JP2740102B2 - 緑色系色調ガラス - Google Patents

緑色系色調ガラス

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JP2740102B2
JP2740102B2 JP5024456A JP2445693A JP2740102B2 JP 2740102 B2 JP2740102 B2 JP 2740102B2 JP 5024456 A JP5024456 A JP 5024456A JP 2445693 A JP2445693 A JP 2445693A JP 2740102 B2 JP2740102 B2 JP 2740102B2
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貴子 本田
正 野口
泰史 田口
宏文 小林
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Central Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/02Compositions for glass with special properties for coloured glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/083Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound
    • C03C3/085Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal
    • C03C3/087Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal containing calcium oxide, e.g. common sheet or container glass

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的高透視性で、既
存の緑色系着色板ガラスとほぼ同等の色調を呈し、既存
の緑色系着色板ガラスとともに同一の建物に並列的に隣
合わせても違和感を感じさせない環境に優しく、しかも
とくに網入り緑色系色調ガラスとして充分に採用し得る
等、建築用窓ガラスや車両用窓ガラス、ことに高層建築
用窓ガラスとして有用な緑色系色調ガラスを提供するも
のである。
【0002】
【従来技術】近年富みに、冷房負荷の低減等省エネルギ
ー化等から、建築物ではもちろん自動車窓ガラス等にお
いて、ことに熱線の反射吸収ならびに紫外線の吸収等多
機能化をガラス自体またはガラス表面に付加することに
より、人的にも物的にもより高居住性、より安全性に繋
がる環境に優しい板ガラス物品のニーズが高まり、着色
板ガラスも多様化するなかで、緑色系色調ガラスにおい
ても、自動車窓用等の着色ガラスとして種々提案されて
きている。
【0003】例えば特開昭63ー79737 号公報には紫外線
吸収緑色ガラスの製造法が記載されており、重量%で、
SiO270〜74、Al2O31.5〜2.5 、CaO 10〜11、MgO1〜2 、
Na2O12〜14、K2O0.4〜1 、Fe2O3 0.25〜0.7 、Cr2O3 0.
3 〜0.85、SO30.1〜0.3 の組成、場合によっては、Cr2O
3 の一部が0.2 重量%以下のNiO で置換されている前記
組成の緑色ガラスで紫外線感受性製品用の容器を作るの
に適したガラスを製造する方法が開示されている。
【0004】また例えば特開平3ー187946号公報には赤
外線及び紫外線吸収緑色ガラス、車輌用窓ガラス及び車
輌用窓材が記載されており、重量%で、約0.51〜0.96の
Fe2O 3 と、約0.15〜0.33のFeO と、約0.2 〜1.4 のCeO2
とを、あるいは約0.48〜0.92のFe2O3 と 、約0.15〜0.
33のFeO と、約0.1 〜1.36のCeO2と、約0.02〜0.85のTi
O2とを主要な成分として含む赤外線及び紫外線吸収ソー
ダ石灰シリカ緑色ガラス、ならびに前記FeO の重量%が
Fe2O3 により表される鉄分の総量の約23〜29%を還元し
たものとして表されること、および測色光A可視光透過
率が約70%以上であること、さらに測色光C主波長が約
498 〜525nm であること等が開示されている。
【0005】さらに例えば特開平4ー228451号公報には
木調と調和する緑着色透明ガラスが記載されており、重
量%で、SiO266〜75、Al2O0〜4、CaO 7〜12、MgO 0
〜5、Na2O12〜20、K2O 0〜3からなるソーダ・石灰・
シリカ基礎ガラスと、重量%で、Fe2O30.02 未満、Se
0.00003〜0.0002、CoO 0〜0.0003から本質的になる着
色剤部分、とからなる木調と調和する緑着色透明ガラス
で、5.66mmの厚さで少なくとも85%の光透過率(照明
C)を示す透明ガラス、ならびにそのガラスの主波長が
570 〜590nm であるものが開示されている。
【0006】さらにまた例えば特開平4ー228450号公報
には緑着色透明ガラスが記載されており、重量%で、Si
O266〜75、Al2O3 0〜4、CaO 7〜12、MgO 0〜5、Na
2O12〜20、K2O 0〜3、Fe2O3 として0.02より少ない量
の酸化鉄から本質的になる着色剤を含むソーダ・石灰・
シリカ基礎ガラスからなる透明ガラスで、Fe2O3 として
表したガラス中の鉄の全量に対するFeO として表した第
一鉄状態でガラス中に存在する鉄の比率が少なくとも0.
