JP3612357B2 - チェンジレバーユニット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、チェンジレバーユニットに関するもので、特に、チェンジレバーの操作機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5ないし図8に、大型自動車等の電気ー空気式変速機で使用されるチェンジレバーユニットUを示す。このチェンジレバーユニットUは、チェンジレバー1に貫通させた軸2の両端2a,2bをケーシング3の相対向する側壁3a,3bにそれぞれ回動自在に支持させ、かつ該チェンジレバー1を前記軸2のほぼ中央部にピン4によって互いに係合させ、それによって該チェンジレバー1を前記軸2と共に該軸2の周方向に回動させるとともに、該軸2の長手方向に傾動させ得るようにしている。
【0003】
さらに、このチェンジレバーユニットUでは、前記軸2の一端2aに変位検出のためのアーム5を、ピン5aにより固着させるとともに、前記ピン4の軸心延長上のケーシング3の一方の側壁3cに短軸6を回動自在に配設し、該短軸6に変位検出のためのアーム7を、ピン7aにより固着させている。この短軸6には、「し」の字状の帯片8を係止し、かつ該帯片8に長穴8aを形成し、該長穴8aにチェンジレバー1を挿通させている。 そして、前記チェンジレバー1の運動は、前記アーム5および前記帯片8を介して前記アーム7にそれぞれ伝達され、該アーム5、7の変位がセンサ9、10によって電気的に検出されるようになっている。
【0004】
すなわち、このチェンジレバーユニットUは、チェンジレバー1の変位をアーム5,7を介してX−Y座標でとらえ、変位センサ9,10によって電気信号に変換し、該電気信号を外部に出力する。前記変位センサ(フォトインタラプタ)9,10のうち変位センサ9はシフト側センサで3個、変位センサ10はセレクト側センサで2個からなり、該それぞれのセンサは前記アーム5,7の移動域に適宜な間隔をもって配設されている。このため、前記チェンジレバー1が動かされると、該アーム5,7の位置を前記シフト側変位センサ9およびセレクト側変位センサ10のそれぞれが検出し、該チェンジレバー1の位置を検出する。
【0005】
他方、このチェンジレバーユニットUは、ケーシング3の上部に配設されたガイドプレート11に、図7、図8に示すように、ロシヤ文字のЧ(チェー)型のシフトパターン溝12を有している。すなわち、このシフトパターンにおける一方のシフトラインは、リバースRとニュートラルNと走行(発進から自動変速)Dであり、他方のシフトラインは、手動操作用のアップシフトUPとホールド(一定走行保持)HOLDとダウンシフトDOWNであり、通常、前記チェンジレバー1を、自動変速にて前進走行中の前記Dの位置から、前記他方のシフトラインUP−HOLD−DOWNの一定走行中の前記HOLDの位置に移動させて、手動でアップシフトまたはダウンシフト操作をしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなチェンジレバーユニットUにおいて、走行中の変速に際し、前記ガイドプレート11に形成されたシフトパターン溝12に沿って、チェンジレバー1を操作するが、特に、前記チェンジレバー1のセレクト・シフト間の切り換え操作位置(すなわち、一方のシフトラインの走行Dの2方向の位置と、他方のシフトラインのホールドHOLD位置)で、該チェンジレバー1が前記シフトパターン溝12の側面に接触し、しばしば衝突音が発生する。このため、前記セレクト・シフト間の切り換え操作位置における前記シフトパターン溝12の側面に、前記衝突音の発生を防止するための樹脂製緩衝部材13が設けられていた。
【0007】
しかしながら、従来の前記チェンジレバーユニットUでは、次のような問題点あった。
(1) 前記樹脂製の緩衝部材13があるにも拘らず、前記チェンジレバー1を強く操作すると、前記緩衝部材13との衝突音が金属製のガイドプレート11に伝わって、前記ケーシング3や他の部材などと共鳴し、運転者に耳障りな不快感を与える。
