WO2021176900A1

WO2021176900A1 - 操作装置

Info

Publication number: WO2021176900A1
Application number: PCT/JP2021/002861
Authority: WO
Inventors: 尚文加藤; 正則小杉; 均至村木; 哲也江川
Original assignee: 株式会社東海理化電機製作所
Priority date: 2020-03-05
Filing date: 2021-01-27
Publication date: 2021-09-10
Also published as: JP2021140492A; CN115190852A; US20230093177A1

Abstract

操作装置は、車両の乗員に操作されることで変位可能とされた第１変位部と、第１変位部に支持された第２変位部と、伸縮ロック部と、を備えている。第２変位部は、車両の乗員に操作されることで第１変位部に対して変位可能とされている。伸縮ロック部は、第１変位部が第１の位置に位置している状態では、第２変位部の第１変位部に対する変位を制限し、第１変位部が第２の位置に位置している状態では、第２変位部の第１変位部に対する変位を許容する。

Description

操作装置

　本発明は、操作装置に関する。

　特開平１１－４８９８５号公報には、回転可能に支持されたハンドル本体と、ハンドル本体の左右両端にそれぞれ支持された左右一対のグリップと、を備えた車両用ステアリングハンドルが開示されている。この文献に記載された車両用ステアリングハンドルでは、車両の乗員が、左右一対のグリップを左手及び右手でそれぞれ把持した状態で車両用ステアリングハンドルを左方向へ回転させると、左手で把持されたグリップがハンドル本体に対して乗員側へ向かって延びるように揺動する。これにより、車両用ステアリングハンドルを左方向へ回転させる際における乗員の左手の捩れが抑制される。これと同様に、車両の乗員が、左右一対のグリップを左手及び右手でそれぞれ把持した状態で車両用ステアリングハンドルを右方向へ回転させると、右手で把持されたグリップがハンドル本体に対して乗員側へ向かって延びるように揺動する。これにより、車両用ステアリングハンドルを右方向へ回転させる際における乗員の右手の捩れが抑制される。

　ところで、以上説明した車両用ステアリングハンドルのように、車両の乗員によって操作されることによって変位する部分を２つ以上有する構成では、一方の部分の変位が規制された際に、他の部分の変位量を確保できることが望ましい場合がある。

　本発明は上記事実を考慮し、一方の部分の変位が規制された際に、他の部分の変位量を確保できる操作装置を得ることが目的である。

　第１の態様に係る操作装置は、車両の乗員に操作されることで変位可能とされた第１変位部と、前記第１変位部に支持され、車両の乗員に操作されることで前記第１変位部に対して変位可能とされた第２変位部と、前記第１変位部が第１の位置に位置している状態では、前記第２変位部の前記第１変位部に対する変位を制限し、前記第１変位部が第２の位置に位置している状態では、前記第２変位部の前記第１変位部に対する変位を許容するロック部と、を備えている。

　第２の態様に係る操作装置は、第１の態様の操作装置において、前記第１変位部は、回転可能に支持され、前記第２変位部は、前記第１変位部に該第１変位部側及び該第１変位部とは反対側へ変位可能に支持されている。

　第３の態様に係る操作装置は、第１の態様の操作装置において、前記第１変位部は、傾動可能に支持され、前記第２変位部は、前記第１変位部に傾動可能に支持されている。

　第４の態様に係る操作装置は、第１の態様～第３の態様のいずれか１つの操作装置において、前記第１変位部の変位量を検出する第１センサと、前記第２変位部の前記第１変位部に対する変位量を検出する第２センサと、をさらに備え、前記第１変位部が前記第２の位置に位置している状態では、前記第１センサの出力値と前記第２センサの出力値と対応する値とが足合わされる。

　第１の態様に係る操作装置によれば、第１変位部が第１の位置に位置している状態では、ロック部が、第２変位部の第１変位部に対する変位を制限する。また、第１変位部が第２の位置に位置している状態では、ロック部が、第２変位部の第１変位部に対する変位を許容する。このように、第１の態様に係る操作装置では、第１変位部が第２の位置に位置している状態で、第２変位部の第１変位部に対する変位量を確保することができる。

　第２の態様に係る操作装置では、第１変位部が第１の位置に位置している状態では、ロック部が、第２変位部の第１変位部に対する変位を制限する。また、第１変位部が第２の位置に位置している状態では、ロック部が、第２変位部の第１変位部に対する変位を許容する。これにより、第２の態様に係る操作装置では、第１変位部が回転されて第２の位置に位置している状態で、第２変位部を第１変位部に対して第１変位部側及び第１変位部とは反対側へ変位させることができる。

　第３の態様に係る操作装置では、第１変位部が第１の位置に位置している状態では、ロック部が、第２変位部の第１変位部に対する変位を制限する。また、第１変位部が第２の位置に位置している状態では、ロック部が、第２変位部の第１変位部に対する変位を許容する。これにより、第３の態様に係る操作装置では、第１変位部が傾動されて第２の位置に位置している状態で、第２変位部を第１変位部に対して傾動させることができる。

