JP3433162B2 - 汚泥の再生処理方法 - Google Patents

汚泥の再生処理方法

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JP3433162B2
JP3433162B2 JP2000250733A JP2000250733A JP3433162B2 JP 3433162 B2 JP3433162 B2 JP 3433162B2 JP 2000250733 A JP2000250733 A JP 2000250733A JP 2000250733 A JP2000250733 A JP 2000250733A JP 3433162 B2 JP3433162 B2 JP 3433162B2
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kneading
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卓哉 小田原
一志 青滝
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株式会社熊野技建
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚泥の再生処理方
法に関する。より詳細には、建設関連汚泥、すなわち、
建設現場から発生する汚泥や製砂工場および採石場にお
いて製品を水洗いする過程で発生する汚泥や、下水道堆
積汚泥を焼却した焼却灰等を再資源化する処理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】各種建設現場から発生する汚泥の処理に
ついては、汚泥にセメント系固化材や石灰を混合して含
水率を下げた後に管理型埋立て処分場に持込むか、各種
固化材の混合比率を上げ盛土材として使用するのが大半
である。また、最近では混練・造粒機械の進歩により汚
泥に対して、上述したセメント系固化材や石灰に加え特
殊凝集剤等を使用し強度を増したものを路盤材として再
資源化するものもあるが、コストが高く事業化されてい
ない。また、これらの再生方法によって造られた盛土材
や路盤材といった改良土などは限られた用途、例えば埋
め戻しや盛土にしか使用できないという難点がある。
【0003】また、その他の再資源化方法として、汚泥
をロータリーキルン等で焼成し造粒したものをドレーン
材や基盤材として販売している事例もあるが、処理コス
トが非常に高くなるという問題がある。
【0004】一方、製砂工場や採石場において製品を水
洗いする過程で発生する汚泥については、フィルタープ
レス等の圧縮減容器にかけ脱水ケーキ状とした後、同工
場内で埋立て処分されるか管理型埋立て処分場に搬出さ
れている。また最近では各メーカーにおいて脱水ケーキ
を破砕した後に適量の水と固化材などを混合し路盤材等
に再資源化するための機械装置が開発されているが、こ
れらの製品についても汎用性が低く限られた用途にしか
再利用されていないという現実がある。
【0005】さらに下水道堆積汚泥などを焼却した際に
発生する焼却灰の処理については、管理型最終処分場で
の埋立て処分が主流となっていて、有効な再資源化方法
については確立されたものがないのが現状である。
【0006】また、全国各地における埋立て処分場は満
杯状態であり、新規に処分地を確保することは非常に困
難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的と
するところは、上記従来例の欠点を解消し、汚泥を主原
料とした建設関連資材を製造することにより、現在まで
行われてきた最終処分や限られた用途にしか使用できな
い再資源化方法を見直し、幅広い分野において利用可能
な再生品を製造することのできる汚泥の再生処理方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達するため
に、請求項1の発明の汚泥の再生処理方法は、建設現場
から発生する汚泥や製砂工場および採石場において製品
