WO2022004375A1 - 駆動制御装置、および駆動制御方法 - Google Patents

駆動制御装置、および駆動制御方法 Download PDF

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裕之 鎌田
功誠 山下
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ソニーグループ株式会社
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
    • G01C19/5776Signal processing not specific to any of the devices covered by groups G01C19/5607 - G01C19/5719

Definitions

  • a multi-IMU has been proposed that improves the detection accuracy by integrating the detection results of multiple IMUs (Inertial Measurement Units).
  • IMU1-1 to IMU1-4 detect the angular velocity including the error in IMU1-1 to IMU1-4 because the error vibration of the swell frequency is superimposed due to the interference generated by the mutual reference signal. Therefore, even if these are combined, there is a risk that an appropriate angular velocity cannot be obtained.
  • the IMUs 201-1 to 201-4 are arranged on the printed circuit board 210.
  • step S32 the switching circuit 301 identifies the IMU201 that is close to the median among the drive frequencies of the oscillation signals of all the oscillation circuits 251-1 to 251-4 of the detected IMU201-1 to 201-4.
  • the reference generation unit 321 substantially functions as a synchronization master device, the IMU2011-1 to 201-4 function as a synchronization slave device, and the reference generation unit 321 sets the reference signal fm to the IMU201.
  • Supplying to all of -1 to 201-4 is schematically represented by an arrow.
  • step S54 all IMUs 201-1 to 201-4 detect the angular velocity and output it to the synthesis unit 202.
  • all the IMUs 201-1 to 201-4 constituting the multi-IMU200 can be driven synchronously based on the reference signal fm composed of the oscillation signals having the same drive frequency. It is possible to suppress the occurrence of errors due to it, and it is possible to detect the angular velocity with high accuracy.
  • a reference generator having the same function as the reference generator 321 may be formed instead of the switching circuit 301.
  • step S102 the clustering calculation unit 463 selects the IMU 201 having the lowest drive frequency.
  • step S105 the clustering calculation unit 463 selects an unprocessed IMU 201 having a frequency higher than the threshold frequency, and the process returns to step S102.
  • the sampling frequencies of the angular velocities supplied to each cluster consisting of IMU201s whose drive frequencies can be synchronized are aligned, interference is removed, and synthesis is performed. Even when the IMU 201 is used, it is possible to detect the angular velocity with high accuracy.
  • step S126 If the number of clusters is larger than the specified value N in step S126, the process proceeds to step S127.
  • sense circuit block 232 and the digital output circuit block 233 may be shared by IMU201, which is classified into the same cluster.
  • the sense circuit block 232 and the digital output circuit block 233 constituting the read circuit 213' can be shared in cluster units, so that the circuit configuration can be omitted and the cost can be reduced. It becomes possible.
  • step S215 the resampler 481 acquires the angular velocity of each cluster, aligns the sampling frequencies of each cluster, and outputs the sampling frequency to the interference removing unit 482.
  • step S233 the differential inversion unit 551 differentially inverts the oscillation signal from the second phase IMU201'in the same cluster and outputs it.

Abstract

本開示は、マルチIMUの検出精度を向上できるようにする駆動制御装置、および駆動制御方法に関する。 複数のIMU(Inertial Measurement Unit)により検出結果を合成して出力する合成部を備え、前記複数のIMU(Inertial Measurement Unit)を、IMUのそれぞれの発振回路の発振信号の駆動周波数に応じて複数のクラスタに分類し、クラスタ毎に、複数のIMUのいずれかが、自らの発振回路で発生される発振信号を基準信号として出力する基準信号出力部として機能し、基準信号出力部として機能しないIMUに対して基準信号を出力し、クラスタ単位で、複数のIMUが同一の駆動周波数の発振信号で駆動するようにする。マルチIMUに適用することができる。

Description

駆動制御装置、および駆動制御方法
 本開示は、駆動制御装置、および駆動制御方法に関し、特に、マルチIMUの検出精度を向上できるようにした駆動制御装置、および駆動制御方法に関する。
 複数のIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)の検出結果を統合することにより、検出精度を向上させるようにしたマルチIMUが提案されている。
 マルチIMUの検出精度を向上させるための技術として、複数のIMUのノイズ特性と、観測値に対する条件に応じて、複数のIMUの観測値を適切に合成できるようにする技術が提案されている(特許文献1参照)。
国際公開第2020/045099号
 ところで、特許文献1の例を始めとする複数のIMUを用いたマルチIMUに用いられるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いた振動型のIMUは、物体に振動を加えながら回転させることで生じるコリオリ力に基づいて角速度が検出される。
 しかしながら、複数のIMUが振動を発生することになるため、各IMUについて、他のIMUの発生する振動により干渉が生じ、干渉に起因するうなりノイズが生じることがある。
 特に、近年のIMUの工作精度の向上から、製造のばらつきが小さくなり、IMU個別に発生する振動の周波数は類似したものが多く製造されることが増えているため、さらに、干渉が発生し易くなっており、干渉に起因するうなりノイズによる影響を受け易くなっている。
 本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、特に、マルチIMUを構成する個々のIMU間の干渉に起因するうなりノイズの影響を低減し、高精度なマルチIMUを実現するものである。
 本開示の一側面の駆動制御装置は、複数のIMU(Inertial Measurement Unit)の検出結果を合成して出力する合成部を備え、前記複数のIMUは、前記IMUのそれぞれの発振回路の発振信号の駆動周波数に応じて複数のクラスタに分類され、前記合成部は、前記複数のIMUの検出結果を、前記クラスタ毎に合成して出力する駆動制御装置である。
 本開示の一側面の駆動制御方法は、複数のIMU(Inertial Measurement Unit)の検出結果を合成して出力する合成部を備える駆動制御装置の駆動制御方法であって、前記複数のIMUは、前記IMUのそれぞれの発振回路の発振信号の駆動周波数に応じて複数のクラスタに分類され、前記合成部は、前記複数のIMUの検出結果を、前記クラスタ毎に合成して出力するステップを含む駆動制御方法である。
 本開示の一側面においては、複数のIMU(Inertial Measurement Unit)の検出結果が合成されて出力され、前記複数のIMUは、前記IMUのそれぞれの発振回路の発振信号の駆動周波数に応じて複数のクラスタに分類され、前記複数のIMUの検出結果が、前記クラスタ毎に合成されて出力される。
マルチIMUを説明する図である。 IMUの構造を説明する図である。 図2のIMUの読出回路の回路構成を説明する図である。 図2のIMUの動作を説明する図である。 マルチIMUの動作を説明する図である。 マルチIMUにより生じる干渉を説明する図である。 マルチIMUにより生じる干渉を説明する図である。 マルチIMUにより生じる干渉を説明する図である。 本開示のマルチIMUの第1の実施の形態を説明する図である。 図9のマルチIMUの構成例を説明する図である。 図10のマルチIMUによる角速度検出処理を説明するフローチャートである。 本開示のマルチIMUの第1の実施の形態の第1の変形例を説明する図である。 図12のマルチIMUの構成例を説明する図である。 図13のマルチIMUによる角速度検出処理を説明するフローチャートである。 本開示のマルチIMUの第1の実施の形態の第2の変形例を説明する図である。 図15のマルチIMUの構成例を説明する図である。 図16のマルチIMUによる角速度検出処理を説明するフローチャートである。 本開示のマルチIMUの第1の実施の形態の第3の変形例を説明する図である。 図18のマルチIMUの構成例を説明する図である。 本開示のマルチIMUの第1の実施の形態の第4の変形例を説明する図である。 本開示のマルチIMUの第1の実施の形態の第5の変形例を説明する図である。 本開示のマルチIMUの第1の実施の形態の第6の変形例を説明する図である。 本開示のマルチIMUの第1の実施の形態の第7の変形例の構成例を説明する図である。 本開示のマルチIMUの第2の実施の形態を説明する図である。 図24のマルチIMUのIMUをクラスタリングするクラスタリング計測装置の構成例を説明する図である。 図25のマルチIMUのクラスタ毎のIMUの結線例と、クラスタ毎の角速度を合成する合成演算部の構成例を説明する図である。 図25のマルチIMUのクラスタ毎の他の結線の例を説明する図である。 クラスタリング計測装置によるクラスタリング処理を説明するフローチャートである。 図26のマルチIMUによる角速度検出処理を説明するフローチャートである。 本開示のマルチIMUの第2の実施の形態の第1の変形例であるクラスタリング処理の第1の変形例を説明するフローチャートである。 本開示のマルチIMUの第2の実施の形態の第2の変形例であるクラスタリング処理の第2の変形例を説明するフローチャートである。 本開示のマルチIMUの第2の実施の形態の第3の変形例であるクラスタリング処理の第3の変形例を説明するフローチャートである。 本開示のマルチIMUの第2の実施の形態の第4の変形例を説明する図である。 図33のマルチIMUによる角速度検出処理を説明するフローチャートである。 ホワイトノイズ、フリッカノイズ、ランダムウォークノイズのそれぞれの時間領域の変化を説明する図である。 ホワイトノイズ、フリッカノイズ、ランダムウォークノイズのそれぞれの周波数領域の変化を説明する図である。 ホワイトノイズ、フリッカノイズ、ランダムウォークノイズのそれぞれのアラン分散の変化を説明する図である。 本開示のマルチIMUの第3の実施の形態の構成例を説明する図である。 図38のマルチIMUによる角速度検出処理を説明するフローチャートである。 図38のマルチIMUによるフリッカノイズに対するアラン分散の効果を説明する図である。 本開示のマルチIMUの第3の実施の形態の第1の変形例を説明する図である。
