WO2021045037A1 - 車両後方情報取得システム - Google Patents

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信之 中井
拓郎 城所
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Abstract

本開示の車両後方情報取得システムは、車両の後部に取り付けられるバックウィンドウと、上記バックウィンドウに対向するように車内に配置され、光の照射及び/又は受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置とを備える車両後方情報取得システムであって、上記バックウィンドウは、板ガラスと、上記板ガラスの表面の少なくとも一部に設けられた被膜とを備え、かつ、上記車内のプライバシー性を保護するためのプライバシー領域と、上記情報取得装置に対向して上記光が通過する情報取得領域とを有し、上記プライバシー領域には、上記板ガラスの表面に上記被膜が設けられ、上記プライバシー領域の可視光線透過率は、10%以下であり、上記情報取得領域の可視光線透過率は、25%以上である。

Description

車両後方情報取得システム
 本開示は、車両の後方の情報を取得するシステムに関する。
 車両の後部に取り付けられるバックウィンドウ等の車両用ガラスには、車内のプライバシー性等を得ることを目的として灰色ガラス等の着色ガラスが使用されている。
 特許文献1には、灰色ガラスの組成例として、ソーダ石灰シリカ系ガラスを基礎組成とし、着色成分として酸化鉄等を含有する組成が記載されている。
特開平6-227839号公報
 近年、カメラ等の情報取得装置をバックウィンドウに搭載し、車両の後方の情報を取得することが増加している。しかし、バックウィンドウに対向するように情報取得装置を車内に配置する場合、情報取得装置の視認性を確保する観点から、灰色ガラスの色味をある程度薄くする必要がある。そのため、車内のプライバシー性と情報取得装置の視認性とを両立させることは困難である。
 本開示は、上記の問題を解決するためになされたものであり、バックウィンドウに情報取得装置が配置された車両後方情報取得システムであって、車内のプライバシー性と情報取得装置の視認性とを確保することができる車両後方情報取得システムを提供することを目的とする。
 本開示の車両後方情報取得システムは、車両の後部に取り付けられるバックウィンドウと、上記バックウィンドウに対向するように車内に配置され、光の照射及び/又は受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置とを備える車両後方情報取得システムであって、上記バックウィンドウは、板ガラスと、上記板ガラスの表面の少なくとも一部に設けられた被膜とを備え、かつ、上記車内のプライバシー性を保護するためのプライバシー領域と、上記情報取得装置に対向して上記光が通過する情報取得領域とを有し、上記プライバシー領域には、上記板ガラスの表面に上記被膜が設けられ、上記プライバシー領域の可視光線透過率は、10%以下であり、上記情報取得領域の可視光線透過率は、25%以上である。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいては、板ガラスの表面の少なくとも一部に被膜が設けられたバックウィンドウを用いている。可視光線透過率の低い濃色の被膜を板ガラスの表面に形成することにより、被膜が形成された領域の可視光線透過率を低くすることができる。そのため、被膜を形成する位置、被膜の可視光線透過率等を制御することにより、可視光線透過率が10%以下と低いプライバシー領域と、可視光線透過率が25%以上と高い情報取得領域とをバックウィンドウに設けることができる。その結果、車内のプライバシー性と情報取得装置の視認性とを確保することができる。
 本明細書において、可視光線透過率とは、JIS R3212:2015で規定された方法によって測定される可視光線透過率を意味する。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、板ガラスは、可視光線透過率が25%以上40%以下の灰色ガラスであってもよい。カメラ等の情報取得装置を介して車外からの情報を確認する目的であれば、灰色ガラスを通した画像で充分である。また、灰色ガラスを用いることにより、過度に濃色の被膜を形成しなくても、プライバシー領域の可視光線透過率を10%以下にすることができる。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、板ガラスは、可視光線透過率が70%以上95%以下のクリアガラス又は緑色ガラスであってもよい。クリアガラス又は緑色ガラスを用いることにより、灰色ガラスを用いた場合に比べて、鮮明な画像を得ることができる。例えば、灰色ガラスを通した画像では、オレンジ色が赤色と認識される等といった、色の誤認識を引き起こすおそれがある。これに対し、クリアガラス又は緑色ガラスを通した画像を用いることにより、色の誤認識を防止することができる。