JPH06227839A - 中性灰色系色調ガラス - Google Patents

中性灰色系色調ガラス

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JPH06227839A
JPH06227839A JP18701592A JP18701592A JPH06227839A JP H06227839 A JPH06227839 A JP H06227839A JP 18701592 A JP18701592 A JP 18701592A JP 18701592 A JP18701592 A JP 18701592A JP H06227839 A JPH06227839 A JP H06227839A
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JP
Japan
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glass
neutral gray
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cao
composition
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JP18701592A
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English (en)
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Shigeki Morimoto
繁樹 森本
Tadashi Noguchi
正 野口
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ソーダ石灰シリカ系ガラスを基礎組成とし、着
色成分として重量%表示で、 Fe2O3(全鉄)0.10〜0.5
0、CeO20.2 〜0.6 、ならびにppm 表示で、 CoO15〜3
0、Se 3〜15を基本的に含有せしめ、該ガラスの還元率
(Fe2+/Fe3+)が17〜50%である中性灰色系色調ガラ
ス。並びに重量%表示で、SiO268〜74、Al2O3 0.1 〜3.
0 、CaO 8 〜11、MgO2〜4.5 、Na2O11.5〜16、K2O 0.5
〜3.0 、SO30.1〜0.4 、かつSiO2+Al2O3 68〜74、CaO
+Mg0 11〜15、Na2O+K2O 12〜17である基本的に前記基
礎ガラス組成とした中性灰色系色調ガラス。 【効果】高透視性で、既存の中性灰色着色ガラスと同等
の色調を呈し、熱線ならびに紫外線を吸収し、かつ易強
化性に優れており、ギラつきもなく、居住性と安全性を
高め、高環境性を有し軽量化も可能となり、建築用、殊
に自動車用窓ガラス等として好適。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的高透視性で、既
存の中性灰色着色板ガラスとほぼ同等の色調を呈し、熱
線吸収性能および紫外線吸収性能を併せ持ち、居住性か
つ安全性を高め、しかも種々の形状で軽量化をもでき得
る中性灰色系色調ガラスに関し、建築用窓ガラスや各種
ガラス物品はもちろん、特に車両用窓ガラス、ことに自
動車用窓ガラスとして有用な中性灰色系色調ガラスを提
供するものである。
【0002】
【従来技術】近年富みに、冷房負荷の低減等省エネルギ
ー化等から、建築物ではもちろん自動車窓ガラス等にお
いて、ことに熱線の反射吸収等多機能化をガラス自体ま
たはガラス表面に付加することにより、人的にも物的に
もより高居住性、より安全性に繋がる板ガラス物品のニ
ーズが急激に高まってきている。そのなかで、従来の着
色された熱線吸収ガラスのうち、中性灰色系色調の熱線
吸収ガラスにおいても、主に建築物用の着色ガラスとし
て種々提案されてきている。
【0003】例えば特開平3ー153543号公報には中性灰
色低透過性ガラス組成物が記載されており、基礎ガラス
組成として重量%表示で、SiO268〜75、Na2O10〜18、Ca
O 5〜15、MgO 0 〜5 、Al2O3 0 〜5 、K2O 0 〜5 を有
し、もし必要ならば、微量の溶融及び清澄化助剤を含
み、Fe2O3 (全鉄)0.4 〜0.7 、FeO 0.08〜0.15、Se
0.003〜0.008 、CoO 0.003 〜0.025 、Cr2O3 0.022 〜
0.050 から本質的になる着色剤を含むもので、ガラスが
5.56mm(0.219in )の厚さで20%より小さい光透過率を
有するものであることが開示され、紫外線及び赤外線透
過率が低く、そのため全太陽エネルギー透過率も低いも
のであることが記載されている。
【0004】また例えば特開平2ー64038 号公報には黒
ずんだ、うすい灰色でニッケルを含まないガラス組成物
が記載されており、重量%表示で、SiO268〜75、Na2O10
〜18、CaO 5 〜15、MgO 0 〜5 、Al2O3 0 〜5 、K2O 0
〜5 と、もしあれば溶融及び精製助剤の痕跡を含むアル
カリガラス組成物と、本質的にFe2O3 (全鉄量)0.55〜
1.0 、Se 0.003〜0.02、CoO 0.005 〜0.02が少なくとも
2価の状態の鉄で15%より成る着色剤を有するもので、
そのガラスは5.56mmの厚さで20%以下の光透過率を有す
るものであり、FeO としては全ガラス組成物の0.09〜0.