 以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
 以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
 1.本開示の概要
 2.第1の実施の形態
 3.第1の実施の形態の第1の変形例
 4.第1の実施の形態の第2の変形例
 5.第1の実施の形態の第3の変形例
 6.第1の実施の形態の第4の変形例
 7.第1の実施の形態の第5の変形例
 8.第1の実施の形態の第6の変形例
 9.第1の実施の形態の第7の変形例
 10.第2の実施の形態
 11.第2の実施の形態の第1の変形例
 12.第2の実施の形態の第2の変形例
 13.第2の実施の形態の第3の変形例
 14.第2の実施の形態の第4の変形例
 15.第3の実施の形態
 16.第3の実施の形態の第1の変形例
 <<1.本開示の概要>>
 <マルチIMUについて>
 本開示は、特に、マルチIMU(Inertial Measurement Unit慣性計測装置)を構成する個々のIMU間の干渉に起因するうなりノイズの影響を低減し、高精度なマルチIMUを実現するものである。
 まず、本開示の概要を説明するにあたって、マルチIMUについて説明する。
 図1の左部で示されるように、単体のIMU1は、例えば、XYZ軸からなる3軸方向のそれぞれについて並進運動である加速度を検出する加速度センサと、回転運動である角速度を検出するジャイロセンサを備えた構成とされており、3軸方向のそれぞれの加速度と角速度とを検出する。
 単体のIMU1は、高精度なものも存在するが、一般的に高精度なものほど大きく、高価なものであり、高精度にしようとすると大型化すると共に、コストが増大してしまう。
 そこで、図1の右部で示されるように、低精度であるが、安価なIMU1を、IMU1-1乃至1-nのように、例えば、複数に(例えば、n個)設けるようにして、合成器2が、IMU1-1乃至1-nのそれぞれの検出結果である加速度および角速度を合成することで、検出精度の向上を図り、高精度化するようにしたものがマルチIMU10である。
 図1の右部で示されるマルチIMU10を構成する個々の低精度で安価なIMU1-1乃至1-nに係る装置サイズと装置コストは、図1の左部で示されるような高精度なIMU1を単体で用意する場合の装置サイズおよび装置コストに対して十分に小型化が可能であり、また、低コスト化を実現することが可能である。
 尚、以降において、IMU1-1乃至1-nについて、特に区別する必要がない場合については、単に、IMU1と称するものとし、その他の構成についても同様に称する。また、本明細書においては、以降において、IMU1は、小型で、安価なものからなり、比較的精度が低いIMUであるものとするが、大型で、かつ、高価な、高精度のIMUであってもよい。
 <IMUの構造>
 次に、図2を参照して、IMU1の構造について説明する。
 マルチIMU10を構成する個々のIMU1は、図2の右部で示されるように、図中上からシリコンからなる振動子11、振動子11を固定するベース12、および、振動子11の振動を読み取り、角速度を出力する読出回路13から構成され、それらが、図2の右部で示される順序で貼り合わされて(ボンディングされて)、図2の左部で示されるように樹脂モールドにより一体化されたものである。
 <読出回路の回路構成>
 次に、図3を参照して、IMU1に読出回路13の回路構成について説明する。
 尚、図3においては、IMU1を構成する読出回路のうち、角速度を検出する構成について説明するものとする。IMU1において加速度を検出する構成については、角速度を検出する構成から検波回路を除いた構成となるため、より複雑な角速度を検出する構成について特化して説明するものとする。
 読出回路13は、ドライブ回路ブロック31、センス回路ブロック32、およびデジタル出力回路ブロック33より構成される。
 ドライブ回路ブロック31は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)から構成される振動子11とセンス回路ブロック32に対して所定の駆動周波数からなる発振信号を供給し、振動子11を発振信号に基づいて振動させる。
 センス回路ブロック32は、発振信号に基づいて振動する振動子11に対して作用するコリオリ力に応じて生じる振動をアナログ信号として検出し、デジタル出力回路ブロック33に出力する。
 デジタル出力回路ブロック33は、センス回路ブロック32より供給される、振動子11に対して作用するコリオリ力に応じて生じる振動をアナログ信号からデジタル信号に変換し、角速度として出力する。
 より詳細には、ドライブ回路ブロック31は、発振回路51、および自動利得調整回路52を備えている。
 発振回路51は、RCから構成されており、振動子11より供給される振動を基準信号として発振信号を発生し、自動利得調整回路52、およびセンス回路ブロック32の移相回路72に出力する。
 自動利得調整回路52は、発振回路51より供給される駆動周波数からなる発振信号の利得を調整して、振動子11に供給し、振動子11を振動させる。
 センス回路ブロック32は、チャージアンプ回路71、移相回路72、同期検波回路73、およびLPF74を備えている。
 チャージアンプ回路71は、振動子11の振動を振動信号として検出し、増幅して移相回路72に供給する。
 移相回路72は、発振回路51より供給される発振信号に基づいて、チャージアンプ回路71により検出された振動子11の振動信号の位相を調整して同期検波回路73に出力する。
 同期検波回路73は、位相が調整された振動子11の振動信号より、包絡線で表現される振動子11に作用するコリオリ力を示す波形を検波してLPF74に出力する。
 LPF74は、振動子11に作用するコリオリ力を示す波形を平滑化して、アナログ信号からなる角速度の情報としてデジタル出力回路ブロック33に出力する。
 デジタル出力回路ブロック33は、AD変換回路91、デシメーションフィルタ92、およびデジタル出力回路93を備えている。
 AD変換回路91は、アナログ信号からなる振動子11に作用するコリオリ力からなる角速度の情報をデジタル信号に変換してデシメーションフィルタ92に出力する。
 デシメーションフィルタ92は、デジタル信号からなる角速度の情報を平均化してデジタル出力回路93に出力する。
 デジタル出力回路93は、デジタル化され、平均化された角速度の情報をデジタル信号として出力する。
 <IMUの動作について>
 次に、図4を参照して、IMU1の動作について説明する。
 図4の左上部で示されるように、振動子11は、発振回路51により発振されて、自動利得調整回路52により利得が調整された駆動周波数fbの発振信号からなる基準信号に基づいて振動する。
 このとき、振動子11にコリオリ力が作用すると、コリオリ力による振幅変調が掛けられることにより、例えば、チャージアンプ回路71より出力される波形は、駆動周波数fbに対して、波形fbcで示されるような、コリオリ力に応じた振幅の変調が生じる。
 同期検波回路73は、コリオリ力による振幅変調を、波形fbcの包絡線からコリオリ力、すなわち、角速度を示すアナログ信号の波形として検波してLPF74に出力する。
 このようにしてコリオリ力として抽出されたアナログ信号の波形が、デジタル出力回路ブロック33によりデジタル信号に変換されて、デジタル化された角速度値として出力される。
 マルチIMUは、上述したIMU1を、例えば、図5で示されるように、n個集めて集積し、IMU1-1乃至1-nのそれぞれにより検出される角速度を、合成器2により合成することで高精度化させて出力する。
 <複数のIMUにより生じる干渉>
 マルチIMU10は、具体的には、例えば、図6で示されるような構成とされる。
 すなわち、図6のマルチIMU10においては、プリント基板110上にIMU1-1乃至IMU1-4が設けられた構成とされている。
 このような構成により、図6のマルチIMU10においては、IMU1-1乃至IMU1-4のそれぞれにより検出される角速度が、合成されることにより、検出精度が向上されて出力される。
 ところで、IMU1は、製造上の個体差により駆動周波数が、例えば、3%程度のばらつきをもって製造されることが知られている。
 このため、IMU1が、例えば、駆動周波数を20.000kHzとするように設計されるような場合、図6のIMU1-1乃至IMU1-4で示されるように、IMU1-1の駆動周波数が20.000kHzで駆動し、IMU1-2の駆動周波数が20.010kHzで駆動し、IMU1-3の駆動周波数が19.900kHzで駆動し、IMU1-1の駆動周波数が20.020kHzで駆動するような構成となることがある。
 このような場合、IMU1-1乃至IMU1-4のそれぞれの駆動周波数の周波数差が小さいことから、相互に振動子11の振動に干渉が生じてしまう。
 より詳細には、図7で示されるように、例えば、所定のIMU1における自動利得調整回路52を介して出力される駆動周波数fbの発振信号からなる基準信号は、付近に存在する他のIMU1の駆動周波数fb’(≠fb)からなる基準信号が外乱(音響振動)となり、干渉が生じて、実際に振動子11に供給される基準信号には、振幅変調が生じて、周波数差に応じたうなりを含む振幅変調信号feとして振動子11に供給されることになる。
 これにより、駆動周波数fbからなる基準信号が振動子11に供給されていれば、角速度として、図7の波形fcが検出される場合、外乱により振動子11に供給される基準信号が振幅変調信号feに変化すると、本来、角速度として検出される波形fcに対して、図中において太線で示される、振幅変調信号として角速度が検出されることになるので、角速度に誤差が生じる。
 同様に、うなりは、IMU1-1乃至IMU1-4のそれぞれの相互に周波数差に応じた周波数の振動として発生する。
 すなわち、うなりは、図8で示されるように、IMU1-1とIMU1-2とのうなり周波数は、双方の駆動周波数差の10Hzとなり、IMU1-1とIMU1-3とのうなり周波数は、双方の駆動周波数差の100Hzとなり、IMU1-1とIMU1-3とのうなり周波数は、双方の駆動周波数差の20Hzとなる。
 また、IMU1-2とIMU1-3とのうなり周波数は、双方の駆動周波数差の110Hzとなり、IMU1-2とIMU1-4とのうなり周波数は、双方の駆動周波数差の10Hzとなり、IMU1-3とIMU1-4とのうなり周波数は、双方の駆動周波数差の120Hzとなる。
 これにより、IMU1-1乃至IMU1-4は、それぞれが相互の基準信号で生じる干渉により、うねり周波数の誤差振動が重畳されることにより、IMU1-1乃至IMU1-4においては誤差を含む角速度が検出されることになるので、これらを合成しても、適切な角速度を求めることができない恐れがあった。
 <<2.第1の実施の形態>>
 <本開示のマルチIMUの動作原理>
 そこで、本開示のマルチIMUにおいては、マルチIMUを構成する複数のIMUのいずれかの駆動周波数の発振信号を基準信号に設定し、その他のIMUを基準信号で駆動させるようにすることで、全てのIMUを同一の駆動周波数で同期して駆動させることにより、相互の振動により生じる干渉によるうなりの発生を抑制する。
 すなわち、図9で示される本開示のマルチIMU200においては、プリント基板210上にIMU201-1乃至201-4が配置される。
 ここで、図9のマルチIMU200における、プリント基板210、およびIMU201-1乃至201-4は、それぞれ図6におけるIMU10における、プリント基板110、およびIMU1-1乃至1-4に対応する構成である。また、プリント基板210上に配置されるIMU201の数は、図9で示されるようにIMU201-1乃至201-4の4個に限られず、その他の数であってもよい。
 図9のマルチIMU200においては、IMU201-1乃至201-4のうち、IMU201-1が、自らを駆動する発振信号を基準信号fmとして、残りのIMU201-2乃至201-4に供給し、IMU201-2乃至201-4が、IMU201-1より供給された基準信号fmに基づいて駆動する。
 尚、以降において、IMU201-1乃至201-4のうち、自らの発振信号を基準信号fmとして、残りのIMU201に供給するIMU201を同期マスタ装置とも称し、同期マスタ装置に設定されたIMU201より供給される基準信号fmで駆動するIMU201を同期スレーブ装置とも称する。
 すなわち、図9の場合、IMU201-1が同期マスタ装置であり、それ以外のIMU201-2乃至201-4が、同期スレーブ装置となる。
 この場合、同期マスタ装置であるIMU201-1より供給される発振信号の駆動周波数が、基準駆動周波数となり、基準動作周波数の発振信号からなる基準信号fmが、同期マスタ装置であるIMU201-1から、同期スレーブ装置であるIMU201-2乃至201-4に供給される。そして、同期スレーブ装置として機能するIMU201-2乃至201-4が、基準信号fmである、基準駆動周波数の発振信号により駆動する。
 これにより、図9の場合、同期マスタ装置であるIMU201-1の駆動周波数(=20.000MHz)の発振信号が、基準駆動周波数の発振信号とされ、基準駆動周波数の発振信号からなる基準信号fmが、同期スレーブ装置とされるIMU201-2乃至201-4に供給され、IMU201-1乃至201-4の全てが、同一の基準信号fmにより駆動する。
