JP5991848B2 - 継電器 - Google Patents

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本発明は、継電器に関する。
例えば、ハイブリッドカーや電気自動車、太陽光発電装置用の継電器として、それぞれ固定接点を有する複数の固定端子と、各固定接点にそれぞれ対応する複数の可動接点を有する可動接触子と、可動接触子を移動させることにより各可動接点と各固定接点とが接触しないオフ状態と接触するオン状態とを切り替える駆動機構(例えば、電磁コイルを用いて構成される)とを備える継電器が知られている。このような継電器では、複数の固定端子と接合される絶縁性の第1の容器と、第1の容器に接合される第2の容器とによって、可動接触子と各固定接点とが収容される気密空間が形成される。気密空間には、可動接触子や固定接点の発熱を抑制するために、例えば水素又は水素を主体とするガスが大気圧以上(例えば、2気圧)で封入されている。
継電器では、可動接点が固定接点から離れる際に、接点間にアークが発生する場合がある。接点間にアークが発生すると、発生したアークが第1の容器と第2の容器との接合部に当たって接合部が損傷し、可動接触子および各固定接点が収容される気密空間の気密性が維持できなくなる場合がある。このような事態の発生を防止するため、気密空間内に環状リブを有する金属製の環状フランジや絶縁立片を有する絶縁部材を設置して、第1の容器と第2の容器との接合部をアークから保護する技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2011−187333号公報 特開平10−162676号公報
金属製の環状フランジを設置する上記従来の技術では、各接点間で発生したアークが環状フランジに触れると、環状フランジを介して端子間が電気的に接続されてしまい、大電流時に継電器による電流の遮断ができなくなる場合があるという問題があった。また、絶縁部材を設置する上記従来の技術では、絶縁部材の固定方法が複雑なものとなり、製造コストが増大するという問題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。本発明の第1の形態として、継電器が提供される。この継電器は、それぞれ固定接点を有する複数の固定端子と、各前記固定接点にそれぞれ対応する複数の可動接点を有する可動接触子と、前記可動接触子を各前記固定端子に近づく第1の方向および各前記固定端子から遠ざかる第2の方向に移動させる駆動用部材と、前記複数の固定端子と接合される絶縁性の第1の容器と、前記第1の容器に接合され、前記可動接触子と各前記固定接点とが収容される気密空間を前記第1の容器および前記複数の固定端子と共に形成する第2の容器と、を備える。この継電器は、2つの前記固定接点と、前記2つの固定接点に対応する2つの前記第1の容器とを備え、前記2つの第1の容器の各々と前記第2の容器との2つの接合部と前記2つの固定接点との間に、互いに電気的に独立した複数の金属製の保護カバーを、前記2つの固定接点の各々に対応した第1の容器に、各々固定して備え、各前記第1の容器の各々は、前記第1の方向に平行な軸を有する略円筒形状であることを特徴とする。
[適用例1]それぞれ固定接点を有する複数の固定端子と、各前記固定接点にそれぞれ対応する複数の可動接点を有する可動接触子と、前記可動接触子を各前記固定端子に近づく第1の方向および各前記固定端子から遠ざかる第2の方向に移動させる駆動用部材と、前記複数の固定端子と接合される絶縁性の第1の容器と、前記第1の容器に接合され、前記可動接触子と各前記固定接点とが収容される気密空間を前記第1の容器および前記複数の固定端子と共に形成する第2の容器と、を備える継電器において、
前記第1の容器と前記第2の容器との接合部と各前記固定接点との間に、互いに電気的に独立した複数の金属製の保護カバーを備えることを特徴とする、継電器。この継電器では、保護カバーにより接点間で発生するアークから第1の容器と第2の容器との接合部を有効に保護することができる。また、この継電器では、複数の保護カバーが互いに電気的に独立しているため、接点間で発生したアークが保護カバーに触れても保護カバーを介して固定接点間が電気的に接続されることはなく、大電流時に継電器による電流の遮断ができなくなる事態の発生を防止することができる。特に、この継電器では、保護カバーが金属製であるため、保護カバーの固定方法についての設計自由度を向上させることができる。
[適用例2]適用例1に記載の継電器において、
各前記保護カバーは、前記第1の容器に固定されていることを特徴とする、継電器。この継電器では、保護カバーの大きさを必要最小限とすることができると共に、継電器に振動や衝撃が加わった場合にも保護カバーの位置ずれが起こりにくい信頼性の高い継電器を実現することができる。
[適用例3]適用例2に記載の継電器において、
前記第1の容器は、前記第1の方向に沿った各前記保護カバーの位置を決める位置決め手段を有することを特徴とする、継電器。この継電器では、保護カバーの第1の容器への組み付けの際に、位置決め治具を用いることなく容易に保護カバーの位置決めを行うことができる。
[適用例4]適用例2または適用例3に記載の継電器において、
2つの前記固定端子と、2つの前記固定端子に対応する2つの前記第1の容器と、を備え、
各前記第1の容器は、前記第1の方向に平行な軸を有する略円筒形状であることを特徴とする、継電器。この継電器では、2つの固定端子に対応する2つの第1の容器を備えるため、端子間の絶縁性能を向上させることができると共に、第1の容器の耐圧性を向上させる。また、継電器では、第1の容器と第2の容器との接合部の距離が比較的長くなるが、このような接合部の保護の必要性が高い継電器においても、保護カバーによって接合部をアークから十分に保護することができる。
