WO2020241382A1 - 水処理システムおよび水処理方法 - Google Patents

水処理システムおよび水処理方法 Download PDF

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Abstract

平板に付着している微生物の量を、非接触センサからの情報から推定し、推定結果に基づいて、水処理運転を自動制御することが可能な水処理システムを提供する。実施形態によれば、微生物が付着した平板を、一部が原水に浸漬するように回転させながら、微生物によって原水を浄化する水処理システムは、平板への微生物の付着量を推定する付着量推定部と、付着量推定部による推定結果に基づいて、平板の単位時間あたりの回転数を変化させる回転数切換部とを有し、水処理システムの運転を制御するコントローラを備えている。

Description

水処理システムおよび水処理方法
 本発明の実施形態は、下水、農業排水、および工場排水等の有機排水を、微生物により浄化する水処理システムおよび水処理方法に関する。
 下水等の有機物を含有する有機排水を浄化する水処理システムでは、一般に、微生物による生物処理(以降、「微生物処理」と称する)が用いられている。この種の微生物処理を活用した水処理システムの一つとして、回転円板法を用いた水処理システムがある。
 回転円板法は、円板状の平板の表面に、例えば特許文献1および特許文献2に開示されているように、バチルス属の菌(以降、「バチルス菌」と称する)のような有用微生物(以降、単に「微生物」と称する)を優占的に付着し易くするための繊維状の接触体を配し、円板状の平板を、モータ等の動力を使って回転させながら、接触体に付着したバチルス菌のような微生物と原水とを接触させることによって、微生物の働きにより、原水中の有機物や窒素成分を除去する方法である。
 バチルス菌を優占化することで、水処理過程で発生する余剰汚泥量を削減できること、臭気の発生を抑制できること、良好な有機物ならびに窒素除去性能が得られること、また、特許文献3に開示されているように、後段に活性汚泥法の生物反応槽を配置した場合、生物反応槽の負荷を低減できることから、生物反応槽のブロワの消費電力を大幅に低減できるなどの効果が得られることが知られている。
 一方で、円板状の平板に微生物が過剰に付着すると、微生物に酸素を十分に供給できなくなるために、浄化性能が悪化する。このため、平板に過剰に付着した微生物を剥離等により除去するための洗浄操作が必要となる。
 この洗浄操作の要否は、従来、オペレータによる定期点検の結果に基づいて決定されている。すなわち、オペレータは、円板状の平板を定期的に目視点検し、平板に微生物が過剰に付着していることを発見すると、洗浄操作が実施され、過剰な微生物が、円板状の平板から剥離等より除去されている。
日本国特開2009-166038号公報 日本国特開2007-301511号公報 日本国特開2000-189991号公報
 しかしながら、水処理システムの維持管理コストの低減化、省力化、運転の効率化等が要求されている昨今の状況から、人的な作業を極力排除した自動運転に対するニーズが高まっている。
 本発明が解決しようとする課題は、平板に付着している微生物の量を、非接触センサからの情報から推定し、推定結果に基づいて、水処理運転を自動制御することが可能な水処理システムおよび水処理方法を提供することである。
 実施形態の水処理システムは、微生物が付着した平板を、一部が原水に浸漬するように回転させながら、微生物によって原水を浄化する水処理システムであって、コントローラを備えている。コントローラは、平板への微生物の付着量を推定する付着量推定部と、付着量推定部による推定結果に基づいて、平板の単位時間あたりの回転数を変化させる回転数切換部とを有し、水処理システムの運転を制御する。
