JP4706135B2 - ステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構 - Google Patents

ステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラック、バス、乗用車等の車両における変速機の変速指令操作機構、更に詳しくは、ステアリングホイールの下方に備えられて、変速機に対する前後進段指令操作及び変速指令操作を行なうことができる変速指令操作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両において、変速機に対する変速指令操作のうち、シフトアップ指令操作及びシフトダウン指令操作を行なうことができる、ステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構は、例えば、実用新案登録第2570499号登録公報に開示されている。前記公報に開示された変速指令操作機構は、変速機に対するシフトアップ指令操作をステアリングホイールに手を添えたまま行ないうるシフトアップレバーと、変速機に対するシフトダウン指令操作をステアリングホイールに手を添えたまま行ないうるシフトダウンレバーとを備えている。ステアリングコラムには、レバー支持部材であるスイッチハウジングが装着され、スイッチハウジングにはT形状をなすシフトスイッチアームが揺動自在に支持されている。上記シフトアップレバー及びシフトダウンレバーは、シフトスイッチアームのT形状をなす両張出部に固着されている。スイッチハウジング内には、シフトスイッチアームに関連して一対のシフトスイッチが配設されている。このように構成された変速指令操作機構において、シフトアップレバーを中立位置から上方に揺動させるとシフトアップスイッチが作動してシフトアップの指令信号が出力され、また、シフトダウンレバーを中立位置から上方に揺動させるとシフトダウンスイッチが作動してシフトダウンの指令信号が出力される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した変速指令操作機構によれば、ステアリングホイールに手を添えたまま、シフトアップレバー及びシフトダウンレバーを操作することにより、変速機に対するシフトアップ及びシフトダウンの指令信号が出力されるよう構成されているので、変速指令操作を迅速かつ容易に行なうことができ、ドライバにとって便利である。しかしながら、上記公報には、変速機に対する前進段指令操作及び後進段指令操作についての開示はなされていないので、これらの操作をも合わせて行なうことができる、更に便利な変速指令操作機構の開発が望まれているところであった。
【0004】
本発明の目的は、ステアリングホイールの下方において、変速機に対する前後進段指令操作及びシフト指令操作を実質的に1本のレバー上において行なうことを可能にし、変速指令操作をより迅速かつ容易に行なうことを可能にする、新規な、ステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構を提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、上記目的に加えて更に、人間の習性に適合したレバー操作を行ないうるようにして、変速指令操作を自然な動作で円滑かつ確実に行なうことを可能にする、新規な、ステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ステアリングホイールの下方において車両の左右方向に延在しかつ中央を揺動中心として左右両端部が上下方向に揺動可能に配設されたシフト指令レバーと、シフト指令レバーに関連して配置されたシフトアップスイッチ及びシフトダウンスイッチと、シフト指令レバーの一端部又は他端部に車両の実質的に前後進方向に変位可能に装着された前後進段指令部材と、前後進段指令部材に関連して配置された前進段指令スイッチ、後進段指令スイッチ及びディテント機構とを備え、前後進段指令部材は、ディテント機構により、中立位置、前進段指令位置又は後進段指令位置のいずれかに選択的に保持されるよう構成され、前後進段指令部材を中立位置から該前進方向に変位させると前進段指令位置に保持されて前進段指令スイッチが作動し、前後進段指令部材を中立位置から該後進方向に変位させると後進段指令位置に保持されて後進段指令スイッチが作動し、シフト指令レバーをその一端部又は他端部が中立位置から上方に変位するよう揺動させるとシフトアップスイッチが作動し、シフト指令レバーをその他端部又は一端部が中立位置から上方に変位するよう揺動させるとシフトダウンスイッチが作動する、
ことを特徴とするステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構、が提供される。
【0007】
前後進段指令部材は該前後進方向に揺動可能に装着された前後進段指令レバーから構成されている、ことが好ましい。
前後進段指令部材に関連して、前後進段指令部材の、中立位置から後進段指令位置への変位を解除自在にロックする変位ロック機構が備えられ、変位ロック機構により該変位のロックを解除したときにのみ、前後進段指令部材の、中立位置から後進段指令位置への変位が許容される、ことが好ましい。
シフト指令レバーの他端部又は一端部に変位可能に装着された他の指令部材と、他の指令部材に関連して配置された他の指令スイッチが備えられている、ことが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成されたステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構の好適実施形態を添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0009】
