JP2016197017A - 角速度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、角速度センサの電源投入直後の急激な温度上昇においても、正確に出力信号の補正をすることが可能な角速度を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明の角速度センサは、温度補正回路136に微分回路137を設けたため、IC130に角速度センサの電源投入直後の急激な温度上昇が起きた場合にあって、センサ素子30とIC130との間で、温度差が生じた際、通常時の温度変化による補正と異なる補正値を提供する構成としたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に、航空機、車両などの移動体の姿勢制御やナビゲーションシステム等に用いられる角速度センサに関するものである。
従来のこの種の角速度センサについて、以下、図面を参照しながら説明する。
図9は従来の角速度センサの回路図である。
図9において、1はシリコン材料からなるセンサ素子で、このセンサ素子1はセンサ素子1を振動させるための信号を入力する駆動電極2と、振動状態に応じた信号を出力するモニタ電極3と、角速度が印加されるとコリオリ力に応じた出力をするセンス電極4とで構成されている。
前記モニタ電極3より出力されるモニタ信号はドライブ回路5に入力される。このドライブ回路5は、入力されたモニタ信号からセンサ素子1の振動が一定振幅となるように調整した駆動信号を駆動電極2に出力する。前記センス電極4より出力されるセンス信号はセンス回路7に入力される。このセンス回路7は、センス電極4より出力されるセンス信号をドライブ回路5より出力されるセンサ素子の駆動周波数に同期した信号で同期検波回路8により検波し、角速度信号を出力するものである。
そして、前記ドライブ回路5とセンス回路7とによりIC6を構成している。
9はROMからなるメモリである。10は周囲の温度を計測する温度センサである。11は出力調整回路で、この出力調整回路11は前記センス回路7における同期検波後の出力信号をメモリ9に格納されたデータを基に温度センサ10からの温度出力信号に応じて補正するものである。
以上のように構成された従来の角速度センサについて、次にその動作を説明する。
角速度センサにおけるセンサ素子1の駆動電極2に交流電圧が負荷されると、センサ素子1がX方向に駆動周波数で振動駆動する。そして、センサ素子1のZ軸周りに角速度が負荷されると、コリオリ力により、センサ素子1がY軸方向に検知周波数で振動する。そして、この振動によりセンス電極4に容量変化が発生する。そして、この容量変化による出力信号をセンス回路7によりCV変換して出力することにより、角速度を検出するものである。
ここで、従来の角速度センサの周囲の温度が変化することにより、図10(a)に示すように、出力信号が直線的に変化する場合を考える。
従来の角速度センサにおいては、図10(b)に示す温度センサ10からの出力信号に応じて、メモリ9に保管されている図10(c)に示すような補正データを基に、出力調整回路11で補正することにより、図10(d)に示すような、温度によって信号が変化しない補正後の出力信号を出力するものであった。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2007−255890号公報 特開2011−153880号公報
しかしながら、上記した従来の構成においては、IC6に角速度センサの電源投入直後の急激な温度上昇が起きた場合、センサ素子1とIC6との間で、温度差が生じるため、通常時の温度変化による補正と補正値が異なるから、これにより、正確に出力信号の補正を行うことができなくなってしまうという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、角速度センサの電源投入直後の急激な温度上昇においても、正確に出力信号の補正をすることが可能な角速度を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、駆動電極と、センス電極と、モニタ電極とを有するセンサ素子と、このセンサ素子における駆動電極に電圧を印加するドライブ回路と、前記センサ素子におけるセンス電極から出力される信号を角速度出力信号に変換するセンス回路と、周囲の温度を検出するとともに温度に応じた出力信号を出力する温度センサと、前記センス回路から出力される角速度出力信号の温度変化による変動を温度センサからの出力信号を基に補正するとともにROMを有する温度補正回路とを備え、前記温度補正回路に温度センサからの出力信号を微分する微分回路を設けたものである。
この構成によれば、温度補正回路に微分回路を設けたため、ICに角速度センサの電源投入直後の急激な温度上昇が起きた場合にあって、センサ素子とICとの間で、温度差が生じた際、通常時の温度変化による補正と異なる補正値を提供することができるようになり、これにより、正確に出力信号の補正を行うことができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、前記ROMに微分回路の動作する時間を格納するようにしたものである。この構成によれば、容易に微分回路の動作をする時間を規定することができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、前記ドライブ回路にタイミング信号を出力するタイミング制御回路に振幅判定回路を設けるとともに、前記ドライブ回路から出力されるセンサ素子の振幅情報を前記振幅判定回路に入力し、振幅値が所定の振幅値以下の場合には、微分回路が動作するようにしたものである。この構成によれば、微分回路を動作させるべき起動直後の時間を確実に規定できるという作用効果を有するものである。