を水洗いする過程で発生する建設関連汚泥を再資源化す
る処理方法であって、盥状の器(2)に設けられた撹拌
用の羽根(3)が水平回転することにより混練を行う回
転パン型混練ミキサー(1)の、器(2)に残土,セメ
ント系固化材,及び、生石灰を投入して混練した後、前
記汚泥を投入し、その後、更に生石灰を投入して粒形に
おいて表面が滑らかな球形をなす再生品を製造するもの
で、前記器(2)に前記汚泥を投入する前段階に、再生
品の一部を投入して撹拌用の羽根(3)に汚泥が付着す
ることを防止することを特徴とする。
【0009】また請求項2の発明は、下水道堆積汚泥を
焼却した焼却灰を再資源化する処理方法であって、盥状
の器(2)に設けられた撹拌用の羽根(3)が水平回転
することにより混練を行う回転パン型混練ミキサー
(1)の、器(2)に焼却灰,及び、セメント系固化材
を投入して混練した後、建設関連汚泥(建設現場から発
生する汚泥や製砂工場および採石場において製品を水洗
いする過程で発生する汚泥)を投入し、更に前記焼却灰
を投入して粒形において表面が滑らかな球形をなす再生
品を製造することを特徴とする。
【0010】なお、上記の課題を解決するための手段に
記載された括弧内の記号は図面及び後述する発明の実施
の形態に記載された記号に対応するものである。
【0011】請求項1の発明によれば、建設現場から発
生する汚泥や製砂工場および採石場において製品を水洗
いする過程で発生する汚泥は、残土,セメント系固化
材,及び、生石灰とともに回転パン型混練ミキサーで混
練されると、粒形において表面が滑らかな球形をなす再
生品が製造される。すなわち、汚泥は、残土と混練され
ることにより単位水量が低下し、セメント系固化材と混
練されることにより固化され、さらに生石灰とともに混
練されることにより材料が無数に団粒化される。そし
て、団粒化された材料の一粒一粒は回転パン型混練ミキ
サーで混練されることにより回転運動が与えられて球状
化されると同時に締固めが短時間で行われる。そして、
ミキサーから排出された時点である程度の強度を持った
状態になっていて、球状であるために見た目にも綺麗で
しかも再生品の一粒一粒がある程度の強度を有し、微細
な粒子にまでそれが及んでいる。このような再生品は吸
水性及び透水性に優れている。なお、再生品の強度につ
いては使用するセメント系固化材の混合量を変えること
により任意に設定することができる。
【0012】このように特に加熱・加圧処理を行うこと
なくしかも簡易な方法で、汚泥をある程度の強度を有す
る球形状の再生品にすることができるので、路盤材やド
レーン材、あるいは植生基盤材などの各種建設用資材や
骨材として再資源化することができる。
【0013】また、器に汚泥を投入する前段階に、再生
品の一部を投入して撹拌用の羽根に汚泥が付着すること
を防止するので、混練による回転運動が円滑に行われ
る。
【0014】また請求項2の発明によれば、下水道堆積
汚泥を焼却した焼却灰は、セメント系固化材、建設関連
汚泥、及び、二次投入された焼却灰とともに回転パン型
混練ミキサーで混練されると、粒形において表面が滑ら
かな球形をなす再生品が製造される。すなわち、焼却灰
と建設関連汚泥とが混練されることにより汚泥の単位水
量が低下し、セメント系固化材と混練されることにより
固化され、焼却灰が二次的に投入され回転パン型混練ミ
キサーで混練されることにより回転運動が与えられて球
状化されると同時に締固めが短時間で行われる。なお、
焼却灰は微粒子の集合体であるので、請求項1の発明の
ように特に生石灰を加える必要はない。
【0015】これによれば、請求項1の発明と同様に特
に加熱・加圧処理を行うことなくしかも簡易な方法で、
焼却灰をある程度の強度を有する球形状の再生品にする
ことができるので、路盤材やドレーン材、あるいは植生
基盤材などの各種建設用資材や骨材として再資源化する
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態) 本発明の第1の実施の形態は、建設現場から発生する汚
泥や製砂工場および採石場において製品を水洗いする過
