JPH06247740A - 中性灰色系色調ガラス - Google Patents
中性灰色系色調ガラスInfo
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- JPH06247740A JPH06247740A JP3698793A JP3698793A JPH06247740A JP H06247740 A JPH06247740 A JP H06247740A JP 3698793 A JP3698793 A JP 3698793A JP 3698793 A JP3698793 A JP 3698793A JP H06247740 A JPH06247740 A JP H06247740A
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Abstract
wt%表示で Fe2O3(全鉄)0.45〜0.75、そのうちFeO 0.
08〜0.30、TiO2 0〜0.70、並びにppm 表示でCoO140 〜2
50 、NiO0〜350 、Cr2O30〜350 、Se10〜60を基本的に
含有せしめ、主波長が 490〜575nm である中性灰色系色
調ガラス。並びに該ガラスの還元率(Fe2+/Fe3+)が20
〜50%であり、板厚3mmで可視光透過率が50%以下、日
射透過率が55%以下、紫外線透過率が25%以下である中
性灰色系色調ガラス。 【効果】濃い中性灰系色調を呈し、低透視性でプライバ
シー保護性に優れ、熱線ならびに紫外線を充分吸収し、
かつ易強化性も発揮し得、ギラつきもなく、居住性と安
全性を高め、高環境性を有し軽量化も可能となり、建築
用、自動車用、殊にボート用客室窓ガラス等として有
用。
Description
存の濃い中性灰色着色板ガラスとほぼ同等の色調を呈
し、熱線吸収性能および紫外線吸収性能を併せ持ち、居
住性かつ安全性を高め、しかも種々の形状でことにプラ
イバシー保護用として優れかつ軽量化をもでき得る中性
灰色系色調ガラスに関し、建築用窓ガラスとして有用な
ことはもちろん、各種ガラス物品や車両用窓ガラス、こ
とにリアウインドウやサイドウインドウ等の自動車用窓
ガラス、ボートの客室用窓ガラスとして有用な中性灰色
系色調ガラスを提供するものである。
ー化等から、建築物ではもちろん自動車窓ガラス等にお
いて、ことに熱線の反射吸収等多機能化をガラス自体ま
たはガラス表面に付加することにより、人的にも物的に
もより高居住性、より安全性に繋がる板ガラス物品のニ
ーズが急激に高まってきている。そのなかで、従来の着
色された熱線吸収ガラスのうち、中性灰色系色調の熱線
吸収ガラスにおいても、主に建築物用の着色ガラスとし
て種々提案されてきている。
色低透過性ガラス組成物が記載されており、基礎ガラス
組成として重量%表示で、SiO268〜75、Na2O10〜18、Ca
O 5〜15、MgO 0 〜5 、Al2O3 0 〜5 、K2O 0 〜5 を有
し、もし必要ならば、微量の溶融及び清澄化助剤を含
み、Fe2O3 (全鉄)0.4 〜0.7 、FeO 0.08〜0.15、Se
0.003〜0.008 、CoO 0.003 〜0.025 、Cr2O3 0.022 〜
0.050 から本質的になる着色剤を含むもので、ガラスが
5.56mm(0.219in )の厚さで20%より小さい光透過率を
有するものであることが開示され、紫外線及び赤外線透
過率が低く、そのため全太陽エネルギー透過率も低いも
のであることが記載されている。
ずんだ、うすい灰色でニッケルを含まないガラス組成物
が記載されており、重量%表示で、SiO268〜75、Na2O10
〜18、CaO 5 〜15、MgO 0 〜5 、Al2O3 0 〜5 、K2O 0
〜5 と、もしあれば溶融及び精製助剤の痕跡を含むアル
カリガラス組成物と、本質的にFe2O3 (全鉄量)0.55〜
1.0 、Se 0.003〜0.02、CoO 0.005 〜0.02が少なくとも
2価の状態の鉄で15%より成る着色剤を有するもので、
そのガラスは5.56mmの厚さで20%以下の光透過率を有す
るものであり、FeO としては全ガラス組成物の0.09〜0.
