WO2021187490A1 - 気密端子およびその気密端子を用いた接点装置 - Google Patents

Abstract

本開示に係る接点装置は、通孔（５１）および開口部（５１ａ）を有する金属容器（５２）と、通孔（５１）に挿通したパイプリード（５３）と、金属容器（５２）とパイプリード（５３）とを封着する絶縁材（５４）と、パイプリード（５３）を貫通しパイプリード（５３）に固着した低抵抗金属からなる端子台（５５）とを備える。パイプリード（５３）は、外部からの応力を緩和する脆弱部（５７）を有する。

Description

気密端子およびその気密端子を用いた接点装置

　本開示は気密端子およびその気密端子を用いた接点装置に関する。より詳細には、本開示は高電気容量のリレー装置に搭載される、気密端子およびその気密端子を用いた接点装置に関する。

　国内外の自動車メーカーは、地球温暖化などの環境問題への対策として、ハイブリッド車（以下、ＨＶと略記）を実用化した。ＨＶは、現在、大型車やＲＶ車などにも展開されている。電気自動車（以下、ＥＶと略記）の開発も活発化している。ＨＶやＥＶは、大きなモータ出力を要し、搭載されるバッテリーも高容量のものとなる。ＨＶやＥＶを安定かつ効率的に駆動させるには、高性能な高容量リレーが不可欠である。

　車載用の高容量リレーは、限られたスペースに取り付けるため小型軽量化が要求される。またリレーの通電性能を向上させるため、通電部分に低抵抗金属を用いながらも連続通電時の温度上昇を極力抑制する必要がある。さらに車載部品であるため、過酷な振動や温度負荷に耐える頑健性および信頼性も求められる。

　このようなリレーとして、例えば、特許文献１（特開２０１５－０４６３７７号公報）に記載される電磁継電器がある。この電磁継電器は、電磁石装置と、接点装置と、トリップ装置とを有している。

　電磁石装置は、第１の励磁コイルと可動子と第１の固定子とを有している。電磁石装置は、第１の励磁コイルへの通電時に生じる磁束によって第１の固定子に可動子を吸引する。電磁石装置は、この可動子を第２の位置から第１の位置へ移動させる。

　接点装置は、固定接点および可動接点を有している。可動子の移動に伴って可動接点が移動することにより、可動子が第１の位置にあるときに可動接点が固定接点に接触する閉状態となる。可動子が第２の位置にあるときおよび第３の位置にあるときに可動接点が固定接点から離れた開状態となる。

　トリップ装置は、接点装置と直列に接続された第２の励磁コイルを有している。トリップ装置は、可動子が第１の位置にある状態で接点装置を通して流れる規定値以上の異常電流により第２の励磁コイルで生じる磁束によって、可動子を第３の位置へ移動させる。

　接点装置、電磁石装置およびトリップ装置は一方向に並べて配置されている。トリップ装置は、電磁石装置に対して接点装置とは反対側に配置されている。

　このような車載用の高電気容量のリレーを構成する接点装置においては、従来から、接点オフ時に発生するアークを迅速に消弧するために、固定接点および可動接点が配置された空間を構成し、空間内に消弧性ガス（絶縁性ガス）を充填した接点装置が使用されている。

　例えば、特許文献２（特開２０１５－０４９９３９号公報）に記載の接点装置は、ハウジング、連結体、プレートおよびプランジャキャップを接合して、固定接点および可動接点を収容する空間を形成している。接点装置は、ハウジング、連結体、プレートおよびプランジャキャップで囲まれる空間を気密空間とし、この気密空間には水素を主成分とする消弧性ガスが密封されている。

　接点装置には、特許文献３（特開２０１７－０６９１４４号公報）に記載されるような気密端子を有する金属容器に収容されたものがある。その接点装置は、電磁石装置によって接点装置を開閉する電磁継電器に用いられる。接点装置は、通孔を有する金属容器と、通孔に挿通したパイプリードと、金属容器とパイプリードとを封着する絶縁ガラスと、パイプリードを貫通しパイプリードに固着した低抵抗金属からなる端子台と、端子台に支持された固定接点と、金属容器の開口部周縁を覆って密閉する蓋体と、蓋体を貫通したシャフトに支持された可動接触子と、可動接触子に設けられた可動接点とを有している。

　この接点装置に含まれる気密端子は、通孔を有する金属容器と、通孔に挿通したパイプリードと、金属容器とパイプリードとを封着する絶縁ガラスと、パイプリードを貫通しパイプリードに固着した低抵抗金属からなる端子台とを有している。

特開２０１５－０４６３７７号公報 特開２０１５－０４９９３９号公報 特開２０１７－０６９１４４号公報

　従来の接点装置を形成する気密端子には、銅製端子台の熱膨張を吸収するためにパイプリードが設けられている。ところが端子台とパイプリードとの間隙が不充分なときには、端子台の膨張および収縮を吸収しきれずにパイプリード自体が変形することがあった。従来のパイプリードにおいては、上記変形が金属容器とパイプリードとを絶縁封止する絶縁材や、端子台とパイプリードとの接合部まで伝播し、悪影響を及ぼす恐れがあった。

　本開示の目的は、上記課題を解決するものであり、より気密性の高い気密端子およびこの気密端子を用いた接点装置を提供することにある。

　本開示によれば、通孔を有する金属容器と、上記通孔に挿通したパイプリードと、上記金属容器と上記パイプリードとを封着する絶縁材と、上記パイプリードを貫通し上記パイプリードに固着した低抵抗金属からなる端子台とを備えている。上記パイプリードは、主部と外部からの応力を緩和する脆弱部を有している。

