WO2021177428A1

WO2021177428A1 - 錠剤カセット

Info

Publication number: WO2021177428A1
Application number: PCT/JP2021/008583
Authority: WO
Inventors: 義人大村
Original assignee: 株式会社トーショー
Priority date: 2020-03-06
Filing date: 2021-03-05
Publication date: 2021-09-10

Abstract

複雑な機構を用いることなく、ロータ全体を交換することなく、ロータの錠剤収納室の寸法を変えることができる錠剤カセットを提供する。ロータ４０が、回転軸４１と一緒に回転するロータ本体４２と、ロータ本体４２の外周部に錠剤収納室５４を有する複数の錠剤収納部材５０が固定される複数の被固定部４４を備える。複数の錠剤収納部材５０と複数の被固定部４４は、複数の錠剤収納部材５０を対応する複数の被固定部４４に着脱可能に結合する結合構造（４６，４７，５２，５３）によってそれぞれ結合されている。

Description

錠剤カセット

　本発明は、病院や薬局等で行われる調剤を自動化するための錠剤フィーダにおいて被駆動部を成す錠剤カセットに関するものであり、詳しくは、錠剤を収容する錠剤容器と錠剤容器の中のロータとを具備していてロータが回転駆動されると錠剤をロータの周囲に整列させながら錠剤容器の排出口から逐次落下させる錠剤カセットに関する。

　従来の錠剤フィーダは（例えば特許文献１の図１，特許文献２の図１、特許文献３の図５を参照）、給電や制御のために錠剤分包機の引出棚や錠剤分割装置の本体部などに固定して列設される駆動部と、錠剤補充作業の容易化などのため駆動部に対して着脱自在になっている錠剤カセットを用いる。この錠剤フィーダは、多数の錠剤を錠剤カセットの錠剤容器の錠剤収納空間にランダム収納しておき、必要に応じて駆動部を間欠動作または連続動作させて、錠剤カセットから錠剤を一つずつ送り出すようになっている。このような錠剤フィーダは、錠剤を上から下へ移動させながら、複数の錠剤を１錠ずつ落下させる排出口へと移動させて、逐次排出を行う。

　また、従来の錠剤カセットでは、錠剤の整列箇所である環状間隙を錠剤一つ分ずつ区切るために、環状間隙に突き出た羽根状の隔壁が、ロータの外周面に周方向に等ピッチで多数形成されている。そして隣り合う隔壁の間のスペースが、ロータの上から落ちてきた錠剤を一個ずつ収める錠剤収納室になっている。

特開２００５－１９２７０２号公報特開２０１３－０３９２３７号公報特開２０１９－１４１３３０号公報

　このような錠剤カセットは、錠剤収納室の寸法を変えることができない。そこで錠剤を一個ずつ収める錠剤収納室の寸法を大きくしたり、小さくしたりすることを可能にする錠剤カセットも本出願の発明者によって提案されている。具体的に、特願２０１８－２４１１６２号には、回転軸に外装されて複数の錠剤収納部を連動させて周方向に拡縮する周方向拡縮機構及び径方向に拡縮する径方向拡縮機構を有するロータを備えた錠剤カセットが提案されている。

　しかしながら、この錠剤カセットでは、周方向拡縮機構ばかりか、径方向拡縮機構までも、複数の錠剤収納部室を連動させて拡縮させるようにしたことから、機能や性能は大きく向上したが、構造が複雑になってしまった。そのため、部品数の増加や・部材の繊細化組立工数の増加といった製造コストに係る負担が大きくなってしまった。

　本発明の目的は、使い勝手が多少悪くなっても、複雑な機構を用いることなく、ロータ全体を交換することなく、ロータの錠剤収納室の寸法を変えることができる錠剤カセットを提供することにある。

　以下、図面に付した符号を用いて、本発明の構成を説明する。本発明の錠剤カセットは、複数の錠剤をランダムに収容する錠剤収容空間２２と、錠剤収容空間２２内の複数の錠剤を１錠ずつ落下させる排出口２８を底壁部２５に備えた錠剤容器２０と、底壁部２５と直交する方向に軸線が延びる回転軸４１と、回転軸４１の回転に伴って錠剤容器２０の錠剤収容空間２２内において軸線を中心にして回転するロータを有している。本発明で用いるロータ４０は、錠剤を一つずつ収納して排出口２８に錠剤を通過させうる錠剤収納室５４を有する複数の錠剤収納部材５０を回転軸の回転方向に並ぶように備えている。具体的には、ロータ４０は、回転軸４１と一緒に回転するロータ本体４２と、ロータ本体４２の外周部に複数の錠剤収納部材５０が固定される複数の被固定部４４を備えている。複数の錠剤収納部材５０と複数の被固定部４４は、複数の錠剤収納部材５０を対応する複数の被固定部４４に着脱可能に結合する結合構造（４６，４７，５２，５３）によってそれぞれ結合されている。

　本発明によれば、ロータ本体の外周部に着脱可能に複数の錠剤収納部材を結合させることにより、ロータ本体を共用して、ロータ本体の複数の被固定部に対して複数の錠剤収納部材を結合させるという比較的簡便な作業にて、サイズの異なる錠剤の取り扱いに適した錠剤収納部材を有するロータを備えた錠剤カセットを提供できる。しかも、構造の簡素化によって、構成部品の種類数や，連動用の繊細な部材の有無・個数，組立工数などは大きく削減される。したがって、本発明によれば、複数個の錠剤収納部材の管理と交換という小さめの作業負担は増えることになるが、製造コストを低減して、所望の錠剤カセットを実現することができる。

　結合構造は、複数の錠剤収納部材５０を複数の被固定部４４に個別に結合させる複数のコネクタ４６，５２によって構成することができる。結合構造に、コネクタを用いると、複数の錠剤収納部材５０をロータ本体に簡単に着脱することができる。コネクタ４６，５２は、嵌合構造により結合を実現するものが好ましい。

　具体的な嵌合構造は、嵌合部が錠剤収納部材に設けられた凹部４６及び凸部５２の一方であり、被嵌合部が被固定部に設けられた凹部４６及び凸部５２の他方である。凹凸が嵌合することによって、ロータ本体４２と複数の常時収納部材５０の相対位置が確定し、特に周方向と軸方向とについては両者の相対位置が堅固に確定するうえ、作業者が装着完了状態を明瞭に把握することもできる。しかもロータ本体に錠剤収納部材を装着し終えて出来上がったロータを錠剤容器の中に収めると、錠剤収納部材がロータ本体と錠剤容器との間隙に収まって径方向に移動することが規制されるので、凹凸の嵌合が確実に維持される。したがって、本発明によれば、ロータを所望の錠剤に適合させるに際して複数の錠剤収納部材をロータ本体に脱着させるのが容易な錠剤カセットを実現することができる。

　コネクタは、永久磁石４７，５３の磁力を利用して結合を実現する構造を有しているものでもよい。磁力を結合に利用すれば、錠剤収納部材５０の位置決め及び結合を確実且つ簡単に実現できる。

　嵌合構造は、嵌合部が錠剤収納部材５０に設けられ、被嵌合部が被固定部４４に設けられており、嵌合部及び被嵌合部の一方に永久磁石４７，５３が装着されており、嵌合部及び被嵌合部の他方に永久磁石の磁力によって吸引される磁性体４７，５３が装着されている構造でもよい。嵌合構造に加えて磁力を利用すれば、複数の錠剤収納部材を更に確実にロータ本体に結合させることができる。またロータ本体に錠剤収納部材を着脱して行うロータの交換作業を軽い力でも的確に行え、更にそのロータを錠剤容器に着脱するときにも錠剤収納部材の脱落や位置ずれ等を気にする必要がないという利点が得られる。また磁石組込箇所の形成工程の総て又は一部を凹凸形成工程により済ませることができ、製造作業負担が軽減される。