図1及び図2を参照して、図示しない車両の運転席には、ステアリングホイール2が備えられている。ステアリングホイール2は、ステアリングシャフト3の頂部に一体に装着され、ステアリングシャフト3は、運転席の図示しない静止フレームに取り付けられたステアリングコラム4内に図示しない軸受を介して回転自在に支持されている。ステアリングコラム4の上端部であって、ステアリングホイール2の下方位置には静止支持枠5が装着されている。静止支持枠5は、ステアリングコラム4の上端部の周囲をほぼ矩形状に囲む筒状部5aを備えている。静止支持枠5に、本発明による変速指令操作機構100が備えられている。なお、本明細書において、車両の実質的に前後進方向とは、図1においてほぼ上下方向(上方が前進方向)、図2においてほぼ紙面の表裏方向(裏方向が前進方向)、車両の左右方向とは、図1及び図2において左右方向、上下方向とは、実質的にステアリングシャフト3の軸線方向を示すものであって、図1においてほぼ紙面の表裏方向(表方向が上方)、図2においてほぼ上下方向、をそれぞれ示すものである。
【0010】
変速指令操作機構100は、シフト指令レバー10と、シフト指令レバー10に関連して配置されたシフトアップスイッチSW1、シフトダウンスイッチSW2及びディテント機構6を備えている。シフト指令レバー10は、ステアリングホイール2の下方位置において車両の左右方向に延在しかつ中央を揺動中心として左右両端部が上下方向に揺動しうるよう、上記静止支持枠5に配設されている。図1〜図4を参照して、更に具体的に説明すると、静止支持枠5の筒状部5aにおける、車両の後進方向に面した正面外側には、支持部材20が取り付けられている。ほぼ板状のブロック体からなる支持部材20は、図3に示されているように、正面から見て、やや縦長の矩形状部の長手方向両端部をそれぞれ側方に突出させたような形状をなし、4個の角部には取付孔20aが形成されている。静止支持枠5の筒状部5aの正面の、取付孔20aに整合する位置には4個の取付孔5b(図4においては2個だけ示されている)が形成されている。支持部材20は、これらの取付孔20a及び取付孔5bを介して図示しないボルト&ナットにより筒状部5aに取り付けられている。
【0011】
支持部材20は、図3及び図4に示されているように、その裏面(図3において紙面の裏面、図4において右端面)は平坦面をなすよう形成され、その長手方向一端(図3及び図4において上端)から他端部(図3及び図4において下端部)近傍までの領域は、その裏面からの厚さが比較的薄い薄肉部21に形成されている。また支持部材20の他端部は、その裏面からの厚さが比較的厚く形成された厚肉部22をなしている。薄肉部21の中央部には、支持軸23が正面側に突出するよう一体に形成されている。
【0012】
支持部材20の厚肉部22における、薄肉部21との境界を規定する段部24は支持軸23の軸心を中心とする直立円弧面に形成されている。厚肉部22には、支持軸23の軸心を中心とする半径方向に延在する3個の孔25、26及び27が形成されている。孔25は、段部24に沿った周方向の中央部に形成され、その一端は円弧面に開口し、他端は閉塞されている。孔26及び27は、孔25を周方向に等間隔をおいて挟んだ位置に形成され、その一端は段部24に開口し、他端は絶縁部材である適宜の合成樹脂から形成することができるふた部材26A及び27Aにより閉塞される。孔26は、車両の前進方向に見て孔25の右隣に配置され、孔27は、車両の前進方向に見て孔25の左隣に配置されている。孔26及び27の開口端寄りの1か所には小径部が形成されている。上記のように構成された支持部材20は適宜の合成樹脂又は金属から一体に形成されている。
【0013】
孔25内には、ディテントピン6a及び圧縮コイルばね6bが挿入されている。ディテントピン6aは適宜の合成樹脂又は金属から一体に形成されている。ディテントピン6aの、孔25の開口端側の先端面は球面形状に形成されている。ディテントピン6aの他端部側は小径に形成され、圧縮コイルばね6bは、ディテントピン6aの大径&小径の段部に作用してディテントピン6aを孔25の開口端方向に付勢しうるよう配置され、ディテントピン6aの先端部は段部24から半径方向内側に突出するよう位置付けられる。
【0014】
孔25の右隣に配置された孔26には、シフトアップスイッチSW1が装着されている。シフトアップスイッチSW1は、孔26内の小径部よりも先端側(開口端側)に挿入された作動ピン26a及び圧縮コイルばね26bと、孔26内の小径部よりも他端側に挿入された一対のスイッチ板26cとを備えている。相互に孔26の半径方向に間隔をおいて対向するよう配置された一対のスイッチ板26cは、導電性金属薄板から形成され、先端部において相互に協働してほぼX形をなすように折り曲げられている。スイッチ板26cの各々は、相互に協働してX形をなす折曲先端部において相互に接触させられている。スイッチ板26cの各々の他端部は、孔26のふた部材26Aから、厚肉部22の半径方向外側に延び出すよう配設されている。実用的には、一対のスイッチ板26cをふた部材26Aに埋め込むよう一体に形成してスイッチ体とし、このスイッチ体を孔26に適宜に装着するよう構成することが好ましい。絶縁部材である適宜の合成樹脂から一体に形成されている作動ピン26aの先端面は球面形状に形成され、他端部は他端に向かって徐々に小径となるような、ほぼ楔形状をなすよう形成されている。作動ピン26aの先端部には大径部が形成されている。圧縮コイルばね26bは、作動ピン26aの大径部に作用して作動ピン26aを孔26の開口端方向に付勢しうるよう配置され、作動ピン26aの先端部は段部24から半径方向内側に突出するよう位置付けられる。この作動ピン26aの他端側は、孔26の小径部から他端側に突出するよう配置され、その最他端部は、スイッチ板26cの各々のX形をなす先端部におけるほぼV形の隙間部に位置付けられる。
【0015】
孔25の左隣に配置された孔27には、シフトダウンスイッチSW2が装着されている。シフトダウンスイッチSW2は、孔27内の小径部よりも先端側に挿入された作動ピン27a及び圧縮コイルばね27bと、孔27内の小径部よりも他端側に挿入された一対のスイッチ板27cとを備えている。シフトダウンスイッチSW2の構成は、上記したシフトアップスイッチSW1の構成と実質的に同じであるので、更なる説明は省略する。
【0016】
