JP5991848B2 - 継電器 - Google Patents
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前記第1の容器と前記第2の容器との接合部と各前記固定接点との間に、互いに電気的に独立した複数の金属製の保護カバーを備えることを特徴とする、継電器。この継電器では、保護カバーにより接点間で発生するアークから第1の容器と第2の容器との接合部を有効に保護することができる。また、この継電器では、複数の保護カバーが互いに電気的に独立しているため、接点間で発生したアークが保護カバーに触れても保護カバーを介して固定接点間が電気的に接続されることはなく、大電流時に継電器による電流の遮断ができなくなる事態の発生を防止することができる。特に、この継電器では、保護カバーが金属製であるため、保護カバーの固定方法についての設計自由度を向上させることができる。
各前記保護カバーは、前記第1の容器に固定されていることを特徴とする、継電器。この継電器では、保護カバーの大きさを必要最小限とすることができると共に、継電器に振動や衝撃が加わった場合にも保護カバーの位置ずれが起こりにくい信頼性の高い継電器を実現することができる。
前記第1の容器は、前記第1の方向に沿った各前記保護カバーの位置を決める位置決め手段を有することを特徴とする、継電器。この継電器では、保護カバーの第1の容器への組み付けの際に、位置決め治具を用いることなく容易に保護カバーの位置決めを行うことができる。
2つの前記固定端子と、2つの前記固定端子に対応する2つの前記第1の容器と、を備え、
各前記第1の容器は、前記第1の方向に平行な軸を有する略円筒形状であることを特徴とする、継電器。この継電器では、2つの固定端子に対応する2つの第1の容器を備えるため、端子間の絶縁性能を向上させることができると共に、第1の容器の耐圧性を向上させる。また、継電器では、第1の容器と第2の容器との接合部の距離が比較的長くなるが、このような接合部の保護の必要性が高い継電器においても、保護カバーによって接合部をアークから十分に保護することができる。
各前記保護カバーの前記第1の方向に直交する断面形状はリング形状であることを特徴とする、継電器。この継電器では、保護カバーの断面形状がリング形状という単純な形状であるため、保護カバーの製造工程を単純化することができ、製造コストを低減することができる。また、この継電器では、保護カバーに断面欠損部分が無いため、保護カバーの第1の容器への固定の際に保護カバーの向きを気にする必要がなく、保護カバーの組み付け作業を単純にすることができ、さらに製造コストを低減することができる。
さらに、前記固定接点と前記可動接点との間で発生するアークを所定の方向に引き延ばすローレンツ力を発生させる引き延ばし手段を備え、
前記複数の保護カバーは、少なくとも、各前記固定接点から前記所定の方向の位置に配置されていることを特徴とする、継電器。この継電器では、引き延ばし手段によってアークの消弧を促進することができると共に、アークの引き延ばし方向に保護カバーを配置することによって接合部を十分に保護することができる。
A−1.継電器の構成:
図1は、第1実施例における継電器5を備えた電気回路1の構成を示す説明図である。本実施例の電気回路1は、例えばハイブリッドカーや電気自動車といった車両に搭載される。電気回路1は、直流電源(蓄電池)2と、継電器5と、電流変換装置3と、負荷としてのモータ4とを備える。電流変換装置3は、インバータおよびコンバータとしての機能を有する。直流電源2からモータ4に電力が供給される電力供給時(直流電源2の放電時)には、電流変換装置3により変換された交流電流がモータ4に供給されてモータ4が駆動される。また、モータ4で回生されたエネルギーを直流電源2に充電する充電時には、電流変換装置3により変換された直流電流が直流電源2に蓄電される。継電器5は、直流電源2と電流変換装置3との間に設けられ、直流大電流(例えば、数十から数百アンペア)の通電のオン/オフ制御を行う。例えば、車両に異常が発生した場合には、継電器5によって直流電源2と電流変換装置3との電気的接続を遮断する。
