JP6294923B2 - 球状骨材の使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸水性及び保水性に優れた球状骨材の使用方法に関するものである。
廃棄物処理法では、廃棄物の種類や含有物質・量によって処分方法や処分先が決められている。長期保存、保管といった、いわゆる処分を目的とする場合に有効なのは埋立てである。
特に、埋立て処分場に持ち込まれる産業廃棄物は大きく3種類に分類され、中でも危険性の高い産業廃棄物は「特別管理産業廃棄物」に指定され、「遮断型最終処分場(以下、「遮断型処分場」という。)」における最終処分(=永久保管)が採られることが多い。
遮断型処分場では、処分場の底面および側壁は水密性を有する鉄筋コンクリート造で遮水及び腐食防止の効力を有する材料で覆う上に廃棄物を保管することのほか、屋根を設け、降雨などの自然から受ける影響を最小限にする手立てを講じるよう施設基準が設けられている。
また、汚染水を含む廃液をそのままの状態(液状)で埋め立てることは、地下浸透などの問題から不可能であり、法的にも認められていない。処分場に持ち込む際には、強固な密閉容器に入れるか、コンクリート固化等による化学的処理を施した後に処分しなければならないとされている。
しかし、廃液を容器に入れて処分する場合には、平地に並列させると敷地の広さに関してすぐに限界になる。
一方、容器を縦に重ねると倒壊や漏水の危険性があり、また容器の補修作業も困難である。
また、容器の老朽化による廃液の漏洩の可能性もある。
平時においてもこのような問題があるところ、地震などの大規模災害発生時にはさらなるリスクがある。
巨大地震等により活断層が隆起、沈下などすれば、処分場の崩壊或いは保管容器等の損壊を招き、そこから濃縮された有害物質が地下へと浸透し、地下水汚染などを引き起こす。周知の通り、地下水汚染の被害は非常に長期化、深刻化するケースが多く、その影響は計り知れない。
そこで、廃液(汚染水)が流れる流路に、多孔質の吸着剤を充填した透水部材が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この発明によれば、廃液が透水部材を通過(透過)するので、地下水の流れを遮断しなくても放射性物質を含む廃液の放射性物質濃度を低減することが可能である。
特開2016−42067号公報
しかしながら、廃液が透水部材を通過しても、放射性物質濃度を確実に基準値以下に保つことができる保証はなく、再度濃度を検査したときには放射性物質濃度が高い水が拡散していたという事態も起こり得る。
根本的には、そのような汚染物質の流出・拡散を防止することが好ましい。
そこで、本発明の目的とするところは、取扱いが容易で、汚染の拡散を確実に防止可能な球状骨材の使用方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、廃棄物をリサイクルして球状骨材(10)を製造し、製造された球状骨材(10)に廃液を吸収させることを特徴とする球状骨材(10)の使用方法であって、
前記球状骨材(10)は、石炭灰と、固化材と、汚泥と、直径7mm以下の細粒骨材(1)と、を盥状の本体内で水平回転可能なブレードを有する回転パン型ミキサーによって混練することによって製造される、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記細粒骨材(11)は、それまでの前記球状骨材(10)の製造時に生成されたものであることを特徴とする。
また、本発明は、前記廃液は放射性物質により汚染された水であることを特徴とする。
また、本発明は、前記廃液を吸収した球状骨材(10)と、汚泥と、を交互に積層させて埋め立てることを特徴とする。
また、本発明は、廃棄物をリサイクルして球状骨材(10)を製造し、製造された球状骨材(10)を、廃液を入れた容器の周囲に敷設することを特徴とする球状骨材(10)の使用方法であって、