図1は、第1の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。 図2は、回転円板装置を前面側(図1における原水導入側)から見た構成例を含む、第1の実施形態の水処理システムの部分的な構成例を示す概念図である。 図3は、第1の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図4は、単位時間あたりの回転数が同じ場合における回転円板体への微生物付着量と、回転円板体の回転時に得られるモータ電流値との関係を例示する図である。 図5は、第1の実施形態の変形例2におけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図6は、回転円板体の単位時間あたりの回転数と、回転円板体の回転時に電流計によって測定される電流値との関係を例示するグラフである。 図7は、第1の実施形態の変形例3の水処理システムの部分的な構成例を示す概念図であり、回転円板装置を前面側(図1における原水導入側)から見た状態を例示する図である。 図8は、第2の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。 図9は、回転円板装置を前面側(図8における原水導入側)から見た構成例を含む、第2の実施形態の水処理システムの部分的な構成例を示す概念図である。 図10は、第2の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図11は、第2の実施形態の変形例1の水処理システムにおける回転円板装置の構成例を含む、水処理システムの部分的な構成例を示す概念図である。 図12は、第2の実施形態の変形例2における回転円板装置の構成例を含む、水処理システムの部分的な構成例を示す概念図である。 図13は、第2の実施形態の変形例3の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図14は、第3の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。 図15は、第3の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図16は、第3の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムによる微生物の付着量制御を説明するための図である。 図17は、第4の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。 図18は、第4の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図19は、平板に付着した微生物の付着量と汚泥返送量との関係を説明するための図である。 図20は、第4の実施形態の変形例2の水処理システムの構成例を示す概念図である。 図21は、第4の実施形態の変形例2の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図22は、第5の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。 図23は、第5の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図24は、音波受信器によって受信される音波のエネルギーと周波数との一般的な関係を例示する図である。 図25は、音波受信器によって受信される音波のエネルギーと周波数との別の関係を例示する図である。 図26は、1つの間隙部に4つの検知部を配置する配置例を示す回転円板装置の部分側面図である。 図27は、図26に示す回転円板装置を前面側(図26おける左側面側)から見た別の構成例を示す概念図である。 図28は、図22に示す回転円板装置を前面側(図22における左側面側)から見た別の構成例を示す概念図である。 図29は、第5の実施形態の変形例2の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図30は、第5の実施形態の変形例4の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図31は、第5の実施形態の変形例4における回転円板装置を前面側(図22における左側面側)から見た別の構成例を示す概念図である。 図32は、第6の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。 図33は、第6の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図34は、第7の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。 図35は、第7の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図36は、第8の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。 