本発明の角速度センサは、駆動電極と、センス電極と、モニタ電極とを有するセンサ素子と、このセンサ素子における駆動電極に電圧を印加するドライブ回路と、前記センサ素子におけるセンス電極から出力される信号を角速度出力信号に変換するセンス回路と、周囲の温度を検出するとともに温度に応じた出力信号を出力する温度センサと、前記センス回路から出力される角速度出力信号の温度変化による変動を温度センサからの出力信号を基に補正するとともにROMを有する温度補正回路とを備え、前記温度補正回路に温度センサからの出力信号を微分する微分回路を設けたものである。この構成によれば、温度補正回路に微分回路を設けたため、ICに角速度センサの電源投入直後の急激な温度上昇が起きた場合にあって、センサ素子とICとの間で、温度差が生じた際、通常時の温度変化による補正と異なる補正値を提供することができるようになり、これにより、正確に出力信号の補正を行うことが角速度センサを提供することができるという効果を有するものである。
本発明の一実施の形態における角速度センサの回路図 (a)〜(c)同角速度センサの動作状態を示す図 (a)〜(d)同角速度センサの動作状態を示す図 同PLL回路が動作する状態を示す図 同PLL回路が動作する状態を示す図 本発明の一実施の形態における角速度センサの2次補正の補正信号を示す図 同角速度センサにおける温度補正演算手段の動作状態を示すブロック図 同角速度センサの起動直後の動作状態を示す図 従来の角速度センサの回路図 従来の角速度センサの動作において、温度による出力変化を補正する状態を示す図
以下、本発明の一実施の形態における角速度センサについて、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態における角速度センサの回路図である。
図1において、30はセンサ素子で、このセンサ素子30は振動体31と、この振動体31を振動させるための圧電体を有する駆動電極32と、振動状態に応じて電荷を発生する圧電体を有するモニタ電極33と、前記センサ素子30に角速度が印加されると電荷を発生する圧電体を有する一対のセンス電極とを設けている。また、前記センサ素子30における一対のセンス電極は、第1のセンス電極34と、この第1のセンス電極34と逆極性の電荷を発生する第2のセンス電極35とで構成されている。41はドライブ回路で、このドライブ回路41は入力切替手段42と、DA変換手段43、積分手段44、比較手段45、デジタルフィルタからなるフィルタ回路46、AGC回路47および駆動回路48とで構成されている。また、前記ドライブ回路41における入力切替手段42は、振動体31におけるモニタ電極33と接続され、そして、第2のタイミングΦ2で動作するアナログスイッチで構成されているものである。そしてまた、前記ドライブ回路41におけるDA切替手段49は、第1の基準電圧50および第2の基準電圧51を有し、そしてこの第1の基準電圧50と第2の基準電圧51を第2のタイミングΦ2で所定の信号により切り替えている。さらに、前記ドライブ回路41にはDA出力手段52を設けており、このDA出力手段52は前記DA切替手段49の出力信号が入力されるコンデンサ53と、このコンデンサ53の両端に接続され、かつ前記第1のタイミングΦ1で動作してコンデンサ53の電荷を放電するSW54,55とで構成されている。そして、前記DA切替手段49とDA出力手段52とでDA変換手段43を構成し、かつこのDA変換手段43は第1のタイミングΦ1で前記コンデンサ53の電荷を放電し、さらに前記第2のタイミングΦ2で前記DA切替手段49が出力する基準電圧に応じた電荷を入出力するものである。56はSWで、このSW56には前記入力切替手段42とDA変換手段43の出力が入力され、そして、このSW56は前記第2のタイミングΦ2で出力するものである。
44は積分手段で、この積分手段44には前記SW56の出力が入力されるもので、演算増幅器57と、この演算増幅器57の帰還に接続されるコンデンサ58とにより構成されている。そして、第2のタイミングΦ2で動作し、前記積分手段44への入力信号がコンデンサ58により積分されるものである。45は比較手段で、この比較手段45には前記積分手段44が出力する積分信号が入力され、そして、この比較手段45はこの積分信号と所定の値とを比較する比較器59と、この比較器59が出力する1ビットデジタル信号が入力されるD型フリップフロップ60とにより構成されている。また、前記D型フリップフロップ60は前記第1のタイミングΦ1の開始時に前記1ビットデジタル信号をラッチしてラッチ信号を出力するものであり、このラッチ信号は、前記DA変換手段43のDA切替手段49に入力されて、第1の基準電圧50と第2の基準電圧51とを切り替えるものである。そして、前記入力切替手段42、DA変換手段43、積分手段44および比較手段45によりΣΔ変調器からなるAD変換器61を構成している。
また、前記AD変換器61の出力するパルス密度変調記号はフィルタ回路46に入力され、前記振動体31の共振周波数の信号を抽出し、ノイズ成分を除去したマルチビット信号を出力する。そして、このマルチビット信号をAGC回路47に設けた半波整流フィルタ回路(図示せず)に入力することにより、振幅情報信号に変換する。そしてAGC回路47はこの振幅情報信号が大の場合には前記フィルタ回路46の出力マルチビット信号を減衰させた信号を、一方、前記振幅情報信号が小の場合には前記フィルタ回路46の出力マルチビット信号を増幅させた信号を駆動回路48に入力し、前記振動体31の振動が一定振幅となるように調整するものである。
前記駆動回路48は、2値を保持しているデジタル値出力手段62と、AGC回路47からの出力信号と前記デジタル値出力手段62の出力を加算し積分する加積分演算手段63と、この加積分演算手段63からの出力を比較定数値64と比較する値比較手段65と、この値比較手段65の出力に応じて前記デジタル値出力手段62の出力するデジタル値を切り替える値切替手段66と、前記値比較手段65の出力を所定のタイミングでラッチするフリップフロップ67とにより構成されるデジタルΣΔ変調器68を有している。前記デジタルΣΔ変調器68により前記AGC回路47が出力するマルチビット信号は1ビットのパルス密度変調信号に変調されて出力され、かつこのパルス密度変調信号はアナログフィルタ69に入力され、さらにセンサ素子30を駆動するのに有害な周波数成分はフィルタリングされて、センサ素子30に出力される。