程で発生する汚泥を再資源化する処理方法であり、図1
及び図2に示すような回転パン型混練ミキサー1が使用
される。
【0017】この回転パン型混練ミキサー1(例えば、
トンボ日工商事株式会社製のモルタルミキサー「スピニ
ィ」など)は盥状の器2を有していて、器2の中心部に
ある一本の円柱状の主軸4から2本(それ以上にするこ
ともできる)の腕5が器2の底板に向かって延びてい
て、各腕5の先端には撹拌用の羽根3が取付けられてい
る。各2本の腕5は長短があり、外回りと内回りの同じ
向きの回転運動をし、羽根が水平回転することにより材
料を均一に混練するようになっている。なお、混練材料
の供給は器2の上部から投入することによって行い、完
成品(再生品)の排出は底の一区画を開くことにより行
われる。
【0018】次に、混練方法及び混練手順について説明
すると、先ず、回転パン型混練ミキサー1に単位水量低
下という役割を担う残土と、セメント系固化材全量と、
及び生石灰の一部約150キログラム(kg)を投入し
混練を行う。これらの材料を各保管庫に保存していたも
のをスクリューコンベア等により一定時間内に定量供給
させる。ここでの混練・混合はミキサー1についている
撹拌用の羽根3が数回転する程度で十分である。その
後、汚泥を投入するのだが、汚泥は非常に粘性の強い性
状を有しており、そのままでは羽根3の進行方向の面に
付着してしまい混練効率、生産効率が著しく落ちてしま
うという問題が発生する。そこで、前回までに製造して
おいた再生品を少量、各々の羽根3の進行方向の面に置
いてやることでこれらの問題が解消される。すなわち、
再生品が羽根3への汚泥付着を防止し、且つ混練による
回転運動が行われることにより摩擦抵抗の少ない球形で
あることが有意に作用して、汚泥の団塊化を防ぎその他
の材料との均一な混練促進効果が得られる。
【0019】汚泥が各材料に馴染んだところで生石灰の
二次混合を行う。全ての生石灰が投入される頃には既に
ある程度の造粒化が始まっており、その後、3〜7分間
程度の混練で、粒形において表面が滑らかな球状化され
た再生品が完成する。なお、混練時間を長めにとれば粒
形の大きな再生品ができやすい。また、再生品の強度に
ついては使用するセメント系固化材の混合量を変えるこ
とにより任意に設定することができる。そして、ミキサ
ー1の排出口を開き、粒度別に分けられた後、製品ヤー
ドへと搬出される。なお、製品排出時にはミキサー1は
稼働状態のままにされる。
【0020】各種材料の添加については制御システムを
作製しボタン操作一つで規定量の供給を行うが、生石灰
の二次混合や排出タイミングの見極めについては目視に
より行う必要がある。その理由は、材料のロスを削減す
ることと、均一的な再生品を製造するうえでも重要な作
業となるからである。また生石灰を使用することによっ
て水和熱反応で発生した蒸気については混練ミキサー1
上方にバグフィルターを設置し、その排出口を分級機水
槽内に付けておくか汚泥保管庫に付随して設置された集
水枡につけておく。両者の選択については効率の良い方
を任意に選ぶ。これらの水についても再利用を行う。
【0021】混練手順について上記以外の手順を踏むと
混練具合にムラが生じ均一的な再生品の製造が困難にな
るとともに、有価材料のロスが多くなるといった事例が
判明している。
【0022】また、上記のミキサー1以外の形状をもっ
たミキサーあるいは撹拌・混合機を使用した場合には球
状化された再生品を製造することはできない。ある程
度、造粒化された製品は製造可能であるが、球状でない
ために製品単体の締固めが良好に行われておらず、強度
発現までに時間を要することになってしまう。回転パン
型混練ミキサー1を使用する最大の利点は、生石灰を使
用することにより材料が無数に団粒化されることと、団
粒化された材料の一粒一粒に回転運動を与えることが可
能な点にある。つまり、回転運動が施された材料は球状
化されると同時に締固めが行われており、ミキサー1か
ら排出された時点である程度の強度を持った状態になっ
ている。球状であるために見た目にも綺麗な再生品がで
きるものも利点であるが、逆にいえば混練直後であって