 尚、図9のマルチIMU200においては、IMU201-1より出力される基準信号fmが、IMU201-2およびIMU201-3に供給され、さらに、IMU201-2およびIMU201-3を介して、IMU201-1より供給された基準信号fmがIMU201-4に供給されている。
 また、同期マスタ装置となるIMU201は、IMU201-1乃至201-4のいずれであってもよい。さらに、基準信号fmは、同期マスタ装置となるIMU201から同期スレーブ装置となるIMU201に対して直接供給されてもよいし、他の同期スレーブ装置となるIMU201を経由して供給されてもよい。
 これにより、IMU201-1乃至201-4は、同一の駆動周波数で、同期して駆動することにより、相互間の干渉に起因するうねりの発生を抑制することができるので、IMU201-1乃至201-4のそれぞれで検出される角速度の誤差の発生を抑制することが可能となり、それぞれが高精度に角速度を検出することが可能となる。
 また、IMU201-1乃至201-4のそれぞれにおいて、高精度に角速度を求めることが可能になるので、それぞれが合成されることにより、マルチIMU200として、より高精度な角速度の測定が可能となる。
 <本開示のマルチIMUの構成例>
 次に、図10を参照して、本開示のマルチIMUの構成例について説明する。
 尚、図10のマルチIMU200の構成例は、図9のマルチIMU200を構成するIMU201-1乃至201-4のうち、同期マスタ装置として機能するIMU201-1と、同期スレーブ装置として機能するIMU201-2との外観構成、および、読出回路の回路構成が示されている。
 尚、同期スレーブ装置として機能する、その他のIMU201となるIMU201-3,201-4については、基本的な構成は、同期スレーブ装置として機能するIMU201-2と同様であるので、その説明は適宜省略する。
 IMU201-1,201-2は、いずれも、同一のプリント基板210上に設けられ、それぞれ角速度を検出して、合成部202に出力する。合成部202は、IMU201-1乃至201-4のそれぞれにより検出される角速度を合成し、合成した角速度の情報を検出結果として出力する。
 IMU201-1は、図中の上からMEMSからなる振動子211-1、振動子211-1を固定するベース212-1、および、振動子211-1の振動を読み取り、角速度を出力する読出回路213-1から構成される。
 尚、振動子211-1は、図3の振動子11と基本的な機能は同一であるので、その説明は省略する。
 また、IMU201-2は、図中の上からMEMSからなる振動子211-2、振動子211-2を固定するベース212-2、および、振動子211-2の振動を読み取り、角速度を出力する読出回路213-2から構成される。
 読出回路213-1は、ドライブ回路ブロック231-1、センス回路ブロック232-1、およびデジタル出力回路ブロック233-1より構成される。
 尚、ドライブ回路ブロック231-1、センス回路ブロック232-1、およびデジタル出力回路ブロック233-1は、それぞれ図3のドライブ回路ブロック31、センス回路ブロック32、およびデジタル出力回路ブロック33と対応する構成である。
 ドライブ回路ブロック231-1は、発振回路251-1、および自動利得調整回路252-1を備えている。
 尚、発振回路251-1、および自動利得調整回路252-1は、それぞれ図3の発振回路51、および自動利得調整回路52と基本的な機能は同一であるので、その説明は省略する。
 ただし、IMU201-1は、同期マスタ装置として機能するため、自動利得調整回路252-1を介して、発振回路251-1より出力される発振信号を基準信号fmとして、同期スレーブ装置として機能するIMU201-2乃至201-4の発振回路251-2乃至251-4に出力する。
 センス回路ブロック232-1は、チャージアンプ回路271-1、移相回路272-1、同期検波回路273-1、およびLPF274-1を備えている。
 尚、チャージアンプ回路271-1、移相回路272-1、同期検波回路273-1、およびLPF274-1は、それぞれ図3のチャージアンプ回路71、移相回路72、同期検波回路73、およびLPF74と基本的な機能は同一であるので、その説明は省略する。
 デジタル出力回路ブロック233-1は、AD変換回路291-1、デシメーションフィルタ292-1、およびデジタル出力回路293-1を備えている。
 尚、AD変換回路291-1、デシメーションフィルタ292-1、およびデジタル出力回路293-1は、それぞれ図3のAD変換回路91、デシメーションフィルタ92、およびデジタル出力回路93と基本的に機能は同一であるので、その説明は適宜省略する。
 読出回路213-2は、ドライブ回路ブロック231-2、センス回路ブロック232-2、およびデジタル出力回路ブロック233-2より構成される。
 尚、ドライブ回路ブロック231-2、センス回路ブロック232-2、およびデジタル出力回路ブロック233-2は、それぞれ図3のドライブ回路ブロック31、センス回路ブロック32、およびデジタル出力回路ブロック33と対応する構成である。
 ドライブ回路ブロック231-2は、発振回路251-2、および自動利得調整回路252-2を備えている。
 尚、発振回路251-2、および自動利得調整回路252-2は、それぞれ図3の発振回路51、および自動利得調整回路52と基本的な機能は同一であるので、その説明は省略する。
 ただし、IMU201-2は、同期スレーブ装置として機能するため、発振回路251-2は、同期マスタ装置となるIMU201-1より供給される基準信号fmの入力を受け付けて、引き込み動作をすることにより、基準信号fmの駆動周波数である基準駆動周波数と同期して(PLL(Phase Locked Loop)ロックして)駆動する。これにより、同期スレーブ装置として機能するIMU201―2は、同期マスタ装置として機能するIMU201-1と同期して、同一の基準駆動周波数の発振信号で駆動する。
 センス回路ブロック232-2は、チャージアンプ回路271-2、移相回路272-2、同期検波回路273-2、およびLPF274-2を備えている。
 尚、チャージアンプ回路271-2、移相回路272-2、同期検波回路273-2、およびLPF274-2は、それぞれ図3のチャージアンプ回路71、移相回路72、同期検波回路73、およびLPF74と基本的な機能は同一であるので、その説明は省略する。
 デジタル出力回路ブロック233-2は、AD変換回路291-2、デシメーションフィルタ292-2、およびデジタル出力回路293-2を備えている。
 尚、AD変換回路291-2、デシメーションフィルタ292-2、およびデジタル出力回路293-2は、それぞれ図3のAD変換回路91、デシメーションフィルタ92、およびデジタル出力回路93と基本的に機能は同一であるので、その説明は適宜省略する。
 以上のような構成により、同期マスタ装置となるIMU201-1の発振回路251-1は、基準駆動周波数の発振信号からなる基準信号fmを、同期スレーブ装置となるIMU201-2乃至201-4に供給する。
 同期スレーブ装置となるIMU201-2乃至201-4のそれぞれの発振回路251-2乃至251-4は、基準駆動周波数の発振信号からなる基準信号fmにより駆動周波数がPLLロックされることで、マルチIMU200を構成する全てのIMU201-1乃至201-4が同期して、同一の駆動周波数からなる発振信号で駆動することが可能となる。結果として、複数のIMU201の駆動周波数が異なることで生じるうなりの発生を抑制し、角速度を高精度に検出することが可能となる。
 <図10のマルチIMUによる角速度検出処理>
 次に、図11のフローチャートを参照して、図10のマルチIMU200による角速度検出処理について説明する。
 ステップS11において、同期マスタ装置となるIMU201-1の発振回路251-1は、同期スレーブ装置となるIMU201-2乃至201-4に対して、自らの駆動周波数を基準駆動周波数とした発振信号を基準信号fmとして送信する。
 ステップS12において、全てのIMU201-2乃至201-4のそれぞれの発振回路251-2乃至251-4は、基準信号fmに基づいて、発振回路251-1の駆動周波数の発振信号にPLLロックする。
 ここまでの処理により、全てのIMU201-1乃至201-4は、基準信号fmで同期した状態で駆動することになるので、うなりの発生が抑制されることで、うなりに起因する誤差が低減され、IMU201-1乃至201-4のそれぞれが角速度を高精度に測定することが可能となる。
 ステップS13において、全てのIMU201-1乃至201-4は、角速度を検出し、合成部202に出力する。
 ステップS14において、合成部202は、IMU201-1乃至201-4のそれぞれより供給される角速度を合成して、合成結果となる角速度をマルチIMU200による検出結果として出力する。
 以上の処理により、マルチIMU200を構成する全てのIMU201-1乃至201-4が同一の駆動周波数の発振信号からなる基準信号fmに基づいて、同期して駆動することが可能となるので、うなりに起因する誤差の発生を抑制することが可能となり、角速度を高精度に検出することが可能となる。
 <<3.第1の実施の形態の第1の変形例>>
 以上においては、マルチIMU200を構成する複数のIMU201-1乃至201-4のうちのいずれかを同期マスタ装置に設定すると共に、他のIMU201を同期スレーブ装置に設定し、同期マスタ装置の駆動周波数を基準駆動周波数とし、同期マスタ装置となるIMU201から基準駆動周波数の発振信号からなる基準信号fmが供給されるようにして、全てのIMU201-1乃至201-4を同一の駆動周波数で駆動させることで、誤差の発生を抑制し、角速度を高精度に検出できるようにする例について説明してきた。
 しかしながら、マルチIMU200を構成するいずれかを無作為に同期マスタ装置に設定すると、基準駆動周波数が、同期スレーブ装置の駆動周波数と大きく異なるような場合、発振回路251において周波数を引き込めず、PLLロックが掛けられない可能性がある。
 このように、同期スレーブ装置となるIMU201が、基準信号fmの駆動周波数を引き込むことができず、PLLロックが掛けられない場合、同期スレーブ装置となるIMU201は、同期マスタ装置となるIMU201の駆動周波数と同期した動作ができない。
 そこで、マルチIMU200を構成する複数のIMU201-1乃至201-4の駆動周波数を測定し、中央値に近い駆動周波数のIMU201を同期マスタ装置に設定し、その他のIMU201を同期スレーブ装置に設定することで、基準信号fmの駆動周波数である基準駆動周波数への引き込みの精度を向上させるようにしてもよい。
 図12は、IMU200を構成する複数のIMU201-1乃至201-4の駆動周波数を測定し、中央値に近い駆動周波数のIMU201を同期マスタ装置に設定し、その他のIMU201を同期スレーブ装置に設定するようにしたマルチIMU200の構成例を示している。
 尚、図12のマルチIMU200の構成のうち、図9のマルチIMU200における構成と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は省略する。
 図12のマルチIMU200のうち、図9のマルチIMU200と異なる構成は、新たに切替回路301が設けられた点である。
 図13で示されるように、切替回路301は、図12のマルチIMU200を構成するIMU201-1乃至201-4のそれぞれの発振回路251-1乃至251-4の駆動周波数を検出して、中央値となる駆動周波数のIMU201を同期マスタ装置に設定し、その他のIMU201を同期スレーブ装置に設定する。
 そして、切替回路301は、同期マスタ装置に設定されたIMU201の発振回路251より供給される駆動周波数の発振信号を、基準駆動周波数の発振信号である基準信号fmとして、同期スレーブ装置に設定されたIMU201の発振回路251に供給する。
 これにより、同期スレーブ装置に設定されたIMU201は、同期マスタ装置に設定されたIMU201と同一の駆動周波数の発振信号からなる基準信号fmに基づいて、PLLロックされ、マルチIMU200を構成する全てのIMU201-1乃至201-4が、同一の駆動周波数の発振信号で同期して角速度を検出することが可能となる。
 結果として、IMU201間の干渉により生じるうなりに起因した角速度の検出に係る誤差を抑制することが可能となり、複数のIMU201により高精度で角速度を検出させることが可能となる。
 尚、図12においては、マルチIMU200を構成するIMU201-1乃至201-4のうち、IMU201-1の駆動周波数が、IMU201-1乃至201-4の駆動周波数の中央値に近い周波数であるため、同期マスタ装置に設定されており、IMU201-2乃至201-4が同期スレーブ装置に設定される場合の例が示されている。このため、図12においては、切替回路301が、同期マスタ装置であるIMU201-1の発振信号を基準信号fmとして取得して、同期スレーブ装置に設定されるIMU201-2乃至201-4を供給している様子が、矢印で模式的に表されている。
 また、図13においては、図12のマルチIMU200を構成するIMU201-1乃至201-4のそれぞれの読出回路213-1乃至213-4と、切替回路301とで構成される回路構成が示されている。
 尚、図13のIMU201-1乃至201-4の各構成については、図10における構成と基本的に同様であり、「-」以下の符号によりIMU201-1乃至201-4が識別される。
 すなわち、図13で示されるように、切替回路301は、発振回路251-1乃至251-4の出力と、それぞれへの基準信号の入力とが接続されている。
 切替回路301は、発振回路251-1乃至251-4のそれぞれより出力される発振信号をモニタして駆動周波数を求めて、中央値となる発振回路251を備えたIMU201を同期マスタ装置に設定し、それ以外のIMU201を同期スレーブ装置に設定する。
 そして、切替回路301は、同期マスタ装置に設定されたIMU201の発振回路251より出力される発振信号を基準信号fmとして、同期スレーブ装置に設定されたIMU201に供給する。