4 になるようにした、5.66mmの厚さで少なくとも87%の
光透過率(照明C)を示す緑着色透明ガラスが開示され
ている。
【0007】さらにまた例えば特開昭64ー18938 号公報
にはソーダ・石灰・シリカ平板ガラスの製造方法が記載
されており、原料を溶融から成形へ、Fe2O3 として少な
くとも0.45重量%の鉄を有し、酸化還元条件をFeO とし
ての第一鉄状態の鉄を少なくとも35%与えるよう制御
し、ガラスが少なくとも65%の光透過率及び15%以下の
赤外線透過率を有する連続的製造方法であって、例えば
重量%で、SiO266〜75、Al2O3 0〜4、CaO 7〜12、
MgO 0〜5、Na2O12〜20、K2O 0〜3、Fe2O3 0〜1、
及びCeO2、TiO2、V2O3又はMoO2の合計0〜1.5 から本質
的になるものであり、SO3 としての硫黄含有量が全ガラ
ス組成物の0.01より少ないものであること等が開示され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】前述したような例え
ば特開昭63ー79737 号公報に記載のものは、Fe2O3 を比
較的多く含み、安価な出発原料、特に鉄含有量の高い、
また多くの不純物を含む原料、例えばリサイクルガラス
を用い、褐色ガラスに匹敵する500nm 以下の紫外線を吸
収しうる緑色ガラスを得ようとして、特定量のクロム、
硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウムおよびリサイクルガラ
スを含むガラス溶融物中に酸化ガスを吹込むことにより
達成されるというものであり、通常の板ガラス用タンク
窯、例えばフロート用タンク窯等でもって緑色系色調の
板ガラス、ことに網入り緑色系色調の板ガラスを製造す
るには採用し難いものである。
【0009】また特開平3ー187946号公報に記載のもの
は、ことに紫外線吸収能において向上しているものの、
特に鉄含有量が高く、ことに網入り緑色系色調の板ガラ
スを製造するには採用し難いものである。
【0010】さらに特開平4ー228451号公報ならびに特
開平4ー228450号公報に記載のものは、Fe2O3 が0.02重
量%以下と非常に少ない量の酸化鉄であり、該ガラスを
得るための原料の調達の困難さならびにその原料コスト
増大を伴うものである。
【0011】さらにまた特開昭64ー18938 号公報に記載
のものは、還元率をかなり高くする必要があり、しかも
ガラス中のSO3 を0.02重量%以下あるいは図1または2
に示されているようにかなり特異な溶融清澄を行う必要
があるものである。
【0012】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る欠点に鑑みてなしたものであって、前述したSe、CeO2
NiO 成分を着色剤として基本的に用いることなく、Fe2O
3 表示の全鉄をクリア板ガラスより多く、網入りガラス
として熱割れ現象を発現しないような程度に比較的少な
めの特定量とし、通常の板ガラス製造タンク窯において
還元率を調整してFe2+とFe3+のバランスをとりつつ、特
定量の Cr2O3成分と CoO成分を少なくとも必須着色剤と
して用いてさらにバランスさせ、比較的透視性能を有
し、既存の緑色系色調の色調を発現せしめ、しかも特定
条件下におけるガラスの発生熱応力を許容値内にできる
ものであって、建築用緑色系色調窓ガラス、ことに網入