したがって、車外からの情報を単に確認する目的ではなく、車外からの情報に基づき各種の処理を行う目的であれば、クリアガラス又は緑色ガラスを用いることが好ましい。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、情報取得領域には、板ガラスの表面に被膜が設けられていないことが好ましい。この場合、可視光線透過率が25%以上の板ガラスを用いて、プライバシー領域にのみ濃色の被膜を形成することにより、プライバシー領域の可視光線透過率を10%以下とし、情報取得領域の可視光線透過率を25%以上とすることができる。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、被膜は、赤外線吸収剤及び紫外線吸収剤の少なくとも一方を含有してもよい。この場合、バックウィンドウに赤外線吸収機能及び紫外線吸収機能の少なくとも一方の機能を付与することができる。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、プライバシー領域の赤外線透過率は、15%以下であり、情報取得領域の赤外線透過率は、25%以上であることが好ましい。例えば、情報取得装置として赤外線カメラを用いた場合、赤外線遮蔽性を確保しつつ、赤外線カメラの視認性を確保することができる。
 本明細書において、赤外線透過率とは、波長780nm~2500nmにおける平均透過率を意味する。
 本開示によれば、車内のプライバシー性と情報取得装置の視認性とを確保することができる。
図1は、本開示の車両後方情報取得システムの一例を模式的に示す拡大断面図である。 図2は、本開示の車両後方情報取得システムを構成するバックウィンドウの一例を模式的に示す正面図である。 図3は、本開示の車両後方情報取得システムを構成するバックウィンドウの別の一例を模式的に示す正面図である。
 以下、本開示の車両後方情報取得システムについて具体的に説明する。
 しかしながら、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
 本開示の車両後方情報取得システムは、車両の後部に取り付けられるバックウィンドウと、上記バックウィンドウに対向するように車内に配置され、光の照射及び/又は受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置とを備える。
 図1は、本開示の車両後方情報取得システムの一例を模式的に示す拡大断面図である。図2は、本開示の車両後方情報取得システムを構成するバックウィンドウの一例を模式的に示す正面図である。
 図1に示す車両後方情報取得システム1は、車両の後部に取り付けられるバックウィンドウ10と、バックウィンドウ10に対向するように車内に配置される情報取得装置20とを備える。
 情報取得装置20は、光の照射及び/又は受光を行うことで車外からの情報を取得する装置であり、例えば、車外の状況を撮影するカメラ等の撮影装置である。情報取得装置20は、バックウィンドウ10に近接して配置され、必要に応じて、取り付け部材(図示せず)によってバックウィンドウ10に固定される。
 バックウィンドウ10は、板ガラス11と、板ガラス11の表面に設けられた被膜12とを備える。図1では、被膜12は、板ガラス11の車内側の表面に設けられている。
 図1及び図2に示すように、バックウィンドウ10は、車内のプライバシー性を保護するためのプライバシー領域R1と、情報取得装置20に対向して光が通過する情報取得領域R2とを有する。
 プライバシー領域R1には、板ガラス11の表面に被膜12が設けられている。これにより、プライバシー領域R1の可視光線透過率は、10%以下となっている。
 一方、情報取得領域R2の可視光線透過率は、25%以上となっている。図1では、情報取得領域R2には、板ガラス11の表面に被膜12が設けられていない。
 図2に示すように、バックウィンドウ10の周縁部には、遮光層13が設けられていることが好ましい。また、バックウィンドウ10には、熱線(デフォッガ)14及びアンテナ15が設けられていてもよい。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいては、プライバシー領域には、板ガラスの表面に被膜が設けられ、プライバシー領域の可視光線透過率が10%以下であり、情報取得領域の可視光線透過率が25%以上であることを特徴としている。
 上述したとおり、被膜を形成する位置、被膜の可視光線透過率等を制御することにより、可視光線透過率が10%以下と低いプライバシー領域と、可視光線透過率が25%以上と高い情報取得領域とをバックウィンドウに設けることができる。その結果、車内のプライバシー性と情報取得装置の視認性とを確保することができる。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいては、情報取得領域の可視光線透過率が25%以上である限り、情報取得領域には、板ガラスの表面に被膜が設けられていてもよいが、板ガラスの表面に被膜が設けられていないことが好ましい。可視光線透過率が25%以上の板ガラスを用いて、プライバシー領域にのみ濃色の被膜を形成することにより、プライバシー領域の可視光線透過率を10%以下とし、情報取得領域の可視光線透過率を25%以上とすることができる。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいては、バックウィンドウに設けられる情報取得領域の形状、数、位置等は特に限定されず、車内に配置される情報取得装置の形状や数、情報取得装置が配置される位置等に応じて適宜設定される。