[適用例5]適用例4に記載の継電器において、
各前記保護カバーの前記第1の方向に直交する断面形状はリング形状であることを特徴とする、継電器。この継電器では、保護カバーの断面形状がリング形状という単純な形状であるため、保護カバーの製造工程を単純化することができ、製造コストを低減することができる。また、この継電器では、保護カバーに断面欠損部分が無いため、保護カバーの第1の容器への固定の際に保護カバーの向きを気にする必要がなく、保護カバーの組み付け作業を単純にすることができ、さらに製造コストを低減することができる。
[適用例6]適用例1ないし適用例5のいずれか一項に記載の継電器において、
さらに、前記固定接点と前記可動接点との間で発生するアークを所定の方向に引き延ばすローレンツ力を発生させる引き延ばし手段を備え、
前記複数の保護カバーは、少なくとも、各前記固定接点から前記所定の方向の位置に配置されていることを特徴とする、継電器。この継電器では、引き延ばし手段によってアークの消弧を促進することができると共に、アークの引き延ばし方向に保護カバーを配置することによって接合部を十分に保護することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、継電器、継電器の製造方法、継電器を備えた車両や船舶等の移動体等の態様で実現することができる。
第1実施例における継電器5を備えた電気回路1の構成を示す説明図である。 継電器5の外観斜視図である。 継電器5の上面外観図である。 継電器5の断面図である。 継電器5の断面斜視図である。 保護カバー120の構成を示す説明図である。 第1実施例の第1変形例における保護カバー120の固定方法を示す説明図である。 第1実施例の第2変形例における継電器5bの構成を示す説明図である。 第2実施例における継電器5cの断面図である。 第2実施例における継電器5cの断面斜視図である。 保護カバー120cの構成を示す説明図である。 第2実施例の変形例における保護カバー120dの構成を示す説明図である。
A.第1実施例:
A−1.継電器の構成:
図1は、第1実施例における継電器5を備えた電気回路1の構成を示す説明図である。本実施例の電気回路1は、例えばハイブリッドカーや電気自動車といった車両に搭載される。電気回路1は、直流電源(蓄電池)2と、継電器5と、電流変換装置3と、負荷としてのモータ4とを備える。電流変換装置3は、インバータおよびコンバータとしての機能を有する。直流電源2からモータ4に電力が供給される電力供給時(直流電源2の放電時)には、電流変換装置3により変換された交流電流がモータ4に供給されてモータ4が駆動される。また、モータ4で回生されたエネルギーを直流電源2に充電する充電時には、電流変換装置3により変換された直流電流が直流電源2に蓄電される。継電器5は、直流電源2と電流変換装置3との間に設けられ、直流大電流(例えば、数十から数百アンペア)の通電のオン/オフ制御を行う。例えば、車両に異常が発生した場合には、継電器5によって直流電源2と電流変換装置3との電気的接続を遮断する。
図2は、継電器5の外観斜視図である。図3は、継電器5の上面外観図である。図4は、継電器5の断面図である。図5は、継電器5の断面斜視図である。各図には、方向を特定するためにXYZ軸が図示されている。本明細書では、継電器5の構成をわかりやすく説明するため、便宜的に、Z軸正方向(後述の可動接触子50の可動接点58が固定端子10の固定接点18に近づく方向であり、請求項における第1の方向に相当する)を上方向と呼び、Z軸負方向(後述の可動接触子50の可動接点58が固定端子10の固定接点18から遠ざかる方向であり、請求項における第2の方向に相当)を下方向と呼ぶものとする。継電器5の設置態様に応じて、各軸に対応する方向は変化し得る。
図2および図3に示すように、継電器5は、継電器本体6と、継電器本体6(より詳細には後述の固定接点18および可動接点58)を挟むように設置された一対の永久磁石800とを備える。継電器本体6は、樹脂製のケース(図示せず)に収容されている。
図2ないし図5に示すように、継電器本体6は、一対の固定端子10と、可動接触子50と、駆動機構90と、第1の容器20と、接合部材30と、ベース部32と、鉄心用容器80とを備える。なお、本明細書では、接合部材30とベース部32と鉄心用容器80とをまとめて第2の容器92とも呼ぶ。
固定端子10は、底部を有する略円筒形状の部材であり、導電性を有する材料(例えば銅を含む金属材料)により形成されている。固定端子10は、中心軸がZ軸方向となり、底部が下側(Z軸負方向側)に位置するように配置されている。本実施例では、一対の固定端子10の中心軸間を結ぶ方向がY軸方向である。固定端子10は、電気回路1(図1)の各配線を接続するための接続口12を有する。以下では、一対の固定端子10のうち、直流電源2からモータ4に電流が供給される際(電力供給時)に電流が流入する側をプラス固定端子10Wとも呼び、電流が流出する側をマイナス固定端子10Xとも呼ぶ。固定端子10は、底部の下側に配置された固定接触部19を有する。固定接触部19は、固定端子10の他の部分と同じ材料により形成されていてもよいし、アークによる損傷をより効果的に抑制するために耐熱性のより高い材料(例えばタングステン)により形成されているとしてもよい。固定接触部19における可動接触子50と対向する側の端面(下側の端面)には、固定接点18が形成される。固定端子10における上側(Z軸正方向側)には、略円筒形状の本体部から径方向外側に広がるフランジ部13が形成されている。