り緑色系色調ガラスとして従来の建築用緑色系色調窓ガ
ラスとともに並列的に併用できるものとなる等、同様に
自動車用窓ガラスとしても充分使用可能にでき、耐候
性、成形性も充分に有するものとし得、居住性と安全性
を高め、かつ高環境性である、有用な緑色系色調ガラス
を提供するものである。
【0013】すなわち、本発明はソーダ石灰シリカ系ガ
ラスを基礎組成とし、着色成分として重量%表示で、 F
e2O3(全鉄)0.10〜0.30、ならびにppm 表示で、 CoO20
〜50、Cr2O3200〜400 を基本的に含有せしめ、緑色系色
調を呈することを特徴とする緑色系色調ガラス。
【0014】ならびに、前記ガラスの還元率(Fe2+/Fe
3+)が、20〜50%であるようにしたことを特徴とする上
述した緑色系色調ガラス。また、前記ソーダ石灰シリカ
系ガラスの基礎組成が、重量%表示で、SiO268〜74、Al
2O3 0.1 〜3.0 、CaO 8 〜13、MgO1〜4.5 、Na2O11.5〜
16、K2O 0.5 〜3.0 、SO30.1〜0.45、かつSiO2+Al2O3
68〜74、CaO +Mg0 11〜15、Na2O+K2O 12〜17である基
本的に板ガラス組成物であることを特徴とする上述した
緑色系色調ガラス。
【0015】さらに、前記ガラスの発生熱応力が、板厚
3〜15mmにおいて180kg /cm2 以下、板厚15〜19mmおい
て150kg /cm2 以下であることを特徴とする上述した緑
色系色調ガラス。ならびに前記ガラスの発生熱応力が、
板厚6.8 〜10mmの網入りガラスにおいて100kg /cm2
下であることを特徴とする上述した緑色系色調ガラスを
それぞれ提供するものである。
【0016】ここで、前記着色成分として重量%表示
で、 Fe2O3(全鉄)0.10〜0.30、ならびにppm 表示で、
CoO 20〜50、Cr2O3200〜400 を基本的に含有せしめるこ
ととしたのは、ことに発生熱応力に対し安定して許容し
熱割れを誘発し難いガラスとするため、全鉄分を極力ク
リアガラスに比較的近い量、すなわち Fe2O3(全鉄)0.
10〜0.30重量%程度にし、既に存在する緑色系色調ガラ
スと限り無く近いような緑色系色調ガラスを、通常の板
ガラス用タンク窯において、例えば Fe2O3(全鉄)含有
量が多くない領域ではFe2+/Fe3+比は Fe2O3(全鉄)含
有量により変化しないといわれていることからは異な
り、 Fe2O3(全鉄)濃度の減少とともに還元率が低下す
るのを、ガラスにおける還元率をほとんど変化させない
よう、還元率を調整してFe2+とFe3+のバランスをとるた
め、どちらかと言えば青色を生じるFeO 成分と、どちら
かと言えば黄色味系を生じる Fe2O3成分を適宜バランス
をとりつつ、さらにCr2O3 成分とCoO成分でもってさら
に色調を補正するようにし、ppm表示で、CoO20〜50、Cr
2O3200〜400 を基本的に含有せしめる特定量で前記特定
量の鉄成分と補色的に相互に働き、Co2+は約0.52〜0.54
mμの吸収でどちらかと言えば青色を生じ、またCr2O3
に対するFe2O3 (全鉄)の添加量比が例えば約11.6程度
をほぼ境として超えると、Cr2O3 はガラス中にどちらか
と言えばFe2O3 (全鉄)の増加に伴い過剰なFe2+量を増
すこととなる等から、相互作用するように少なくとも必
須着色剤として用いてさらにバランスさせ、安定して緑