3 重量%を構成することが記載されている。
色ガラス製造法が記載されており、着色成分としてFe2O
3 、CoO 、NiO およびSe、例えばFe2O30.23 、CoO 0.00
6 、NiO 0.01、Se 0.04 を含有し、440 〜660nm の波長
範囲の透過率がほぼ一様で刺激純度が7%以下の中性灰
色であってかつ熱線吸収能を持つガラスを、溶融清澄と
して芒硝を用いて溶融し製造する際、原料として加える
金属セレン又はセレン化合物の量と芒硝の量の値を特定
範囲内とすることで得ようとすることが記載されてい
る。
には中性灰色ガラスが記載されており、重量%表示で、
SiO268〜75、Al2O3 0〜5、CaO 5〜15、MgO 0〜10、
CaO+MgO 6〜15、Na2O10〜18、K2O 0〜5、Na2O+K2O10
〜20を基体組成とし、これに着色成分としてFe2O30.1〜
0.5 、CoO 0.003 〜0.02、Se 0.0005 〜0.001 、NiO0
〜0.002 を含有させ、かつ前記着色成分の比率を調整
し、5mm厚換算で可視光透過率57〜63%、太陽輻射熱透
過率57〜63%、透過光色純度1.5 %以下である中性灰色
の透過光の色調を有するものが開示されている。
ば特開平3ー153543号公報ならびに特開平2ー64038 号
公報に記載のものは、確かにガラス製造中に時として特
異な変化をし、強化ガラス等の熱処理時に色の変化ある
いは破壊等に到ることがないというものであるかもしれ
ないものの、必ずしも所期の色調であるとは言い難く、
例えばよりブルーがかった色調の中性灰色となるもので
ある。
は、前述したようにCoO 成分が比較的少なく、Se成分が
比較的多く、ことにSe成分が比較的多いことはガラス原
料を溶融ならびに清澄するに際し、芒硝量等を加味した
中でもSe自体の歩留りが必ずしもよいとは言い難く、し
かもその挙動は複雑であって、色むらを発現し易く、安
定均一な色調には必ずしもなり難く、経済性を有する方
法ではなく必ずしも満足できるものではないものであ
る。
のものは、NiO 成分の含有を可及的減少または廃絶し、
Fe2O3 、CoO およびSeの3成分のみのバランスによって
中性灰色を得、熱線吸収性能も付与しようとするもの
の、可視光透過率が板厚5mmで57〜63%と必ずしもプラ
イバシーガラスとして充分とは言い難く、紫外線吸収性
能も充分とは言い難いものである。
る欠点に鑑みてなしたものであって、前述したNiO 成分
を着色剤として基本的に用いることなく、紫外線吸収機
能を付与するTiO2成分を特定量用いながら、Fe2O3 表示
の全鉄を特定量とし、還元率を調整してFe2+とFe 3+のバ
ランスをとりつつFeO 成分を特定量確保し、特定量の C
oO成分、Cr2O3 成分、NiO 成分ならびにSe成分で互いに
補色的に組み合わせて着色剤として用い、さらにバラン
スさせ、比較的低透視性を有し、既存の濃い中性灰色着
色ガラスとほぼ同等の色調を発現せしめるものであっ
て、建築用窓ガラスはもちろん、自動車用窓ガラスある
いはボート用客室窓ガラス等でことにプライバシー保護
用として充分使用でき、しかも熱線吸収性能ならびに紫
外線吸収性能を兼ね供えるものであり、さらに基礎ガラ
ス組成とては易強化性を発現し、耐候性、成形性も充分
に有するものとし得、居住性と安全性を高め、かつ高環
境性である、建築物用はもちろん、ことに自動車等車輌
用窓ガラスとして有用な中性灰色系色調ガラスを提供す
るものである。
ラスを基礎組成とし、着色成分として重量%表示で、 F
e2O3(全鉄)0.45〜0.75、うちFeO 0.08〜0.30、TiO2 0
〜0.70、ならびにppm 表示で、CoO140〜250 、NiO 0 〜
350 、Cr2O30〜350 、Se10〜60を基本的に含有せしめ、
主波長が 490〜575nm であることを特徴とする中性灰色
系色調ガラス。
元率(Fe2+/Fe3+)が20〜50%であることを特徴とする