71はタイミング制御回路で、このタイミング制御回路71は前記ドライブ回路41におけるフィルタ回路46が出力するマルチビット信号を入力し、第1のタイミングΦ1、第2のタイミングΦ2のタイミング信号を生成してドライブ回路41に、また第3のタイミングΦ3、第4のタイミングΦ4、第5のタイミングΦ5、第6のタイミングΦ6のタイミング信号をセンス回路81に出力するものである。
なお、上記タイミング制御回路71の内部構成については後述する。
前記センス回路81はΣΔ変調器からなるAD変換器82および演算手段83により構成されている。84は入力切替手段で、この入力切替手段84は前記センサ素子30における第1のセンス電極34と接続され前記第4のタイミングΦ4で動作するアナログスイッチ85(以下、SWと記す)、第2のセンス電極35と接続され前記第6のタイミングΦ6で動作するアナログスイッチ86とで構成されている。この構成により、入力切替手段84は、第1のセンス電極34または第2のセンス電極35からの入力信号を第4のタイミングΦ4または第6のタイミングΦ6で切り替えて出力することになる。87はDA切替手段で、このDA切替手段87は、第1の基準電圧88および第2の基準電圧89を有し、そしてこの第1の基準電圧88と第2の基準電圧89を所定の信号により切り替えるものである。90はDA出力手段で、このDA出力手段90は前記DA切替手段87の出力信号が入力されるコンデンサ91と、このコンデンサ91の両端に接続され、かつ前記第3のタイミングΦ3と第5のタイミングΦ5で動作してコンデンサ91の電荷を放電するSW92,93により構成されている。そして、前記DA切替手段87とDA出力手段90とでDA変換手段94を構成し、かつこのDA変換手段94は第3のタイミングΦ3と第5のタイミングΦ5で前記コンデンサ91の電荷を放電し、さらに前記第4のタイミングΦ4と第6のタイミングΦ6で前記DA切替手段87が出力する基準電圧に応じた電荷を入出力するものである。
95はSWで、このSW95には前記入力切替手段84とDA変換手段94の出力が入力され、前記第4のタイミングΦ4と第6のタイミングΦ6で出力するものである。96は積分回路で、この積分回路96には前記SW95の出力が入力されるものであり、そして、この積分回路96は演算増幅器97と、この演算増幅器97の帰還に並列に接続される一対のコンデンサ98,99と、このコンデンサ98,99に接続される一対のSW100,101とにより構成されている。また、SW100は第3のタイミングΦ3と第4のタイミングΦ4で動作し、前記積分回路96への入力信号がコンデンサ98に積分されて積分値が保持されることになる。そしてまた、SW101は前記第5のタイミングΦ5と第6のタイミングΦ6で動作し、前記積分回路96への入力信号がコンデンサ99に積分されて積分値が保持されることになる。SW95と積分回路96により積分手段102を構成している。
103は比較手段で、この比較手段103には前記積分手段102が出力する積分信号が入力され、そして、この比較手段103はこの積分信号と所定の値とを比較する比較器104と、この比較器104が出力する1ビットデジタル信号が入力されるD型フリップフロップ105とで構成されている。また、前記D型フリップフロップ105は前記第4のタイミングΦ4と第6のタイミングΦ6の開始時に前記1ビットデジタル信号をラッチしてラッチ信号を出力するものであり、このラッチ信号は、前記DA変換手段94のDA切替手段87に入力されて基準電圧88,89を切り替えるものである。そして、前記入力切替手段84、DA変換手段94、積分手段102および比較手段103によりAD変換器82を構成している。
またこのAD変換器82は上記構成により、前記センサ素子30における第1のセンス電極34および第2のセンス電極35より出力される電荷をΣΔ変調し、1ビットデジタル信号に変換して出力するものである。
106はラッチ回路で、このラッチ回路106には前記AD変換器82の比較手段103における比較器104より出力される1ビットデジタル信号が入力され、かつ前記1ビットデジタル信号をラッチする一対のD型フリップフロップ107,108により構成されている。また、D型フリップフロップ107は第4のタイミングΦ4で前記1ビットデジタル信号をラッチするものであり、D型フリップフロップ108は第6のタイミングΦ6で前記1ビットデジタル信号をラッチするものである。109は差分演算手段で、この差分演算手段109は前記ラッチ回路106における一対のD型フリップフロップ107,108がラッチして出力する一対の1ビットデジタル信号が入力され、そしてこの一対の1ビットデジタル信号の差を演算する1ビット差分演算を置換処理により実現するものである。つまり、差分演算手段109に入力される一対の1ビットデジタル信号が、“00”“01”“10”“11”である時、それぞれ“0”“−1”“1”“0”と置き換えて出力する構成となっている。110はデジタルフィルタからなるフィルタ回路で、このフィルタ回路110には前記差分演算手段109より出力されるデジタル差分信号が入力され、ノイズ成分を除去するフィルタリング処理を行うものである。111は補正演算手段で、この補正演算手段111には前記差分演算手段109が出力する1ビット差分信号が入力され、この1ビット差分信号と所定の補正情報との補正演算を置換処理により実現するものであり、つまり、上記したように補正演算手段111に入力される1ビット差分信号が“0”“1”“−1”であり、例えば、補正情報が“5”である場合にはそれぞれ“0”“5”“−5”と置き換えて出力する構成となっている。そして、前記ラッチ回路106、差分演算手段109、フィルタ回路110および補正演算手段111により演算手段83を構成している。また、この演算手段83は、第4、第6のタイミングで一対の1ビットデジタル信号をラッチして、差分演算、補正演算、フィルタリング処理を行い、マルチビット信号を出力している。
そして、タイミング制御回路71は、PLL回路121と、タイミング生成回路122,123と、振幅判定回路124とで構成されている。