前記球状骨材(10)は、石炭灰と、固化材と、汚泥と、直径7mm以下の細粒骨材(1)と、を盥状の本体内で水平回転可能なブレードを有する回転パン型ミキサーによって混練することによって製造される、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記廃液を入れた容器の周囲に敷設された前記細粒骨材(11)は、それまでの前記球状骨材(10)の製造時に生成されたものであることを特徴とする。
また、請求項7に記載の球状骨材(10)の使用方法は、前記球状骨材(10)の直径が20mm以上であることを特徴とする。
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
本発明によれば、石炭灰と、固化材と、汚泥と、直径7mm以下の細粒骨材と、を盥状の本体内で水平回転可能なブレードを有する回転パン型ミキサーによって混練することによって製造された球状骨材は、廃液を吸収可能である。
このように球状骨材に廃液を有害物質とともに吸収させることにより、元は液体であった廃液を固形物として取り扱うことができる。端的にいえば、廃液等に溶け込んでいる有害物質を、その液体諸共球状骨材に吸収させてその移動・保管、取扱いを容易にし、密閉容器等を使用することなく埋立て処分可能である。
このように深く掘って埋め立てれば容器に入れて廃棄する場合と比べて廃棄場所も取らず、しかも廃液の漏洩の可能性も低い。
このような球状骨材に廃液を吸収させた後に埋め立てすることで、恒久的な保管・管理方法となり得る。
また、核が細粒骨材であるので、同じ大きさの石粒を核とした球状骨材に比べて、より多くの吸水・保水が可能である。
また、核となる細粒骨材の直径が7mm以下であるので、その核の周りに形成される外殻の厚みを確保することができ、核である細粒骨材から外殻の剥離や欠損を抑止可能である。
さらには、固化材を使用しているので、製造された球状骨材が水等の影響によって再汚泥化することもない。
また、細粒骨材は、それまでの球状骨材の製造時に生成されたものであるので、球状骨材の品質が安定する。
また、本発明によれば、廃液を吸収した球状骨材と、汚泥と、を交互に積層させて埋め立てるので、埋め立て後に雨水に混じって球状骨材が吸収した有害物質が溶出することを防止可能である。
また、トリチウムなどは水分と同様に、気候や気温の変化、風の影響などによって自然に蒸散する性質をもっているため、大気中に廃液を吸収した球状骨材をそのままの状態で保管したのでは危険であるが、本発明のように球状骨材と汚泥とを交互に積層させて埋め立てることで有害物質の拡散を防止可能である。
また、埋立処分を検討したときに、廃液を液状のまま埋め立てる場合には強固な密閉容器に入れるか、コンクリート固化等による化学的処理を施した後に処分しなければならないが、廃液を吸収した球状骨材の場合には、管理及び処分が液状のままの場合に比べて簡易に行うことが可能である。球状骨材からの廃液の漏洩が皆無又は極めて少ないという理想的な場合には、単なる固形状の廃棄物として取扱うことができる可能性がある。
また、本発明によれば、廃液を入れた容器の周囲に前記球状骨材を敷設するので、容器の老朽化や破損に伴う廃液の漏洩があっても、漏洩した廃液を敷設した球状骨材で吸収可能である。これにより汚染の拡散を抑制できる。少なくとも汚染の拡散を遅らせることは可能である。
また、本発明によれば、球状骨材の直径が20mm以上であるので、万が一廃液を吸収した後の球状骨材が散乱してもその場に元々ある砂利と見分けが容易であり、収集し易い。また、球状骨材の外殻が剥離や欠損し難いだけの外殻の厚さを確保できる。
さらに、20mm以上とある程度粒径が大きいと、一度に多くの量を廃液に対して投入でき、時間上の効率が高い。
なお、本発明の球状骨材の使用方法のように、石炭灰と、固化材と、汚泥と、直径7mm以下の細粒骨材と、を盥状の本体内で水平回転可能なブレードを有する回転パン型ミキサーによって混練する点は、上述した特許文献1には全く記載されていない。