図37は、第8の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。 図38は、第8の実施形態の変形例2の水処理システムの構成例を示す概念図である。 図39は、第8の実施形態の変形例2の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 以下、本発明の代表的な実施形態を、図面を参照して説明する。なお、本発明の実施形態は下記に限定されない。また、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を用いて示し、重複説明を避ける。
 (第1の実施形態)
 第1の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムについて説明する。
 図1は、第1の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。
 水処理システム100は、下水、農業排水、および工場排水等の有機排水のような原水wを、バチルス菌のような微生物を活用した微生物処理によって浄化するシステムである。
 図1は、水処理システムの構成例を示す概念図である。図1に例示するように、水処理システム100は、回転円板装置10と、モータ20と、電流計25と、コントローラ40と、監視装置50とを備えている。図1では、回転円板装置10を、原水wの流れ方向に沿って見た構成例を示している。
 回転円板装置10は、水処理タンク11を備えている。水処理タンク11には、図中左側から原水wが導入される。水処理タンク11は、その内部に、一定の間隔Lで平行に配置された複数の回転円板体12を備えている。回転円板体12は、例えば、多孔質の材料から構成され得る。
 図2は、回転円板装置を前面側(図1における原水導入側)から見た構成例を含む、第1の実施形態の水処理システムの部分的な構成例を示す概念図である。
 水処理タンク11の上方は、必要に応じて、筐体カバー70によって覆われていてもよい。
 水処理タンク11の底面には、汚泥引抜配管60が接続され、汚泥引抜配管60には、汚泥引抜弁61が設けられている。
 各回転円板体12は、円の中心を中心に貫通穴が設けられており、該貫通穴に挿入されたシャフト13に固定される。これによって、各回転円板体12は、シャフト13の長軸方向(図1における左右方向、図2における奥行方向)に沿って、一定の間隔Lを保ってそれぞれ平行に配置される。
 各回転円板体12の表面である端面12aには、バチルス菌のような微生物を、優占的に付着し易くするための接触体14が配置されている。接触体14の具体的な構成については、特に限定しないが、特許文献1、特許文献2に開示されているような繊維状の接触体を使用することができる。
 水処理タンク11には、原水wが導入されるが、各回転円板体12は、全体が原水wによって浸漬されるのではなく、下側である一部のみが原水wによって浸漬され、原水wによって浸漬されている部分よりも上側は気相72中にあるように水処理タンク11内に設置される。
 これによって、各回転円板体12は、上側が空気に接し、下側が原水wによって浸漬される。このような構成は、例えば、シャフト13を、水処理タンク11の上縁高さとほぼ同じ高さに、水平に配置することによって達成される。これによって、水処理タンク11が原水wによって満水になっても、回転円板体12は、下側半分しか原水wによって浸漬されないので、少なくとも上側半分は、空気に接することになる。
 図1に戻り、シャフト13は、モータ20からの駆動力によって回転し、これによって、各回転円板体12も、図2に示す矢印Rに示すように、シャフト13を中心として回転する。すなわち、各回転円板体12は、各回転円板体12の中心を通って各回転円板体12の端面12aと直交する中心線15を中心に回転する。この回転速度は、水処理システム100の運転時において、例えば10rpmである。
 このように、各回転円板体12が、シャフト13の回転により回転方向Rに回転することによって、接触体14に付着した微生物は、気相72中においては、空気中の酸素を取り込み、原水wに浸漬されている間は、原水w中の有機物や窒素成分を酸化分解する。これによって、原水wから有機物や窒素成分を除去された処理水xが、水処理タンク11から排出される。
