WO2021085129A1 - 模様付けされた天然皮革シート、及び天然皮革の模様付け方法 - Google Patents

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Abstract

凸稜線を有する1つ又は複数の模様を表面に有する、模様付けされた天然皮革シートであって、前記模様の高さが0.5~2.0mmであり、前記模様の底角が0.2°~89°であり、皮革シートの裏面が平坦である、模様付けされた天然皮革シート。

Description

模様付けされた天然皮革シート、及び天然皮革の模様付け方法
 本発明は、凸稜線を有する模様が付与された天然皮革シート、及びその模様付け方法に関する。
 従来、自動車の座席シート、ソファ、バッグ、財布等の様々な物品において、エンボス加工を施した天然皮革が用いられている。天然皮革にエンボス加工を施し、表面に凹凸形状を形成することにより、好適な装飾性及び触感を付与することができる。
 天然皮革をエンボス加工する技術としては、平板エンボス法とロールエンボス法に大別され、平板エンボス法としては、金型を皮革表面に押しつけて凹ませる方法(特許文献1)、雌雄の金型で皮革をはさんでプレスして模様を浮き上がらせる方法(特許文献2)等が知られている。特許文献1の方法では、天然皮革1を金型2の深さよりも浅く押した場合、皮革1と金型2の間に隙間ができ、皮革2表面が丸く膨らみ(図5A参照)、天然皮革3を金型4の深さよりも深く推した場合、皮革3表面が金型4でつぶされて平らになる(図5B参照)。すなわち、凹部に関しては、上からの圧力で金型の形状通りのシャープな線を表現する事ができるが、凸部に関しては、十分な圧力を加える事ができず、シャープな線を表現する事ができなかった。
 また、特許文献2の方法では、天然皮革5に金型6の形状通りのシャープな線を凹部及び凸部共に比較的形成しやすいものの(図6A参照)、天然皮革5の底部を盛り上げて表面を突起させているため、形成された模様は恒久的ではなく、加重や摩擦により消失しやすかった(図6B参照)。
 そのため、エンボス加工により天然皮革に形成される模様としては、ワニ、クロコダイル、オーストリッチ等の爬虫類の模様を模したもの、幾何学的模様、ボタニカル模様等、様々な模様が存在するものの、従来の模様は全て、平面的でメリハリがなく立体感に乏しいものであった(非特許文献1)。
特開平06-100900号公報 特開平07-138600号公報
EMBOSS CATALOG,2017年秋冬,墨田革漉工業株式会社
 本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、鮮明な凸稜線を有する立体的な模様を天然皮革に模様付けする方法、及び当該模様を有する意匠上の効果が高い天然皮革シートを提供することである。
 本発明者らは、種々検討を重ねた結果、金型の形状や模様の形成方法等を工夫すること等により、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
 即ち、本発明は、
(1)凸稜線を有する1つ又は複数の模様を表面に有する、模様付けされた天然皮革シートであって、
 前記模様の高さが0.5~2.0mmであり、
 前記模様の底角が0.2°~89°であり、
 皮革シートの裏面が平坦である、
 模様付けされた天然皮革シート、
(2)模様が多角錐凸部を含む、(1)に記載の模様付けされた天然皮革シート、
(3)前記多角錐凸部は、3~100mmの凸稜線を有する、(2)に記載の模様付けされた天然皮革シート、
(4)模様が、凸部の外周に凹部を有する模様である、(1)~(3)のいずれかに記載の模様付けされた天然皮革シート、
(5)1つ又は複数の凹部を有し、前記凹部の傾斜角が0.2°~45°であり、深さが0.5~2mmである金型と、受圧部とを準備する工程と、
 前記受圧部と前記金型との間に厚さ0.5~2.0mmの天然皮革を設置する工程と、
 前記天然皮革を前記金型で圧力0.1~5.0MPaで押圧するとともに、熱、超音波及び高周波から選択された1つ以上を加える工程と、
を含む、
 天然皮革に模様付けする方法、
(6)受圧部が、硬度25~722の金属平坦面と、前記金属平坦面上の厚さ0.5~20mmの緩衝材とを含む、(5)に記載の方法、
(7)前記金型の深さが天然皮革の厚さよりも浅い、(5)又は(6)に記載の方法、