　第４の態様に係る操作装置では、第１変位部が第２の位置に位置している状態では、第１センサの出力値と第２センサの出力値と対応する値とが足合わされた値を用いて、対象物を制御することができる。

第１実施形態に係る操作装置を示す正面図である。第１実施形態に係る操作装置を示す正面図であり、左側へ９０°回転された状態を示している。第１実施形態に係る操作装置を示す正面図であり、図２に示された状態よりも左回りへの操作がさらになされた状態を示している。第２実施形態に係る操作装置を示す図３に対応する正面図である。図４に示された矢印５方向から見た第２実施形態に係る操作装置を示す側面図である。第３実施形態に係る操作装置を示す正面図であり、左側へ９０°回転された状態から左回りへの操作がさらになされた状態を示している。第４実施形態に係る操作装置を示す側面図である。

（第１実施形態に係る操作装置１０）
　図１～図３を用いて本発明の第１実施形態に係る操作装置１０について説明する。なお、以下の説明において前後、左右、上下の方向を示して説明するときは、車両の前後方向、車両の左右方向（車両の幅方向）、車両の上下方向を示すものとする。また、各図に適宜示す矢印ＦＲは車両の前方向、矢印ＵＰは車両の上方向、矢印ＲＨは車両の右方向、矢印ＬＨは車両の左方向、矢印ＤＯＷＮは車両の下方側。矢印ＲＲは車両の後方側をそれぞれ示すものとする。

　図１に示されるように、本実施形態の操作装置１０は、車両の乗員に操作されることで回転可能とされた第１変位部１２と、第１変位部１２に伸縮可能な状態で支持された左右一対の第２変位部１４と、を備えている。また、操作装置１０は、第２変位部１４の第１変位部１２に対する伸縮を許容又は制限するロック部としての伸縮ロック部１９を備えている。

　第１変位部１２は、左右方向を長手方向とする矩形状に形成されている。この第１変位部１２の左右方向の中央部は、シャフト２１を介して回転可能に支持されている。なお、第１変位部１２が左右方向と平行になっている状態の第１変位部１２の位置を中立位置Ｐ１と呼ぶ。また、本実施形態では、中立位置Ｐ１から左側へ９０°（図２参照）及び中立位置Ｐ１から右側へ９０°の範囲で第１変位部１２を回転させることが可能となっている。すなわち、左側へ９０°を超えて及び右側へ９０°を超えて第１変位部１２を回転させることが不能となっている。なお、第１変位部１２が、中立位置Ｐ１、中立位置Ｐ１から左側へ９０°未満の範囲及び中立位置Ｐ１から右側へ９０°未満の範囲に位置している状態の当該第１変位部１２の位置を第１の位置としての制限位置Ｂ１と呼ぶ。また、第１変位部１２が中立位置Ｐ１から左側へ９０°回転された状態（図２に示された状態）又は中立位置Ｐ１から右側へ９０°回転された状態の当該第１変位部１２の位置を第２の位置としての許容位置Ｂ２と呼ぶ。

　一方（左側）の第２変位部１４は、第１変位部１２の左側の端部から上方側へ向けて延びると共に上方側へ向かうにつれてシャフト２１側へ向けて傾斜されている。また、他方（右側）の第２変位部１４は、第１変位部１２の右側の端部から上方側へ向けて延びると共に上方側へ向かうにつれてシャフト２１側へ向けて傾斜されている。そして、これら左右一対の第２変位部１４は、車両の乗員の左手及び右手によってそれぞれ把持される把持部として機能するようになっている。

　また、左右一対の第２変位部１４は、一例としてその内部にテレスコピック機構を有すること等により第１変位部１２側及び第１変位部１２とは反対側へ伸縮可能となっている。なお、中立位置Ｐ２に位置している第２変位部１４を実線で示し、第１変位部１２に対して最も伸長した位置Ｄ１及び最も収縮した位置Ｄ２の第２変位部１４をそれぞれ二点鎖線で示している。

　伸縮ロック部１９は、一例として左側の第２変位部１４の内部及び右側の第２変位部１４の内部にそれぞれ設けられたテレスコピック機構と一体に構成されている。これらの伸縮ロック部１９は、一例として通電が切替えられること等により許容状態と制限状態との２つの状態に切替え可能となっている。そして、伸縮ロック部１９が許容状態となっている際においては、第２変位部１４の第１変位部１２に対する伸縮が許容される。その一方で、伸縮ロック部１９が制限状態となっている際においては、第２変位部１４の第１変位部１２に対する伸縮が制限される。なお、伸縮ロック部１９の許容状態と制限状態との切替えは、電気的な構成ではなく機械的な構成で切替えられるようになっていてもよい。そして、本実施形態では、第１変位部１２が制限位置Ｂ１に位置している状態では、伸縮ロック部１９が制限状態となる。また、第１変位部１２が許容位置Ｂ２に位置している状態では、伸縮ロック部１９が許容状態となる。