第1の容器20は、底部を有する箱形状の部材であり、絶縁性を有する材料(例えばアルミナやジルコニア等のセラミック)により形成された耐熱性に優れた部材である。より具体的には、第1の容器20は、上側に位置する底部24と、第1の容器20の側面(Z軸方向に略平行な面)を形成する側面部22とを有する。第1の容器20における底部24と対向する側(すなわち下側)は開口している。第1の容器20の底部24には、2つの固定端子10が挿入される2つの貫通孔26が形成されている。第1の容器20の貫通孔26に固定端子10が挿入された状態で、各固定端子10のフランジ部13は、第1の容器20の底部24の外側表面(上側の表面)に気密に接合されている。より詳細には、以下の構成により、固定端子10が第1の容器20に接合されている。固定端子10のフランジ部13における第1の容器20の底部24と対向する部分には、固定端子10と第1の容器20との接合部分の破損を抑制するためのダイヤフラム部17が形成されている。ダイヤフラム部17は、固定端子10と第1の容器20との材質の違いによる熱膨張差によって生じる接合部分の応力を緩和する。ダイヤフラム部17は、貫通孔26よりも内径が大きい円筒形状であり、例えばコバール等の合金により形成されている。ダイヤフラム部17は、固定端子10のフランジ部13にろう付け(例えば銀ろう)により接合されている。また、ダイヤフラム部17は、第1の容器20の底部24にろう付けにより接合される。なお、ダイヤフラム部17と固定端子10は一体の部材であってもよい。
接合部材30は、下端部と上端部とに開口が形成された略環状の部材であり、例えば金属材料により形成されている。また、ベース部32は、略矩形状の部材であり、例えば鉄といった金属磁性材料により形成されている。ベース部32の略中央には、後述するロッド60が挿通される貫通孔が形成されている。接合部材30の上端部(開口の周囲の縁部)は、第1の容器20の下端部(開口の周囲の縁部)とろう付けにより気密に接合されている。また、接合部材30の下端部は、ベース部32とレーザー溶接等により気密に接合されている。なお、接合部材30の側面は、下側から上側に向かう方向(Z軸正方向)において、一部分がY軸方向に屈曲している。こうすることで、接合部材30が全体としてZ軸方向に沿って容易に弾性変形可能となり、接合部材30と第1の容器20との熱膨張差により発生する応力が緩和される。
鉄心用容器80は、下端部に底部を有し上端部に開口を有する円筒形状の部材であり、非磁性体で形成されている。鉄心用容器80の上端部は、全周に亘ってベース部32の貫通孔周縁とレーザー溶接等により気密に接合されている。
このように、上述した各部材(固定端子10、第1の容器20、接合部材30、ベース部32、鉄心用容器80)が互いに気密に接合されることで、継電器本体6の内部に、固定端子10の固定接触部19(固定接点18)と可動接触子50とが収容される気密空間100が形成される。気密空間100には、アーク発生による固定接触部19や可動接触子50の発熱を抑制するために、例えば水素又は水素を主体とするガスが大気圧以上(例えば、2気圧)で封入されている。すなわち、上述の各部材の接合後、気密空間100の内側と外側とを連通する通気パイプ69を介して気密空間100内が真空引きされ、その後、通気パイプ69を介して気密空間100内に水素等のガスが所定圧になるまで封入される。水素等のガスが所定圧封入された後、水素等のガスが気密空間100から外側に漏れ出さないように、通気パイプ69が加締められる。
可動接触子50は、略平板形状の部材であり、導電性を有する材料(例えば銅を含む金属材料)により形成されている。可動接触子50は、一対の固定端子10W,10Xが対向する対向方向(Y軸方向)に延びる接触子本体52を有する。接触子本体52における固定端子10の固定接触部19と対向する部分には、可動接点58を含む可動接触部57が形成されている。より詳細には、接触子本体52の上記対向する部分には、接触子本体52から固定接触部19側(上側)に突出した可動接触部57が設けられており、可動接触子50が上方向に移動した際に固定端子10と接触する可動接触部57の部分が可動接点58である。可動接触部57は、可動接触子50の他の部分と同じ材料(例えば銅)により形成されるとしてもよいし、アークによる損傷をより効果的に抑制するために耐熱性のより高い材料(例えばタングステン)により形成されるとしてもよい。また、可動接触部57は、必ずしも接触子本体52から突出した形状である必要はなく、接触子本体52のうち固定接触部19と対向する部分が可動接触部57であるとしてもよい。可動接触子50の固定端子10に対向する側とは反対側(下側)には、円環状の2つの溝51が形成されており、円環状の溝51の中央部分には、下側に突出する円柱状の突起53が形成されている。また、接触子本体52における一対の可動接触部57の間の中央付近には、後述するロッド60が挿通される貫通孔が形成されている。
継電器本体6は、また、可動接触子50の下側に配置された土台部37を備える。土台部37は、例えば、合成樹脂やセラミックにより形成されている。土台部37は、水平方向(Z軸方向に垂直な方向)に延びる平板形状の土台本体31を有する。土台本体31は、ベース部32に固定されている。土台本体31における可動接触子50の溝51と対向する部分には、円環状の溝33が形成されている。また、土台部37における円環状の溝33の中央部分には、上側に突出する円柱状の突起34が形成されている。