 しかしながら、このような浄化運転の継続に伴い、接触体14、つまり回転円板体12の表面に付着している微生物が増殖する。また、前述したように、回転円板体12は、多孔質の材料から構成され得るので、微生物は、回転円板体12の表面のみならず、回転円板体12の内部(空隙内)にも付着し得る。
 回転円板体12に付着している微生物が過剰に増殖すると、これら微生物に十分な酸素が行き渡らなくなり、浄化性能が低下する。さらには、原水wに含まれる汚泥の嫌気化により臭気が増加したり、処理水xの透視度が低下するといった悪影響が生じる場合もある。
 したがって、回転円板体12に微生物が過剰に付着しないように管理する必要がある。このため、コントローラ40は、回転円板体12に付着している微生物の付着量を推定し、微生物が過剰に付着しているとの推定結果が得られた場合には、回転円板体12に付着している微生物の付着量が、適切な範囲内に保たれるように、水処理システム100の運転を制御する。
 図3は、第1の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 コントローラ40は、回転円板体12への微生物の付着量を推定するための付着量推定部41と、付着量推定部41による推定結果に基づいて、回転円板体12の洗浄の要否を判定する洗浄要否判定部42と、通常運転時と洗浄時とで回転円板体12の単位時間(例えば、1分間)あたりの回転数を切り換える回転数切換部43とを備えている。
 監視装置50は、水処理システム100のオペレータとのインターフェースとして機能し、運転時回転数設定部51と、洗浄時回転数設定部52と、例えばディスプレイのような表示部53とを備えている。
 オペレータは、運転時回転数設定部51から、通常運転時の回転円板体12の単位時間あたりの回転数c(例えば、10rpm)を設定することができる。また、オペレータは、洗浄時回転数設定部52から、洗浄時の回転円板体12の単位時間あたりの回転数d(例えば、100rpm)を設定することができる。洗浄時の回転円板体12の単位時間あたりの回転数dとしては、回転円板体12に付着した微生物を剥離するために、高速回転させる必要があるので、通常運転時の10倍以上の値とするのが好適である。
 運転時回転数設定部51において設定された運転時回転数cと、洗浄時回転数設定部52において設定された洗浄時回転数dとは、回転数切換部43へ出力され、回転数切換部43において保持される。
 回転数切換部43は、洗浄要否判定部42から洗浄指令eが出力されない限り、運転時回転数cを、モータ20へ出力する。
 運転時回転数cが出力されることに応じてモータ20が駆動し、運転時回転数cで指定された回転数(例えば、10rpm)となるように、シャフト13を回転させる。
 モータ20には、電流計25が接続されており、電流計25は、駆動時のモータ20のモータ電流を連続的に測定し、測定した電流値aを付着量推定部41へ出力する。
 図4は、単位時間あたりの回転数が同じ場合における回転円板体への微生物付着量と、回転円板体の回転時に得られるモータ電流値との関係を例示する図である。
 回転円板体12への微生物の付着量が増加すると、回転円板体12を回転させる際のトルクが上昇する。このため、図4に例示するように、単位時間あたりの回転数が同じであっても、電流計25によって測定される電流値aは、微生物付着量の増加に伴い増加する。
 付着量推定部41は、図4に例示するような関係に基づいて、電流計25によって測定された電流値aから、回転円板体12に付着している微生物付着量として、回転円板体12に付着している微生物の膜厚、すなわち付着量bを推定し、推定した付着量bを表示部53へ出力し、電流値aおよび付着量bを洗浄要否判定部42へ出力する。
 オペレータは、付着量推定部41によって推定された付着量bを、表示部53から表示することによって、確認することができる。
 洗浄要否判定部42は、付着量推定部41からの電流値aが、図4に示す洗浄判定電流値よりも高ければ、回転円板体12に微生物が過剰に付着しているとみなし、回転円板体12を洗浄する必要があると判定し、モータ20および回転数切換部43へ洗浄指令eを出力する。
 回転数切換部43は、洗浄要否判定部42から洗浄指令eが出力されると、洗浄時回転数dを、モータ20へ出力する。これによって、洗浄要否判定部42から洗浄指令eが出力された場合、モータ20へ、洗浄指令eと洗浄時回転数dとの両方が出力される。