　また、本実施形態では、第１変位部１２の左側及び右側への回転角度（変位量）を検出する第１センサ３０と、左右一対の第２変位部１４の第１変位部１２に対する伸縮量（変位量）をそれぞれ検出する左右一対の第２センサ３２と、を備えている。

（本実施形態の作用並びに効果）
　次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。

　以上説明した本実施形態に係る操作装置１０は、一例として車両の進行方向を変更するための操作に適用できる。

　図１に示されるように、車両の乗員が、左手及び右手でそれぞれ左右一対の第２変位部１４を把持する。そして、第１変位部１２が中立位置Ｐ１となるように車両の乗員が左右一対の第２変位部１４を保持した状態では、車両が直進するように車輪の舵角等が制御される。

　ここで、第１変位部１２が制限位置Ｂ１に位置している状態では、伸縮ロック部１９が制限状態となり、第２変位部１４の第１変位部１２に対する伸縮が制限される。この状態では、第１変位部１２の回転量と左右一対の第２変位部１４の移動量（第１変位部１２の回転周方向への移動量）とが線形の関係となり、第２変位部１４の移動量に対応する位置に第１変位部１２が回転される。具体的には、図１及び図２に示されるように、車両の乗員が、右手で把持している第２変位部１４が上方側へ向かうようにかつ左手で把持している第２変位部１４が下方側へ向かうように左右一対の第２変位部１４に操作力を入力すると、第１変位部１２が中立位置Ｐ１から左側へ回転される。そして、第１変位部１２が中立位置Ｐ１から左側へ９０°未満の範囲に位置している状態では、車輪の左側への舵角等が第１変位部１２の中立位置Ｐ１からの回転角度に対応する（第１センサ３０からの出力値に基づく）操舵角等となるように制御される。その一方で、車両の乗員が、左手で把持している第２変位部１４が上方側へ向かうようにかつ右手で把持している第２変位部１４が下方側へ向かうように左右一対の第２変位部１４に操作力を入力すると、第１変位部１２が中立位置Ｐ１から右側へ回転される。そして、第１変位部１２が中立位置Ｐ１から右側へ９０°未満の範囲に位置している状態では、車輪の右側への舵角等が第１変位部１２の中立位置Ｐ１からの回転角度に対応する（第１センサ３０からの出力値に基づく）操舵角等となるように制御される。

　また、図２に示されるように、車両の乗員が、右手で把持している第２変位部１４が上方側へ向かうようにかつ左手で把持している第２変位部１４が下方側へ向かうように左右一対の第２変位部１４に操作力を入力することにより、第１変位部１２が中立位置Ｐ１から左側へ９０°回転されると（第１変位部１２が許容位置Ｂ２に配置されると）、車輪の左側への舵角等が第１変位部１２の中立位置Ｐ１からの回転角度（左側へ９０°）に対応する（第１センサ３０からの出力値に基づく）操舵角等となるように制御される。ここで、第１変位部１２が左側へ９０°回転されている状態では、伸縮ロック部１９が許容状態となり、第２変位部１４の第１変位部１２に対する伸縮が許容される。この状態から、車両の乗員が、右手で把持している第２変位部１４が左側へ向かうようにかつ左手で把持している第２変位部１４が右側へ向かうように左右一対の第２変位部１４に操作力を入力すると、図３に示されるように、右手で把持している第２変位部１４が伸長すると共に左手で把持している第２変位部１４が収縮する。これにより、車輪の左側への舵角等が右手で把持している第２変位部１４の伸長量及び左手で把持している第２変位部１４の収縮量に対応する（第１センサ３０の出力値及び左右一対の第２センサ３２から出力値に基づく）操舵角等となるように制御される（第１変位部１２が左側へ９０°回転されている状態における操舵角等に対して増加するように制御される）。ここで、上記の場合においては、右手で把持している第２変位部１４の伸長量と対応する第２センサ３２からの出力値のみを第１センサ３０からの出力値に加算して、車輪の左側への舵角等を制御してもよい。また、右手で把持している第２変位部１４の伸長量と対応する第２センサ３２からの出力値及び左手で把持している第２変位部１４の収縮量と対応する第２センサ３２からの出力値から所定の計算を行うことによって得られた値を第１センサ３０からの出力値に加算して、車輪の左側への舵角等を制御してもよい。