適宜の合成樹脂又は金属から一体に形成することができるシフト指令レバー10の中間部は、ほぼ一定の上下方向幅を有する帯板形状をなしており、長手方向中央部には裏面側に一定の厚さだけ突出するボス部11が形成されると共に、表裏方向に延在する被支持孔12が形成されている。図3に示されているように、ボス部11の外周面における上端面は、シフト指令レバー10の平坦な上面と共通の平面上に位置付けられるよう形成され、残りの面は、被支持孔12を軸心とする半径Rを有する円形の外周面11a(最大外径面)を含むよう形成されている。この半径Rは、支持部材20の厚肉部22における段部24の円弧面の半径よりも小さく規定されている。ボス部11の外周面における下端部領域は、シフト指令レバー10の平坦な下面から下方に突出するよう配置されている。シフト指令レバー10の平坦な下面から下方に突出したボス部11の外周面における下端部領域において、その周方向中央には、上記外周面11aから半径方向内側に凹むディテント溝11bが形成されている。またディテント溝11bの周方向両側には、上記外周面11aが、周方向に比較的短い、相互に同じ角度範囲にわたって延在するよう形成され、該外周面11aの各々の周方向外側には、上記外周面11aから半径方向内側に凹む、スイッチ非作動溝11cが、周方向に比較的大きな同じ角度範囲にわたって延在するよう形成されている。ディテント溝11bは、被支持孔12の軸方向に見て、全体としては角度が比較的緩やかなほぼV形状をなしており、その底部は、ほぼ円弧形状をなすよう形成されている。この底部の形状は、ディテント機構6のディテントピン6aの球面状の先端部をほぼ密着して嵌合しうるような円弧形状に形成されている。スイッチ非作動溝11cは、外周面11aと共通の軸心を有しかつ外周面11aの半径Rよりも小さな半径を有する外周面上に位置付けられている。ディテント溝11bの、上記外周面11aからの深さは、スイッチ非作動溝11cよりも深く形成されている。
【0017】
上記シフト指令レバー10は、その被支持孔12が支持部材20の支持軸23に揺動(旋回)自在に支持されることにより、支持部材20に揺動(旋回)自在に支持される。なお、図3及び図4において番号28は、支持軸23に嵌合された抜止リングを示している。シフト指令レバー10のボス部11の外周面における下端部領域は、支持部材20の厚肉部22における段部24の円弧面に隙間をおいて対向するよう位置付けられる。このような構成により、シフト指令レバー10が支持軸23まわりに揺動しても、帯板形状部(本体部)が、上記厚肉部22に干渉することはない。
【0018】
支持部材20のディテントピン6aの先端は、シフト指令レバー10のディテント溝11b内に圧縮コイルばね6bにより付勢された状態で嵌合させられる。支持部材20のシフトアップスイッチSW1の作動ピン26aの先端は、シフト指令レバー10の、上記右側に形成されたスイッチ非作動溝11c内の、ディテント溝11bの右側に隣接した上記外周面11aとの境界部に、圧縮コイルばね26bにより付勢された状態で位置付けられている。作動ピン26aの最他端部は、スイッチ板26cの各々のX形をなす先端部におけるほぼV形の隙間部に位置付けられるので、一対のスイッチ板26cは相互に接触し、シフトアップスイッチSW1はON状態とされている。作動ピン26aが上記位置から被支持孔12の軸心を中心とする半径方向外方に所定量移動させられると、作動ピン26aの最他端が一対のスイッチ板26cを相互に離隔する方向に弾性変形させるので、シフトアップスイッチSW1はOFFとなる(作動ピン26aは絶縁部材により形成されているため)。作動ピン26aが元の位置に復帰移動させられると、一対のスイッチ板26cは弾性力により元のX形に復帰して接触するのでシフトアップスイッチSW1は再びONとなる。このようなON−OFF動作は、実質的に同じ構成を有する他のスイッチSW2、SW3、SW4及びSW5についても同じであり、後の説明は省略する。
【0019】
支持部材20のシフトダウンスイッチSW2の作動ピン27aの先端は、シフト指令レバー10の、上記左側に形成されたスイッチ非作動溝11c内の、ディテント溝11bの左側に隣接した上記外周面11aとの境界部に、圧縮コイルばね27bにより付勢された状態で位置付けられている。作動ピン27aの最他端部は、スイッチ板27cの各々のX形をなす先端部におけるほぼV形の隙間部に位置付けられるので、一対のスイッチ板27cは相互に接触し、シフトアップスイッチSW2はON状態とされている。上記シフト指令レバー10は、実質的に水平に延在する、中立位置に保持される。なお、支持部材20の厚肉部22に形成された孔25内に挿入されたディテントピン6a及び圧縮コイルばね6b、シフト指令レバー10のディテント溝11b等は、ディテント機構6を構成する。
【0020】
シフト指令レバー10が中立位置に保持された状態(図2〜図4に示されている状態)において、シフト指令レバー10は、その左右両端部が、ステアリングコラム4の上端部に装着された静止支持枠5の後端部(車両の前後進方向の後端部)における左右外方位置まで延在するよう、両端部が幅広に形成されている。上記変速指令操作機構100はまた、シフト指令レバー10の一端部又は他端部に車両の実質的に前後進方向に変位可能に装着された前後進段指令部材と、前後進段指令部材に関連して配置された前進段指令スイッチSW3、後進段指令スイッチSW4及びディテント機構40とを備えている。図示の実施形態において、前後進段指令部材は、シフト指令レバー10の一端部、図示の実施形態において左端部に、一端部を揺動中心として他端部が車両の実質的に前後進方向に揺動可能に装着された前後進段指令レバー30により構成されている。主として図5〜図7を参照して更に具体的に説明すると、シフト指令レバー10の左端部は、ステアリングホイール2の軸方向上方から見て、上記前後方向に所定の幅をもって上記左右方向に延在するよう形成され、左端寄りの領域には平坦な支持上面10aが形成されている。支持上面10aの中央部には、実質的に上下方向に貫通する支持孔10bが形成され、支持上面10aの左端(シフト指令レバー10の左端)は支持孔10bと同軸の半円形状をなすよう形成されている。シフト指令レバー10の左端部における右側領域には、支持上面10aよりも実質的に上方に延び出す厚肉部13が形成されている。厚肉部13における、支持上面10aとの境界を規定する段部14は、支持孔10bと共通の軸心を有する直立半円形状面に形成されている。
【0021】