球状骨材の核の厚みを示す断面図である。 本実施形態に係る球状骨材の強度試験を示す図である。 本実施形態に係る球状骨材の吸油試験を示す図である。 本実施形態に係る球状骨材の吸水試験を示す図である。 本実施形態に係る球状骨材の保水試験を示す図である。 球状骨材の、放射性物質の吸着能に関する試験を示す図である。 本実施形態に係る球状骨材の繰り返し吸水試験を示す図である。 球状骨材における核が石の場合と細粒骨材の場合を示す断面図である。
図1乃至図8を参照して、本発明の実施形態に係る球状骨材10の製造方法、及びそのようにして製造された球状骨材10の使用方法を説明する。
この球状骨材10は廃棄物をリサイクルしてなるものであり、材料は石炭灰と、セメント系固化材と、汚泥と、直径7mm以下の細粒骨材11と、からなる。
この汚泥は、例えば、建設発生土等を水洗いした時に発生する汚泥であり、微粒分を含み粘性を呈する高含水率汚泥である。
また、細粒骨材11は、それまでの球状骨材10の製造時に生成されたものである。これは回転パン型ミキサー内の単位当り水量を低減させるために必要であり、前日或いは当日を含む過去において、先に挙げた原材料と同じ材料で製造された球状骨材10のうちの粉分を含む細粒分でなければならない。
これらの材料を、盥状の本体内で水平回転可能なブレードを有する回転パン型ミキサーによって混練する。
回転パン型ミキサー内では自転作用等の回転運動により圧力が掛かり、一粒一粒に強固な締め固めが行なわれる。
このように製造されてなる球状骨材10は無機性で、球形を成した非常に硬い固形物である。
製造直後においてもある程度の強度を持ち、加えて、添加されている固化材によって徐々にその強度が増していく特性をもっている。このことは、重機械等による取扱いに際しても破壊や損傷の頻度が低くなることを表している。
本実施形態に係る球状骨材10を造る為には、ミキシングされる原材料の材質と大きさに留意しなければならない。
異なる物質が混在した球状骨材10では、性能(=品質)において個々に大きな差異が生まれ易く、期待した品質を保持できない可能性が高いためである。
高含水汚泥(=水分)が必要な理由は、セメント系固化材と水(分)を接触させ、水和反応を発現させるためである。セメント系固化材は水との接触によって水和反応等を起こし、硬化を始める。その為に高い含水率を持った汚泥が必要なのである。なお、汚泥を使用せず、水のみで球状骨材10を製造することは、例外を除いて非常に困難を伴う。
また、粉分と水分を混ぜようとした場合、水分が粉に浸透する。逆の言い方をすれば、粉が水分を吸収するために両者が混ざり易く、均一な混合を果たし易いことも水分を必要とする理由である。
回転パン型ミキサーで、混練を経て排出された球状骨材10は、微粒分から直径10センチ程度のものまでを含む粒の集合体であり、粒度は一定していない。しかしながら、ある程度の目標を持って製造することは可能である(大粒か小粒かを人為的に造り分けることはできる)。
本実施形態に係る球状骨材10の原材料の一部として使用する細粒骨材11は、過去に同じ原材料を用いて製造された球状骨材10のふるいわけによって入手する。そこで選別された、例えば5mm以下の粒径をもったものが再利用に供される細粒骨材11となり、20mm以上の粒径を持った球状骨材10が本実施形態に係る球状骨材10としての利用に供される。
球状骨材10の製造において、最も大量に消費されるのは過去に造られた細粒骨材11である。その理由は、高含水汚泥の投入によって回転パン型ミキサー内に充満している水分の単位当り水量を低減させるためである。
しかも、本実施形態では、その球状骨材10は、前日或いは当日を含む過去において、吸水・保水性能を持つ球状骨材10を造ろうとしているその当日と同じ材料で製造された球状骨材10のうちの粉分を含む細粒分(細粒骨材11)でなければならない。
吸水性・保水性に優れた球状骨材10を造る場合、過去にそれと同じ原材料を用いて造られた球状骨材10のうちの粉分を含む細粒分を使用することによって品質のバラツキが解消される。また、過去に造られた球状骨材10のうち、粉分を含む細粒分(細粒骨材11)を利用する理由は、いわゆる無垢に近い状態の球状骨材10を造るためである。全てにおいて同じ原材料で造られていること、これが安定的な品質をもたらす上で重要である。