(2) 前記樹脂製の緩衝部材13などの製造コストや組立コストが嵩むとともに、前記チェンジレバーユニットUの、特にガイドプレート11部分の外観がよくない。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みなされたもので、その目的は前記問題点を解消し、走行中の変速操作のとき、前記チェンジレバーが、ケーシングのガイドプレートのシフトパターン溝側面に接触または衝突がなく、かつ操作音が小さいチェンジレバーユニットを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、前記樹脂製の緩衝部材を削除して部品点数を少なくし、組立コストが安価で、かつ前記ガイドプレート部分の外観がよいチェンジレバーユニットを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の構成は、チェンジレバーに貫通させた軸の両端をケーシングの相対向する側壁にそれぞれ支持させるとともに、該チェンジレバーをピンによって前記軸に支持させて、該チェンジレバーを前記軸に対してその周方向に回動可能にかつその軸心に対して傾動可能に支持させて、シフトライン方向およびセレクトライン方向に移動可能に構成しているチェンジレバーユニットにおいて、次のとおりである。
【0011】
(1) 前記チェンジレバーの下端側には、該チェンジレバーの下端に配設されたばねと、該ばねにより前記下端面から出没自在に配設されたボールと、前記ケーシングの樹脂製底板の、前記チェンジレバーの下端に対向して形成された凹球面上に、前記チェンジレバーの操作位置に対応して、前記ボールが係着するように前記シフトライン上および前記セレクトライン上の操作位置に形成された凹部とからなるディテント機構が形成されるとともに、前記底板の前記凹球面上に、前記チェンジレバーのセレクト・シフト間の切り換え操作位置に対応して、前記チェンジレバーの前記セレクトライン方向への強い操作を阻止するストッパ部を形成し、前記チェンジレバーが、ガイドプレートに形成されたシフトパターン溝の前記セレクト・シフト間の切り換え操作位置の溝部分に接触する前に、前記チェンジレバー1の下端部が前記ストッパ部に当接するように構成されている。
【0012】
(2) 前記(1)において、前記ケーシングの上側に前記ガイドプレートが配設され、前記ガイドプレートには、前記チェンジレバーが貫通する前記シフトパターン溝のうち、前記セレクト・シフト間の切り換え操作位置と対向する部分に、前記セレクトライン方向への操作によって前記チェンジレバーが直接接触しないように逃げ部分が形成されていることを特徴とする。
【0013】
(3) 前記底板に形成された前記ストッパ部と当接する前記チェンジレバーの下端部分には、衝突音の発生を低減させるため、可とう性のゴム系部材が固着されていることを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明は、以上のように構成されているので、チェンジレバーの下端と前記ケーシングの樹脂製底板との間に形成されたディテント機構と並んで、前記底板の凹球面上に、前記チェンジレバーの前記セレクトライン方向への強い操作を阻止するために形成されたストッパ部により、前記チェンジレバーがガイドプレートのシフトパターン溝の側面に接触または衝突する前に、該チェンジレバーの下端が前記ストッパ部に当接するようにする。同時に、従来の前記ガイドプレート使用されていた前記樹脂製の緩衝部材を削除する。
【0015】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。
図1ないし図4は、本発明のチェンジレバーユニットの一実施例を示す図で、図5ないし図7に示す部材と同一部材には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0016】
前記チェンジレバーユニット20のケーシング3の上部には、ガイドプレート21が配設されている。このガイドプレート21には、図8に示すように、シフトパターンに倣ったロシヤ文字のЧ(チェー)型状のシフトパターン溝22が形成されている。このЧ(チェー)型状の溝22は、リバースR、ニュートラルNおよび走行(発進から自動変速)Dからなる第1のシフトラインと、アップシフトUP、ホールド(一定走行保持)HOLDおよびダウンシフトDOWNとからなる第2のシフトラインと、走行DおよびホールドHOLDとからなるセレクトラインとによって構成されている。そして、この溝22には、チェンジレバー1が挿通されている。