 同期スレーブ装置に設定されたIMU201の発振回路251は、供給された基準信号fmの駆動周波数にPLLロックすることで、同期マスタ装置に設定されたIMU201の発振回路251と同一の駆動周波数で駆動する。これにより、同期マスタ装置に設定されたIMUと同期スレーブ装置に設定されたIMU201とが同一の駆動周波数で駆動する。
 <図13のマルチIMUによる角速度検出処理>
 次に、図14のフローチャートを参照して、図13のマルチIMU200による角速度検出処理について説明する。
 ステップS31において、切替回路301は、IMU201-1乃至201-4の全ての発振回路251-1乃至251-4を駆動させて、発振信号の駆動周波数を検出する。
 ステップS32において、切替回路301は、検出したIMU201-1乃至201-4の全ての発振回路251-1乃至251-4の発振信号の駆動周波数のうち、中央値に近いIMU201を特定する。
 ステップS33において、切替回路301は、中央値に近いIMU201を同期マスタ装置に設定し、それ以外のIMU201を同期スレーブ装置に設定する。
 ステップS34において、切替回路301は、接続を切り替えて、同期マスタ装置に設定されたIMU201の発振回路251の発振信号を基準信号fmとして抽出し、同期スレーブ装置に設定されたIMU201の発振回路251に供給する。
 ステップS35において、全てのIMU201-1乃至201-4のそれぞれの発振回路251-1乃至251-4は、基準信号fmに基づいて、同期マスタ装置となるIMU201の発振回路251の駆動周波数の発振信号にPLLロックする。
 ここまでの処理により、全てのIMU201-1乃至201-4は、基準信号fmで同期した状態で駆動することにより、うなりの発生が抑制されて、誤差が低減されるので、それぞれが高精度に角速度を測定することが可能となる。
 ステップS36において、全てのIMU201-1乃至201-4は、角速度を検出し、合成部202に出力する。
 ステップS37において、合成部202は、IMU201-1乃至201-4のそれぞれより供給される角速度を合成して、合成結果となる角速度をマルチIMU200による検出結果として出力する。
 以上の処理により、マルチIMU200を構成する全てのIMU201-1乃至201-4が同一の駆動周波数の発振信号からなる基準信号fmに基づいて、同期して駆動することが可能となるので、うなりに起因する誤差の発生を抑制することが可能となり、高精度に角速度を検出することが可能となる。
 また、同期マスタ装置に設定されるIMU201の駆動周波数は、全てのIMU201の中央値に設定されることになるので、同期スレーブ装置に設定されたIMU201に供給される基準信号fmの駆動周波数との差分が最小となるので、基準駆動周波数への引き込みが容易になり、PLLロックが掛からず、同期できない状態になるのを抑制することが可能となる。
 <<4.第1の実施の形態の第2の変形例>>
 以上においては、マルチIMU200を構成する複数のIMU201-1乃至201-4の駆動周波数を測定し、中央値に近い駆動周波数のIMU201を同期マスタ装置に設定し、その他のIMU201を同期スレーブ装置に設定することで、基準信号fmの駆動周波数である基準駆動周波数への引き込みの精度を向上させるようにする例について説明してきた。
 しかしながら、マルチIMU200を構成する複数のIMU201-1乃至201-4の駆動周波数を同一にすればよいので、IMU201-1乃至201-4とは別個に基準信号fmを発生して、IMU201-1乃至201-4に供給する構成を設けるようにしてもよい。
 図15は、IMU200に基準信号fmを発生する基準発生部を設けて、IMU201-1乃至201-4に対して、基準信号fmが供給されるようにしたマルチIMU200の構成例を示している。
 尚、図15のマルチIMU200の構成のうち、図9のマルチIMU200における構成と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は省略する。
 図15のマルチIMU200のうち、図9のマルチIMU200と異なる構成は、新たに基準発生部321が設けられた点である。
 基準発生部321は、IMU201の製造に当たって、設計値となる駆動周波数を基準駆動周波数とする発振信号を基準信号fmとして発生し、IMU201-1乃至201-4に対して供給する。
 より詳細には、基準発生部321は、図16で示されるように、図15のマルチIMU200を構成するIMU201-1乃至201-4のそれぞれの発振回路251-1乃至251-4と接続されており、発生した基準信号fmを、それぞれのIMU201-1乃至201-4の発振回路251-1乃至251-4に供給する。
 これにより、IMU201-1乃至201-4は、基準発生部321より供給される基準信号fmに基づいて、PLLロックされ、マルチIMU200を構成する全てのIMU201-1乃至201-4が、基準信号fmで同期して角速度を検出することが可能となる。
 結果として、IMU201間の干渉により生じるうなりに起因した角速度の検出に係る誤差を抑制することが可能となり、複数のIMU201により高精度で角速度を検出させることが可能となる。
 尚、図15においては、実質的に基準発生部321が同期マスタ装置として機能し、IMU201-1乃至201-4が同期スレーブ装置として機能する構成とされ、基準発生部321が基準信号fmをIMU201-1乃至201-4の全てに供給することが矢印により模式的に表されている。
 また、図16においては、図15のマルチIMU200を構成するIMU201-1乃至201-4のそれぞれの読出回路213-1乃至213-4と、基準発生部321とで構成される回路構成が示されている。
 尚、IMU201-1乃至201-4の各構成については、図10における構成と基本的に同様であり、「-」以下の符号によりIMU201-1乃至201-4が識別される。
 <図16のマルチIMUによる角速度検出処理>
 次に、図17のフローチャートを参照して、図16のマルチIMU200による角速度検出処理について説明する。
 ステップS51において、基準発生部321は、自らを同期マスタ装置として設定し、全てのIMU201-1乃至201-4を同期スレーブ装置に設定する。
 ステップS52において、基準発生部321は、基準信号fmを同期スレーブ装置に設定されたIMU201-1乃至201-4の発振回路251-1乃至251-4のそれぞれに供給する。
 ステップS53において、全てのIMU201-1乃至201-4のそれぞれの発振回路251-1乃至251-4は、基準信号fmに基づいて、それぞれの発振回路251―1乃至251-4の駆動周波数を、基準信号fmの駆動周波数にPLLロックする。
 ステップS54において、全てのIMU201-1乃至201-4は、角速度を検出し、合成部202に出力する。
 ステップS55において、合成部202は、IMU201-1乃至201-4のそれぞれより供給される角速度を合成して、合成結果となる角速度をマルチIMU200による検出結果として出力する。
 以上の処理により、マルチIMU200を構成する全てのIMU201-1乃至201-4が同一の駆動周波数の発振信号からなる基準信号fmに基づいて、同期して駆動することが可能となるので、うなりに起因する誤差の発生を抑制することが可能となり、高精度に角速度を検出することが可能となる。
 <<5.第1の実施の形態の第3の変形例>>
 以上においては、マルチIMU200を構成するIMU201-1乃至201-4のそれぞれがプリント基板210上に構成される例について説明してきたが、IMU201-1乃至201-4の、振動子211-1乃至211-4を共通のシリコンからなるベース212上に形成するようにして、そのいずれかのIMU201を同期マスタ装置に設定し、その他のIMU204を同期スレーブ装置に設定するようにしてもよい。
 図18は、IMU201-1乃至201-4の、振動子211-1乃至211-4を共通のシリコンからなるベース212上に形成し、IMU201-1が同期マスタ装置に設定され、IMU201-2乃至201-4が同期スレーブ装置に設定される例を示している。
 より詳細には、図19で示されるように同期マスタ装置として設定されるIMU201-1の発振回路251-1より発生される駆動周波数の発振信号が、基準信号fmとして、同期スレーブ装置として設定されるIMU201-2の発振回路251-2に供給される。
 これにより、同期スレーブ装置として設定されるIMU201-2の発振回路251-2は、基準信号fmの駆動周波数に引き込まれることにより、同期マスタ装置として設定されるIMU201-1の発振回路251-1の駆動周波数と同期して駆動する。
 同期スレーブ装置として設定されるIMU201-3,201-4にも、基準信号fmが供給されることにより、IMU201-3,201-4の発振回路251-3、251-4についても、同期マスタ装置として設定されるIMU201-1の発振回路251-1の駆動周波数と同期して駆動する。
 結果として、IMU201-1乃至201-4の全てが基準信号fmにより同期して駆動することになるので、うなりの発生に起因する誤差の発生が抑制されて、高精度の角速度を検出することが可能となる上、さらに、同一のベース212上に振動子211-1乃至211-4が形成されるようになることで、装置構成の小型化とコストの低減を図ることが可能となる。
 尚、図18のマルチIMU200による角速度検出処理については、図11のフローチャートを参照して説明した処理と同様であるので、その説明は省略する。
 <<6.第1の実施の形態の第4の変形例>>
 以上においては、IMU201-1乃至201-4の、振動子211-1乃至211-4を共通のシリコンからなるベース212上に形成するようにし、そのいずれかを同期マスタ装置に設定し、その他を同期スレーブ装置に設定するようにしたマルチIMU200について説明してきたが、さらに、ベース上に、上述した切替回路301を設けるようにしてもよい。
 すなわち、図12のマルチIMU200においては、IMU201-1乃至201-4が形成されるプリント基板210上に切替回路301が設けられる例について説明してきたが、同一の機能を備えた構成である切替回路が、振動子211-1乃至211-4が形成されるベース212上に形成されるようにしてもよい。
 図20は、振動子211-1乃至211-4が形成されるベース212上に、切替回路301と同一の機能を備えた構成である切替回路301’が形成されたマルチIMU200の構成例である。
 このような構成においても、図12のマルチIMU200と同様に高精度に角速度を検出することが可能になると共に、同一のベース212上に振動子211-1乃至211-4、および切替回路301’が形成されるようになることで、装置の小型化と、コストの低減を図ることが可能となる。
 <<7.第1の実施の形態の第5の変形例>>
 以上においては、IMU201-1乃至201-4の、振動子211-1乃至211-4を共通のシリコンからなるベース212上に形成するようにし、ベース212上に、さらに切替回路301’を設けるようにする例について説明してきた。
 しかしながら、図15のマルチIMU200のように、切替回路301に代えて、基準発生部321と同様の機能を備えた基準発生部が形成されるようにしてもよい。
 すなわち、図20のマルチIMU200においては、IMU201-1乃至201-4が形成されるプリント基板210上に切替回路301’が設けられる例について説明してきたが、切替回路301’に代えて、図15の基準発生部321と同一の機能を備えた基準発生部が、振動子211-1乃至211-4が形成されるベース212上に形成されてもよい。
 図21は、振動子211-1乃至211-4が形成されるベース212上に、基準発生部321と同一の機能を備えた構成である基準発生部321’が形成されたマルチIMU200の構成例を示している。
 このような構成においても、図15のマルチIMU200と同様に高精度に角速度を検出することが可能になると共に、同一のベース212上に振動子211-1乃至211-4、および基準発生部321が形成されるようになることで、装置構成の小型化とコストの低減を図ることが可能となる。
 <<8.第1の実施の形態の第6の変形例>>
 以上においては、マルチIMU200を構成するIMU201-1乃至201-4の発振回路251-1乃至251-4の駆動周波数を同期することで、うなりの発生を抑制して、検出される角速度の精度を向上させる例について説明してきた。
 しかしながら、駆動周波数を同期することができても、何からの外乱により同期が外れるなどして除去できないノイズも存在する。
 そこで、IMU201-1乃至201-4の発振回路251-1乃至251-4の駆動周波数を同期しても同期ずれなどにより除去できないノイズについては、IMU201-1乃至201-4の振動子211-1乃至211-4を、それぞれ物理的に独立したベース上に形成し、さらに、それぞれが配置される共通の接触部位に対して音響インシュレータを挟み込むようにすることで、ノイズを除去するようにしてもよい。
 図22は、IMU201-1乃至201-4の振動子211-1乃至211-4を、それぞれ独立したベース上に形成し、さらに、それぞれのベースが配置される共通の部位との接触位置に音響インシュレータを挟み込むようにして、音響的な干渉レベルを機械的に低減するマルチIMU200の構成例を示している。
 尚、図22のマルチIMU200において、図18のマルチIMU200と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略する。
 すなわち、図22のマルチIMU200において、図18のマルチIMU200と異なる点は、振動子211-1乃至211-4が、ベース212に代えて、ベース212’-1およびベース212’-2-1乃至212’-2-4、並びに、音響インシュレータ351-1乃至351-4が設けられた点である。
 図22のマルチIMU200においては、振動子211-1乃至211-4が、それぞれ物理的に独立したシリコンからなるベース212’-2-1乃至212’-2-4上に形成されている。