シフト指令レバー10の左端部の厚肉部13には、支持孔10bの軸心を中心とする半径方向に延在する3個の孔15、16及び17が形成されている。孔15は、段部14に沿った周方向の中央部に形成され、その一端は段部14に開口し、他端は閉塞されている。孔16及び17は、孔15を周方向に隣接して挟んだ位置に形成され、各々の一端は段部14に開口し、他端は、絶縁部材である適宜の合成樹脂から形成することができるふた部材16A及び17Aにより閉塞される。孔16は、実質的に上方から見て、孔15の、車両の前進方向側に隣接して配置され、孔17は、実質的に上方から見て、孔15の、車両の後進方向側に隣接して配置されている。孔15、16及び17の構成は、先に述べた支持部材20の厚肉部22に形成された孔25、26及び27と、それぞれ実質的に同じに形成されている。
【0022】
孔15内には、ディテントピン15a及び圧縮コイルばね15bが挿入されている。ディテントピン15aは適宜の合成樹脂又は金属から一体に形成されている。ディテントピン15aの、孔15の開口端側の先端面は球面形状に形成されている。ディテントピン15aの先端部には大径部が形成されている。圧縮コイルばね15bは、ディテントピン15aの大径部に作用してディテントピン15aを孔15の開口端方向に付勢しうるよう配置され、作動ピン15aの先端部は段部14から半径方向内側に突出するよう位置付けられる。
【0023】
孔15の、車両の前進方向側に隣接して配置された孔16には、前進段指令スイッチSW3が装着されている。前進段指令スイッチSW3は、孔16内の小径部よりも先端側に挿入された作動ピン16a及び圧縮コイルばね16bと、孔16内の小径部よりも他端側に挿入された一対のスイッチ板16cとを備えている。また、孔15の、車両の後進方向側に隣接して配置された孔17には、後進段指令スイッチSW4が装着されている。後進段指令スイッチSW4は、孔17内の小径部よりも先端側に挿入された作動ピン17a及び圧縮コイルばね17bと、孔17内の小径部よりも他端側に挿入された一対のスイッチ板17cとを備えている。前進段指令スイッチSW3及び後進段指令スイッチSW4の構成は、先に述べた、シフトアップスイッチSW1及びシフトダウンスイッチSW2の構成と実質的に同じであるので、更なる説明は省略する。
【0024】
適宜の合成樹脂又は金属から一体に形成することができる前後進段指令レバー30は、ほぼ一定の厚さを有すると共に、平面形状が、一端部においては半円形状よりも周方向長さが若干大きめの外周面30Aを有するようなほぼ半円形状に形成され、更に外周面30Aの両端から幅方向に拡大され、次いで他端に向かって若干末広がりとなるように延在する如く形成されている。上記外周面30Aは、すなわち前後進段指令レバー30の、ほぼ半円形状をなす一端面30Aであるといえる。前後進段指令レバー30の一端部領域の下面は、平坦な被支持下面30aをなすよう形成され、該一端部の中央には、被支持軸31が裏面方向に延び出すよう一体に形成されている。前後進段指令レバー30は、実質的に車両の前後進方向に見て、一端部領域は水平に延在し、一端部領域の他端から前後進段指令レバー30の他端に向かって上方に緩やかな角度でほぼ直線状に傾斜するよう形成されている。前後進段指令レバー30のほぼ半円形状をなす一端面30Aには、一端面30Aから半径方向内側に凹む3個のディテント溝32、33及び34が、周方向に等間隔をおいて形成されている。ディテント溝32は該一端面30Aの周方向中央に配置されている。相互に実質的に同じ形状をなすディテント溝32、33及び34は、平面から見て、比較的緩やかな角度のほぼV形状に形成され、また各々の底部は、ほぼ円弧状に形成されている。
【0025】
全体形状が概ね上記のように形成された前後進段指令レバー30は、その被支持下面30aがシフト指令レバー10の左端部の支持上面10aに重合されかつ被支持軸31が支持孔10bに嵌合されることにより、その一端部がシフト指令レバー10の左端部に揺動可能に支持される。なお、図7において、番号31aは、被支持軸31に嵌合された抜止リングを示している。前後進段指令レバー30のほぼ半円形状をなす上記一端面30Aは、シフト指令レバー10の上記厚肉部13における、段部14の半円形状面に対し隙間をおいて対向するよう位置付けられる。
【0026】
シフト指令レバー10の上記厚肉部13に配設されたディテントピン15aの先端は、前後進段指令レバー30のディテント溝32内に圧縮コイルばね15bにより付勢された状態で嵌合させられる。前進段指令スイッチSW3の作動ピン16aの先端は、上記周方向中央のディテント溝32に対し、実質的に車両の前進方向側に配置されたディテント溝33内に圧縮コイルばね16bにより付勢された状態で嵌合させられる。作動ピン16aの最他端部は、スイッチ板16cの各々のX形をなす先端部におけるほぼV形の隙間部に位置付けられるので、一対のスイッチ板16cは相互に接触し、前進段指令スイッチSW3はON状態とされている。また、後進段指令スイッチSW4の作動ピン17aの先端は、上記周方向中央のディテント溝32に対し、実質的に車両の後進方向側に配置されたディテント溝34内に圧縮コイルばね17bにより付勢された状態で嵌合させられる。作動ピン17aの最他端部は、スイッチ板17cの各々のX形をなす先端部におけるほぼV形の隙間部に位置付けられるので、一対のスイッチ板17cは相互に接触し、後進段指令スイッチSW4はON状態とされている。上記前後進段指令レバー30は、シフト指令レバー10の左端部から左方に延び出す、中立位置に保持される。なお、シフト指令レバー10の上記厚肉部13に形成された孔15内に挿入されたディテントピン15a及び圧縮コイルばね15b、前後進段指令レバー30のディテント溝32、33及び34等は、ディテント機構40を構成する。そして前後進段指令レバー30は、ディテント機構40により、中立位置(図1、図5〜図7に示される位置)、図示しない前進段指令位置又は後進段指令位置のいずれかに選択的に保持されるよう構成されている。これらについては後に詳述する。
【0027】
