WO2022260085A1 - 多孔質樹脂シート、金属層付き多孔質樹脂シート、電子回路基板、多孔質樹脂シートの製造方法、金属層付き多孔質樹脂シートの製造方法、及び、電子回路基板の製造方法 - Google Patents

多孔質樹脂シート、金属層付き多孔質樹脂シート、電子回路基板、多孔質樹脂シートの製造方法、金属層付き多孔質樹脂シートの製造方法、及び、電子回路基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

多孔質樹脂シート1は、シート厚み50μmにおける25℃での二酸化炭素ガス透過率が1cm3/m2・24hr・atm以下、100℃での二酸化炭素ガス透過率が5cm3/m2・24hr・atm以上である樹脂を含有する樹脂シート1sからなり、かつ、樹脂シート1sの内部に空孔1hが設けられている。

Description

多孔質樹脂シート、金属層付き多孔質樹脂シート、電子回路基板、多孔質樹脂シートの製造方法、金属層付き多孔質樹脂シートの製造方法、及び、電子回路基板の製造方法
 本発明は、多孔質樹脂シート、金属層付き多孔質樹脂シート、電子回路基板、多孔質樹脂シートの製造方法、金属層付き多孔質樹脂シートの製造方法、及び、電子回路基板の製造方法に関する。
 樹脂シートの内部に空孔が設けられている多孔質樹脂シートは、誘電率が1である空気を空孔内に有することから、電子回路基板の誘電特性、特に高周波領域における誘電特性を向上させるための絶縁材料として用いることができる。
 特許文献1及び特許文献2には、多孔化剤を含む多孔質体用前駆体から、超臨界状態の媒体を用いて多孔化剤を抽出する、多孔質樹脂シートの製造方法が開示されている。特許文献1及び特許文献2には、超臨界状態の媒体として、二酸化炭素が好適に用いられることが記載されている。
特開2005-290170号公報 特開2020-55935号公報
 特許文献1及び特許文献2に記載されている多孔質樹脂シートの製造方法では、多孔化剤を含む多孔質体用前駆体のワニス(混合液)を配合し、これを基材に塗工して乾燥して多孔化前の樹脂シートとした後、超臨界状態の二酸化炭素等の媒体を用いて多孔化前の樹脂シートから多孔化剤を抽出して樹脂シートを多孔化する超臨界抽出を行い、必要に応じて真空条件下で多孔化後の樹脂シートを硬化させ、その上に金属層を積層することにより多孔質樹脂シートを製造する。特許文献1及び特許文献2に記載されているような方法によれば、低誘電率の多孔質樹脂シートを、工業的に低コストで製造することができるとされている。
 しかしながら、多孔質樹脂シートを構成する樹脂の種類によっては、超臨界状態の二酸化炭素等の媒体を用いて多孔化剤を抽出することが困難である。また、多孔質樹脂シートを電子回路基板の絶縁材料として使用する場合には、多孔質樹脂シートを構成する樹脂の種類によっては、実際に使用される室温付近の環境下において誘電特性が変動するおそれがある。
 本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、使用時には誘電特性の変動が抑えられ、かつ、製造時には多孔化剤が効率的に排出される多孔質樹脂シートを提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記多孔質樹脂シートを備える金属層付き多孔質樹脂シート、上記金属層付き多孔質樹脂シートを備える電子回路基板、上記多孔質樹脂シートの製造方法、上記金属層付き多孔質樹脂シートの製造方法、及び、上記電子回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
 本発明の多孔質樹脂シートは、シート厚み50μmにおける25℃での二酸化炭素ガス透過率が1cm/m・24hr・atm以下、100℃での二酸化炭素ガス透過率が5cm/m・24hr・atm以上である樹脂を含有する樹脂シートからなり、かつ、上記樹脂シートの内部に空孔が設けられている。
 本発明の金属層付き多孔質樹脂シートは、本発明の多孔質樹脂シートと、上記多孔質樹脂シートの少なくとも一方主面に配置された金属層と、を備える。
 本発明の電子回路基板は、本発明の金属層付き多孔質樹脂シートを備える。
 本発明の多孔質樹脂シートの製造方法は、シート厚み50μmにおける25℃での二酸化炭素ガス透過率が1cm/m・24hr・atm以下、100℃での二酸化炭素ガス透過率が5cm/m・24hr・atm以上である樹脂及び多孔化剤を含む充実シートを作製する工程と、上記充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法により上記多孔化剤を抽出する工程と、を備える。
 本発明の金属層付き多孔質樹脂シートの製造方法は、上記の製造方法により多孔質樹脂シートを作製する工程と、上記多孔質樹脂シートの少なくとも一方主面に金属層を配置する工程と、を備える。
 本発明の電子回路基板の製造方法は、上記の製造方法により金属層付き多孔質樹脂シートを作製する工程と、上記金属層付き多孔質樹脂シートの金属層に回路パターンを形成する工程と、を備える。
 本発明によれば、使用時には誘電特性の変動が抑えられ、かつ、製造時には多孔化剤が効率的に排出される多孔質樹脂シートを提供することができる。さらに、本発明によれば、上記多孔質樹脂シートを備える金属層付き多孔質樹脂シート、上記金属層付き多孔質樹脂シートを備える電子回路基板、上記多孔質樹脂シートの製造方法、上記金属層付き多孔質樹脂シートの製造方法、及び、上記電子回路基板の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の多孔質樹脂シートの一例を示す断面模式図である。 図2は、樹脂シートの内部と表層部で空孔率及び孔径が異なる多孔質樹脂シートの一例を示す断面模式図である。 図3は、樹脂シートの内部と表層部で空孔率及び孔径が異なる多孔質樹脂シートの別の一例を示す断面模式図である。 図4は、空孔の形状に異方性を有する多孔質樹脂シートの一例を示す断面模式図である。 図5は、本発明の金属層付き多孔質樹脂シートの一例を示す断面模式図である。 図6は、本発明の電子回路基板の一例を示す断面模式図である。
 以下、本発明の多孔質樹脂シート、金属層付き多孔質樹脂シート、電子回路基板、多孔質樹脂シートの製造方法、金属層付き多孔質樹脂シートの製造方法、及び、電子回路基板の製造方法について説明する。
 しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
 本明細書中、「シート」は「フィルム」と同義であり、厚みによって両者を区別しない。
[多孔質樹脂シート]
 図1は、本発明の多孔質樹脂シートの一例を示す断面模式図である。
 図1に示す多孔質樹脂シート1は、樹脂を含有する樹脂シート1sからなる。樹脂シート1sの内部には空孔1hが設けられている。多孔質樹脂シート1は、厚み方向に対向する第1主面1a及び第2主面1bを有している。
 本発明の多孔質樹脂シートでは、樹脂シートに含有される樹脂の二酸化炭素ガス透過率に温度依存性があることを特徴としている。具体的には、シート厚み50μmにおける25℃での二酸化炭素ガス透過率が1cm/m・24hr・atm以下、100℃での二酸化炭素ガス透過率が5cm/m・24hr・atm以上であることを特徴としている。
 多孔質樹脂シートを電子回路基板の絶縁材料として使用する場合、多孔質樹脂シート中に水蒸気が侵入すると、吸湿により誘電特性が悪化する。そのため、多孔質樹脂シートには、実際に使用される室温付近の環境下でのガス透過率が低いこと、特に水蒸気の透過率が低いことが望ましい。なお、多孔質樹脂シートのガス透過率は、樹脂の種類により異なるが、水蒸気、酸素、二酸化炭素等のガスの種類にはよらず、例えば、二酸化炭素のガス透過率が大きいものは水蒸気の透過率も大きくなる。本発明の多孔質樹脂シートでは、25℃での二酸化炭素ガス透過率が1cm/m・24hr・atm以下と小さい樹脂が用いられているため、水蒸気の透過率も小さくなる。したがって、吸湿による誘電特性の変動を抑えることができる。
 一方、特許文献1及び特許文献2に記載されているように超臨界状態の二酸化炭素を媒体として多孔化剤を抽出する方法を用いて多孔質樹脂シートを製造する場合、多孔化剤を抽出する条件としては、一般に、温度25~200℃程度、圧力10~50MPa程度である。例えば、多孔化剤として使用されることが多いポリプロピレングリコール等の多孔化剤を抽出する際には、温度条件は80~120℃で行われることが多い。本発明者らは、100℃での二酸化炭素ガス透過率を測定することで、多孔質樹脂シートの生産性を評価することにした。また、二酸化炭素ガス透過率を測定する圧力については、30MPa等の条件で測定することが不可能であるため、現実的に測定可能な1atm(0.1MPa)での二酸化炭素ガス透過率を測定することにした。多孔質樹脂シートのガス透過率は圧力に比例するので、例えば1atmでのガス透過率が大きければ、30MPa等の圧力でのガス透過率も大きくなる。本発明の多孔質樹脂シートでは、100℃での二酸化炭素ガス透過率が5cm/m・24hr・atm以上と大きい樹脂が用いられているため、超臨界状態の二酸化炭素を使用した多孔化剤の排出過程において多孔化剤を効率的に排出することができる。したがって、多孔質樹脂シートの生産性を向上させることができる。