上述した中性灰色系色調ガラス。また、前記中性灰色系
色調ガラスの着色成分が、重量%表示で Fe2O3(全鉄)
0.50〜0.70、そのうちFeO 0.12〜0.20、TiO2 0〜0.65、
ならびにppm 表示で、CoO143〜220 、NiO200〜340 、Se
15〜45を基本的に含有せしめ、該ガラスの還元率(Fe2+
/Fe3+)が30〜50%であって、主波長が495 〜573nm で
あることを特徴とする上述した中性灰色系色調ガラス。
成分が、重量%表示で Fe2O3(全鉄)0.50〜0.70、その
うちFeO 0.10〜0.18、TiO2 0〜0.65、ならびにppm 表示
で、CoO155〜220 、Cr2O3250〜340 、Se24〜50を基本的
に含有せしめ、該ガラスの還元率(Fe2+/Fe3+)が25〜
40%であって、その主波長が540 〜572nm であることを
特徴とする上述した中性灰色系色調ガラス。
着色成分が、重量%表示で Fe2O3(全鉄)0.50〜0.70、
そのうちFeO 0.12〜0.20、TiO2 0〜0.65、ならびにppm
表示で、CoO155〜220 、NiO 40〜75、Cr2O3150〜270 、
Se15〜40を基本的に含有せしめ、該ガラスの還元率(Fe
2+/Fe3+)が30〜50%であって、主波長が550 〜573nm
であることを特徴とする上述した中性灰色系色調ガラ
ス。
て、該板ガラス板厚3mmでの可視光透過率が50%以下、
日射透過率が55%以下、紫外線透過率が25%以下である
ことを特徴とする上述した中性灰色系色調ガラス。
スの基礎組成が、重量%表示で、SiO268〜74、Al2O3 0.
1 〜3.0 、CaO 8 〜13、MgO1〜4.5 、Na2O11.5〜16、K2
O 0.5 〜3.0 、SO30.1〜0.45、かつSiO2+Al2O3 68〜7
4、CaO +Mg0 11〜15、Na2O+K2O 12〜17である基本的
に板ガラス組成物であることを特徴とする上述した中性
灰色系色調ガラスをそれぞれ提供するものである。
で、 Fe2O3(全鉄)0.45〜0.75、そのうちFeO 0.08〜0.
30、TiO2 0〜0.70、ならびにppm 表示で、CoO140〜250
、NiO0 〜350 、Cr2O30〜350 、Se10〜60を基本的に含
有せしめることとしたのは、先ず Fe2O3(全鉄)成分の
添加量0.45〜0.75重量%ならびにそのうちのFeO 成分量
0.08〜0.30重量%については、実窯の還元率を大幅に変
えることなく、どちらかと言えば青色を生じるFeO 成分
による熱線吸収性能ならびにどちらかと言えば黄色味系
を生じる Fe2O3成分による紫外線吸収性能の両者を、ガ
ラスに同時にバランスよく持たせるために必要な量であ
り、またCoO 、NiO 、Cr2O3 およびSeの各成分の適宜組
み合わせならびにその前記添加量については、可視域の
透過率を平坦にし、可視光線透過率をガラスの板厚3mm
において50%以下、好ましくは30〜40%程度に保持する
ためであり、安定して中性灰色系色調を発現せしめて維
持するとともにプライバシー保護性を発揮し、しかも所
期の熱線吸収性能ならびに紫外線吸収性能を兼ね供える
ものにでき、上述した該光学特性を確保維持することに
よって、居住性と安全性を高め、かつ高環境性を実現で
きるものである。
〜0.70重量%程度、うちFeO としては 0.10 〜0.25重量
%程度、TiO2としては 0〜0.60重量%程度、またCoO と
しては143 〜220ppm程度、NiO としては 0〜340ppm程
度、Cr2O3 としては0 〜340ppm程度、Seとしては15〜50
ppm 程度である。
分、CeO2成分等任意成分として、使用原料あるいはカレ
ット等から、微量の不純物成分が含有することは言うま
でもないし、微量であれば特に問題とはならないもので
ある。ことにこれら微量成分の好ましい範囲は合計約0.