また、新たに造られた球状骨材10のうち、吸水性・保水性を期待して使用される球状骨材10の直径は、原材料の一部として使用した過去に造られた細粒骨材11の直径の3倍の大きさを持つものが理想的である。
この3倍の根拠は、建設資材である路盤材の敷設厚に由来する。路盤材に含まれる最大粒径が40ミリならば、敷設厚は概ね15センチを確保するよう指針が出されている。これに倣い、吸水材・保水材として利用される球状骨材10の大きさは、過去に造られた球状骨材10の細粒分の最大直径によって決めるのが望ましい。
次に、過去に造られた球状骨材10のうち、再利用すべき粒度が細粒分(細粒骨材11)でなければならない理由について述べる。
例えば、新たに造られた球状骨材10のうち、直径20ミリの粒を一粒取り出し、それを半分に分割したとする。ここで核になっているものに着目する。
図1に示すように、過去に製造された直径7ミリの球状骨材10が、新たに造られた球状骨材10の核になっていた場合(図1の左側)は、新たに形成された外殻12の厚みを13ミリ程度確保出来ていることになる。一方、核が直径15ミリ程度あった場合(図1の右側)、外殻12は5ミリ程度しか確保されないので、外殻12の剥離や欠損の可能性が増すことになる。
過去に造られた球状骨材10の表面は滑らかで、かつ、非常に硬い粒状であるため、そこに雪だるま方式で材料を付着させても完全なる一体化は難しい。尚、混練に際して、粉体同士が団粒化することによって粒状化し、いわゆる核を持たない球状骨材10も造られる。強度面でいえば、こうした球状骨材10が一番硬く、理想的である。 このことから核は小さければ小さい程良いことが解る。
なお、先にあったように、核となるものが厚く、外殻12が薄い場合、重機械等による取扱いに際して剥離の可能性が非常に高くなる。球状骨材10の沈降作業や取り出し等には、重機械やクレーンなどの人の手に寄らない方法が選択される場合が多いことに鑑み、球状骨材10はそれに耐え得る強度を有していなければならず、また、放射性物質や有害物質等を含んだ球状骨材10の一部が剥離、或いは欠損し、所在不明になることも避けなければならない。
上記から、過去に造られた球状骨材10のうちの細粒骨材11を使用するのは、新たに造られる球状骨材10の単体強度の保持に関しても大変重要であることが解る。先にも述べたが、いわゆる無垢に近い状態のものの方が剥離や欠損の可能性が低い点で優れているといえる
次に、本実施形態に係る球状骨材10の性能評価のために行った複数の試験について説明する。各図中のEBとは球状骨材10のことである。
(強度試験)
図2を参照して説明する。
5〜20mmの範囲内の整った形状の球状骨材10を試験体とし、正確な粒径を測定後、荷重を掛けひび割れた瞬間の荷重を記録する。荷重を粒径で割り、強度を計算、全ての試験体の強度の平均を求める。これを材齢7日目、14日目、28日目に行う。
試験結果から、製造して日数が経つにつれ強度が増していくことがわかる。
(吸油試験)
図3を参照して説明する。
灯油と水を100ml用意する。両方に絶対乾燥状態の球状骨材10を水面から出てくるまで投入し重量を測定、72時間以上静置して吸収させる。吸収後、それぞれの球状骨材10を網で液体を切りながら取り出し、吸収後の球状骨材10の重量とビーカー内の液体残量を測定する。吸収後の球状骨材10の重量から吸収前の球状骨材10の重量を差し引いて吸収量を求めた。
また比重(水=1.0、灯油=0.8)から吸収された液体のおおよその体積と1kgの球状骨材10による吸収量も求めた。
結果から、球状骨材10は灯油も吸収可能なことが判明した。灯油の吸収量が水よりも少ないのは、灯油の粘性によると考えられる。
(吸水性試験)
図4を参照して説明する。