 本発明の多孔質樹脂シートでは、シート厚み50μmにおける25℃での二酸化炭素ガス透過率が1cm/m・24hr・atm以下であり、好ましくは0.7cm/m・24hr・atm以下である。一方、シート厚み50μmにおける25℃での二酸化炭素ガス透過率は、0cm/m・24hr・atmであってもよい。また、シート厚み50μmにおける25℃での二酸化炭素ガス透過率は、0cm/m・24hr・atmより大きくてもよく、例えば、0.3cm/m・24hr・atm以上、0.5cm/m・24hr・atm以上等であってもよい。
 本発明の多孔質樹脂シートでは、シート厚み50μmにおける100℃での二酸化炭素ガス透過率が5cm/m・24hr・atm以上であり、好ましくは7cm/m・24hr・atm以上である。一方、シート厚み50μmにおける100℃での二酸化炭素ガス透過率は、大きいほど好ましいため上限は特に限定されないが、好ましくは100cm/m・24hr・atm以下であり、より好ましくは50cm/m・24hr・atm以下であり、さらに好ましくは30cm/m・24hr・atm以下である。
 ガス透過率の測定は、JIS K 7126-1(プラスチック/フィルム及びシート/ガス透過度試験方法(差圧法))に沿って行う。差圧法の試験方法については、圧力センサ法及びガスクロマトグラフ法のどちらの方法を用いてもよい。
 後述の実施例においては、液晶ポリマーを含有する多孔質樹脂シートのガスバリア性が高いことから、微小なガス透過率の測定がしやすい、ガスクロマトグラフ法を用いて測定を行った。具体的な測定条件を以下に示す。
<測定装置>
 ジーエルサイエンス製 GTME2510
<測定条件>
 測定ガス:CO
 測定温度:25℃、100℃
 透過面積:20cm(50mmφ)
<測定する試料>
 原材料樹脂で製膜した充実シート
 厚み:50μm、シートサイズ:80mm角
 本発明の多孔質樹脂シートの厚みは、50μmに限定されるものではなく、好ましくは10μm以上、200μm以下であり、より好ましくは20μm以上、100μm以下である。
 多孔質樹脂シートの厚みが10μmよりも小さいと、多孔質樹脂シートの主面において空孔率が高まりやすくなるため、平滑性が低下しやすくなる。この場合、多孔質樹脂シートの主面に金属層を圧着した後、回路パターンを形成するために金属層をエッチングすると、シートの主面に存在する空孔に起因してパターン欠損が生じやすくなる。
 多孔質樹脂シートの厚みが200μmよりも大きいと、多孔質樹脂シートを用いて、層間接続導体を有する電子回路基板を製造する場合に、層間接続導体が形成されるビアホールを、多孔質樹脂シートを貫通するように形成することが困難になることがある。
 本発明の多孔質樹脂シートにおいて、樹脂シートに含有される樹脂は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、液晶ポリマー(LCP)等の芳香族ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)等の芳香族ポリエーテルケトン樹脂等が挙げられる。樹脂シートは、1種の樹脂を含有してもよいし、2種以上の樹脂を含有してもよい。
 本発明の多孔質樹脂シートにおいて、樹脂シートは、液晶ポリマーを主成分として含むことが好ましい。液晶ポリマーは、熱可塑性樹脂の中でも誘電率が低いため、電子回路基板の高周波帯域における誘電特性が向上しやすくなる。また、液晶ポリマーは吸湿性が低いため、吸湿による誘電特性の変動が生じにくくなる。
 本明細書中、主成分とは、含有量(重量百分率)が最も多い成分を意味する。
 液晶ポリマー等の芳香族ポリエステル樹脂は、棒状分子より構成されることから分子間のパッキング性が高く、他の樹脂に比べて低温及び高温におけるガス透過率が低いのが一般的である。芳香族ポリエステル樹脂の中でも、比較的、高温になるとパッキング性が緩みやすく、高温でのガス透過率が低温でのガス透過率よりも十倍程度高くなるものを選べば、超臨界状態の二酸化炭素を使用した多孔化剤の排出過程において多孔化剤の排出効率を高くすることができる。
 以上より、樹脂シートに含有される樹脂は、全芳香族ポリエステル樹脂であることが好ましい。その場合、全芳香族ポリエステル樹脂は、p-ヒドロキシ安息香酸と6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸との共重合体を含むことが好ましい。
 全芳香族ポリエステル樹脂は、一部芳香族ポリエステル樹脂よりも加水分解を起こしにくいため、多孔質樹脂シートを用いて製造された電子回路基板の構成材料として好ましい。また、p-ヒドロキシ安息香酸と6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸との共重合体は、ナフタレン環由来により誘電正接が小さいため、電子回路基板において、多孔質樹脂シートでの電気エネルギー損失の低減に寄与する。
 全芳香族ポリエステル樹脂がp-ヒドロキシ安息香酸(HBA)と6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸(HNA)との共重合体を含む場合、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に対するp-ヒドロキシ安息香酸のモル比率(HBA/HNA)は、0.20以上(16.7/83.3以上)、5以下(83.3/16.7以下)であることが好ましく、0.25以上(20/80以上)、4以下(80/20以下)であることがより好ましい。全芳香族ポリエステル樹脂を構成するモノマーとしてキンク骨格を持つHNAの分率を高くすることで、HNAのキンク部分で棒状分子間のパッキング性が緩むため、高温下でのガスバリア性が比較的低下しやすくなる。その結果、超臨界状態の二酸化炭素を使用した多孔化剤の排出過程において多孔化剤を効率的に排出することができる。
 全芳香族ポリエステル樹脂等の芳香族ポリエステル樹脂を構成する各々のモノマーの含有割合及び比率は、反応熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析法により分析可能である。
 本発明の多孔質樹脂シートでは、空孔として独立気泡が設けられていることが好ましい。多孔質樹脂シートが独立気泡構造を有する場合、連続気泡構造を有する場合と比較して、空孔中の空気が外部へ抜ける経路が少なくなりやすく、圧縮強度が確保されやすいため、金属層を多孔質樹脂シートに圧着する際に、空孔が潰れにくくなる。
 本明細書において、独立気泡とは、気泡の壁面全てが樹脂で囲まれた構造のものを意味し、多孔質樹脂シートの面内方向とその垂直方向の断面観察をした際に、気泡の壁面が他の気泡と連結していないものを指す。
 本発明の多孔質樹脂シートに対してレーザー穴開け加工を行う際に、樹脂シートの内部に設けられている空孔近傍の樹脂を融かすことができれば、空孔が樹脂で塞がれた構造が形成されやすくなる。具体的には、レーザー光を吸収しやすい樹脂を使用することで、レーザー光の照射による樹脂のアブレーション効果よりも、レーザー光による樹脂の熱加工を積極的に起こさせて、レーザー穴開け加工を行う際に樹脂が融けて、融けた樹脂で空孔が塞がれやすくなる。そこで、レーザー光を透過し難い樹脂を使用することで、レーザー光による樹脂の熱加工を積極的に起こさせて、レーザー穴開け加工を行う際に樹脂が融けて、融けた樹脂で空孔が塞がれやすくなる。レーザー穴開け部の穴壁面に空孔がなくなることで、導電性ペーストの充填又は金属めっきにより層間接続導体を形成する際に、穴部の壁面の空孔に導電性ペースト又は金属めっきが侵入されにくくなるため、電気的、機械的に有利な形状の層間接続導体を形成できる。
 以上より、本発明の多孔質樹脂シートでは、多孔質樹脂シートに含有される樹脂の、シート厚み50μmにおける波長200nm以上500nm以下の光透過率が1%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがより好ましい。一方、多孔質樹脂シートに含有される樹脂の、シート厚み50μmにおける波長200nm以上500nm以下の光透過率は、0.1%以上であることが好ましい。
 後述の実施例においては、分光光度計を用いて波長200nm以上500nm以下での光透過率を測定し、波長200nm以上500nm以下での平均透過率を算出することにより光透過率を求めた。具体的な測定条件を以下に示す。
<測定装置>
 島津製作所製 UV-3100PC(測定波長:190~3200nm)
<測定する試料>
 原材料樹脂で製膜した充実シート
 厚み:50μm
 本発明の多孔質樹脂シートは、はんだ実装工程で高温に曝されると、空孔内の空気が膨張することによって、多孔質樹脂シートが膨張してしまい、シートの平坦性が損なわれてしまうおそれがある。この傾向は、空孔として独立気泡が設けられる場合に顕著である。そこで、高温下での貯蔵弾性率が高い樹脂を使用することで、多孔質樹脂シートの膨張を抑制し、シートの平坦性が保たれやすくなる。シートの平坦性が保たれることで、シート厚み及び誘電率の変動がなくなり、インピーダンス整合を取りやすくなるといった利点、表面実装部品の搭載性が良くなるといった利点を得ることができる。