　結合構造は、複数の錠剤収納部材５０を複数の被固定部４４に個別に結合させる複数のコネクタ４６，５２と、複数の錠剤収納部材５０を１つの収納部材列６０，７０を構成するように、隣合う二つの錠剤収納部材５０を相互に連結する複数の連結部６１，６２，７１によって構成することもできる。複数の錠剤収納部材５０が複数の連結部により連結された１つの収納部材列６０，７０を構成すると、ロータ本体４２に対して少ない作業工数で複数の錠剤収納部材を結合させることができる。このような収納部材列６０，７０を用いると、ロータ本体４２の周面に装着される複数の錠剤収納部材５０を付け替えるという比較的簡便な作業により、サイズの異なる錠剤の取り扱いにロータ本体を共用することができる。しかも、構造の簡素化によって、構成部品の種類数や，連動用の繊細な部材の有無・個数，組立工数などは大きく削減される。すなわち錠剤収納部材５０が複数個になったことに起因して増加する作業負担や管理負担が、一組分の錠剤収納部材を一列に繋いて収納部材列に纏めたことにより、抑制され、また場合によっては軽減される。さらに収納部材列をロータ本体に巻き付けると、一括で複数の錠剤収納部材６０が被固定部に一対一で保持される。したがって錠剤収納部材の個数が多数であってもそれらの取り付け作業や更には取り外し作業まで負担が少なくて済む。

　収納部材列６０．７０の複数の連結部６１，６２，７１は、該収納部材列をロータ本体４２の外周部に巻き付ける作業により、ロータ本体４２の複数の被固定部４４に複数の錠剤収納部材５０を複数のコネクタ４６，５２により結合させることができる構造を有しているのが好ましい。収納部材列の巻き付け作業により、複数の錠剤収納部材をロータ本体に結合させることができれば、ロータの組み立て作業を短い時間で行うことができる。

　例えば、連結部６１，６２，７１は、隣り合う二つの錠剤収納部材５０の一方を他方に対して揺動させることができる構造を有しているのが好ましい。具体的には、連結部６１，６２は、隣り合う二つの錠剤収納部材の一方に固定された軸部６１Ａを中心して他方の錠剤収納部材を回動させるヒンジ機構６１，６２によって構成することができる。このようにすると係合操作だけで、簡便に、ロータ本体に巻き付け可能な収納部材列を作り上げることができる。

　また連結部は、隣り合う二つの錠剤収納部材間を延びる可撓性材料からなる可撓性連結部材７１によって構成することができる。これらの連結部であれば、複数の錠剤収納部材５０を比較的簡単な構造で、隣り合う二つの錠剤収納部材を揺動可能に連結することできる。複数の錠剤収納部材を一列に繋ぐ手段として、平紐状の可撓性連結部材を採用したことにより、錠剤収納部材同士を係合させる手法に比べて、部材数は一つ増えるが、複数の軸回転可能な連結部を形成する必要が無くなるので、より簡便に、ロータ本体に巻き付け可能な収納部材列を作り上げることができる。なお複数の錠剤収納部材を一列に繋ぐ手段として、平紐状の可撓性連結部材を採用すると、錠剤収納部材同士を係合させる手法に比べて、部材数は一つ増えるが、複数の軸回転可能な連結部を形成する必要が無くなるので、より簡便に、ロータ本体に巻き付け可能な収納部材列を作り上げることができる。

　錠剤収納部材５０には、被固定部４４に結合された状態で外側から見える位置に識別用の表記５８が付されていてもよい。このような表記５８を設けると、錠剤収納部材をロータ本体に取り付けた後でも識別用の表記を見ることができるので、確認しやすい。

　また錠剤収納部材５０には、被固定部４４に結合された状態で外側から見える位置に上下方向を示す表記５９が付されていてもよい。このようにすると錠剤収納部材をロータ本体に取り付けた後でも上下の表記を見ることができるので、確認しやすい。

　錠剤収納部材５０は、ロータ本体４２の被固定部４４と対向する対向壁部５１と該対向壁部５１の回転方向の両端から回転軸の径方向に延びる一対の側壁部５５を備えているものを用いることができる。この場合、一対の側壁部５５には、回転方向に対向する位置に一対のスリット５６が形成されており、一対のスリット５６は、それぞれ回転方向の両方向と径方向の外側に開口しているものとする。そして錠剤容器２０には、仕切作用部３２を具備した仕切ユニット３０が外装されているものとする。そして仕切作用部３２は、仕切ユニットを錠剤容器に装着した状態で、錠剤容器２０の内部に入って排出口２８の上方で錠剤収納部材５０のスリット５６と同じ高さに位置して、ロータ４０が回転しているときに、スリット５６の内部に入るが、スリット５６と干渉しない形状を有しているものとする。このようにすると、仕切作用部が、錠剤容器の中に入って、排出口の上方に位置するため、仕切作用部より上方に来た余分な錠剤の落下が阻止され、錠剤の過剰な多重排出が防止される。しかも仕切作用部がスリットと同じ高さの所に位置するので、仕切作用部と錠剤収納部材との不所望な干渉も回避される。

　またロータ本体４２の隣り合う二つの被固定部４４の間には、収納部材列６０，７０に含まれる連結部の底壁部側の端縁が当接して収納部材列が底壁部側に下がることを防止する位置ずれ防止手段としての当接部４８ａが設けられているのが好ましい。この構造では、当接部４８ａの存在により収納部材列６０，７０の位置決めを簡単に行える。さらに被固定部４４には、錠剤収納部材５０の一対の側壁部５５と当接して錠剤収納部材の位置決めを図る当接部が位置ずれ防止手段として設けられているのが好ましい。位置ずれ防止手段を設けたことにより、収納部材列６０．７０をロータ本体４２に巻き付けると、随伴して総ての錠剤収納部材６０の保持位置が確定し安定するので、作業負担が一層軽減される。

　ロータの外周面のうち隣り合う錠剤収納室と錠剤収納室との間には、錠剤収納室に似ているが錠剤収納室ではない不要な空間が出来ている。そのため、この不要な空間に錠剤が不所望に落ち込むのを防止するために、この不要な空間の上方には、キャップ部材から張り出す張出部を設けている。ところが、このような張出部が存在していると、その上に来た錠剤は錠剤収納室に落下するまでの時間が長くなりがちなので、錠剤の処理能率の低下を招きやすい。張出部に残った錠剤は、特許文献３の図１や図４（ａ），（ｃ）に示したように、ロータの回転に伴って間欠的にロータが少し突き上げる突き上げ機構を設けることが考えられる。しかしながら、突き上げ機構を用いた対策では、錠剤容器だけでなくロータにも、突き上げ機構を構成する部材を追加するため、ロータの構造が複雑化する。しかも、ロータは、改造負担が相対的に大きくて、錠剤容器のように追加工だけで対応するのが難しい。そこで、ロータを改造しなくても錠剤容器内の錠剤滞留を解消できる錠剤カセットを実現することが望まれる。

　そこで本、錠剤容器２０の蓋部２９には、該蓋部から垂下して、ロータ４０の上の錠剤と接触し、該錠剤を移動させる垂下部材１０４を設ける。このような垂下部材１０４を設ければ、突き上げ機構を設けずに、ロータ４０の上の錠剤に垂下部材１０４が作用して該錠剤を落下させることができる。

　垂下部材１０４と、蓋部２９の下面に設けられて垂下部材１０４を揺動可能に支持する支持構造１０１と、垂下部材１０４の自由端部に向けられた重錘部１０７とから構成される錠剤移動機構１００を設けても良い。このような構造を採用すると、錠剤移動機構の装着先が錠剤容器の蓋部２９だけでも足りるようになって、錠剤容器の本体部分も、それに内装されるロータも、錠剤移動機構を装着しないで済むものとなる。しかも、錠剤カセットに錠剤移動機構を装着するのは、新規カセットの製造時に限られない。既存の蓋部に追加工等にて支持構造１０１を取り付ける態様でも、錠剤移動機構を装着した蓋部にて既存の蓋部を付け替えるだけで、簡便に実現することができる。

