が働く状態になる。
また、ドラム側面はスチール製であり、生コンの骨材との撹拌等で無数に細かい傷があり表面積を大きくしているので、団粒化物が付着しやすい環境になっている。
かかる付着物は大きな硬いブロックを形成することがあり、排出及び廃棄するのに努力を要し、時間の浪費と追加コストを伴う。
特許文献3ではこのような欠点を補うために、急結促進剤を併用する必要がある。
また、特許文献4では、生コンクリートを団粒化させるための凝集剤として、アニオン性のポリアクリルアミド系高分子化合物を使用する場合、分子量は、大きすぎると団粒化が達成されず、小さすぎると次バッチのモルタルのフローを低下させるとされ、また、イオン性がない場合、即ちアニオン部を有しない場合は、団粒化が達成されないとある。特に、イオン性の強さ(アニオン部の割合)については、大きすぎると団粒化が達成されず、小さすぎると次バッチのモルタルのフローを低下させるとある。
特許文献4は表2の比較例1,2において、イオン性の強さ(モル%)26または23、平均分子量(×10,000)1,600、または2,300は団粒化状体が「×」となっていて、イオン性の強さ(モル%)が制限される。
また、特許文献1や特許文献2は顆粒状にした高吸収性ポリマーはものが使用されるが、作業性が悪い。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、生コン車搭載のアジテータ内で流動化している余剰生コンを団粒化するのにアジテータで攪拌せずに、排出後に撹拌装置にかけることでアジテータ車を利用することのトラブルを回避でき、しかも、システム化により流動化している余剰生コンを容易に移動、移送、解す、積込み、破砕、分級等の作業を容易にすることができ、しかもアニオン性のポリアクリルアミド系高分子化合物を使用する場合、イオン性が強いものでも団粒化が実現でき、かつ、これまで実施してきた骨材分級工程や作業性を改善することができ、また、水処理設備等の小規模化等に寄与できる余剰生コンの団粒化方法およびそれによる再生材の製造方法およびそれに使用する団粒化装置を提供することにある。
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、生コン車搭載のアジテータ内で流動化している余剰生コンをアジテータから排出後に1軸式もしくは2軸式で、撹拌装置の回転数は100min -1 以上とする連続式撹拌装置にかけ、事前にエマルジョン化させた、重量平均分子量が、1000万〜2500万、アニオン性単量体としては25〜100モル%のアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)を主成分とした高分子団粒化剤を添加して、該撹拌装置により空気間隙量を増大化させることを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、生コン車搭載のアジテータ内で流動化している余剰生コンを団粒化するのにアジテータでそのまま攪拌せずに、排出後に撹拌装置にかけることでアジテータ内で付着物として大きな硬いブロックを形成して排出及び廃棄するのに努力を要し、時間の浪費と追加コストを伴うというアジテータ車を利用することのトラブルを回避できる。
また、1軸式もしくは2軸式で、撹拌装置の回転数は100min
-1
以上とすることで、詰まり現象と撹拌時間の短縮を考慮したものとなる。
また、アニオン性単量体としては25〜100モル%のアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子団粒化剤というイオン性が強いものでも撹拌装置により空気間隙量を増大化させることができるので団粒化が確実に実現できる。
しかもアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子団粒化剤は、事前にエマルジョン化させたものであり、これにより撹拌時間を短いものとすることができ、作業効率を上げることができる。
団粒化直後の余剰生コンは、水分の排出はほとんどなく山積みできる状態になる。また、時間経過と伴にセメントの水和により固化される(団粒固化)されるが、団粒化時の間隙が残っているため、強度的には脆い状態で硬化コンクリートの破壊強度に比べて遥かに小さい強さで破壊されるものとなる。
団粒化初期の段階で、セメント粒子も団粒化剤により凝結される。セメントはこれとは別の凝集作用があり結合水を取り込む。ただし、間隙量が大きい状態であるため拘束水の一部と自由水は間隙水として残る。時間と共に間隙中の水分は気化され空気間隙量が大きくなる。つまり、セメントペーストは水分が少ないほうが強い接着力を示すが、団粒化により元の余剰生コンより空気間隙量が増大するため単位容積質量は小さくなり、単位容積当たりに混入しているセメント質量は少なくなっている。
すなわち、元の余剰生コンよりセメントペーストの濃度が濃くなるが、総体的なセメント量は、湿潤密度が小さくなるので単位容積当たりのセメント質量は少なく空気量が多いので壊れやすい状態で固まっているといえる。