色系色調を発現せしめ維持するものとするものであっ
て、建築用窓ガラスとして充分使用でき、しかも網入り
ガラスとしての要件を兼ね供え、居住性や安全性を高
め、かつ高環境性を実現できるものである。
【0017】好ましくは、 Fe2O3(全鉄)としては0.11
〜0.18重量%程度、Cr2O3 成分としては230 〜380 ppm
程度、また CoO成分としては22〜40ppm 程度、より好ま
しくは、 Fe2O3(全鉄)としては0.115 〜0.15重量%程
度、 Cr2O3成分としては250〜350ppm程度、CoO 成分と
しては25〜35ppm 程度である。
【0018】なお、MnO 成分、ZnO 成分ならびにNiO 成
分等任意成分として、使用原料あるいはカレット等か
ら、微量の不純物成分が含有することがあり得ることは
言うまでもないし、微量であれば特に問題とはならない
ものであり、ことに各成分の合計量の好ましい範囲は例
えば150ppm以下程度で少ない程よいものである。
【0019】また、該ガラスの還元率(Fe2+/Fe3+)が
20〜50%であるとしたのは、前述した各着色剤成分およ
びその特定した量において、ガラス原料からガラスにす
る溶融条件をできるだけ変化させないようにして均一性
が高くかつ色むらも発現することなく、緑色系色調およ
び前述した発生熱応力を網入りガラスでの許容内にある
ガラスを得、しかもデユープレツクス(連続同時両面磨
き)法およびフロート法等の製板工程ならびに強化ガラ
スあるいは曲げ板ガラス等の熱処理工程においてより色
調等に変化がなく安定せしめるためである。好ましくは
23〜43%程度、より好ましくは25〜35%程度である。
【0020】さらに、前記ソーダ石灰シリカ系ガラスの
基礎組成が、重量%表示で、SiO268〜74、Al2O3 0.1 〜
3.0 、CaO 8 〜13、MgO1〜4.5 、Na2O11.5〜16、K2O 0.
5 〜3.0 、SO30.1〜0.45、かつSiO2+Al2O3 68〜74、Ca
O +Mg0 11〜15、Na2O+K2O12〜17である基本的に板ガ
ラス組成物であることとしたのは、SiO2成分を重量%で
68〜74としたのは、68未満では表面にヤケ等が発生しや
すく耐候性が下がり実用上の問題が生じてくるものであ
り、74を超えるとその易強化性が下がり、溶融も難しく
なるものであり、Al2O3 成分を重量%で0.1 〜3.0 とし
たのは、0.1 未満では耐候性が下がり表面にやけ等が発
生しやすく実用上の問題が生じてくるものであって、好
ましくは1.0 以上であり、3.0 を超えると失透が生じや
すくなり成形温度範囲が狭くなり製造が難しくなるもの
であり、CaO 成分を重量%で8 〜13としたのは、8 未満
では易強化性が下がり、また融剤として不足気味となり
溶融温度も高くなりまた流動温度を低くしないので製造
しにくくなり、13を超えると失透し易くなり、成形作業
範囲が狭くなり製造が難しくなるものであり、好ましく
は9 〜11.5程度であり、MgO 成分を重量%で1 〜4.5 と
したのは、1 未満では溶融温度が上がり操作範囲を狭め
るので製造がしにくくなり、4.5 を超えると易強化性が
下がるものであり、好ましくは1.5 〜4.0 程度である。
【0021】また、Na2O成分を重量%で11.5〜16とした
のは、11.5未満では易強化性が下がり、成形性が難しく
なり、失透も生じ易くなるので操作範囲が狭まり製造し