約500mlの水に4種類の絶対乾燥させた球状骨材10を水面から出てくるまで投入して重量を測定し、72時間以上静置して吸水させる。吸水後、網で水を切って球状骨材10を取り出し、吸水した球状骨材10の重量及びビーカー内の残水量を測定する。球状骨材10が吸水した水の重量を計算し、球状骨材10の投入重量で割り、吸水率を求める。また吸水した球状骨材10を再乾燥させ、再乾燥後の重量で確認の計算を行った。
結果として、同じ材料なら粒径が小さいと吸水率が高くなることが判明した。
(保水性試験)
図5を参照して説明する。
球状骨材10を研磨して直方体の試験体に加工し体積を測定する。完全に浸水させて72時間以上吸水させる。吸水後、球状骨材10を水から取り出し、密閉容器に入れ30分間静置する。このとき、球状骨材10の底面が容器の底に触れないように高さ5mm以上の台座に載せる。30分後、表面水をふき取り、質量を測定する。球状骨材10の乾燥質量を差し引いて球状骨材10が吸収した水の質量を求め、それを体積で割った数値を保水量とした。
結果から、球状骨材10は自身の体積の半分近くの水を保持できることがわかった。また、一旦吸収された水は単純な重力作用ではほとんど漏れ出さないことが判明した。
(放射性物質の吸着能に関する試験)
図6を参照して説明する。これは工学院大学の試験によるものである。
濃度1000ppmのセシウム水溶液200mlに粒径10〜20mmの球状骨材10を一つ投入し、500rpmの速度で撹拌する。30分毎に2.5mlに希釈後、原子吸光により濃度を測定する。90分後の濃度から吸着されたセシウムの質量及び球状骨材101gにおける吸着量を求める。
結果として、8種類の球状骨材10の中でも活性炭(ドライ)を材料にしたものの数値が最も高くなった。
(球状骨材10の繰り返し使用による水1Lの吸水実験)
図7を参照して説明する。
基本手順は図4の吸水性試験と同様である。吸水後のビーカー内の残水を再び乾燥した球状骨材10に吸水させ、これをビーカーの水が無くなるまで繰り返す。但し、最終回の測定は水が少なく吸水率が正しく求められないため、結果から外している。各サンプルにおける吸水量と使用した球状骨材10量を合計し、そこから水1Lの吸水に必要な球状骨材10量を求めた。
結果から、吸水後乾燥させた球状骨材10でも再び吸水に使用できることが証明された。また、吸水率が最も低い球状骨材10(15〜30mm)が最も少ない回数で水を吸い尽くしたことから、ある程度粒径の大きい球状骨材10のほうが一度に多くの量を投入でき、時間上の効率が高くなることがわかった。
このように本実施形態に係る球状骨材10の吸水性能は高く、絶対乾燥状態における球状骨材10重量の約40パーセントの水分を吸収する。
仮に1トンの球状骨材10があれば400キログラムの水分を吸収することになる。これを再び絶乾状態にし、3回ないし4回、浸水を繰り返せば約1トンの水を吸い尽くすことが可能であることになる。
このことは、沸点が100度を超える重金属類や有害物質の吸収を主たる目的にした場合、使用済球状骨材10を再び絶乾状態にしつつ無害な水分のみを除去(蒸発)させれば、最初に使用した球状骨材10を再利用できることを表す。
次に、このようにして製造された球状骨材10の使用方法について説明する。
本実施形態において製造された球状骨材10を、有害物質を含む廃液に沈降させ、飽和含水状態になるまで浸水させて有害物質とともに廃液を吸収させておき、所定の時間が過ぎた後にそれを取り出す。水揚げ後には水切り行う。
廃液に含まれる有害物質を吸収させて使用済球状骨材10を取り出した後は、天蓋付きのダンプトラックに積込んで処分場に持ち込むか、或いはフレコンバッグなどに袋詰めにした後に処分場に持ち込めば良い。本実施形態に係る球状骨材10の場合、遮断型処分場で廃棄すべきものが管理型処分場で廃棄できる可能性もある。
取扱い上留意すべきは、廃液等の漏洩と使用済球状骨材10の飛散、揮発性物質の気化(蒸散)である。出来るだけ天候等に左右され難い環境下で積み出すことが推奨される。