 以上より、本発明の多孔質樹脂シートでは、多孔質樹脂シートに含有される樹脂の、シート厚み50μmにおける245℃以上260℃以下の貯蔵弾性率が200MPa以上であることが好ましい。一方、多孔質樹脂シートに含有される樹脂の、シート厚み50μmにおける245℃以上260℃以下の貯蔵弾性率は、500MPa以下であることが好ましい。
 後述の実施例においては、粘弾性測定器(レオメーター)を用いて貯蔵弾性率(E’)を測定した。具体的な測定条件を以下に示す。
<測定装置>
 Rheometric製 RSA II
<測定条件>
 温度範囲:25~300℃
 Frequency:1Hz
 Initial Force:10g
 Ramp Rate:10℃/min
 strain:0.10%
<測定する試料>
 原材料樹脂で製膜した充実シート
 厚み:50μm(20μm以上100μm以下の範囲内であればよい)
 試験片幅:10mm
 本発明の多孔質樹脂シートにおいては、樹脂シートの内部と表層部で空孔率及び孔径が同じでもよく、異なってもよい。
 本明細書においては、多孔質樹脂シートを厚み方向に9等分に分割したとき、両端の領域(1番目の領域及び9番目の領域)を樹脂シートの表層部、中央の領域(5番目の領域)を樹脂シートの内部と定義する。
 図2は、樹脂シートの内部と表層部で空孔率及び孔径が異なる多孔質樹脂シートの一例を示す断面模式図である。
 図2に示す多孔質樹脂シート2のように、本発明の多孔質樹脂シートでは、樹脂シートの内部よりも樹脂シートの表層部の空孔率が小さく、かつ孔径が小さくてもよい。
 本発明の多孔質樹脂シートでは、樹脂シートの内部よりも樹脂シートの表層部の空孔率が小さく、かつ孔径が小さくなるようにすることで、シートの誘電率を下げる目的でシート全体の空孔率を大きくする場合であっても、シート表面の空孔のサイズを小さく抑えることができるため、シート表面の平坦性を保ちやすくすることができる。これにより、シート表面に配置した金属層をエッチングして回路パターンを形成する際に、パターン欠損を起こり難くすることができる。また、表層部の空孔率が小さくなることから、シート表面の硬さを担保でき、表面実装部品の搭載性が良くなる効果がある。この傾向は、空孔として独立気泡が設けられる場合に顕著である。
 シート表面の平坦性及び硬さの観点から、樹脂シートの表層部の空孔率は樹脂シートの内部の空孔率の2/3以下であることが好ましく、樹脂シートの表層部の孔径は樹脂シートの内部の孔径の2/3以下であることが好ましい。
 例えば、多孔質樹脂シートを構成する樹脂シートの表面を融かすことで、樹脂シートの内部よりも樹脂シートの表層部の空孔率及び孔径を小さくすることができる。さらに、樹脂シートの表面が融けた部分では、表面粗さが小さくなる。そのため、表層部の表面粗さは、1.5μm以下であってもよい。一方、表層部の表面粗さは、0μmより大きく、例えば0.5μm以上である。
 本明細書において、表面粗さとは、JIS B 0601:2001で規定される十点平均粗さRzjisを意味する。
 図3は、樹脂シートの内部と表層部で空孔率及び孔径が異なる多孔質樹脂シートの別の一例を示す断面模式図である。
 図3に示す多孔質樹脂シート3のように、本発明の多孔質樹脂シートでは、樹脂シートの表層部よりも樹脂シートの内部の空孔率が小さく、かつ孔径が小さくてもよい。
 本発明の多孔質樹脂シートでは、樹脂シートの表層部よりも樹脂シートの内部の空孔率が小さく、かつ孔径が小さくなるようにすることで、シートの誘電率を下げる目的でシート全体の空孔率を大きくする場合であっても、シート内部の空孔のサイズを小さく抑えることができるため、多孔質樹脂シートを曲げ加工した際にシート内部が圧縮変形し難く、多孔質樹脂シートの座屈が起こり難くなる。これにより、シート表面に形成した回路パターンが座屈してしまうことも抑制できる。この傾向は、空孔として独立気泡が設けられる場合に顕著である。
 曲げ加工した際の多孔質樹脂シートの座屈を抑制する観点から、樹脂シートの内部の空孔率は樹脂シートの表層部の空孔率の2/3以下であることが好ましく、樹脂シートの内部の孔径は樹脂シートの表層部の孔径の2/3以下であることが好ましい。
 例えば、共押出し法を用いて、空孔率及び孔径が異なるシートを少なくとも3層重ねることで、樹脂シートの表層部よりも樹脂シートの内部の空孔率及び孔径を小さくすることができる。そのため、多孔質樹脂シートは、樹脂シートの一方主面を形成する第1樹脂層と、樹脂シートの他方主面を形成する第2樹脂層と、第1樹脂層と第2樹脂層との間に設けられる第3樹脂層と、を備え、第1樹脂層及び第2樹脂層よりも第3樹脂層の空孔率が小さく、かつ孔径が小さくてもよい。
 本発明の多孔質樹脂シートは、空孔の形状に異方性を有してもよい。
 図4は、空孔の形状に異方性を有する多孔質樹脂シートの一例を示す断面模式図である。
 図4に示す多孔質樹脂シート4のように、本発明の多孔質樹脂シートでは、空孔の面内方向の径が厚み方向の径よりも大きいことが好ましい。
 本発明の多孔質樹脂シートでは、空孔の形状に異方性を持たせ、特に、空孔の面内方向の径が厚み方向の径よりも大きい形状とすることで、厚み方向における樹脂の体積が増えて機械強度が上がる。その結果、電子回路基板の材料として、表面実装部品の実装性の面から特に重要となる厚み方向に掛かる応力に対して強いシートにすることができる。
 多孔質樹脂シートの厚み方向における耐荷重を上げる観点から、空孔の面内方向の径は、厚み方向の径の2倍以上であることが好ましい。一方、空孔の面内方向の径は、大きいほど好ましいため上限は特に限定されないが、厚み方向の径の10倍以下であることが好ましく、5倍以下であることがより好ましい。
 本発明の多孔質樹脂シートにおいては、樹脂の融点よりも20℃高い温度を測定温度とし、かつ、せん断速度を1000s-1とした条件における溶融粘度が12Pa・s以上であることが好ましい。
 多孔質樹脂シートの上記条件における溶融粘度が12Pa・s以上であることにより、多孔質樹脂シートを用いて電子回路基板を製造する場合で、金属層を多孔質樹脂シートに圧着する際に、空孔が、圧着時の高温高圧下で潰れにくくなる。よって、多孔質樹脂シートを用いて製造された電子回路基板では、多孔質樹脂シートによる誘電率の低減効果が発揮されやすくなるため、特に高周波領域における誘電特性が向上しやすくなる。
 多孔質樹脂シートの上記条件における溶融粘度が12Pa・sよりも低いと、高温高圧下で空孔が潰れやすくなる。
 一方、多孔質樹脂シートの上記条件における溶融粘度が高過ぎると、金属層を多孔質樹脂シートに圧着する際に、多孔質樹脂シートが変形しにくいため、多孔質樹脂シートと金属層との密着性が向上しにくいことがある。このような観点から、多孔質樹脂シートの上記条件における溶融粘度は、好ましくは500Pa・s以下である。
 本発明の多孔質樹脂シートにおいて、上記条件における溶融粘度は、20Pa・s以上であることがより好ましく、30Pa・s以上であることがさらに好ましい。一方、多孔質樹脂シートの上記条件における溶融粘度は、200Pa・s以下であることがより好ましく、100Pa・s以下であることがさらに好ましく、50Pa・s以下であることが特に好ましく、40Pa・s以下であることが最も好ましい。
 溶融粘度を、樹脂の融点よりも20℃高い測定温度で規定したのは、樹脂の劣化を抑制しつつ正確に溶融粘度を測定するためである。
 溶融粘度の測定方法及び測定条件を以下に示す。
<測定方法>
 フローテスター(キャピラリーレオメーター)を用いた測定
<測定装置>
 東洋精機製作所製 キャピログラフ F-1
<測定条件>
 測定温度:樹脂の融点+20℃
 せん断速度:1000s-1
 シリンダーのバレル径:9.55mmφ
 キャピラリーの直径:1mmφ
<測定する試料>
 原材料樹脂(樹脂ペレット)、原材料樹脂で製膜した充実シート、原材料樹脂を用いて製膜した多孔質シートのいずれでもよい。
 樹脂の融点は、以下のようにして定められる。まず、例えば、日立ハイテクサイエンス社製の示差走査熱量計「DSC7000X」等の示差走査熱量計を用いて、樹脂を昇温させて完全に溶融させる。この昇温過程では、昇温速度を、例えば、20℃/分とする。次に、得られた溶融物を降温させた後、再び昇温させる。この際、降温過程では、例えば、20℃/分の降温速度で175℃まで降温させ、昇温過程では、例えば、20℃/分の昇温速度で昇温させる。そして、この昇温過程で観測される吸熱ピークに対応する温度を、樹脂の融点と定める。なお、上述した方法で吸熱ピークが観測されにくい場合は、偏光顕微鏡のクロスニコル条件下でのテクスチャー観察により、樹脂の融点を定める。
 多孔質樹脂シートの上記条件における溶融粘度は、例えば、多孔質樹脂シートの製造時に、固相重合を行うことによって調整可能である。固相重合を行うと、ポリマーの分子鎖長が伸長するため、分子鎖長が伸長したポリマー同士が絡み合うことにより、多孔質樹脂シートの溶融粘度が高まりやすくなる。あるいは、ポリマーへの電子線照射を行うことによっても、多孔質樹脂シートの溶融粘度を高めることができる。また、多孔質樹脂シートの溶融粘度は、ポリマーの重合温度、重合時間等の重合条件によっても調整可能である。