　また、車両の乗員が、左手で把持している第２変位部１４が上方側へ向かうようにかつ右手で把持している第２変位部１４が下方側へ向かうように左右一対の第２変位部１４に操作力を入力することにより、第１変位部１２が中立位置Ｐ１から右側へ９０°回転されると（第１変位部１２が許容位置Ｂ２に配置されると）、車輪の左側への舵角等が第１変位部１２の中立位置Ｐ１からの回転角度（右側へ９０°）に対応する（第１センサ３０からの出力値に基づく）操舵角等となるように制御される。ここで、第１変位部１２が右側へ９０°回転されている状態では、伸縮ロック部１９が許容状態となり、第２変位部１４の第１変位部１２に対する伸縮が許容される。この状態から、車両の乗員が、左手で把持している第２変位部１４が右側へ向かうようにかつ右手で把持している第２変位部１４が左側へ向かうように左右一対の第２変位部１４に操作力を入力すると、左手で把持している第２変位部１４が伸長すると共に右手で把持している第２変位部１４が収縮する。これにより、車輪の右側への舵角等が左手で把持している第２変位部１４の伸長量及び右手で把持している第２変位部１４の収縮量に対応する（第１センサ３０の出力値及び左右一対の第２センサ３２から出力値に基づく）操舵角等となるように制御される（第１変位部１２が右側へ９０°回転されている状態における操舵角等に対して増加するように制御される）。ここで、上記の場合においては、左手で把持している第２変位部１４の伸長量と対応する第２センサ３２からの出力値のみを第１センサ３０からの出力値に加算して、車輪の右側への舵角等を制御してもよい。また、左手で把持している第２変位部１４の伸長量と対応する第２センサ３２からの出力値及び右手で把持している第２変位部１４の収縮量と対応する第２センサ３２からの出力値から所定の計算を行うことによって得られた値を第１センサ３０からの出力値に加算して、車輪の右側への舵角等を制御してもよい。

　以上説明したように、本実施形態の操作装置１０では、第１変位部１２が許容位置Ｂ２に位置している状態（第１変位部１２の左側又は右側への回転が制限されている状態）で、第２変位部１４の第１変位部１２に対する伸縮による変位量を確保することができる。また、本実施形態の操作装置１０では、第１変位部１２が許容位置Ｂ２に位置している状態で、第２変位部１４の第１変位部１２に対する伸縮を許容することで、操作時における乗員の負担を低減することができる。特に、下方側に配置された手（手首）の捩れによる負担を低減することができる。

（第２実施形態に係る操作装置２２）
　図４及び図５を用いて本発明の第２実施形態に係る操作装置２２について説明する。なお、第２実施形態に係る操作装置２２において前述の第１実施形態に係る操作装置１０と対応する部材及び部分には、第１実施形態に係る操作装置１０と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。

　図４及び図５に示されるように、本実施形態の操作装置２２では、左右一対の第２変位部１４が、第１変位部１２側及び第１変位部１２とは反対側へ伸縮可能となっていることに加えて、左右一対の第２変位部１４が、第１変位部１２に対して前方側へ傾動可能となっている。また、本実施形態の操作装置２２は、第２変位部１４の第１変位部１２に対する傾動を許容又は制限するロック部としての傾動ロック部２３を備えている。

　傾動ロック部２３は、一例として左側の第２変位部１４と第１変位部１２との境目及び右側の第２変位部１４と第１変位部１２との境目にそれぞれ設けられている。これらの傾動ロック部２３は、一例として通電が切替えられること等により許容状態と制限状態との２つの状態に切替え可能となっている。そして、傾動ロック部２３が許容状態となっている際においては、第２変位部１４の第１変位部１２に対する前方側への傾動が許容される。その一方で、傾動ロック部２３が制限状態となっている際においては、第２変位部１４の第１変位部１２に対する前方側への傾動が制限される。なお、傾動ロック部２３の許容状態と制限状態との切替えは、電気的な構成ではなく機械的な構成で切替えられるようになっていてもよい。

　そして、本実施形態では、第１変位部１２が左側へ回転されて許容位置Ｂ２に位置している状態では、右手で把持される第２変位部１４側の伸縮ロック部１９が許容状態となると共に左手で把持される第２変位部１４側の伸縮ロック部１９が制限状態となる。また、この状態では、右手で把持される第２変位部１４側の傾動ロック部２３が制限状態となると共に左手で把持される第２変位部１４側の傾動ロック部２３が許容状態となる。

　その一方で、第１変位部１２が右側へ回転されて許容位置Ｂ２に位置している状態では、左手で把持される第２変位部１４側の伸縮ロック部１９が許容状態となると共に右手で把持される第２変位部１４側の伸縮ロック部１９が制限状態となる。また、この状態では、左手で把持される第２変位部１４側の傾動ロック部２３が制限状態となると共に右手で把持される第２変位部１４側の傾動ロック部２３が許容状態となる。

　また、第１変位部１２が許容位置Ｂ２とは異なる位置である制限位置Ｂ１（図１参照）に位置している状態では、一対の伸縮ロック部１９が制限状態となると共に一対の傾動ロック部２３が制限状態となる。