次に、継電器5におけるオン状態とオフ状態との切り替え動作について説明する。コイル44に通電し駆動機構90を動作させると、可動鉄心72が固定鉄心70に吸引される。すなわち、可動鉄心72がばね64の付勢力に抗して固定鉄心70に近づき、固定鉄心70に当接する。可動鉄心72が上方向に移動すると、可動鉄心72に固定されたロッド60も上方向に移動する。これによりロッド60の一端部60bも上方向に移動する。これにより、可動接触子50の上方向(固定端子10に近づく方向)への移動規制が解除され、圧縮コイルばね62の付勢力により可動接触子50が上方向に移動する。これにより、可動接触子50の可動接点58と対応する固定端子10の固定接点18とが接触し、2つの固定端子10W,10Xが可動接触子50を介して互いに導通して、継電器5がオン状態となる。オン状態の継電器5は、電気回路(図1)において、直流電源2と電流変換装置3とを電気的に接続する。
図4および図5に示すように、継電器本体6は、2つの固定端子10(2つの固定接点18)に対応する2つの保護カバー120を備えている。図6は、保護カバー120の構成を示す説明図である。図6には、保護カバー120および第1の容器20のZ軸に直交する断面を示している。各保護カバー120は、金属製(例えばステンレス製)である。なお、各保護カバー120は、永久磁石800によるアークの引き延ばし作用を阻害しないように、非磁性体で形成されることが好ましい。
図7は、第1実施例の第1変形例における保護カバー120の固定方法を示す説明図である。図7には、保護カバー120が固定される第1の容器20aの側面部22の断面構成を示している。第1実施例の第1変形例では、第1の容器20aが段部21を有する点が、上述した第1実施例と相違している。すなわち、第1実施例の第1変形例では、第1の容器20aの側面部22の内の保護カバー120が固定されるべき部分が、内側が削り取られて厚さが他の部分より薄くなっている。その厚さが切り替わる部分が段部21である。第1の容器20aへの保護カバー120の固定の際には、第1の容器20aの下側の開口から保護カバー120を挿入し、保護カバー120の上端が第1の容器20aの段部21と当接するまで保護カバー120を上方向に移動させることにより、保護カバー120の上下方向(Z軸方向)に沿った位置決めを行う。第1実施例の第1変形例における継電器5のその他の構成は、上述した第1実施例と同様である。そのため、第1実施例の第1変形例では、上述した第1実施例の効果と同様の効果に加えて、保護カバー120の第1の容器20aへの組み付けの際に、位置決め治具を用いることなく容易に保護カバー120の位置決めを行うことができるという効果を奏する。
図9は、第2実施例における継電器5cの断面図である。また、図10は、第2実施例における継電器5cの断面斜視図である。図9および図10に示した第2実施例における継電器5cは、主として第1の容器20c、可動接触子50c、接合部材30c、保護カバー120cの構成が、上述した第1実施例における継電器5と相違している。第2実施例の継電器5cのその他の構成は、第1実施例の継電器5と同様であるため、第1実施例と同じ符号を付すと共に説明を省略する。
すなわち、各保護カバー120cは、各固定接点18から接合部BPへの視線を遮るような位置に配置される。そのため、本実施例の継電器5cでは、固定接点18と可動接点58との間でアークが発生し、発生したアークが永久磁石800によってY軸方向(固定端子10の中心軸間(固定接点18間)を結ぶ方向)に沿って引き伸ばされても、固定接点18からY軸方向に沿って接合部BPに至る経路には保護カバー120cが存在しているため、アークが接合部BPに当たることが抑制される。そのため、本実施例の継電器5cでは、アークによって接合部BPが損傷し気密空間100の気密性が維持できなくなる事態の発生を抑制することができる。特に、第2実施例の継電器5cでは、1つの箱形状の第1の容器20を備える第1実施例と比較して、2つの円筒状の第1の容器20cを備えるため、端子間の絶縁性能を向上させることができると共に、第1の容器20cの耐圧性を向上させることができるが、接合部BPの距離が長くなって接合部BPの保護の必要性が高まる。第2実施例の継電器5cでは、このような接合部BPの保護の必要性が高い継電器5cにおいて、保護カバー120cを設けることによって接合部BPをアークから十分に保護することができる。