5 重量%程度以下、より好ましい範囲は合計約0.1 重量
%程度以下であって、最適な各成分としては数ppm 以下
程度である。
長として490 〜575nm としたのは、該範囲にあればほぼ
所期の色調の中性灰色系色調ガラスとなるためであり、
刺激純度としては0.5 〜5.0 %程度である。好ましくは
例えば主波長としては492 〜573nm 程度であり、刺激純
度としては例えば0.7 〜4.0 %程度である。
表示で、 Fe2O3(全鉄)0.50〜0.70、そのうちFeO 0.12
〜0.20、TiO2 0〜0.65、ならびにppm 表示で、CoO143〜
220、NiO200〜340 、Se15〜45を基本的に含有せしめる
こととしたのは、色むら等の原因となり易いSe成分の添
加量を抑えつつ安定化し易くし、所期の中性灰色系色調
ガラスにすることができるためである。
%表示で、Fe2O3 (全鉄)0.50〜0.70、そのうちFeO 0.
10〜0.18、TiO2 0〜0.65、ならびにppm 表示で、CoO155
〜220 、Cr2O3250〜340 、Se24〜50を基本的に含有せし
めること、ならびに前記着色成分として重量%表示で、
Fe2O3 (全鉄)0.50〜0.70、そのうちFeO 0.12〜0.20、
TiO2 0〜0.65、ならびにppm 表示で、CoO155〜220 、Ni
O 40〜75、Cr2O3150〜270 、Se15〜40を基本的に含有せ
しめることとしたのは、NiO 成分を添加せずあるいは減
少させ、Cr2O3 成分に置き換えることで、所期の中性灰
色系色調ガラスにすることができるためである。
が20〜50%であるとしたのは、前述した各着色剤成分お
よびその特定した量において、ガラス原料からガラスに
する溶融条件をできるだけ変化させないようにして均一
性が高くかつ色むらも発現することなく、中性灰色系色
調および前述した熱線吸収能または紫外線吸収能等の各
光学特性を得、しかもフロート法等の製板工程ならびに
強化ガラスあるいは曲げ板ガラス等の熱処理工程におい
てより色調等に変化がなく安定せしめるためである。好
ましくは25〜50%程度である。
おいて、D65光源における該板ガラス板厚3mmでの可視
光透過率が50%以下、日射透過率が55%以下、紫外線透
過率が25%以下であることとしたのは、各種プライバシ
ー保護用ガラスとしてより低透視性であり、かつ熱線吸
収能ならびに紫外線吸収能が従来品より優れ、居住性、
例えば冷暖房効果を高め、かつ紫外線による人的・物的
な悪影響を減じ、環境においても優しいものとするため
であり、好ましくは板厚約3mmでの可視光透過率が45%
以下程度、より好ましくは40%以下程度、日射透過率が
50%以下程度、紫外線透過率が20%以下程度である。
基礎組成が、重量%表示で、SiO268〜74、Al2O3 0.1 〜
3.0 、CaO 8 〜13、MgO1〜4.5 、Na2O11.5〜16、K2O 0.
5 〜3.0 、SO30.1〜0.45、かつSiO2+Al2O3 68〜74、Ca
O +Mg0 11〜15、Na2O+K2O12〜17である基本的に板ガ
ラス組成物であることとしたのは、SiO2成分を重量%で
68〜74としたのは、68未満では表面にヤケ等が発生しや
すく耐候性が下がり実用上の問題が生じてくるものであ
り、74を超えるとその易強化性が下がり、溶融も難しく
なるものであり、Al2O3 成分を重量%で0.1 〜3.0 とし
たのは、0.1 未満では耐候性が下がり表面にやけ等が発
生しやすく実用上の問題が生じてくるものであって、好
ましくは1.0 以上であり、3.0 を超えると失透が生じや
すくなり成形温度範囲が狭くなり製造が難しくなるもの
であり、CaO 成分を重量%で8 〜13としたのは、8 未満
では易強化性が下がり、また融剤として不足気味となり
溶融温度も高くなりまた流動温度を低くしないので製造
しにくくなり、13を超えると失透し易くなり、成形作業
範囲が狭くなり製造が難しくなるものであり、MgO成分
を重量%で1 〜4.5 としたのは、1 未満では溶融温度
が上がり操作範囲を狭めるので製造がしにくくなり、4.