余剰生コンから骨材を回収するような場合において、硬化後の破砕強度は小さくなるため、その破壊エネルギー量により破砕作業(設備やエネルギーコストの低減)は容易になる。また、分級せずに団粒化物を解した状態でも路盤用材料などにも利用できる。
請求項2記載の本発明は、アニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子団粒化剤は、余剰生コンの容積1m3当たりに添加する単位添加量を0.5kg/m3〜5kg/m3の範囲でとすることを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、団粒化状態にするのに適正な高分子団粒化剤の量を提示するものである。
請求項3記載の本発明は、細粒分以下にされた粉砕鉱物、工業用ベントナイト、スラグ、粘土鉱物等から選択された粒径0.15mm以下の細粒分以下の粒子分を余剰生コンの容積1m3当たり単位添加量0.5kg/m3以上添加すること、請求項4記載の本発明は1mm以下の粒子が粒度分布で40%以上ある再生砂を余剰生コンの容積1m3当たり単位添加量を15kg/m3以上添加すること要旨とするものである。
請求項3記載もしくは請求項4記載の本発明によれば、細粒分・微粒分分子もしくは再生砂を添加することで団粒化剤のバインダー能(付着性能)を高めることができる。
請求項5記載の本発明は、余剰生コンの空気間隙量を増大化させるための撹拌装置は、パドル型の翼を有する連続式撹拌装置であることを要旨とするものである。
請求項5記載の本発明によれば、余剰生コンの空気間隙量を増大化させるための撹拌装置は、生コン車搭載のアジテータのような重力撹拌の傾動式ではなく、撹拌は、空気を連行しやすくするために連続式撹拌装置としたものであり、翼の形状をパドル型とすることにより再混練により再流動化を抑え撹拌時間の短縮させることができる。連続式撹拌装置を使用することのメリットは下記の通りである。
(1)連続性があるので、余剰生コン搭載のアジテータ車数が多くても連続作業になり、生コン工場だけでなく、中間処理等で余剰生コンの処理する場合に適している。バッチ作業は単作業になるのでこうした連続作業には不向きである。
(2)装置の生コン定量フィーダーの容量を大きくすることで、数台のアジテータ搭載の余剰生コンを同時に処理することが可能になる。
(3)前記における制御を自動化することで余剰生コンを集約化して、無人化に近い状態で稼働することが可能になる。
(4)連続作業になるため、排出された団粒化生コンの処理作業も容易になる。
請求項6記載の本発明は余剰生コンの団粒化による再生材の製造方法として、請求項1により生成された団粒化した余剰生コンを団粒化直後にトロンメルや振動式篩から選択される分級装置の分級装置で粗粒分と細粒分に分けて骨材とすることを要旨とするものである。
請求項6記載の本発明によれば、余剰生コンの団粒化による再生材としての骨材を固化という工程を経ることなく、迅速に製造することができる。
請求項7記載の本発明は余剰生コンの団粒化による再生材の製造方法として、請求項1により生成された団粒化した余剰生コンを余剰生コン中のセメントと水分による水和作用によって固化させ、固化した状態のものを破砕して、振動式篩等の分級装置で粗粒分と細粒分に分けて、骨材や埋め戻し材の一部や路盤材(RC材)とすることを要旨とするものである。
請求項7記載の本発明によれば、骨材や埋め戻し材の一部や路盤材(RC材)とすることのタイミングを団粒化した余剰生コン中のセメントと水分による水和作用によって固化するタイミングとして計らい、固化した状態のものを破砕した後に、分級装置を介して、粗粒分と細粒分に分けることで、経時的なタイミングにより、固化前(即時的)と固化後の処理が可能になる。
請求項8記載の本発明は余剰生コンの団粒化方法に使用する団粒化装置として、生コン車搭載のアジテータ内で流動化している余剰生コンを排出後に撹拌装置にかけ、事前にエマルジョン化させた、重量平均分子量が、1000万〜2500万、アニオン性単量体としては25〜100モル%のアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子団粒化剤を添加して、該撹拌装置により空気間隙量を増大化させることを特徴とした余剰生コンの団粒化処理方法に使用する撹拌装置であり、余剰生コンの定量化フィーダー、高分子団粒化剤添加装置を装備することを要旨とするものである。
請求項8記載の本発明によれば、余剰生コンが生コン車で持ち込まれる場合、生コン車から生コンを排出する際の吐出量は安定しておらず、供給される余剰生コンの量が不安定になるが、余剰生コンの定量化フィーダー、高分子団粒化剤添加装置を装備することで連続撹拌装置に投入する量を安定させることができ、また、団粒化剤の添加量や団粒化剤のバインダー能(吸着性)を向上させるための細粒分・微粒分の添加量を安定させることが可能になり、システム化が実現できる。
請求項9記載の本発明はさらに、補助材添加フィーダーを装備することを要旨とするものである。
請求項9記載の本発明によれば、団粒化剤のバインダー能(付着性能)を高めるため細粒分・微粒分分子もしくは再生砂を添加する場合も補助材添加フィーダーを装備することで添加量を安定させることが可能になり、システム化が実現できる。