 モータ20へ、洗浄指令eと洗浄時回転数dとの両方が出力されると、運転モードが、通常運転から洗浄工程に切り換わり、モータ20は、回転数を、運転時回転数cで指定された回転数から、洗浄時回転数dで指定された回転数へと切り換え(例えば、10rpmから100rpmへ切り換え)て、シャフト13を所定期間(数分~数10分程度)回転させる。
 このような洗浄工程により、回転円板体12に過剰に付着していた微生物は、回転円板体12から剥離され、水処理タンク11の底に溜まる。
 なお、洗浄工程中は、水処理タンク11への原水wの導入を停止することが望ましいが、原水wの導入を停止せず、原水wを導入しながら洗浄を実施してもよい。
 水処理タンク11の底面には、汚泥引抜配管60が接続され、汚泥引抜配管60には、汚泥引抜弁61が設けられている。
 所定期間の洗浄工程の終了後、汚泥引抜弁61の開操作を行う。これによって、水処理タンク11の底に溜まった微生物が、汚泥引抜配管60を介して、水処理タンク11から排出される。なお、汚泥引抜弁61の開操作は、水処理タンク11への原水wの導入を停止して行う。
 このように過剰な微生物を水処理タンク11から排出した後は、汚泥引抜弁61の閉操作を行い、水処理タンク11への原水wの導入を再開するとともに、洗浄要否判定部42からの洗浄指令eの出力を解除する。
 これによって、回転数切換部43は、モータ20に、運転時回転数cを出力するようになり、水処理システム100の運転モードが、洗浄工程から通常運転に復帰する。なお、洗浄要否判定部42からの洗浄指令eの出力の解除は、オペレータが、監視装置50からコマンドを入力することよって手動で実施してもよいし、汚泥引抜弁61の閉操作と連動して自動的に行われるようにしてもよいが、これらに限定されない。
 以上説明したように、本実施形態の水処理システム100によれば、回転円板体12へ付着した微生物の付着量bを推定し、微生物が過剰に付着していると判定した場合には、洗浄工程に切り換わることによって、回転円板体12に付着した過剰な微生物を除去することができる。これによって、回転円板体12に付着した微生物の付着量bを、常に適切な範囲内に保つことができるので、臭気の発生の抑制や、有機物および窒素の除去等に適した水処理性能を、安定的かつ持続的に提供することが可能となる。
 なお、このような運転は、オペレータの介在無く、自動的に行われるために、オペレータの負荷が大幅に低減され、省力化を実現することも可能となる。
 また、微生物の付着量bの推定は、電流計25によって測定されるモータ20の電流値aに基づいて行われ、一般的な水処理システムにおいて広く用いられているDO計やpH計のような各種水質センサを用いる必要はない。電流計25は、DO計やpH計のような水質センサよりも安価であり、またこれら水質センサとは異なり、メンテナンスも簡便であるので、本実施形態の水処理システム100は、コストを抑え、かつ、メンテナンスの負荷を低減することも可能となる。
 さらに、本実施形態の水処理システム100では、洗浄は、回転円板体12の回転数を、通常運転時よりも増加させることだけで実現され、洗浄のための特別な設備対応は不要であるので、簡素な構成で実現することが可能である。
 このように、本実施形態の水処理システム100によれば、維持管理コストの低減化、省力化、運転の効率化、および構成の簡素化を実現することが可能となる。
 以上、第1の実施形態の水処理システム100について説明したが、第1の実施形態の水処理システム100は、以下のような変形例1、2、3によって実現することも可能である。
 (第1の実施形態の変形例1)
 第1の実施形態の変形例1では、前述した第1の実施形態とは異なり、回転円板体12の単位時間あたりの回転数の設定に関し、回転数cおよび回転数dを、監視装置50から設定するのではなく、コントローラ40の回転数切換部43に、内部パラメータとして直接設定する。
 これによって、監視装置50から運転時回転数設定部51および洗浄時回転数設定部52を省略することができるので、構成をより簡素化することが可能となる。
 (第1の実施形態の変形例2)
 第1の実施形態の変形例2では、前述した第1の実施形態とは異なり、単位時間あたりの回転数を、回転円板体12への微生物の付着量に基づいて動的に変化させる。
 図5は、第1の実施形態の変形例2の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 付着量推定部41は、図3を用いて前述したように、通常運転時において、電流値aから、回転円板体12に付着した微生物の付着量bを推定する。図5に示す付着量推定部41は、推定した付着量bを、洗浄要否判定部42および表示部53のみならず、回転数切換部43へも出力することが、図3と異なっている。