にくくなり、16を超えると耐候性が下がり、表面にヤケ
等が発生しやすくなり実用上の問題が生じてくるもので
あり、K2O 成分を重量%で0.5 〜3.0 としたのは、0.5
未満では易強化性が下がり、3.0 を超えると耐候性が下
がりかつコストも高くなるものであり、SO3 成分を重量
%で0.1 〜0.45としたのは、0.1 未満では例えば通常の
溶融において脱泡あるいは均質性上不充分となり易い程
度にしかできなくなり、好ましくは0.2 程度より以上で
あり、0.45を超えると特にガラスの着色状態に影響を与
え、例えば緑色を変色した色調に移行し易くなる等所期
の緑色系色調が得られ難くなるためであって、好ましく
は0.35前後以下である。
【0022】さらに、SiO2+Al2O3 を重量百分率で68〜
74%としたのは、68%未満では耐候性が下がり、74%を
超えると易強化性が下がる問題が生じるものであり、Ca
O +MgO を重量百分率で11〜15%としたのは、CaO およ
びMgO 成分は溶融温度を下げるために用いられるととも
に、11%未満では易強化性が下がり、15%を超えると失
透しやすくなり製造上難しくなるものであり、Na2O+K2
O を重量百分率で12〜17%としたのは、12%未満では易
強化性が下がり、失透も生じやすくなって成形において
作業温度範囲が狭くなり、製造が難しくなり、17%を超
えると耐候性が下がり実用上の問題を生じるものである
とともにコスト的にも高くなるものである。さらにま
た、上述したガラス成分組成によって、緑色系色調の各
種板ガラスの製造においる基本的要件を兼ね備えるもの
とすることができる。
【0023】さらにまた前記緑色系色調ガラスの発生熱
応力が、板厚3〜15mmにおいて180kg /cm2 以下、板厚
15〜19mmおいて150kg /cm2 以下であること、ならびに
板厚6.8 〜10mmの網入りガラスにおいて100 kg/cm2
下であることとしたのは、例えば熱線吸収板ガラスは比
較的日射吸収率が高く、かつ熱容量が小さいので、窓に
取り付け日射を受けた際、中央部は早く昇温し、サッシ
部内のエツジ部は日射を受けずサツシや躯体への放熱も
あって昇温が遅くなり、中央部は膨張しエツジ部は膨張
しなく、エツジ部に引張応力が発生し、該熱応力がガラ
ス固有の強度を超えると破壊することとなる、所謂熱割
れ現象となる。したがって板ガラスの切断面をクリーン
カツトあるいはサツシ部の構成等も重要ではあるもの
の、ガラス自体の発生熱応力が許容熱応力より小さいこ
とが熱割れの防止により役立つこととなるものである。
【0024】一般には σ=k・f0 ・f1・f2・f3( θ
R ーθS )である。 σ:板ガラスの発生熱応力(kg/cm2) k:基本応力係数( 4.8kg/cm2 ・℃) f0:面積係数(ガラス面積による応力増比) f1:カーテン係数(カーテン、ブラインドによる応力増
比) f2:影係数(影による応力増比) f3:エツジ温度係数(f3=0.65t0+0.35ti 、t0: 室外温
度℃、t:室外温度℃) θR : 板ガラスの中央部温度(℃) θS : サツシの温度(℃) 例えば、許容熱応力としては、緑色系色調ガラスでは板
厚3〜12mm程度で約180kg /cm2 、板厚15〜19mm程度で
約150kg /cm2 であって、緑色系色調網入りガラスでは
板厚6.8 〜10mm程度で約100kg /cm2 であり、該各値以