 さらに、それぞれが物理的に独立したベース212’-2-1乃至212’-2-4は、それぞれ音響インシュレータ351-1乃至351-4を挟んで、共通のベース212-1上に形成される。
 音響インシュレータ351-1乃至351-4は、振動を吸収する構成であり、振動子211-1乃至211-4に対して共通のベース212-2上に形成され、それぞれベース212’-2-1乃至212’-2-4を支持している。
 このような構成により、音響インシュレータ351-1乃至351-4が、振動子211-1乃至211-4およびベース212のそれぞれにおいて発生する振動を吸収することで、振動子211-1乃至211-4のそれぞれの振動がアイソレートされることになるので、相互の振動の伝達が抑制される。
 これにより、IMU201-1乃至201-4が駆動周波数を同期させても外乱などにより発生するノイズを低減させることが可能となり、結果として、より高精度に角速度を検出することが可能になる。
 <<9.第1の実施の形態の第7の変形例>>
 以上においては、IMU201-1乃至201-4の振動子211-1乃至211-4を、それぞれ独立したベース上に形成し、さらに、それぞれのベースが配置される共通の部位との接触位置に音響インシュレータを挟み込むようにすることで、IMU201-1乃至201-4の駆動周波数を同期しても除去できないノイズを除去する例について説明してきた。
 しかしながら、IMU201-1乃至201-4の駆動周波数を同期しても除去できないノイズについては、うなりを直接検出し、検出したうなりの逆相信号を発生することで除去するようにしてもよい。
 図23は、発振回路251より出力される発振信号よりうなりを検出して、検出したうなりの逆相信号を発生させて、うなりを除去するようにしたIMU201の構成例である。
 すなわち、図23のIMU201において、図10のIMU201と異なる構成は、うなり検出回路371、および合成部372が設けられている点である。
 うなり検出回路371は、発振回路251が出力する発振信号よりうなり信号fgを検出すると共に、うなり信号の逆相信号fg-1を生成して、合成部372に供給する。
 合成部372は、移相回路272より出力される信号に、うなり信号の逆相信号fg-1を合成することで、移相回路272より出力される信号からうなり成分を除去して、同期検波回路273に出力する。
 これにより、IMU201-1乃至201-4が駆動周波数を同期させても発生するノイズを低減させることが可能となり、結果として、より高精度に角速度を検出することが可能になる。
 <<10.第2の実施の形態>>
 以上においては、IMU201-1乃至201-4が駆動周波数を同期させることにより、うなりの発生を抑制して、高精度に角速度を検出できるようにする例について説明してきた。
 しかしながら、IMU201の駆動周波数が、同期スレーブ装置の駆動周波数と大きく異なるような場合、発振回路251における引き込めず、PLLロックが掛けられない可能性がある。
 そこで、複数のIMU201の駆動周波数を測定し、上述したように駆動周波数を同期させることが可能なIMU201のクラスタを形成し、クラスタ単位で、駆動周波数を同期させて角速度を検出し、クラスタ単位で求められた角速度を時分割で取得して、合成することにより、角速度の検出精度を向上させるようにしてもよい。
 すなわち、図24で示されるように、IMU201-1,201-3を駆動する発振信号の駆動周波数が、20.000kHzであり、IMU201-2,201-4を駆動する発振信号の駆動周波数が、20.100kHzであるような場合について考える。
 このような場合、IMU201-1乃至201-4のそれぞれを駆動する発振信号の駆動周波数に基づいて、IMU201-1,201-3の駆動周波数は、相互に同一であるので、図24で示されるように、クラスタ411-1として形成されるようにし、さらに、IMU201-2,201-4の駆動周波数が相互に同一であるので、別のクラスタ411-2として形成されるようにクラスタリングする。
 また、図24のマルチIMU200においては、クラスタ411-1,411-2単位で、それぞれに同期マスタ装置と同期スレーブ装置が設定されるようにすることにより、クラスタ単位でIMU201の駆動周波数が同期されるようにして、角速度が検出されるようにする。
 そして、クラスタ単位で検出される角速度が、時分割で取得されて、合成演算されるようにすることで、より高精度に角速度を検出することが可能となる。
 <IMUのクラスタリング>
 次に、図25を参照して、マルチIMU200に設けられた複数のIMU201をクラスタリングについて説明する。
 マルチIMU200に設けられた複数のIMU201のクラスタリングは、マルチIMU200の製造の工程の一部においてなされる。
 より具体的には、図25におけるクラスタリング計測装置451、および結線部452によりクラスタリングがなされる。
 クラスタリング計測装置451は、マルチIMU200の製造工程において使用されるものであり、マルチIMU200とは別体の構成である。クラスタリング計測装置451は、マルチIMU200に設けられた複数のIMU201のそれぞれの発振回路251より出力される駆動周波数を計測し、計測した駆動周波数が類似しており、同一の駆動周波数で駆動可能なIMU201を同一のクラスタにし、各IMU201がどのクラスタに属するのかを示す情報を結線部452に出力する。
 より詳細には、クラスタリング計測装置451は、基準周波数生成部461、周波数計測部462、およびクラスタリング計算部463を備えている。
 基準周波数生成部461は、複数のIMU201の駆動周波数の計測に当たって、基準となる周波数を発生して周波数計測部462に出力する。
 周波数計測部462は、基準周波数生成部461より供給される基準周波数に基づいて、各IMU201の発振回路251より出力される発振信号の駆動周波数を計測し(発振モニタ出力をモニタし)、クラスタリング計算部463に出力する。
 クラスタリング計算部463は、各IMU201の発振回路251より出力される発振信号の駆動周波数に基づいて、駆動周波数が類似したIMU201同士を同一のクラスタにクラスタリングすると共に、各IMU201がどのクラスタに属するのかを示す情報を結線部452に出力する。
 結線部452は、クラスタリング計測装置451より供給される各IMU201がどのクラスタに属するのかを示す情報に基づいて、同一のクラスタに属するIMU201のいずれかを同期マスタ装置に設定すると共に、その他のIMU201を同期スレーブ装置に設定し、同期マスタ装置に設定されたIMU201の自動利得調整回路252の出力を、同期スレーブ装置に設定されたIMU201の発振回路251に接続するように結線を形成する。
 <クラスタ毎に検出された角速度の合成>
 次に、図26を参照して、クラスタリングされたIMU201のクラスタ毎に検出される角速度の合成について説明する。
 クラスタリングされたIMU201のクラスタ毎に検出される角速度の合成は、クラスタ単位で、時分割に検出された角速度が、合成演算部471により合成されることにより実現される。
 合成演算部471は、マルチIMU200とは別体に構成されるものであるが、マルチIMU200と一体化した構成としてもよい。
 合成演算部471は、リサンプラ481、干渉除去部482、および合成部483を備えている。
 リサンプラ481は、クラスタリング計測装置451によりクラスタリングされたクラスタ毎に異なるデータのサンプリング周波数を、例えば、0次ホールド、1次補間など任意のリサンプリング手法を用いて揃えて、干渉除去部482に出力する。
 すなわち、IMU201のクラスタは、駆動周波数に基づいて設定されることになるので、クラスタ単位で検出される角速度は、サンプリング周波数が異なる。そこで、リサンプラ481は、各クラスタ単位で供給される角速度のサンプリング周波数を揃える。
 干渉除去部482は、例えば、フィルタ処理により、クラスタ間の干渉成分を除去し、合成部483に出力する。尚、干渉除去部482の処理は、クラスタ間の駆動周波数が離れている場合は干渉が生じることがないので省略するようにしてもよい。
 合成部483は、それぞれのIMU201が検出した検出値である角速度を合成し、1つの検出値にして出力する。合成部483は、IMU201が検出した検出値である角速度の、単純な平均値、重み付き平均値、または、雑音状況に応じた動的重み付け平均値として1つの検出値に合成する。
 尚、リサンプラ481の前段にクラスタ単位の合成部を設けるようにしてもよく、リサンプラ481および干渉除去部482の処理は、クラスタ単位で1つの検出値とされた角速度になされるようにしてもよい。
 <結線の例>
 次に、結線部452によりなされるIMU201のクラスタ単位での結線例について説明する。例えば、図24で示されるように、IMU201-1,201-3をクラスタ411-1に設定し、IMU201-2,201-4をクラスタ411-2に設定する場合について考える。
 このような場合、結線部452は、各クラスタ内のIMU201のいずれかを同期マスタ装置に設定し、その他のIMU201を同期スレーブ装置に設定する。いずれのIMU201を同期マスタ装置にするかについては、クラスタ内において、同期周波数が中央値であるものを選択するようにしてもよい。
 図25の例においては、クラスタ411-1については、IMU201-1が同期マスタ装置に設定され、IMU201-3が同期スレーブ装置に設定されている。
 これにより、結線部452は、図26の一点鎖線で示されるように、IMU201-1の自動利得調整回路252-1の出力と、IMU201-3の発振回路251-3とを接続するように結線する。
 また、図26においては、クラスタ411-2については、IMU201-2が同期マスタ装置に設定されており、IMU201-4が同期スレーブ装置に設定されている。
 これにより、結線部452は、図26の一点鎖線で示されるように、IMU201-2の自動利得調整回路252-2の出力と、IMU201-4の発振回路251-4とを接続するように結線する。
 尚、図24で示されるように、IMU201-1,201-3からなるクラスタ411-1と、IMU201-2,201-4からなるクラスタ411-2とにクラスタリングされる以外のクラスタにクラスタリングされるようにしてもよい。
 例えば、IMU201-2からなるクラスタ411-11と、IMU201-1,201-3,201-4からなるクラスタ411-12とにクラスタリングされるようにしてもよい。
 このようにクラスタリングされる場合、IMU201-1乃至201-4は、結線部452により図27で示されるように結線される。
 すなわち、図27においては、クラスタ411-11については、IMU201-2のみが単体で構成されるため、新たな結線がない。
 また、クラスタ411-12については、IMU201-1を同期マスタ装置に設定し、IMU201-3,201-4を同期スレーブ装置に設定するとき、図27の一点鎖線で示されるように、IMU201-1の自動利得調整回路252-1の出力と、IMU201-3,201-4の発振回路251-3,251-4とが接続される。
 さらに、以上においては、クラスタが2個である場合の例について説明してきたが、クラスタの数は、2以上の数であってもよい。また、各クラスタの属するIMU201の数は、いくつでもよい。
 <クラスタリング処理>
 次に、図28のフローチャートを参照して、クラスタリング計測装置451によるクラスタリング処理について説明する。
 ステップS101において、周波数計測部462は、基準周波数生成部461より供給される基準周波数に基づいて、全てのIMU201の駆動周波数を計測し、計測結果をクラスタリング計算部463に出力する。
 ステップS102において、クラスタリング計算部463は、最も低い駆動周波数のIMU201を選択する。
 ステップS103において、クラスタリング計算部463は、選択したIMU201の駆動周波数から、所定幅Bだけ高い閾値周波数内のIMUを同一のクラスタに設定する。
 ステップS104において、未処理のクラスタリングされていないIMU201があるか否かを判定する。
 ステップS104において、未処理のクラスタリングされていないIMU201がある場合、処理は、ステップS105に進む。
 ステップS105において、クラスタリング計算部463は、閾値周波数よりも高い周波数の未処理のIMU201を選択し、処理は、ステップS102に戻る。
 すなわち、全てのIMU201がクラスタリングされるまで、クラスタリングされていないIMU201のうち最も低い駆動周波数から所定幅Bだけ高い閾値周波数までのIMU201が同一のクラスタにクラスタリングされる処理が繰り返される。すなわち、最も低い駆動周波数から所定幅Bで設定されるバンド幅内の駆動周波数のIMU201が同一のクラスにクラスタリングされる。
 そして、ステップS105において、未処理のIMU201が存在しないとみなされた場合、処理は、ステップS106に進む。
 ステップS106において、クラスタリング計算部463は、どのIMU201がどのクラスタの属しているのかを示す情報を結線部452に出力する。これに応じて、結線部452は、クラスタ単位で、IMU201を結線する。
 以上の処理により、複数のIMU201が駆動周波数に基づいてクラスタリングされ、クラスタ毎にIMU201が結線される。
 尚、以上においては、未処理のIMU201のうち、最も低い駆動周波数に対して、所定幅Bだけ高い閾値周波数までのIMU201が同一クラスタに設定される処理が繰り返される例について説明してきたが、未処理のIMU201のうち、最も高い駆動周波数に対して、所定幅Bだけ低い閾値周波数までのIMU201が同一クラスタに設定される処理が繰り返されるようにしてもよい。
 また、以上においては、クラスタ毎にIMU201が結線部452により結線される例について説明してきたが、例えば、図12の切替回路301を用いて、クラスタリングされたクラスタ毎に、結線された状態と同様に配線が切り替えられるようにしてもよい。
 <図26または図27のマルチIMUと合成演算部による角速度検出処理>
 次に、図29のフローチャートを参照して、図26または図27のマルチIMU200と合成演算部471による角速度検出処理について説明する。