 回転数切換部43は、付着量bに基づいて、通常運転時における単位時間あたりの回転数cを決定し、モータ20へ出力する。回転数cの決定方法としては、限定される訳ではないが、例えば、基準とする付着量bと、そのときの回転数cとを予め定めておき、付着量bが10%増加したら、回転数cも10%増加させ、逆に付着量bが10%減少したら、回転数cも10%減少させるようにする。
 このように、通常運転時、回転円板体12の単位時間あたりの回転数を、回転円板体12に付着した微生物の付着量bに基づいて動的に変化させることによって、過剰に付着した微生物を、通常運転しながら除去することができるので、洗浄工程へ切り換わる頻度を下げることができ、より稼働率を高めることが可能となる。
 なお、このように回転円板体12の回転数を動的に変化させて運転する場合における洗浄工程への切り換えについて、以下に説明する。
 図6は、回転円板体の単位時間あたりの回転数と、回転円板体の回転時に電流計によって測定される電流値との関係を例示するグラフである。
 図6における直線(1)は、回転円板体12に微生物が付着していない場合における回転数Xと電流値aとの関係を示す直線であり、一般にa(X)=αXと表される。一方、図6における直線(2)は、回転円板体12に微生物が付着した場合における回転数Xと電流値aとの関係を示す直線であり、一般にa(X)=αX+δと表される。なお、α、δは、何れも正の実数である。
 図6に示すように、回転円板体12は、微生物が付着することによって、単位時間あたり同じ回転数で回転する場合であっても、測定される電流値は、バイアス電流δの分だけ高くなる。
 したがって、洗浄要否判定部42は、電流値aに基づいて、単位時間あたりの回転数に対するバイアス電流δの大きさが、所定値よりも大きい場合に、回転円板体12に微生物が過剰に付着していると判定し、洗浄指令eを出力する。
 このように、本変形例によれば、通常運転時、回転円板体12の単位時間あたりの回転数を、回転円板体12への微生物の付着量に基づいて動的に変化させる場合であっても、適切に洗浄工程に切り換えることができる。
 (第1の実施形態の変形例3)
 第1の実施形態の変形例3では、前述した第1の実施形態とは異なり、回転円板体12の洗浄工程において、より洗浄効果を高めるために、回転円板体12を高速回転させることに加えて、回転円板体12に気泡を衝突させる。
 図7は、第1の実施形態の変形例3の水処理システムの部分的な構成例を示す概念図であり、回転円板装置を前面側(図1における原水導入側)から見た状態を例示する図である。
 図7に示す構成は、水処理タンク11内に、回転円板体12の下方に、散気管62を備えていることと、水処理タンク11の外部に、散気管62に空気を送る送風機63を備えていることとが、図2に示す構成と異なっている。
 洗浄要否判定部42は、洗浄が必要であると判定すると、洗浄指令eを、モータ20のみならず、送風機63へも出力する。
 送風機63は、洗浄要否判定部42から洗浄指令eが出力されることに応じて動作し、散気管62へ空気を供給する。
 散気管62の表面には、多数の小さな穴(図示せず)が設けられており、送風機63から供給された空気は、この穴を通過する際に気泡fとなり、原水w中を上昇し、散気管62の上方に位置する回転円板体12に衝突する。
 これによって、回転円板体12は、洗浄工程中は、高速回転していることに加えて、下方から気泡fが衝突することによって、付着している微生物が、より効率的に除去される。
 なお、回転円板体12のさらなる洗浄手段として、上部からのシャワリングや、超音波洗浄や、振動等を適用してもよい。気泡fを衝突させることに加えて、これらのいずれかを、あるいはこれらを任意に組み合わせて実施してもよい。
 このように、本変形例によれば、洗浄時における洗浄効果を、より高めることが可能となる。
 なお、本変形例では、送風機63を洗浄用のみに使用する例を示したが、送風機63は、水処理タンク11内の水のショートパス防止を目的に常に運転しておき、洗浄指令eが出力された洗浄工程中にのみ、送風量を大きくし、微生物の洗浄を行う構成であってもよい。その際の風量は、限定されるものではないが、たとえば、洗浄工程時の風量を通常運転時の風量の5倍以上とすることが好適である。
 (第2の実施形態)
 第2の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムについて説明する。