なお、本発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態として実現することが可能であり、例えば次のような変形例としても実現可能である。
上記実施例において、継電器5が使用される電気回路1の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、電気回路1は、さらにコンデンサやヒューズを備えているとしてもよい。また、上記実施例では、継電器5はハイブリッドカーや電気自動車に搭載される電気回路1用に使用されるとしているが、継電器5は他の用途(例えば太陽光発電装置用)にも使用可能である。
上記実施例における継電器5の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施例では、第1の容器20における接合部材30との接合部BPは第1の容器20の下端面に位置するとしているが、接合部BPが第1の容器20の外側表面に位置するとしてもよい。この場合にも、保護カバー120によって接合部BPをアークから保護することができる。また、上記第2実施例では、第1の容器20が略円筒形状であるとしているが、第1の容器20は例えば略直方体形状といった他の形状であるとしてもよい。また、保護カバー120の形状は、第1の容器20の形状に合わせて適宜変更可能である。
2…直流電源
3…電流変換装置
4…モータ
5…継電器
6…継電器本体
10…固定端子
12…接続口
13…フランジ部
17…ダイヤフラム部
18…固定接点
19…固定接触部
20…第1の容器
21…段部
22…側面部
24…底部
26…貫通孔
30…接合部材
31…土台本体
32…ベース部
33…溝
34…突起
37…土台部
40…コイル用容器
42…コイルボビン
44…コイル
50…可動接触子
51…溝
52…接触子本体
53…突起
54…延伸部
55…貫通孔
56…対向部
57…可動接触部
58…可動接点
60…ロッド
60a…軸部
60b…一端部
60c…他端部
62…ばね
64…ばね
68…鉄心キャップ
69…通気パイプ
70…固定鉄心
70h…貫通孔
72…可動鉄心
72h…貫通孔
80…鉄心用容器
86…ゴム
90…駆動機構
92…第2の容器
100…気密空間
120…保護カバー
122…保護部
124…基部
800…永久磁石
Claims (4)
- それぞれ固定接点を有する複数の固定端子と、各前記固定接点にそれぞれ対応する複数の可動接点を有する可動接触子と、前記可動接触子を各前記固定端子に近づく第1の方向および各前記固定端子から遠ざかる第2の方向に移動させる駆動用部材と、前記複数の固定端子と接合される絶縁性の第1の容器と、前記第1の容器に接合され、前記可動接触子と各前記固定接点とが収容される気密空間を前記第1の容器および前記複数の固定端子と共に形成する第2の容器と、を備える継電器において、
2つの前記固定接点と、前記2つの固定接点に対応する2つの前記第1の容器とを備え、
前記2つの第1の容器の各々と前記第2の容器との2つの接合部と前記2つの固定接点との間に、互いに電気的に独立した複数の金属製の保護カバーを、前記2つの固定接点の各々に対応した第1の容器に、各々固定して備え、
各前記第1の容器の各々は、前記第1の方向に平行な軸を有する略円筒形状であることを特徴とする、継電器。 - 請求項1に記載の継電器において、
前記第1の容器は、前記第1の方向に沿った各前記保護カバーの位置を決める位置決め手段を有することを特徴とする、継電器。 - 請求項1に記載の継電器において、
各前記保護カバーの前記第1の方向に直交する断面形状はリング形状であることを特徴とする、継電器。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の継電器において、
さらに、前記固定接点と前記可動接点との間で発生するアークを所定の方向に引き延ばすローレンツ力を発生させる引き延ばし手段を備え、
前記複数の保護カバーは、少なくとも、各前記固定接点から前記所定の方向の位置に配置されていることを特徴とする、継電器。
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