　蓋部の下面の支持構造から垂下部材１０４を介して垂れ下がった重錘部１０７は、ロータ４０の回転に伴って移動して来た錠剤が当接すると、その錠剤に押されて垂下部材１０４と共に揺動する。また重錘部１０７は、垂下部材１０４の変形により揺動する。その結果、錠剤に対して直に而も穏やかに干渉するので、要所に集中しながらも無理なく作用してカセット内の錠剤を揺り動かす。したがって、ロータを改造しなくてもカセット内の錠剤滞留を解消しうる錠剤カセットを実現することができる。

　ロータ４０には、隣り合う二つの錠剤収納部材５０の間に錠剤収容空間２２内の錠剤が落下するのを阻止するように径方向に張り出す複数の張出部４９が設けられているのが好ましい。この場合、支持構造１０１は、張出部４９に残留する錠剤と垂下部材１０４が当接して錠剤収納室５４に落下させる位置まで垂下部材１０４を垂下させることができる構造を有しているのが好ましい。このようにすると、張出部の上の滞留錠剤が重錘部との干渉により効率良く錠剤収納部へ誘導されることとなる。

　なお垂下部材１０４としては、重錘部１０７の変位によって弾性変形する構造を有していてもよい。例えば、垂下部材１０は、可撓性を有する筒部材１０６と、筒部材１０６の中空に収められた細長い弾性部材１０５とを具備した構造とすることができる。このようにすると、適度な変形能と適度な復元力とを兼ね備えた垂下部材を簡便に実現することができる。

　なお弾性部材１０６がコイルスプリングであり、重錘部１０７がコイルスプリングには連結されているが筒部材１０６には連結されていない構造とすることができる。このようにすると重錘部１０７に揺動方向とは異なる方向の外力たとえば垂下部材１０４を長手方向へ引き伸ばそうとする外力が作用したときには、コイルスプリングが伸びて、外力の急な作用について衝撃性を緩和するとともに、重錘部の遊動性を高めて重錘部をスムーズに逃がす。その結果、重錘部が錠剤に対して直に当たるときであっても、衝撃が緩和される。

　また蓋部２９の下面には、垂下部材１０４及び重錘部１０７の少なくとも一方を留める係留部１０８が設けられていてもよい。この場合、支持構造１０１は、錠剤収容空間２２内の錠剤の減少に応じて、係留部１０８からの係留を解かれた垂下部材１０４が徐々に垂下状態に至るように構成されている。係留部を設けて垂下部材または重錘部を着脱できるようにすれば、錠剤移動機構を使用しないときには、係留部に垂下部材また重錘部を係留しておき、錠剤移動機構を使用するときには係留部から垂下部材または重錘部を外して垂下部材をたれ下げておくことができる。

蓋部を取り外した実施の形態１の錠剤カセットと駆動部４要部の縦断面図である。ロータの外観斜視図である。ロータの平面図である。ロータの展開斜視図である。（Ａ）乃至（Ｄ）は、錠剤収納部材の斜視図、平面図、縦断側面図及び正面図である。（Ａ）乃至（Ｄ）は、図５に示した錠剤収納部材と比べて錠剤収納室の幅寸法が小さい錠剤収納部材の斜視図、平面図、縦断側面図及び正面図である。実施の形態２の錠剤カセットで用いるロータの外観斜視図である。実施の形態３で用いるロータの構造を示す図である。図８に示すロータから２つの錠剤収納部材を離した状態の外観斜視図である。実施の形態３のロータ本体の外観斜視図である。（Ａ）はロータ本体に装着される側の収納部材列の外観斜視図であり、（Ｂ）は収納部材列の錠剤収納室が見える側からみた外観斜視図である。（Ａ）は錠剤収納室側の別の納部材列の外観斜視図であり、（Ｂ）はロータ本体への装着側に係る別の納部材列の外観斜視図である。実施の形態５で用いるロータと錠剤移動機構を示す斜視図である。実施の形態６で用いるロータと錠剤移動機構を示す斜視図である。錠剤移動機構の全体斜視図である。錠剤移動機構の分解斜視図である。錠剤移動機構を係留した状態を示す斜視図である。錠剤移動機構の変形例を示す斜視図である。

　以下図面を参照して、本発明の錠剤カセットの実施の形態を詳細に説明する。

　［実施の形態１］
　図１は、図示しない蓋部を取り外した本実施の形態の錠剤カセット１０とその装着先の駆動部４の要部の縦断面図である。また、図２はロータ４０の外観斜視図であり、図３はロータ４０の平面図であり、図４はロータ４０の展開斜視図である。さらに、図５（Ａ）乃至（Ｄ）は、錠剤収納部材５０の斜視図、平面図、縦断側面図及び正面図である。図６（Ａ）乃至（Ｄ）は、図５に示した錠剤収納部材５０と比べて錠剤収納室５４の幅寸法が小さい錠剤収納部材５０の斜視図、平面図、縦断側面図及び正面図である。

　錠剤カセット１０は（図１参照）、従来品（例えば特許文献１～３参照）を部分的に改造した錠剤容器２０と、錠剤容器２０やその従来品に対する組み込み互換性を維持しながら錠剤収納室５４の可変機能を付加する錠剤収納部材５０を備えたロータ４０とを具備している。

　錠剤容器２０は、プラスチックの射出成型などで量産される箱形の容器本体２１を主体にしたものである。容器本体２１の内部空間が多数の錠剤をランダム収容しうる錠剤収容空間２２になっており、錠剤補充時等には図示しない蓋部により錠剤収容空間２２を開閉する。容器本体２１の外側には持ち運び用の把手２３が設けられており、容器本体２１の下部が駆動部４に対する着脱部２４になっている。なお、図１において駆動部４として示したものは、錠剤カセット１０を着脱する対象とされるベースの上端部分であり、錠剤カセット１０には含まれない。

　また、錠剤容器２０は、容器本体２１の底壁部２５のうち一カ所に（図１では底壁部２５の左側のエリアに）、排出口２８が貫通形成されている。ロータ４０が回転軸４１を中心として回転して、錠剤収納部材５０に収納された錠剤が排出口２８の上に運ばれてくると、その錠剤は排出口２８を通して下方へ落下する。さらに、錠剤容器２０は、容器本体２１に仕切ユニット３０を着脱できる構造を有している。そして、仕切保持部３１を容器本体２１に外側から装着して、仕切作用部３２を容器本体２１のスリットから錠剤収容空間２２へ差し込むと、仕切作用部３２が排出口２８の上方に位置する。この状態では、仕切作用部３２より下の錠剤は落下するが、仕切作業部よりも上の錠剤の落下は阻止される。その結果、錠剤の落下は１つずつ行われる。

　また錠剤容器２０は、ベルト保持部３３も容器本体２１に対して外側から装着できる又は着脱できる構造を有している。ベルト保持部３３は、例えば丸紐状のゴム製で伸縮性を有する無端ベルト３４を張った状態で保持するものである。仕切ユニット３０を容器本体２１に装着して、無端ベルト３４を容器本体２１のスリットから錠剤収容空間２２へ差し込むと、無端ベルト３４が排出口２８及び仕切作用部３２の上方に位置する。

　ロータ４０は（図２乃至図４参照）、従来品と同様に（例えば特許文献１～３参照）、回転軸４１と一緒に回転可能な状態で錠剤容器２０に収められて、ロータ本体４２に結合された錠剤収納部材５０により、錠剤収容空間２２の底壁部側に複数の錠剤収納室（本例では４個の錠剤収納室５４）を形成する。ロータ４０は、錠剤収納室５４の中に落ち入った錠剤を回転時に錠剤収納室５４と共に排出口２８の上に移送する。