[多孔質樹脂シートの製造方法]
 本発明の多孔質樹脂シートは、樹脂及び多孔化剤を含む充実シートを作製し、その後、充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法により多孔化剤を抽出することにより製造される。
 樹脂としては、シート厚み50μmにおける25℃での二酸化炭素ガス透過率が1cm/m・24hr・atm以下、100℃での二酸化炭素ガス透過率が5cm/m・24hr・atm以上である樹脂が使用される。樹脂は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
 多孔化剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール等が使用される。多孔化剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
 充実シートを作製する方法としては、例えば、溶融成形法等が挙げられる。溶融加工に共押出し法を用いてもよい。
 二酸化炭素を媒体とした超臨界法では、超臨界状態の二酸化炭素が充実シートの表面に接触したり、内部に浸透したりすることで、充実シート中の多孔化剤が超臨界状態の二酸化炭素に溶解する。溶解した多孔化剤は、超臨界状態の二酸化炭素とともに拡散移動し、その後、樹脂シート外に排出される。
 このように、超臨界状態の二酸化炭素を用いて多孔化剤の抽出を行うことにより、所望の空孔率及び孔径を有する多孔質樹脂シートを得ることができる。
[金属層付き多孔質樹脂シート]
 本発明の金属層付き多孔質樹脂シートは、本発明の多孔質樹脂シートと、上記多孔質樹脂シートの少なくとも一方主面に配置された金属層と、を備える。
 図5は、本発明の金属層付き多孔質樹脂シートの一例を示す断面模式図である。
 図5に示す金属層付き多孔質樹脂シート10は、多孔質樹脂シート11と、多孔質樹脂シート11の第1主面1aに配置された金属層12と、を備える。
 図5に示す例では、多孔質樹脂シート11は、図1に示す多孔質樹脂シート1と同様の構成を有している。
 金属層12は、多孔質樹脂シート11の少なくとも一方主面に配置されていればよい。すなわち、金属層12は、多孔質樹脂シート11の第1主面1a及び第2主面1bのいずれか一方の主面に配置されてもよく、両方の主面に配置されてもよい。
 金属層12は、配線等にパターン化されたパターン形状であってもよいし、一面に広がった面状であってもよい。
 金属層12の構成材料としては、例えば、銅、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、金、これらの金属の少なくとも1種を含有する合金等が挙げられる。金属層12は、銅箔からなることが好ましい。
 金属層12の厚みは、好ましくは1μm以上、35μm以下であり、より好ましくは6μm以上、18μm以下である。
[金属層付き多孔質樹脂シートの製造方法]
 本発明の金属層付き多孔質樹脂シートは、本発明の多孔質樹脂シートの少なくとも一方主面に金属層を配置することにより製造される。
 例えば、本発明の金属層付き多孔質樹脂シートは、多孔質樹脂シートの少なくとも一方主面に金属層を圧着することにより製造される。多孔質樹脂シートに圧着された金属層は、パターン形状になるようにエッチングされてもよい。あるいは、本発明の金属層付き多孔質樹脂シートは、予めパターン化された金属層を多孔質樹脂シートの少なくとも一方主面に圧着することにより製造されてもよい。
[電子回路基板]
 本発明の電子回路基板は、本発明の金属層付き多孔質樹脂シートを備える。
 本発明の電子回路基板は、本発明の金属層付き多孔質樹脂シートを少なくとも1層備えていればよい。また、本発明の電子回路基板は、本発明の多孔質樹脂シートを少なくとも1層備えていればよい。本発明の電子回路基板が本発明の多孔質樹脂シートを2層以上備える場合、本発明の多孔質樹脂シートの構成は、同じでもよく、異なってもよい。
 図6は、本発明の電子回路基板の一例を示す断面模式図である。
 図6に示す電子回路基板50は、金属層付き多孔質樹脂シート10Aと、金属層付き多孔質樹脂シート10Bと、金属層付き多孔質樹脂シート10Cと、を積層方向(図6では上下方向)に順に備える。つまり、電子回路基板50では、金属層付き多孔質樹脂シート10Aと、金属層付き多孔質樹脂シート10Bと、金属層付き多孔質樹脂シート10Cとが、順に積層されている。
 金属層付き多孔質樹脂シート10Aは、多孔質樹脂シート11Aと、金属層12Aと、を有している。多孔質樹脂シート11Aは、樹脂を含有する樹脂シート1sからなり、樹脂シート1sの内部に空孔1hが設けられている。多孔質樹脂シート11Aは、厚み方向に対向する第1主面1Aa及び第2主面1Abを有している。
 金属層12Aは、多孔質樹脂シート11Aの第1主面1Aaに設けられている。また、金属層12Aは、後述する多孔質樹脂シート11Bの第2主面1Bb側に隣接している。
 金属層付き多孔質樹脂シート10Bは、多孔質樹脂シート11Bと、金属層12Bと、金属層12B’と、金属層12B’’と、を有している。多孔質樹脂シート11Bは、樹脂を含有する樹脂シート1sからなり、樹脂シート1sの内部に空孔1hが設けられている。多孔質樹脂シート11Bは、厚み方向に対向する第1主面1Ba及び第2主面1Bbを有している。
 金属層12B、金属層12B’及び金属層12B’’は、多孔質樹脂シート11Bの第1主面1Baに設けられている。また、金属層12B、金属層12B’及び金属層12B’’は、後述する多孔質樹脂シート11Cの第2主面1Cb側に隣接している。
 金属層付き多孔質樹脂シート10Cは、多孔質樹脂シート11Cと、金属層12Cと、を有している。多孔質樹脂シート11Cは、樹脂を含有する樹脂シート1sからなり、樹脂シート1sの内部に空孔1hが設けられている。多孔質樹脂シート11Cは、厚み方向に対向する第1主面1Ca及び第2主面1Cbを有している。
 金属層12Cは、多孔質樹脂シート11Cの第1主面1Caに設けられている。
 金属層12Bは、図6に示すように、多孔質樹脂シート11Bと多孔質樹脂シート11Cとの界面にまたがって設けられていることが好ましい。これにより、金属層12Bと多孔質樹脂シート11Bとの界面、及び、金属層12Bと多孔質樹脂シート11Cとの界面が、多孔質樹脂シート11Bと多孔質樹脂シート11Cとの界面から積層方向にずれるため、金属層12Bと多孔質樹脂シート11Bとの界面での剥離、及び、金属層12Bと多孔質樹脂シート11Cとの界面での剥離が抑制される。
 金属層12B’及び金属層12B’’も、金属層12Bと同様に、多孔質樹脂シート11Bと多孔質樹脂シート11Cとの界面にまたがって設けられていることが好ましい。
 なお、図6では、多孔質樹脂シート11Bと多孔質樹脂シート11Cとの界面が示されているが、実際にはこの界面が明瞭に現れていなくてもよい。多孔質樹脂シート11Bと多孔質樹脂シート11Cとの界面が明瞭に現れていない場合、図6に示すような積層方向に沿う断面において、金属層12Bの断面の積層方向における中心を通り、かつ、積層方向に直交する方向に沿う面を、多孔質樹脂シート11Bと多孔質樹脂シート11Cとの界面とみなす。
 多孔質樹脂シート11A、多孔質樹脂シート11B及び多孔質樹脂シート11Cの厚みは、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよいし、図6に示すように一部で異なっていてもよい。
 電子回路基板50は、図6に示すように、多孔質樹脂シートを積層方向に貫通するが金属層を積層方向に貫通せずに、金属層に接続されるように設けられた層間接続導体を更に備えることが好ましい。図6に示す例では、電子回路基板50は、層間接続導体20Aと、層間接続導体20Bと、層間接続導体20Cと、層間接続導体20Dと、を更に有している。
 層間接続導体20Aは、多孔質樹脂シート11Bを積層方向に貫通するが金属層12B’を積層方向に貫通せずに、金属層12B’に接続されるように設けられている。より具体的には、層間接続導体20Aは、多孔質樹脂シート11Bを積層方向に貫通しつつ、多孔質樹脂シート11Bの第1主面1Ba側で金属層12B’に接続されている。また、層間接続導体20Aは、多孔質樹脂シート11Bの第2主面1Bb側で金属層12Aに接続されている。つまり、金属層12Aと金属層12B’とは、層間接続導体20Aを介して電気的に接続されている。
 層間接続導体20Bは、層間接続導体20Aと離隔した位置において、多孔質樹脂シート11Bを積層方向に貫通するが金属層12B’’を積層方向に貫通せずに、金属層12B’’に接続されるように設けられている。より具体的には、層間接続導体20Bは、層間接続導体20Aと離隔した位置において、多孔質樹脂シート11Bを積層方向に貫通しつつ、多孔質樹脂シート11Bの第1主面1Ba側で金属層12B’’に接続されている。また、層間接続導体20Bは、層間接続導体20Aと離隔した位置において、多孔質樹脂シート11Bの第2主面1Bb側で金属層12Aに接続されている。つまり、金属層12Aと金属層12B’’とは、層間接続導体20Bを介して電気的に接続されている。