　気密端子のパイプリードに脆弱部を設けることにより、パイプリードが端子台の熱膨張によって変形した場合において、パイプリードにかかる外力を脆弱部で受け止めることで、パイプリードと端子台との接続部やパイプリードと金属容器とを絶縁封止する絶縁材まで変形の影響が波及しないようにすることができる。気密端子のパイプリードに脆弱部を設けることによって、応力の影響を所望の範囲に限定させる。これにより影響が接続部や絶縁材に波及するのを防止して重要部分を保護することができる。

　上記気密端子において、上記脆弱部の剛性は、上記主部の剛性よりも低い、または、上記脆弱部の耐力は、上記主部の耐力よりも低くてもよい。

　上記気密端子において、脆弱部の剛性は、主部の剛性よりも低くすること、または、脆弱部の耐力は、主部の耐力よりも低くすることにより、パイプリードが端子台の熱膨張によって変形した場合において、パイプリードの変形を剛性または耐力の低い脆弱部で受け止めることができる。これによりパイプリードと端子台との接続部やパイプリードと金属容器とを絶縁封止する絶縁材まで変形の影響が波及しないようにすることができる。気密端子にパイプリードにあえて変形し易い剛性または耐力の低い脆弱部を設けることによって、変形部位を所望の範囲に限定させる。これにより影響が接続部や絶縁材に波及するのを防止して重要部分を保護することができる。

　上記気密端子において、上記脆弱部の剛性は、上記主部の剛性より低く、且つ、上記脆弱部の耐力は、上記主部の耐力よりも低くてもよい。

　上記気密端子において、脆弱部の剛性は、主部の剛性よりも低く、且つ、脆弱部の耐力は、主部の耐力よりも低くすることにより、パイプリードが端子台の熱膨張によって変形した場合において、パイプリードの変形を剛性および耐力が低い脆弱部に生じさせることで、パイプリードと端子台との接続部やパイプリードと金属容器とを絶縁封止する絶縁材まで変形の影響が波及しないようにすることができる。気密端子のパイプリードにあえて変形し易い剛性、且つ、耐力の低い脆弱部を設けることによって、変形部位を所望の範囲に限定させる。これにより変形の影響が接続部や絶縁材に波及するのを防止して重要部分を保護することができる。同時に保護に必要な変形部位を剛性と耐力の両方の要素に基づいて調整する事ができるので、材料選定および形状選定が容易となる。

　上記気密端子において、上記脆弱部は上記主部より肉厚の薄い薄厚部で構成してもよい。

　脆弱部を主部より肉厚の薄い薄厚部で構成することにより、パイプリードが端子台の熱膨張によって変形した場合において、パイプリードの変形を薄厚部で受け止めて、パイプリードと端子台との接続部やパイプリードと金属容器とを絶縁封止する絶縁材まで変形の影響が波及しないようにすることができる。気密端子のパイプリードにあえて変形し易い脆弱部を設けることによって、変形部位を所望の範囲に限定させる。これにより変形の影響が接続部や絶縁材に波及するのを防止して重要部分を保護することができる。

　上記気密端子において、上記パイプリードは、段付き部を有してもよい。
　上記気密端子において、上記端子台は、銅、アルミニウム、銅系合金またはアルミニウム系合金で構成してもよい。

　上記気密端子において、上記絶縁材は、ガラスまたはエポキシ樹脂で構成してもよい。
　本開示によれば、電磁石装置によって開閉する接点装置であって、外力を緩和する脆弱部を有する上記気密端子を用いた接点装置が提供される。接点装置は、電磁石装置によって開閉する接点装置であって、通孔および開口部を有する金属容器と、上記通孔に挿通したパイプリードと、上記金属容器と上記パイプリードとを封着する絶縁材と、上記パイプリードを貫通し上記パイプリードに固着した低抵抗金属からなる端子台と、上記金属容器の開口部周縁を覆って密閉する蓋体と、上記蓋体を貫通したシャフトに支持された可動接触子とを備えている。上記パイプリードは、外部からの応力を緩和する脆弱部を有している。上記固定端子台は固定接点を有し、上記可動接触子は可動接点を有している。

　接点装置のパイプリードに脆弱部を設けることにより、パイプリードにかかる外力を脆弱部で受け止めることで、パイプリードと端子台との接続部やパイプリードと金属容器とを絶縁封止する絶縁材まで変形の影響が波及しないようにすることができる。接点装置のパイプリードに脆弱部を設けることによって、応力の影響を所望の範囲に限定させる。これにより影響が接続部や絶縁材に波及するのを防止して重要部分を保護することができる。

　上記接点装置において、上記脆弱部の剛性は、上記主部の剛性より低い、または、上記脆弱部の耐力は、上記主部の耐力よりも低くてもよい。

　接点装置において、脆弱部の剛性は、主部の剛性よりも低くする、または、上記脆弱部の耐力は、上記主部の耐力よりも低くする。これによりパイプリードが端子台の熱膨張によって変形した場合において、パイプリードの変形を剛性または耐力の低い脆弱部で受け止めることで、パイプリードと端子台との接続部やパイプリードと金属容器とを絶縁封止する絶縁材まで変形の影響が波及しないようにすることができる。接点装置は、パイプリードにあえて変形し易い剛性または耐力の低い脆弱部を設けることによって、変形部位を所望の範囲に限定させる。これにより影響が接続部や絶縁材に波及するのを防止して重要部分を保護することができる。

　上記気密端子において、上記脆弱部の剛性は、上記主部の剛性よりも低く、且つ、上記脆弱部の耐力は、上記主部の耐力よりも低くてもよい。

　接点装置において、上記脆弱部の剛性は、上記主部の剛性よりも低く、且つ、上記脆弱部の耐力は、上記主部の耐力よりも低くする。これにより、パイプリードが端子台の熱膨張によって変形した場合において、パイプリードの変形を剛性および耐力の低い脆弱部で受け止めることで、パイプリードと端子台との接続部やパイプリードと金属容器とを絶縁封止する絶縁材まで変形の影響が波及しないようにすることができる。接点装置は、パイプリードにあえて変形し易い剛性および耐力の低い脆弱部を設けることによって、変形部位を所望の範囲に限定させさせて、変形の影響が接続部や絶縁材に波及するのを防止して重要部分を保護することができる。