 図3は、本開示の車両後方情報取得システムを構成するバックウィンドウの別の一例を模式的に示す正面図である。
 図3に示すバックウィンドウ10Aは、車内のプライバシー性を保護するためのプライバシー領域R1と、情報取得装置20に対向して光が通過する情報取得領域R2と、ハイマウントストップランプ等の警光灯の光が透過する光線透過領域R3とを有する。
 バックウィンドウ10Aでは、高さ方向の上側と下側の2箇所に情報取得領域R2が設けられている。下側の情報取得領域R2は、幅方向の略中央に設けられている。上側の情報取得領域R2は、光線透過領域R3に隣接して設けられている。光線透過領域R3は、高さ方向の上側に設けられており、幅方向の略中央に設けられている。
 光線透過領域R3の可視光線透過率は、25%以上となっていることが好ましい。図3では、光線透過領域R3には、板ガラス11の表面に被膜12が設けられていない。図示されていないが、ハイマウントストップランプ等の警光灯は、バックウィンドウ10Aに対向するように車内に配置される。
 図3に示すバックウィンドウ10Aの周縁部には、遮光層13が設けられている。また、バックウィンドウ10Aには、熱線(デフォッガ)14、アンテナ15及びワイパー16が設けられている。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、情報取得装置は、車外からの情報を取得するために、光の照射及び/又は受光を行うものであれば、特に限定されない。情報取得装置としては、例えば、カメラ(可視光カメラ、赤外線カメラ、ステレオカメラ等)、センサ(ラインセンサ、レインセンサ等)、レーザレーダ、光ビーコン等が挙げられる。車内に配置される情報取得装置の数は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。また、情報取得装置が配置される位置は、特に限定されない。
 本開示の車両後方情報取得システムは、さらに、情報取得装置に接続される情報処理装置を備えることが好ましい。情報処理装置は、情報取得装置により取得された情報を処理する装置であり、例えば、カメラ等の撮影装置により取得された撮影画像を処理する装置である。
 撮影画像等の情報の処理は、適宜選択可能である。例えば、パターンマッチング等によって撮影画像を解析することで、撮影画像に写る被写体の認識を行ってもよい。また、被写体認識に基づいて、車両の後方に人間等の生物が写っていないかどうかを判定してもよい。そして、車両の後方に生物が写っている場合には、所定の方法で警告を出力してもよい。また、例えば、所定の加工処理を撮影画像に施してもよい。そして、情報処理装置に接続されるディスプレイ等の表示装置に当該加工した撮影画像を出力してもよい。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、バックウィンドウを構成する板ガラスは、自動車等の車両用のガラス等に通常用いられる板ガラスである。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、板ガラスは、可視光線透過率が25%以上40%以下の灰色ガラスであってもよい。カメラ等の情報取得装置を介して車外からの情報を確認する目的であれば、灰色ガラスを通した画像で充分である。また、灰色ガラスを用いることにより、過度に濃色の被膜を形成しなくても、プライバシー領域の可視光線透過率を10%以下にすることができる。
 このような灰色ガラスとしては、例えば、厚さが3.1mm以下であり、ソーダ石灰ガラス中に酸化鉄を含有し、Feに換算した全酸化鉄(T-Fe)の含有量が0.9~2.2重量%であり、Se、CoO、Nd、NiO、MnO、V、CeO、TiO、CuO、Cr及びSnOのうちの一つ以上により着色される。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、板ガラスは、可視光線透過率が70%以上95%以下のクリアガラス又は緑色ガラス(グリーンガラスとも呼ばれる)であってもよい。クリアガラス又は緑色ガラスを用いることにより、灰色ガラスを用いた場合に比べて、鮮明な画像を得ることができる。例えば、灰色ガラスを通した画像では、オレンジ色が赤色と認識される等といった、色の誤認識を引き起こすおそれがある。これに対し、クリアガラス又は緑色ガラスを通した画像を用いることにより、色の誤認識を防止することができる。したがって、車外からの情報を単に確認する目的ではなく、車外からの情報に基づき各種の処理を行う目的であれば、クリアガラス又は緑色ガラスを用いることが好ましい。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、バックウィンドウを構成する被膜は、赤外線吸収剤及び紫外線吸収剤の少なくとも一方を含有してもよい。