5 を超えると易強化性が下がるものである。
のは、11.5未満では易強化性が下がり、成形性が難しく
なり、失透も生じ易くなるので操作範囲が狭まり製造し
にくくなり、16を超えると耐候性が下がり、表面にヤケ
等が発生しやすくなり実用上の問題が生じてくるもので
あり、K2O 成分を重量%で0.5 〜3.0 としたのは、0.5
未満では易強化性が下がり、3.0 を超えると耐候性が下
がりかつコストも高くなるものであり、SO3 成分を重量
%で0.1 〜0.45としたのは、0.1 未満では例えば通常の
溶融において脱泡あるいは均質性上不充分となり易い程
度にしかできなくなり、好ましくは0.2 程度より以上で
あり、0.45を超えると特にガラスの着色状態に影響を与
え、例えば黄色やアンバー色がかった色調に移行し易く
なる等が発現し所期の中性灰色系色調が得られ難くなる
ためであって、好ましくは0.35前後以下である。
74%としたのは、68%未満では耐候性が下がり、74%を
超えると易強化性が下がる問題が生じるものであり、Ca
O +MgO を重量百分率で11〜15%としたのは、CaO およ
びMgO 成分は溶融温度を下げるために用いられるととも
に、11%未満では易強化性が下がり、15%を超えると失
透しやすくなり製造上難しくなるものであり、Na2O+K2
O を重量百分率で12〜17%としたのは、12%未満では易
強化性が下がり、失透も生じやすくなって成形において
作業温度範囲が狭くなり、製造が難しくなり、17%を超
えると耐候性が下がり実用上の問題を生じるものである
とともにコスト的にも高くなるものである。
スは易強化ガラス組成物にもなり得るものであって、板
厚1mm 前後の薄板ガラスから10mm前後の厚板ガラスで、
例えば平板または曲げ板として生板から強度アップした
もの、半強化したもの、強化したもの等で、単板ガラ
ス、合せガラス、積層ガラスあるいは複層ガラス等で用
いることが、建築物用窓ガラスをはじめ、ことに車両
用、特に自動車用窓ガラスに用いて有用である。
スは、ソーダ石灰シリカガラスを基礎ガラス組成とし
て、特定した着色剤成分を特定した組成範囲で組み合わ
せた中性灰色系色調の着色ガラスとし、さらに該基礎ガ
ラス組成に易強化性を持たせ、しかもガラスの還元率を
特定した範囲内に調整したものとすることができ、上述
した着色剤成分とその量的範囲内において、還元率等の
調整も寄与して、前述した濃い中性灰色系色調で高プラ
イバシー保護性であって、例えば可視光透過率が板厚3
mmで50%以下、日射透過率が55%以下ならびに紫外線透
過率が25%以下、さらに例えば刺激純度が0.5 〜7.0 程
度が得られることとなる等所期の光学特性を得、さらに
また例えば溶融性、清澄性、耐候性、成形性、失透性、
コスト等を考慮し、従来のガラス溶融窯での製造条件な
らびにそのガラスの性質等をほとんど変化させず、加え
て易強化性を持ち合わせかつ熱線ならびに紫外線を吸収
して冷暖房効果を高め、人的物的にも快適となって高居
住性であって、優れた低透視性を持ちかつギラつきもな
く、物体の識別が優しくできしかも眼の疲労を防ぐこと
ができる等、高安全性を確保でき、中性灰色系色調で例
えば車・室内外と充分調和のあるものとなって環境的に
も優しく優れたものとなり、さらに、従来の熱強化方法
では得られなかった薄板着色ガラス等でも、充分な強化
度あるいは充分強度アップが得られ易くなるようにな
り、建築用窓ガラスはもちろん家具用ガラス、調理用ガ
ラス、自動車用などの車両用窓ガラス、ボートの客室用
窓ガラス等に有用な中性灰色系色調ガラスを提供できる
ものである。
マイト、石灰石、芒硝、ベンガラ、酸化チタン、酸化コ
バルト、酸化クロム、酸化ニツケル、セレンフリットな
らびにカーボン等を用い、少なくとも前記着色剤組成成
分範囲内、ことに表1の実施例1に示すガラス中の着色
組成成分割合となるようにするとともに、例えば粘性温