以上述べたように本発明の余剰生コンの団粒化方法およびそれによる再生材の製造方法およびそれに使用する団粒化装置は、流動化している余剰生コンを容易に移動、移送、解す、積込み、破砕、分級等の作業を容易にすることができるもので、特に余剰生コンを分級して再生骨材を生産する場合の作業性を向上させることができるものである。
本発明は、生コン車搭載のアジテータ内で流動化している余剰生コンを団粒化するのにアジテータで攪拌せずに、排出後に撹拌装置にかけることでアジテータ車を利用することのトラブルを回避でき、しかも、システム化により流動化している余剰生コンを容易に移動、移送、解す、積込み、破砕、分級等の作業を容易にすることができ、しかもアニオン性のポリアクリルアミド系高分子化合物を使用する場合、イオン性が強いものでも団粒化が実現できる。
本発明の幾つかの手法を組み合わせることで、次のような利点が得られる。
(1) 余剰生コンを処理する場合においては、団粒化することで流動性が失われるため、バックフォウ等のショベルでの積み込み、ダンプトラックによる運搬、ベルトコンベヤの移送が即時に行える。
(2) 生コン工場等で余剰生コンを希釈・分級して骨材を回収する方法から、一部でも団粒化技術を応用してRCの製造に利用することで、スラリー分の処理量の削減により、水処理・脱水処理設備の小規模化が可能になる。また、RCの販売による利益も見込める。
(3) 余剰生コンを硬化させコンクリート化した状態で、破砕処理を施し、分級して骨材を採集するような方法においては、本技術を応用して余剰生コンを固化することで、破壊エネルギー量を抑えることが可能になり破砕作業の簡素化と設備の小規模化が可能になる。
(4) さらに、固まるまでの時間を待たずに即時に分級することも可能になる。これにより、破砕作業工程は省略される。
(5) 余剰生コンを路盤材等に利用するような場合においては、硬化後に破砕するような作業をせずに団粒化した余剰な生コンを解すだけで利用可能になる。
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の余剰生コンの団粒化方法を示すフロー図で、本発明は余剰生コンに団粒化剤を添加し、撹拌装置4により空気間隙量を増大化させることにより団粒化状態の余剰生コンを得るものである。
図4〜図6に示すように、前記撹拌装置4は余剰生コンに団粒化剤を添加し、撹拌装置4により空気間隙量を増大化させることにより団粒化状態の余剰生コンを得るものとして、生コン車6からの余剰生コンをホッパーに貯留してスクリュー供給され、供給量を可変速可能にすることで安定化を図る定量化フィーダー5を備える。
定量化フィーダー5の後段には、余剰生コンを撹拌することにより空気間隙量を増大化させる撹拌装置4が設けられている。
また、団粒化装置である撹拌装置4は、団粒化剤量の可変添加可能な供給装置(ポンプ)で団粒化剤を連続添加できる団粒化剤添加装置9を有する。なお、図4には示していないが、撹拌装置4のスクリュー1(後述)近傍には団粒化剤を供給するための配管が団粒化剤添加装置9から設けられている。
さらに、団粒化剤添加装置には、団粒化剤のバインダー能を高めるための補助材としての再生砂を余剰生コンに添加するための補助材添加フィーダー7が装備されている。また、団粒化剤のバインダー能を高めるための細粒分・微粒分分子は、別途設けられたフィーダーにより余剰生コンに添加されてもよい。図中8は撹拌装置4において前記余剰生コンの定量化フィーダー5、団粒化剤添加装置9、補助材添加フィーダー7との連動と動作の設定を行う制御盤である。
先に、本発明で使用する団粒化剤について説明する。本発明で使用する団粒化剤はアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)を主成分とした高分子団粒化剤である。ここで主成分としたとは後述のようにエマルジョン化したものを使用するもので、エマルジョン化には乳化剤を事前に添加されてるので、純粋にA−PAM単味ではないという意味である。
A−PAMの重量平均分子量は、1000万〜2500万の範囲である。好ましくは1200万〜2000万、更に好ましくは1200万〜1800万である。1000万より低いと本発明の団粒効果が得られない。2500万より高いと適正な団粒化状態が得られない。
アニオン性単量体としては、25〜100モル%の範囲であり、好ましくは27〜100モル%、更に好ましくは30〜100モル%のである。アニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子は、ポリアクリルアミドをアルカリ等により加水分解反応して得られたもの、あるいはアクリルアミド単量体とアクリル酸単量体とを共重合して得られたものである。A−PAMを製造する際に使用するアニオン性単量体としては、アクリル酸の他にメタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、p−カルボキシスチレン、アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸、スチレンスルフォン酸等を併用しても良い。アニオン性単量体のモル数としては、25〜100モル%の範囲であり、好ましくは27〜100モル%、更に好ましくは30〜100モル%である。又、共重合可能な非イオン性単量体としては、アクリルアミドの他にN,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等を併用しても良い。
このアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子団粒化剤は、予めエマルジョン化(液状化)したものを用いる。エマルジョンは分子量を調製しやすく水溶液の分散性が高いため、油中水型エマルジョンの形態を採用する。油中水型エマルジョンの製造は常法による。即ち、特開2014-117625に記載している様に、イオン性単量体あるいは非イオン性単量体、又はイオン性単量体及び非イオン性単量体混合物を水、水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させた後、重合して製造する。
アニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)を主成分とした高分子団粒化剤は、余剰生コンに、余剰生コン1m3当たり0.5〜5kg/m3添加する。
前記余剰生コンの空気間隙量を増大化させるための撹拌装置4としては、生コンを製造する際のミキサー等のように重力撹拌の傾動式で、練り込むことを主体とするものはなるべく避け、数秒間の撹拌で効率よく空気を巻き込むようなものが好適であり、連続式撹拌装置を使用する。
なお、生コン製造に用いる強制2軸式と呼ばれるミキサー(混練設備)は、混錬翼の回転で空気の巻き込みを最小限するために、ミキサー製造者らのノウハウとして、回転速度は25min-1〜50min-1程度にしているケースが多いが、回転制御が困難であり、再練り流動化が起きる可能性が大きいので不適である。
図2にその1例を示す。これは後述の表1に示す一軸式連続撹拌装置のBタイプである。撹拌装置4は、スクリュー1、パドル2およびスクリュー3を有し、前段にあるスクリュー1は余剰生コンをパドル2に供給し、パドル2で撹拌を行なう。パドル2は詰まり現象を軽減するための角度があり、パドル2の撹拌後にスクリュー3で排出する。
この機長は2mであり、表1に示す一軸連続ミキサーAタイプは2.4mである。
一軸連続ミキサーAタイプのパドル2とスクリュー1,3の配置の変形パターンを図3に示す。図示の例では、余剰生コンの供給用スクリュー1は共通してパドル2の前位置にあるが、排出用のスクリュー3はこれをパドル2の後位置に設けた場合(中段の図)の他、パドル2間に組み合わせて配置することも可能である。
パドル2とスクリュー1,3の配置は撹拌物の性状や撹拌時間によって異なるが、団粒化を行う場合においては、撹拌時間を長くせずに、空気を巻き込みやすいパドル形状(例えば4枚羽根や2枚羽根)が好ましい。ただし、パドル2の角度・位置は、連続的に投入されてくる余剰生コンの詰まりの要因になるため、これらを配慮した形状とされている。攪拌装置4のケーシング径はあまり大きくならないようにされ、例えば、一軸式連続撹拌装置 Bタイプの場合で550mm以内としている。
また、詰まり現象と撹拌時間の短縮から、回転速度は100min-1rpm以上とした方が好ましい。好ましくは、130min-1〜180min-1である。
本発明は、流動性がなく、生コンの品質としては悪いとされる空気量(連続気泡体)が大きい団粒化体を形成することで、余剰生コン処理の移送、破砕等の作業性を改善することができるものである。
本発明では、余剰生コンに、ポリアクリル酸を主成分とし、重量平均分子量1000万以上、アニオン性単量体25モル%以上の凝集作用を示すアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子を団粒化剤として使用して流動性を失わせる。
生コンのワーカビリティ―性を評価するためのスランプ試験で団粒化剤の添加量とスランプ値の変化を図20に示す。
図20に示すスランプ値は、上限25cm、下限0cmで示され、流動性が大きいほど、上限値に近い値となり、小さいほど下限値に近くなるため、流動性に富む異なる試料を比較しても上限値と同じ値になる。逆に、流動性が無い状態で0cmとなり、これも同様に変形量の大小の比較にならないため、参考値として比較している。
この例によると、団粒化剤の添加量を多くすることで、流動性が失われることが分かる。例(1)では団粒化剤添加量1.5kg/m3で、例(2)は2.5kg/m3でスランプ値がゼロになっていることから、流動性が小さくなっていることが分かる。
スランプ試験のフローコーンに試料を詰めた状態で、そのフローコーンを上部に引き抜いた際に、底部から生コンが流れだして広がる状態をフロー値として測定した例を図7に示す。