この場合、バックウィンドウに赤外線吸収機能及び紫外線吸収機能の少なくとも一方の機能を付与することができる。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、プライバシー領域の赤外線透過率は、15%以下であり、情報取得領域の赤外線透過率は、25%以上であることが好ましい。例えば、情報取得装置として赤外線カメラを用いた場合、赤外線遮蔽性を確保しつつ、赤外線カメラの視認性を確保することができる。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、バックウィンドウを構成する被膜は、例えば、黒色顔料(カーボンブラック、マンガンフェライト、チタンブラックなど)を含有する黒色被膜形成用塗布液を板ガラスの表面に塗布して塗膜を形成し、その後、板ガラスを加熱して塗膜を硬化することにより形成することができる。
 黒色被膜形成用塗布液の組成は特に限定されないが、一例として、アミノ基を含むシラン化合物を用いた組成を以下に示す。
 例えば、板ガラスと、該板ガラスの少なくとも片側の表面に形成された黒色被膜とを備える黒色被膜付板ガラスの製造方法は、以下の特徴を有する。
 (a)R 4-nSi(OR[1]で表される、アミノ基を含むシラン化合物(式[1]中、Rはアミノ基を含有する有機基を表し、Rはメチル基、エチル基またはプロピル基を表し、nは1~3から選ばれる整数を表す)と、
BO及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種のホウ素化合物と
を反応させて得られる反応生成物;
 (b)金属アルコキシド及び/又は金属アルコキシドの縮合物;
 (c)合成樹脂;
 (d)実質的にSP値が8~11.5(cal/cm1/2である非水溶媒からなる溶媒;及び
 (e)黒色顔料;を混合して黒色被膜形成用塗布液を得る工程と、
 前記黒色被膜形成用塗布液を前記板ガラスの表面に塗布して塗膜を形成する塗布工程と、
 前記塗布工程後に前記板ガラスを加熱して前記塗膜を硬化することにより黒色被膜を形成する硬化工程と、を備え、
 前記黒色被膜形成用塗布液において、全固形分に対して前記黒色顔料を0.5~7.0質量%含む。
 「全固形分」とは、黒色被膜を構成する成分の全量を指し、その量は、黒色被膜形成用塗布液から、溶媒を除いた成分の総和から、加水分解や重縮合反応等によって、各成分から脱離する有機基の量を減じることで、求めることができる。また、黒色被膜形成用塗布液の粘度は、黒色被膜形成用塗布液中の全固形分の量にも影響されるので、板ガラスへの黒色被膜形成用塗布液の塗布効率を考慮して設定でき、例えば、全固形分の量を5質量%~40質量%、好ましくは10質量%~35質量%とすることができる。
 なお、黒色被膜形成用塗布液の組成は、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)及びテトラエトキシシラン(TEOS)を用いた組成であってもよい。その場合、GPTMS及びTEOSに上記(e)成分及び水を加えることで黒色被膜形成用塗布液を調製することが可能である。
1.(a)成分
 R 4-nSi(OR[1]で表される、アミノ基を含むシラン化合物
(式[1]中、Rはアミノ基を含有する有機基を表し、Rはメチル基、エチル基またはプロピル基を表し、nは1~3から選ばれる整数を表す)と、
 HBO及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種のホウ素化合物と、を混合すると、これらの成分が反応し、数分から数十分で透明で粘稠な液体となり、固化する。これは、ホウ素化合物が、上記アミノ基を含むシラン化合物中のアミノ基を介して架橋剤として働き、これらの成分を高分子化させる。その結果、粘稠な液体となり、固化するからであると考えられる。なお、上記アミノ基を含むシラン化合物は液体である。上記アミノ基を含むシラン化合物と、上記ホウ素化合物との反応に際し、水を使用しないことが好ましい。
 上記アミノ基を含むシラン化合物において、Rはアミノ基含有の有機基を表す。例えば、モノアミノメチル、ジアミノメチル、トリアミノメチル、モノアミノエチル、ジアミノエチル、トリアミノエチル、テトラアミノエチル、モノアミノプロピル、ジアミノプロピル、トリアミノプロピル、テトラアミノプロピル、モノアミノブチル、ジアミノブチル、トリアミノブチル、テトラアミノブチル、及び、これらよりも炭素数の多いアルキル基またはアリール基を有する有機基を挙げることができるが、それらに限定されない。γ-アミノプロピルまたはアミノエチルアミノプロピルが特に好ましく、γ-アミノプロピルが最も好ましい。
 上記Rはメチル基、エチル基またはプロピル基を表す。その中でも、メチル基またはエチル基が好ましい。上記nは1~3から選ばれる整数を表す。その中でも、nは2~3であるのが好ましく、nは3であるのが特に好ましい。すなわち、上記アミノ基を含むシラン化合物としては、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