前後進段指令部材に関連して、前後進段指令部材の、中立位置から後進段指令位置への変位を解除自在にロックする変位ロック機構、実施形態においては前後進段指令レバー30に関連して、前後進段指令レバー30の、中立位置から後進段指令位置への揺動を解除自在にロックする揺動ロック機構50が備えられている。揺動ロック機構50は、該揺動のロックを解除したときにのみ、前後進段指令レバー30の中立位置から後進段指令位置への揺動を許容するよう構成されている。図6及び図7を参照して、揺動ロック機構50について具体的に説明する。
【0028】
シフト指令レバー10の左端部の上記支持上面10aには、支持孔10bの軸心を中心とする小径円弧溝51及び大径円弧溝52、並びに支持孔10bの軸心に対し半径方向に延在する半径方向溝53が形成されている。小径円弧溝51は、所定の半径方向幅及び支持孔10bの軸と平行な方向に向かう深さを有し、前後進段指令レバー30における車両の前後進方向中央部から該後進方向に延在するよう形成されている。大径円弧溝52は、小径円弧溝51と同じ半径方向幅及び支持孔10bの軸と平行な方向に向かう深さを有し、該前後進方向中央部から該前進方向に延在するよう形成されている。半径方向溝53は、小径円弧溝51及び大径円弧溝52と同じ周方向幅及び支持孔10bの軸と平行な方向に向かう深さを有し、小径円弧溝51及び大径円弧溝52の、シフト指令レバー10における車両の前後進方向中央部に位置する一端部間を連通するよう、該軸心を中心とする半径方向に延在するよう形成されている。
【0029】
前後進指令レバー30の該前後進方向中央部内には、小径孔54が、前後進指令レバー30の一端部近傍位置から他端部にわたって、被支持軸31の軸心を中心とする半径方向に直線状に延在するよう形成されている。前後進指令レバー30の被支持下面30aにおける、被支持軸31の半径方向外方位置であって、小径孔54の一端の延長上には、上記半径方向溝53と同じ周方向幅及び被支持軸31の軸と平行な方向に向かう深さを有する半径方向溝30bが該半径方向に延在するよう形成されている。小径孔54の一端は半径方向溝30bの上端部に開口し、半径方向溝30bの上端は、小径孔54の上端の延長方向に延在するよう形成されている。前後進指令レバー30の他端部には大径孔55が形成されている。大径孔55は、その一端が小径孔54に連通し他端が前後進指令レバー30の他端に開口するよう形成されている。大径孔55内には、押しボタン56が移動可能に挿入されている。押しボタン56の一端には操作ロッド57が一体に連結され、操作ロッド57は、小径孔54に移動可能に挿入されている。大径孔55内には圧縮コイルばね58が配置されて、押しボタン56を前後進指令レバー30の他端方向に付勢している。押しボタン56の他端部は前後進指令レバー30の他端から突出するよう位置付けられる。
【0030】
操作ロッド57の上記半径方向内側端には、実質的に下方に向かって延び出す係合部57aが一体に形成されている。操作ロッド57及び係合部57aの直径は、上記小径円弧溝51、大径円弧溝52、半径方向溝53及び30bの幅よりもわずかに小さく形成されている。前後進指令レバー30が上記中立位置(図1、図5〜図7に示される位置)に保持された状態で、前後進指令レバー30に形成された半径方向溝30bは、シフト指令レバー10に形成された半径方向溝53に整合するよう位置付けられ、かつ操作ロッド57の係合部57aが半径方向溝30b及び53の、上記半径方向外側端部間に跨がって係合するよう位置付けられる(図6及び図7参照)。
【0031】
なお、操作ロッド57及び係合部57aを前後進指令レバー30の大径孔55、小径孔54及び半径方向溝30b内に挿入するのを容易に可能にするため、前後進指令レバー30は、被支持軸31よりも他端側(図7において左端側)の部分が厚さ方向(図7においてほぼ上下方向)のほぼ中央において2分割されている。これら2つの部材が重合され、接着または図示しないビスにより一体に連結されるとにより図示の前後進指令レバー30が構成される。図7において、符号PLは、上記した如く2分割された2つの部材のパーティングラインを示している。パーティングラインPLは、大径孔55及び小径孔54の軸線に沿って延在するよう位置付けられる。
【0032】
図1及び図2を参照して、シフト指令レバー10の他端部、図示の実施形態において右端部には、他の指令部材が変位可能に装着され、かつ、他の指令部材に関連して他の指令スイッチが備えられている。図示の実施形態において、他の指令部材は、シフト指令レバー10の右端部に、一端部を旋回中心として他端部が車両の実質的に前後進方向に揺動可能に装着された他の指令レバー60から構成されている。シフト指令レバー10の右端部の構成及び他の指令レバー60の基本的構成は、先に説明した、シフト指令レバー10の左端部の構成及び前後進指令レバー30の構成と実質的に同じであるので、説明は省略する。他の指令レバー60と、シフト指令レバー10の右端部との間には、前後進指令レバー30におけるディテント機構40と実質的に同じ構成を有するディテント機構70が、シフト指令レバー10を支持する支持軸23の軸線に関して対称位置に配設されている。またシフト指令レバー10の右端部には、シフト指令レバー10の左端部に配設された前進段指令スイッチSW3と実質的に同じ構成を有する他の指令スイッチSW5が、該軸線に関して対称位置に配設されている。実施形態において、他の指令スイッチSW5は、図示しない変速機の制御モードを、マニュアル操作制御モードと自動変速制御モードとに切換可能なスイッチとして使用される。
【0033】
上記変速指令操作機構100を備えた図示しない車両は、ディーゼルエンジン、流体継手、湿式多板摩擦クラッチ(含むクラッチアクチュエータ)、多段変速機(含むシフト&セレクトアクチュエータ)、コントローラ等を備えている。変速指令操作機構100の上記スイッチSW1〜SW5からの指令信号はコントローラに入力され、コントローラはこれらの入力信号に基づいてクラッチアクチュエータ、シフト&セレクトアクチュエータ等に制御信号を出力し、多段変速機を制御しうるよう構成されている。
【0034】