この場合の試験値の下限値は、フローコーンの底部の直径20cmとなる。すなわち、スランプフロー値20cmが流動していない状態になる。この例では、試料(1)が1kg/m3、試料(2)が2.5kg/m3で流動性がないと判断できる。図20に示した試料と同じ生コンを使用している。
このように、余剰生コンの流動状態を団粒化剤で抑えることが可能である。また、図20のスランプ試験におけるスランプ値がゼロ(0)の状態とは、スランプコーンを引き抜いても形状を保っている状態であるため、ベルトコンベヤでの移送が行える状態であり、積み込みも容易に行える。
一般に使用されている生コンは流動性を保つようにAE減水剤等の界面活性剤を使用して、水分量が少なくても混錬しやすく生コンの作業性を良くするために独立した気泡を一様に形成させるようにしている。また、生コン製造時のミキサーで混錬中は、生コン中に連続空気量の巻き込みを抑えるようなミキサーの羽根形状、回転数、混練時間、混練量等に配慮して設計されている。
このように生コンにはAE減水剤が混合され分散状態になっている。この界面活性を示す高分子量は、例えばポリカルボン酸系の分子量であれば数万程度で、高分子剤の中での分子量は決して多い方ではない。この分散状態を凝集状態にするために、高分子量がこれの1万倍近いアニオン性ポリアクリルアミド系(A−PAM)高分子剤を用いて凝集作用を引き起こさせる。ただし、余剰生コンに団粒化剤が撹拌されてそのフロックが形成されなければ、団粒化状態にはならない。前記撹拌装置4は団粒化状態にする必須条件である。
また、添加量は余剰生コンの状態によって異なる。ここでいう状態とは、生コンは骨材とセメントと水および混和剤で構成されており、この内、概ね粒子径が1mm以上の粒径の骨材中の砂・砂利・砕石等は固体と見なし、凝集をさせようとするものはセメントと水および混和剤が混合されているセメントスラリーである。
このセメントスラリーにはセメント粒子と微粒分が含まれ、団粒化剤が添加されると、瞬時に強い凝集が生じるため流動性が失われる。これにより、セメントスラリーは粘着力が増した状態で骨材間の隙間に入り込んでいるので、空気間隙も増大して団粒化状態になる。
ただし、水分が多い場合はその粘着力は弱いので、団粒化によって生じる間隙量は小さくなる。つまり、セメントスラリー中に存在した細骨材と粗骨材との接触面積が、団粒化になること減少し気間隙が発生し、増大した粘着力の効果もあって、骨材間と少ない接触面積で吸着している。
本発明で使用している団粒化剤と余剰生コンが団粒化するメカニズムを図8について説明するが、本発明の団粒化のメカニズムは水処理の凝集とは異なるものである。
水処理の分野における高分子凝集剤の廃水中(排水とは別の意味で使用)にある懸濁物の粒子径の適応範囲として、一般には100μm(0.1mm)以下の粒子といわれている(日本科学情報編「水溶性、水分散型高分子材料の最新技術動向と工業応用」2001)。水処理の場合の凝集剤の利用は、主として水中の浮遊物を凝集して沈殿速度を早めることである。
本発明は、水処理のような沈降・沈殿の改善ではなく、これに比べて水分量は圧倒的に少ない余剰生コンの団粒化である。余剰生コンの水分量は、質量比(含水率)で多くて15%程度であり、出荷時の生コンの配合は概ね10%以下であり、これから想定しても10〜12%程度であることが多い。したがって水処理の懸濁水に場合に比べて水分量は圧倒的に少なく、微粒分の比率も全体の粒子径分布から比べて少ない。すなわち、水処理でいわれている高分子凝集剤の適応範囲とは異なる。
生コン材料の細骨材は、土質分類においては、10mm以下の粗粒分以下の粒子径を対象としている。砂の粒子周辺は、セメントスラリーと細粒分が付着している。
図11に示した日本統一土質分類法による土質分類に、生コンに使用される細骨材と粗骨材の粒径を示した。水処理でいう高分子凝集剤の懸濁物の粒子径の適応範囲0.01mmは、生コンでいう細骨材に含まれる微粒分に該当する。また、セメント粒子は10μm以下の微粉末であるが、セメント水和による凝集でペースト化されている。
生コンの配合は、水とセメントの質量比W/Cから設計されている。しかし、余剰生コンは、工事現場では不要な生コンとされ、廃コンとして加水され、設計時の水分より多い状態になっていることもある。その加水により、密度は元の生コンの密度に比べて小さくなっている。
つまり、余剰生コンの容積は元の生コンより増えているので、余剰生コンの単位容積中にある細粒分量およびセメント分の比率は出荷時の配合比率より小さくなる。そのため、水分が多くなるので流動性も増しているので、団粒化の状態は水分が多くなるにつれて悪化する。ただし、生コンの加水は多くても全体の含水率が2〜3%程度上昇する程度で流動化が保たれるので水処理の水分率、含水率とは異なる。
本発明の団粒化の場合は、水処理のような沈殿・沈降ではなく、余剰生コン中のセメント粒子を含めた細粒分以下の凝集によるフロックの拡大化によって生じる粘着力が増大し、それが砂分に付着し、さらにその砂分に付着した団粒化物が粗粒分に付着することで団粒化が形成される。
この粘着の増大は、セメントスラリー中の水和中のセメント粒子との強い凝集作用により余分な水分が取り込まれなくなり粘着力が増大したものと考えられる。