　上記接点装置において、脆弱部を上記主部より肉厚の薄い薄厚部で構成してもよい。
　接点装置において、脆弱部を主部より肉厚の薄い薄厚部で構成することにより、パイプリードが端子台の熱膨張によって変形した場合において、パイプリードの変形を薄厚部で受け止めることで、パイプリードと端子台との接続部やパイプリードと金属容器とを絶縁封止する絶縁材まで変形の影響が波及しないようにすることができる。接点装置は、パイプリードにあえて変形し易い薄厚部を設けることによって、変形部位を所望の範囲に限定させ、変形の影響が上述の接続部や絶縁材に波及するのを防止して重要部分を保護することができる。

　上記接点装置において、パイプリードは、段付き部を有してもよい。
　上記接点装置において、上記端子台は、銅、アルミニウム、銅系合金またはアルミニウム系合金で構成してもよい。

　上記接点装置において、上記絶縁体は、ガラスまたはエポキシ樹脂で構成してもよい。

　本開示の一実施形態によれば、より気密性の高い気密端子および接点装置を提供することができる。

本開示に係る気密端子を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図および（ａ）のＤ－Ｄ線に沿って切断した部分断面図、（ｃ）は下面図である。 本開示に係る気密端子を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図および（ａ）のＤ－Ｄ線に沿って切断した部分断面図、（ｃ）は下面図である。 本開示に係る気密端子を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図および（ａ）のＤ－Ｄ線に沿って切断した部分断面図、（ｃ）は下面図である。 本開示に係る気密端子を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図および（ａ）のＤ－Ｄ線に沿って切断した部分断面図、（ｃ）は下面図である。 開示に係る接点装置を示し、（ａ）は閉状態の正面断面図、（ｂ）は開状態の正面断面図である。 開示に係る接点装置を示し、（ａ）は閉状態の正面断面図、（ｂ）は開状態の正面断面図である。 開示に係る接点装置を示し、（ａ）は閉状態の正面断面図、（ｂ）は開状態の正面断面図である。 開示に係る接点装置を示し、（ａ）は閉状態の正面断面図、（ｂ）は開状態の正面断面図である。

　以下、本開示に係る気密端子およびその気密端子を用いた接点装置について、図面を参照しながら説明する。

　図１は、本開示に係る気密端子１０を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図および（ａ）のＤ－Ｄ線に沿って切断した部分断面図、（ｃ）は下面図である。なお、図１における端子台は、固定接点と一体で形成してあっても良い。

　本開示に係る気密端子１０は、図１に示すように、通孔１１を有する金属容器１２と、通孔１１に挿通したパイプリード１３と、金属容器１２とパイプリード１３とを封着するガラスまたはエポキシ樹脂製の絶縁材１４と、パイプリード１３を貫通しパイプリード１３に固着した銀、銅、アルミニウム、銀系合金、銅系合金、アルミニウム系合金などの低抵抗金属からなる端子台１５とを備える。パイプリード１３は、外部からの応力を緩和する脆弱部１７を有する。

　パイプリード１３に、脆弱部１７を設けることにより、パイプリード１３が端子台１５の熱膨張によって変形しても、パイプリード１３にかかる外力を脆弱部１７で受け止めることで、パイプリード１３と端子台１５との接続部１８や、パイプリード１３と金属容器１２とを絶縁封止する絶縁材１４まで応力等の影響が伝播するのを防ぐ。

　パイプリード１３は、例えば、鉄または鉄系合金からなる主部１６と、主部１６より外力によって変形し易い、剛性もしくは耐力が低い材質または剛性と耐力の両方が低い材質の脆弱部１７で構成してもよい。脆弱部１７の材質としては、例えば、主部１６と異なる銅、アルミ、錫、銀などの軟金属材またはそれらを含む軟合金を用いることができる。

　これに代えて、パイプリード１３は、金属材の主部１６と、これを高周波焼鈍などで弱体化させた同一材からなる脆弱部１７とで構成しても良い。これに代えて、パイプリード１３が軟金属材からなる場合は、主部１６を鍛造などで強化することで脆弱部１７を形成しても良い。

　図２は、本開示に係る気密端子２０を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図および（ａ）のＤ－Ｄ線に沿って切断した部分断面図、（ｃ）は下面図である。なお、図２における端子台は、固定接点と一体で形成してあっても良い。

　本開示に係る気密端子２０は、図２に示すように、通孔２１を有する金属容器２２と、通孔２１に挿通したパイプリード２３と、金属容器２２とパイプリード２３とを封着するガラスまたはエポキシ樹脂製の絶縁材２４と、パイプリード２３を貫通しパイプリード２３に固着した銀、銅、アルミニウム、銀系合金、銅系合金、アルミニウム系合金などの低抵抗金属からなる端子台２５とを備える。

　パイプリード２３は、外力による変形に対抗する主部２６と主部２６よりも外力によって変形し易い、剛性もしくは耐力が低いまたは剛性および耐力の両方が低い薄厚部２７とを有する。薄厚部２７は脆弱部を構成する。

　パイプリード１３に、薄厚部２７を設けることにより、パイプリード２３が端子台２５の熱膨張によって変形しても、パイプリード２３にかかる外力を薄厚部２７が変形することで応力を緩和しながら受け止めることができ、パイプリード２３と端子台２５との接続部２８や、パイプリード２３と金属容器２２とを絶縁封止する絶縁材２４まで応力等の影響が伝播するのを防ぐ。