 層間接続導体20Cは、多孔質樹脂シート11Cを積層方向に貫通するが金属層12Cを積層方向に貫通せずに、金属層12Cに接続されるように設けられている。より具体的には、層間接続導体20Cは、多孔質樹脂シート11Cを積層方向に貫通しつつ、多孔質樹脂シート11Cの第1主面1Ca側で金属層12Cに接続されている。また、層間接続導体20Cは、多孔質樹脂シート11Cの第2主面1Cb側で金属層12B’に接続されている。つまり、金属層12B’と金属層12Cとは、層間接続導体20Cを介して電気的に接続されている。
 層間接続導体20Dは、層間接続導体20Cと離隔した位置において、多孔質樹脂シート11Cを積層方向に貫通するが金属層12Cを積層方向に貫通せずに、金属層12Cに接続されるように設けられている。より具体的には、層間接続導体20Dは、層間接続導体20Cと離隔した位置において、多孔質樹脂シート11Cを積層方向に貫通しつつ、多孔質樹脂シート11Cの第1主面1Ca側で金属層12Cに接続されている。また、層間接続導体20Dは、層間接続導体20Cと離隔した位置において、多孔質樹脂シート11Cの第2主面1Cb側で金属層12B’’に接続されている。つまり、金属層12B’’と金属層12Cとは、層間接続導体20Dを介して電気的に接続されている。
 このように、電子回路基板50では、金属層12Aと金属層12Cとが、層間接続導体20A、金属層12B’及び層間接続導体20Cを介して電気的に接続されている。また、電子回路基板50では、金属層12Aと金属層12Cとが、層間接続導体20B、金属層12B’’及び層間接続導体20Dを介しても電気的に接続されている。
 層間接続導体20Aは、例えば、多孔質樹脂シート11Bを厚み方向に貫通するが金属層12B’を厚み方向に貫通せずに金属層12B’に達するように設けられたビアホールに対して、内壁にめっき処理を行ったり、導電性ペーストを充填した後に熱処理を行ったりすることにより形成される。
 層間接続導体20B、層間接続導体20C及び層間接続導体20Dも、形成位置が異なること以外、層間接続導体20Aと同様にして形成される。
 層間接続導体20A、層間接続導体20B、層間接続導体20C及び層間接続導体20Dがめっき処理で形成される場合、各々の層間接続導体を構成する金属としては、例えば、銅、錫、銀等が挙げられ、中でも銅が好ましい。
 層間接続導体20A、層間接続導体20B、層間接続導体20C及び層間接続導体20Dが導電性ペーストの熱処理で形成される場合、各々の層間接続導体に含まれる金属としては、例えば、銅、錫、銀等が挙げられる。中でも、各々の層間接続導体は、銅を含むことが好ましく、銅及び錫を含むことがより好ましい。例えば、層間接続導体20Aが銅及び錫を含み、金属層12B’が銅箔からなる場合、層間接続導体20Aは金属層12B’と低温で合金化反応を起こすため、両者が導通しやすくなる。層間接続導体と金属層との他の組み合わせについても、同様である。
 層間接続導体20A、層間接続導体20B、層間接続導体20C及び層間接続導体20Dが導電性ペーストの熱処理で形成される場合、各々の層間接続導体に含まれる樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂若しくはその変性樹脂、及び、アクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂、又は、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及び、セルロース系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
 電子回路基板50は、信号を伝送する信号線として金属層12Bを有していてもよい。この場合、電子回路基板50は、伝送線路を構成する。
 電子回路基板50は、信号を伝送する信号線として金属層12Bを有し、かつ、グランド電極として金属層12A及び金属層12Cを有していてもよい。この場合、電子回路基板50は、ストリップライン型の伝送線路を構成する。
 電子回路基板50が上述した伝送線路を構成する場合、金属層12Bは、高周波信号を伝送する信号線であってもよい。
 電子回路基板50が伝送線路を構成する場合、誘電率が小さい多孔質樹脂シート11B及び多孔質樹脂シート11Cが、金属層12B、すなわち、信号線に接しているため、電子回路基板50の伝送特性が向上しやすくなる。
[電子回路基板の製造方法]
 本発明の電子回路基板は、本発明の金属層付き多孔質樹脂シートの金属層に回路パターンを形成することにより製造される。例えば、金属層のエッチングにより回路パターンを形成することができる。
 図6に示す電子回路基板50は、例えば、以下の方法で製造される。
 まず、金属層付き多孔質樹脂シート10Aと、金属層付き多孔質樹脂シート10Bと、金属層付き多孔質樹脂シート10Cと、を作製する。
 金属層付き多孔質樹脂シート10Bに対して、多孔質樹脂シート11Bを厚み方向に貫通するが金属層12B’又は金属層12B’’を厚み方向に貫通せずに金属層12B’又は金属層12B’’に達するようにビアホールを形成する。また、金属層付き多孔質樹脂シート10Cに対して、多孔質樹脂シート11Cを厚み方向に貫通するが金属層12Cを厚み方向に貫通せずに金属層12Cに達するようにビアホールを形成する。ビアホールを形成する際、金属層付き多孔質樹脂シートに対して、多孔質樹脂シート側からレーザー光を照射することが好ましい。
 金属層付き多孔質樹脂シート10B及び金属層付き多孔質樹脂シート10Cに対して、導電性ペーストをビアホールに充填する。導電性ペーストを充填する方法としては、例えば、スクリーン印刷法、真空充填法等が挙げられる。
 金属層付き多孔質樹脂シート10Aと、導電性ペーストが充填された金属層付き多孔質樹脂シート10Bと、導電性ペーストが充填された金属層付き多孔質樹脂シート10Cとを、積層方向に順に積層する。そして、得られた積層体に対して、加熱しつつ積層方向に圧力を加えることにより、加熱プレスを行う。これにより、金属層付き多孔質樹脂シート10Aと金属層付き多孔質樹脂シート10Bとが圧着され、これにより、金属層付き多孔質樹脂シート10Bと金属層付き多孔質樹脂シート10Cとが圧着される。また、導電性ペーストは、加熱プレス時に固化することにより、各々、層間接続導体20A、層間接続導体20B、層間接続導体20C及び層間接続導体20Dとなる。
 以上により、図6に示す電子回路基板50が製造される。
 なお、層間接続導体20A、層間接続導体20B、層間接続導体20C及び層間接続導体20Dを形成する際、導電性ペーストをビアホールに充填するのではなく、銅、錫、銀等の金属を用いて、ビアホールの内壁にめっき処理を行ってもよい。
 以下、本発明の多孔質樹脂シートをより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
 1.5型LCP(HBA/HNA=60/40(モル比)の全芳香族ポリエステル樹脂、融点Tm=335℃)に多孔化剤を添加し、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製した。実施例及び比較例では、多孔化剤としてポリエチレングリコールを使用し、樹脂100重量部に対して多孔化剤を100重量部添加した。次に、この充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法(100℃、30MPa)で多孔化剤のみを抽出することで、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートを得た。実施例1では、充実シートからの多孔化剤の抽出を10分で完了させることができ、十分な生産性が得られることが確認できた。
 使用した1.5型LCPのみを用いて、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製し、以下の物性評価を行った。
1.ガス透過率の測定
 25℃及び100℃のCOガスの透過率を測定した。厚み50μmの充実シートの二酸化炭素(CO)ガスの透過率は、25℃で0.75cm/m・24hr・atm、100℃で7.5cm/m・24hr・atmであった。
2.光透過率の測定
 波長200nm以上500nm以下の光透過率を測定した。厚み50μmの充実シートの波長200nm以上500nm以下の平均透過率は、0.5%であった。
3.貯蔵弾性率の測定
 動的粘弾性測定(DMA)装置を用いて、引張モードで、245℃以上260℃以下の貯蔵弾性率を測定した。厚み50μmの充実シートの245℃以上260℃以下での貯蔵弾性率の最小値は250MPaであった。
 次に、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートの特性評価を行った。
1.比誘電率及び誘電正接の測定
 誘電体共振器摂動法(TE011)を用いて、12GHzで、得られた多孔質樹脂シートの常態と吸湿後の比誘電率及び誘電正接を測定した。吸湿条件はJIS C6471(23℃、24時間、水中浸漬)とし、サンプルを水槽から取り出し、表面の水分を拭き取った後、直ちに測定を行った。多孔質樹脂シートの比誘電率は常態で1.98、吸湿後で2.00、誘電正接は常態で0.0011、吸湿後で0.0012となり、吸湿前後の誘電特性の変動が十分小さいことが確認できた。