上記変速指令操作機構100において、上記他の指令レバー60が、ディテント機構70により、図1に示される中立位置に保持されている状態においては、他の指令スイッチSW5はONであり、コントローラは、このON信号に基づいて、変速機の制御モードを自動変速制御モードに設定する。車両の前進走行における変速機の変速は、車両の運転状態に応じて自動制御される。他の指令レバー60を、その一端部を旋回中心として他端部を車両の実質的に前進方向に揺動させると(図1において矢印F1参照)、他の指令レバー60はディテント機構70により、マニュアル操作モード位置に保持される(図8参照)。他の指令スイッチSW5はOFFとされる。他の指令スイッチSW5のOFF信号を受けて、コントローラは、変速機の制御モードをマニュアル操作制御モードに設定する。車両の前進走行における変速機の変速は、シフト指令レバー10のシフトアップ&シフトダウン操作(手動操作)による指令信号に基づいて制御される。
【0035】
上記前後進段指令レバー30は、ディテント機構40により、中立位置(図1、図5及び図6参照)、前進段指令位置(図8参照)又は後進段指令位置(図示せず)のいずれかに選択的に保持されるよう構成されている。前後進段指令レバー30が中立位置に保持されている状態では、前進段指令スイッチSW3及び後進段指令スイッチSW4はいずれもONであり、コントローラは、これらのON信号を受けて、変速機を中立状態に制御する。図1、図5及び図6を参照して、前後進段指令レバー30を、中立位置から、その一端部を旋回中心として他端部を車両の実質的に前進方向に揺動させると(図1において矢印F2参照)、ディテント溝33がディテントピン15aに相対的に嵌合させられ、前後進段指令レバー30は前進段指令位置に保持される(図8参照)。ディテント溝32は、後進段指令スイッチSW4の作動ピン17aに相対的に嵌合させられる。後進段指令スイッチSW4はONの状態に保持される。前進段指令スイッチSW3の作動ピン16aは、前後進段指令レバー30の一端面30Aによりその他端方向に押し込まれるので、前進段指令スイッチSW3はOFFとなる。コントローラは、前進段指令スイッチSW3の作動信号(OFF信号)を受けて、変速機の制御モードを前進段制御モード(前進走行制御モード)に設定する。
【0036】
上記とは逆に、前後進段指令レバー30を、中立位置から、その一端部を旋回中心として他端部を車両の実質的に後進方向に揺動させると(図1において矢印B参照)、ディテント溝34がディテントピン15aに相対的に嵌合させられ、前後進段指令レバー30は後進段指令位置に保持される(図示せず)。ディテント溝32は、前進段指令スイッチSW3の作動ピン16aに相対的に嵌合させられる。前進段指令スイッチSW3はONの状態に保持される。後進段指令スイッチSW4の作動ピン17aは、後進段指令レバー30の一端面30Aによりその他端方向に押し込まれるので、後進段指令スイッチSW4はOFFとなる。コントローラは、後進段指令スイッチSW4の作動信号(OFF信号)を受けて、変速機の制御モードを後進段制御モード(後進走行制御モード)に設定する。
【0037】
上記したように、前後進段指令レバー30の他端部を車両の実質的に前進方向に揺動させると、前進段指令スイッチSW3が作動して変速機は前進段変速走行可能に制御され、また、前後進段指令レバー30の他端部を車両の実質的に後進方向に揺動させると、後進段指令スイッチSW4が作動して変速機は後進段走行可能に制御されるので、前後進段指令レバー30の操作方向と車両の走行方向が一致し、人間の習性に適合したレバー操作が行なわれる。その結果、変速指令操作を、自然な動作で円滑かつ確実に行なうことが可能になる。そして変速指令操作の誤操作も防止され、使い易くなって実用上有用である。
【0038】
前後進段指令レバー30に関連して、前後進段指令レバー30の、中立位置から後進段指令位置への揺動を解除自在にロックする揺動ロック機構50を備えることにより、揺動ロック機構50により該揺動のロックを解除したときにのみ、前後進段指令レバー30の、中立位置から後進段指令位置への揺動が許容されるので、誤操作が確実に防止される。揺動ロック機構50を図6及び図7に示すように構成した場合には、前後進段指令レバー30を、押しボタン50を押さないで中立位置から後進段指令位置へ揺動させると、操作ロッド57の係合部57aが半径方向溝53に当接して該後進方向への揺動がロックされる。押しボタン50を押すと、操作ロッド57の係合部57aが小径円弧溝51の一端まで半径方向溝53及び30bに沿って移動させられるので、該揺動操作により係合部57aが小径円弧溝51に沿って移動させられ、該揺動が許容される。他方、前後進段指令レバー30の、中立位置から前進段指令位置への揺動は、押しボタン50を押さない状態で、操作ロッド57の係合部57aが大径円弧溝52に沿って移動させられ、該揺動は支障なく円滑に行なわれる。
【0039】
図2及び図3を参照して、上記シフト指令レバー10の右端部(図示の実施形態においては他の指令レバー60でよい)を中立位置から上方に揺動させると(図2において矢印U参照)、シフトアップスイッチSW1の作動ピン26aが、図3において左隣の外周面11aによりその他端方向に押し込まれるので、シフトアップスイッチSW1はOFFとなる。コントローラは、シフトアップスイッチSW1の作動信号(OFF信号)を受けて、変速機の変速段を1段シフトアップするよう制御する。シフトダウンスイッチSW2の作動ピン27aは、スイッチ非作動溝11cに当接された状態にあり、シフトダウンスイッチSW2はONに維持される。人間の習性としてレバーの右側をアップさせる動作は、一般的にシフトアップ操作に適合するので、上記の構成により、人間の習性に適合したレバー操作が行なわれる。その結果、変速指令操作であるシフトアップ操作を、自然な動作で円滑かつ確実に行なうことが可能になる。そして変速指令操作の誤操作も防止され、使い易くなるので実用上有用である。
【0040】
上記とは逆に、シフト指令レバー10の左端部(図示の実施形態においては前後進段指令レバー30でよい)を中立位置から上方に揺動させると(図2において矢印D参照)、シフトダウンスイッチSW2の作動ピン27aが図3において右隣の外周面11aによりその他端方向に押し込まれるので、シフトダウンスイッチSW2はOFFとなる。コントローラは、シフトダウンスイッチSW2の作動信号(OFF信号)を受けて、変速機の変速段を1段シフトダウンするよう制御する。シフトアップスイッチSW1の作動ピン26aは、スイッチ非作動溝11cに当接された状態にあり、シフトアップスイッチSW1はONに維持される。上記したように、人間の習性としてレバーの右側をアップさせる動作は、一般的にシフトアップ操作に適合するので、これとは逆にレバーの左側をアップさせる動作をシフトダウン操作とすることに無理はなく、変速指令操作であるシフトダウン操作を、自然な動作で円滑かつ確実に行なうことが可能になる。そして変速指令操作の誤操作も防止され、使いやすくなるので実用上有用である。なお、シフト指令レバー10による上記シフトアップ&シフトダウン操作は、上記実施形態においては、他の指令レバー60が図8に示されている如く、マニュアル操作制御モード位置に保持された状態で行なわれる。