可動接触子50と土台部37との間には、2つの圧縮コイルばね62が配置されている。各圧縮コイルばね62の上端部は、可動接触子50の各突起53に嵌め込まれると共に各溝51内に配置され、下端部は、土台部37の各突起34に嵌め込まれると共に各溝33内に配置される。各圧縮コイルばね62は、可動接触子50を固定端子10に近づく方向(上方向)に付勢する。なお、2つの圧縮コイルばね62を区別する場合には、プラス固定端子10Wに対応する圧縮コイルばね62を圧縮コイルばね62Wと呼び、マイナス固定端子10Xに対応する圧縮コイルばね62を圧縮コイルばね62Xと呼ぶ。各圧縮コイルばね62W,62Xは、対応する可動接触部57の真下に配置されている。なお、圧縮コイルばね62W,62Xは、駆動機構90の非動作状態において、圧縮状態で配置されていてもよいし、非圧縮状態(自由長)で配置されていてもよい。
駆動機構90は、可動接触子50を上下方向(Z軸方向)に移動させて、継電器5のオン状態とオフ状態とを切り替える。駆動機構90は、ロッド60と、ベース部32と、固定鉄心70と、可動鉄心72と、鉄心用容器80と、コイル44と、コイルボビン42と、コイル用容器40と、ばね64とを有する。コイル44は、中空円筒状の樹脂製のコイルボビン42に巻き付けられている。コイル用容器40は、磁性体であり、例えば鉄等の金属磁性材料により形成されている。コイル用容器40は直方体状であり、内側にコイル44を収容する。鉄心用容器80は、上述のごとく有底筒状であり、底部にはゴム86が配置されている。固定鉄心70は、円柱状であり、上端から下端に亘って貫通孔70hが形成されている。固定鉄心70の一部は鉄心用容器80の内側に収容されている。固定鉄心70は、ベース部32に溶接等により固定されている。可動鉄心72は、円柱状であり、貫通孔72hが上端から下端近傍に亘って形成されている。可動鉄心72は、鉄心用容器80の底部上にゴム86を介して収容されている。また、可動鉄心72の上端面は、固定鉄心70の下端面と対向するように配置されている。コイル44に通電することで、可動鉄心72は固定鉄心70に吸引され上方向に移動する。ばね64は、可動鉄心72と固定鉄心70との間に配置され、互いに離間する方向に両部材70,72を付勢する。ロッド60は、非磁性体である。ロッド60は円柱状の軸部60aと、軸部60aの上端に設けられた円板状の一端部60bと、軸部60aの下端に設けられた円弧状の他端部60cとを有する。軸部60aは、上下方向(可動接触子50の移動方向)に移動自在となるように可動接触子50に挿通されている。一端部60bは、コイル44に電流を流していない状態において、接触子本体52における上側(固定端子10対向する側)の面上に配置されている。他端部60cは、溶接等により可動鉄心72に取り付けられている。一端部60bは、駆動機構90が動作していない状態において、可動接触子50が固定端子10に向かって移動することを規制する。
A−2.継電器の切り替え動作:
次に、継電器5におけるオン状態とオフ状態との切り替え動作について説明する。コイル44に通電し駆動機構90を動作させると、可動鉄心72が固定鉄心70に吸引される。すなわち、可動鉄心72がばね64の付勢力に抗して固定鉄心70に近づき、固定鉄心70に当接する。可動鉄心72が上方向に移動すると、可動鉄心72に固定されたロッド60も上方向に移動する。これによりロッド60の一端部60bも上方向に移動する。これにより、可動接触子50の上方向(固定端子10に近づく方向)への移動規制が解除され、圧縮コイルばね62の付勢力により可動接触子50が上方向に移動する。これにより、可動接触子50の可動接点58と対応する固定端子10の固定接点18とが接触し、2つの固定端子10W,10Xが可動接触子50を介して互いに導通して、継電器5がオン状態となる。オン状態の継電器5は、電気回路(図1)において、直流電源2と電流変換装置3とを電気的に接続する。
一方、コイル44への通電を遮断し駆動機構90が非動作状態となると、主にばね64の付勢力により可動鉄心72が固定鉄心70から離れるように下方向に移動する。これにより、ロッド60の一端部60bに押されて可動接触子50も下方向(固定接点18から離れる方向)に移動する。そのため、可動接触子50の可動接点58と対応する固定端子10の固定接点18とが非接触状態となり、2つの固定端子10間の導通が遮断されて、継電器5がオフ状態となる。オフ状態の継電器5は、電気回路1において、直流電源2と電流変換装置3とを電気的に遮断する。
このように、本実施例の駆動機構90は、駆動用部材(ロッド60や圧縮コイルばね62、可動鉄心72)を介して可動接触子50を固定端子10に近づく方向および固定端子10から遠ざかる方向に移動させることにより継電器5のオフ状態とオン状態とを切り替える。より具体的には、駆動機構90は、駆動用部材の移動(例えばロッド60の移動)と変形(例えば圧縮コイルばね62の変形)との少なくとも一方を介して可動接触子50を移動させることにより継電器5のオフ状態とオン状態とを切り替える。
なお、可動接点58が固定接点18から引き離される際には、接点間でアークが発生するが、発生したアークは、継電器本体6の可動接点58および固定接点18を挟むように設置された永久磁石800により発生するローレンツ力によってY軸方向(固定端子10の中心軸間(固定接点18間)を結ぶ方向)に沿って引き伸ばされ、消弧が促進される。すなわち、永久磁石800は、接点間で発生するアークを所定の方向(Y軸方向)に引き延ばすローレンツ力を発生させる引き延ばし手段として機能する。
A−3.保護カバーについて:
図4および図5に示すように、継電器本体6は、2つの固定端子10(2つの固定接点18)に対応する2つの保護カバー120を備えている。図6は、保護カバー120の構成を示す説明図である。図6には、保護カバー120および第1の容器20のZ軸に直交する断面を示している。各保護カバー120は、金属製(例えばステンレス製)である。なお、各保護カバー120は、永久磁石800によるアークの引き延ばし作用を阻害しないように、非磁性体で形成されることが好ましい。