 第2の実施形態では、第1の実施形態に、さらに撮像部を備えている。
 図8は、第2の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。
 図9は、回転円板装置を前面側(図8における原水導入側)から見た構成例を含む、第2の実施形態の水処理システムの部分的な構成例を示す概念図である。
 図10は、第2の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 本実施形態の水処理システム110では、図9に例示されているように、水処理タンク11の上方を覆う筐体カバー70の内側の空間である気相72中に、例えばCCDカメラのような撮像部71が配置されている。
 図8は、回転円板装置10を、上側から見た構成例を示している。図8を図1と比較して分かるように、水処理システム110は、電流計25を備えておらず、撮像部71を備えている点が、水処理システム100と異なる。
 また、図9は、撮像部71が、筐体カバー70の天板の内面に固定されている例を示しているが、撮像部71は、筐体カバー70の側板の内面に固定されていても、あるいは、気相72中であれば、筐体カバー70以外の、図示しない専用の固定部材に固定されていても構わない。
 なお、図8では、撮像部71は、水処理タンク11の上方から外れているように表されているが、これは図面が複雑になることを避けるために便宜上このようにしただけであり、実際には、図9に示すように、撮像部71は、水処理タンク11の上方側に設けられている。
 このような構成の水処理システム110でもまた、第1の実施形態と同様に、回転円板装置10によって原水wの浄化運転が継続されると、接触体14、すなわち回転円板体12の表面に付着した微生物が増殖し、付着量bを増して行く。これに応じて、隣接する回転円板体12同士の間の間隔Lは狭まり、空隙長さΔL(L>ΔL)となる。
 撮像部71は、このような回転円板体12の状態を、気相72中の回転円板体12の上方側から撮像し、撮像結果である画像情報gを、付着量推定部41に出力する。画像情報gに含まれる画像は、微生物の有無により大きく色調が異なる。
 付着量推定部41は、このような画像情報gに対して画像解析を行い、画像情報gの数値化を行うことによって、各間隔Lについて、空隙長さΔLを推定する。前述したように、画像情報gに含まれる画像は、微生物の有無により大きく色調が異なるので、付着量推定部41は、色調の違いを利用して、空隙長さΔLを、容易に、かつ高い精度で推定することができる。
 付着量推定部41はさらに、多少ばらつきはあっても微生物は一様に増殖するという仮定に基づいて、(L-ΔL)/2によって、各回転円板体12について、付着した微生物の付着量bを推定することもできる。空隙長さΔLの精度が高いことから、付着量bもまた同様に、高い精度で推定される。
 付着量推定部41は、すべての空隙長さΔLを、洗浄要否判定部42に出力する。また、空隙長さΔLの代わりに、あるいはそれに加えて、付着量bを、洗浄要否判定部42に出力してもよい。さらに、画像情報gを表示部53に出力する。これによって、オペレータは、表示部53から、画像情報gを観察することが可能となるので、回転円板体12への微生物の付着度合を視覚的に把握することが可能となる。
 なお、画像情報gの数値化は、必ずしも付着量推定部41によって実施する必要はなく、付着量推定部41によって実施する代わりに、撮像部71に内蔵された機能で実施しても、あるいは、別の外部演算機器で実施してもよい。なお、撮像部71や別の外部演算機器が数値化を行った場合、数値化を行った撮像部71や別の外部演算機器は、数値化の結果を、付着量推定部41に出力し、付着量推定部41は、数値化の結果を使って、各間隔Lについて、前述したように空隙長さΔLや、空隙長さΔLから算出される付着量bを決定する。
 洗浄要否判定部42は、付着量推定部41から出力されたすべての空隙長さ△Lを総和する。そして、総和の結果が、所定値以下であった場合、回転円板体12に微生物が過剰に付着していると判定し、洗浄指令eを出力する。
 または、洗浄要否判定部42は、付着量推定部41から出力された空隙長さ△Lから、代表的な空隙長さΔLを選定し、選定した空隙長さΔLが、所定値以下であった場合、回転円板体12に微生物が過剰に付着していると判定し、洗浄指令eを出力してもよい。