下であることが安全かつ高品位を得るために、ことに網
入りにおいて必要である。
【0025】また、本発明の緑色系色調ガラスは、板厚
5mmにおいて、主波長が約500 〜516nm 程度、刺激純度
が4程度以下、好ましくは例えば主波長としては502nm
〜514nm 程度で、刺激純度としては 2.5〜3.5 程度であ
る。さらに可視光透過率としては板厚5mm、A光源にお
いて約67%程度以上、好ましくは約69%程度以上であ
る。
【0026】さらに、本発明の緑色系色調ガラスは、易
強化ガラス組成物も含むものであって、板厚2mm前後の
薄板ガラスから10mm前後の厚板ガラスで、例えば平板ま
たは曲げ板として生板から強度アップしたもの、半強化
したもの、強化したもの等で、単板ガラス、合せガラ
ス、積層ガラスあるいは複層ガラス、さらに網入りガラ
ス等で用いることができ、建築物用窓ガラス、ことに網
入りガラスに有用であり、さらに自動車用窓ガラス等に
おいても採用可能な緑色系色調ガラスである。
【0027】
【作用】前述したとおり、本発明の緑色系色調ガラス
は、ソーダ石灰シリカガラスを基礎ガラス組成として、
特定した着色剤成分を特定した組成範囲で組み合わせて
従来の緑色系色調ガラスに限り無く近い色調の着色ガラ
スとし、さらに該基礎ガラス組成に易強化性を持たせる
ことも可能であって、しかもガラスの還元率を特定した
範囲内に調整したものとすることができ、上述した着色
剤成分とその量的範囲内において、還元率等の調整も寄
与して、前述した所期の従来の緑色系色調ガラスに最も
近い色調とすることができるとともに、発生熱応力も許
容範囲内にし得て熱割れが発現し難い安全な高品位な、
ことに緑色系色調網入りガラスに適したものとすること
ができ、また可視光透過率ならびに刺激純度等も所期の
ものとなり、さらにまた例えば溶融性、清澄性、耐候
性、成形性、失透性、コスト等を考慮し、従来のガラス
溶融窯で製造の条件ならびにそのガラスの性質等をほと
んど変化させず、同一建物で並列的に並べるように用い
て、従来の緑色系色調ガラスと違和感なく、各種板ガラ
ス品をバラエテイーに富むよう使用でき、従来品と併せ
て冷暖房効果を高め、人的物的にも快適となって居住性
を高めるものであって、優れた透視性を充分持ちかつギ
ラつきも少なく、物体の識別が優しくできしかも眼の疲
労を防ぐ等高安全性を確保でき、室内外と充分調和のあ
るものとなって環境的にも優しく優れたものとなり、さ
らに、曲げまたは、従来の熱強化方法では得られなかっ
た薄板着色ガラス等でも、充分な強化度あるいは充分強
度アップが得られるようになり、ことに緑色系色調建築
用窓ガラスはもちろん、特にその網入りガラスや型板ガ
ラスに有用であり、家具用ガラス、調理用ガラス、自動
車用窓ガラス等にも採用可能な緑色系色調ガラスを提供
できるものである。
【0028】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。実施例1 ガラス原料として例えば珪砂、ソーダ灰、ドロマイト、
石灰石、芒硝、ベンガラ、酸化クロム、、酸化コバルト
等を、さらに場合によってはカレットならびにカーボン
を用意するなかで、前記基礎組成および着色剤組成成分
範囲内となるようになるガラス組成を目標組成として設
定し、該目標組成量を秤量調合し、通常のタンク窯でル
ツボを用い、例えば還元剤としてのカーボンを用いず、
清澄剤として芒硝を相当量、例えば対珪砂比約0.5 〜3.