揮発性物質を含み液状を呈する有害物は、熱分解や焼却、化学的処理が行なわれた後に密閉容器等に入れられ遮断型最終処分場に持ち込まれる場合が多いが、本実施形態に係る球状骨材10による中間処分は、熱分解や焼却、化学的処理とは異なり、いわゆる吸収のみであるので、現時点で廃棄物処理法に定める中間処理には該当しない。したがって、固形物に係る検査は溶出検査が主体となる。
使用済球状骨材10を埋立て処分場に持ち込もうとする場合に有効なのが汚泥などの粘性を呈する材料である。
汚泥は非常に多くの微粒分と水分で構成されており、遮水性、気密性、流動性に優れている。
このような汚泥と、廃液を吸収した球状骨材10と、を交互に積層させて埋め立てる。
有害物質の漏洩防止の観点から、まず汚泥を敷設した後、その上に使用済球状骨材10を敷設する。更に敷設された使用済球状骨材10の上に汚泥を敷き、サンドイッチ状に埋立てを繰り返す。
この汚泥は球状骨材10の間隙に入ることで、球状骨材10の流動を防ぐとともに、締め固めが確実に行うことができるようにしている。
汚泥は非常に気密性が高く不透水のため、これに覆われた使用済球状骨材10は空気に触れることが無く、また、日光に当ることもないために半永久的にそこに含有されたままになる。トリチウムの半減期に至るまでの期間、気化(蒸散)を防止して安全に管理される。このことは、他の揮発性物質を含む廃液に関しても同じことがいえる。また、揮発性物質を球状骨材に吸収させた場合で、早急に蒸散を防止する手立てを講じる必要がある時は、その球状骨材を汚泥に浸けることによって骨材表面の乾燥を遅らせるという方法も考えられる。いわゆる「ドロパック」である。
なお、浸水後に取り出され、水切りされた使用済球状骨材10は表面乾燥状態にあり、保水効果とあいまって漏水の可能性は低い。したがって、有害物質の地下への浸透は考え難い。
ここで、球状骨材10はその名の通り球状であるため、埋め立て時の敷設後の転圧等による締め固めが効き難い材料である。しかも、粗骨材を単粒度で使用すると間隙が多くなるため、非常に不安定な地盤になる。これを防止するのも汚泥の重要な役目である。
更に汚泥の優れた点は、上部からの圧力に対して流動的に変形し、そうした間隙に入り込むことによって地盤の不安定化を防止する効果が見込まれる点である。
また、球状骨材10は粒状球形という特徴をもっている。この形状は、万一の飛散に際して、路傍の砂利などとの識別が容易であるという意味で優位性を発揮する。散在している砂利と同様な形であった場合、有害物質を含んだ球状骨材10の発見が困難である。また、あまりに小さな球状骨材10(細粒骨材11)では効率的に拾い集めることが難しい。しかし、例えば20mm以上の球状骨材10であれば収集するにあたっての目視判定が容易になる。したがって、吸水材および保水材として利用する球状骨材10は粗骨材に類する大きさにした方が良い。
以上のように構成及び製造された球状骨材10によれば、石炭灰と、固化材と、汚泥と、直径7mm以下の細粒骨材11と、を盥状の本体内で水平回転可能なブレードを有する回転パン型ミキサーによって混練することによって製造された球状骨材10は、廃液を吸収可能である。
このように球状骨材10に廃液を有害物質とともに吸収させることにより、元は液体であった廃液を固形物として取り扱うことができる。端的にいえば、廃液等に溶け込んでいる有害物質を、その液体諸共球状骨材10に吸収させてその移動・保管、取扱いを容易にし、密閉容器等を使用することなく埋立て処分可能である。
このように深く掘って埋め立てれば容器に入れて廃棄する場合と比べて廃棄場所も取らず、しかも廃液の漏洩の可能性も低い。
このような球状骨材10に廃液を吸収させた後に埋め立てすることで、恒久的な保管・管理方法となり得る。
また、核が細粒骨材11であるので、図8に示すように同じ大きさの石粒を核とした球状骨材10に比べて、より多くの吸水・保水が可能である。
また、核となる細粒骨材11の直径が7mm以下であるので、その核の周りに形成される外殻12の厚みを確保することができ、核である細粒骨材11から外殻12の剥離や欠損を抑止可能である。