【0041】
上記説明から容易に理解されるように、本発明による変速指令操作機構100においては、ステアリングホイール2の下方において、変速機に対する前後進段指令操作及びシフト指令操作を実質的に1本のレバー上において行なうことを可能にし、変速指令操作をより迅速かつ容易に行なうことを可能にするものである。実施形態においては、1本のシフト指令レバー10の両端部に前後進段指令レバー30及び他の指令レバー60を揺動可能に配設して、シフト指令レバー10の操作でシフトアップ及びシフトダウン指令を遂行し、前後進段指令レバー30の操作で前進段指令及び後進段指令を遂行し、他の指令レバー60の操作で、自動変速制御モード又はマニュアル操作制御モードの切換を遂行することができる。これらのレバー操作は、全て、ステアリングホイール2に手を添えた状態で行なうことが可能であり、優れた操作性が確保される。また、1本のシフト指令レバー10に複数の指令レバーを集合させているので、機構全体がコンパクト化され、しかも多くの指令操作を実質的に1か所で集中して行なうことが可能であり、これらの点においても使いやすくなるので実用上有用である。なお、他の指令レバー60は、これを更にスイッチを増加して使用してもよいし、別のスイッチの操作に利用してもよい。また、車両の仕様に応じて省略する場合もある。
【0042】
以上、本発明によるステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構を、実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の種々の変形あるいは修正が可能である。例えば、上記実施形態において、シフト指令レバー10の右端部を中立位置から上方に揺動させるとシフトアップスイッチSW1が作動し、シフト指令レバー10の左端部を中立位置から上方に揺動させるとシフトダウンスイッチSW2が作動するよう構成されているが、この構成においては、シフト指令レバー10の左端部を中立位置から下方に揺動させてもシフトアップスイッチSW1が作動し、また、シフト指令レバー10の右端部を中立位置から下方に揺動させてもシフトダウンスイッチSW2が作動するので、いずれの作動も成立する。
【0043】
また、上記実施形態に代えて、シフト指令レバー10の左端部を中立位置から上方に揺動させるとシフトアップスイッチが作動し、シフト指令レバー10の右端部を中立位置から上方に揺動させるとシフトダウンスイッチが作動するよう構成する、他の実施形態もある。この構成においては、シフト指令レバー10の右端部を中立位置から下方に揺動させてもシフトアップスイッチが作動し、また、シフト指令レバー10の左端部を中立位置から下方に揺動させてもシフトダウンスイッチが作動するので、いずれの作動も成立する。
【0044】
以上、要するに、本発明においては、シフト指令レバーをその一端部又は他端部が中立位置から上方に変位するよう揺動させるとシフトアップスイッチが作動し、シフト指令レバーをその他端部又は一端部が中立位置から上方に変位するよう揺動させるとシフトダウンスイッチが作動する、よう構成されるのである。つまり、「シフト指令レバーをその一端部又は他端部が中立位置から上方に変位するよう揺動させるとシフトアップスイッチが作動し」とは、「シフト指令レバーの一端部又は他端部を中立位置から上方に揺動させるとシフトアップスイッチが作動し」、又は「シフト指令レバーの他端部又は一端部を中立位置から下方に揺動させるとシフトアップスイッチが作動し」のいずれの構成をも含むものである。また、「シフト指令レバーをその他端部又は一端部が中立位置から上方に変位するよう揺動させるとシフトダウンスイッチが作動する」とは、「シフト指令レバーの他端部又は一端部を中立位置から上方に揺動させるとシフトダウンスイッチが作動する」又は「シフト指令レバーの一端部又は他端部を中立位置から下方に揺動させるとシフトダウンスイッチが作動する」のいずれの構成をも含むものである。
【0045】
上記実施形態において、前後進段指令レバー30は、シフト指令レバー10の左端部に車両の実質的に前後進方向に揺動可能に装着されているが、これを、シフト指令レバー10の右端部に車両の実質的に前後進方向に揺動可能に装着する他の実施形態もある。以上、要するに、本発明においては、前後進段指令レバー30は、シフト指令レバーの一端部又は他端部に車両の実質的に前後進方向に揺動可能に装着される、よう構成されるのである。
【0046】
上記実施形態において、他の指令レバー60は、シフト指令レバー10の右端部に揺動可能に装着されているが、これを、シフト指令レバー10の左端部に揺動可能に装着する他の実施形態もある。この実施形態が成立するのは、シフト指令レバー10の右端部に前後進段指令レバー30が装着されている場合である。以上、要するに、本発明においては、他の指令レバー60は、シフト指令レバーの一端部又は他端部に揺動可能に装着される、よう構成されるのである。揺動の方向は、車両の実質的に前後進方向であることがことが好ましい。
【0047】