度が109 ポイズで650 〜685 ℃程度、1012ポイズで555
〜585 ℃程度、かつ両者の温度差が95〜105 ℃程度にな
るようになる基礎ガラス組成を目標組成として設定し、
該目標組成量を秤量調合し、小型電気溶融窯で例えば還
元剤としてカーボンを相当量(例えば、ガラス100gに対
して約0.075g程度)用い、また清澄剤として芒硝を相当
量(対珪砂比約2%程度)用い、還元率を調整して充分
確保しつつ約1450〜1400°C 前後程度で約3〜4時間程
度溶融し、均質化および清澄等を約1〜2時間程度した
後、流し出し製板化して板ガラス状とし、約560 〜580
℃程度から徐冷炉で充分な徐冷を行い、厚み約3mm程度
に光学研磨して、大きさ100mm ×100mm のガラス板と
し、ガラス成分組成分析および各種光学特性等の測定用
中性灰色系色調ガラスを得た。
て、JIS R-3101に基づく湿式分析法等で確認したとこ
ろ、重量%表示でSiO270.1%、Al2O31.85 、CaO9.1、Mg
O3.48 、Na2O13.1、K2O1.0、SO30.2の基礎ガラス組成
で、表1 の実施例1に示すように着色成分組成は重量%
表示でFe2O3 (全鉄) 0.610、TiO20.50、ppm 表示でCo
O193、Se21、NiO280程度と成り、成分の総和が約99.99
%であってかつSiO2+Al2O371.95%、CaO +MgO 12.58
%、Na2O+K2O 14.1%であった。
は、板厚3mmでの透過率曲線において、FeO 量を赤外域
約 1.050μmでの透過率(光学密度)から求め、表1に
示すように約0.157 重量%となって、上述した分析値の
全鉄量(Fe2O3 )から計算し、表1に示すように約40.1
%程度となった。
る)としての可視光線透過率(D光源にて、%)、紫外
線透過率(%)、および日射透過率(%)、主波長(n
m)、刺激純度等については340 型自記分光光度計(日
立製作所製)とJIS Z-8722、JISR-3106、ISO/DIS-9050
にて測定計算して求める等を行った。
過率が31.5%程度、日射透過率が36.1%程度、主波長が
528.7nm 程度、紫外線透過率が14.1%程度、刺激純度が
0.7%程度であり、さらに太陽放射透過率が35.5%程度
である濃い灰色すなわち所期の中性灰色系色調を有する
ガラスであって、しかもプライバシー保護性に優れかつ
機能性を高めたものであった。
と既存の中性灰色系ガラスの一例(従来例)における、
板厚3mmでの分光透過率曲線を、図1に示す。さらにま
た、易強化性については、上述したガラスの前述した粘
性温度が所期の特定範囲をクリヤーしていること等を確
認した上、前記試料を雰囲気温度約650 〜730 ℃の炉内
で約5分間前後加熱した後、通常の風冷強化を行い強化
ガラス板を得た。該ガラス板をJIS R-3211にしたがって
調べたところ、高効率かつ高歩留りで、決められた規格
を充分満足する高易強化性の中性灰色系色調ガラスであ
った。
スとなるようなガラス調合組成を計算し秤量して調合
し、溶融操作をし、得たガラスを同様に試料化した。
に分析、測定、評価した結果、基礎ガラス成分組成の分
析値はほぼ実施例1と同様となり、各着色剤成分組成あ
るいは還元率は表1に示すとおりであり、また前記各光
学特性は表2のとおりとなり、前記実施例1と同様に、
所期の中性灰色系色調であってかつ熱線および紫外線吸
収特性を持ち、しかもプライバシー保護性に優れた着色
ガラスであった。
と同様に実施したところ、前記実施例1と同様にJIS で
決められた規格を充分満足するものであって、高効率、
高歩留りで前記規格に合格するものが得れるようになる
ものであった。
適宜用いてもよいことは言うまでもない。また、板ガラ
ス製造用タンク窯において、カーボンならびに芒硝等は
種々の割合に適宜変更することがあり得ることは言うま