3 重量%を構成することが記載されている。
【0005】さらに例えば特公昭56ー41579 号公報には
熱線吸収灰色ガラスが記載されており、重量%で、SiO2
70〜75、Al2O3 1 〜2 、CaO 5 〜10、MgO 1 〜5 、R2O
10〜15であり、ここにおいてR2O はNa2OとK2O の合計で
ありかつ、モル比で全R2O の3/4 〜1/4 がK2O である基
礎組成のガラスに、着色剤として重量%でFe2O30.1〜0.
2 、NiO 0.02〜0.06、CoO 0.001 〜0.004 、MnO 0.01〜
0.5 を加えたものであることが開示され、青紫色ないし
赤紫色をおびた灰色を呈することが記載されている。
【0006】さらにまた例えば特公昭55ー23221 号公報
には熱線吸収ガラスが記載されており、重量%表示で、
SiO265〜75、Al2O3 0 〜5 、CaO 5 〜15、MgO 0 〜10、
但しCaO+MgO 6 〜16、Na2O10〜18、K2O 0 〜5 、但しNa
2O+K2O10〜20の組成の基体ガラスに、着色成分としてFe
2O30.05 〜1.0 、MnO20.05〜5.0 、Cr2O30.002〜0.1、C
uO 0.005 〜0.3 を含有せしめ、かつ該着色成分の含有
量と比率を上記範囲内で調節することにより、中性灰色
又はブロンズ色の所望の着色特性を与えたものが開示さ
れている。
【0007】さらにまた例えば特公昭52ー49010 号公報
には中性灰色ガラスが記載されており、重量%表示で、
SiO268〜75、Al2O3 0〜5、CaO 5〜15、MgO 0〜10、
CaO+MgO 6〜15、Na2O10〜18、K2O 0〜5、Na2O+K2O10
〜20を基体組成とし、これに着色成分としてFe2O30.1〜
0.5 、CoO 0.003 〜0.02、Se 0.0005 〜0.001 、NiO0
〜0.002 を含有させ、かつ前記着色成分の比率を調整
し、5mm厚換算で可視光透過率57〜63%、太陽輻射熱透
過率57〜63%、透過光色純度1.5 %以下である中性灰色
の透過光の色調を有するものが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】前述したような例え
ば特開平3ー153543号公報ならびに特開平2ー64038 号
公報に記載のものは、確かにガラス製造中に時として特
異な変化をし、強化ガラス等の熱処理時に色の変化ある
いは破壊等に到ることがあると言われるNiO 成分を着色
剤として用いていないものの、板ガラス板厚5.56mmで20
%以下と低い可視光透過率のものであり、70%以上の可
視光透過率を必要とする自動車用窓ガラスには到底採用
することは困難なものである。また特公昭56ー41579 号
公報に記載のものは、前述したNiO 成分を用いること
と、Seに替えてMnを用い、赤紫色のMn2+と無色のMn3+
両者の量比が種々変化して色むらが生じるのを特定割合
のK2O 成分によって、溶融状況に係わらず一定量のMn2+
に固定しようとする手段等で赤色系の着色を得るMnO 成
分を含有し、これらはなお後工程ならびに基礎ガラス組
成におけるNa2O+K2O 量に対するK2O 量の割合におい