もある程度の強度を持った再生品を製造しようと思えば
球状化させる以外に方法はないともいえる。再生品の一
粒一粒がある程度の強度を有し、微細な粒子にまでそれ
が及んでいる。
【0023】現在開発されている種々の混練機械で造粒
された再生品は、路盤材としての品質を保持するだけの
強度発現を実現しているが、適性な強度発現までに時間
がかかるという欠点を持っている。セメント系固化材や
特殊凝集剤などの含有率が高いため、生コンクリートと
同様の性質を兼ね備えてしまっているからである。また
造粒されているだけなので造粒物単体に良好な締固めが
行われておらず、養生期間に長期を要するという結果に
なっている。しかも再生品の使用範囲が狭く、発展性に
乏しい再生処理方法といえる。
【0024】なお、混合する材料について混練手順など
の違いによりその使用量に影響を及ぼすことが判明した
ため、より効率の良い製造方法を得るために以下に示す
項目 (1)汚泥含水率の低下促進及び汚泥保管庫の形状選定 (2)単位当り水量の決定 (3)汚泥とその他材料の混合比率決定及び材料費算出 (4)各種材料での混練実験 (5)再生品の品質試験 について考察した。
【0025】(1)汚泥含水率の低下促進及び汚泥保管
庫の形状選定について これは、汚泥自体の含水率低下を促進させることにより
有価材料の混合量減少を期待することを目的とするもの
である。すなわち、生石灰や固化材などを汚泥に混合す
る場合、含水率何パーセントの汚泥に対して幾ら添加・
混合するという数値が示されていることが多いことに鑑
み、汚泥の含水率低下を促進し添加量を減少させること
を目的とした。
【0026】汚泥に残土を混合することで単位当りの含
水率が下げられることは知られているが、ここでは機械
装置などを使用しないで汚泥そのものの含水率を下げる
ことに着目し、汚泥保管庫の形状を変化させることによ
って、時間経過により圧密沈降速度とそれによる微粒子
と上水との分離がどの程度影響を受けるのかを測定し
た。測定方法は目視による判定のほか、各容器毎に上水
を除去した汚泥サンプルを採取し含水率を測定し低下率
を算出した。その結果、鋭角な逆円錐状の形状をもつ保
管庫が適していることが判明した。但し、逆円錐状の保
管庫は敷地の有効利用の観点から無駄なスペースを生む
という欠点があるため、保管庫の下部は逆円錐状又は逆
四角錐で、上部は円柱状又は四角柱にすることが望まし
い。
【0027】また今回の実験では、上水の除去回数を増
やしその都度汚泥を撹拌することで圧密沈降により形成
された不透水層が破壊され新たな圧密沈降が行われて微
粒子と上水の分離が促進されることや、汚泥を小分けし
て保管することによっても同様の効果が得られることが
確認できた。上水の排出方法については保管庫側面に水
道蛇口のような形状をしたドレーンやコックを縦列に複
数取付る程度で十分であり、そうして集水された水は製
砂プラントの分級機用循環水として再利用する。また保
管庫内部には錆による腐食を防止するためゴム等を張り
つけるか仕上げ面が滑らかになるようなコーティング材
等を塗布しておく。汚泥が保管庫内面に付着するのを防
止するとともに、摩擦抵抗の減少により速やかに汚泥が
沈降するという効果をも期待するのである。
【0028】(2)単位当り水量の決定について これは、汚泥を水と微粒子の集合体と捉えることにより
各々を材料視し、そこに残土を加えることにより単位水
量の低下を図るものである。残土の含水率についてもサ
ンプル採取毎に測定を行っており、水と微粒子、細骨材
の集合体として各添加材との配合を算出した。基本的に
は生コンクリート製造時に用いられる水セメント比の考
え方がベースになっている。ここでも先の考え方と同
様、添加材料の使用量を減少させるという目的が含まれ
ていて、その上で最も混練に適した含水率を算出し、合
せて作業性を確認していく作業を行った。
【0029】その結果、汚泥質量に対して2.25倍程
度の質量をもつ残土を加えることが適当であると判明し
た。汚泥と残土を混合したものの含水率は30パーセン
ト程度にするのが望ましい。ここでの結果を基に再生品