図4ないし図6に示すように、各保護カバー120は、略C字断面形状の板状部材であり、第1の容器20の下端の内側(気密空間100に面する側)の表面に固定されている。2つの保護カバー120の図6に示す断面上の配置は、それぞれが対応する固定接点18を三方から囲むような配置である。すなわち、第1の容器20における下側の開口の周縁の内、Y軸方向に平行な2辺のそれぞれの中央付近には保護カバー120は配置されておらず、それ以外の部分に保護カバー120が配置されている。そのため、2つの保護カバー120は互いに電気的に独立している。すなわち、2つの保護カバー120は、互いに接触していないし、導体を介して互いに接続されてもいない。なお、図6では、保護カバー120と第1の容器20とが点または線で接触しているように図示されているが、保護カバー120と第1の容器20との接触部分の一部または全部は面接触であるとしてもよい。
本実施例では、保護カバー120の第1の容器20への固定方法として、第1の容器20における保護カバー120の固定位置の内寸法より保護カバー120の寸法を予め大きくしておき、保護カバー120を圧縮した状態で第1の容器20の内部の固定位置に挿入して圧縮状態を解放することにより固定する方法を採用している。
図4および図5に示すように、各保護カバー120は、下側(Z軸負方向側)の一部分が第1の容器20の下端面よりも下側に突出するように、第1の容器20に固定されている。また、上述したように、接合部材30の上端部は、第1の容器20の下端部と接合されている。そのため、各保護カバー120は、第1の容器20と接合部材30との接合部BPと各固定接点18との間に介在する。すなわち、各保護カバー120は、各固定接点18から接合部BPへの視線を遮るような位置に配置される。そのため、本実施例の継電器5では、固定接点18と可動接点58との間でアークが発生し、発生したアークが永久磁石800によってY軸方向(固定端子10の中心軸間(固定接点18間)を結ぶ方向)に沿って引き伸ばされても、固定接点18からY軸方向に沿って接合部BPに至る経路には保護カバー120が存在しているため、アークが接合部BPに当たることが抑制される。そのため、本実施例の継電器5では、アークによって接合部BPが損傷し気密空間100の気密性が維持できなくなる事態の発生を抑制することができる。
また、本実施例の継電器5では、2つの保護カバー120が互いに電気的に独立しているため、接点間で発生したアークが保護カバー120に触れても、保護カバー120を介して固定接点18間が電気的に接続されることはなく、大電流時に継電器5による電流の遮断ができなくなる事態の発生を防止することができる。
また、本実施例の継電器5では、保護カバー120が各固定接点18に対応して設けられているため、保護カバー120を簡易な方法で固定することができ、製造コストの増大を抑制することができる。特に、本実施例の継電器5では、保護カバー120が金属製であるため、保護カバー120の固定方法についての設計自由度を向上させることができる。また、本実施例の継電器5では、保護カバー120が第1の容器20に固定されているため、保護カバー120の大きさを必要最小限とすることができると共に、継電器5に振動や衝撃が加わった場合にも保護カバー120の位置ずれが起こりにくい信頼性の高い継電器5を実現することができる。
また、本実施例の継電器5では、保護カバー120は、板状形状であり、第1の容器20の下端面よりも下方向に突出するように第1の容器20に固定されるため、単純な構成の保護カバー120により、接点間で発生したアークが接合部BPに至るまでの距離を効果的に伸ばしてより確実に接合部BPを保護することができる。
A−4.第1実施例の変形例:
図7は、第1実施例の第1変形例における保護カバー120の固定方法を示す説明図である。図7には、保護カバー120が固定される第1の容器20aの側面部22の断面構成を示している。第1実施例の第1変形例では、第1の容器20aが段部21を有する点が、上述した第1実施例と相違している。すなわち、第1実施例の第1変形例では、第1の容器20aの側面部22の内の保護カバー120が固定されるべき部分が、内側が削り取られて厚さが他の部分より薄くなっている。その厚さが切り替わる部分が段部21である。第1の容器20aへの保護カバー120の固定の際には、第1の容器20aの下側の開口から保護カバー120を挿入し、保護カバー120の上端が第1の容器20aの段部21と当接するまで保護カバー120を上方向に移動させることにより、保護カバー120の上下方向(Z軸方向)に沿った位置決めを行う。第1実施例の第1変形例における継電器5のその他の構成は、上述した第1実施例と同様である。そのため、第1実施例の第1変形例では、上述した第1実施例の効果と同様の効果に加えて、保護カバー120の第1の容器20aへの組み付けの際に、位置決め治具を用いることなく容易に保護カバー120の位置決めを行うことができるという効果を奏する。
図8は、第1実施例の第2変形例における継電器5bの構成を示す説明図である。図8には、図4と同様に、継電器5bの継電器本体6bの断面構成を示している。第1実施例の第2変形例では、保護カバー120bの構成が、上述した第1実施例と相違している。すなわち、第1実施例の第2変形例では、保護カバー120bが第1の容器20ではなくベース部32上に固定されている。具体的には、保護カバー120bは、ベース部32に固定された基部124上に設置され、各固定接点18と接合部BPとの間に介在している。基部124は、樹脂やセラミックスといった絶縁性の材料により形成されている。そのため、各保護カバー120bは互いに電気的に独立している。第1実施例の第2変形例における継電器5bのその他の構成は、上述した第1実施例と同様である。そのため、第1実施例の第2変形例における継電器5bでは、第1実施例と同様に、アークによって接合部BPが損傷し気密空間100の気密性が維持できなくなる事態の発生を抑制することができると共に、大電流時に継電器5による電流の遮断ができなくなる事態の発生を防止することができる。