　以上説明した本実施形態に係る操作装置２２は、第１実施形態に係る操作装置１０と同様に車両の進行方向を変更するための操作に適用できる。

　本実施形態に係る操作装置２２において第１変位部１２が左側へ９０°回転されている（第１変位部１２が許容位置Ｂ２に位置している）状態では、右手で把持される第２変位部１４側の伸縮ロック部１９が許容状態となると共に左手で把持される第２変位部１４側の伸縮ロック部１９が制限状態となる。また、この状態では、右手で把持される第２変位部１４側の傾動ロック部２３が制限状態となると共に左手で把持される第２変位部１４側の傾動ロック部２３が許容状態となる。この状態から、車両の乗員が、右手で把持している第２変位部１４が左側へ向かうようにかつ左手で把持している第２変位部１４が前側へ向かうように左右一対の第２変位部１４に操作力を入力すると、右手で把持している第２変位部１４が二点鎖線で示された位置から実線で示された位置側へ伸長すると共に左手で把持している第２変位部１４が二点鎖線で示された位置から実線で示された位置側へ傾動する。これにより、車輪の左側への舵角等が右手で把持している第２変位部１４の伸長量及び左手で把持している第２変位部１４の傾動量に対応する操舵角等となるように制御される（第１変位部１２が左側へ９０°回転されている状態における操舵角等に対して増加するように制御される）。

　また、本実施形態に係る操作装置２２において第１変位部１２が右側へ９０°回転されている（第１変位部１２が許容位置Ｂ２に位置している）状態では、左手で把持される第２変位部１４側の伸縮ロック部１９が許容状態となると共に右手で把持される第２変位部１４側の伸縮ロック部１９が制限状態となる。また、この状態では、左手で把持される第２変位部１４側の傾動ロック部２３が制限状態となると共に右手で把持される第２変位部１４側の傾動ロック部２３が許容状態となる。この状態から、車両の乗員が、左手で把持している第２変位部１４が右側へ向かうようにかつ右手で把持している第２変位部１４が前側へ向かうように左右一対の第２変位部１４に操作力を入力すると、左手で把持している第２変位部１４が伸長すると共に右手で把持している第２変位部１４が前方側へ傾動する。これにより、車輪の右側への舵角等が左手で把持している第２変位部１４の伸長量及び右手で把持している第２変位部１４の傾動量に対応する操舵角等となるように制御される（第１変位部１２が右側へ９０°回転されている状態における操舵角等に対して増加するように制御される）。

　以上説明したように、本実施形態の操作装置２２では、第１変位部１２が許容位置Ｂ２に位置している状態（第１変位部１２の左側又は右側への回転が制限されている状態）で、第２変位部１４の第１変位部１２に対する伸縮や傾動による変位量を確保することができる。また、本実施形態の操作装置２２では、第１変位部１２が許容位置Ｂ２に位置している状態で、一方の第２変位部１４の第１変位部１２に対する伸縮を許容すると共に他方の第２変位部１４の第１変位部１２に対する傾動を許容することで、操作時における乗員の負担を低減することができる。特に、下方側に配置された手（手首）の捩れによる負担を低減することができる。

（第３実施形態に係る操作装置３４）
　図６を用いて本発明の第３実施形態に係る操作装置３４について説明する。なお、第３実施形態に係る操作装置３４において前述の第１実施形態に係る操作装置１０等と対応する部材及び部分には、第１実施形態に係る操作装置１０等と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。

　図６に示されるように、本実施形態の操作装置３４は、Ｌ字状に字形成された左右一対の第２変位部１４が、第１変位部１２に対して回転可能となっていることに特徴がある。ここで、一方側の第２変位部１４における第１変位部１２側の端部１４Ａが、第１変位部１２においてシャフト２１に支持される部分の一方側にピン３６を介して連結されている。また、他方側の第２変位部１４における第１変位部１２側の端部１４Ｂが、第１変位部１２においてシャフト２１に支持される部分に対して他方側にピン３６を介して連結されている。これにより、左右一対の第２変位部１４が、一対のピン３６をそれぞれ回転中心として回転（傾動）可能となっている。また、左右一対の第２変位部１４のピン３６回りの折曲がりは、ロック部としての一対の折曲がりロック部３８によって制限又は許容されるようになっている。