 ステップS191において、全てのIMU201は、クラスタ単位で、それぞれのクラスタにおける駆動周波数の発振信号により角速度を計測して、合成演算部471に供給する。
 ステップS192において、リサンプラ481は、クラスタ単位で、時分割に各IMU201より供給されてくる角速度を取得して、クラスタ単位のサンプリング周波数を揃えて、干渉除去部482に出力する。
 ステップS193において、干渉除去部482は、リサンプラ481より供給される角速度の情報について、干渉による影響を除去して合成部483に出力する。
 ステップS194において、合成部483は、干渉除去部482より供給されてきたクラスタ単位の角速度の情報を合成し、1つの検出値として出力する。
 以上の処理により、駆動周波数が同期可能なIMU201からなるクラスタ毎に供給されてくる角速度の、サンプリング周波数が揃えられ、干渉が除去されて合成されることになるので、全体として駆動周波数が異なる複数のIMU201が用いられる場合であっても、高精度に角速度を検出することが可能となる。
 <<11.第2の実施の形態の第1の変形例>>
 <クラスタリング処理の第1の変形例>
 以上においては、クラスタリング処理において、未処理のIMU201のうち、最も低い駆動周波数から所定幅Bだけ高い閾値周波数までのIMU201が同一クラスタにクラスタリングされる処理が繰り返される例について説明してきたが、クラスタ数が多くなりすぎるとクラスタリングによる効果が低減してしまう。
 そこで、クラスタ数が規定値Nよりも多い時には、所定幅Bを大きくして、クラスタリングをやり直して、クラスタ数を規定値Nまでにしてクラスタリングするようにしてもよい。
 そこで、図30のフローチャートを参照して、クラスタ数が規定値Nよりも多い時には、所定値を大きくして、クラスタリングをやり直して、クラスタ数を低減させるようにしてクラスタリング処理について説明する。
 尚、図30のフローチャートにおけるステップS121乃至S125,S128の処理については、図28のステップS101乃至S106の処理と同様であるので、その説明は省略する。
 すなわち、ステップS121乃至S125の処理に全てのIMU201がクラスタリングされた後、ステップS126において、クラスタリング計算部463は、現在のクラスタ数が規定値Nよりも大きいか否かを判定する。
 ステップS126において、クラスタ数が規定値Nよりも大きい場合、処理は、ステップS127に進む。
 ステップS127において、クラスタリング計算部463は、クラスタリングをリセットして、所定幅Bを所定値だけ大きくし、処理は、ステップS122に戻る。
 すなわち、ステップS127において、クラスタ数が規定値Nよりも小さくなるまで、ステップS122乃至S127の処理が繰り返されて、クラスタリングのやり直しが繰り返される。
 そして、ステップS127において、クラスタ数が規定値Nよりも小さいと判定されると、処理は、ステップS128に進む。
 以上の処理により、複数のIMU201が駆動周波数に基づいて、規定値Nよりも小さなクラス数にクラスタリングされ、クラスタ毎にIMU201が結線される。
 結果として、規定値N内にクラスタリングすることが可能となる。
 <<12.第2の実施の形態の第2の変形例>>
 <クラスタリング処理の第2の変形例>
 以上においては、クラスタリング処理において、クラスタ数が規定値Nよりも大きい時には、各クラスタの周波数の幅となる所定幅Bを大きくして、クラスタ数が規定値Nよりも小さくなるまでクラスタリングをやり直す例について説明してきた。
 しかしながら、所定幅Bを変更する場合、駆動周波数が設計駆動周波数に対して大きく外れているIMU201が含まれることが考えられる。
 そこで、所定幅Bを変更した場合については、計測した駆動周波数が設計駆動周波数に対して大きく外れたIMU201については、振動子211をレーザトリミングなどによりトリミングすることにより駆動周波数を調整するようにしてもよい。
 そこで、図31のフローチャートを参照して、所定幅Bを大きくして、クラスタリングをやり直して、クラスタ数を低減させたときには、駆動周波数が設計駆動周波数に対して大きく外れているIMU201の振動子211をトリミングするようにしたクラスタリング処理について説明する。
 尚、図31のフローチャートにおけるステップS141乃至S147,S150の処理については、図28のステップS101乃至S106の処理と同様であるので、その説明は省略する。
 すなわち、ステップS141乃至S147の処理に全てのIMU201がクラスタリングされた後、ステップS148において、クラスタリング計算部463は、所定幅Bを大きくして変更したか否かを判定する。
 ステップS148において、所定幅Bを大きくして変更した場合、処理は、ステップS149に進む。
 ステップS149において、計測した駆動周波数が設計駆動周波数に対して所定よりも大きく外れたIMU201については、設計駆動周波数に対して適正な駆動周波数になるように振動子211をレーザトリミングなどによりトリミングして、処理は、ステップS150に進む。
 以上の処理により、複数のIMU201が駆動周波数に基づいて、規定値Nよりも小さなクラス数にクラスタリングされ、クラスタ毎にIMU201が結線され、さらに、計測した駆動周波数が設計駆動周波数に対して所定よりも大きく外れたIMU201の振動子211がトリミングされて、駆動周波数を調整することが可能となる。
 <<13.第2の実施の形態の第3の変形例>>
 <クラスタリング処理の第3の変形例>
 以上においては、IMU201のクラスタリングは、k平均法などのクラスタリング手法で行うようにしてもよい。
 そこで、図32のフローチャートを参照して、k平均法を用いたクラスタリング処理について説明する。
 ステップS171において、周波数計測部462は、基準周波数生成部461より供給される基準周波数に基づいて、全てのIMU201の駆動周波数を計測し、計測結果をクラスタリング計算部463に出力する。
 ステップS172において、クラスタリング計算部463は、全てのIMU201の駆動周波数に基づいて、k平均法により、駆動周波数が近いものをN個のクラスタに分類する。
 ステップS173において、クラスタリング計算部463は、どのIMU201がどのクラスタの属しているのかを示す情報を結線部452に出力する。これに応じて、結線部452は、クラスタ単位で、IMU201を結線する。
 以上の処理により、複数のIMU201が駆動周波数に基づいてクラスタリングされ、クラスタ毎にIMU201が結線される。
 <<14.第2の実施の形態の第4の変形例>>
 以上においては、各IMU201において、読出回路213において、ドライブ回路ブロック231、センス回路ブロック232、およびデジタル出力回路ブロック233が設けられる例について説明してきた。
 しかしながら、センス回路ブロック232、およびデジタル出力回路ブロック233については、同一のクラスタに分類されるIMU201により共用するようにしてもよい。
 図33は、センス回路ブロック232、およびデジタル出力回路ブロック233については、同一のクラスタに分類されるIMU201により共用するようにしたマルチIMU200の構成例を示している。
 すなわち、図33のマルチIMU200は、IMU201’-1乃至201’-4、読出回路213’-1,213’-2、および合成演算部471’を備えている。尚、合成演算部471’については、マルチIMU200の外部に設けられてもよい。
 そして、図33のマルチIMU200においては、IMU201’-1,201’-2が、第1のクラスタに分類され、IMU201’-3,201’-4が、第2のクラスタに分類されている。
 また、第1のクラスタにおいては、IMU201’-1が同期マスタ装置に設定され、IMU201’-2が同期スレーブ装置に設定されている。このため、IMU201’-1の自動利得調整回路242-1の出力が、基準信号fmとしてIMU201’-2の移相回路501-2を介して発振回路251-2に供給される。
 さらに、第2のクラスタにおいては、IMU201’-3が同期マスタ装置に設定され、IMU201’-4が同期スレーブ装置に設定されている。このため、IMU201’-3の自動利得調整回路242-3の出力が、基準信号fmとしてIMU201’-4の移相回路501-4を介して発振回路251-4に供給される。
 このような構成により、IMU201’-1,201’-2が、読出回路213’-1を時分割で共用し、IMU201’-3,201’-4が、読出回路213’-4を時分割で共用している。
 すなわち、読出回路213’-1は、第1相におけるタイミングで、IMU201’-1より供給される角速度を読み出し、第2相におけるタイミングで、IMU201’-2より供給される角速度を読み出して合成演算部471’に供給する。
 また、読出回路213’-2は、第1相におけるタイミングで、IMU201’-3より供給される角速度を読み出し、第2相におけるタイミングで、IMU201’-4より供給される角速度を読み出して合成演算部471’に供給する。
 合成演算部471’は、第1相のタイミングで供給されるIMU201’-1、201’-3の角速度を一時的に記憶して遅延させ、第2相のタイミングで供給されるIMU201’-2、201’-4の角速度と併せて取得し、まず、クラスタ内における角速度を合成して、その後、クラスタ毎の角速度をリサンプリングし、干渉を除去して、合成する。
 より詳細には、IMU201’-1乃至201’-4は、いずれも図10のマルチIMU200におけるIMU201の構成とは異なり、それぞれ振動子211-1乃至211-4、および読出回路213に設けられていたドライブ回路ブロック231に対応するドライブ回路ブロック231’-1乃至231’-4のみが設けられている。
 ドライブ回路ブロック231’-1乃至231’-4は、基本的にドライブ回路ブロック231-1乃至231-4と同様の構成を備えているが、新たに、移相回路501-1乃至501-4を備えている。
 また、IMU201’-1の発振回路251-1は、発振信号を自動利得調整回路252-1に加えて、発振モニタ出力として読出回路213’-1におけるスイッチ511-1の端子511a-1に出力する。
 さらに、IMU201’-1の振動子211-1は、振動信号を基準信号として移相回路501-1を介して発振回路251-1に出力すると共に、読出回路213’-1におけるスイッチ512-1の端子512a-1に出力する。
 また、IMU201’-2の発振回路251-2は、発振信号を自動利得調整回路252-2に加えて、発振モニタ出力として読出回路213’-1におけるスイッチ511-1の端子511b-1に出力する。
 さらに、IMU201’-2の振動子211-2は、振動信号を読出回路213’-1におけるスイッチ512-1の端子512b-1に出力する。
 また、IMU201’-3の発振回路251-3は、発振信号を自動利得調整回路252-3に加えて、発振モニタ出力として読出回路213’-2におけるスイッチ511-2の端子511a-2に出力する。
 さらに、IMU201’-3の振動子211-3は、振動信号を基準信号として移相回路501-3を介して発振回路251-3に出力すると共に、読出回路213’-2におけるスイッチ512-2の端子512a-2に出力する。
 また、IMU201’-4の発振回路251-4は、発振信号を自動利得調整回路252-4に加えて、発振モニタ出力として読出回路213’-2におけるスイッチ511-2の端子511b-2に出力する。
 さらに、IMU201’-4の振動子211-4は、振動信号を読出回路213’-2におけるスイッチ512-2の端子512b-2に出力する。
 また、読出回路213’-1は、図10における読出回路213に対応する構成であるが、それぞれドライブ回路ブロック231を除くセンス回路ブロック232-1およびデジタル出力回路ブロック233-1のみとされ、新たに、スイッチ511-1が設けられている。
 同様に、読出回路213’-2は、図10における読出回路213に対応する構成であるが、それぞれドライブ回路ブロック231を除くセンス回路ブロック232-2およびデジタル出力回路ブロック233-2のみとされ、新たに、スイッチ511-2が設けられている。
 このような構成により、読出回路213’-1は、IMU201’-1,201’-2により時分割処理により共用使用されるので、移相回路501-1,501-2、およびスイッチ511-1,512-1の動作により、第1相において、IMU201’-1からの発振信号を読み出し、第2相において、IMU201’-2からの発振信号を読み出す動作を繰り返す。
 すなわち、移相回路501-1,501-2により、第1相において、IMU201’-1より発振信号が、読出回路213’-1に出力され、第2相において、IMU201’-2より発振信号が、読出回路213’-1出力される。
 これにより、第1相において、スイッチ511-1が、端子511a-1に接続され、スイッチ512-1が、端子512a-1に接続される。このような動作により、第1相においては、IMU201’-1の発振信号が読出回路213’-1により読み出されて、デジタル信号からなる角速度として合成演算部471’に出力される。
 また、第2相において、スイッチ511-1が、端子511b-1に接続され、スイッチ512-1が、端子512b-1に接続される。このような動作により、第2相においては、IMU201’-2の発振信号が読出回路213’-1により読み出されて、デジタル信号からなる角速度として合成演算部471’に出力される。
 同様に、読出回路213’-2は、IMU201’-3,201’-4により時分割処理により共用使用されるので、移相回路501-3,501-4、およびスイッチ511-2,512-2の動作により、第1相において、IMU201’-3からの発振信号を読み出し、第2相において、IMU201’-4からの発振信号を読み出す動作を繰り返す。
 すなわち、移相回路501-3,501-4により、第1相において、IMU201’-3より発振信号が、読出回路213’-2に出力され、第2相において、IMU201’-4より発振信号が、読出回路213’-2出力される。