に関する。
 本発明によれば、鮮明な凸稜線を有する立体的な模様を有する、意匠上の効果が高い天然皮革シートを提供することが可能となる。
 また本発明によれば、天然皮革シートに形成される模様の凸部外周に凹部を有することによって、模様の凸部の更なる明確化が実現できる。
本発明の模様付けされた天然皮革シートの断面図である。 本発明の天然皮革の模様付け方法に使用される金型の断面図である。 本発明の模様付けされた天然皮革シートの第一の実施形態である。 本発明の模様付けされた天然皮革シートの第二の実施形態である。 本発明の模様付けされた天然皮革シートの第三の実施形態である。 本発明の模様付けされた天然皮革シートの第四の実施形態である。 本発明の模様付けされた天然皮革シートの第五の実施形態である。 本発明の模様付けされた天然皮革シートの第六の実施形態である。 本発明の実施例1にかかる天然皮革の模様付け方法である。 本発明の実施例1にかかる模様付けされた天然皮革シートの表面写真である。 本発明の比較例1にかかる天然皮革の模様付け方法である。 本発明の比較例1にかかる模様付けされた天然皮革シートの表面写真である。 従来技術の天然皮革の模様付け方法の一例を示す図である。 従来技術の天然皮革の模様付け方法の一例を示す図である。 従来技術の天然皮革の模様付け方法の一例を示す図である。 従来技術の天然皮革の模様付け方法の一例を示す図である。
(定義)
 本発明において、「エンボス加工」との用語は、天然皮革に、凸凹模様を彫った金型で押圧し、浮き出し模様を作る加工方法を指す。
 本発明において、「凸稜線」との用語は、天然皮革に形成された模様の隣接する二つの面が交わってできる山の尾根のように出っ張っている線分(辺)を指す(例えば、図1Aの103参照)。
 本発明において、「模様の底角」との用語は、天然皮革に形成された模様の凸部の水平面と当該水平面に接する凸稜線のなす角度を指す(例えば、図1Aの104参照)。
 本発明において、「模様の高さ」との用語は、天然皮革に形成された模様の最大高低差を指す(例えば、図1Aの105参照)。例えば、天然皮革に形成された模様が多角錐凸部のみを有する場合には、「模様の高さ」は、当該多角錐の頭頂点と底面との距離を指す。
 本発明において、「傾斜角」との用語は、金型の水平面と傾斜面のなす角度を指す(例えば、図1Bの112参照)。
 本発明において、「金型の深さ」との用語は、金型の最大高低差を指す(例えば、図1Bの114参照)。
 本発明において、「天然皮革」とは、牛、馬、豚、山羊、羊、鹿、カンガルー等の哺乳類、ダチョウ等の鳥類、ヘビ、ワニ等の爬虫類等に由来するものを挙げることができるがこれらに限定されない。なかでも、汎用性が高く、面積が大きな牛皮が好ましい。天然皮革の採取元となる生物の皮革採取部位は、特に限定されない。皮革は、原皮の真皮を鞣して作られる。鞣しの方法としては、タンニン鞣し、クロム鞣し及びそのコンビネーション鞣し等が使用される。
(模様付けされた天然皮革シート)
 本発明に係る模様付けされた天然皮革シート100は、図1Aに例示されるものであり、凸稜線を有する1つ又は複数の模様を表面に有する。
 模様の高さ105は、0.5~2mmであり、0.75~1.75mmであることが好ましく、1.0~1.5mmであることが特に好ましい。模様の高さ105が0.5mm未満であると立体的な模様とならず、2mmを超えると凸稜線が形成できない。
 模様の底角104は、0.2°~89°であり、0.5°~60°であることが好ましく、1°~45°であることが特に好ましい。模様の底角104が0.2°未満であると立体的な模様とならず、89°を超えると凸稜線103が形成できない。
 これに限定されないが、天然皮革シートの模様は、凸部101の外周に凹部102を有することもできる。これにより、凸部101の境界が明確になり、シャープな印象の模様を形成することができる。凹部102の深さは、0.01~1.0mmであることが好ましく、0.03~0.5mmであることがより好ましく、0.05~0.1mmであることが特に好ましい。凹部の深さが当該範囲であると、凸部の更なる明確化が実現しやすい。
 模様の形状は、特に限定されないが、多角錐、多角錐台、円錐台、及びこれらの頭頂を変形させた形状等が挙げられる。