なぜなら、水分によって粘着力が増大するものは、生コン原料においては吸水能が悪い細骨材中に含まれる比較的吸水能の優れた微粒分と吸水能が優れ水和性の良いセメントだけであるため凝集作用が強く、粘着力が増大する。このとき、余剰生コン中の自由水も排水され間隙内に留まっている。これの水分は後に気化される。
余剰生コンの団粒化は前記図8に示したように、団粒化剤による凝集作用とセメント濃度が上昇し、時間の経過に伴う粘着力の増大および微粒分子の粘着力の相乗効果により微粒分粒子が細粒分粒子に付着、その付着の連鎖が粗粒分にまで影響する。
団粒化の作用における、最初の凝集においては、細粒分以下の粒子の量は、ある程度必要である。水分量の多い余剰生コンの単位水量を減少させるためと凝集物の付着相手として再生砂のような、微粒分から粗粒分までの粒度分布がなされているものは、粗骨材に付着がしやすく間隙量を確保することができる。
コンクリート中の骨材(砕石・砂利)を固形物として考えて、団粒化における容積変化への影響はないものとし、モルタル(砂+セメント+水)に団粒化剤を添加した団粒化モルタルの材齢4日までの初期段階の空気間隙量と気化した水分からセメント水比W/Cの変化を示したものを図9に示す。図中のPがモルタル、Gが団粒化モルタルの値である。
これによると、W/Cは団粒化モルタルの方が小さくなっており、水和された単位容積当たりの水分量が少なくなり、セメント水和物自体の水分濃度は大きくなっていることが分かる。一般には、セメントペースト濃度は高い方が強度は大きくなる。ただし、この場合は団粒化することで単位セメント量が少なくなり、連行空気量が増加したため、ポーラス状態の固化物となり強度は小さくなる。
余剰生コンの団粒化は、団粒化剤による凝集作用とセメント濃度が上昇し、時間の経過に伴う粘着力の増大および微粒分子の粘着力の相乗効果により微粒分粒子が細粒分粒子に付着、その付着の連鎖が粗粒分にまで影響する。
この内、団粒化の作用でセメントの水和等や凝集によって閉じ込められた水分以外の余分な水分は、団粒化物の表面に付着あるいは間隙に留まり、それ以外は気化する。間隙水や付着水も時間経過に伴って気化するので、団粒化物中の間隙にある水分は空気と入れ替わり、空気間隙量が増大する。
生コン中の粗骨材は粒径が大きく固形物であるため、モルタルを用いて団粒化させた状態を調べた際の状況を図10に示す。
図10の左側の写真は、生コン中の粗骨材は粒径が大きく固形物であるため、モルタルを用いて団粒化させた状態を調べた際の状況である。右側の写真は、同量のモルタルを団粒化した際の容積変化を調べた際の写真である。
左側の写真における団粒化した際の右側のモルタルと目視して比べても、通常のモルタルより空隙が増えていることが明確に分かる。その空隙量は、右側の写真に示したように容積が約1.4倍程度に増量したことから、空隙は約40%増大していると判断できる。余剰生コンの場合は、これに固形物としての粗骨材が入ることからこの容積を固定値として換算すると、少なく見積もっても空隙は15〜17%程度の空隙が出来ることになる。ただし、これは余剰生コンと団粒化剤の撹拌具合が良く間隙が壊れない状態を想定した数値である。
次に補助材添加フィーダー5により添加する補助材としての細粒分以下の粒子分もしくは再生砂について説明する。これら細粒分以下の粒子分もしくは再生砂は団粒化剤のバインダー能(付着性能)を高めるもので、粒径0.15mm以下の細粒分以下の粒子分を余剰生コンの容積1m3当たり単位添加量0.5kg/m3以上添加するもしくは再生砂の場合は1mm以下の粒子が粒度分布で40%以上ある再生砂を余剰生コンの容積1m3当たり単位添加量を15kg/m3以上添加する。
生コンの配合水は、流動性を保たせるために、セメントの水和に理論的に必要な水分量より多い量で配合されている。しかし水和に必要な水以外にも、排水されない水分もある。
地盤改良等では、泥状土に生石灰等を使用して改質が行われる例もあるが、本発明では、余剰生コンからの骨材を採集して再生化することを考慮し、脱水、固化等に使用される生石灰等は使用せずに団粒化剤が細粒分以下の粒子と凝集しやすくかつ、その連鎖によるフロックが拡大しやすくなる環境を余剰生コンに持たせるように、団粒化剤のバインダー能(吸着性)を向上させるために、細粒分・微粒分を添加させ団粒化を促進させる。
添加する細粒分・微粒分は、前記図11に示すシルト・粘土分だけでなく、スラグ等でも良いが、余剰生コンから骨材を採集する作業工程を考慮して、生コンの原料から得られた再生砂を用いることで生コン工場でも容易に準備でき、新たに購入するようなものではないので経済的なメリットが大きく、骨材の再生化工程において新たな廃棄物も生まない。
実施例として、図12に団粒化剤の添加量を固定して再生砂の添加量による団粒化物のスランプコーンによるフロー値の変化を示した。これによると、余剰生コンの単位容積当たりの添加量15kg/m3以上添加することで、下限の20cm、すなわちスランプ値に換算すると0(ゼロ)の状態になることが分かる。
図13に使用した再生砂の粒径と通過質量百分率(粒度分布)を示した。図12に示した例では、図13のB工場再生砂を使用する。