て、ことに自動車用窓ガラスとして必ずしも満足できる
ものではないものである。
【0009】さらに特公昭55ー23221 号公報に記載のも
のは、Seに替えてMnを用い、ピンク色の発色をするMn3+
が緑色系のFe2+と共存すると無色のMn2+になりMn3+の発
色を妨げ、その発色が減少するので酸化クロムを加える
ことによってMn3+の比率を高め、Fe2+による着色を消色
するための酸化マンガンが加えられ、しかもCu2+の形で
存在し、青色に発色するとともに800 〜900mμの近赤外
部に吸収ピークを有し熱線吸収性能を与える働きをさせ
ようとするものであるから、ことに紫外線透過率を極力
抑制しようとするものではなく、また板ガラスの板厚5
mmで可視光透過率が35〜65%と必ずしも充分自動車用窓
ガラスとして満足し得るものではないものである。
【0010】さらにまた特公昭52ー49010 号公報に記載
のものは、NiO 成分の含有を可及的減少または廃絶し、
Fe2O3 、CoO およびSeの3成分のみのバランスによって
中性灰色を得、熱線吸収性能も付与しようとするもの
の、可視光透過率が板厚5mmで57〜63%と必ずしも自動
車用窓ガラスとして充分とは言い難く、紫外線吸収性能
も充分とは言い難いものである。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る欠点に鑑みてなしたものであって、前述したNiO 成分
を着色剤として基本的に用いることなく、紫外線吸収機
能を付与するCeO2成分を特定量用いながら、Fe2O3 表示
の全鉄を特定量とし、還元率を調整してFe2+とFe 3+のバ
ランスをとりつつ、特定量の CoO成分とSe成分で補色的
に少なくとも必須着色剤として用いてさらにバランスさ
せ、比較的透視性能を有し、既存の中性灰色着色ガラス
とほぼ同等の色調を発現せしめるものであって、自動車
用窓ガラスとして充分使用でき、しかも熱線吸収性能な
らびに紫外線吸収性能を高めて兼ね供えるものであり、
さらに基礎ガラス組成とては易強化性を発現し、耐候
性、成形性も充分に有するものとし得、居住性と安全性
を高め、かつ高環境性である、建築物用はもちろん、こ
とに自動車等車輌用窓ガラスとして有用な中性灰色系色
調ガラスを提供するものである。
【0012】すなわち、本発明はソーダ石灰シリカ系ガ
ラスを基礎組成とし、着色成分として重量%表示で、 F
e2O3(全鉄)0.10〜0.50、CeO20.2 〜0.6 、ならびにpp
m 表示で、 CoO15〜30、Se 3〜15を基本的に含有せし
め、該ガラスの還元率(Fe2+/Fe3+)が17〜50%である
ようにしたことを特徴とする中性灰色系色調ガラス。な
らびに、前記中性灰色系色調ガラスにおいて、該板ガラ
ス板厚4mmでの可視光透過率が66%以上、日射透過率が
55〜74%、紫外線透過率が15〜29%であることを特徴と
する上述した中性灰色系色調ガラス。
【0013】さらに、前記ソーダ石灰シリカ系ガラスの
基礎組成が、重量%表示で、SiO268〜74、Al2O3 0.1 〜
3.0 、CaO 8 〜11、MgO2〜4.5 、Na2O11.5〜16、K2O 0.