 上記ホウ素化合物は、HBO及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種のホウ素化合物である。特に好ましくは、HBOである。
 上記アミノ基を含むシラン化合物と、上記ホウ素化合物との反応における両成分の使用量は、反応速度を考慮すると、上記アミノ基を含むシラン化合物1モルに対して、上記ホウ素化合物が好ましくは0.02モル~8モルの比率、さらに好ましくは、0.02モル~5モルの比率、よりさらに好ましくは、0.2モル~5モルの比率である。
 上記アミノ基を含むシラン化合物と、上記ホウ素化合物との混合条件(温度、混合時間、混合方法など)は、適宜選択することができる。通常の室温条件では、数分から数十分で透明で粘稠な液体となり、固化する。固化する時間、得られる反応生成物の粘度及び剛性はホウ素化合物の割合でも異なる。なお、固化したものよりも粘稠な液体のほうが、塗布液中で安定して溶解した成分とし易いため好ましい。上記反応生成物は、好ましくは、水を添加して加水分解する工程を経ないで上記アミノ基を含むシラン化合物と、上記ホウ素化合物とを反応させて得られる反応生成物である。
 上記反応生成物の量は、全固形分に対して、40質量%~80質量%とすることができる。その量が40質量%未満の場合、得られる黒色被膜の硬度が低くなることがある。他方、80質量%超の場合、得られる黒色被膜は、耐候性試験時にクラックが発生することがある。これらを考慮すると、上記反応生成物の量は、全固形分に対して、50質量%~70質量%としてもよい。
2.(b)成分
 上記反応生成物に対し、(b)成分として、金属アルコキシド及び/又は金属アルコキシドの縮合物を添加する。すなわち、上記アミノ基を含むシラン化合物と、上記ホウ素化合物との反応に際して、あるいは、反応後に、(b)成分を添加する。(b)成分を添加することにより、得られる黒色被膜の硬度を向上させることができるとともに、(b)成分を用いない場合と同様の粘稠な液体の状態となるので、塗布液中で安定して溶解した成分とすることができる。
 (b)成分の金属アルコキシドの金属としては、Si、Ta、Nb、Ti、Zr、Al、Ge、B、Na、Ga、Ce、V、Ta、P、Sb、などを挙げることができるが、これらに限定されない。好ましくは、Si、Ti、Zrであり、また、(b)成分は液体であることが好ましいため、Si、Tiが特に好ましい。(b)成分の金属アルコキシドのアルコキシド(アルコキシ基)としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、及びそれ以上の炭素数を有するアルコキシ基を挙げることができる。メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びブトキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましい。特に好ましい(b)成分としては、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランなどを挙げることができる。
 (b)成分の金属アルコキシドの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、メチルトリメトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、プロピルトリプロポキシチタン、ブチルトリブトキシチタン、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、メチルトリメトキシジルコニウム、エチルトリエトキシジルコニウム、プロピルトリプロポキシジルコニウム、及びブチルトリブトキシジルコニウムなどを挙げることができる。その中でも、好ましいものとしては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、及びメチルトリメトキシシランを挙げることができる。
 (b)成分の金属アルコキシドの使用量は、上記アミノ基を含むシラン化合物1モルに対して10モル以下の比率が好ましい。より好ましくは、0.1モル~5モルの比率である。上記アミノ基を含むシラン化合物と、上記ホウ素化合物1モルに対し、(b)成分が0.1モル未満では、前述したような(b)成分を添加する効果が得られにくくなることがあり、また、(b)成分が5モル超であると、白濁してしまうことがある。
 (b)成分の金属アルコキシドの縮合物としては、以下の式(b1)及び(b2)からなる群から選択される少なくとも1種の式で表される金属アルコキシドの縮合物を挙げることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
(式中、Rは、アルキル基を表し、その一部は水素であってもよく、Rは、それぞれ独立に同一であっても異なっていてもよく、mは2~20から選択される整数を表し、Mは、Si、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも1種の金属を表す。)