　本実施の形態では、図４に示すように、ロータ４０は、回転軸４１と一緒に回転するロータ本体４２と、ロータ本体４２の外周部に４個の錠剤収納部材５０が固定される４箇所の被固定部４４を備えている。４個の錠剤収納部材５０と４カ所の被固定部４４は、４個の錠剤収納部材５０を対応する４カ所の被固定部４４に着脱可能に結合する結合構造（４６，４７，５２，５３）によってそれぞれ結合されている。後に詳しく説明するが、本実施の形態で用いる結合構造（４６，４７，５２，５３）は、４個の錠剤収納部材５０を４カ所の被固定部４４に個別に結合させる４つのコネクタ（４６，５２）によって構成されている。コネクタ（４６，５２）は、嵌合構造により結合を実現するものである。本実施の形態の嵌合構造は、嵌合部が錠剤収納部材５０に設けられた凸部５２であり、被嵌合部が被固定部４４に設けられた凹部４６である。凸部と凹部の関係は、逆になってもよいのは勿論である。

　ロータ４０は（図１乃至図４参照）、上述した回転軸４１からなる脚部と、着脱式の４つの錠剤収納部材５０が結合される４カ所の被固定部４４を備えたロータ本体４２からなる胴部と、傘部４３からなる頭部とを具備している。回転軸４１とロータ本体４２と傘部４３とが一体的になって、謂わばロータ共用部４１～４３を成している。着脱式の４個の錠剤収納部材５０は、錠剤の寸法に合わせた錠剤収納室５４のサイズが同じものが１セットとして用いられる。錠剤の寸法が大きく変わる場合には、異なるサイズの錠剤収納室５４を備えた４個の錠剤収納部材５０からなる別の１セットが用意され、共通のロータ本体４２に装着される。図５の錠剤収納部材５０と、図６の錠剤収納部材５０は錠剤収納室５４の寸法が異なる点で相違する。

　なおロータ４０は、回転軸４１の突き出し部分を除いた大部分が、容器本体２１の内部の錠剤収容空間２２の中に位置する内挿部分になっている。そして、１セットの錠剤収納部材５０を装着したロータ４０を、上述したように錠剤容器２０の底壁部２５に対して装着したことで、容器本体２１の内周面２７（ロータ内挿空間）とロータ４０の外周部との間に、本例の場合、四つの錠剤収納室５４が画成される。以下、ロータ４０の各部材４１～４３，５０について詳述する。

　回転軸４１は、錠剤容器２０の底壁部２５の貫通穴２６に挿入されて、底壁部２５を回転可能な状態で貫通する。回転軸４１の下端部が底壁部２５から外へ突き出ていて駆動部４の回転駆動軸６と嵌合・噛合する。したがってこのロータ４０は、既成の錠剤カセットのロータと互換性がある。

　傘部４３は（図１，図２参照）、中央部位が高くそこから周縁部へなだらかに下る傾斜面が形成された部分であり、その上に来た錠剤２を周囲に向けて滑落させる。ロータ本体４２は（特に図４参照）、傘部４３の周縁部と同じく回転軸４１より太くなっている。ロータ本体４２の外周部には、４つの錠剤収納部材５０を装着させるための４つの被固定部４４が形成されている。図示の例では、４つの被固定部４４は、周方向に９０°間隔で形成されている。それぞれの被固定部４４は、回転軸４１の仮想得線に沿って延び且つ該仮想軸線と直交し且つ径方向に延びる仮想線が法線となる平面４５をそれぞれ備えている（図３及び図４参照）。そしてこの平面４５のほぼ中央に凹部４６が形成されている。凹部４６の開口部の輪郭形状は、円形を呈している。そして凹部４６の底面上には、円板状の永久磁石４７が固定されており、永久磁石４７の上には、円柱状の空間が残っている。

　また、ロータ本体４２の外周部には、周方向に隣り合う二つの平面４５の間に、平面４５よりも径方向外側に突出した突出部分４８が形成されている。４つの突出部分４８の外周面は円弧面を呈しており、４つの突出部分４８の上端には、径方向外側に延びる張出部４９が一体に形成されている。張出部４９の平面形状は扇形を呈している。張出部４９の外周部分の外径寸法は、錠剤容器２０の内周面２７の内径寸法より少しだけ小さい。

　錠剤収納部材５０は、ロータ本体４２の被固定部４４の平面４５と対向する対向壁部５１と該対向壁部５１の回転方向の両端から回転軸の径方向に延びる一対の側壁部５５を備えている。一対の側壁部５５、５５には、回転方向に対向する位置に一対のスリット５６が複数段形成されており、一対のスリット５６は、それぞれ回転方向の両方向と径方向の外側に開口している。錠剤収納部材５０の対向壁部５１は、ロータ４０のロータ本体４２の被固定部４４に装着するときに、被固定部４４の平面４５と対向させると被固定部４４にピッタリ収まる外面部５１Ａと、この外面部５１Ａと厚み方向に対向する内面部５１Ｂとを有している。錠剤収納部材５０の対向壁部５１には、ロータ本体４２の被固定部４４に設けた凹部４６と対向する部位に、凹部４６に嵌入しうる円筒状の凸部５２が形成されている。そして円筒状の凸部５２には永久磁石５３が嵌め込まれている。

　また一対の側壁部５５，５５には、ロータ４０の回転方向に対向する位置に一対のスリット５６が上下方向に間隔をあけて３組形成されている。これら３組の一対のスリット５６は、それぞれ回転方向の両方向と径方向の外側に開口している。錠剤収納部材５０のスリット５６は、４箇所の被固定部４４に４つの錠剤収納部材５０を装着した状態で、錠剤収納部材５０を被固定部４４へ装着したときに、ロータ４０の外周面となる位置に配置されることになる。本実施の形態では、図１に示すように、仕切作用部３２が、仕切ユニット３０を錠剤容器２０に装着した状態で、錠剤容器２０の内部に入って排出口２８の上方で錠剤収納部材５０の一組の一対のスリット５６（中段の一対のスリット５６）に入る。スリット５６は、ロータ４０が回転しているときに、仕切作用部３２がスリット５６の内部に入るが、スリット５６と干渉しない寸法を有している。この例では、一対の側壁部５５，５５の内面と対向壁部５１の内面とによって囲まれる空間が、１つの錠剤収納室５４を構成している。

　本実施の形態では、ロータ本体４２の被固定部４４に錠剤収納部材５０を装着すると（図１乃至図３参照）、前述の凸部５２と凹部４６とが嵌合するとともに、永久磁石４７と永久磁石５３とが磁力で引き合って、錠剤収納部材５０が被固定部４４に安定保持される。また仕切作用部３２は、仕切ユニット３０の錠剤容器２０への装着時に錠剤容器２０の内部に入って排出口２８の上方で錠剤収納部材５０のスリット５６と同じ高さに位置する。さらに本実施の形態では、ロータ本体４２の外周面のうち隣り合う被固定部４４，４４の間に位置する４つの突出部分４８が、錠剤収納部材５０のスリット５６よりも内側寄りに位置している。しかも、４つの突出部分４８の上方には、錠剤２が錠剤収納室５４以外の所へ落下するのを阻止するために、張出部４９が突き出ている。

　また、使用する錠剤収納部材５０には、錠剤収納室５４が大きいもの（図５参照）、錠剤収納室５４が小さめもの（図６参照）がある。上述のように取り扱い対象の錠剤２の形状に応じた寸法の錠剤収納室５４を有する錠剤収納部材５０が使い分けられる。そこで図５及び図６に示すように、管理し易いように、而も装着状態でも目視し易いように、錠剤収納部材５０のうち装着状態で外部からみることができる錠剤収納室５４の内面５７に、適合錠剤のサイズ区分を示す「Ｗ９．５　Ｄ９．５」や「Ｗ７．５　Ｄ７．５」といった識別用表記５８が付されている。さらに、同じ内面５７のうち別の部位には、装着に適した姿勢の上下方向を示す『↑』などといった上下表記５９が付されている。