 これにより、第1相において、スイッチ511-2が、端子511a-2に接続され、スイッチ512-2が、端子512a-2に接続される。このような動作により、第1相においては、IMU201’-3の発振信号が読出回路213’-2により読み出されて、デジタル信号からなる角速度として合成演算部471’に出力される。
 また、第2相において、スイッチ511-2が、端子511b-2に接続され、スイッチ512-2が、端子512b-2に接続される。このような動作により、第2相においては、IMU201’-4の発振信号が読出回路213’-2により読み出されて、デジタル信号からなる角速度として合成演算部471’に出力される。
 合成演算部471’は、合成演算部471におけるリサンプラ481、干渉除去部482、および合成部483に加えて、遅延調整部531-1,531-2、およびクラスタ内合成部532-1,532-2が設けられている。
 遅延調整部531-1,531-2は、それぞれ読出回路213’-1,213’-2より第1層の角速度が供給されると、第2相の角速度が供給されるまで、一時的に記憶して遅延させ、第2相の角速度が供給されるタイミングでクラスタ内合成部532-1,532-2に出力する。
 クラスタ内合成部532-1は、第1クラスタを構成するIMU201’-1,201’-2により検出される発振信号に基づいて供給される角速度を合成してリサンプラ481に出力する。
 クラスタ内合成部532-2は、第2クラスタを構成するIMU201’-3,201’-4により検出される発振信号に基づいて供給される角速度を合成してリサンプラ481に出力する。
 このような構成により読出回路213’を構成するセンス回路ブロック232、およびデジタル出力回路ブロック233をクラスタ単位で共用することが可能となるので、回路構成を省略することが可能となり、コストを低減させることが可能となる。
 <図33のマルチIMUと合成演算部による角速度測定処理>
 次に、図34のフローチャートを参照して、図33のマルチIMU200と合成演算部471’による角速度測定処理について説明する。
 ステップS211において、同一クラスタ内における第1相のIMU201’による角速度が測定される。
 すなわち、図33において、第1クラスタについて考えると、スイッチ511-1,511-2が、それぞれ端子511a-1,512a-1に接続されて、移相回路501-1,501-2が調整されることにより、IMU201’-1の発振信号が読出回路213’の移相回路272-1に供給される。
 また、このとき、IMU201’-1の振動子211-1の発振信号がチャージアンプ回路271-1に供給される。
 この処理により、読出回路213’においては、IMU201’-1により検出される角速度が測定されて、合成演算部471’に出力される。
 ステップS212において、合成演算部471’の遅延調整部531は、供給されてきた第1相の角速度を一時的に記憶して、第2相の角速度が供給されるまで遅延させる。
 ステップS213において、同一クラスタ内における第2相のIMU201’による角速度が測定される。
 すなわち、図33において、第1クラスタについて考えると、スイッチ511-1,511-2が、それぞれ端子511b-1,512b-1に接続されて、移相回路501-1,501-2が調整されることにより、IMU201’-2の発振信号が読出回路213’の移相回路272-1に供給される。
 また、このとき、IMU201’-2の振動子211-2の発振信号がチャージアンプ回路271-1に供給される。
 この処理により、読出回路213’-1においては、IMU201’-2により検出される角速度が測定されて、合成演算部471’に出力される。
 ステップS214において、クラスタ内合成部532は、遅延調整部531より供給される第1層の角速度と、第2相の角速度とを取得し、クラスタ内の角速度を合成して、リサンプラ481に出力する。
 ステップS215において、リサンプラ481は、クラスタ単位の角速度を取得して、クラスタ単位のサンプリング周波数を揃えて、干渉除去部482に出力する。
 ステップS216において、干渉除去部482は、リサンプラ481より供給される角速度の情報について、干渉による影響を除去して合成部483に出力する。
 ステップS217において、合成部483は、干渉除去部482より供給されてきたクラスタ単位の角速度の情報を合成し、1つの検出値として出力する。
 以上の処理により、駆動周波数が同期可能なIMU201からなるクラスタ毎に供給されてくる角速度の、サンプリング周波数が揃えられ、干渉が除去されて合成されることになるので、駆動周波数が異なる複数のIMU201が用いられる場合であっても、高精度に角速度を検出することが可能となる。
 さらに、クラスタ毎に読出回路213’が共有されて使用されることになるので、マルチIMU200の装置構成における読出回路213’を集約することにより、装置構成を小型化することが可能になると共に、製造コストを低減させることが可能となる。
 <<15.第3の実施の形態>>
 以上においては、複数のIMU201,201’の駆動周波数を同期して同一にして角速度を測定したり、駆動周波数に応じてクラスタリングして、クラスタ毎に測定された角速度を合成することで、うなり等のノイズを除去する例について説明してきた。
 しかしながら、その他にも考慮すべきノイズがある。例えば、ホワイトノイズ、フリッカノイズ、およびランダムウォークノイズなどがある。
 図35は、ホワイトノイズ、フリッカノイズ、およびランダムウォークノイズの時系列の波形の一例を示したものである。
 尚、図35においては、図中上から順に波形Wwt,Wft,Wrtが、それぞれ時系列に計測される角速度におけるホワイトノイズ、フリッカノイズ、およびランダムウォークノイズの影響を示している。
 また、図36で示されるように、ホワイトノイズは、全周波数帯域において一定であるが、フリッカノイズ、およびランダムウォークノイズは、いずれも低周波成分が多いことが示されている。
 尚、図36においては、縦軸が強度であり、横軸が周波数であり、波形Wwfがホワイトノイズの波形であり、波形Wffがフリッカノイズの波形であり、波形Wrfが、ランダムウォークノイズの波形である。
 さらに、図37で示されるように、アラン分散によれば、バイアス安定点は、フリッカノイズが律則となり、ノイズフィルタなどを用いてもフリッカノイズの分散の下限値を下回ることがないことが示されている。
 尚、図37においては、アラン分散を示しており、横軸が時間窓の幅であり、縦軸が分散である。また、図37においては、波形WaがIMU201のアラン分散であり、波形Wwaがホワイトノイズのアラン分散であり、波形Wfaがフリッカノイズのアラン分散であり、波形Wraがランダムウォークノイズのアラン分散である。また、図37の波形においては、太線の矢印で示される左下部の領域に進むほど、ノイズに対して改善がなされていることを表している。
 すなわち、フリッカノイズを抑制することで、アラン分散を抑制することが可能となる。
 そこで、IMU201’により検出される角速度に含まれるフリッカノイズをキャンセルするような構成となるようにしてもよい。
 <フリッカノイズをキャンセルできるようにしたマルチIMUの構成例>
 図38は、フリッカノイズをキャンセルできるようにしたマルチIMU200の構成例である。
 尚、図38においては、マルチIMU200を構成する、同一のクラスタに分類されたIMU201’-1およびIMU201’-2により共用される読出回路213’’、並びに合成演算部471’’の構成が示されている。
 また、図38のマルチIMU200のうち、図33のマルチIMU200と同一の機能を備えた構成については、同一の符号を付しており、その説明は省略するものとする。
 すなわち、図38の構成において、図33の構成と異なる点は、読出回路213’、および合成演算部471’に代えて、読出回路213’’、および合成演算部471’’が設けられた点である。
 読出回路213’’において、読出回路213’と異なる点は、端子512bの前段に差動反転部551が設けられた点である。
 差動反転部551は、IMU201’-2より供給される第2相の発振信号を反転させて、端子512bに出力する。
 また、合成演算部471’’において、合成演算部471’と異なる点は、クラスタ内合成部532に代えて、クラスタ内合成部532’が設けられ、その前段に反転部571が設けられた点である。
 反転部571は、第2相の角速度の正負を反転してクラスタ内合成部532に出力する。
 以上のような構成により、IMU201’-2より出力される第2層の発振信号は、IMU201’-1より出力される第1層の発振信号を逆移相に変換された状態で角速度が計算される。
 これにより、例えば、第1相で求められる角速度xに対して、第2相で求められる角速度は、角速度-xにされる。
 フリッカノイズは、読出回路213において、nとして付加されると、第1層の角速度は、x+nとして求められ、第2相の角速度は、-x+nとして求められることになる。
 第1相の角速度x+nは、遅延調整部531により遅延されてクラスタ内合成部532’に供給され、第2相の角速度-x+nは、反転部571により正負が反転されることにより、角速度x-nとしてクラスタ内合成部532’に供給される。
 そこで、クラスタ内合成部532’は、第1相の角速度x+nと、第2相の角速度が反転された角速度x-nとが加算されて平均値として合成されることにより、フリッカノイズ成分nをキャンセルすることが可能となる。
 <図38のマルチIMUと合成演算部による角速度検出処理>
 次に、図39のフローチャートを参照して、図38のマルチIMU200と合成演算部471’’による角速度検出処理について説明する。
 ステップS231において、同一クラスタ内における第1相のIMU201’による角速度が測定される。
 ステップS232において、合成演算部471’’の遅延調整部531は、供給されてきた第1相の角速度を一時的に記憶して、第2相の角速度が供給されるまで遅延させる。
 ステップS233において、差動反転部551は、同一クラスタ内における第2相のIMU201’からの発振信号を差動反転させて出力する。
 ステップS234において、同一クラスタ内における第2相のIMU201’による角速度が測定される。
 ステップS235において、合成演算部471’’の反転部571は、第2相のIMU201’の角速度の正負を反転して、クラスタ内合成部532に出力する。
 ステップS236において、クラスタ内合成部532’は、遅延調整部531より供給される第1層の角速度と、反転部571より供給される、正負を反転した第2相の角速度とを取得し、双方を加算することによりフリッカノイズをキャンセルするように、クラスタ内の角速度の平均を求めることによりクラスタ内で合成して、リサンプラ481に出力する。
 ステップS237において、リサンプラ481は、クラスタ単位の角速度を取得して、クラスタ単位のサンプリング周波数を揃えて、干渉除去部482に出力する。
 ステップS238において、干渉除去部482は、リサンプラ481より供給される角速度の情報について、干渉による影響を除去して合成部483に出力する。
 ステップS239において、合成部483は、干渉除去部482より供給されてきたクラスタ単位の角速度の情報を合成し、1つの検出値として出力する。
 以上の処理により、フリッカノイズをキャンセルしながら、高精度に角速度を検出することが可能となる。
 図40で示されるように、IMU単体での通常のアラン分散が波形Waで示されるような波形であるのに対して、例えば、温度補償により波形Wsaにまでアラン分散が改善することが知られており、さらに、複数のIMUを用いてマルチIMUを構成することで、波形Wmaまで改善することが知られている。
 しかしながら、上述したフリッカノイズを低減させるようにした図38で示されるようなマルチIMU200を用いることで、例えば、図40における波形Wfeにより示されるまでアラン分散を改善させることが可能となり、よりホワイトノイズに近い分散にすることが可能となる。
 <<16.第3の実施の形態の第1の変形例>>
 以上においては、同一クラスタにおける時分割数が2個である場合の例について説明してきたが、それ以上の時分割数であってもよい。
 例えば、時分割数が4個である場合、マルチIMU200は、図41で示されるような構成とされる。
 図41のマルチIMU200においては、IMU201’-1乃至201’-4が、同一クラスタであり、このうち、IMU201’-1が同期マスタ装置に設定され、IMU201’-2乃至201’-4が、同期スレーブ装置に設定されている場合の構成である。すなわち、この場合、第1相乃至第4相までの角速度が求められることになる。
 図38における時分割数が2個であるときのマルチIMU200と異なる点は、読出回路213’’および合成演算部471’’に代えて、読出回路213’’’および合成演算部471’’’が設けられた点である。
 また、読出回路213’’において、読出回路213’と異なる点は、スイッチ511,512に代えて、スイッチ511’,512’が設けられ、差動反転部551に代えて、差動反転部551-1,551-2が設けられた点である。
 スイッチ511’,512’は、機能において、スイッチ511,512と基本的に同様であるが、時分割数に応じた端子数とされている点で異なる。
 すなわち、スイッチ511’は、端子511’a乃至511’dが設けられており、第1相乃至第4相の角速度が求められるとき、対応して切り替えて接続される。
 同様に、スイッチ512’は、端子512’a乃至512’dが設けられており、第1相乃至第4相の角速度が求められるとき、対応して切り替えて接続される。
 差動反転部551-1,551-2は、基本的に、図38の差動反転部551と同様の機能である。すなわち、差動反転部551-1は、第2相のIMU201’-2より供給される発振信号を差動反転してスイッチ512’の端子512’bに出力する。また、差動反転部551-2は、第4相のIMU201’-4より供給される発振信号を差動反転してスイッチ512’の端子512’dに出力する。
 合成演算部471’’’において、合成演算部471’’と異なる点は、遅延調整部531に代えて、遅延調整部531-1,531-2が設けられ、反転部571に代えて、反転部571-1,571-2が設けられ、クラスタ内合成部532’に代えて、クラスタ内合成部532’’を設けている点である。