　図３は、本開示に係る気密端子３０を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図および（ａ）のＤ－Ｄ線に沿って切断した部分断面図、（ｃ）は下面図である。なお、図３における端子台は、固定接点と一体で形成してあっても良い。

　上述の気密端子２０は、図３に示す気密端子３０のように変形することができる。すなわち、気密端子２０は、通孔３１を有する金属容器３２と、通孔３１に挿通したパイプリード３３と、金属容器３２とパイプリード３３とを封着するガラスまたはエポキシ樹脂製の絶縁材３４と、パイプリード３３を貫通しパイプリード３３に固着した銀、銅、アルミニウム、銀系合金、銅系合金、アルミニウム系合金などの低抵抗金属からなる端子台３５とを備えている。パイプリード３３は、少なくとも主部３６と主部３６より肉厚の薄い薄厚部３７とを有する。薄厚部３７は脆弱部を構成する。

　パイプリード３３に、主部３６と主部３６より肉厚の薄い薄厚部３７とを設けることにより、パイプリード３３が端子台３５の熱膨張によって変形しても、パイプリード３３の変形を薄厚部３７で受け止めて、パイプリード３３と端子台３５との接続部３８や、パイプリード３３と金属容器３２とを絶縁封止する絶縁材３４まで変形が伝播するのを防ぐ。

　図４は、本開示に係る気密端子を示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図および（ａ）のＤ－Ｄ線に沿って切断した部分断面図、（ｃ）は下面図である。なお、図４における端子台は、固定接点と一体で形成してあっても良い。

　気密端子２０は、図４に示す気密端子４０のようにも変形が可能である。すなわち、気密端子４０は、通孔４１を有する金属容器４２と、通孔４１に挿通したパイプリード４３と、金属容器４２とパイプリード４３とを封着するガラスまたはエポキシ樹脂製の絶縁材４４と、パイプリード４３を貫通しパイプリード４３に固着した銀、銅、アルミニウム、銀系合金、銅系合金、アルミニウム系合金などの低抵抗金属からなる端子台４５とを備える。パイプリード４３は、少なくとも主部４６と主部４６より肉厚の薄い薄厚部４７とを有する。薄厚部４７は脆弱部を構成する。

　パイプリード４３に、主部４６と主部４６より肉厚の薄い薄厚部４７とを設けることにより、パイプリード４３が端子台４５の熱膨張によって変形しても、パイプリード４３の変形を薄厚部４７で受け止めて、パイプリード４３と端子台４５との接続部４８や、パイプリード４３と金属容器４２とを絶縁封止する絶縁材４４まで変形が伝播するのを防ぐ。

　気密端子４０においては、パイプリード４３の薄厚部４７の口径を主部４６の口径より小さくしている。これにより、図４のように接続部４８のパイプリード４３と端子台４５の接合面積を広くすることができる。後述する図８のようにパイプリード４３を端子台８５の側壁面のみと接合させることもできる。図２のようにパイプリード４３を端子台２５のフランジ面のみと接合させることもできる。パイプリード４３と端子台４５の接合部位を状況に応じて選択することができる。

　図２に示す気密端子２０および図３に示す気密端子３０のように、パイプリード２３，３３に主部２６，３６と薄厚部２７，３７とを区画する段付き部２９，３９を設けてもよい。段付き部２９，３９により主部２６，３６と区画される薄厚部２７，３７によってパイプリード２３，３３に部分的に弱い個所を設ける。薄厚部２７，３７が変形することで熱膨張係数の大きい低抵抗金属の端子台２５，３５から受ける応力を緩和させる。

　気密端子の金属容器は、金属製であればよい。金属容器の材料は、特に限定されないが、例えば、鉄、ニッケル、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金が好適である。本開示に係る気密端子のパイプリードは、脆弱部を構成できれば何れの材料を使用しても良く、金属、プラスチックまたはこれらを組み合わせた複合材を利用しても良い。パイプリードの脆弱部に金属またはプラスチックを用い、これに主部としてガラス、セラミックスを組み合わせて、複合材としても良い。

　パイプリードの主部と脆弱部は共に同一材料で構成しても良いし、主部と脆弱部を異なる材料で構成しても良い。例えば、主部は鉄または鉄系合金からなり、脆弱部は主部より外力によって変形し易い、剛性もしくは耐力が低い材質または剛性と耐力の両方が低い材質で構成してもよい。その材質としては、例えば、主部と異なる銅、アルミ、錫、銀などの軟金属材またはそれらを含む軟合金を用いることができる。

　これに代えて、パイプリードは、金属材の主部と、これを高周波焼鈍などで弱体化させた同一材からなる脆弱部とで構成しても良い。これに代えて、パイプリードが軟金属材からなる場合は、主部を鍛造などで強化して脆弱部を形成しても良い。

　図５は、本開示に係る接点装置５０を示し、（ａ）は閉状態の正面断面図、（ｂ）は開状態の正面断面図である。なお、図５における固定接点は、端子台と一体で形成してあっても良い。可動接点は、可動接触子と一体で形成してあっても良い。

　本開示に係る接点装置５０は、図５に示すように、上述の気密端子１０を利用した接点装置である。電磁継電器に用いられる接点装置５０は、電磁石装置５００によって開閉する。接点装置５０は、少なくとも、通孔５１および開口部５１ａを設けた金属容器５２と、通孔５１に挿通したパイプリード５３と、パイプリード５３と金属容器５２とを封着するガラスまたはエポキシ樹脂製の絶縁材５４と、パイプリード５３を貫通しパイプリード５３に固着した銀、銅、アルミニウム、銀系合金、銅系合金、アルミニウム系合金などの低抵抗金属からなる端子台５５と、金属容器５２の開口部５１ａの周縁を覆って密閉する蓋体５２０と、蓋体５２０を貫通したシャフト５３０に支持された可動接触子５４０とを備える。