【0017】
前記ガイドプレート21に形成されているシフトパターン溝22のうち、図4に示すように、前記チェンジレバー1のセレクト・シフト間の切り換え操作位置の部分、すなわち前記セレクトラインと第1のシフトラインとのり換え操作位置である前記走行D位置の曲がり溝部分22a、および前記セレクトラインと第2のシフトラインとのり換え操作位置である前記ホールドHOLD位置の溝部分22bにおける溝幅は、操作される前記チェンジレバー1が溝側面に直接接触しないように、R部分を大きく削除して、逃げ部分23を形成している。
【0018】
他方、前記チェンジレバーユニット20では、図1に示すように、ケーシング3の下部には、樹脂製の底板29が配設されている。この底板29は、該チェンジレバー1の下端の移動域内で、該チェンジレバー1の下端と常に一定の間隔を保つように、凹球面状に湾曲して形成されている。そして、該チェンジレバー1の下端には、該下端と底板29との間に、ディテント機構30が形成されている。このディテント機構30は、該チェンジレバー1の下端にばね31を介して出没自在に配設されたボール32と、前記底板29に形成された凹部33とによって構成されている。
【0019】
この凹部33は、シフトパターンのリバースR位置,ニュートラルN位置,走行(発進から自動変速)D位置およびホールド(一定走行保持)HOLD位置に対応する箇所に形成されている。したがって、前記チェンジレバー1がそれらの位置に移動されると、ボール32が凹部33に落ち込むため、該チェンジレバー1は、そこに位置決めされる。
しかし、このチェンジレバーユニット20は、前記第2シフトライン(UP−HOLD−DOWN)にチェンジレバー自動戻り機構26が設けられているので、該第2シフトラインのアップシフトUP位置およびダウンシフトDOWN位置には、当然のことながら、前記凹部33は設けられていない。
【0020】
前記底板29の前記凹球面上には、前記チェンジレバー1の、前記ガイドプレート21に形成されているシフトパターン溝22のうち、前記セレクト・シフト間の切り換え操作位置の前記溝部分22a,22bに対応して、前記チェンジレバー1を強く操作したとき、その強い操作を阻止するため、それぞれストッパ部29a,29bが形成されている。
【0021】
また、前記チェンジレバー1の下端が、前記底板29に形成されたストッパ部29a,29bと当接する該チェンジレバー1の下端部分には、可とう性のゴム系材からなる管部材35が固着されており、前記ストッパ部29a,29bとの当接時の衝突音の発生を低減させるとともに、前記チェンジレバー1が、前記ガイドプレート21の前記セレクト・シフト間の切り換え操作位置の溝部分22a,22bに接触する僅か前に、前記チェンジレバー1の下端部分を前記ストッパ部29a,29bに当接させている。
【0022】
なお、前記チェンジレバー1の下端部分には、前記管部材35が固着されない場合でも、前記チェンジレバー1が、前記ガイドプレート21の前記セレクト・シフト間の切り換え操作位置の溝部分22a,22bに接触する僅か前に、前記チェンジレバー1の下端部分を前記ストッパ部29a,29bに当接させるのが好ましい。
【0023】
従って、自動車の走行中、変速操作したとき、前記チェンジレバー1が前記ガイドプレート21に形成されているシフトパターン溝22のうち、前記セレクト・シフト間の切り換え操作位置の前記溝部分22a,22bに対応する、前記底板29の前記ストッパ部29a,29bにより、前記チェンジレバー1の強い操作が阻止されるとともに、前記溝部分22a,22bへの接触または衝突がなく、かつ操作音を小さくすることができる。
【0024】