さらには、固化材を使用しているので、製造された球状骨材10が水等の影響によって再汚泥化することもない。
また、細粒骨材11は、それまでの球状骨材10の製造時に生成されたものであるので、球状骨材10の品質が安定する。
また、廃液を吸収した球状骨材10と、汚泥と、を交互に積層させて埋め立てるので、埋め立て後に雨水に混じって球状骨材10が吸収した有害物質が溶出することを防止可能である。
また、トリチウムなどは水分と同様に、気候や気温の変化、風の影響などによって自然に蒸散する性質をもっているため、大気中に廃液を吸収した球状骨材10をそのままの状態で保管したのでは危険であるが、本実施形態のように球状骨材10と汚泥とを交互に積層させて埋め立てることで有害物質の拡散を防止可能である。
また、埋立処分を検討したときに、廃液を液状のまま埋め立てる場合には強固な密閉容器に入れるか、コンクリート固化等による化学的処理を施した後に処分しなければならないが、廃液を吸収した球状骨材10の場合には、管理及び処分が液状のままの場合に比べて簡易に行うことが可能である。球状骨材10からの廃液の漏洩が皆無又は極めて少ないという理想的な場合には、単なる固形状の廃棄物としての取扱うことができる可能性がある。
なお、球状骨材10の原料となる汚泥はリサイクル品でなくてもよく、わざわざ製造された泥であってもよい。
また、球状骨材10の製造方法は、バッチ式、連続式のいずれであっても構わない。球状化はどちらの方法でも可能である。
この廃液が放射性物質により汚染された水である場合には、球状骨材10に放射性物質の吸着性能を持たせるために、混合時に活性炭やゼオライト等も投入可能である(図6参照)。
さらには、廃液を入れた容器の周囲に、本実施形態に係る球状骨材10を敷設してもよい。
これにより、容器の老朽化や破損に伴う廃液の漏洩があっても、漏洩した廃液を敷設した球状骨材10で吸収可能である。よって、汚染の拡散を抑制できる。少なくとも汚染の拡散を遅らせることは可能である。
10 球状骨材
11 細粒骨材
12 外殻

Claims (7)

  1. 廃棄物をリサイクルして球状骨材を製造し、製造された球状骨材に廃液を吸収させることを特徴とする球状骨材の使用方法であって、
    前記球状骨材は、石炭灰と、固化材と、汚泥と、直径7mm以下の細粒骨材と、を盥状の本体内で水平回転可能なブレードを有する回転パン型ミキサーによって混練することによって製造される、ことを特徴とする球状骨材の使用方法。
  2. 前記細粒骨材は、それまでの前記球状骨材の製造時に生成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の球状骨材の使用方法。
  3. 前記廃液は放射性物質により汚染された水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の球状骨材の使用方法。
  4. 前記廃液を吸収した球状骨材と、汚泥と、を交互に積層させて埋め立てることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の球状骨材の使用方法。
  5. 廃棄物をリサイクルして球状骨材を製造し、製造された球状骨材を、廃液を入れた容器の周囲に敷設することを特徴とする球状骨材の使用方法であって、
    前記球状骨材は、石炭灰と、固化材と、汚泥と、直径7mm以下の細粒骨材と、を盥状の本体内で水平回転可能なブレードを有する回転パン型ミキサーによって混練することによって製造される、ことを特徴とする球状骨材の使用方法。
  6. 前記細粒骨材は、それまでの前記球状骨材の製造時に生成されたものであることを特徴とする請求項5に記載の球状骨材の使用方法。
  7. 前記球状骨材の直径が20mm以上であることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の球状骨材の使用方法。
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