　この実施例１の錠剤カセット１０について、その使用態様及び動作を、上述した図面を参照しながら説明する。新たに開発された錠剤であって、従来の専用カセット（例えば既述した特許文献１～３を参照）を製作して取り扱うほどに使用される量には未だなっていないが、手撒き作業などで取り扱うだけで足りるほど少数しか使用されないものでもない錠剤には、サイズの比較的大きなものが多い。また、大きめの錠剤は、一回の服用で複数個を使用することが少ないことから、短時間の間に続けて多数個をカセットから逐次排出させることが少ない。そのため、本実施例のように、錠剤収納室５４は少数だが錠剤収納部材５０の付け替えにより、簡便に錠剤収納室５４のサイズを変更しうる錠剤カセット１０は、大きめの錠剤の自動排出に適している。

　また錠剤カセット１０では、錠剤収納室５４のサイズを錠剤の使用に先立って錠剤のサイズに適合させる必要があり、適切な錠剤収納部材５０の選択を人手作業にて行う。その選択作業は、まず取り扱い対象の錠剤２について縦・横・高さをノギス等にて測定する。次に測定値のうち縦・横の値より僅かに大きな該当値（図５及び図６の識別用表記５８を参照）を持った錠剤収納部材５０を選出する。なお、上記の測定値のうち高さの値については、仕切ユニット３０の調整時に使用する。仕切作用部３２が高さ測定値より高い位置のスリット５６の所に来るように仕切ユニット３０を調整しておく。

　そして、選択した錠剤収納部材５０をロータ共用部４１～４３のロータ本体４２の被固定部４４に一つずつ装着する。このとき、上下の向きを確認しつつ（図５及び図６の上下表記５９を参照）、錠剤収納部材５０の対向壁部５１の外面部５１Ａをロータ本体４２の被固定部４４の平面４５に突き当ててから錠剤収納部材５０を上下に軽く移動させると、錠剤収納部材５０の凸部５２とロータ本体４２の凹部４６とが嵌合する。同時に、錠剤収納部材５０の磁石５３とロータ本体４２の磁石４７とが引き合うので、錠剤収納部材５０が被固定部４４の適切な箇所に位置決めされるとともに固定的に保持される。

　このような簡便な作業を行うだけで、総ての錠剤収納室５４のサイズが錠剤２の大きさに適合したロータ４０の調整作業が完了する。そしてそのロータ４０を錠剤容器２０に装着すると（図１参照）、錠剤カセット１０が所望の錠剤のランダム収容及び逐次排出に使用できるものになる。そこで、錠剤カセット１０に適量の錠剤を補充するとともに、錠剤分包機等に実装されている錠剤カセットで取り敢えず使用しないで済むものを選出して、その錠剤カセットを駆動部から取り外し、その駆動部に錠剤カセット１０を取り付ける。

　その後の使い方や動作は既述品と同様なので、煩雑な詳細説明は割愛する。図１及び図２に破線で示すように、錠剤容器２０の錠剤収容空間２２に錠剤２を投入すると、錠剤２は傘部４３の斜面を滑り落ち、一部の錠剤２は、すんなり錠剤収納室５４に入り込んで、ロータ４０の回転に随伴して排出口２８に運ばれ、仕切作用部３２より下のものだけが落下排出される。また、他の錠剤２は、張出部４９の上に乗ってロータ４０の回転に随伴して排出口２８の上方に運ばれる。張出部４９の上の錠剤総てが直ちに落下する訳でなく、その錠剤は無端ベルト３４との干渉によって張出部４９の上で位置ずれし、空いている錠剤収納室５４の上へずれて来たものだけが錠剤収納室５４に落ち込む。このようにして、錠剤カセット１０では、ロータ４０の回転により錠剤２が逐次排出される。

　［実施の形態２］
　本発明の錠剤カセットの実施の形態２について、その具体的な構成を、図７を参照して説明する。図７は、実施の形態２の錠剤カセットで用いるロータ４０の外観斜視図であり、手前の錠剤収納部材５０だけロータ本体４２から取り外されている状態を示している。

　このロータ４０が上述した実施例１のロータ４０と相違するのは、このロータ本体４２が五個の錠剤収納部材５０を装着できるようになっている点と、ロータ本体４２の被固定部４４の平面４５の凹部４６に組み込まれていた磁石４７が、強磁性体６７になっている点である。なお、強磁性体６７の相手方の磁石５３は永久磁石のままである。

　強磁性体６７は、錆止めメッキを施された鉄製ネジなど、安価な汎用品を採用することも可能であり、相手方の磁石５３の向きによって反発するということもなく、使い勝手が良い。磁石５３の磁力を受けて磁化すれば、引き合う力が増すことにもなる。凹部４６の内部に装着できればネジに限定されないが、ネジであれば部品の調達や着脱作業も容易である。平面４５の凹部４６にネジキリ加工を施しておくのも容易であるが、ロータ本体４２の材質の選択によってはタッピングネジを使用して取り付け作業を一層容易にすることも可能である。

　［実施の形態３］
　本発明の錠剤カセットの実施の形態３について、その具体的な構成を、図８乃至図１２を参照して説明する。図８及び図９は、それぞれ実施の形態３で用いるロータ４０の構造を示しており、図９がロータ４０から２つの錠剤収納部材５０を離した状態の外観斜視図をしている。そして図１０がロータ４０のロータ本体４２を含むロータ共用部（４１～４３）の外観斜視図である。さらに、図１１（Ａ）がロータ本体４２に装着される側の収納部材列６０の外観斜視図、図１１（Ｂ）が収納部材列６０の錠剤収納室５４が見える側からみた外観斜視図である。

　実施の形態３で用いるロータ４０は、第２の実施の形態のロータ４０と同様に、５つの錠剤収納部材５０を備えている。本実施の形態では、複数の錠剤収納室５４を簡便にサイズ変更できるようにするために、ロータ４０は、収納部材列６０を具備している［図１１（Ａ）及び図１１（Ｂ）参照］。収納部材列６０は、一列に繋がった５個の錠剤収納部材５０からなり、隣り同士の錠剤収納部材５０，５０を繋ぐ連結部（６１，６２）が、隣り合う二つの錠剤収納部材５０，５０の一方に固定された軸部６１Ａを中心して他方の錠剤収納部材を回動させるヒンジ機構を構成している。したがって収納部材列６０は、直線状に真っ直ぐ伸ばすことも［図１１（Ａ）及び（Ｂ）］、五角形状に丸めてロータ本体４２の周面に巻き付けて装着することもできる（図８参照）。収納部材列６０がロータ本体４２に巻き付けられると、５つの錠剤収納部材５０が５カ所の被固定部４４に一対一で対応するとともに錠剤収納部材５０が被固定部４４に嵌め込まれるかのようにして装着される（図８，図９参照）。これにより複数の錠剤収納部材５０の複数の錠剤収納室５４は、回転軸４１の回転に随伴して循環する。

　五個の錠剤収納部材５０を連ねた一つの収納部材列６０をロータ本体４２に巻き付け装着したロータ４０を、上述したように錠剤容器２０（図１）の内底に対して装着させるようにしたことで、容器本体２１の内周面２７（ロータ内挿空間）とロータ４０の外周部との間に、本例の場合、五つの錠剤収納室５４が画成される。

　以下、上述の実施の形態１及び２と相違する部分について説明する。本実施の形態において、実施の形態１及び２と共通する部分には、実施の形態１及び２の説明に用いた符号と同じ符号を図面上の各部材に付して説明を省略する。