　パイプリード５３は、外部からの応力を緩和する脆弱部５７を有する。端子台５５は固定接点５１０を有し、可動接触子５４０は可動接点５５０を有する。

　接点装置５０のパイプリード５３に脆弱部５７を設けることにより、パイプリード５３が端子台５５の熱膨張によって変形しても、パイプリード５３にかかる外力を脆弱部５７で受け止めることで、パイプリード５３と端子台５５との接続部５８や、パイプリード５３と金属容器５２とを絶縁封止する絶縁材５４まで応力等の影響が伝播するのを防ぐ。

　図６は、本開示に係る接点装置６０を示し、（ａ）は閉状態の正面断面図、（ｂ）は開状態の正面断面図である。なお、図６における固定接点は、端子台と一体で形成してあっても良い。可動接点は、可動接触子と一体で形成してあっても良い。

　本開示に係る接点装置６０は、図６に示すように、上述の気密端子２０を利用した接点装置である。電磁継電器に用いられる接点装置６０は、電磁石装置６００によって開閉する。接点装置６０は、少なくとも、通孔６１および開口部６１ａを設けた金属容器６２と、通孔６１に挿通したパイプリード６３と、パイプリード６３と金属容器６２とを封着するガラスまたはエポキシ樹脂製の絶縁材６４と、パイプリード６３を貫通しパイプリード６３に固着した銀、銅、アルミニウム、銀系合金、銅系合金、アルミニウム系合金などの低抵抗金属からなる端子台６５と、金属容器６２の開口部６１ａ周縁を覆って密閉する蓋体６２０と、蓋体６２０を貫通したシャフト６３０に支持された可動接触子６４０とを備える。

　パイプリード６３は、外力による変形に対抗する主部６６と、主部６６よりも外力によって変形し易い、剛性もしくは耐力が低いまたは剛性と耐力の両方が低い薄厚部６７とを有する。端子台６５は固定接点６１０を有し、可動接触子６４０は可動接点６５０を有する。

　接点装置６０のパイプリード６３に薄厚部６７を設けることにより、パイプリード６３が端子台６５の熱膨張によって変形しても、パイプリード６３にかかる外力を薄厚部６７が変形することで緩和しながら受け止めることができる。パイプリード６３と端子台６５との接続部６８や、パイプリード６３と金属容器６２とを絶縁封止する絶縁材６４まで応力等の影響が伝播するのを防ぐ。

　図７は、本開示に係る接点装置７０を示し、（ａ）は閉状態の正面断面図、（ｂ）は開状態の正面断面図である。なお、図７における固定接点は、端子台と一体で形成してあっても良い。可動接点は、可動接触子と一体で形成してあっても良い。

　上述の接点装置６０は、図７に示す接点装置７０のように変形できる。すなわち、電磁継電器に用いられる接点装置７０は、電磁石装置７００によって開閉する。接点装置７０は、少なくとも、通孔７１および開口部７１ａを設けた金属容器７２と、通孔７１に挿通したパイプリード７３と、パイプリード７３と金属容器７２とを封着するガラスまたはエポキシ樹脂製の絶縁材７４と、パイプリード７３を貫通しパイプリード７３に固着した銀、銅、アルミニウム、銀系合金、銅系合金、アルミニウム系合金などの低抵抗金属からなる端子台７５と、金属容器７２の開口部７１ａの周縁を覆って密閉する蓋体７２０と、蓋体７２０を貫通したシャフト７３０に支持された可動接触子７４０とを備える。

　パイプリード７３は、外力による変形に対抗する主部７６と、主部７６よりも外力によって変形し易い、剛性もしくは耐力が低いまたは剛性と耐力の両方が低い薄厚部７７とを有する。端子台７５は固定接点７１０を有し、可動接触子７４０は可動接点７５０を有する。

　接点装置７０のパイプリード７３に主部７６と主部７６より肉厚の薄い薄厚部７７とを設けることにより、パイプリード７３が端子台７５の熱膨張によって変形しても、パイプリード７３の変形を薄厚部７７で受け止めることで、パイプリード７３と端子台７５との接続部７８や、パイプリード７３と金属容器７２とを絶縁封止する絶縁材７４まで変形が伝播するのを防ぐ。

　図８は、本開示に係る接点装置８０を示し、（ａ）は閉状態の正面断面図、（ｂ）は開状態の正面断面図である。なお、図８における固定接点は、端子台と一体で形成してあっても良い。可動接点は、可動接触子と一体で形成してあっても良い。

　上述の接点装置６０は、図８に示す接点装置８０のように変形できる。すなわち、電磁継電器に用いられる接点装置８０は、電磁石装置８００によって開閉する。接点装置８０は、少なくとも、通孔８１および開口部８１ａを設けた金属容器８２と、通孔８１に挿通したパイプリード８３と、パイプリード８３と金属容器８２とを封着するガラスまたはエポキシ樹脂製の絶縁材８４と、パイプリード８３を貫通しパイプリード８３に固着した銀、銅、アルミニウム、銀系合金、銅系合金、アルミニウム系合金などの低抵抗金属からなる端子台８５と、金属容器８２の開口部８１ａの周縁を覆って密閉する蓋体８２０と、蓋体８２０を貫通したシャフト８３０に支持された可動接触子８４０とを備える。

　パイプリード８３は、外力による変形に対抗する主部８６と主部８６よりも外力によって変形し易い、剛性もしくは耐力が低いまたは剛性と耐力の両方が低い薄厚部８７とを有し、端子台８５は固定接点８１０を有し、可動接触子８４０は可動接点８５０を有する。