 「多角錐」とは、底面の形が多角形であり、全ての側面が三角形である錐体である。本発明において、「多角錐」は、特に限定されないが、三角錐から十角錐であることが好ましく、三角錐から六角錐であることがより好ましく、三角錐又は四角錐であることが特に好ましい。なお、底面がn角形であるような角錐をn角錐と呼ぶ。
 「多角錐台」とは、多角錐から、頂点を共有し相似に縮小した多角錐を取り除いた立体図形である。本発明において、「多角錐台」は、特に限定されないが、三角錐台から十角錐台であることが好ましく、三角錐台から六角錐台であることがより好ましく、三角錐台又は四角錐台であることが特に好ましい。なお、底面がn角形であるような角錐台をn角錐台と呼ぶ。
 「円錐台」とは、円を底面とした錐台であり、円錐を底面に平行な平面で切り、小円錐の部分を除いた立体図形である。
<第一の実施形態>
 図2Aは、本発明の模様付けされた天然皮革シートの第一の実施形態を示している。本実施形態において天然皮革シート10に形成される模様は多角錐凸部を有する。この実施形態においては、多角錐の側面に明瞭な凸稜線12を形成することができる。この実施形態においては、凸稜線12の長さは、3~100mmであることが好ましく、10~80mmであることがより好ましく、20~50mmであることが特に好ましい。凸稜線の長さが3mm未満であると鮮明な凸稜線を確認しづらく、100mmを超える凸稜線は形成しづらい。また多角錐の底面の一辺の長さは、2.0~70mmであることが好ましく、5.0~50mmであることがより好ましく、10~40mmであることが特に好ましい。一辺の長さが2.0mm未満であると鮮明な凸稜線を確認しづらいことがあり、70mmを超えると立体的な模様となりづらいことがある。
<第二の実施形態>
 図2Bは、本発明の模様付けされた天然皮革シートの第二の実施形態を示している。本実施形態において天然皮革シート20に形成される模様は、多角錐台凸部又は円錐台凸部を有する。この実施形態においては、多角錐台又は円錐台の上面に明瞭な凸稜線22を形成することができる。また、多角錐台凸部の場合には、上面に加え、多角錐台の側面にも、明瞭な凸稜線23を形成することができる。この実施形態においては、多角錐台の底面の一辺の長さは、2.0~70mmであることが好ましく、5.0~50mmであることがより好ましく、10~40mmであることが特に好ましい。一辺の長さが2.0mm未満であると鮮明な凸稜線を確認しづらいことがあり、70mmを超えると立体的な模様となりづらいことがある。また円錐台の底面の直径は、2.5~100mmであることが好ましく、7.0~75mmであることがより好ましく、15~60mmであることが特に好ましい。一辺の長さが2.5mm未満であると鮮明な凸稜線を確認しづらいことがあり、100mmを超えると立体的な模様となりづらいことがある。
<第三の実施形態>
 図2Cは、本発明の模様付けされた天然皮革シートの第三の実施形態を示している。本実施形態において天然皮革シート30に形成される模様は、多角錐の頭頂が窪んでいる凸部を有する。この実施形態においては、金型の形状を修正することによって、側面に形成される凸稜線32に加え、上面に凸稜線33を有する曲面の形状を付与することが可能である。この実施形態においては、底面の一辺の長さは、2.0~70mmであることが好ましく、5.0~50mmであることがより好ましく、10~40mmであることが特に好ましい。一辺の長さが2.0mm未満であると鮮明な凸稜線を確認しづらいことがあり、70mmを超えると立体的な模様となりづらいことがある。
<第四の実施形態>
 図2Dは、本発明の模様付けされた天然皮革シートの第四の実施形態を示している。本実施形態において天然皮革シート40に形成される模様は、多角錐の頭頂が自然に丸まっている凸部を有する。この実施形態においては、金型の深い部分に天然皮革40の表面が触れないようにして、エンボス加工を施すことにより、側面に明瞭な凸稜線42を形成することができるうえ、凸部の頭頂に天然皮革の自然な風合いを残すこともできる。この実施形態においては、底面の一辺の長さは、2.0~70mmであることが好ましく、5.0~50mmであることがより好ましく、10~40mmであることが特に好ましい。一辺の長さが2.0mm未満であると鮮明な凸稜線を確認しづらいことがあり、70mmを超えると立体的な模様となりづらいことがある。
<第五の実施形態>