5 〜3.0 、SO30.1〜0.4 、かつSiO2+Al2O3 68〜74、Ca
O +Mg0 11〜15、Na2O+K2O12〜17である基本的に板ガ
ラス組成物であることを特徴とする上述した中性灰色系
色調ガラスをそれぞれ提供するものである。
【0014】ここで、前記着色成分として重量%表示
で、 Fe2O3(全鉄)0.10〜0.50、CeO20.2 〜0.6 、なら
びにppm 表示で、 CoO 15 〜30、Se 3〜15を基本的に含
有せしめることとしたのは、先ず紫外線の吸収作用する
CeO2成分を0.2 〜0.6 重量%として、ガラスにおける還
元率をほとんど変化させないで、僅かの含有量で色調に
与える影響を極力少なくし、所期の紫外線吸収機能特性
を効率的に付与し得て維持できるようにするとともに、
Fe2O3(全鉄)0.10〜0.50重量%として、還元率を調整
してFe2+とFe3+のバランスをとり、赤外線を吸収しどち
らかと言えば青色を生じるFeO 成分と、紫外線を吸収し
どちらかと言えば黄色味系を生じる Fe2O3成分を適宜バ
ランスをとりつつ、板厚4mmでの可視光透過率を66%以
上として比較的透視性能を有するものとし、さらに CoO
15 〜30ppm 、Se 3〜15ppm を基本的に含有せしめ、特
定量の CoO成分とSe成分で前記鉄成分等と補色的に働
き、Co 2+は約0.52〜0.54 mμの吸収でどちらかと言えば
青色を生じ、Seはガラス中にどちらかと言えばピンク色
を与え鉄と一緒になると褐色を生じる等を有する両者
を、相互作用するように少なくとも必須着色剤として用
いてさらにバランスさせ、安定して中性灰色系色調を発
現せしめ維持するものとするものであって、自動車用窓
ガラスとして充分使用でき、しかも所期の熱線吸収性能
ならびにより高紫外線吸収性能を兼ね供えるものにで
き、上述した該光学特性を確保維持することによって、
居住性と安全性を高め、かつ高環境性を実現できるもの
である。
【0015】好ましくは、 Fe2O3(全鉄)としては0.15
〜0.45重量%程度、CeO2成分としては0.25〜0.50重量%
程度、また CoO成分としては16〜27ppm 程度、Se成分と
しては 4〜14ppm 程度である。
【0016】なお、MnO 成分、ZnO 成分ならびにNiO 成
分等任意成分として、使用原料あるいはカレット等か
ら、微量の不純物成分が含有することは言うまでもない
し、微量であれば特に問題とはならないものである。こ
とにMnO 成分の好ましい範囲は350ppm程度以下である。
【0017】また、該ガラスの還元率(Fe2+/Fe3+)が
17〜50%であるとしたのは、前述した各着色剤成分およ
びその特定した量において、ガラス原料からガラスにす
る溶融条件をできるだけ変化させないようにして均一性
が高くかつ色むらも発現することなく、中性灰色系色調
および前述した熱線吸収能または紫外線吸収能等の各光
学特性を得、しかもフロート法等の製板工程ならびに強
化ガラスあるいは曲げ板ガラス等の熱処理工程において
より色調等に変化がなく安定せしめるためである。好ま
しくは19〜47%程度、より好ましくは20〜45%程度であ
る。
【0018】さらに、前記ソーダ石灰シリカ系ガラスの
基礎組成が、重量%表示で、SiO268〜74、Al2O3 0.1 〜
3.0 、CaO 8 〜11、MgO2〜4.5 、Na2O11.5〜16、K2O 0.