先に述べた、水処理の分野における高分子凝集剤の廃水中にある懸濁物の粒子径の適応範囲が0.1mmとした場合、再生砂の例では通過質量百分率が5〜9%の範囲にあり、これらから0.1mm以下の粒子の添加量を余剰生コン容積に対して15kg/m3の添加を基準に換算すると、約1kg/m3であったことが分かる。
一般に生コンの細骨材の品質管理上のフルイ分け試験では、最小フルイの径は0.15mmであり、日常の管理では0.15mmの分布量でしか把握できない。通常、これ以下の粒径の分布量は調べていないため、この粒径0.15mmの分布量を基準にすると、再生砂の例においては、0.15mm以下の粒子は10%以上含まれている。再生砂を使用する場合においては、この0.15mmの粒径分布を目安にしても良い。また、細骨材では微粒分を0.075mm以下としていることから、これを目安としても良い。
本発明においては団粒化剤の効能だけでなく、撹拌のやり方を工夫して、間隙量を増大させるもので、撹拌装置4については前記の通りであるが、下記表1に示した撹拌装置を用いて余剰生コンの空気間隙量を測定した例について説明する。この例に示した試験から次のような知見が得られた。
余剰生コンの状態によって団粒化状態も異なるが、含水率10%程度の余剰生コンを用いた例において、団粒化状態の空気間隙量を一つの目安として団粒化物の湿潤密度から換算して求めるとバッチ式に比べると連続式ミキサーに方が空気間隙量を大きくすることができる。機能性は次のようであった。
生コンアジテータ:団粒化には不向き、ドラム内に100kg/m3の付着物が残る。
強制2軸式ミキサー:回転制御が困難であるため撹拌時間で判断したが、再練り流動化が起きる可能性が大きい。余剰生コン投入量をミキサー仕様の7割以下にすることで再流動は抑えられるが、バッチ作業になるため処理能力に劣る。(1バッチ:2m3)
二軸式連続ミキサー:撹拌軸が二つあることで軸間にデッドゾーンができる。洗浄作業に時間を要するため、ケーシング構造に留意する必要がある。(処理能力:15m3/hr)
一軸式連続ミキサー Aタイプ:既存の生コン再練り用ミキサーの回転数を制御して実施することで、団粒化状態は良好になる。ただし、ケーシング構造によっては作業終了後の洗浄に時間を要する。(処理能力:30m3/hr)
一軸式連続ミキサー Bタイプ:団粒化を意識して製作し、ケーシングは天然ゴムの純度の高いライナ―テックス構造とし、(4)の仕様に比べパドル部分を多くしている。(処理能力:35m3/hr)
結果的に連続ミキサーは練り返しが少なく、余剰生コン投入から排出までが数秒であることから作業性に富むという結果が得られた。
団粒化した状態で固化した供試体の空気間隙量は余剰生コンの状態に比べて遥かに大きくなる。この団粒化した後に固化した供試体の圧縮強度と破壊エネルギーを測定した結果を図14に示す。
なお、試験に用いた余剰生コンの配合は同じものを使用した。これによると、団粒化後に固化した供試体の圧縮強度は、硬化後の余剰生コンに比べて、概ね1/3〜1/4程度になっていることが分かる。一方、破壊エネルギーについては、団粒化して固化したものは硬化後の要所生コンに比べて、1/10以下になっていることが分かる。破壊エネルギー値は換算値であるが、団粒化した固化物の方がポーラスな構造になっているため、密度は硬化した余剰生コンと比べて小さい状態である。具体的に破壊した状態は材齢によっても異なるが、材齢4日後の場合、硬化後の余剰生コンの落下高さ約12mで破壊された。
これに対して、団粒化後に固化したものは、0.5mの高さで破壊されていた。圧縮試験は、加圧面を供試体に押し付けた状態で加重する方法で、これに比べ、落下させた試験は動的なものになっていることから、破砕作業では破壊エネルギー換算値を参考した方が良い。つまり、余剰生コンを分級して骨材を採集する作業では、団粒化後に固化されている方が軽微な破砕処理で良いことが判断できる。
破壊状態の例を図15に示した。破壊状態も、団粒化したものは粉砕の状態が良く硬化した余剰生コンの場合は断面的なものになっていることから、重機で一時的に破砕して粉砕機等で実施する一般的な骨材採集方法の一時的な破砕作業を省略できる可能性が十分に高い。
この試験に用いた供試体の空気間隙量のヒストグラムを図16に示した。この試験に用いた供試体は、表−1に示した一軸式連続ミキサー Aタイプで実施したものを使用し、形成した供試体の空気間隙量は平均的に11%程度になっていた。なお、表−1に示したように、Bタイプは、Aタイプをより空気間隙量は増大する。
また、水分量まで含めた間隙量を湿潤密度等から換算すると、機械装置で実施した場合は供試体の扱いが難しく、解された状態で平均的に21%、供試体に詰めた場合は平均的に14%であった。これを図17に示した。
これらの実施例(試験結果)から、団粒化後に固化された状態は硬化した余剰生コンに比べて、著しく、破壊時のエネルギ−量が減少する。間隙増大により容積が増すことを考慮しても、再生骨材を製造する過程の作業量は減少し破砕作業が容易になる。
また、分級せずに路盤材や埋め戻し材として再利用が可能になる等、余剰生コンの再利用に伴う作業・設備が軽減できる。