前記PLL回路121は、前記ドライブ回路41におけるフィルタ回路46が出力するマルチビット信号の周波数を逓倍し、位相ノイズを時間的に積分し低減して、タイミング生成回路122,123に信号を出力するものである。位相監視手段126には、フィルタ回路46が出力するマルチビット信号を波形整形した矩形波信号と分周器126aの出力信号が入力される。そして、分周器126aによる第2のタイミング信号は後述する電圧制御発振器129による第1のタイミング信号を分周した同期信号であり、第2のタイミング信号のタイミングでの、AD変換器であるドライブ回路41の出力値それ自体が、第2のタイミング信号の正弦波信号の中央値、つまりゼロ点との位相ズレ量に応じた値となる。位相監視手段126から出力される信号は位相補正回路126bを介してループフィルタからなるフィルタ回路127に入力され、そしてこのフィルタ回路127は交流成分の少ない直流信号に変換するもので、このフィルタ回路127の出力信号と定電圧値とがタイミング切替手段128に入力される。そしてまた、このタイミング切替手段128の一方は、前述したように、フィルタ回路127に接続されるとともに、他方は定電圧出力器と電気的に接続されている。
また、前記振幅判定回路124にはフィルタ回路46から出力されるマルチビット信号が入力される。そして、この振幅判定回路124はフィルタ回路46から出力されるマルチビット信号の振幅情報を監視しており、この振幅情報が目標振幅以上である場合には、タイミング切替手段128はフィルタ回路127の出力信号を選択するように、一方、フィルタ回路46から出力されるマルチビット信号の振幅情報が目標振幅以下である場合には、タイミング切替手段128は定電圧値を選択するように切り替えている。
そしてまた、前記振幅判定回路124から出力される振幅情報は、前記演算手段83における補正演算手段111に入力されている。
前記タイミング切替手段128の出力電圧は電圧制御発振器129に入力される。この電圧制御発振器129は入力電圧に応じた周波数信号を発振する可変周波数発振器であり、この電圧制御発振器129より出力される発振信号は、分周器126aと、タイミング生成回路122,123に入力される。
前記タイミング生成回路122は前記PLL回路121から出力される信号をもとに、第1のタイミングΦ1、第2のタイミングΦ2のタイミング信号を生成してドライブ回路41に出力するものであり、またタイミング生成回路123はモニタ信号の2周期間を第3のタイミングΦ3、第4のタイミングΦ4、第5のタイミングΦ5、第6のタイミングΦ6に分割してこのタイミング信号を生成してセンス回路81に出力するものである。
そして、前記ドライブ回路41、センス回路81およびタイミング制御回路71で、IC130を構成している。
131は温度センサで、この温度センサ131は、周囲の温度を検知して、アナログからなる出力信号を出力している。132はAD変換器で、このAD変換器132は、前記温度センサ131から出力される出力信号をデジタル信号に変換している。133はデジタルローパスフィルタで、このデジタルローパスフィルタ133は前記AD変換器132からの出力信号からノイズ信号を除去している。134はROMで、このROM134は所定の基準温度でオフセット調整する補正データを格納している。135は温度補正演算手段で、この温度補正演算手段135は前記デジタルローパスフィルタ133を介して出力された温度データを基に、ROM134から温度に応じた補正データを選択して温度補正値を演算した後、センス回路81の演算手段83における補正演算手段111に出力させるものである。そして、前記温度センサ131、AD変換器132、デジタルローパスフィルタ133、ROM134および温度補正演算手段135とにより温度補正回路136を構成している。
137は微分回路で、この微分回路137は、前記温度補正回路136における温度センサ131からの温度情報の出力信号を、前記AD変換器132およびデジタルローパスフィルタ133を介して入力されている。
以上のようにして構成された本発明の一実施の形態における角速度センサについて、次にその動作を説明する。
前記センサ素子30の駆動電極32に駆動信号を加えると、振動体31が共振し、モニタ電極33に電荷が発生する。このモニタ電極33に発生した電荷はドライブ回路41におけるAD変換器61に入力され、パルス密度変調信号へと変換される。そしてこのパルス密度変調信号はフィルタ回路46に入力され、前記振動体31の共振周波数を抽出し、ノイズ成分を除去したマルチビット信号を出力する。
この場合におけるAD変換器61の動作を以下に説明する。このAD変換器61はタイミング制御回路71より出力されるモニタ信号に同期したタイミングである第1のタイミングΦ1、第2のタイミングΦ2を繰り返すことによって動作するもので、第1のタイミングΦ1ではセンサ素子30におけるモニタ電極33から出力される信号がΣΔ変調されて1ビットデジタル信号に変換される。
上記した2つのタイミングでの動作をひとつずつ説明する。まず第1のタイミングΦ1では、積分手段44におけるコンデンサ58に保持されている積分値を比較する前記比較手段45の比較器59に入力し、この比較器59より出力される1ビットデジタル信号が、第1のタイミングΦ1の立ち上がり時にD型フリップフロップ60にラッチされ、このラッチ信号が前記DA変換手段43のDA切替手段49に入力される。また、DA出力手段52におけるSW54とSW55がONになって、コンデンサ53に保持されている電荷が放電される。
次に第2のタイミングΦ2では、前記DA切替手段49に入力されたラッチ信号に応じて第1の基準電圧50および第2の基準電圧51が切り替えられてコンデンサ53に入力され、かつDA変換手段43より切り替えられた基準電圧に応じた電荷が出力される。また、入力切替手段42がONになり、前記センサ素子30のモニタ電極33より発生する電荷が入力される。さらに、積分手段44におけるSW56がONになり、前記入力切替手段42とDA変換手段43から出力される電荷が積分手段44に入力される。これにより第2のタイミングΦ2では、積分手段44におけるコンデンサ58に、図2(a)の斜線部で示される電荷量とDA変換手段43より出力される電荷量の総和が積分されて保持されることになる。