0 程度であるが、本実施例としては約1.0 程度を用い、
還元率を調整して充分確保しつつ約1400〜1450°C 前後
程度で約4時間前後程度溶融し、約2時間程度均質化お
よび清澄等をした後、流し出し製板化して板ガラス状と
し、充分な徐冷を行い、厚み約5mm程度に光学研磨し
て、大きさ100mm ×100mm のガラス板とし、ガラス成分
組成分析および各種光学特性等の測定用緑色系色調ガラ
スを得た。
【0029】得られた該緑色系色調ガラスについて、JI
S R-3101に基づく湿式分析法等で確認したところ、重量
%表示でSiO270.4%、Al2O31.65 、CaO 11、MgO 2 、Na
2O13.4、K2O 1 、SO30.35 の基礎ガラス組成で、表1 に
示すように着色剤はFe2O3 (全鉄) 0.124、ppm 表示で
CoO 26.7、Cr2O3280程度と成り、成分の総和が約99.951
%であってかつSiO2+Al2O3 72.05 %、CaO +MgO 13
%、Na2O+K2O 14.4%であった。
【0030】さらに、還元率(Fe2+/Fe3+)について
は、ガラス中のFeO 量を分析した値と、上述した分析値
の全鉄量(Fe2O3 )から計算し、約29%程度となった。
【0031】さらにまた、光学特性(5mm厚みにおけ
る)としての可視光線透過率(A光源にて、%)、主波
長(nm)、刺激純度(色彩分析、D65光源)等について
は340型自記分光光度計(日立製作所製)とJIS Z-872
2、JIS R-3106、ISO/DIS-9050にて測定計算して求める
等を行った。
【0032】その結果、表1に示すように、可視光線透
過率が約72.0%程度、主波長が約507.9nm 程度、刺激純
度が約2.8 程度であり、淡緑色すなわち所期の緑色系色
調ガラスであって、従来の緑色系色調ガラスの色調に極
めて近いものであった。
【0033】さらにまた、例えば、板厚約6.8mm におい
て、面積係数1.1 /3m2、カーテン係数1.3 /薄手カー
テン100mm 未満、影係数1.3 /シングルシヤドーならび
にエツジ係数0.65/標準施工、および外気温度約5℃程
度、室内温度約20℃程度等において、前述した式から前
記発生熱応力は約90kg/cm2 程度となり、充分耐熱割れ
性を有し、網入りガラスにも充分満足して採用しうる緑
色系色調ガラスであった。
【0034】実施例2〜10 前記実施例1と同様にして、所期の緑色系色調ガラスと
なるようなガラス調合組成を計算して秤量調合し、溶融
清澄ならびに徐冷操作をし、得られたガラスを同様に試
料化した。
【0035】得られた試料について前記実施例1と同様
に分析、測定、評価した結果、基礎ガラス成分組成の分
析値はほぼ実施例1と同様となり、各着色剤成分組成あ
るいは還元率は表1に示すとおりであり、また前記各光
学特性は表1のとおりとなり、前記実施例1と同様に、
所期の緑色系色調であってかつ最高のものとしては前記
発生熱応力σ値が板厚6.8mmあるいは10mmにおいて約62
〜82kg/cm2 程度と格段に熱割れの可能性が少ない、耐
熱割れ特性等もつ優れたものになるなど、網入りガラス
に充分採用できる機能性がある着色ガラスであった。
【0036】実施例11〜17 前記実施例1における対珪砂比を約2.0 程度に変更し、
前記実施例1と同様にして、所期の緑色系色調ガラスと
なるようなガラス調合組成を計算して秤量調合し、溶融
清澄ならびに徐冷操作をし、得られたガラスを同様に試
料化した。
【0037】なお、実施例16のみについては対硅砂比が
約1.5程度である。
【0038】得られた試料について前記実施例1と同様
に分析、測定、評価した結果、基礎ガラス成分組成の分
析値はほぼ実施例1と同様となり、各着色剤成分組成あ
るいは還元率は表1に示すとおりであり、また前記各光
学特性は表1のとおりとなり、前記実施例1と同様に、
所期の緑色系色調であってかつ最高のものとしては前記
発生熱応力σ値が板厚6.8mmあるいは10mmにおいて約65
〜95kg/cm2 程度と格段に熱割れの可能性が少ない、耐
熱割れ特性等もつ優れたものになるなど、網入りガラス
に充分採用できる機能性がある着色ガラスであった。
【0039】実施例18〜20 前記実施例11〜17と同様の対珪砂比で、カーボンをガラ