　図１１（Ａ）に示すように、収納部材列６０では、連結部（６１，６２）の結合を補助する観点から、両端の２つの錠剤収納部材５０にだけ磁石５３が装着されている。複数の錠剤収納部材５０は（図９及び図１１参照）、一対の側壁部５５，５５の一方には、対向壁部５１寄りの位置に軸部６１Ａを有するＬ字型の係止部６１を備え、一対の側壁部５５，５５の他方には対向壁部５１寄りの位置に軸部６１Ａに係止される横断面がＣ字形のフック部６２Ａを有する被係止部６２を備えている。連結部を構成する係止部６１と被係止部６２は、軸部６１Ａの中央部分をフック部６２Ａの切れ目からフック部６２Ａの内側へ押し込むと、軸部６１Ａとフック部６２Ａは、係止されて軸部６１Ａを中心として回転可能な連結状態になる。そして係止部６１と被係止部６２が係止されると、隣り合う２つの錠剤収納部材５０，５０を離隔方向へ引っ張っても簡単には離脱しない。連結状態のときに、軸部６１Ａの中央部分をフック部６２Ａの切れ目の方に引いて抜けば、軸部６１Ａはフック部６２Ａから容易に分離する。

　収納部材列６０は［図１１（Ａ），（Ｂ）参照］、係止部６１と被係止部６２を備えた錠剤収納部材５０を、ロータ本体４２の複数の被固定部４４と同じ個数（五個）、向きを揃えて一列に並べながら、係止部６１と被係止部６２とを係止させて鎖状に繋いだ一本の組み物（アッセンブリ）である。ロータ４０のロータ本体４２から収納部材列６０が外されているときには、一つの連結部を構成する係止部６１と被係止部６２だけ分離させて、残りの連結部（６１，６２）は総て結合させた状態にすると、取り扱いが容易になる。これに対し、収納部材列６０をロータ本体４２に巻き付けてロータ４０に組み込むときには（図８参照）、総ての連結部（６１，６２）が結合されて、収納部材列６０は円環状態になり、各錠剤収納部材５０が各被固定部４４に一つずつ装着される。

　ロータ本体４２に対し（図１０参照）、収納部材列６０［図１１（Ａ），図１１（Ｂ）］を巻き付けると、ロータ本体４２の五つの被固定部４４それぞれに一つずつ錠剤収納部材５０が装着される。このときに何れの装着箇所）でも嵌合部である凸部５２と被嵌合部である凹部４６とからなるコネクタが嵌合する。また解放状態において収納部材列６０の両端に位置する２つの錠剤収納部材５０の凸部５２内に装着した磁石５３が、対応する被固定部４４に設けられた凹部４６内に装着した永久磁石４７と、磁力で引き合って、錠剤収納部材５０が被固定部４４に安定保持される。図８に示すように、錠剤収納部材５０が被固定部４４に装着されると、錠剤収納部材５０のスリット５６が、ロータ４０の外周面に配置されたものになる。

　この実施の形態３の錠剤カセット１０について、その使用態様及び動作を、上述した図面等を引用しながら説明する。収納部材列６０をロータ本体４２の側周面に巻き付ける際には、上下表記５９を見て（図１１（Ｂ）参照）、上下の向きを確認して巻き付けを行う。また５つの被固定部４４に一つずつ錠剤収納部材５０が当たるように、収納部材列６０の位置合わせも行う。具体的には、錠剤収納部材５０の対向壁部５１をロータ本体４２の被固定部４４の平面４５に突き当ててから錠剤収納部材５０を上下に軽く移動させると、錠剤収納部材５０の凸部５２とロータ本体４２の凹部４６とが嵌合するとともに、収納部材列６０の両端の錠剤収納部材５０の磁石５３と該当箇所のロータ本体４２の磁石４７とが引き合って仮止めされる。それから、収納部材列６０の両端の係止部６１と被係止部６２を係止させる。このようにすると、収納部材列６０の総ての錠剤収納部材５０、ひいては錠剤収納室５４が被固定部４４の適切な箇所に位置決めされるとともに固定的に保持される。

　本実施の形態では、このような簡便な作業を行うだけで、総ての収納室５４のサイズが錠剤２に適合して、ロータ４０の調整作業が完了する。

　［実施の形態４］
　本発明の錠剤カセットの実施の形態４について、その具体的な構成を、図面を参照して説明する。図１２（Ａ）及び（Ｂ）は、上述した収納部材列６０とは異なる態様の収納部材列７０を図示している。図１２（Ａ）は、収納室５４側の収納部材列７０の外観斜視図であり、図１２（Ｂ）がロータ本体４２への装着側（対向壁部５１が見える側）に係る収納部材列７０の外観斜視図である。この錠剤カセットが上述した実施の形態３の錠剤カセット１０と相違するのは、収納部材列６０に代えて収納部材列７０が導入されている点である。

　この収納部材列７０では、五個の錠剤収納部材５０を一列に繋ぐ連結手段として、複数の連結部（６１，６２）でなく、平紐状の可撓性材料（例えば、ゴムバンドや軟質の合成樹脂製バンド）からなる可撓性連結部材７１が一本だけ採用されている。可撓性連結部材７１は、錠剤収納部材５０の対向壁部５１に対して部分的に食い込む態様で［図１２（Ｂ）参照］、それぞれの錠剤収納部材５０と強く結合している。この結合は、嵌合でもよいが、接着剤を用いてもよい。この例では、隣り合う二つの錠剤収納部材５０の間に位置する可撓性連結部材７１の部分７２が、連結部を構成している。またこの収納部材列７０が装着されるロータ本体は、外周部に円筒面を有する円筒状に形成されている。更に可撓性連結部材７１の両端部には、その両端部同士が付き合わされると、上記部分７２と同じ寸法になる連結用半部７３，７３が設けられている。これら連結用半部７３，７３は、付き合わされた状態で、連結金具や接着テープなどで相互に連結される。

　なお収納部材列７０の錠剤収納部材５０にも、収納室５４の内面５７に、適合錠剤のサイズ区分を示す「Ｗ１２．５－Ｄ１１．５」といった識別用表記５８や、装着に適した姿勢の上下方向を示す『↑』といった上下表記５９が、付されている。また可撓性連結部材７１は、長い平坦面を持っているので、管理データ等をバーコード等で記した識別情報担体７３を付すこともできる。

　［実施の形態５及び６］
　図１３に示した実施の形態５では、図１乃至図６を用いて説明した実施の形態１に、図１５乃至図１７に示した錠剤移動機構１００を追加している。また図１４に示した実施の形態６では、図８乃至図１１を用いて説明した実施の形態３に錠剤移動機構１００（図１５乃至図１７）を追加している。したがって以下の説明では、図１乃至図１１に示した部材と共通する部材には、図１乃至図１１に付した符号と同じ符号を付して説明を省略する。

　図１３及び図１５乃至図１７に示すように、錠剤移動機構１００は、錠剤容器２０の図示しない蓋部の下面に取り付けて固定される支持構造１０１と、支軸１０３にて支持構造１０１に取り付けられて使用時には垂下し且つ揺動可能状態にされる垂下部材１０４及び重錘部１０７を含んでいる。支持構造１０１は、概ね横長のものであり、長手方向の両端には掛止用の端部１０９Ａ，１０９Ｂを有している。支持構造１０１の一方の端部１０９Ｂの近くには、支軸１０３を軸回転可能に保持する軸支部１０２が一体に形成されており、支持構造１０１の他方の端部１０９Ａの近くには、垂下部材１０４を係留しておくための係留部１０８が一体に形成されている。

　図１５及び図１６に示すように、垂下部材１０４は、適度な弾撥力を持ったコイルスプリングからなる弾性部材１０５と、それと同じ長さかそれより少しだけ短いプラスチックチューブ等の可撓性部材からなる筒部材１０６とを組み合わせた直棒状の構造を有している。弾性部材１０５は筒部材１０６の内部に収められており、弾性部材１０５の一端部が支軸１０３に連結され、弾性部材１０５の他端部が重錘部１０７に連結されている。これに対し、筒部材１０６は、支軸１０３にも重錘部１０７にも連結されていない。筒部材１０６の内径寸法は、支軸１０３の長さ寸法及び重錘部１０７の径方向寸法よりも小さいので、筒部材１０６は、弾性部材１０５から抜け落ちることがなく、支軸１０３と重錘部１０７との間に留まり続ける。