 本実施形態においては、天然皮革シート10に形成される模様は、図2Eに示されるものである。この実施形態においては、上面に明瞭な凸稜線52を形成することができる。この実施形態においては、凸稜線の長さは、2.0~70mmであることが好ましく、5.0~50mmであることがより好ましく、10~40mmであることが特に好ましい。凸稜線の長さが2.0mm未満であると鮮明な凸稜線を確認しづらく、70mmを超える凸稜線は形成しづらい。
<第六の実施形態>
 図2Fは、本発明の模様付けされた天然皮革シートの第六の実施形態を示している。本実施形態においては、天然皮革シート60に形成される模様は、多角錐台凹部を有する。この実施形態においては、上面に明瞭な凸稜線62を形成することができる。このように凹部のみを有するものであっても、凸稜線を有するものであれば、本発明における模様に相当する。
 本発明に係る模様付けされた天然皮革シートの裏面は平坦であるため、形成された模様は、加重や摩擦により容易に消失することがない。
(天然皮革に模様付けする方法)
 図3Aに示されるように、本発明に係る天然皮革をエンボス加工する方法は、金型110と受圧部120との間に天然皮革100を設置し、押圧するとともに、熱、超音波及び高周波から選択された1つ以上を加えることにより、金型110の模様を天然皮革100の表面に形成する方法である。
 本発明に係る模様付け方法に使用される金型は、図1Bに例示されるものである。図1Bに示されるように、金型110は、1つ又は複数の凹部111を有する。凹部111の傾斜角112は、0.2°~89°であり、0.5°~60°であることが好ましく、1°~45°であることが特に好ましい。金型110の凹部111の傾斜角112が0.2°未満であると立体的な模様とならず、89°を超えると凸稜線が形成できない。
 金型110の深さ114は、0.5~2mmであり、0.75~1.75cmであることが好ましく、1.0~1.5cmであることが特に好ましい。深さ114が0.5mm未満であると立体的な模様とならず、2mmを超えると凸稜線が形成できない。ただし、前述の第四の実施形態のように、金型の深い部分に天然皮革の表面が触れないようにする場合は、この限りではない。
 これに限定されないが、金型110の凹部111の外周には、凸部113を有することもできる。凸部113を有することにより、天然皮革により明確でシャープな印象の模様を形成することができる。凸部113の高さは、0.01~1mmであることが好ましく、0.03~0.5cmであることがより好ましく、0.05~0.1cmであることが特に好ましい。凸部の高さが当該範囲であると、模様の更なる明確化が実現できる。
 また所望により、金型110の表面をブラスト加工して、金型の表面に微細な凹凸(傷)をつけることもできる。これにより、金型で押された天然皮革表面の光を乱反射させ、光沢感を抑えることで見た目の高級感を出すことができる。
 受圧部120は、これに限定されないが、硬度25~722の金属平坦面122と、当該金属平坦面上の緩衝材121を含むことが好ましい。緩衝材121は、厚さ0.5~20mmのウール製フェルトであることがより好ましい。当該構成の受圧部120を用いることにより、模様の高さが0.5~2.0mmである立体形状であっても、鮮明な凸稜線が表現された意匠性を確保しやすくなる。
 天然皮革の厚さは、0.5~2.0mmであることが好ましく、0.7~1.5mmであることがより好ましく、0.8~1.2mmであることが特に好ましい。天然皮革の厚さが上記範囲を超える場合や上記範囲未満である場合、鮮明な凸稜線が形成できないことがある。
 なお本発明において、天然皮革の厚さは、断面の10点の厚さを測定し、その平均値とする。
 本発明においては、金型の深さは天然皮革の厚さよりも浅いことが好ましい。天然皮革と金型との間に隙間を作らない金型形状にする事で、金型通りの形状を天然皮革の表面に付与することができる。しかしながら、前述の第四の実施形態のように、天然皮革の模様の凸部頭頂に丸みを出すために、わざと金型を深くする場合にはこの限りではない。また、天然皮革の裏面に、事前に、もしくは、本方法と同時に、裏材を接着剤で貼り付け加工する場合もある。この裏材の硬度が天然皮革の硬度より低い場合(例えば、ウレタンフォーム)には、金型の深さは、やはり天然皮革の厚さよりも浅い。一方、裏材の硬度が本革の硬度に近い、もしくは高く、かつ、熱可塑性のある材質である場合(例えば、塩化ビニール)には、金型の深さは、天然皮革と裏材を足した厚さよりも浅ければ同様に目的を達成できる。