5 〜3.0 、SO30.1〜0.4 、かつSiO2+Al2O3 68〜74、Ca
O +Mg0 11〜15、Na2O+K2O12〜17である基本的に板ガ
ラス組成物であることとしたのは、SiO2成分を重量%で
68〜74としたのは、68未満では表面にヤケ等が発生しや
すく耐候性が下がり実用上の問題が生じてくるものであ
り、74を超えるとその易強化性が下がり、溶融も難しく
なるものであり、Al2O3 成分を重量%で0.1 〜3.0 とし
たのは、0.1 未満では耐候性が下がり表面にやけ等が発
生しやすく実用上の問題が生じてくるものであって、好
ましくは1.0 以上であり、3.0 を超えると失透が生じや
すくなり成形温度範囲が狭くなり製造が難しくなるもの
であり、CaO 成分を重量%で8 〜11としたのは、8 未満
では易強化性が下がり、また融剤として不足気味となり
溶融温度も高くなりまた流動温度を低くしないので製造
しにくくなり、11を超えると失透し易くなり、成形作業
範囲が狭くなり製造が難しくなるものであり、MgO成分
を重量%で2 〜4.5 としたのは、2 未満では溶融温度が
上がり操作範囲を狭めるので製造がしにくくなり、4.5
を超えると易強化性が下がるものである。
【0019】また、Na2O成分を重量%で11.5〜16とした
のは、11.5未満では易強化性が下がり、成形性が難しく
なり、失透も生じ易くなるので操作範囲が狭まり製造し
にくくなり、16を超えると耐候性が下がり、表面にヤケ
等が発生しやすくなり実用上の問題が生じてくるもので
あり、K2O 成分を重量%で0.5 〜3.0 としたのは、0.5
未満では易強化性が下がり、3.0 を超えると耐候性が下
がりかつコストも高くなるものであり、SO3 成分を重量
%で0.1 〜0.4 としたのは、0.1 未満では例えば通常の
溶融において脱泡あるいは均質性上不充分となり易い程
度にしかできなくなり、好ましくは0.2 程度より以上で
あり、0.4 を超えると特にガラスの着色状態に影響を与
え、例えば黄色やアンバー色がかった色調に移行し易く
なる等が発現し所期の中性灰色系色調が得られ難くなる
ためであって、好ましくは0.35前後以下である。
【0020】さらに、SiO2+Al2O3 を重量百分率で68〜
74%としたのは、68%未満では耐候性が下がり、74%を
超えると易強化性が下がる問題が生じるものであり、Ca
O +MgO を重量百分率で11〜15%としたのは、CaO およ
びMgO 成分は溶融温度を下げるために用いられるととも
に、11%未満では易強化性が下がり、15%を超えると失
透しやすくなり製造上難しくなるものであり、Na2O+K2
O を重量百分率で12〜17%としたのは、12%未満では易
強化性が下がり、失透も生じやすくなって成形において
作業温度範囲が狭くなり、製造が難しくなり、17%を超
えると耐候性が下がり実用上の問題を生じるものである
とともにコスト的にも高くなるものである。
【0021】さらにまた前記中性灰色系色調ガラスにお
いて、該板ガラス板厚4mmでの可視光透過率が66%以
上、日射透過率が55〜74%、紫外線透過率が15〜29%で
あることとしたのは、各種自動車用窓ガラスとしてより
透視性があり、かつ熱線吸収能ならびに紫外線吸収能が
従来品より数段優れ、車内での居住性、例えば冷暖房効
果を高め、かつ紫外線による人的・物的な悪影響を減
じ、車外の環境に優しいものとするためであり、好まし
くは板厚4mmでの可視光透過率が67%以上程度、より好
ましくは70%以上程度、日射透過率が56〜71%程度、紫
外線透過率が16〜27%程度である。
【0022】また、例えば主波長としては557nm 〜581n
m 程度で、刺激純度としては0.5 〜7.0 程度である。好
ましくは例えば主波長としては560nm 〜580nm 程度で、
刺激純度としては1.0 〜6.0 程度である。
【0023】さらに、本発明の中性灰色系色調ガラスは
易強化ガラス組成物であって、板厚1mm 前後の薄板ガラ
スから10mm前後の厚板ガラスで、例えば平板または曲げ
板として生板から強度アップしたもの、半強化したも
の、強化したもの等で、単板ガラス、合せガラス、積層
ガラスあるいは複層ガラス等で用いることが、建築物用
窓ガラスをはじめ、ことに車両用、特に自動車用窓ガラ
スに用いることが有用である。