を1立方メートル(m3)製造するのに要する各添加材
料の混合量を算出した。
【0030】(3)汚泥とその他材料の混合比率決定及
び材料費算出について これについては、再生品を1立方メートル(m3)製造
するのに要する各種添加材の材料費算出を行った。セメ
ント系固化材については要求強度に応じて混合量の調整
を行うが、混合量を抑え過ぎると強度がないものができ
てしまい、再生品を取扱う際に破壊する場合が多く、し
かも球状化され難いことが判明した。またセメント系固
化材については再生品1立方メートル(m3)製造につ
き最低限100キログラム(kg)の混合を目安とする
のが適当であることも判明した。生石灰の混合量につい
ては、1立方メートル(m3)当り200キログラム
(kg)が基準量であった。これは、数十回にわたる試
作実験において各々球状化するまでに要した生石灰量の
統計から平均値をとったものである。
【0031】基本的に、有価材料は以上のセメント系固
化材と生石灰の二つのみである。これらの購入価格には
地域格差があるが、完成された再生品中に占める材料費
は市場性を無視したような割高なものにならないこと
も、今回の実験で確認済みである。
【0032】(4)各種材料での混練実験について これは、有価材料に関して材料形状を変更させた場合に
おける再生品の品質に対する影響を調査し生石灰の形態
について考察を行った。生石灰の形態としては顆粒状の
ものと粉状のものとを使用した。その結果、顆粒状のも
のと比べると粉状の生石灰の方が団粒化への反応が早
く、製品化に要する時間も短時間で済むことがわかっ
た。このように、時間当りの製造量を考慮すると大量生
産に適しているのは粉状の生石灰であるが、製造された
再生品の強度が著しく弱く脆いものになってしまった。
よって、粉状の生石灰では、路盤材や基盤材等のある程
度強度を要求される使用先については適当な再生品は製
造できないことが判明した。
【0033】一方、顆粒状の生石灰を使用した再生品に
ついてはある程度の強度を有するものが完成され、路盤
材や基盤材等として有効な再生品ができるので、顆粒状
の生石灰を主体に製造した方がよいことがわかった。ま
た、顆粒状の生石灰を使用した再生品は、製造直後であ
っても重機械の積込みなどによる変形や磨耗、破壊など
に対して強く、製造後直ちに製品として出荷可能とな
る。
【0034】(5)再生品の品質試験 この品質試験については、汚泥に残土を混合した再生品
と既存の骨材とを混合した製品についてJISに定めの
ある路盤材としての適性を判定した。その結果、RC砕
石と混合し粒度調整を行うことにより従来のRC砕石の
みでは成し得なかった上層路盤材としての品質規格を満
たすことが可能であるということがわかった。これは、
再生品単体の強度がやや低い、いいかえればRC砕石と
比較して脆いことが有意に作用し、間隙充填材として路
盤密度を高める機能を発揮した結果と考えられる。な
お、この実験ではコンクリートガラを破砕処理したRC
砕石に対して再生品を質量で約同量混合した材料を使用
した。再生品単体の強度を上げるには混合するセメント
系固化材やセメント量を増やすことによって可能となる
が、今回の社内試験で使用した再生品は基本配合に沿っ
たものを使用している。
【0035】(第2の実施の形態) 本発明の第2の実施の形態は、公共下水道などに堆積し
た汚泥を凝集沈殿させたものをロータリーキルン等で焼
却した焼却灰を再資源化する処理方法である。焼却灰の
形状は赤褐色のパウダー状であり、現在殆どの自治体で
管理型最終処分場において埋立て処分されている。
【0036】焼却灰自体には重金属等の有害物質は殆ど
含まれておらず、検出された場合においも基準値以下の
値を示しているため、その安全性については確認されて
いるのだが、再資源化方法や利用先が確立されていない
ために管理型最終処分場へと搬出されている。本発明に
おいて焼却灰を原料として使用した場合には、全原料中
に占める割合で50パーセントの利用が見込めることを
確認している。また一方の原料は建設関連汚泥を使用す
ることに変わりないという観点からも極めて有効な再資