 (b)成分である上記金属アルコキシドの縮合物の添加量は、上記アミノ基を含むシラン化合物1モルに対し、金属アルコキシドモノマー質量換算で、2~50モルであるのが好ましく、4モル以上であるのが、より好ましい。すなわち、(b)成分の添加量が多すぎる場合には、得られる被膜の硬度が低下する傾向があり、逆に、少なすぎる場合には、金属元素含有量が少なくなるので用途によっては得られる被膜の硬度が低下したり化学的耐久性の問題が発生したりすることがある。また、(b)成分の添加量が多すぎる場合には、黒色被膜を得るための硬化時間が長くなる傾向がある。
 (b)成分である上記金属アルコキシドの縮合物中のRはアルキル基を表し、その一部は水素であってもよく、Rは、それぞれ独立に同一であっても異なっていてもよいが、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びそれ以上の炭素数を有するアルキル基であり、メチル基あるいはエチル基であるのが好ましい。また、(b)成分である上記金属アルコキシドの縮合物中のmは、2~20から選択される整数を表すが、3~10であるのが好ましく、5であるのが最も好ましい。さらには、(b)成分である上記金属アルコキシドの縮合物中のMは、Si、Ti及びZrからなる群から選択される少なくとも1種の金属を表すが、SiまたはTiであるのが好ましく、Siが最も好ましい。
 (b)成分である上記金属アルコキシドの縮合物を構成する金属アルコキシドモノマー単位としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、メチルトリメトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、プロピルトリプロポキシチタン、ブチルトリブトキシチタン、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、メチルトリメトキシジルコニウム、エチルトリエトキシジルコニウム、プロピルトリプロポキシジルコニウム、及びブチルトリブトキシジルコニウムなどを挙げることができる。
 (b)成分が上記式(b1)で表される場合には、テトラエトキシシランの縮合物(5量体)又はテトラメトキシシランの縮合物(5量体)であるのが好ましく、上記式(b2)で表される場合には、エチルトリエトキシシランの縮合物(5量体)又はメチルトリメトキシシランの縮合物(5量体)であるのが好ましい。
 上記反応生成物には、上記のように、(b)成分として、金属アルコキシド(モノマー)及び/又は金属アルコキシドの縮合物を添加する。金属アルコキシドモノマーの粘性は、同縮合物に比べて低いため、金属アルコキシドモノマーを更に添加することにより、得られる塗布液の塗布性が向上することがあるが、金属アルコキシドモノマーの添加量を、同縮合物と同量以上など多くすると、塗布液の粘性が低下しやすく、塗布した際に液ダレが生じやすくなることがある。
3.(c)成分
 上記反応生成物に対し、(c)成分として合成樹脂を添加する。すなわち、上記アミノ基を含むシラン化合物と、上記ホウ素化合物との反応に際して、あるいは、反応後に、(c)成分として合成樹脂を添加する。(c)成分を加えることで、得られる黒色被膜にクラック防止性を付与することができる。
 (c)成分の合成樹脂としては、特に限定されないが、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及び紫外線硬化性樹脂などを挙げることができ、具体的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂およびこれらの樹脂の変性品を挙げることができ、様々な重合度(分子量)を有する合成樹脂を使用することができる。その中でもエポキシ樹脂、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エポキシアクリレート、シリコーン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが好ましい。また、上記合成樹脂の形態は、液状のものが好ましい。
 (c)成分の使用量は、全固形分に対し5~30質量%の比率が好ましい。より好ましくは、10~20質量%の比率である。(c)成分が5質量%未満では、前述したような(c)成分を添加する効果が得られにくくなることがあり、また、(c)成分が30質量%超であると、樹脂硬化剤を添加する必要があることがあり、また、得られる被膜に高い硬度を付与できないことがある。
4.(d)成分
 (d)成分は、黒色被膜形成用塗布液の溶媒となるもので、実質的にSP値が8~11.5(cal/cm1/2である非水溶媒からなる。「実質的にSP値が8~11.5(cal/cm1/2である非水溶媒」とは、「SP値が8~11.5(cal/cm1/2である単独種の非水溶媒」、「SP値が8~11.5(cal/cm1/2である非水溶媒のみを組み合わせ、その混合溶媒のSP値が8~11.5(cal/cm1/2の範囲に入る溶媒」、及び、「SP値が8~11.5(cal/cm1/2である非水溶媒とそれ以外のSP値の溶媒を組み合わせ、その混合溶媒のSP値が8~11.5(cal/cm1/2の範囲に入る溶媒」を意味する。なお、混合溶媒のSP値は、例えば「溶媒A」と「溶媒B」の2種類を用いた場合、以下の計算式から算出することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 なお、SP値は、一般的に知られる溶解度パラメーターで、溶解性や相溶性の指標となる。SP値は、液体の蒸発熱から計算する方法や、分子構造に基づいて算出するHansen法やHoy法、Small法、Fedorの推算法等が知られている。本明細書においては、例えばR.F.Fedors:Polym.Eng.Sci.,14(2),147-154(1974)に記載されている、分子構造から算出するFedorの推算法を用いた。また、本明細書におけるSP値は、25℃の測定条件で求めた値である。