 押圧時の圧力は、0.1~5.0MPaであり、0.3~4.0MPaであることが好ましく、0.4~3.0MPaであることがより好ましい。圧力が上記範囲内であると、明瞭な凸稜線が形成されやすくなる。
 本発明に係る方法にて模様付けされた天然皮革シートの裏面は平坦であるため、形成された模様は、加重や摩擦により容易に消失することがない。
 本発明を実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例において、%は質量%を示す。
(実施例1)
 金属製のテーブル122上に、厚さ3.0mmのウール製フェルト121を設置し、厚さ2.0mm天然皮革100を設置した。天然皮革100の表面に、25cm角の模様付け用の鉄製金型110を加熱下(型の表面温度100℃)で押し付けることにより(圧力2MPa)、エンボス加工を行った(図3A参照)。
 エンボス加工を行った天然皮革の模様は、三角錐凸部(高さは1.5mm)を有し、その外周に凹部(深さが0.1mm)を有するものであり、明瞭に凹凸形状及び凸稜線が形成されていた(模様の高さ1.6mm)(図3B参照)。
 また、模様付けされた天然皮革シートを表皮として自動車用シートを作成し、有限会社ティエムテック製のシート乗降耐久試験機で、8000回の耐久試験(23℃、50%RHの環境下)を実施した。耐久試験後のシートにおいても、凹凸形状及び凸稜線が明瞭に残っていた。
(比較例1)
 金属製のテーブル122上に、厚さ2.0mm天然皮革200を設置した。天然皮革200の表面に、25cm角の模様付け用の鉄製金型210を加熱下(型の表面温度100℃)で押し付けることにより(圧力2MPa)、エンボス加工を行った(図4A参照)。
 エンボス加工を行った天然皮革の模様は、凹部の深さ0.1mmで表現された平面的な三角形であり、メリハリがなく立体感に乏しいものであった(図4B参照)。
 本発明に係る模様付けされた天然皮革シートは、鉄道車両や自動車、航空機、船舶等の内装材や座席シート、産業資材、インテリア、衣料、衣料資材等として利用可能である。
1,3,5,10,20,30,40,60,100,200 天然皮革
11,21,31,41,61,110 本発明の模様付け用金型
2,4,6,210 従来の模様付け用金型
101 模様の凸部
102 模様の凹部
12,22,23,32,33,42,52,62,103 凸稜線
104 模様の底角
105 模様の高さ
111 金型の凹部
112 金型の傾斜角
113 金型の凸部
114 金型の深さ
120 受圧部
121 緩衝材
122 金属平坦面

Claims (7)

  1.  凸稜線を有する1つ又は複数の模様を表面に有する、模様付けされた天然皮革シートであって、
     前記模様の高さが0.5~2.0mmであり、
     前記模様の底角が0.2°~89°であり、
     皮革シートの裏面が平坦である、
     模様付けされた天然皮革シート。
  2.  模様が多角錐凸部を含む、請求項1に記載の模様付けされた天然皮革シート。
  3.  前記多角錐凸部は、3~100mmの凸稜線を有する、請求項2に記載の模様付けされた天然皮革シート。
  4.  模様が、凸部の外周に凹部を有する模様である、請求項1~3のいずれか一項に記載の模様付けされた天然皮革シート。
  5.  1つ又は複数の凹部を有し、前記凹部の傾斜角が0.2°~45°であり、深さが0.5~2mmである金型と、受圧部とを準備する工程と、
     前記受圧部と前記金型との間に厚さ0.5~2.0mmの天然皮革を設置する工程と、
     前記天然皮革を前記金型で圧力0.1~5.0MPaで押圧するとともに、熱、超音波及び高周波から選択された1つ以上を加える工程と、
    を含む、
     天然皮革に模様付けする方法。
  6.  受圧部が、硬度25~722の金属平坦面と、前記金属平坦面上の厚さ0.5~20mmの緩衝材とを含む、請求項5に記載の方法。
  7.  前記金型の深さが天然皮革の厚さよりも浅い、請求項5又は6に記載の方法。
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