源化であるといえる。
【0037】本発明を焼却灰中間処理技術に応用した場
合には再生骨材への再資源化が可能となり、既存のRC
砕石等に混合して出荷することも可能である。もちろん
混合比率や配合については考慮する必要性があるが、適
性な添加量調整を行うことにより本来求められる品質基
準を満たすことができる。また、その他利用先について
も庭園などに見られる景観用の敷砂利やドレーン材とし
ての利用が考えられている。
【0038】焼却灰を球状化させる場合においても基本
的な混練手順などに大きな変更はなく、図1及び図2で
示した回転パン型混練ミキサー1の器2に焼却灰,及
び、セメント系固化材を投入して混練した後、建設関連
汚泥を投入し、更に焼却灰を二次的に投入して粒形にお
いて表面が滑らかな球形をなす再生品を製造するもので
あり、建設関連汚泥と土を原料として球状化させる時と
の相違点は、基本的に生石灰が不要であるという点であ
る。生石灰を使用すると団粒促進効果が得られ早期の球
状化が実現可能であるが、基本的には有価材料である生
石灰の使用を避け極力安価な製造方法を選択するのが良
い。生石灰の使用の有無を問わず、製造された球状化物
には性状的な変化はなく、焼却灰の臭気についてはセメ
ント系固化材に含まれる石灰分や球状化による締固めに
よる影響で殆ど感じることはない。
【0039】また建設関連汚泥に対する混合材料として
土を使用した場合には、生石灰の二次混合を十分に行い
球状化を実現させる必要があるが、焼却灰の場合にはあ
る程度の粒状化がみられたところで焼却灰の二次添加を
徐々に行う。これは混練による練り返しにより球状化物
表面が湿潤状態となるため、大小様々な球状化物が互い
にくっついてしまう現象を防ぐ役割を担う。造粒物の一
粒一粒が絶えず回転運動を行っているという事実と、焼
却灰が徐々に球状化物の周囲に付着する現象が重なり、
雪だるまが造られるのと同じ原理で球状化が行われる。
また違う例をあげれば、子供の頃に誰もが一度は目にし
たであろうドロ団子の製造原理と同じである。
【0040】本発明を焼却灰の中間処理技術に応用した
場合には基本的には生石灰の混合で得る団粒促進効果を
期待する必要はないが、これは焼却灰が微粒子の集合体
であることに起因しており石炭灰などにも応用可能であ
る。しかし、粗い粒子を含む残土などにおいてはこの方
法は無効である。
【0041】(実施例) 本発明は、製砂プラントから排出される汚泥を主原料と
した関係上、同一敷地内での実験・実施を行った。汚泥
は、産業廃棄物として位置付けられており、発生場所か
らの搬出は原則的に禁止されている。発生場所から外部
への搬出に際しては、含水率を下げ標準仕様ダンプトラ
ックへの積載が可能であり且つ搬送中の振動による練り
返し等がおこらない状態にする必要がある。本発明では
汚泥の上水を除去した程度の、生に近い状態での汚泥を
使用するため搬出に適した荷姿にすると不具合が生じる
ことから発生現場内での実施を行った。
【0042】主原料となる汚泥は、製砂プラントから搬
出されたものを使用し、土は製砂原料となる残土をふる
いわけた13mm以下の粒度のものを使用した。また焼
却灰については安定的に入荷される体制が整っていない
ことから実験サンプルを入手し実験を行った。
【0043】汚泥やその他の原材料、生石灰や固化材な
どは各保管庫に収納され、回転パン型混練ミキサー1へ
の供給は各保管庫下部に設置されたスクリューコンベア
等により行う。基本配合が設定されているためコンベア
の搬出速度の変化を利用したり、時間当りの排出能力が
異なる機種を組み合わせるなどして要求量に応えるシス
テムを備える。また生石灰や焼却灰の二次混合について
は先述した理由により目視で添加量を調整、確認する方
が良い。混練を終了した時点でミキサー1の排出口を開
くが、この時点では回転を継続しておく必要がある。な
ぜなら羽根3が回転することにより再生品を掻き出す要
素が生まれるからである。
【0044】排出された再生品はベルトコンベアにより
ストックヤードへと搬送されるが、途中にスクリーン等
の粒度選別装置を備えておく。これは、粒形の大きな再