B.第2実施例:
図9は、第2実施例における継電器5cの断面図である。また、図10は、第2実施例における継電器5cの断面斜視図である。図9および図10に示した第2実施例における継電器5cは、主として第1の容器20c、可動接触子50c、接合部材30c、保護カバー120cの構成が、上述した第1実施例における継電器5と相違している。第2実施例の継電器5cのその他の構成は、第1実施例の継電器5と同様であるため、第1実施例と同じ符号を付すと共に説明を省略する。
第2実施例では、継電器5cの継電器本体6cは、2つの固定端子10に対応して2つの第1の容器20cを備えている。各第1の容器20cは、底部を有する円筒形状の部材である。より具体的には、第1の容器20cは、上側に位置する底部24と、第1の容器20cの側面(Z軸方向に略平行な面)を形成する側面部22とを有する。各第1の容器20cにおける底部24と対向する側(すなわち下側)は開口している。各第1の容器20cの底部24には、1つの固定端子10が挿入される1つの貫通孔26が形成されている。各第1の容器20cの貫通孔26に対応する固定端子10が挿入された状態で、各固定端子10のフランジ部13は、各第1の容器20cの底部24の外側表面(上側の表面)に気密に接合されている。
接合部材30cの下端部には1つの開口が形成されており、接合部材30cの上端部には2つの開口が形成されている。接合部材30cの上端部における2つの開口以外の部分は、可動接触子50cの移動方向(Z軸方向)に略直交する平板形状の平板部となっている。接合部材30cの下端部は、ベース部32とレーザー溶接等により気密に接合されている。また、接合部材30cの上端部において、各開口を規定する周縁部は、対応する第1の容器20cの下端部の開口を規定する端面に例えばろう付けにより気密に接合されている。
第2実施例の継電器本体6cでは、第1実施例と同様に、このような構成の第1の容器20cおよび接合部材30cと、固定端子10、ベース部32、鉄心用容器80とが互いに気密に接合されることで、固定端子10の固定接触部19(固定接点18)と可動接触子50cとが収容される気密空間100が形成される。
可動接触子50cは、中央部52と、延伸部54と、対向部56とを備える。中央部52は、一対の固定端子10W,10Xが対向する対向方向(Y軸方向)に延びる形状である。中央部52の中央付近には貫通孔55が形成されている。貫通孔55には、ロッド60が挿通されている。延伸部54は、中央部52の両端から2つの固定端子10に向かって延びる形状である。対向部56は、延伸部54の一端から水平方向に延びる形状である。対向部56のうち、固定接点18と対向する対向面は、固定接点18と接触する可動接点58を形成する。
駆動機構90は、上述した第1実施例と同様に、ロッド60と、ベース部32と、固定鉄心70と、可動鉄心72と、鉄心用容器80と、コイル44と、コイルボビン42と、コイル用容器40と、第1のばね62と、第2のばね64とを有する。第2のばね64は、固定鉄心70の貫通孔70hに挿通されている。第2のばね64の一端は鉄心キャップ68に当接し、他端は可動鉄心72の上端面に当接している。第2のばね64は、可動鉄心72が固定鉄心70から離れる方向(下方向)に可動鉄心72を付勢する。第1のばね62は、可動接触子50cと固定鉄心70の間に配置されている。第1のばね62は、可動接点58と固定接点18とが近づく方向(上方向)に可動接触子50cを付勢する。
コイル44に通電すると、可動鉄心72が固定鉄心70に吸引される。すなわち、可動鉄心72が第2のばね64の付勢力に抗して固定鉄心70に近づき、固定鉄心70に当接する。可動鉄心72が上方向に移動すると、可動鉄心72に固定されたロッド60も上方向に移動する。これによりロッド60の一端部60bも上方向に移動する。これにより、可動接触子50cの動きの規制が解除され、第1のばね62の付勢力により、可動接触子50cが上方向(固定接点18に近づく方向)に移動する。これにより、各固定接点18と対応する各可動接点58とが接触し、2つの固定端子10が可動接触子50cを介して導通して、継電器5cがオン状態となる。一方、コイル44への通電が遮断されると、主に第2のばね64の付勢力により可動鉄心72が固定鉄心70から離れるように下方向に移動する。これにより、ロッド60の一端部60bに押されて可動接触子50cも下方向(固定接点18から離れる方向)に移動する。よって、各可動接点58が各固定接点18から引き離され、2つの固定端子10間の導通が遮断され、継電器5cがオフ状態となる。このように、本実施例の駆動機構90は、駆動用部材(ロッド60や第1のばね62h、可動鉄心72)を介して可動接触子50hを移動させることにより継電器5hのオフ状態とオン状態とを切り替える。より具体的には、駆動機構90は、駆動用部材の移動と変形との少なくとも一方を介して可動接触子50hを移動させることにより継電器5hのオフ状態とオン状態とを切り替える。
ここで、第2実施例の継電器本体6cは、第1実施例と同様に、2つの固定端子10(2つの固定接点18)に対応する2つの保護カバー120cを備えている。図11は、保護カバー120cの構成を示す説明図である。図11には、図6と同様に、保護カバー120cおよび第1の容器20cのZ軸に直交する断面を示している。図9ないし図11に示すように、各保護カバー120cは、略C字断面形状の板状部材であり、各第1の容器20cの下端の内側(気密空間100に面する側)の表面に固定されている。そのため、2つの保護カバー120cは、互いに電気的に独立している。各保護カバー120cは、略C字断面形状における断面欠損部分(スリット部分)が固定接点18からY軸方向には位置しないように、第1の容器20cに固定されている。