ス100gに対し約0.175g程度用い、前記実施例1と同様に
して、所期の緑色系色調ガラスとなるようなガラス調合
組成を計算して秤量調合し、電気炉においてルツボを用
い、溶融清澄ならびに徐冷操作をし、得られたガラスを
同様に試料化した。
【0040】得られた試料について前記実施例1と同様
に分析、測定、評価した結果、基礎ガラス成分組成の分
析値はほぼ実施例1と同様となり、各着色剤成分組成あ
るいは還元率は表1に示すとおりであり、また前記各光
学特性は表1のとおりとなり、またことに日射透過率が
約65前後と低減でき、前記実施例1と同様な緑色系色調
であってかつ前記発生熱応力σ値が板厚6.8mmあるいは1
0mmにおいて約87〜100kg /cm2 程度と熱割れの可能性
が少ない、耐熱割れ特性等もつものになるなど、網入り
ガラスに採用できる機能性がある着色ガラスであった。
【0041】なお、還元率(Fe2+/Fe3+)については、
板厚5mmでの透過率曲線からFeO 量を赤外域約 1.10 μ
mでの透過率(光学密度)から求め、上述した分析値の
全鉄量(Fe2O3 )から計算した。
【0042】なお、ガラスフリットあるいは各種カレッ
トを適宜用いてもよいことは言うまでもない。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、全鉄分を比較的多くし
ない範囲で特定量とし、特定した着色剤成分を特定した
組成範囲内で巧みに組み合わせ、さらに還元率を微妙に
調整して適切な還元率を確保維持し、充分透視性を持
ち、所期の緑色系色調を呈するガラスを得るとともに、
発生熱応力特性をも充分熱割れ防止し得る値に成し得て
バランス良く付与し、さらに例えば実窯の操業条件を大
幅に変更することなく、充分安定して製造することがで
き、該ガラスは人的物的両面で居住性と安全性を高め
て、より建物での緑色系色調網入りガラスを可能として
多様化に答えることができ、高環境性を有するものとす
ることができるものと成り、建築用窓ガラス等に有用な
ことはもちろん、自動車用窓ガラスに採用可能なものと
なる緑色系色調ガラスを提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 宏文 三重県松阪市大口町1510番地 セントラ ル硝子株式会社テクニカルセンター内 (56)参考文献 特開 平5−330847(JP,A) 特表 平6−503300(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソーダ石灰シリカ系ガラスを基礎組成と
    し、着色成分として重量%表示で、 Fe2O3(全鉄)0.10
    〜0.30、ならびにppm 表示で、 CoO20〜50、Cr2O3200〜
    400 を基本的に含有せしめ、緑色系色調を呈することを
    特徴とする緑色系色調ガラス。
  2. 【請求項2】 前記ガラスの還元率(Fe2+/Fe3+)が、
    20〜50%であるようにしたことを特徴とする請求項1記
    載の緑色系色調ガラス。
  3. 【請求項3】 前記ソーダ石灰シリカ系ガラスの基礎組
    成が、重量%表示で、SiO268〜74、Al2O3 0.1 〜3.0 、
    CaO 8 〜13、MgO1〜4.5 、Na2O11.5〜16、K2O 0.5 〜3.
    0 、SO30.1〜0.45、かつSiO2+Al2O3 68〜74、CaO +Mg
    0 11〜15、Na 2O+K2O 12〜17である基本的に板ガラス組
    成物であることを特徴とする請求項1記載の緑色系色調
    ガラス。
  4. 【請求項4】 前記ガラスの発生熱応力が、板厚3〜15
    mmにおいて180kg /cm2 以下、板厚15〜19mmおいて150k
    g /cm2 以下であることを特徴とする請求項1乃至3記
    載の緑色系色調ガラス。
  5. 【請求項5】 前記ガラスの発生熱応力が、板厚6.8 〜
    10mmの網入りガラスにおいて100kg /cm2 以下であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3記載の緑色系色調ガラ
    ス。
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