【0024】
【作用】前述したとおり、本発明の中性灰色系色調ガラ
スは、ソーダ石灰シリカガラスを基礎ガラス組成とし
て、特定した着色剤成分を特定した組成範囲で組み合わ
せた中性灰色系色調の着色ガラスとし、さらに該基礎ガ
ラス組成に易強化性を持たせ、しかもガラスの還元率を
特定した範囲内に調整したものとすることができ、上述
した着色剤成分とその量的範囲内において、還元率等の
調整も寄与して、前述した所期の光学特性、すなわち可
視光透過率が板厚4mmで66%以上、日射透過率が55〜74
%ならびにことに紫外線透過率が15〜29%、さらに例え
ば刺激純度が0.5 〜7.0 程度が得られることとなり、さ
らにまた例えば溶融性、清澄性、耐候性、成形性、失透
性、コスト等を考慮し、従来のガラス溶融窯で製造条件
ならびにそのガラスの性質等をほとんど変化させず、加
えて易強化性を持ち合わせかつ熱線ならびに紫外線を吸
収して冷暖房効果を高め、人的物的にも快適となって高
居住性であって、優れた透視性を充分持ちかつギラつき
もなく、物体の識別が優しくできしかも眼の疲労を防ぐ
等高安全性を確保でき、中性灰色系色調で例えば車・室
内外と充分調和のあるものとなって環境的にも優しく優
れたものとなり、さらに、従来の熱強化方法では得られ
なかった薄板着色ガラス等でも、充分な強化度あるいは
充分強度アップが得られ易くなるようになり、建築用窓
ガラスはもちろん家具用ガラス、調理用ガラス、ことに
自動車用などの車両用窓ガラス等に有用な中性灰色系色
調ガラスを提供できるものである。
【0025】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。実施例1 ガラス原料として、例えば珪砂、長石、ソーダ灰、ドロ
マイト、石灰石、芒硝、ベンガラ、炭酸セリウムあるい
はイルメナイト、酸化コバルトならびにカーボン等を、
さらに場合によってはセレンフリットガラスを用い、少
なくとも前記着色剤組成成分範囲内となるようにすると
ともに、例えば粘性温度が109 ポイズで650 〜685 ℃程
度、1012ポイズで555 〜585 ℃程度、かつ両者の温度差
が95〜105 ℃程度になるようになるガラス組成を目標組
成として設定し、該目標組成量を秤量調合し、小型電気
溶融窯で例えば還元剤としてカーボンを相当量用い、ま
た清澄剤として芒硝を相当量用い、還元率を調整して充
分確保しつつ約1400〜1450°C 前後程度で約3〜4 時間
程度溶融し、均質化および清澄等をした後、流し出し製
板化して板ガラス状とし、充分な徐冷を行い、厚み約4
mm程度に光学研磨して、大きさ100mm ×100mm のガラス
板とし、ガラス成分組成分析および各種光学特性等の測
定用中性灰色系色調ガラスを得た。
【0026】得られた該中性灰色系色調ガラスについ
て、JIS R-3101に基づく湿式分析法等で確認したとこ
ろ、重量%表示でSiO270.3%、Al2O31.9、CaO9.1、MgO
3.5、Na2O13.1、K2O1.0、SO30.2の基礎ガラス組成で、
表1 に示すように着色剤はFe2O3 (全鉄) 0.233、CeO2
0.40、ppm 表示でCoO 18.2、Se 9.3程度と成り、成分の
総和が約99.736%であってかつSiO2+Al2O3 72.2%、Ca
O +MgO 12.6%、Na2O+K2O14.1%であった。
【0027】さらに、還元率(Fe2+/Fe3+)について
は、図1に示す板厚4mmでの透過率曲線において、FeO
量を赤外域約 1.10 μmでの透過率(光学密度)から求
め、上述した分析値の全鉄量(Fe2O3 )から計算し、2
4.3%程度となった。なお、図1に示す従来例は、既存
の自動車窓用中性灰色着色ガラス板の板厚4mmでの透過
率曲線(A光源)である。
【0028】さらにまた、光学特性(4mm厚みにおけ
る)としての可視光線透過率(A光源にて、%)、紫外
線透過率(%)、および日射透過率(%)、主波長(n
m)、刺激純度等については340 型自記分光光度計(日
立製作所製)とJIS Z-8722、JISR-3106、ISO/DIS-9050
にて測定計算して求める等を行った。
【0029】その結果、表2に示すように、可視光線透
過率が71.3%程度、日射透過率が63.1%程度、主波長が