　接点装置８０のパイプリード８３に主部８６と主部８６より肉厚の薄い薄厚部８７とを設けることにより、パイプリード８３が端子台８５の熱膨張によって変形しても、パイプリード８３の変形を薄厚部８７で受け止めることで、パイプリード８３と端子台８５との接続部８８や、パイプリード８３と金属容器８２とを絶縁封止する絶縁材８４まで変形が伝播するのを防ぐ。

　接点装置８０は、パイプリード８３の薄厚部８７の口径を主部８６の口径より小さくしている。これにより、図４のように接続部４８のパイプリード４３と端子台４５の接合面積を広くすることができる。図８のようにパイプリード４３を端子台８５の側壁面のみと接合させることもできる。図２のようにパイプリード４３を端子台２５のフランジ面のみと接合させることもできる。パイプリード４３と端子台４５の接合部位を状況に応じて選択することができる。

　図６に示す接点装置６０および図７に示す接点装置７０のように、パイプリード６３，７３に主部６６，７６と薄厚部６７，７７とを区画する段付き部６９，７９を設けてもよい。段付き部６９，７９により主部６６，７６と区画される薄厚部６７，７７によってパイプリード６３，７３に部分的に弱い個所を設ける。薄厚部６７，７７が変形することで熱膨張係数の大きい低抵抗金属の端子台６５，７５から受ける応力を緩和させる。

　接点装置の金属容器は、金属製であればよい。金属容器の材料は、特に限定されないが、例えば、鉄、ニッケル、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金が好適である。本開示に係る接点装置のパイプリードは、脆弱部を構成できれば何れの材料を使用しても良く、金属、プラスチックまたはこれらを組み合わせた複合材を利用しても良い。パイプリードの脆弱部に金属またはプラスチックを用い、これに主部としてガラス、セラミックスを組み合わせて、複合材としても良い。

　パイプリードの主部と脆弱部は共に同一材料で構成しても良いし、主部と脆弱部を異なる材料で構成しても良い。例えば、主部は鉄または鉄系合金からなり、脆弱部は前記主部より外力によって変形し易い、剛性もしくは耐力が低い材質または剛性と耐力の両方が低い材質で構成してもよい。その材質としては、例えば、主部と異なる銅、アルミ、錫、銀などの軟金属材またはそれらを含む軟合金を用いることができる。

　これに代えてパイプリードは、金属材の主部と、これを高周波焼鈍などで弱体化させた同一材からなる脆弱部とで構成しても良い。これに代えて、パイプリードが軟金属材からなる場合は、主部を鍛造などで脆弱部よりも強化しても良い。

　本開示に係る接点装置の蓋体は、金属容器の底部開口端を密閉できればよい。蓋体の材料は特に限定されないが、例えば、金属、プラスチック、ガラス、セラミックスまたはこれらを組み合わせた複合材であっても良い。

　本開示に係る接点装置は、必要に応じて金属容器および蓋体の内壁面に、耐熱性や絶縁性を強化する目的で耐熱絶縁材を装着または耐熱絶縁材のライニングを設けてもよい。

　本開示に係る実施例１の気密端子１０は、図１に示すように、通孔１１を有する鉄製の金属容器１２と、通孔１１に挿通したＦｅ－Ｎｉ合金からなるパイプリード１３と、金属容器１２とパイプリード１３とを気密に封着するソーダバリウムガラスの絶縁材１４と、パイプリード１３を貫通しパイプリード１３に気密に固着した銅合金からなる端子台１５とを備える。パイプリード１３は、筒状に形成されている。パイプリード１３の脆弱部１７は、主部１６よりも剛性の低い材料で構成され、主部１６と一体となっている。

　気密端子１０の主部１６および脆弱部１７は、別々の材料を所定の工程で固着させて一体としても良い。この場合は、絶縁材１４との接合条件（例えばガラス封着温度など）の影響を考慮すること無くパイプリード１３の構成を選択することができ、材料選定の自由度が増加する。

　脆弱部１７は、主部１６と同一部材で形成し、熱処理（例えば焼鈍など）によって形成しても良い。これに代えて、主部１６を鍛造などによって強化することで脆弱部１７を形成しても良い。その場合は、主部１６および脆弱部１７は、同一部材で形成できるため、部品点数の低減ができ管理の手間が省ける。

　パイプリード１３に、主部１６と主部１６よりも剛性の低い材料からなる脆弱部１７とを設けることにより、パイプリード１３が端子台１５の熱膨張によって変形しても、パイプリード１３の変形を脆弱部１７で受け止めることで、パイプリード１３と金属容器１２とを絶縁封止する絶縁材１４まで変形が伝播するのを防ぐ。

　本開示に係る実施例２の気密端子２０は、図２に示すように、通孔２１を有する４２アロイ（４２％Ｎｉ－Ｆｅ合金）製の金属容器２２と、通孔２１に挿通したコバール合金（２９％Ｎｉ－１７％Ｃｏ－Ｆｅ合金）からなるパイプリード２３と、金属容器２２とパイプリード２３とを気密に封着するホウ珪酸ガラスの絶縁材２４と、パイプリード２３を貫通しパイプリード２３に気密に固着した銅合金からなる端子台２５とを備える。パイプリード２３は、外端部を薄厚とされている。パイプリード２３は、主部２６と、主部２６より肉厚の薄い薄厚部２７と、主部２６と薄厚部２７とを区画する段付き部２９とを有する。薄厚部２７は、主部２６よりも剛性の低い脆弱部を構成する。