 SP値が8~11.5(cal/cm1/2である非水溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類のトルエン(SP値:9.1(cal/cm1/2)、キシレン(SP値:9.1(cal/cm1/2)、酢酸エステル類の酢酸エチル(SP値:8.8(cal/cm1/2)、酢酸ブチル(SP値:8.7(cal/cm1/2)、ケトン類のアセトン(SP値:9.1(cal/cm1/2)、メチルエチルケトン(SP値:9.0(cal/cm1/2)、メチルイソブチルケトン(SP値:8.3(cal/cm1/2)、シクロヘキサノン(SP値:9.8(cal/cm1/2)、2-ヘプタノン(SP値:8.5(cal/cm1/2)、グリコールエーテル類の3-メトキシ-3-メチルブタノール(SP値:10.5(cal/cm1/2)、1-メトキシ-2-プロパノール(SP値:11.3(cal/cm1/2)、1-エトキシ-2-プロパノール(SP値:10.9(cal/cm1/2)、3-メトキシブチルアセテート(SP値:8.8(cal/cm1/2)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値:10.5(cal/cm1/2)、エーテル類のTHF(SP値:8.3(cal/cm1/2)、セロソルブ類のエチレングリコールモノエチルエーテル(SP値:11.5(cal/cm1/2)、エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル(SP値:10.8(cal/cm1/2)、酢酸2-メトキシブチル(SP値:9.0(cal/cm1/2)、塩化炭化水素類のジクロロメタン(SP値:10.2(cal/cm1/2)、その他としてN,N-ジメチルホルムアミド(SP値:10.2(cal/cm1/2)等が挙げられ、中でもケトン類のメチルエチルケトン(SP値:9.0(cal/cm1/2)、メチルイソブチルケトン(SP値:8.3(cal/cm1/2)、シクロヘキサノン(SP値:9.8(cal/cm1/2)、2-ヘプタノン(SP値:8.5(cal/cm1/2)やグリコールエーテル類の3-メトキシ-3-メチルブタノール(SP値:10.5(cal/cm1/2)、1-メトキシ-2-プロパノール(SP値:11.3(cal/cm1/2)、1-エトキシ-2-プロパノール(SP値:10.9(cal/cm1/2)が好ましい。
 また、塗布液に含まれることのあるSP値が8~11.5(cal/cm1/2以外の溶媒としては、例えば、n-ヘキサン(SP値:7.3(cal/cm1/2)、ジエチルエーテル(SP値:7.3(cal/cm1/2)、2-メトキシエタノール(SP値:12.0(cal/cm1/2)、四塩化炭素(SP値:12.2(cal/cm1/2)等が挙げられる。
5.(e)成分
 (e)成分の黒色顔料としては、例えば、PigmentBlack26、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。上記黒色顔料の平均粒子径D50は、10~300nmであることが好ましい。D50が10nm未満の場合、凝集しやすい傾向があり、300nm超の場合、可視光線透過率が悪化する傾向がある。これらを考慮すると、上記黒色顔料の平均粒子径D50は、15~280nmであることがより好ましく、20~250nmであることがさらに好ましい。
 上記黒色顔料は、黒色被膜形成用塗布液において、全固形分に対して0.5~7.0質量%含まれることが好ましい。0.5質量%未満だと、プライバシー性が低く、7.0質量%超の場合、ヘーズが高くなる傾向がある。これらを考慮すると、上記黒色顔料は、黒色被膜形成用塗布液において、全固形分に対して0.6~6.5質量%含まれることがより好ましく、0.7~6.0質量%含まれることがさらに好ましい。
6.その他の成分
 上記黒色被膜形成用塗布液は、導電性物質からなる微粒子を含んでもよい。導電性物質からなる微粒子を含むことで、黒色被膜付板ガラスに赤外線遮蔽性をもたらすことができる。導電性物質として例えばITO(スズ酸化インジウム)、ATO(アンチモン酸化スズ)等が挙げられる。導電性物質からなる微粒子の含有量は全固形分に対して5~15質量%であることが好ましく、平均粒子径D50は50~100nmであることが好ましい。
 また、上記黒色被膜形成用塗布液は、上記成分以外にも、その用途に応じて、紫外線吸収剤、着色顔料、防黴剤、光触媒材料、防錆剤、防食剤、防藻剤、撥水剤、撥油剤、光安定剤、酸化防止剤、基材湿潤剤、親水性材料、吸水性材料などを含んでもよい。