　以上説明した本実施形態に係る操作装置３４は、第１実施形態に係る操作装置１０等と同様に車両の進行方向を変更するための操作に適用できる。

　本実施形態に係る操作装置３４において第１変位部１２が左側へ９０°回転されている（第１変位部１２が許容位置Ｂ２に位置している）状態では、右手で把持される第２変位部１４側の折曲がりロック部３８が許容状態となると共に左手で把持される第２変位部１４側の折曲がりロック部３８が制限状態となる。この状態から、車両の乗員が、右手で把持している第２変位部１４が左側へ向かうようにかつ左手で把持している第２変位部１４が右側へ向かうように左右一対の第２変位部１４に操作力を入力すると、右手で把持している第２変位部１４のみが二点鎖線で示された位置から実線で示された位置側へ一方のピン３６まわりに回転する。これにより、車輪の左側への舵角等が右手で把持している第２変位部１４の回転量に対応する操舵角等となるように制御される（第１変位部１２が左側へ９０°回転されている状態における操舵角等に対して増加するように制御される）。

　また、本実施形態に係る操作装置３４において第１変位部１２が右側へ９０°回転されている（第１変位部１２が許容位置Ｂ２に位置している）状態では、左手で把持される第２変位部１４側の折曲がりロック部３８が許容状態となると共に右手で把持される第２変位部１４側の折曲がりロック部３８が制限状態となる。この状態から、車両の乗員が、左手で把持している第２変位部１４が右側へ向かうようにかつ右手で把持している第２変位部１４が左側へ向かうように左右一対の第２変位部１４に操作力を入力すると、左手で把持している第２変位部１４のみが他方のピン３６まわりに回転する。これにより、車輪の右側への舵角等が左手で把持している第２変位部１４の回転量に対応する操舵角等となるように制御される（第１変位部１２が右側へ９０°回転されている状態における操舵角等に対して増加するように制御される）。

　以上説明したように、本実施形態の操作装置３４では、第１変位部１２が許容位置Ｂ２に位置している状態（第１変位部１２の左側又は右側への回転が制限されている状態）で、第２変位部１４の第１変位部１２に対する回転による変位量を確保することができる。また、本実施形態の操作装置３４では、第１変位部１２が許容位置Ｂ２に位置している状態で、一方の第２変位部１４の第１変位部１２に対する回転を許容すると共に他方の第２変位部１４の第１変位部１２に対する回転を制限することで、操作時における乗員の負担を低減することができる。特に、下方側に配置された手（手首）の捩れによる負担を低減することができる。

（第４実施形態に係る操作装置）
　次に、図７を用いて本発明の第４実施形態に係る操作装置２４について説明する。

　図７に示されるように、本実施形態の操作装置２４は、車両の乗員に操作されることで傾動可能とされた第１変位部１２と、第１変位部１２に傾動可能に支持された第２変位部１４と、を備えている。また、操作装置２４は、第２変位部１４の第１変位部１２に対する傾動を許容又は制限するロック部としての傾動ロック部２５を備えている。

　第１変位部１２は、上下方向へ延びる棒状に形成されている。この第１変位部１２の下端部は、図示しない傾動機構を有するベース部２６に支持されている。そして、この第１変位部１２は、ベース部２６に対して前後方向に傾動可能となっている。これにより、車両の乗員が後述する第２変位部１４を把持した状態で、第１変位部１２を傾動させることが可能となっている。なお、第１変位部１２が上下方向と平行になっている状態の第１変位部１２の位置を中立位置Ｐ１と呼ぶ。また、図７においては、第１変位部１２が中立位置Ｐ１に配置されている状態を実線で示し、第１変位部１２が最も前側へ傾動された位置Ｐ１ＦＲ及び最も後側へ傾動された位置Ｐ１ＲＲをそれぞれ二点鎖線で示している。なお、第１変位部１２が、中立位置Ｐ１、中立位置Ｐ１から最も前側へ傾動された位置Ｐ１ＦＲ未満の範囲及び中立位置Ｐ１から最も後側へ傾動された位置Ｐ１ＲＲ未満の範囲に位置している状態の当該第１変位部１２の位置を第１の位置としての制限位置Ｂ１と呼ぶ。また、第１変位部１２が最も前側へ傾動された位置Ｐ１ＦＲを第２位置としての前側許容位置Ｂ２Ｆと呼ぶ。さらに、第１変位部１２が最も後側へ傾動された位置Ｐ１ＲＲを第２位置としての後側許容位置Ｂ２Ｒと呼ぶ。

　第２変位部１４は、第１変位部１２の上端部に図示しない傾動機構を介して前後方向へ所定の範囲で傾動可能に支持されている。なお、図７においては、第２変位部１４が中立位置Ｐ２に配置されている状態を実線で示し、第２変位部１４が第１変位部１２に対して最も前側へ傾動された位置Ｐ２ＦＲ及び最も後側へ傾動された位置Ｐ２ＲＲをそれぞれ二点鎖線で示している。