2.レーザー加工した穴の壁面の状態
 UVレーザー(YAGレーザー、波長250nm)を用いて、得られた厚み50μmの多孔質樹脂シートに直径100μmの穴開けをして、穴壁面の表面を金属顕微鏡(100倍)で観察した。穴壁面の樹脂がレーザーの熱で融けて、空孔の表面が樹脂で覆われることで、穴壁面の表面に凹凸又は空孔由来の穴は認められなかった。
3.シート表面の平坦性
 触針式粗さ計を用いて、得られた多孔質樹脂シートの初期の粗さと、はんだリフロー装置(260℃、20秒)を通した後のサンプルの粗さとを測定した。表面粗さ(Rzjis)は、初期1.0μm、はんだリフロー装置で加熱したサンプル1.2μmであり、空孔の膨張又は収縮によりシート表面の平坦性が損なわれることがないことが確認できた。
4.シート厚み
 ダイヤルゲージを用いて、得られた多孔質樹脂シートの初期の厚みと、はんだリフロー装置(260℃、20秒)を通した後のサンプルの厚みとを測定した。シート厚みは、初期50.1μm、はんだリフロー装置で加熱したサンプル50.3μmであり、空孔の膨張又は収縮によりシート厚みが変わっていないことが確認できた。
[実施例2]
 II型LCP(全芳香族ポリエステル樹脂、融点Tm=285℃)に多孔化剤を添加し、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製した。次に、この充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法を用いて、実施例1と同じ条件(100℃、30MPa)で、多孔化剤のみを抽出して、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートを得た。実施例2では、充実シートからの多孔化剤の抽出を8分で完了させることができ、十分な生産性が得られることが確認できた。
 使用したII型LCPのみを用いて、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製し、以下の物性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
1.充実シートのCOガスの透過率は、25℃で0.75cm/m・24hr・atm、100℃で10cm/m・24hr・atmであった。
2.充実シートの波長200nm以上500nm以下の平均透過率は、0.5%であった。
3.充実シートの245℃以上260℃以下での貯蔵弾性率の最小値は、50MPaであった。
 次に、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートの特性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
1.多孔質樹脂シートの比誘電率は常態で1.97、吸湿後で2.00、誘電正接は常態で0.0012、吸湿後で0.0013となり、吸湿前後の誘電特性の変動が十分小さいことが確認できた。
2.多孔質樹脂シートにレーザー加工した穴の壁面の状態は、穴壁面の樹脂がレーザーの熱で融けて、空孔の表面が樹脂で覆われることで、穴壁面の表面に凹凸又は空孔由来の穴は認められなかった。
3.多孔質樹脂シート表面の平坦性について、初期の表面粗さ(Rzjis)は1.0μmであったのに対して、はんだリフロー装置を通した後のサンプルの表面粗さ(Rzjis)は2.4μmとなり、シート表面の平坦性が少し損なわれていたが、電子回路基板として使用できるレベルであった。
4.多孔質樹脂シートの厚みは、初期は49.8μmであったのに対して、はんだリフロー装置を通した後のサンプルは52.8μmとなり、シート厚みが変わっていることが分かったが、電子回路基板として使用できるレベルであった。
[実施例3]
 I型LCP(全芳香族ポリエステル樹脂、融点Tm=355℃、高結晶性樹脂)に多孔化剤を添加し、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製した。次に、この充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法を用いて、実施例1と同じ条件(100℃、30MPa)で、多孔化剤のみを抽出して、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートを得た。実施例3では、充実シートからの多孔化剤の抽出を試みた結果、30分で多孔化剤の抽出を完了させることができ、実施例1及び実施例2と比べて生産性は良くないが、多孔質樹脂シートを作製することができることが分かった。
 使用したI型LCPのみを用いて、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製し、以下の物性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
1.充実シートのCOガスの透過率は、25℃で0.6cm/m・24hr・atm、100℃で6cm/m・24hr・atmであった。
2.充実シートの波長200nm以上500nm以下の平均透過率は、0.4%であった。
3.充実シートの245℃以上260℃以下での貯蔵弾性率の最小値は、800MPaであった。
 次に、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートの特性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
1.多孔質樹脂シートの比誘電率は常態で1.87、吸湿後で1.89、誘電正接は常態で0.0010、吸湿後で0.0011となり、吸湿前後の誘電特性の変動が十分小さいことが確認できた。
2.多孔質樹脂シートにレーザー加工した穴の壁面の状態は、穴壁面の樹脂がレーザーの熱で融けて、空孔の表面が樹脂で覆われることで、穴壁面の表面に凹凸又は空孔由来の穴は認められなかった。
3.多孔質樹脂シート表面の平坦性について、表面粗さ(Rzjis)は、初期1.1μm、はんだリフロー装置で加熱したサンプル1.2μmであり、空孔の膨張又は収縮によりシート表面の平坦性が損なわれることがないことが確認できた。
4.多孔質樹脂シートの厚みは、初期50.2μm、はんだリフロー装置で加熱したサンプル50.3μmであり、空孔の膨張又は収縮によりシート厚みが変わっていないことが確認できた。
[実施例4]
 III型LCP(半芳香族ポリエステル樹脂、融点Tm=250℃)に多孔化剤を添加し、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製した。次に、この充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法を用いて、実施例1と同じ条件(100℃、30MPa)で、多孔化剤のみを抽出して、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートを得た。実施例4では、充実シートからの多孔化剤の抽出を6分で完了させることができ、十分な生産性が得られることが確認できた。
 使用したIII型LCPのみを用いて、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製し、以下の物性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
1.充実シートのCOガスの透過率は、25℃で0.7cm/m・24hr・atm、100℃で15cm/m・24hr・atmであった。
2.充実シートの波長200nm以上500nm以下の平均透過率は、0.5%であった。
3.充実シートの245℃以上260℃以下での貯蔵弾性率の最小値は、5MPaであった。
 次に、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートの特性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
1.多孔質樹脂シートの比誘電率は常態で1.98、吸湿後で2.01、誘電正接は常態で0.0014、吸湿後で0.0015となり、吸湿前後の誘電特性の変動が十分小さいことが確認できた。
2.多孔質樹脂シートにレーザー加工した穴の壁面の状態は、穴壁面の樹脂がレーザーの熱で融けて、空孔の表面が樹脂で覆われることで、穴壁面の表面に凹凸又は空孔由来の穴は認められなかった。
3.多孔質樹脂シート表面の平坦性について、初期の表面粗さ(Rzjis)は1.1μmであったのに対して、はんだリフロー装置を通した後のサンプルの表面粗さ(Rzjis)は3.7μmであった。はんだ実装するタイプの基板又は多層回路基板用のシートとして使用するには適さないレベルであるが、はんだ実装しないタイプでかつ単層のフレキシブル基板には使用できるレベルであった。
4.多孔質樹脂シートの厚みは、初期は49.5μmであったのに対して、はんだリフロー装置を通した後のサンプルは55.2μmであった。はんだ実装するタイプの基板又は多層回路基板用のシートとして使用するには適さないレベルであるが、はんだ実装しないタイプでかつ単層のフレキシブル基板には使用できるレベルであった。
[実施例5]