上記した第1のタイミングΦ1および第2のタイミングΦ2での以上の動作によりセンサ素子30のモニタ電極33から出力される振幅値に相当する電荷量がΣΔ変調され、第1のタイミングΦ1の信号の立ち上がり時に1ビットデジタル信号として出力されることになる。
以上の動作により、センサ素子30におけるモニタ電極33から出力される電荷量がAD変換器61によりΣΔ変調されて1ビットデジタル信号として上記タイミングで出力されることになる。
そしてまた、前記ドライブ回路41におけるフィルタ回路46より出力される図2(b)に示すマルチビット信号をAGC回路47に設けた半波整流フィルタ回路(図示せず)に入力することにより、振幅情報信号に変換する。また、このAGC回路47は振幅情報信号が大の場合には前記フィルタ回路46の出力マルチビット信号を減衰させた信号を、一方、前記振幅情報信号が小の場合には前記フィルタ回路46の出力するマルチビット信号を増幅させた信号を駆動回路48に入力し、前記振動体31の振動が一定振幅となるように調整するものである。
前記デジタルΣΔ変調器68の加積分演算手段63には、前記AGC回路47から出力されるマルチビット信号と、所定の2値を保持してデジタル値出力手段62のどちらかの値を出力する値切替手段66より出力される定数値が入力され、加算して積分される。この加積分演算手段63から出力される積分値は比較定数値64と値比較手段65により比較されて比較結果が出力される。そして、この比較結果がフリップフロップ67により所定のタイミングでラッチされて出力される。このフリップフロップ67の出力により値切替手段66より出力される定数値が切り替えられることになる。この時、加積分演算手段63の出力値が比較定数値64より小さい場合には、デジタル値出力手段62の2値のうちの大きい方の値が、逆の場合には小さい方の値が選択されて出力されるように動作する。この動作を繰り返すことによりフリップフロップ67より、前記AGC回路47が出力するマルチビット信号が、1ビットのパルス密度変調信号に変調されて出力されることになる。ここで、デジタルΣΔ変調器68に入力される信号が例えば、10bit(=±9bit)である場合、比較定数値64を“0”、デジタル値出力手段62の2値を“511”“−511”以上とすることが望ましい。
なお、ΣΔ変調ではオーバーサンプリングを行い、その量子化ノイズが高域にノイズシェーピングされるため、高周波成分のノイズ成分を含むが、センサ素子30の応答がそのような高周波に応答できないため、パルス密度変調信号のサンプリング周波数でなく、オーバーサンプリングされた所定の周波数成分で振動することになる。また、センサ素子30の高周波での応答ゲインが高くて、このような高周波成分のノイズが問題になる場合には、デジタルΣΔ変調器68の出力信号のうち問題となる周波数成分を低減するように設定されたアナログフィルタ69を追加することによって、さらに低ノイズで、高精度のドライブ回路41を実現することが可能となるものである。
また、前記センサ素子30が図1に図示している駆動方向に速度Vで屈曲振動している状態において、振動体31の長手方向の中心軸周りにセンサ素子30が角速度ωで回転すると、このセンサ素子30にF=2mV×ωのコリオリ力が発生する。このコリオリ力により前記センサ素子30が有する一対のセンス電極34,35に、図3(a)および図3(b)に示すように電荷が発生する。そしてこのセンス電極34,35に発生する電荷はコリオリ力により発生するため、前記モニタ電極33に発生する信号より位相が90度進んでいる。そしてまた、前記一対のセンス電極34,35に発生した出力信号は図3(a)および図3(b)に示す通り、正極性信号と負極性信号の関係にある。
この場合におけるAD変換器82の動作を以下に説明する。このAD変換器82は第3のタイミングΦ3、第4のタイミングΦ4、第5のタイミングΦ5および第6のタイミングΦ6を繰り返すことによって動作するもので、第3のタイミングΦ3および第4のタイミングΦ4ではセンサ素子30におけるセンス電極34から出力される正極性信号がΣΔ変調されて1ビットデジタル信号に変換される。また第5のタイミングΦ5および第6のタイミングΦ6では負極性信号がΣΔ変調されて1ビットデジタル信号に変換される。
上記した4つのタイミングでの動作をひとつずつ説明する。まず第3のタイミングΦ3では、積分手段102におけるコンデンサ98と接続されているSW100がONになり、このコンデンサ98に保持されている積分値が比較手段103における比較器104に入力され比較結果が1ビットデジタル信号として出力される。また、DA変換手段94におけるSW92と93がONになりコンデンサ91に保持されている電荷が放電される。
次に第4のタイミングΦ4では、前記比較手段103の比較器104より出力される1ビットデジタル信号が第4のタイミングΦ4の立ち上がり時にD型フリップフロップ105にラッチされ、このラッチ信号が前記DA変換手段94のDA切替手段87に入力される。この入力されたラッチ信号に応じて基準電圧88,89が切り替えられてコンデンサ91に入力され、DA変換手段94より切り替えられた基準電圧に応じた電荷が出力される。それとともに、入力切替手段84ではSW85がONになり、前記センサ素子30の第1のセンス電極34より発生する電荷が出力される。さらに、積分手段102におけるSW95がONになり、前記入力切替手段84とDA変換手段94から出力される電荷が積分回路96に入力される。これにより第4のタイミングΦ4では、積分回路96におけるコンデンサ98に、図3(a)の斜線部で示される電荷量とDA変換手段94より出力される電荷量の総和が積分されて保持されることになる。
上記した第3のタイミングΦ3および第4のタイミングΦ4での以上の動作によりセンサ素子30の第1のセンス電極34から出力される振幅値の半分に相当する電荷量がΣΔ変調されることになる。
また、第3のタイミングΦ3および第4のタイミングΦ4での動作と同様に、第5のタイミングΦ5および第6のタイミングΦ6では、センサ素子30の第2のセンス電極35から出力される振幅値の半分に相当する電荷量がΣΔ変調される。