　傾動ロック部２５は、一例として第２変位部１４を第１変位部１２に対して傾動可能とする傾倒機構と一体に設けられている。この傾動ロック部２５は、一例として通電が切替えられること等により制限状態と第１許容状態と第２許容状態との３つの状態に切替え可能となっている。そして、傾動ロック部２５が制限状態となっている際においては、第２変位部１４の中立位置Ｐ２に対する傾動が制限される。また、傾動ロック部２５が第１許容状態となっている際においては、第２変位部１４の中立位置Ｐ２に対する前方側への傾動が許容されると共に、第２変位部１４の中立位置Ｐ２に対する後方側への傾動が制限される。さらに、傾動ロック部２５が第２許容状態となっている際においては、第２変位部１４の中立位置Ｐ２に対する後方側への傾動が許容されると共に、第２変位部１４の中立位置Ｐ２に対する前方側への傾動が制限される。また、本実施形態では、第１変位部１２が制限位置Ｂ１に配置されている状態では、傾動ロック部２５が制限状態となる。第１変位部１２が前側許容位置Ｂ２Ｆに配置されている状態では、傾動ロック部２５が第１許容状態となる。第１変位部１２が後側許容位置Ｂ２Ｒに配置されている状態では、傾動ロック部２５が第２許容状態となる。なお、傾動ロック部２５の制限状態と第１許容状態と第２許容状態との切替えは、電気的な構成ではなく機械的な構成で切替えられるようになっていてもよい。

　以上説明した本実施形態に係る操作装置２４は、一例として以下の操作に適用できる。

　図７に示されるように、第１変位部１２が中立位置Ｐ１に配置されている状態では、傾動ロック部２５が制限状態となり、第２変位部１４の中立位置Ｐ２に対する傾動が制限される。この状態では、車両の変速機がニュートラル状態となり、車両のパワーユニットの動力が車輪に伝達不能にされる。

　また、第１変位部１２が中立位置Ｐ１に配置されている状態で、車両の乗員が第２変位部１４へ前方側への操作力を入力すると、第１変位部１２が前方側へ傾動される。そして、第１変位部１２が最も前側へ傾動された位置Ｐ１ＦＲに配置された状態かつ第２変位部１４が中立位置Ｐ２に配置されている状態では、車両の変速機が後進可能状態となり、車両の後進が可能となる。

　また、第１変位部１２が最も前側へ傾動された位置Ｐ１ＦＲに配置された状態では、傾動ロック部２５が第１許容状態となり、第２変位部１４の中立位置Ｐ２に対する前方側への傾動が許容されると共に、第２変位部１４の中立位置Ｐ２に対する後方側への傾動が制限される。この状態で、車両の乗員が第２変位部１４へ前方側への操作力を入力すると、第２変位部１４が第１変位部１２に対して前方側へ傾動される。そして、第２変位部１４が第１変位部１２に対して最も前側へ傾動された位置Ｐ２ＦＲに配置された状態では、車両の電動パーキングブレーキが作動状態した状態となり、車両の移動が不能にされる。なお、この状態から、車両の乗員が第２変位部１４へ後方側への操作力を入力すると、第１変位部１２が最も前側へ傾動された位置Ｐ１ＦＲに配置された状態で、第２変位部１４が中立位置Ｐ２まで傾動される。また、車両の乗員が中立位置Ｐ２に位置している第２変位部１４へ後方側への操作力を入力すると、第１変位部１２が中立位置Ｐ１側へ傾動される。

　その一方で、第１変位部１２が中立位置Ｐ１に配置されている状態で、車両の乗員が第２変位部１４へ後方側への操作力を入力すると、第１変位部１２が後方側へ傾動される。そして、第１変位部１２が最も後側へ傾動された位置Ｐ１ＲＲに配置された状態かつ第２変位部１４が中立位置Ｐ２に配置されている状態では、車両の変速機が前進可能状態となり、車両の前進が可能となる。

　また、第１変位部１２が最も後側へ傾動された位置Ｐ１ＲＲに配置された状態では、傾動ロック部２５が第２許容状態となり、第２変位部１４の中立位置Ｐ２に対する後方側への傾動が許容されると共に、第２変位部１４の中立位置Ｐ２に対する前方側への傾動が制限される。この状態で、車両の乗員が第２変位部１４へ後方側への操作力を入力すると、第２変位部１４が第１変位部１２に対して後方側へ傾動される。そして、第２変位部１４が第１変位部１２に対して最も後側へ傾動された位置Ｐ２ＲＲに配置された状態では、車両の変速機がパワーモードやエコモードとなり、車両の変速機がより低いギヤ比又は高いギヤ比となるようにシフトダウン又はシフトアップがなされる。なお、この状態から、車両の乗員が第２変位部１４へ前方側への操作力を入力すると、第１変位部１２が最も後側へ傾動された位置Ｐ１ＲＲに配置された状態で、第２変位部１４が中立位置Ｐ２まで傾動される。また、車両の乗員が中立位置Ｐ２に位置している第２変位部１４へ前方側への操作力を入力すると、第１変位部１２が中立位置Ｐ１側へ傾動される。