 遅延調整部531-1,531-2は、いずれも遅延調整部531と同様の機能を備えており、遅延調整部531-1が、第1相の角速度を第2相の角速度が供給されるまで一時的に記憶してクラスタ内合成部532’に出力し、遅延調整部531-2が、第3相の角速度を第4相の角速度が供給されるまで一時的に記憶してクラスタ内合成部532’に出力する。
 反転部571-1は、第2相の角速度の正負を反転してクラスタ内合成部532’に出力し、反転部571-2は、第4相の角速度の正負を反転してクラスタ内合成部532’に出力する。
 以上のような構成により、IMU201’-2,201’-4より出力される第2相および第4相の発振信号は、IMU201’-1,201’-3より出力される第1層および第3相の発振信号を逆移相に変換された状態で角速度が計算される。
 そして、反転部571-1,571-2により正負が反転されることにより、第2相および第4相の角速度がクラスタ内合成部532に供給される。
 クラスタ内合成部532’’は、第1相および第3相の角速度と、第2相および第4相の反転された角速度とが加算されて平均値として合成されることにより、フリッカノイズ成分nをキャンセルすることが可能となる。
 尚、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
 なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
 例えば、本開示は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
 また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
 さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
 尚、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
<1> 複数のIMU(Inertial Measurement Unit)の検出結果を合成して出力する合成部を備え、
 前記複数のIMUは、前記IMUのそれぞれの発振回路の発振信号の駆動周波数に応じて複数のクラスタに分類され、
 前記合成部は、前記複数のIMUの検出結果を、前記クラスタ毎に合成して出力する
 駆動制御装置。
<2> 前記複数のIMUは、前記駆動周波数を所定の周波数バンドごとに区切って設定される複数のクラスタに分類される
 <1>に記載の駆動制御装置。
<3> 前記所定の周波数バンドの幅は、前記複数のIMUのクラスタ数に応じて調整される
 <2>に記載の駆動制御装置。
<4> 前記所定の周波数バンドの幅が、前記複数のIMUのクラスタ数に応じて調整されるとき、前記IMUは、前記駆動周波数に応じて、トリミングされて、前記駆動周波数が調整される
 <3>に記載の駆動制御装置。
<5> 前記複数のIMUは、前記駆動周波数に基づいて、k平均法により複数のクラスタに分類される
 <1>に記載の駆動制御装置。
<6> 前記クラスタ毎に、前記複数のIMUのいずれかが、自らの発振回路で発生される発振信号を基準信号として、前記基準信号を出力しない前記IMUに対して前記基準信号を出力する
 <1>に記載の駆動制御装置。
<7> 前記IMUの検出結果を、前記クラスタ毎の前記駆動周波数に応じてリサンプリングするリサンプラをさらに含み、
 前記合成部は、前記リサンプラによりリサンプリングされた前記IMUの検出結果を、前記クラスタ毎に合成する
 <1>に記載の駆動制御装置。
<8> 前記リサンプラは、前記IMUの検出結果を、前記クラスタ毎に時分割で取得し、前記駆動周波数に応じてリサンプリングする
 <7>に記載の駆動制御装置。
<9> 前記IMUは、振動子と、前記振動子の振動信号に基づいて角速度を読み出す読出回路を備え、
 前記読出回路は、同一のクラスタに分類された複数の前記IMUにおける前記振動子により共用される
 <1>に記載の駆動制御装置。
<10> 前記読出回路は、前記同一のクラスタに分類された複数の前記IMUにおける振動子により共用され、分類された前記同一のクラスタのうち、第1のIMUの振動子の振動信号を、第1のタイミングで取得して、第1の角速度として読み出し、前記同一のクラスタのうち、前記第1のIMUの振動子とは異なる振動信号を、前記第1のタイミングと異なる第2のタイミングで取得して、前記第1の角速度とは異なる、第2の角速度として読み出す
 <9>に記載の駆動制御装置。
<11> 前記同一のクラスタ内の前記第1の角速度と前記第2の角速度とを合成するクラスタ内合成部とをさらに含む
 <10>に記載の駆動制御装置。
<12> 前記第1の角速度を前記第1のタイミングにおいて取得し、記憶して前記第2のタイミングまで遅延させて出力する遅延調整部をさらに含み、
 前記クラスタ内合成部は、前記遅延調整部より出力される前記第1の角速度と、前記第2の角速度とを合成する
 <11>に記載の駆動制御装置。
<13> 前記読出回路は、前記同一のクラスタに分類された複数の前記IMUにおける振動子により共用され、分類された前記同一のクラスタのうち、第1のIMUの振動子の振動信号を、第1のタイミングで取得して、第1の角速度として読み出し、前記第1のIMUとは異なる第2のIMUの振動子の振動信号を、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで取得した後、差動反転させて、前記第1の角速度とは異なる第2の角速度を読み出す
 <9>に記載の駆動制御装置。
<14> 前記第1の角速度と、前記第2の角速度が反転された反転角速度とを加算することにより、前記同一のクラスタ内の前記第1の角速度と前記第2の角速度とを合成するクラスタ内合成部とをさらに含む
 <13>に記載の駆動制御装置。
<15> 前記第1の角速度を前記第1のタイミングにおいて取得し、記憶して前記第2のタイミングまで遅延させて出力する遅延調整部と、
 前記第2の角速度を前記第2のタイミングにおいて取得し、正負を反転させて前記反転角速度として出力する反転部とをさらに含み、
 前記クラスタ内合成部は、前記遅延調整部より出力される前記第1の角速度と、前記反転角速度とを加算して、前記同一のクラスタ内の前記第1の角速度と前記第2の角速度とを合成する
 <14>に記載の駆動制御装置。
<16> 複数のIMU(Inertial Measurement Unit)の検出結果を合成して出力する合成部を備える駆動制御装置の駆動制御方法であって、
 前記複数のIMUは、前記IMUのそれぞれの発振回路の発振信号の駆動周波数に応じて複数のクラスタに分類され、
 前記合成部は、前記複数のIMUの検出結果を、前記クラスタ毎に合成して出力する
 ステップを含む駆動制御方法。
 200 マルチIMU(Inertial Measurement Unit), 201,201-1乃至201-4 IMU, 210 プリント基板, 211,211-1乃至211-4 振動子, 212,212-1乃至212-4,212’,212’-1,212’-2-1乃至212’-2-4 ベース, 213,213-1乃至213-4,213’,213’’,213’’’ 読出回路, 231,231-1乃至231-4 ドライブ回路ブロック, 232,232-1乃至232-4 センス回路ブロック, 233,233-1乃至233-4 デジタル出力回路ブロック, 251,251-1乃至241-4 発振回路, 252,252-1乃至252-4 自動利得調整回路, 271,271-1乃至271-4 チャージアンプ回路, 272、272-1乃至272-4 移相回路, 273,273-1乃至273-4 同期検波回路, 274,274-1乃至274-4 LPF, 291,291-1乃至291-4 AD変換回路, 292,292-1乃至292-4 デシメーションフィルタ, 293,293-1乃至293-4 デジタル出力回路, 301,301’ 切替回路, 321,321’ 基準信号発生部, 351,351-1乃至351-4 音響インシュレータ, 371 うなり検出回路, 372 合成部, 411,411-1,411-2 クラスタ, 451 クラスタリング計測装置, 452 結線部, 461 基準周波数生成部, 462 周波数計測部, 463 クラスタリング計算部, 471,471’,471’’,471’’’ 合成演算部, 481 リサンプラ, 483 干渉除去部, 484 合成部, 511,511-1,511-2,511’,512,512-1,512-2,512’,521,521-1,521-2,522,522-1,522-2 スイッチ, 531,531-1,531-2 遅延調整部, 532,532’,532’’ クラスタ内合成部, 551,551-1,551-2 差動反転部,561,561’ スイッチ, 571,571-2,571-2 反転部

Claims (16)

  1.  複数のIMU(Inertial Measurement Unit)の検出結果を合成して出力する合成部を備え、
     前記複数のIMUは、前記IMUのそれぞれの発振回路の発振信号の駆動周波数に応じて複数のクラスタに分類され、
     前記合成部は、前記複数のIMUの検出結果を、前記クラスタ毎に合成して出力する
     駆動制御装置。
  2.  前記複数のIMUは、前記駆動周波数を所定の周波数バンドごとに区切って設定される複数のクラスタに分類される
     請求項1に記載の駆動制御装置。
  3.  前記所定の周波数バンドの幅は、前記複数のIMUのクラスタ数に応じて調整される
     請求項2に記載の駆動制御装置。
  4.  前記所定の周波数バンドの幅が、前記複数のIMUのクラスタ数に応じて調整されるとき、前記IMUは、前記駆動周波数に応じて、トリミングされて、前記駆動周波数が調整される
     請求項3に記載の駆動制御装置。
  5.  前記複数のIMUは、前記駆動周波数に基づいて、k平均法により複数のクラスタに分類される
     請求項1に記載の駆動制御装置。
  6.  前記クラスタ毎に、前記複数のIMUのいずれかが、自らの発振回路で発生される発振信号を基準信号として、前記基準信号を出力しない前記IMUに対して前記基準信号を出力する
     請求項1に記載の駆動制御装置。
  7.  前記IMUの検出結果を、前記クラスタ毎の前記駆動周波数に応じてリサンプリングするリサンプラをさらに含み、
     前記合成部は、前記リサンプラによりリサンプリングされた前記IMUの検出結果を、前記クラスタ毎に合成する
     請求項1に記載の駆動制御装置。
  8.  前記リサンプラは、前記IMUの検出結果を、前記クラスタ毎に時分割で取得し、前記駆動周波数に応じてリサンプリングする
     請求項7に記載の駆動制御装置。
  9.  前記IMUは、振動子と、前記振動子の振動信号に基づいて角速度を読み出す読出回路を備え、
     前記読出回路は、同一のクラスタに分類された複数の前記IMUにおける前記振動子により共用される
     請求項1に記載の駆動制御装置。
  10.  前記読出回路は、前記同一のクラスタに分類された複数の前記IMUにおける振動子により共用され、分類された前記同一のクラスタのうち、第1のIMUの振動子の振動信号を、第1のタイミングで取得して、第1の角速度として読み出し、前記同一のクラスタのうち、前記第1のIMUの振動子とは異なる振動信号を、前記第1のタイミングと異なる第2のタイミングで取得して、前記第1の角速度とは異なる、第2の角速度として読み出す
     請求項9に記載の駆動制御装置。
  11.  前記同一のクラスタ内の前記第1の角速度と前記第2の角速度とを合成するクラスタ内合成部とをさらに含む
     請求項10に記載の駆動制御装置。
  12.  前記第1の角速度を前記第1のタイミングにおいて取得し、記憶して前記第2のタイミングまで遅延させて出力する遅延調整部をさらに含み、
     前記クラスタ内合成部は、前記遅延調整部より出力される前記第1の角速度と、前記第2の角速度とを合成する
     請求項11に記載の駆動制御装置。
  13.  前記読出回路は、前記同一のクラスタに分類された複数の前記IMUにおける振動子により共用され、分類された前記同一のクラスタのうち、第1のIMUの振動子の振動信号を、第1のタイミングで取得して、第1の角速度として読み出し、前記第1のIMUとは異なる第2のIMUの振動子の振動信号を、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングで取得した後、差動反転させて、前記第1の角速度とは異なる第2の角速度を読み出す
     請求項9に記載の駆動制御装置。
  14.  前記第1の角速度と、前記第2の角速度が反転された反転角速度とを加算することにより、前記同一のクラスタ内の前記第1の角速度と前記第2の角速度とを合成するクラスタ内合成部とをさらに含む
     請求項13に記載の駆動制御装置。
  15.  前記第1の角速度を前記第1のタイミングにおいて取得し、記憶して前記第2のタイミングまで遅延させて出力する遅延調整部と、
     前記第2の角速度を前記第2のタイミングにおいて取得し、正負を反転させて前記反転角速度として出力する反転部とをさらに含み、
     前記クラスタ内合成部は、前記遅延調整部より出力される前記第1の角速度と、前記反転角速度とを加算して、前記同一のクラスタ内の前記第1の角速度と前記第2の角速度とを合成する
     請求項14に記載の駆動制御装置。
  16.  複数のIMU(Inertial Measurement Unit)の検出結果を合成して出力する合成部を備える駆動制御装置の駆動制御方法であって、
     前記複数のIMUは、前記IMUのそれぞれの発振回路の発振信号の駆動周波数に応じて複数のクラスタに分類され、
     前記合成部は、前記複数のIMUの検出結果を、前記クラスタ毎に合成して出力する
     ステップを含む駆動制御方法。
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