以上の動作により、センサ素子30における一対のセンス電極34,35から出力される電荷の振幅幅の半分に相当する電荷量が一つのAD変換器82によりΣΔ変調されて一対の1ビットデジタル信号として上記タイミングで出力されることになる。
そしてまた、センサ素子30における一対のセンス電極34,35から出力される電荷は、角速度によるコリオリ力で発生する、モニタ電極33に発生する信号より位相が90度進んだセンス信号だけでなく、モニタ信号と同相の不要信号があるため、センサ素子30における一対のセンス電極34,35からセンス信号と不要信号の合成信号が出力される場合について説明する。角速度によるコリオリ力で発生するセンス信号は、図3(a)(b)で示され、そして上記で説明した通り、第4のタイミングΦ4と第6のタイミングΦ6で、積分回路96により図3(a)(b)の斜線部で示される電荷量、つまり、振幅値の半分に相当する電荷量が積分されることになる。さらに、センス電極34,35より発生する不要信号は図3(c)(d)で示され、そして前記センス信号と同様に第4のタイミングΦ4と第6のタイミングΦ6で、図3(c)(d)の斜線部で示される電荷量、つまり、不要信号の振幅の最大値から最小値までの区間の電荷量が積分されるもので、これは振幅の中央値を基準に積分するとキャンセルされて“0”の電荷量となるものである。つまり、第4のタイミングΦ4と第6のタイミングΦ6での積分手段102の動作により、不要信号がキャンセルされてセンス信号の振幅に応じた電荷量が積分される、いわゆる同期検波処理が一対の入力信号のそれぞれに対し実施されることになる。よって、上記不要信号のない場合の動作の説明と同様に、前記AD変換器82からは同期検波処理された信号がΣΔ変調され、1ビットデジタル信号に変換されて出力されることになる。
以上の動作により、センサ素子30における一対の出力信号を同期検波処理しながらΣΔ変調することが可能となるもので、このような同期検波された信号のデジタル値を、通常のIV変換回路、位相器、同期検波回路などのアナログ回路を必要とすることなく、またこれらを用いた場合より非常に小さな回路規模で、つまり小型で、かつ低コストで得ることができるものである。
次に、演算手段83について、その動作を説明する。まず、第4のタイミングΦ4で、前記AD変換器82の比較手段103における比較器104より出力される1ビットデジタル信号が、ラッチ回路106のD型フリップフロップ107にラッチされる。また、第6のタイミングΦ6で、前記AD変換器82の比較手段103における比較器104より出力される1ビットデジタル信号が、ラッチ回路106のD型フリップフロップ108にラッチされる。
この一対のD型フリップフロップ107,108にラッチされた一対の1ビットデジタル信号は、上記で説明した通り、センサ素子30における一対のセンス電極34,35より出力された信号の振幅値の半分に相当する電荷量をそれぞれΣΔ変調によりデジタル値に変換したものである。次に、前記ラッチ回路106が出力する一対の1ビットデジタル信号が1ビット差分演算手段109に入力され、この一対の1ビットデジタル信号の差が演算されて1ビット差分信号が出力される。ここで、第3のタイミングΦ3での1ビット差分信号は、一つ前の同期における第4のタイミングΦ4、第6のタイミングΦ6でラッチされた1ビットデジタル信号の差であり、この1ビット差分信号は、図3(a)(b)で示されるセンサ素子30における一対のセンス電極34,35より出力される信号の振幅値を表す記号となる。以上の動作により、センサ素子30における一対のセンス電極34,35から出力される正極性信号と負極性信号の関係にある一対の入力信号が同じ1つの積分手段102を用いて積分されるため、2つの積分回路で別々に積分を行う場合よりも個々の積分回路の特性による一対の入力信号の積分結果の相対誤差への影響が大きく低減されるものである。これと同様に、DA変換手段94も一対の入力信号の信号処理に対し同じ1つのDA変換手段を用いる構成となっている。また、比較手段103でも一対の積分結果を同じ基準電圧と比較器を用いて比較を行うことにより、比較器の特性や基準電圧の変化の比較結果の相対誤差への影響が大きく低減される。上記のように、一対の入力信号を同一の積分回路96、DA変換手段94、比較手段103を用いて信号処理するようにしているため、複数の各手段を用いて信号処理した場合と比べて各手段の相対誤差の影響が大きく低減されるものである。
さらに、一対の入力信号の差をとる1ビット差分演算は、比較手段103の出力信号が“1”“0”からなる1ビット信号である場合、差分演算手段109に入力される一対の比較信号が“00”“01”“10”“11”の4種類に限られる。
差をとった結果もそれぞれ“0”“−1”“1”“0”と予め決まっていることを利用して、非常に簡単な回路構成で入力信号に応じた減算処理を行った結果を得ることができる1ビットデジタル演算である。次に、1ビット差分演算手段109が出力する1ビット差分信号が補正演算手段111に入力され、この1ビット差分信号と所定の補正情報との補正演算が置換処理により行われる。この補正演算は、上記したように、1ビット差分信号が“0”“1”“−1”の3値に限られることを利用して、例えば所定の補正情報が“5”である場合に、補正演算手段に入力される1ビット差分信号“0”“1”“−1”を、それぞれ“0”“5”“−5”と置換処理することにより乗算を実現して信号の補正が可能となるものである。
そして、フィルタ回路46が出力するマルチビット信号がタイミング制御回路71における振幅判定回路124と、波形整形した矩形波信号として位相監視手段126とに入力される。この振幅判定回路124はフィルタ回路46から出力されるマルチビット信号の振幅情報を監視しており、この振幅情報が目標振幅の50%以上である場合には、タイミング切替手段128がループフィルタからなるフィルタ回路127の出力信号を選択するように切り替わる。このときPLL回路121は閉ループとなり、音叉駆動周波数のモニタ信号を入力信号として逓倍し、位相ノイズを時間的に積分し低減した信号を出力するため、センサ素子30の固有駆動周波数に同期した信号がタイミング生成回路122,123に入力されることになる。