　以上説明したように、本実施形態の操作装置２４では、第１変位部１２が最も前側へ傾動された位置Ｐ１ＦＲに配置された状態又は最も後側へ傾動された位置Ｐ１ＲＲに配置された状態（第１変位部１２の前方側又は後方側への傾動が制限された状態）で、第２変位部１４の第１変位部１２に対する傾動による変位量を確保することができる。また、本実施形態の操作装置２４では、第１変位部１２が最も前側へ傾動された位置Ｐ１ＦＲに配置された状態又は最も後側へ傾動された位置Ｐ１ＲＲに配置された状態で、第２変位部１４の第１変位部１２に対する傾動を許容することで、操作時における乗員の負担を低減することができる。特に、第１変位部１２を傾動させるための負担を低減することができる。

　なお、第１実施形態及び第２実施形態に係る操作装置１０、２２を車両の向きを変えるための操作を行う操作装置として用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第１実施形態及び第２実施形態に係る操作装置１０、２２を第４実施形態に係る操作装置２４のような変速等のための操作を行う操作装置として用いてもよい。また、第４実施形態に係る操作装置２４のような変速等のための操作を行う操作装置として第１実施形態及び第２実施形態に係る操作装置１０、２２を用いてもよい。また、各実施形態の構成は、互いに組み合わせてもよい。

　以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。

　２０２０年３月５日に出願された日本国特許出願２０２０－３８１１６号の開示は、その全体が参照により本明細書に取込まれる。

Claims

　車両の乗員に操作されることで変位可能とされた第１変位部と、
　前記第１変位部に支持され、車両の乗員に操作されることで前記第１変位部に対して変位可能とされた第２変位部と、
　前記第１変位部が第１の位置に位置している状態では、前記第２変位部の前記第１変位部に対する変位を制限し、前記第１変位部が第２の位置に位置している状態では、前記第２変位部の前記第１変位部に対する変位を許容するロック部と、
　を備えた操作装置。
　前記第１変位部は、回転可能に支持され、
　前記第２変位部は、前記第１変位部に該第１変位部側及び該第１変位部とは反対側へ変位可能に支持された請求項１に記載の操作装置。
　車両の乗員の左手及び右手によってそれぞれ把持される一対の前記第２変位部が、前記第１変位部に伸縮可能な状態で支持され、
　前記第１変位部が前記第１の位置から一方側へ回転されて、該第１変位部が前記第２の位置に位置している状態では、一方の前記第２変位部が伸長可能にされると共に他方の前記第２変位部が収縮可能にされ、
　前記第１変位部が前記第１の位置から他方側へ回転されて、該第１変位部が前記第２の位置に位置している状態では、他方の前記第２変位部が伸長可能にされると共に一方の前記第２変位部が収縮可能にされる請求項２に記載の操作装置。
　車両の乗員の左手及び右手によってそれぞれ把持される一対の前記第２変位部が、前記第１変位部に伸縮可能かつ傾動可能な状態で支持され、
　前記第１変位部が前記第１の位置から一方側へ回転されて、該第１変位部が前記第２の位置に位置している状態では、一方の前記第２変位部が伸長可能にされると共に他方の前記第２変位部が傾動可能にされ、
　前記第１変位部が前記第１の位置から他方側へ回転されて、該第１変位部が前記第２の位置に位置している状態では、他方の前記第２変位部が伸長可能にされると共に一方の前記第２変位部が傾動可能にされる請求項２に記載の操作装置。
　車両の乗員の左手及び右手によってそれぞれ把持される一対の前記第２変位部が、前記第１変位部に傾動可能な状態で支持され、
　前記第１変位部が前記第１の位置から一方側へ回転されて、該第１変位部が前記第２の位置に位置している状態では、一方の前記第２変位部が傾動可能にされ、
　前記第１変位部が前記第１の位置から他方側へ回転されて、該第１変位部が前記第２の位置に位置している状態では、他方の前記第２変位部が傾動可能にされる請求項２に記載の操作装置。
　前記第１変位部は、傾動可能に支持され、
　前記第２変位部は、前記第１変位部に傾動可能に支持された請求項１に記載の操作装置。
　前記第１変位部が前記第１の位置から一方側へ傾動されて、該第１変位部が前記第２の位置に位置している状態では、前記第２変位部が一方側へ傾動可能にされ、
　前記第１変位部が前記第１の位置から他方側へ傾動されて、該第１変位部が前記第２の位置に位置している状態では、前記第２変位部が他方側へ傾動可能にされる請求項６に記載の操作装置。
　前記第１変位部の変位量を検出する第１センサと、前記第２変位部の前記第１変位部に対する変位量を検出する第２センサと、をさらに備え、
　前記第１変位部が前記第２の位置に位置している状態では、前記第１センサの出力値と前記第２センサの出力値と対応する値とが足合わされる請求項１～請求項７のいずれか１項に記載の操作装置。