574.3nm 程度、紫外線透過率が23.2%程度、刺激純度が
3.0程度であり、さらに太陽放射透過率が61.9%程度で
ある淡灰色すなわち所期の中性灰色系色調を有するガラ
スであって、しかも機能性を高めたものであった。
【0030】さらにまた、易強化性については、上述し
たガラスの前述した粘性温度が所期の特定範囲をクリヤ
ーしていること等を確認した上、前記試料を雰囲気温度
約650 〜730 ℃の炉内で約5分間前後加熱した後、通常
の風冷強化を行い強化ガラス板を得た。該ガラス板をJI
S R-3211にしたがって調べたところ、高効率かつ高歩留
りで、決められた規格を充分満足する高易強化性の中性
灰色系色調ガラスであった。
【0031】実施例2〜10 前記実施例1と同様にして、所期の中性灰色系色調ガラ
スとなるようなガラス調合組成を計算し秤量して調合
し、溶融操作をし、得たガラスを同様に試料化した。
【0032】得られた試料について前記実施例1と同様
に分析、測定、評価した結果、基礎ガラス成分組成の分
析値はほぼ実施例1と同様となり、各着色剤成分組成あ
るいは還元率は表1に示すとおりであり、また前記各光
学特性は表2のとおりとなり、前記実施例1と同様に、
所期の中性灰色系色調であってかつ熱線およびことに紫
外線吸収特性を持つ着色ガラスであった。
【0033】さらに易強化性についても、前記実施例1
と同様に実施したところ、前記実施例1と同様にJIS で
決められた規格を充分満足するものであって、高効率、
高歩留りで前記規格に合格するものが得れるようになる
ものであった。
【0034】なお、ガラスフリットあるいはカレットを
適宜用いてもよいことは言うまでもない。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、特定した着色剤成分を
特定した組成範囲内で巧みに組み合わせ、さらに還元率
を微妙に調整して適切な還元率を確保維持し、充分透視
性を持ち、所期の中性灰色系色調を呈するガラスを得る
とともに、熱線吸収特性を持たせかつことに紫外線の吸
収等をバランス良く付与し、易強化性を保持させ、さら
に例えば実窯の操業条件を大幅に変更することなく、充
分安定して製造することができ、該ガラスは人的物的両
面で居住性と安全性を高めて、高環境性を有し軽量化も
可能であるものとすることができるものと成り、建築用
窓ガラス等はもちろん、自動車用窓ガラスに適用して有
用なものとなる中性灰色系色調ガラスを提供するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における中性灰色系色調ガラ
ス板および既存の中性灰色系色調ガラス板(従来例)の
板厚4mmでの分光透過率曲線である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソーダ石灰シリカ系ガラスを基礎組成と
    し、着色成分として重量%表示で、 Fe2O3(全鉄)0.10
    〜0.50、CeO20.2 〜0.6 、ならびにppm 表示で、 CoO15
    〜30、Se 3〜15を基本的に含有せしめ、該ガラスの還元
    率(Fe2+/Fe 3+)が17〜50%であるようにしたことを特
    徴とする中性灰色系色調ガラス。
  2. 【請求項2】 前記中性灰色系色調ガラスにおいて、該
    板ガラス板厚4mmでの可視光透過率が66%以上、日射透
    過率が55〜74%、紫外線透過率が15〜29%であることを
    特徴とする請求項1記載の中性灰色系色調ガラス。
  3. 【請求項3】 前記ソーダ石灰シリカ系ガラスの基礎組
    成が、重量%表示で、SiO268〜74、Al2O3 0.1 〜3.0 、
    CaO 8 〜11、MgO2〜4.5 、Na2O11.5〜16、K2O 0.5 〜3.
    0 、SO30.1〜0.4 、かつSiO2+Al2O3 68〜74、CaO +Mg
    0 11〜15、Na 2O+K2O 12〜17である基本的に板ガラス組
    成物であることを特徴とする請求項1記載の中性灰色系
    色調ガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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