生品は生石灰の反応により膨脹し内部破裂をおこすこと
に起因している。球形で且つ表面が滑らかであることが
メリットでもあることから、これらの粒形のものは除去
しておいた方が良い。ただし、内部破裂を引き起こす粒
形は30mm以上のものであり製造量の10パーセント
にも満たない。しかも粗骨材程度の再生品を製造するし
ないの選択は含水率や混練時間の調整などによりある程
度の調節が可能である。また1.2mm以下の細かい粒
形のものについては生石灰が水に反応した後にできる消
石灰を多分に含むことから、再生品のなかから除去し汚
泥単位水量減少のための材料として再利用する。生石灰
使用の有無を問わず、再生処理されたものの全量が再生
品あるいはその原料となる結果を得ている。すなわち、
この再生処理方法によって生じる新たな産業廃棄物は皆
無である。これによれば、混練直後であってもある程度
の強度を有することから直ちに重機械等の使用にも耐え
得る非常に取り扱い易い再生品を完成させることが可能
である。
【0045】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、これまで
産業廃棄物として埋立て処分に依存していた建設関連汚
泥や下水道堆積汚泥を焼却した焼却灰をほぼ全量有価物
として再生利用することが可能になる。その利用範囲は
広く、例えば路盤材やドレーン材、あるいは植生基盤材
などの各種建設用資材や骨材として再資源化することが
できる。その他、庭園用敷砂利やコンクリート二次製品
用骨材などにも利用できる。
【0046】また請求項1の発明によれば、器に汚泥を
投入する前段階に、再生品の一部を投入して撹拌用の羽
根に汚泥が付着することを防止するので、混練による回
転運動が円滑に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例に係る回転パン型混練ミ
キサーを示す斜視図である。
【図2】図1の回転パン型混練ミキサーの器を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 回転パン型混練ミキサー 2 器 3 羽根 4 主軸 5 腕
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−323335(JP,A) 特開 昭49−107976(JP,A) 特開 平7−133498(JP,A) 特開2001−278647(JP,A) 特開 平7−265837(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 11/00 - 11/20 B09B 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建設現場から発生する汚泥や製砂工場およ
    び採石場において製品を水洗いする過程で発生する建設
    関連汚泥を再資源化する処理方法であって、 盥状の器に設けられた撹拌用の羽根が水平回転すること
    により混練を行う回転パン型混練ミキサーの、前記器に
    残土,セメント系固化材,及び、生石灰を投入して混練
    した後、前記汚泥を投入し、その後、更に生石灰を投入
    して粒形において表面が滑らかな球形をなす再生品を製
    造する方法で、前記器に前記汚泥を投入する前段階に、
    前記再生品の一部を投入して前記撹拌用の羽根に前記汚
    泥が付着することを防止することを特徴とする汚泥の再
    生処理方法。
  2. 【請求項2】 下水道堆積汚泥を焼却した焼却灰を再資源
    化する処理方法であって、 盥状の器に設けられた撹拌用の羽根が水平回転すること
    により混練を行う回転パン型混練ミキサーの、前記器に
    焼却灰,及び、セメント系固化材を投入して混練した
    後、建設関連汚泥を投入し、更に前記焼却灰を投入して
    粒形において表面が滑らかな球形をなす再生品を製造す
    ることを特徴とする汚泥の再生処理方法。
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