でもない。
特定した組成範囲内で巧みに組み合わせ、さらに還元率
を微妙に調整して適切な還元率を確保維持し、低透視性
を持ち、所期の中性灰色系色調を呈するガラスを得ると
ともに、熱線吸収特性を持たせかつ紫外線の吸収等をバ
ランス良く付与し、易強化性を保持させ、さらに例えば
実窯の操業条件を大幅に変更することなく、充分安定し
て製造することができ、該ガラスはプライバシー保護性
を高め、しかも人的物的両面で居住性と安全性を高め
て、高環境性を有し軽量化も可能であるものとすること
ができるものと成り、建築用窓ガラス等はもちろん、自
動車用窓ガラス、さらに例えばボート用客室窓ガラス等
に適用して有用なものとなる中性灰色系色調ガラスを提
供するものである。
スおよび既存の中性灰色系ガラス(従来例)の板厚3mm
での分光透過率曲線である。
Claims (7)
- 【請求項1】 ソーダ石灰シリカ系ガラスを基礎組成と
し、着色成分として重量%表示で、 Fe2O3(全鉄)0.45
〜0.75、そのうちFeO 0.08〜0.30、TiO2 0〜0.70、なら
びにppm 表示で、CoO140〜250 、NiO 0 〜350 、Cr2O30
〜350 、Se10〜60を基本的に含有せしめ、主波長が 490
〜575nm であることを特徴とする中性灰色系色調ガラ
ス。 - 【請求項2】 前記中性灰色系色調ガラスの還元率(Fe
2+/Fe3+)が20〜50%であることを特徴とする請求項1
の中性灰色系色調ガラス。 - 【請求項3】 前記中性灰色系色調ガラスの着色成分
が、重量%表示で Fe2O3(全鉄)0.50〜0.70、そのうち
FeO 0.12〜0.20、TiO2 0〜0.65、ならびにppm表示で、C
oO143〜220 、NiO200〜340 、Se15〜45を基本的に含有
せしめ、該ガラスの還元率(Fe2+/Fe3+)が30〜50%で
あって、主波長が495 〜573nm であることを特徴とする
請求項1記載の中性灰色系色調ガラス。 - 【請求項4】 前記中性灰色系色調ガラスの着色成分
が、重量%表示で Fe2O3(全鉄)0.50〜0.70、そのうち
FeO 0.10〜0.18、TiO2 0〜0.65、ならびにppm表示で、C
oO155〜220 、Cr2O3250〜340 、Se24〜50を基本的に含
有せしめ、該ガラスの還元率(Fe2+/Fe3+)が25〜40%
であって、その主波長が540 〜572nm であることを特徴
とする請求項1の中性灰色系色調ガラス。 - 【請求項5】 前記中性灰色系色調ガラスの着色成分
が、重量%表示で Fe2O3(全鉄)0.50〜0.70、そのうち
FeO 0.12〜0.20、TiO2 0〜0.65、ならびにppm表示で、C
oO155〜220 、NiO 40〜75、Cr2O3150〜270 、Se15〜40
を基本的に含有せしめ、該ガラスの還元率(Fe2+/F
e3+)が30〜50%であって、主波長が550 〜573nm であ
ることを特徴とする請求項1の中性灰色系色調ガラス。 - 【請求項6】 前記中性灰色系色調ガラスにおいて、該
板ガラス板厚3mmでの可視光透過率が50%以下、日射透
過率が55%以下、紫外線透過率が25%以下であることを
特徴とする請求項1乃至5記載の中性灰色系色調ガラ
ス。 - 【請求項7】 前記ソーダ石灰シリカ系ガラスの基礎組
成が、重量%表示で、SiO268〜74、Al2O3 0.1 〜3.0 、
CaO 8 〜13、MgO1〜4.5 、Na2O11.5〜16、K2O 0.5 〜3.
0 、SO30.1〜0.45、かつSiO2+Al2O3 68〜74、CaO +Mg
0 11〜15、Na 2O+K2O 12〜17である基本的に板ガラス組
成物であることを特徴とする請求項1乃至6記載の中性
灰色系色調ガラス。
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