　気密端子２０は、絶縁材２４との接合条件に影響されること無くパイプリード２３を構成することができ、材料選定の自由度が増加する。脆弱部を薄厚部２７で構成することで、肉厚によって剛性が調節できるため、材料選定の自由度が増す。薄厚部２７は、主部２６と同一部材で形成し、機械加工によって主部２６よりも薄肉になるように形成しても良い。この場合、部品点数の低減ができ管理の手間が省ける。

　実施例２は、図３に示す実施例３の気密端子３０のように変形することができる。すなわち、気密端子３０は、通孔３１を有する鉄製の金属容器３２と、通孔３１に挿通したＦｅ－Ｎｉ合金からなるパイプリード３３と、金属容器３２とパイプリード３３とを気密に封着するソーダバリウムガラスの絶縁材３４と、パイプリード３３を貫通し、パイプリード３３に気密に固着した銅合金からなる端子台３５とを備える。パイプリード３３は、主部３６と、主部３６より肉厚の薄い薄厚部３７と、主部３６と薄厚部３７とを区画する２つの段付き部３９とを有する。実施例３の気密端子３０のパイプリード３３は、パイプリード３３の上端にも段付き部３９を設けることにより、接続部３８の幅を広くすることができるので接続の信頼性が増す。

　また、実施例２は、図４に示す実施例４の気密端子４０のように変形することができる。すなわち、気密端子４０は、通孔４１を有する４２アロイ製の金属容器４２と、通孔４１に挿通したコバール合金からなるパイプリード４３と、金属容器４２とパイプリード４３とを気密に封着するホウ珪酸ガラスの絶縁材４４と、パイプリード４３を貫通し、パイプリード４３に気密に固着した銅合金からなる端子台４５とを備える。パイプリード４３は、主部４６と、主部４６より肉厚の薄い薄厚部４７とを有する。気密端子４０は、パイプリード４３の薄厚部４７の口径を主部４６の口径より小さくしている。この場合には、薄厚部４７を端子台４５の側壁面と頭部のフランジ面とに接合させることで、接続部４８の接合面積をさらに広くすることができる。

　図１から図４に示した実施例１から実施例４の気密端子は、それぞれ図５から図８に示す接点装置の気密端子に利用することができる。

　本開示に係る実施例５の接点装置５０は、図５に示すように、電磁継電器に用いられ、電磁石装置５００によって開閉される。接点装置５０は、通孔５１を設けた炭素鋼の金属容器５２と、通孔５１に挿通したＦｅ－Ｎｉ合金からなるパイプリード５３と、パイプリード５３と金属容器５２とを気密に封着するソーダバリウムガラスの絶縁材５４と、パイプリード５３を貫通しパイプリード５３に気密に固着した銅合金からなる端子台５５と、端子台５５に支持された固定接点５１０と、金属容器５２の開口部周縁を覆って密閉するＦｅ－Ｎｉ合金製の蓋体５２０と、蓋体５２０を貫通するシャフト５３０に支持された可動接触子５４０と、可動接触子５４０に設けられた可動接点５５０を備える。可動接触子５４０は固定接点５１０に接触するようにバネにより付勢されている。

　パイプリード５３は、外力に対抗する主部５６と、主部５６の端子台５５側の端部を高周波加熱により焼鈍させて設けた主部５６より脆弱な脆弱部５７とを有する。接点装置５０のパイプリード５３に、主部５６と主部５６より脆弱な脆弱部５７とを設けることにより、パイプリード５３が端子台５５の熱膨張によって変形しても、パイプリード５３の変形を脆弱部５７で受け止めることで、パイプリード５３と金属容器５２とを絶縁封止する絶縁材５４まで変形が伝播するのを防ぐ。

　本開示に係る実施例６の接点装置６０は、図６に示すように、電磁継電器に用いられ、電磁石装置６００によって開閉される。接点装置６０は、通孔６１を設けた４２アロイ製の金属容器６２と、通孔６１に挿通したコバール合金からなるパイプリード６３と、パイプリード６３と金属容器６２とを気密に封着するホウ珪酸ガラスの絶縁材６４と、パイプリード６３を貫通しパイプリード６３に気密に固着した銅合金からなる端子台６５と、端子台６５に支持された固定接点６１０と、金属容器６２の開口部周縁を覆って密閉する炭素鋼製の蓋体６２０と、蓋体６２０を貫通するシャフト６３０に支持された可動接触子６４０と、可動接触子６４０に設けられた可動接点６５０を備える。可動接触子６４０は固定接点６１０に接触するようにバネにより付勢されている。

　パイプリード６３は、主部６６と、主部６６より肉厚の薄い薄厚部６７と、主部６６と薄厚部６７とを区画する段付き部６９とを有する。接点装置６０のパイプリード６３に主部６６と主部６６より肉厚の薄い薄厚部６７とを設けることにより、パイプリード６３が端子台６５の熱膨張によって変形しても、パイプリード６３の変形を薄厚部６７で受け止めることで、パイプリード６３と金属容器６２とを絶縁封止する絶縁材６４まで変形が伝播するのを防ぐ。

　実施例６は、図７に示す実施例７の接点装置７０に変形できる。すなわち、接点装置７０は、通孔７１を有する鉄製の金属容器７２と、通孔７１に挿通したＦｅ－Ｎｉ合金からなるパイプリード７３と、金属容器７２とパイプリード７３とを気密に封着するソーダバリウムガラスの絶縁材７４と、パイプリード７３を貫通し、パイプリード７３に気密に固着した銅合金からなる端子台７５と、端子台７５に支持された固定接点７１０と、金属容器７２の開口部周縁を覆って密閉する炭素鋼製の蓋体７２０と、蓋体７２０を貫通するシャフト７３０に支持された可動接触子７４０と、可動接触子７４０に設けられた可動接点７５０を備える。可動接触子７４０は固定接点７１０に接触するようにバネにより付勢されている。