一方、フィルタ回路46から出力されるマルチビット信号の振幅情報が目標振幅の50%以下である場合には、タイミング切替手段128は定電圧値を選択するように切り替わり、電圧制御発振器129からは定電圧値に応じた固定周波数の信号が出力され、この信号がタイミング生成回路122,123に入力されることになる。
次に、本発明の一実施の形態におけるPLL回路の動作する状態を説明する。
前記AD変換器61に正弦波のアナログ信号を入力すると、前記電圧制御発振器129の出力する第1のタイミング信号のタイミングでサンプリングして入力されたアナログ信号の大きさに応じたデジタル値に変換され、そして、このデジタル値が位相監視手段126に入力される。この時は、例えば、正弦波信号の中央値を“0”とした正負のデジタル信号に変換される。この位相監視手段126からは、第2のタイミング信号のタイミングで入力されたデジタル値を出力することになり、そして、これが位相補正回路126bに入力され、所定の値に補正された後、DA変換器125に入力され、そして、このDA変換器125で入力されたデジタル値に応じたアナログ値に変換されて出力される。また、このアナログ信号は、ループフィルタからなるフィルタ回路127を通して電圧制御発振器129に入力され、そして、入力されたアナログ信号に応じた周波数の信号がこの電圧制御発振器129より出力され、これがAD変換器61のタイミング信号としてフィードバックされることになる。この時、第2のタイミング信号は第1のタイミング信号を分周した同期信号であり、第2のタイミング信号のタイミングでのAD変換器61の出力値それ自体が、第2のタイミング信号の正弦波信号の中央値、つまりゼロ点との位相ズレ量に応じた値となる。すなわち、通常のPLL回路における位相比較器(図示せず)から出力される値と同じ意味をもつことになる。そして、図4に示すように、位相監視手段126の出力するデジタル値が負の場合には電圧制御発振器129の出力する周波数が減少する方向のアナログ信号を、一方、位相監視手段126の出力するデジタル値が正の場合には電圧制御発振器129の出力する周波数が増加する方向のアナログ信号をDA変換器125より出力する。そして、PLL回路のループとしては、このDA変換器125の出力するアナログ信号が一定となるように、つまり第2のタイミング信号のタイミングでのデジタル値が“0”となるようにループ制御がかかることになる。これにより、AD変換器61のサンプリングタイミングが、入力されるアナログ信号の中央値を通るタイミングと同期することになるため、正確にアナログ信号の中央値つまりゼロ点と同期することが可能となるものである。
また、前記位相監視手段126では入力されるデジタル値が、所定の上限値及び下限値を超えるかどうかを監視している。上記第2のタイミング信号が入力されたタイミングにより出力する値を変化させる。具体的には、第2のタイミング信号が入力されてから、入力されたデジタル値が所定の上限値を下回った後に次に所定の下限値を下回り、さらに下限値を上回るまでの期間をフェーズ1とし、そして、フェーズ1の終わりから入力されたデジタル値が所定の上限値を超えるまでをフェーズ2とし、それ以降の次に、上限値を下回るまでをフェーズ3とする。
図5に示すように、フェーズ1で第2のタイミング信号が入力された場合には所定の下限値の信号を出力し、フェーズ2で第2のタイミング信号が入力された場合にはその第2のタイミング信号のタイミングで入力されたデジタル値を出力し、フェーズ3で第2のタイミング信号が入力された場合には所定の上限値の信号を出力することになる。そして、DA変換器125には、前記位相監視手段126の出力するデジタル値が入力され、かつこのDA変換器125は、このデジタル値に応じた大きさのアナログ信号を出力し、そして、このアナログ信号はループフィルタからなるフィルタ回路127に入力され、かつこのフィルタ回路127でフィルタリングされた後に電圧制御発振器129に入力されることになる。このようにして、位相監視手段126の出力するデジタル値に応じたアナログ信号をフィルタリングした信号によって決まる周波数が電圧制御発振器129より出力されることになる。位相監視手段126が上記のようなフェーズの判定及び出力信号の上限及び下限を設定していることにより、一定範囲内のアナログ信号が電圧制御発振器129に入力されることになり、その結果、電圧制御発振器129が出力する信号の周波数が制限されることになる。これにより、PLL回路全体の動作において、入力されるアナログ信号の周波数と分周器における分周値を乗じた周波数以外でロックする、いわゆる倍周波数ロック等の誤動作を防止して、PLL回路を所定の周波数でロックさせることができることになる。
そしてまた、位相監視手段126の出力する信号が入力される位相補正回路126bでは、入力された位相比較値を所定の値分だけ増減させて出力することにより、ロックする位相をデジタル値の分解能の分だけ微調整することが可能となる。例えば、位相補正回路126bにおいて、正の値を加算して出力したとすると、電圧制御発振器129は加算しない場合と比べて加算した分だけ増加した周波数を出力することになり、その結果として位相を早めた点にロックすることになる。
さらに、AD変換器61においては、AD変換もしくは演算等により所定のクロック数だけ遅延が生じて出力される場合、その遅延分だけずれた位相でロックすることになる。
位相監視手段126の出力する値を第2のタイミング信号のタイミングから遅延分のクロック数だけずれたタイミングでの値を出力する構成にすることにより、第2のタイミング信号が、入力されるアナログ信号の中央値を通るタイミングと同期することになり、これにより、正確にアナログ信号の中央値つまりゼロ点と同期させることが可能となるものである。
以上の条件でPLL回路121より出力される信号をもとに、タイミング生成回路122は、ドライブ回路41における入力切替手段42、DA切替手段49、SW54、SW55、SW56およびD型フリップフロップ60の切替タイミングとなる図2(c)に示すような第1のタイミングΦ1、第2のタイミングΦ2のタイミング信号を生成して出力する。また、タイミング生成回路123は、センス回路81における入力切替手段84、DA切替手段87、SW92、SW93、SW95、SW100、SW101およびD型フリップフロップ105の切替タイミングとなる第3のタイミングΦ3、第4のタイミングΦ4、第5のタイミングΦ5、第6のタイミングΦ6のタイミング信号を生成して出力するものである。