 PEEK(熱可塑性樹脂)に多孔化剤を添加し、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製した。次に、この充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法(100℃、30MPa)で多孔化剤のみを抽出することで、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートを得た。実施例5では、充実シートからの多孔化剤の抽出を6分で完了させることができ、十分な生産性が得られることが確認できた。
 使用したPEEKのみを用いて、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製し、以下の物性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
1.充実シートのCOガスの透過率は、25℃で0.9cm/m・24hr・atm、100℃で23cm/m・24hr・atmであった。
2.充実シートの波長200nm以上500nm以下の平均透過率は、35%であった。
3.充実シートの245℃以上260℃以下での貯蔵弾性率の最小値は、500MPaであった。
 次に、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートの特性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
 はんだリフロー装置で加熱したサンプルでの、空孔の膨張又は収縮によるシート形状の変形及び厚み変化はなく、また、常態と吸湿後の比誘電率、誘電正接の変動が小さく良好であることが分かった。
 一方、レーザー加工した穴の壁面の表面に凹凸又は空孔由来の穴が残っていた、レーザーを用いてビア穴を開けて銅めっき又は導電性ペーストを充填する基板加工方法を用いるタイプの電子回路基板用シートしては不適であるが、ビア穴を形成しないタイプの電子回路基板用シートとしては十分使用できるレベルであった。
[実施例6]
 実施例1で使用した樹脂(1.5型LCP、HBA/HNA=60/40(モル比)の全芳香族ポリエステル樹脂、融点Tm=335℃)に多孔化剤を添加し、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製した。次に、この充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法で多孔化剤のみを抽出することで、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートを得た。実施例6では、充実シートからの多孔化剤の抽出を10分で完了させることができ、十分な生産性が得られることが確認できた。
 次に、この多孔質樹脂シートの表面に、ホットメルト法の手法で高温の熱風を当てて、シート表面の近傍(2μm)の樹脂のみを融かして、表面近傍のみ、空孔率を下げ、かつ孔径を小さくした。シートを包埋樹脂に埋め込み、断面を出したサンプルを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて500倍の倍率で観察したところ、初期状態では厚み方向全面に、空孔率70%、平均孔径2μmであったが、ホットメルト法で表面を融かしたシートでは、表面近傍の2μm厚み部分のみ、空孔率30%、平均孔径0.5μmになっていることが確認できた。
 この独立気泡構造を持つ多孔質樹脂シートの特性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
 多孔質樹脂シート表面の平坦性について、表面粗さ(Rzjis)は、初期0.8μm、はんだリフロー装置で加熱したサンプル1.0μmであり、初期の平坦性が高く、高温に曝された後もシート表面の平坦性が保たれていることが確認できた。
 次に、この独立気泡構造を持つ多孔質樹脂シート上に、スパッタリングにより銅膜(0.2μm)を形成し、更に電気めっきにより銅厚膜を形成して(銅膜総厚12μm)、回路パターン加工を行った。回路パターン形成は、塩化第二鉄水溶液を用いて、50℃に加温して行い、導体幅60μmの配線を形成した。配線パターンを実体顕微鏡で50倍の倍率で観察したところ、配線幅60μmに対して1/3以上のパターン欠損部がないことが確認できた。
 また、この回路パターンを形成したシートに表面実装部品を搭載して、はんだリフロー炉を用いて部品実装試験を行ったところ、部品の外部端子と基板外部端子とがはんだ接合できていることが確認できた。
[実施例7]
 実施例1で使用した樹脂(1.5型LCP、HBA/HNA=60/40(モル比)の全芳香族ポリエステル樹脂、融点Tm=335℃)に多孔化剤を添加し、溶融成形法にて充実シートを作製した。溶融加工は共押出し法を用いて行った。また、主材料である樹脂に添加する多孔化剤の分量は、上下押出シートでは75vol%、中央押出シートでは30vol%とした。共押出シートは、上層は厚み10μm、中央層は厚み30μm、下層は厚み10μmとなるようにして、総厚み50μmの3層構造のシートを作製した。次に、この充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法で多孔化剤のみを抽出することで、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートを得た。実施例7では、充実シートからの多孔化剤の抽出を11分で完了させることができ、十分な生産性が得られることが確認できた。
 このシートを包埋樹脂に埋め込み、断面を出したサンプルを、SEMを用いて500倍の倍率で観察したところ、表面から10μm厚み部分は、空孔率75%、平均孔径2μm、中央部分の30μm厚み部分は、空孔率30%、平均孔径1μmになっていることが確認できた。
 実施例7の多孔質樹脂シートと実施例1の多孔質樹脂シートとを用いて、曲率半径0.5mm以上5mm以下の折り曲げ試験を行った。厚み方向で空孔率及び孔径が均一な構造を持つ実施例1の多孔質樹脂シートが曲率半径1mmの曲げで座屈したのに対し、中央部の空孔率及び孔径を小さくして厚み方向に傾斜構造を持つ多孔質樹脂シートは、曲率半径0.6mmまで座屈しないことが確認できた。
[実施例8]
 実施例1で使用した樹脂(1.5型LCP、HBA/HNA=60/40(モル比)の全芳香族ポリエステル樹脂、融点Tm=335℃)に多孔化剤を添加し、溶融成形法にて厚み120μmの充実シートを作製した。次に、この厚み120μmシートを熱プレスで潰して、厚み50μmの充実シートに成形した。更に、この充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法で多孔化剤のみを抽出することで、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートを得た。実施例8では、充実シートからの多孔化剤の抽出を9分で完了させることができ、十分な生産性が得られることが確認できた。
 このシートを包埋樹脂に埋め込み、断面を出したサンプルを、SEMを用いて500倍の倍率で観察したところ、厚み方向全面に、形状に異方性を有する空孔を確認できた。具体的には、空孔の面内方向の径が2.2μm、厚み方向の径が1μmになっており、面内方向の径が厚み方向の径に比べ2.2倍になっていることが分かった。
 実施例8の多孔質樹脂シートと実施例1の多孔質樹脂シートとを用いて、厚み方向の弾性率を測定したところ、空孔の形状に異方性を有する実施例8の多孔質樹脂シートでは300MPa、等方的な空孔形状を有する実施例1の多孔質樹脂シートでは230MPaであった。この結果から、空孔の面内方向の径を厚み方向の径に比べて大きくすることで、厚み方向の弾性率が高くなることが確認できた。
 次に、実施例8の多孔質樹脂シート上に、スパッタリングにより銅膜(0.2μm)を形成し、更に電気めっきにより銅厚膜を形成して(銅膜総厚12μm)、回路パターン加工を行った。この回路パターンを形成したシートに表面実装部品を搭載して、はんだリフロー炉を用いて部品実装試験を行った。その結果、部品の外部端子と基板外部端子とがはんだ接合できていることが確認できた。これは、シートの厚み方向の弾性率が上がることで、実装時の厚み方向の応力に対してシートの沈み込み量が減り、より部品実装性が向上したためと考えられる。
[比較例1]
 ポリイミド樹脂(非熱可塑性ポリイミド樹脂)に多孔化剤を添加し、キャスト法にて厚み50μmの充実シート(架橋硬化前)を作製した。次に、この充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法で多孔化剤のみを抽出することで、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートを得た。比較例1では、充実シートからの多孔化剤の抽出を5分で完了させることができ、十分な生産性であることが確認できた。
 使用したポリイミド樹脂のみを用いて、キャスト法にて厚み50μmの充実シートを作製し、以下の物性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