上記実施形態において、前後進段指令レバー30は、シフト指令レバー10の左端部に、車両の実質的に前後進方向に揺動可能に装着され、また、他の指令レバー60は、シフト指令レバー10の右端部に、車両の実質的に前後進方向に揺動可能に装着されているが、揺動可能の構成に代えて、車両の実質的に前後進方向に回転可能に装着する(前後進段指令レバー30、他の指令レバー60はダイヤルの如き回転操作部材に置換されるであろう)、又は車両の実質的に前後進方向にスライド可能に装着する(前後進段指令レバー30、他の指令レバー60はスライド片部材に置換されるであろう)、他の実施形態も成立する。車両の実質的に前後進方向の回転又はスライドにおいても、上記揺動におけると実質的に同様な作用効果を得ることは可能である。したがって、本発明において、上記前後進段指令レバー30は、シフト指令レバーの一端部又は他端部に車両の実質的に前後進方向に変位可能に装着された前後進段指令部材となり、他の指令レバー60は、シフト指令レバーの他端部又は一端部に変位可能に装着された他の指令部材となる。前後進段指令レバー30及び他の指令レバー60の変位の方向は、該変位の操作により、シフト指令レバー10が揺動させられない方向に規定される必要がある。なお、シフト指令レバー10の取付位置は、ステアリングコラム4の存在範囲であれば実施形態の位置に限定されることはない。
【0048】
また、上記実施形態において、前後進段指令レバー30に関連して、前後進段指令レバー30の、中立位置から後進段指令位置への揺動を解除自在にロックする揺動ロック機構50が備えられ、揺動ロック機構50により該揺動のロックを解除したときにのみ、前後進段指令レバー30の、中立位置から後進段指令位置への揺動が許容される、よう構成されているが、上記したように、前後進段指令レバー30が、例えば、回転操作部材、あるいはスライド片部材に置き換えられることに起因して、揺動ロック機構50は、より広い概念である変位ロック機構となる。したがって、本発明においては、前後進段指令部材に関連して、前後進段指令部材の、中立位置から後進段指令位置への変位を解除自在にロックする変位ロック機構が備えられ、変位ロック機構により該変位のロックを解除したときにのみ、前後進段指令部材の、中立位置から後進段指令位置への変位が許容される、よう構成されることになる。
【0049】
また、上記実施形態において、シフト指令レバー10、前後進段指令レバー30及び他の指令レバー60が中立位置に位置付けられている状態で、全てのスイッチはONとなるよう構成されているが、全てのスイッチをOFFとする他の実施形態、あるいは一部のスイッチをOFFとし、残りのスイッチをONとする更に他の実施形態もありうる。したがって、またスイッチの作動とは、ONからOFFへの切換動作に限らず、OFFからONへの切換動作をも含むものである。
【0050】
【発明の効果】
本発明による、ステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構によれば、ステアリングホイールの下方において、変速機に対する前後進段指令操作及びシフト指令操作を実質的に1本のレバー上において行なうことを可能にし、変速指令操作をより迅速かつ容易に行なうことを可能にする。また、上記効果に加えて更に、人間の習性に適合したレバー操作を行ないうるようにして、変速指令操作を自然な動作で円滑かつ確実に行なうことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された、ステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構の実施形態を示す平面図であって、一部を断面にして示す平面図。
【図2】図1に示す変速指令操作機構の正面図であって、一部を断面にして示す正面図。
【図3】図2の一部を拡大して示す図。
【図4】図3のA−A矢視断面図。
【図5】図1の一部を拡大して示す図。
【図6】揺動ロック機構の実施形態を示す平面図。
【図7】図6のB−B矢視断面図。
【図8】図1に示す変速指令操作機構の他の作動態様を示す平面図。
【符号の説明】
2 ステアリングホイール
10 シフト指令レバー
30 前後進段指令レバー
40 ディテント機構
50 揺動ロック機構
60 他の指令レバー
SW1 シフトアップスイッチ
SW2 シフトダウンスイッチ
SW3 前進段指令スイッチ
SW4 後進段指令スイッチ
SW5 他の指令スイッチ

Claims (4)

  1. ステアリングホイールの下方において車両の左右方向に延在しかつ中央を揺動中心として左右両端部が上下方向に揺動可能に配設されたシフト指令レバーと、シフト指令レバーに関連して配置されたシフトアップスイッチ及びシフトダウンスイッチと、シフト指令レバーの一端部又は他端部に車両の実質的に前後進方向に変位可能に装着された前後進段指令部材と、前後進段指令部材に関連して配置された前進段指令スイッチ、後進段指令スイッチ及びディテント機構とを備え、前後進段指令部材は、ディテント機構により、中立位置、前進段指令位置又は後進段指令位置のいずれかに選択的に保持されるよう構成され、前後進段指令部材を中立位置から該前進方向に変位させると前進段指令位置に保持されて前進段指令スイッチが作動し、前後進段指令部材を中立位置から該後進方向に変位させると後進段指令位置に保持されて後進段指令スイッチが作動し、シフト指令レバーをその一端部又は他端部が中立位置から上方に変位するよう揺動させるとシフトアップスイッチが作動し、シフト指令レバーをその他端部又は一端部が中立位置から上方に変位するよう揺動させるとシフトダウンスイッチが作動する、
    ことを特徴とするステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構。
  2. 前後進段指令部材は該前後進方向に揺動可能に装着された前後進段指令レバーから構成されている、請求項1記載の変速指令操作機構。
  3. 前後進段指令部材に関連して、前後進段指令部材の、中立位置から後進段指令位置への変位を解除自在にロックする変位ロック機構が備えられ、変位ロック機構により該変位のロックを解除したときにのみ、前後進段指令部材の、中立位置から後進段指令位置への変位が許容される、請求項1記載のステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構。
  4. シフト指令レバーの他端部又は一端部に変位可能に装着された他の指令部材と、他の指令部材に関連して配置された他の指令スイッチが備えられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のステアリングホイールの下方に備えられた変速指令操作機構。
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