　パイプリード７３は、主部７６と、主部７６より肉厚の薄い薄厚部７７と、主部７６と薄厚部７７とを区画する２つの段付き部７９とを有する。実施例７のパイプリード７３は、パイプリード７３の上端にも段付き部７９を設けることにより、接続部７８の幅を広くすることができるので接続の信頼性が増す。

　実施例６は、図８に示す実施例８の接点装置８０に変形できる。すなわち、接点装置８０は、通孔８１を有する４２アロイ製の金属容器８２と、通孔８１に挿通したコバール合金からなるパイプリード８３と、金属容器８２とパイプリード８３とを気密に封着するホウ珪酸ガラスの絶縁材８４と、パイプリード８３を貫通し、パイプリード８３に気密に固着した銅合金からなる端子台８５と、端子台８５に支持された固定接点８１０と、金属容器８２の開口部周縁を覆って密閉する４２アロイ製の蓋体８２０と、蓋体８２０を貫通するシャフト８３０に支持された可動接触子８４０と、可動接触子８４０に設けられた可動接点８５０を備える。可動接触子８４０は固定接点８１０に接触するようにバネにより付勢されている。

　パイプリード８３は、主部８６と、主部８６より肉厚の薄い薄厚部８７とを有する。実施例６の接点装置８０は、パイプリード８３の薄厚部８７の口径を主部８６の口径より小さくしている。これにより、接続部８８を端子台８５の側壁面のみに接合させることができる。

　本開示の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

　本開示は、ＨＶやＥＶ等の車載用システムメインリレー装置に搭載される気密端子を含む気密端子全般、および、ＨＶやＥＶ等に搭載されるシステムメインリレーを含むリレー装置全般に利用できる。

　１０，２０，３０，４０　気密端子
　１１，２１，３１，４１，５１，６１，７１，８１　通孔
　１２，２２，３２，４２，５２，６２，７２，８２　金属容器
　１３，２３，３３，４３，５３，６３，７３，８３　パイプリード
　１４，２４，３４，４４，５４，６４，７４，８４　絶縁材
　１５，２５，３５，４５，５５，６５，７５，８５　端子台
　１６，２６，３６，４６，５６，６６，７６，８６　主部
　１７，５７　脆弱部
　１８，２８，３８，４８，５８，６８，７８，８８　接続部
　２７，３７，４７，６７，７７，８７　薄厚部（脆弱部）
　２９，３９，５９，６９，７９　段付き部
　５０，６０，７０，８０　接点装置
　５１ａ，６１ａ，７１ａ，８１ａ　開口部
　３２０，５２０，６２０，７２０，８２０　蓋体
　５００，６００，７００，８００　電磁石装置
　５１０，６１０，７１０，８１０　固定接点
　５３０，６３０，７３０，８３０　シャフト
　５４０，６４０，７４０，８４０　可動接触子
　５５０，６５０，７５０，８５０　可動接点

Claims (14)

1. 　通孔を有する金属容器と、
   　前記通孔に挿通したパイプリードと、
   　前記金属容器と前記パイプリードとを封着する絶縁材と、
   　前記パイプリードを貫通し前記パイプリードに固着した低抵抗金属からなる端子台と、を備え、
   　前記パイプリードは、主部と外部からの応力を緩和する脆弱部とを有する、気密端子。
2. 　前記脆弱部の剛性は前記主部の剛性よりも低い、または、前記脆弱部の耐力は、前記主部の耐力よりも低い、請求項１に記載の気密端子。
3. 　前記脆弱部の剛性は、前記主部の剛性よりも低く、且つ、前記脆弱部の耐力は、前記主部の耐力よりも低い、請求項１に記載の気密端子。
4. 　前記脆弱部は、前記主部より肉厚の薄い薄厚部からなる、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の気密端子。
5. 　前記パイプリードは、段付き部を有する、請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の気密端子。
6. 　前記端子台は、銅、アルミニウム、銅系合金またはアルミニウム系合金からなる、請求項１から請求項５のいずれか１項に記載の気密端子。
7. 　前記絶縁材は、ガラスまたはエポキシ樹脂からなる、請求項１から請求項６のいずれか１項に記載の気密端子。
8. 　電磁石装置によって開閉される接点装置であって、
   　通孔および開口部を有する金属容器と、
   　前記通孔に挿通したパイプリードと、
   　前記金属容器と前記パイプリードとを封着する絶縁材と、
   　前記パイプリードを貫通し前記パイプリードに固着した低抵抗金属からなる端子台と、
   　前記金属容器の前記開口部周縁を覆って密閉する蓋体と、
   　前記蓋体を貫通したシャフトに支持された可動接触子とを備え、
   　前記パイプリードは、主部と外部からの応力を緩和する脆弱部を有し、
   　前記端子台は固定接点を有し、前記可動接触子は可動接点を有する、接点装置。
9. 　前記脆弱部の剛性は、前記主部の剛性よりも低い、または、前記脆弱部の耐力は、前記主部の耐力よりも低い、請求項８に記載の接点装置。
10. 　前記脆弱部の剛性は、前記主部の剛性よりも低く、且つ、前記脆弱部の耐力は、前記主部の耐力よりも低い、請求項８に記載の接点装置。
11. 　前記脆弱部は、前記主部より肉厚の薄い薄厚部からなる、請求項８から請求項１０のいずれか１項に記載の接点装置。
12. 　前記パイプリードは、段付き部を有する、請求項８から請求項１１のいずれか１項に記載の接点装置。
13. 　前記端子台は、銅、アルミニウム、銅系合金またはアルミニウム系合金からなる、請求項８から請求項１２のいずれか１項に記載の接点装置。
14. 　前記絶縁材は、ガラスまたはエポキシ樹脂からなる、請求項８から請求項１３のいずれか１項に記載の接点装置。

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