1.充実シートのCOガスの透過率は、25℃で150cm/m・24hr・atm、100℃で780cm/m・24hr・atmであった。
2.充実シートの波長200nm以上500nm以下の平均透過率は、30%であった。
3.充実シートの245℃以上260℃以下での貯蔵弾性率の最小値は、2500MPaであった。
 次に、この多孔質樹脂シート(架橋硬化前)を、350℃のオーブンで架橋硬化させて、多孔質ポリイミドシートを得た。得られた多孔質ポリイミドシートの特性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
 はんだリフロー装置で加熱したサンプルでの、空孔の膨張又は収縮によるシート形状の変形及び厚み変化はなかったが、常態と吸湿後の比誘電率、誘電正接の変動が大きいことが確認できた。さらに、レーザー加工した穴の壁面の表面に凹凸又は空孔由来の穴が残っており、電子回路基板用のシートとして不適切であることが分かった。
[比較例2]
 パーフルオロアルコキシアルカン(PFA、熱可塑性樹脂)に多孔化剤を添加し、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製した。次に、この充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法で多孔化剤のみを抽出することで、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートを得た。比較例2では、充実シートからの多孔化剤の抽出を試みた結果、35分で多孔化剤の抽出を完了させることができたが、生産性が悪いことが分かった。
 使用したPFAのみを用いて、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製し、以下の物性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
1.充実シートのCOガスの透過率は、25℃で0.45cm/m・24hr・atm、100℃で3.5cm/m・24hr・atmであった。
2.充実シートの波長200nm以上500nm以下の平均透過率は、40%であった。
3.充実シートの245℃以上260℃以下での貯蔵弾性率の最小値は、60MPaであった。
 次に、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートの特性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
 常態と吸湿後の比誘電率、誘電正接の変動は小さかったが、はんだリフロー装置で加熱したサンプルで、空孔の膨張によるシート形状の変形及び厚み変化が認められた。また、レーザー加工した穴の壁面の表面に凹凸又は空孔由来の穴が残っており、電子回路基板用のシートとして不適切であることが分かった。
[比較例3]
 ポリエチレンテレフタレート(PET、熱可塑性樹脂)に多孔化剤を添加し、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製した。次に、この充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法で多孔化剤のみを抽出することで、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートを得た。比較例3では、充実シートからの多孔化剤の抽出を7分で完了させることができ、十分な生産性であることが確認できた。
 使用したPETのみを用いて、溶融成形法にて厚み50μmの充実シートを作製し、以下の物性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
1.充実シートのCOガスの透過率は、25℃で135cm/m・24hr・atm、100℃で810cm/m・24hr・atmであった。
2.充実シートの波長200nm以上500nm以下の平均透過率は、45%であった。
3.充実シートの245℃以上260℃以下での貯蔵弾性率の最小値は、10MPaであった。
 次に、独立気泡構造を持つ厚み50μmの多孔質樹脂シートの特性評価を実施例1と同じ方法、条件で行った。
 常態と吸湿後の比誘電率、誘電正接の変動が大きいこと、及び、はんだリフロー装置で加熱したサンプルで、空孔の膨張によるシート形状の変形及び厚み変化が認められた。また、レーザー加工した穴の壁面の表面に凹凸又は空孔由来の穴が残っており、電子回路基板用のシートとして不適切であることが分かった。
 1、2、3、4、11、11A、11B、11C 多孔質樹脂シート
 1a、1Aa、1Ba、1Ca 多孔質樹脂シートの第1主面
 1b、1Ab、1Bb、1Cb 多孔質樹脂シートの第2主面
 1h 空孔
 1s 樹脂シート
 10、10A、10B、10C 金属層付き多孔質樹脂シート
 12、12A、12B、12B’、12B’’、12C 金属層
 20A、20B、20C、20D 層間接続導体
 50 電子回路基板

Claims (18)

  1.  シート厚み50μmにおける25℃での二酸化炭素ガス透過率が1cm/m・24hr・atm以下、100℃での二酸化炭素ガス透過率が5cm/m・24hr・atm以上である樹脂を含有する樹脂シートからなり、かつ、前記樹脂シートの内部に空孔が設けられている、多孔質樹脂シート。
  2.  前記空孔として独立気泡が設けられている、請求項1に記載の多孔質樹脂シート。
  3.  前記樹脂の、シート厚み50μmにおける波長200nm以上500nm以下の光透過率が1%以下である、請求項1又は2に記載の多孔質樹脂シート。
  4.  前記樹脂の、シート厚み50μmにおける245℃以上260℃以下の貯蔵弾性率が200MPa以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の多孔質樹脂シート。
  5.  前記樹脂シートの内部よりも前記樹脂シートの表層部の空孔率が小さく、かつ孔径が小さい、請求項1~4のいずれか1項に記載の多孔質樹脂シート。
  6.  前記表層部の表面粗さが1.5μm以下である、請求項5に記載の多孔質樹脂シート。
  7.  前記樹脂シートの表層部よりも前記樹脂シートの内部の空孔率が小さく、かつ孔径が小さい、請求項1~4のいずれか1項に記載の多孔質樹脂シート。
  8.  前記樹脂シートの一方主面を形成する第1樹脂層と、
     前記樹脂シートの他方主面を形成する第2樹脂層と、
     前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との間に設けられる第3樹脂層と、を備え、
     前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層よりも前記第3樹脂層の空孔率が小さく、かつ孔径が小さい、請求項7に記載の多孔質樹脂シート。
  9.  前記空孔の形状に異方性を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の多孔質樹脂シート。
  10.  前記空孔の面内方向の径が厚み方向の径よりも大きい、請求項9に記載の多孔質樹脂シート。
  11.  前記樹脂が、全芳香族ポリエステル樹脂である、請求項1~10のいずれか1項に記載の多孔質樹脂シート。
  12.  前記全芳香族ポリエステル樹脂は、p-ヒドロキシ安息香酸と6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸との共重合体を含む、請求項11に記載の多孔質樹脂シート。
  13.  前記6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に対する前記p-ヒドロキシ安息香酸のモル比率は、0.25以上、4以下である、請求項12に記載の多孔質樹脂シート。
  14.  請求項1~13のいずれか1項に記載の多孔質樹脂シートと、
     前記多孔質樹脂シートの少なくとも一方主面に配置された金属層と、を備える、金属層付き多孔質樹脂シート。
  15.  請求項14に記載の金属層付き多孔質樹脂シートを備える、電子回路基板。
  16.  シート厚み50μmにおける25℃での二酸化炭素ガス透過率が1cm/m・24hr・atm以下、100℃での二酸化炭素ガス透過率が5cm/m・24hr・atm以上である樹脂及び多孔化剤を含む充実シートを作製する工程と、
     前記充実シートから、二酸化炭素を媒体とした超臨界法により前記多孔化剤を抽出する工程と、を備える、多孔質樹脂シートの製造方法。
  17.  請求項16に記載の製造方法により多孔質樹脂シートを作製する工程と、
     前記多孔質樹脂シートの少なくとも一方主面に金属層を配置する工程と、を備える、金属層付き多孔質樹脂シートの製造方法。
  18.  請求項17に記載の製造方法により金属層付き多孔質樹脂シートを作製する工程と、
     前記金属層付き多孔質樹脂シートの金属層に回路パターンを形成する工程と、を備える、電子回路基板の製造方法。
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