 上記黒色被膜形成用塗布液を板ガラスの表面に塗布する方法としては、スピンコーティング、ディップコーティング、ノズルコーティング、カーテンコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、ブレードコート、ハケ塗り等の公知の塗布方法を利用することができる。その中でもスプレーコーティングは、塗布するガラス形状に依存せず、少量の塗布液で成膜できるため好ましい。
 情報取得領域となる板ガラスの表面には、黒色被膜を形成しないことが好ましい。例えば、一旦基材(板ガラス)の全面に対して塗布液の塗布を行い、被膜を形成しない領域の塗布液を拭き取ってもよいし、被膜を形成しない領域を溶媒に浸漬して該領域に塗布された塗布液を除去してもよいし、被膜を形成しない領域に溶媒を掛け流して該領域に塗布された塗布液を除去してもよいし、被膜を形成しない領域に予めマスキングを施して塗布を行った後に該マスキングを除去することでもよい。マスキングとしては、例えば、マスキングテープ、メタルマスキング等が用いられる。
 また、被膜を形成しない領域に、予め、塗布液を弾くような(塗布液と馴染まないような)撥水膜又は撥水・撥油膜を形成して、塗布を行い、該撥水膜又は撥水・撥油膜上で弾かれて付着した塗布液を拭き取ってもよい。さらに、その撥水膜又は撥水・撥油膜も除去してもよい。
 また、被膜を形成しない領域に、予め、塗布液を弾くような(塗布液と馴染まないような)撥水膜又は撥水・撥油膜を形成して、塗布及び硬化を行い、該撥水膜又は撥水・撥油膜上で弾かれた状態で硬化した被膜を除去してもよい。さらに、その撥水膜又は撥水・撥油膜も除去してもよい。
 また、一旦基材(板ガラス)の全面に対して塗布を行い、硬化させて、基材(板ガラス)の全面に対して被膜を形成した後に、該被膜の所望の領域を物理的または化学的に除去してもよい。
 本開示の車両後方情報取得システムにおいて、バックウィンドウを構成する被膜の膜厚は、1μm~8.5μmであることが好ましい。被膜の膜厚が1μm未満である場合、又は、8.5μmを超える場合、被膜の耐久性が悪くなりやすくなる。
 なお、被膜の膜厚は、表面粗さ測定機(例えば、小坂研究所製サーフコーダーET4000A等)を用いて測定することができる。
 本開示の車両後方情報取得システムは、上記実施形態に限定されるものではなく、板ガラスの構成及び製造方法、被膜の構成及び形成方法、並びに、情報取得装置の構成等に関し、本開示の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
 本願は、2019年9月2日に出願された日本国特許出願2019-159667号を基礎として、パリ条約ないし移行する国における法規に基づく優先権を主張するものである。該出願の内容は、その全体が本願中に参照として組み込まれている。
 1  車両後方情報取得システム
 10、10A バックウィンドウ
 11 板ガラス
 12 被膜
 13 遮光層
 14 熱線
 15 アンテナ
 16 ワイパー
 20 情報取得装置
 R1 プライバシー領域
 R2 情報取得領域
 R3 光線透過領域

Claims (6)

  1.  車両の後部に取り付けられるバックウィンドウと、
     前記バックウィンドウに対向するように車内に配置され、光の照射及び/又は受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置とを備える車両後方情報取得システムであって、
     前記バックウィンドウは、板ガラスと、前記板ガラスの表面の少なくとも一部に設けられた被膜とを備え、かつ、前記車内のプライバシー性を保護するためのプライバシー領域と、前記情報取得装置に対向して前記光が通過する情報取得領域とを有し、
     前記プライバシー領域には、前記板ガラスの表面に前記被膜が設けられ、
     前記プライバシー領域の可視光線透過率は、10%以下であり、
     前記情報取得領域の可視光線透過率は、25%以上である、車両後方情報取得システム。
  2.  前記板ガラスは、可視光線透過率が25%以上40%以下の灰色ガラスである、請求項1に記載の車両後方情報取得システム。
  3.  前記板ガラスは、可視光線透過率が70%以上95%以下のクリアガラス又は緑色ガラスである、請求項1に記載の車両後方情報取得システム。
  4.  前記情報取得領域には、前記板ガラスの表面に前記被膜が設けられていない、請求項1~3のいずれか1項に記載の車両後方情報取得システム。
  5.  前記被膜は、赤外線吸収剤及び紫外線吸収剤の少なくとも一方を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の車両後方情報取得システム。
  6.  前記プライバシー領域の赤外線透過率は、15%以下であり、
     前記情報取得領域の赤外線透過率は、25%以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の車両後方情報取得システム。
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