　重錘部１０７は、当たりの柔らかな全ゴム製の球体や、芯部に金属等の錘部材を収めて重量を増した球状体である。このような重錘部１０７と上述した垂下部材１０４とが、支軸１０３の軸支部１０２への挿着によって支持構造１０１と連結されることで、錠剤移動機構１００が組み上がる（図１５参照）。そして、図１３、図１４及び図１９に示すように、錠剤移動機構１００は、垂下部材１０４も重錘部１０７も拘束されない自由状態では、重錘部１０７を最下にして重錘部１０７と垂下部材１０４とが垂れ下がる。また図１７に示すように、垂下部材１０４及び重錘部１０７のうち例えば垂下部材１０４が係留部１０８に載せ置かれて拘束された状態（係留状態）では、垂下部材１０４が支持構造１０１の上部にある蓋部の下面に沿って横向きになり、重錘部１０７が蓋部２９の下面に近寄った状態になる。

　このような錠剤移動機構１００の支持構造１０１は、錠剤容器２０の蓋部２９の下面への取り付けに際して、軸支部１０２が、ロータ４０の回転時に錠剤収納室５４の移動する経路及びそれより少し高い張出部４９の移動経路の上方に位置する部位に取り付けられる。そして、垂下部材１０４と重錘部１０７を自由状態にすると、重錘部１０７も、垂下部材１０４も、錠剤収納室５４の移動経路の上方さらには張出部４９の移動経路の上方に垂れ下がるようになる。そのような重錘部１０７のサイズは、拡大時の錠剤収納室５４の開口サイズや、張出部４９のサイズより、大きいのが好ましい。

　垂下部材１０４が係留部１０８に収められていれば（図１７参照）、図１３及び図１４に示すように、垂下部材１０４を係留部１０８から外して、垂下部材１０４と重錘部１０７とを一緒に移動しうる状態にする。即ち重錘部１０７を錠剤収納室５４や張出部４９の移動経路の上方に垂れ下がりうる自由状態にする。そこに錠剤が無ければ重錘部１０７はぶら下がり状態になるが、錠剤が溜まっていれば重錘部１０７は錠剤の上に乗って落ち着く。それから、錠剤容器２０の蓋部を閉めて、錠剤が錠剤収容空間２２から零れ出ないようにして、錠剤カセット１０を駆動部に取り付ける。

　錠剤カセット１０が駆動部にて駆動されると、ロータ４０が回転して、錠剤収納室５４が排出口２８に対して順送りされる。錠剤収納室５４に入って仕切作用部３２の下へ運ばれて来た錠剤は、一つずつ排出口２８から下方へ落下する。何れの錠剤も、程度の差はあるが、ロータ４０の回転運動により、円状または環状の経路を移動する傾向がある。

　このような傾向があると、ロータ４０の上に多数の錠剤が乗っている場合には、それらの錠剤が恰も塊のように纏まって移動することも起こり得る。本実施の形態では、錠剤の移動経路の上に重錘部１０７が位置しているため、錠剤の塊ができたとしても、複数の錠剤からなる塊が重錘部１０７と衝突して速やかに緩やかに解きほぐされる。その結果、複数の錠剤はロータ４０の上方空間中に塊として留まることなく、次々に下降してロータ４０の上に移動する。傘部４３の上に乗っている錠剤は、傘部４３の表面の斜面によって錠剤収納室５４や張出部４９の上へ移動する。

　錠剤の逐次排出が進んで、ロータ４０の上に残っている錠剤が少なくなると、傘部４３の上の斜面上や錠剤容器２０の内壁斜面上には錠剤が留まれないため、錠剤収納室５４に入り損ねた錠剤が残存する箇所は、張出部４９の上面になる。しかしロータ４０の回転に伴って、垂下部材１０４の重錘部１０７が位置する所を通過することから、張出部４９の上に残留する錠剤も、重錘部１０７と衝突して、張出部４９に留まることなく速やかに、錠剤収納室５４の中へ落ちていく。このようにして、ロータ４０の張出部４９の上の錠剤が、錠剤移動機構１００の重錘部１０７の直接的な衝突作用によって突き動かされることで、より確実に、動かされるため、効率良く錠剤を錠剤収納室５４に送り込むことができる。

　［錠剤移動機構１００の変形例］
　図１８は、他の錠剤移動機構１００´の外観斜視図である。なお、図１８では、錠剤容器２０に装着される蓋部２９の下面に取り付けられた一対の係合部２９Ａに対して錠剤移動機構１００´の端部１０９Ａ及び１０９Ｂが掛止されている状態を図示している。

　この錠剤移動機構１００´が上述した錠剤移動機構１００と相違するのは、ゴム製の球体だった重錘部１０７が、短い金属製の円錐台付き円柱からなる重錘部１０７´になっている点である。この場合、重錘部１０７´の重量が増しているので、錠剤を移動させる力が増す。

　また、錠剤カセット１０の蓋部２９が一対の係合部２９Ａを具備したものである場合、その係合部２９Ａに対する支持構造１０１の端部１０９Ａ及び１０９Ｂの掛止を実行／解除することで錠剤移動機構１００´を蓋部２９に対して着脱できるので、錠剤移動機構１００´の付け替えなども、簡便に行うことができる。しかも、容器本体２１に対する蓋部２９の付け替えも容易に行えるので、錠剤移動機構１００，１００´を装備していなかった錠剤カセットを、錠剤移動機構１００，１００´を装備した錠剤カセット１０に、グレードアップすることも、簡便に行うことができる。

　上記実施の形態５及び６では、ロータ４０の軸心位置から錠剤容器２０の把手２３へ寄った部位に重錘部１０７が垂れ下がるように錠剤移動機構１００が配設されていたが、重錘部１０７の揺動範囲が限定されなければ錠剤移動機構１００の配置は任意である。

　図１７では、錠剤移動機構１００の係留部１０８が、垂下部材１０４と重錘部１０７のうち垂下部材１０４だけを乗載して置くようになっていた。しかし錠剤移動機構１００の係留部１０８は、垂下部材１０４と重錘部１０７のうち重錘部１０７だけを乗載して置くようになっていても良く、垂下部材１０４と重錘部１０７の双方を乗載して置くようになっていても良い。何れの場合でも、連結されている垂下部材１０４と重錘部１０７は、共に垂れ下がるか、共に蓋部２９に沿って横たわるか、何れか一方の姿勢をとる。

　また上記錠剤移動機構１００，１００´は、移動対象の錠剤に対して直に当接するので直接的な錠剤移動機構と言えるが、ロータ４０の回転軸を上下に振動させる間接的な錠剤移動機構とは、機構の装備箇所も、錠剤との作用位置も、錠剤に対する揺動態様も、異なるので、併用が可能である。

　さらに本発明の錠剤カセットで取り扱う錠剤の典型例は大きめで縦長の丸筒状カプセル剤であるが、取り扱える錠剤がそれに限定される訳でなく、紡錘状や円盤状といった他の剤形や他のサイズの錠剤でも取り扱えるものは多い。

　［その他］
　また、上記実施例では、被固定部４４に対して錠剤収納部材５０を着脱可能に仮止めする手段の具体例として、対をなす永久磁石４７，５３を挙げたが、双方が永久磁石である必要は無く、一方は強磁性体であっても良い。強磁性体であれば、例えば錆止めメッキを施された鉄製ネジといった安価な汎用品を採用することも可能であり、相手方の磁石の向きによって反発するということもなく、使い勝手が良いうえ、磁石の磁力を受けて磁化すれば、引き合う力が増すことにもなる。さらには、そのような仮止め手段の具現化は、磁力の利用に限定されるものでもなく、例えば面ファスナーなどであっても良い。