なお、本発明の技術は前記実施例における技術に限定されるものではなく、同様な機能を果たす他の態様の手段によってもよく、また本発明の技術は前記構成の範囲内において種々の変更、付加が可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、チェンジレバーの下端と前記ケーシングの樹脂製底板との間に、前記チェンジレバーの操作位置に対応したディテント機構が形成されるとともに、前記底板の凹球面上に、前記チェンジレバーのセレクト・シフト間の切り換え操作位置に対応して、前記チェンジレバーの前記セレクトライン方向への強い操作を阻止するストッパ部が形成されたので、前記チェンジレバーが、ケーシングのガイドプレートのシフトパターン溝側面に接触または衝突しないようにすることができる。
【0026】
また、従来、前記ハウジングの上側に配設されるガイドプレートのシフトパターン溝に設けられていた樹脂製の緩衝部材が削除されたので、部品点数が少なく、組立コストが安価になり、かつ前記ガイドプレート部分の外観をよくすることができる。
【0027】
さらに、該チェンジレバーの下端が前記底板に形成されたストッパ部と当接する部分には、可とう性のゴム系部材が固着されているので、変速操作時の前記チェンジレバーユニットの操作音を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチェンジレバーユニットの一実施例を示すセレクト方向の縦断面図である。
【図2】図1のシフト方向の縦断面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】ガイドプレートの平面図である。
【図5】従来のチェンジレバーユニットを示すセレクト方向の断面図である。
【図6】図5のシフト方向の縦断面図である。
【図7】図5の平面図である。
【図8】図3および図7のシフトパターンを示す図である。
【符号の説明】
1 チェンジレバー
3 ケーシング
20 チェンジレバーユニット
21 ガイドプレート
22 シフトパターン溝
22a 曲がり溝部分
22b 溝部分
23 逃げ部
29 底板
29a,29b ストッパ部
30 ディテント機構
31 ばね
32 ボール
33 凹部
35 管部材
Claims (2)
- チェンジレバーに貫通させた軸の両端をケーシングの相対向する側壁にそれぞれ支持させるとともに、該チェンジレバーをピンによって前記軸に支持させて、該チェンジレバーを前記軸に対してその周方向に回動可能にかつその軸芯に対して傾動可能に支持させて、シフトライン方向およびセレクトライン方向に移動可能に構成しているチェンジレバーユニットにおいて、
前記チェンジレバーの下端側には、該チェンジレバーの下端に配設されたばねと、該ばねにより前記下端面から出没自在に配設されたボールと、前記ケーシングの樹脂製底板の前記チェンジレバーの下端に対向して形成された凹球面上に、前記チェンジレバーの操作位置に対応して、前記ボールが係着するように前記シフトライン上および前記セレクトライン上の操作位置に形成された凹部とからなるディテント機構が形成されるとともに、前記底板の前記凹球面上に、前記チェンジレバーのセレクト・シフト間の切り換え操作位置に対応して、前記チェンジレバーの前記セレクトライン方向への強い操作を阻止するストッパ部を形成し、
前記ケーシングの上側には、前記ガイドプレートが配設され、前記チェンジレバーが、前記ガイドプレートに形成されたシフトパターン溝の前記セレクト・シフト間の切り換え操作位置の溝部分に接触する前に、前記チェンジレバーの下端部が前記ストッパ部に当接するように構成され、
前記ガイドプレートには、前記チェンジレバーが貫通する前記シフトパターン溝のうち、前記セレクト・シフト間の切り換え操作位置と対向する部分に、前記セレクトライン方向への操作によって前記チェンジレバーが直接接触しないように逃げ部分が形成されていることを特徴とするチェンジレバーユニット。 - 前記底板に形成された前記ストッパ部と当接する前記チェンジレバーの下端部分には、衝突音の発生を低減させるため、可とう性のゴム系部材が固着されていることを特徴とする請求項1に記載のチェンジレバーユニット。
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- 1995-02-10 JP JP2249295A patent/JP3612357B2/ja not_active Expired - Fee Related
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