本実施例では、保護カバー120cの第1の容器20cへの固定方法として、第1の容器20cにおける保護カバー120cの固定位置の内寸法より保護カバー120cの径を予め大きくしておき、保護カバー120cを圧縮した状態で第1の容器20cの内部の固定位置に挿入して圧縮状態を解放することにより固定する方法を採用している。
各保護カバー120cは、下側(Z軸負方向側)の一部分が第1の容器20cの下端面よりも下側に突出するように、第1の容器20cに固定されている。また、接合部材30cの上端部は、第1の容器20cの下端部と接合されている。そのため、各保護カバー120cは、第1の容器20cと接合部材30cとの接合部BPと各固定接点18との間に介在する。
すなわち、各保護カバー120cは、各固定接点18から接合部BPへの視線を遮るような位置に配置される。そのため、本実施例の継電器5cでは、固定接点18と可動接点58との間でアークが発生し、発生したアークが永久磁石800によってY軸方向(固定端子10の中心軸間(固定接点18間)を結ぶ方向)に沿って引き伸ばされても、固定接点18からY軸方向に沿って接合部BPに至る経路には保護カバー120cが存在しているため、アークが接合部BPに当たることが抑制される。そのため、本実施例の継電器5cでは、アークによって接合部BPが損傷し気密空間100の気密性が維持できなくなる事態の発生を抑制することができる。特に、第2実施例の継電器5cでは、1つの箱形状の第1の容器20を備える第1実施例と比較して、2つの円筒状の第1の容器20cを備えるため、端子間の絶縁性能を向上させることができると共に、第1の容器20cの耐圧性を向上させることができるが、接合部BPの距離が長くなって接合部BPの保護の必要性が高まる。第2実施例の継電器5cでは、このような接合部BPの保護の必要性が高い継電器5cにおいて、保護カバー120cを設けることによって接合部BPをアークから十分に保護することができる。
また、本実施例の継電器5cでは、2つの保護カバー120cが互いに電気的に独立しているため、接点間で発生したアークが保護カバー120cに触れても、保護カバー120cを介して固定接点18間が電気的に接続されることはなく、大電流時に継電器5cによる電流の遮断ができなくなる事態の発生を防止することができる。
また、本実施例の継電器5cでは、保護カバー120cが各固定接点18に対応して設けられているため、保護カバー120cを簡易な方法で固定することができ、製造コストの増大を抑制することができる。特に、本実施例の継電器5cでは、保護カバー120cが金属製であるため、保護カバー120cの固定方法についての設計自由度を向上させることができる。また、本実施例の継電器5cでは、保護カバー120cが第1の容器20cに固定されているため、保護カバー120cの大きさを必要最小限とすることができると共に、継電器5cに振動や衝撃が加わった場合にも保護カバー120cの位置ずれが起こりにくい信頼性の高い継電器5cを実現することができる。
また、本実施例の継電器5cでは、保護カバー120cは、板状形状であり、第1の容器20cの下端面よりも下方向に突出するように第1の容器20cに固定されるため、単純な構成の保護カバー120cにより、接点間で発生したアークが接合部BPに至るまでの距離を効果的に伸ばしてより確実に接合部BPを保護することができる。
図12は、第2実施例の変形例における保護カバー120dの構成を示す説明図である。図12には、図11と同様に、保護カバー120dのZ軸に直交する断面を示している。第2実施例の変形例では、保護カバー120dの断面形状が、上述した第2実施例と相違している。すなわち、第2実施例の変形例における保護カバー120dの断面形状は、リング形状である。第2実施例の変形例では、保護カバー120dを圧入によって第1の容器20に固定する。保護カバー120dの側面にスリット(保護カバー120dにおける接合部BPと対向する箇所には伸びていない形状のスリット)を形成すると、圧入の際の第1の容器20への負担が軽減されるため好ましい。この場合に、スリットが固定端子10からY軸方向の位置には配置されないような向きで保護カバー120dを第1の容器20に固定することが好ましい。なお、保護カバー120dの固定方法は、圧入に限らず、ろう付けや接着剤による接着、それらの組み合わせといった他の固定方法を採用することも可能である。
第2実施例の変形例では、保護カバー120dの断面形状がリング形状という単純な形状であるため、保護カバー120dの製造工程を単純化することができ、製造コストを低減することができる。また、第2実施例の変形例では、上記第2実施例のように保護カバー120に断面欠損部分が無いため、保護カバー120dの第1の容器20への固定の際に保護カバー120dの向きを気にする必要がなく、保護カバー120dの組み付け作業を単純にすることができ、さらに製造コストを低減することができる。なお、第2実施例の変形例における継電器5のその他の構成は、上述した第2実施例と同様であるため、第2実施例の変形例における継電器5では、上述した第2実施例と同様の効果を得られる。
C.その他の変形例:
なお、本発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態として実現することが可能であり、例えば次のような変形例としても実現可能である。
C1.変形例1:
上記実施例において、継電器5が使用される電気回路1の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、電気回路1は、さらにコンデンサやヒューズを備えているとしてもよい。また、上記実施例では、継電器5はハイブリッドカーや電気自動車に搭載される電気回路1用に使用されるとしているが、継電器5は他の用途(例えば太陽光発電装置用)にも使用可能である。
C2.変形例2:
上記実施例における継電器5の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施例では、第1の容器20における接合部材30との接合部BPは第1の容器20の下端面に位置するとしているが、接合部BPが第1の容器20の外側表面に位置するとしてもよい。この場合にも、保護カバー120によって接合部BPをアークから保護することができる。また、上記第2実施例では、第1の容器20が略円筒形状であるとしているが、第1の容器20は例えば略直方体形状といった他の形状であるとしてもよい。また、保護カバー120の形状は、第1の容器20の形状に合わせて適宜変更可能である。
また、上記第2実施例において、第1実施例の第1変形例と同様に、第1の容器20cに保護カバー120cの位置決めのための段部が設けられているとしてもよい。また、上記第2実施例において、第1実施例の第2変形例と同様に、保護カバー120cが第1の容器20cではなくベース部32cに固定されているとしてもよい。また、上記第1実施例の第1変形例では、段部21によって保護カバー120の位置決めを行うとしているが、他の構成によって保護カバー120の位置決めを実現するとしてもよい。例えば、第1の容器20の内側表面に凸部を設けると共に保護カバー120の表面に凹部を設け、保護カバー120の凹部と第1の容器20の凸部とを勘合させることにより保護カバー120の位置決めを行うとしてもよい。また、上記実施例では、駆動機構90として、可動鉄心72を磁力により移動させる機構を用いたが、これに限られるものではなく、可動接触子50を移動させるための他の機構を用いてもよい。例えば、可動接触子50に外部から伸縮自在に操作可能なリフト部を設置し、リフト部の伸縮により可動接触子50を移動させる機構を採用してもよい。また、上記実施例の駆動機構90において、ロッド60の一端部60bを可動接触子50に接合してもよい。こうすることで、ばね62を設けなくても可動鉄心72の移動に連動して可動接触子50も移動させることができる。また、上記実施例において、必ずしも可動接点58の数に対応したばね62を用いる必要はなく、各可動接点58に共通して1つのばね62が用いられるとしてもよい。また、上記実施例におけるばね62の代わりに、皿ばねや板ばね等の各種ばね部材やゴムといった弾性変形可能な他の部材を採用することもできる。また、上記実施例において、各部材の形状や、各部材間の接合位置および接合方法は、任意に設定可能である。
1…電気回路
2…直流電源
3…電流変換装置
4…モータ
5…継電器
6…継電器本体
10…固定端子
12…接続口
13…フランジ部
17…ダイヤフラム部
18…固定接点
19…固定接触部
20…第1の容器
21…段部
22…側面部
24…底部
26…貫通孔
30…接合部材
31…土台本体
32…ベース部
33…溝
34…突起
37…土台部
40…コイル用容器
42…コイルボビン
44…コイル
50…可動接触子
51…溝
52…接触子本体
53…突起
54…延伸部
55…貫通孔
56…対向部
57…可動接触部
58…可動接点
60…ロッド
60a…軸部
60b…一端部
60c…他端部
62…ばね
64…ばね
68…鉄心キャップ
69…通気パイプ
70…固定鉄心
70h…貫通孔
72…可動鉄心
72h…貫通孔
80…鉄心用容器
86…ゴム
90…駆動機構
92…第2の容器
100…気密空間
120…保護カバー
122…保護部
124…基部
800…永久磁石

Claims (4)

  1. それぞれ固定接点を有する複数の固定端子と、各前記固定接点にそれぞれ対応する複数の可動接点を有する可動接触子と、前記可動接触子を各前記固定端子に近づく第1の方向および各前記固定端子から遠ざかる第2の方向に移動させる駆動用部材と、前記複数の固定端子と接合される絶縁性の第1の容器と、前記第1の容器に接合され、前記可動接触子と各前記固定接点とが収容される気密空間を前記第1の容器および前記複数の固定端子と共に形成する第2の容器と、を備える継電器において、
    2つの前記固定接点と、前記2つの固定接点に対応する2つの前記第1の容器とを備え、
    前記2つの第1の容器の各々と前記第2の容器との2つの接合部と前記2つの固定接点との間に、互いに電気的に独立した複数の金属製の保護カバーを、前記2つの固定接点の各々に対応した第1の容器に、各々固定して備え、
    各前記第1の容器の各々は、前記第1の方向に平行な軸を有する略円筒形状であることを特徴とする、継電器。
  2. 請求項1に記載の継電器において、
    前記第1の容器は、前記第1の方向に沿った各前記保護カバーの位置を決める位置決め手段を有することを特徴とする、継電器。
  3. 請求項1に記載の継電器において、
    各前記保護カバーの前記第1の方向に直交する断面形状はリング形状であることを特徴とする、継電器。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の継電器において、
    さらに、前記固定接点と前記可動接点との間で発生するアークを所定の方向に引き延ばすローレンツ力を発生させる引き延ばし手段を備え、
    前記複数の保護カバーは、少なくとも、各前記固定接点から前記所定の方向の位置に配置されていることを特徴とする、継電器。
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