ここで、角速度センサの周囲の温度が変動する場合を考える。
まず、角速度センサを温度槽(図示せず)に入れて、周囲温度を−50℃から150℃まで変化させて、角速度を付加しない状態で、センス回路81における演算手段83から出力される出力信号がゼロ値になる温度を見極めて、基準温度とする。
次に、この基準温度を中心にして、温度を増減したときの出力信号の変化量を計測して、その変化量を補正する補正データをROM134に格納する。
そして、角速度センサの動作状態においては、温度センサ131からの出力信号をAD変換器132でデジタル出力信号に変換し、さらに、デジタルローパスフィルタ133によりノイズ信号を除去する。温度補正演算手段135は、まず、温度センサ131からの出力信号のオフセット調整をする。その後、オフセット調整をされた温度情報データを基に、その温度情報データに応じた補正データをROM134から抽出し、演算処理した後、補正演算手段111に入力することにより、センス回路81から出力される出力信号を補正するものである。
特に、図6に示すように、補正データがy=(a×t+b)×tの2次方程式上にのっている場合には、ROM134に2つのデータaおよびbを記憶しておき、図7に示す、温度補正演算手段135により、デジタルローパスフィルタ133からの出力信号である温度情報データを基に、2回の乗算および1回の加算により求めた補正値を求める。そして、この補正値を補正演算手段111により、フィルタ回路110からの出力信号に加算して、センス回路81から出力される出力信号を補正するものである。
ここで、特に、ある所定の温度における角速度センサの電源(図示せず)起動時について考えてみる。
温度補正回路136においては、温度センサ131の出力がAD変換されてデジタル値化されてデジタルローパスフィルタ133に入力され、そのデジタルローパスフィルタ133の出力をもとに温度補正演算手段135により補正値が演算され、センス回路81から出力される出力信号を補正する。
ここで、電源起動時において、急激にIC130の温度が上昇して、前述の如く、通常時の温度変化による補正値では、正確に出力信号の補正を行うことができなくなってしまう場合を考える。
本発明の一実施の形態における角速度センサにおいては、温度補正回路136に微分回路137を設けたため、IC130に角速度センサの電源投入直後の急激な温度上昇が起きた場合には、センサ素子30とIC130との間で、温度差が生じる。
すなわち、図8に示すように、IC130の温度が約5℃上昇して、温度センサ131からの出力信号が安定するまで、約1分の時間を要する。その間は前述した通常の補正のみを行うと、X1の補正となり、出力信号として、例えば、起動直後は−40[LSB]の信号を出力する。
微分回路137には、前記温度補正回路136における温度センサ131からの温度情報の出力信号を、前記AD変換器132およびデジタルローパスフィルタ133を介して入力されている。そして、ROM134には、微分回路137からの出力信号に応じた補正定数αを格納している。そして、(数1)に示す式により、急激な温度変化に応じた変動量を補正したX2の信号を出力する補正を行うことが可能になる。
Figure 2016197017
前記温度補正回路136における微分回路137を動作させる時間は前記ROM134に格納しており、本発明の一実施の形態における角速度センサにおいては、1分間、微分回路137が動作するようにしている。
すなわち、前記ROM134に微分回路137の動作する時間を格納するようにしたため、容易に微分回路137の動作をする時間を規定することができるという作用効果を有するものである。
なお、本発明の一実施の形態における角速度センサにおいては、微分回路137を動作させる時間をROM134に格納していたが、タイミング制御回路71における振幅判定回路124から、センサ素子30の駆動振幅情報を補正演算手段111に入力し、センサ素子30の駆動振幅の50%に到達するまでの時間を起動時間として、微分回路137を動作させても同様の効果を有するものである。
本発明に係る角速度センサは、角速度センサの電源投入直後の急激な温度上昇においても、正確に出力信号の補正をすることが可能な角速度を提供することができるという効果を有するものであり、特に航空機、車両などの移動体の姿勢制御やナビゲーションシステム等に適用することにより有用となるものである。
30 センサ素子
32 駆動電極
33 モニタ電極
34,35 センス電極
41 ドライブ回路
81 センス回路
124 振幅判定回路
131 温度センサ
134 ROM
136 温度補正回路
137 微分回路

Claims (3)

  1. 駆動電極と、センス電極と、モニタ電極とを有するセンサ素子と、このセンサ素子における駆動電極に電圧を印加するドライブ回路と、前記センサ素子におけるセンス電極から出力される信号を角速度出力信号に変換するセンス回路と、周囲の温度を検出するとともに温度に応じた出力信号を出力する温度センサと、前記センス回路から出力される角速度出力信号の温度変化による変動を温度センサからの出力信号を基に補正するとともにROMを有する温度補正回路とを備え、前記温度補正回路に温度センサからの出力信号を微分する微分回路を設けた角速度センサ。
  2. 前記ROMに微分回路の動作する時間を格納するようにした請求項1記載の角速度センサ。
  3. 前記ドライブ回路にタイミング信号を出力するタイミング制御回路に振幅判定回路を設けるとともに、前記ドライブ回路から出力されるセンサ素子の振幅情報を前記振幅判定回路に入力し、振幅値が所定の振幅値以下の場合には、微分回路が動作するように構成した請求項1記載の角速度センサ。
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