　また、回転軸４１に下向き当接部材を少数個たとえば二個ほど付設するとともに（図示せず）、錠剤容器２０の底壁部２５の上面に衝上部材をやはり少数個たとえば二個ほど付設して（図示せず）、ロータ４０の軸回転に伴って間欠的に即ち当接部材が衝上部材を乗り越える度にロータ４０が少し突き上げられるようにしても良い（例えば特許文献３参照）。そうすることにより、錠剤が塊になっていた場合でもその塊が速やかに解れるとともに、個々の錠剤が収納室５４に転げ落ちやすくなる。

　本発明によれば、ロータ本体の外周部に着脱可能に複数の錠剤収納部材を結合させることにより、ロータ本体を共用して、ロータ本体の複数の被固定部に対して複数の錠剤収納部材を結合させるという比較的簡便な作業にて、サイズの異なる錠剤の取り扱いに適した錠剤収納部材を有するロータを備えた錠剤カセットを提供できる。

　２…錠剤、４…駆動部（ベース）、６…回転駆動軸、１０…錠剤カセット、２０…錠剤容器、２１…容器本体、２２…錠剤収容空間、２３…把手、２４…着脱部、２５…底壁部、６…貫通穴、２７…内周面（ロータ内挿空間）、２８…排出口、３０…仕切ユニット、３１…仕切保持部、３２…仕切作用部、３３…ベルト保持部、３４…無端ベルト、４０…ロータ、４１…回転軸（ロータ脚部）、４２…ロータ本体、４３…傘部（、４４…被固定部、４５…平面、４６…凹部（被嵌合部）、４７…磁石、４８…内周寄り外周面部分、４９…張出部、５０…錠剤収納部材、５１…対向壁部、５２…凸部（嵌合部）、５３…磁石、５４…錠剤収納室、５５…外周面、５６…スリット、５７…内面、５８…識別用表記、５９…上下表記、６０…収納部材列、６１…係止部、６２…被係止部、７０…収納部材列、７１…可撓性連結部材、７２…識別情報担体。

Claims

　複数の錠剤をランダムに収容する錠剤収容空間と、前記錠剤収容空間内の前記複数の錠剤を１錠ずつ落下させる排出口を底壁部に備えた錠剤容器と、
　前記底壁部と直交する方向に軸線が延びる回転軸と、
　前記回転軸の回転に伴って前記錠剤容器の前記錠剤収容空間内において前記軸線を中心にして回転し、さらに前記錠剤を一つずつ収納して前記排出口に前記錠剤を通過させうる錠剤収納室を有する複数の錠剤収納部材が前記回転軸の回転方向に並ぶように設けられたロータを有し、
　前記ロータは、前記回転軸と一緒に回転するロータ本体と、前記ロータ本体の外周部に前記複数の錠剤収納部材が固定される複数の被固定部を備え、
　前記複数の錠剤収納部材と前記複数の被固定部は、前記複数の錠剤収納部材を対応する前記複数の被固定部に着脱可能に結合する結合構造によってそれぞれ結合されていることを特徴とする錠剤カセット。
　前記結合構造は、前記複数の錠剤収納部材を前記複数の被固定部に個別に結合させる複数のコネクタによって構成されている請求項１に記載の錠剤カセット。
　前記コネクタは、嵌合構造により結合を実現する請求項１に記載の錠剤カセット。
　前記嵌合構造は、嵌合部が前記錠剤収納部材に設けられた凹部及び凸部の一方であり、被嵌合部が前記被固定部に設けられた前記凹部及び凸部の他方である請求項３に記載の錠剤カセット。
　前記コネクタは、永久磁石の磁力を利用して結合を実現する構造を有している請求項２に記載の錠剤カセット。
　前記嵌合構造は、嵌合部が前記錠剤収納部材に設けられ、被嵌合部が前記被固定部に設けられており、
　前記嵌合部及び前記被嵌合部の一方に永久磁石が装着されており、
　前記嵌合部及び前記被嵌合部の他方に前記永久磁石の前記磁力によって吸引される磁性体が装着されている請求項３に記載の錠剤カセット。
　前記結合構造は、前記複数の錠剤収納部材を前記複数の被固定部に個別に結合させる複数のコネクタと、前記複数の錠剤収納部材を１つの収納部材列を構成するように、隣合う二つの前記錠剤収納部材を相互に連結する複数の連結部によって構成されている請求項１に記載の錠剤カセット。
　前記収納部材列の前記複数の連結部は、前記収納部材列を前記ロータ本体の外周部に巻き付ける作業により、前記ロータ本体の前記複数の被固定部に前記複数の錠剤収納部材を前記複数のコネクタにより結合させることができる構造を有している請求項７に記載の錠剤カセット。
　前記連結部は、隣り合う二つの前記錠剤収納部材の一方を他方に対して揺動させることができる構造を有している請求項７または８に記載の錠剤カセット。
　前記連結部は、隣り合う二つの前記錠剤収納部材の一方に固定された軸を中心して他方の錠剤収納部材を回動させるヒンジ機構である請求項９に記載の錠剤カセット。
　前記連結部は、隣り合う二つの前記錠剤収納部材間を延びる可撓性材料からなる可撓性連結部材によって構成されている請求項７または８に記載の錠剤カセット。
　前記錠剤収納部材には、前記被固定部に結合された状態で外側から見える位置に識別用の表記が付されている請求項１または７に記載の錠剤カセット。
　前記錠剤収納部材には、前記被固定部に結合された状態で外側から見える位置に上下方向を示す表記が付されている請求項１または７に記載の錠剤カセット。
　前記錠剤収納部材は、前記ロータ本体の前記被固定部と対向する対向壁部と該対向壁部の前記回転方向の両端から前記回転軸の径方向に延びる一対の側壁部を備えており、
　前記一対の側壁部には、前記回転方向に対向する位置に一対のスリットが形成されており、
　前記一対のスリットは、それぞれ前記回転方向の両方向と前記径方向の外側に開口しており、
　前記錠剤容器には、仕切作用部を具備した仕切ユニットが外装されており、
　前記仕切作用部は、前記仕切ユニットを前記錠剤容器に装着した状態で、前記錠剤容器の内部に入って前記排出口の上方で前記錠剤収納部材の前記スリットと同じ高さに位置して、前記ロータが回転しているときに、前記スリットの内部に入るが、前記スリットと干渉しない形状を有している請求項１または７に記載の錠剤カセット。
　前記ロータ本体の隣り合う二つの前記被固定部の間には、前記収納部材列に含まれる前記連結部の前記底壁部側の端縁が当接して前記収納部材列が前記底壁部側に下がることを防止する当接部が設けられている請求項７に記載の錠剤カセット。
　前記被固定部には、前記錠剤収納部材の前記一対の側壁部と当接して前記錠剤収納部材の位置決めを図る当接部が設けられている請求項１または７に記載の錠剤カセット。
　前記錠剤容器の蓋部には、該蓋部から垂下して、前記ロータの上の前記錠剤と接触し、該錠剤を移動させる垂下部材が設けられている請求項１または７に記載の錠剤カセット。
　前記垂下部材と、前記蓋部の下面に設けられて前記垂下部材を揺動可能に支持する支持構造と、前記垂下部材の自由端部に向けられた重錘部とから錠剤移動機構が構成されている請求項１８に記載の錠剤カセット。
　前記ロータには、隣り合う二つの前記錠剤収納部材の間に前記錠剤収容空間内の錠剤が落下するのを阻止するように前記径方向に張り出す複数の張出部が設けられており、
　前記支持構造は、前記張出部に残留する前記錠剤と前記垂下部材が当接して前記錠剤収納室に落下させる位置まで前記垂下部材を垂下させることができる構造を有している請求項１８に記載の錠剤カセット。