このようにして得られた再生化された骨材は、硬化コンクリートを破砕して実施している品質と同等であり、生コン工場内におけるリサイクル品活用だけでなく商品化も可能になる。(表2参照)
次に、本発明において余剰生コンの団粒化した場合のその後の処理として余剰生コンの団粒化による再生材の製造方法について述べる。
図18に示すように本発明に関連する余剰生コンの分級における団粒化に固化して実施する場合と、図19に示すように団粒化直後(即時)に実施するフローに分けられる。
図18の場合は、生コン中のセメントと水分による水和作用によって固化するタイミングを計らい、固化した状態のものを破砕する。
前者は余剰生コンを団粒化処理して、数日後に破砕して重力式飾により粗粒分を細粒分に振り分けて、振動篩で粗粒分に付着した細粒分を排除して粗骨材(砂利)を分級する。なお、破砕設備投入はショベル等で所定の大きさにしておくと効率が良い。
後者は余剰生コンを団粒化処理した後、重力式飾により粗粒分を細粒分に振り分けて、振動飾で粗粒分に付着した細粒分を排除して粗骨材(砂利)を分級するものである。なお振動飾は粗骨材の品質を高めるために使用するので、分級だけ行う場合は、重力式だけでも良い。
図18に示す余剰生コンを団粒化して固化後に分級する場合は軽微な破砕作業が必要である。これに対して、図19に示す即時に分級する場合は破砕作業がなく、団粒化物を直接分級装置に投入するため、分級装置のスクリーン(網)にまだ固化していない団粒化物の一部が付着する可能性が高くなるため、振動篩のような高速振動で篩分けよりも回転式のフルイが好ましい。
即時分級を前提に団粒化物の状態を管理することで分級可能とする機構の装置ではなくなる。つまり、余剰生コンの状態から適切な団粒化剤および再生砂等の補助材の添加量の判断を行うこと、篩装置のスクリーンの監視を実施することで、即時分級は可能になる。団粒化後に分級する場合、ある程度(10%以上)の空気空隙量を確保するだけで、固化作用がセメント水和であるため管理は即時に比べて容易である。
また、生成された団粒化した余剰生コンを生コン中のセメントと水分による水和作用によって固化するタイミングを計らい、固化した状態のものを破砕して得られたものを埋め戻し材の一部や路盤材(RC材)とすることもできる。
余剰生コンを団粒化後に分級して得られた再生骨材の試験結果を下記表2に示した。
前記表2に示した品質評価試験例から、分級手法によって品質は異なるものの、再生骨材としての評価が得られることが証明された。即時分級ケース1とケース2は、振り分け装置の機種によるものである。各品質評価のH、M、Lは、JISによって定められた評価であり、表2の試験結果は、専門機関で実施・評価したものである。
本発明の余剰生コンの団粒化方法を示すフロー図である。
本発明の余剰生コンの団粒化方法で使用する撹拌装置の説明図である。
本発明の余剰生コンの団粒化方法で使用する撹拌装置の各例を示す説明図である。
本発明の余剰生コンの団粒化方法で使用する撹拌装置の設置例を示す平面図である。
本発明の余剰生コンの団粒化方法で使用する撹拌装置の設置例を示す側面図である。
本発明の余剰生コンの団粒化方法で使用する撹拌装置の設置例を示す正面図である。
スランプ試験のフローコーンに試料を詰めた状態で、そのフローコーンを上部に引き抜いた際に、底部から生コンが流れだして広がる状態をフロー値として測定した結果を示すグラフである。
団粒化剤と余剰生コンが団粒化するメカニズムを説明した概念図である。
コンクリート中の骨材(砕石・砂利)を固形物として考えて、団粒化における容積変化への影響はないものとし、モルタル(砂+セメント+水)に団粒化剤を添加した団粒化モルタルの材齢4日までの初期段階の空気間隙量と気化した水分からセメント水比W/Cの変化を示すグラフである。
生コン中の粗骨材は粒径が大きく固形物であるため、モルタルを用いて団粒化させた状態を調べた際の状況と同量のモルタルを団粒化した際の容積変化を調べた際の写真による状態図である。
日本統一土質分類法による土質分類に、生コンに使用される細骨材と粗骨材の粒径を示した説明図である。
団粒化剤の添加量を固定して再生砂の添加量による団粒化物のスランプコーンによるフロー値の変化を示したグラフである。
使用した再生砂の粒径と通過質量百分率(粒度分布)を示したグラフである。
団粒化した後に固化した供試体の圧縮強度と破壊エネルギーを測定した結果のグラフである。
破壊状態の例を示す写真による状態図である。
試験に用いた供試体の空気間隙量のヒストグラム図である。
水分量まで含めた間隙量を湿潤密度等から換算した結果のグラフである。
余剰生コンを団粒化して固化後に分級する方法の説明図である。
余剰生コンを団粒化直後に分級する方法の説明図である。
生コンのワーカビリティ―性を評価するためのスランプ試験で団粒化剤の添加量とスランプ値の変化を示すグラフである。
生コン車搭載のアジテータの内部概念図である。
生コン車搭載のアジテータの流動化状態を示す説明図である。
1,3…スクリュー 2…パドル
4…撹拌装置 5…定量化フィーダー
6…生コン車 7…補助材添加フィーダー
8…制御盤 9…団粒化剤添加装置