 代表的な空隙長さΔLを選定する場合の例としては、例えば、前述したように、多少ばらつきはあっても、微生物は一様に増殖するという仮定に基づいて、回転円板装置10において中央側に存在する隣接する2つの回転円板体12間の空隙長さΔL(例えば、図8に示すように、8枚の回転円板体12が水処理タンク11に配置されている場合、左側から4番目の回転円板体12(#4)と、左から5番目の回転円板体12(#5)との間の空隙長さΔL4)を代表的な空隙長さΔLとして選定することができる。
 あるいは、図8中において最も左側にある回転円板体12(#1)と、左から2番目の回転円板体12(#2)との間の空隙長さΔL1を、代表的な空隙長さΔLとしてもよい。なぜなら、原水wは、図8中左側から水処理タンク11に導入されるので、図8中左側にある回転円板体12ほど微生物が多く付着していると考えられるからである。
 洗浄要否判定部42は、選定した空隙長さΔLが、所定値以下であった場合、回転円板体12に微生物が過剰に付着していると判定し、洗浄指令eを出力する。
 単一の空隙長さΔLに基づく洗浄要否の具体的な判定基準の一例としては、隣接する回転円板体12同士の間の間隔Lが5cmの場合には、空隙長さΔLが1cm以下となった場合に洗浄指令eを出力することが挙げられる。
 なお、上記では、洗浄要否判定部42が、空隙長さΔLに基づいて洗浄の要否を判定する例について説明したが、洗浄要否判定部42は、空隙長さΔLの代わりに、第1の実施形態で説明したように、付着量bに基づいて洗浄の要否を判定することもできる。
 付着量bに基づく洗浄要否の具体的な判定基準の一例としては、隣接する回転円板体12同士の間隔Lが、数cm~10cmのオーダである場合、付着量bが2cm以上となった場合に洗浄指令eを出力することが挙げられる。
 洗浄工程については、第1の実施形態で説明した通りであるので、重複説明を避ける。
 以上説明したように、本実施形態の水処理システム110は、水処理システム100と同様の作用効果を奏することができることに加えて、以下のような独自の作用効果を奏することができる。
 すなわち、水処理システム110は、撮像部71によって撮像された画像情報gに基づいて推定される空隙長さΔLや付着量bに基づいて、洗浄の要否を判定することができる。
 水処理システム110では、撮像部71は、水中ではなく気相72中に配置され、気相72から回転円板体12の状態を撮像するため、撮像された画像情報gは鮮明である。したがって、空隙長さΔLや付着量bを高い精度で推定することができ、洗浄要否判定部42において、高い信頼性で洗浄要否の判定を行うことが可能となる。
 また、撮像部71は、水中ではなく気相72中に配置されることから、撮像部71の洗浄は、ワイパによる自動洗浄程度でよく、ほぼメンテナンスフリーでの運用が可能である。
 さらには、画像情報gを、表示部53から表示することもできるので、オペレータは、表示部53から表示される画像情報gを確認することによって、回転円板体12への微生物の付着度合を視覚的に把握することもできる。
 このように、本実施形態の水処理システム110のように、水処理システム100における電流計25の代わりに撮像部71を備えた構成とし、画像情報gに基づいて微生物の過剰な付着を判定することによっても、撮像部71の導入による余分なメンテナンスの手間が発生することなく、水処理システム100と同様に、維持管理コストの低減化、省力化、運転の効率化、および構成の簡素化を実現することが可能となる。
 また、例えば、撮像部71として複数台のカメラを設置し、回転円板装置10の状態を3次元計測し、その情報を3D化した画像として、監視装置50の表示部53に表示することも可能である。
 以上、第2の実施形態の水処理システム110について説明したが、第2の実施形態の水処理システム110も、第1の実施形態の水処理システム100と同様に、第1の実施形態の変形例1、2、3で説明したような構成を適用することができる。それに加えて、第2の実施形態の水処理システム110はさらに、以下のような変形例1、2、3によって実現することも可能である。
 (第2の実施形態の変形例1)
 第2の実施形態の変形例1では、前述した第2の実施形態とは異なり、撮像部71の代わりに、レーザ測距計や光電センサ等を適用する。
 図11は、第2の実施形態の変形例1の水処理システムにおける回転円板装置を側面側から見た構成例を含む、水処理システムの部分的な構成例を示す概念図である。
 図11に例示されるように、本変形例でもまた、水処理タンク11は、図9と同様に上方が筐体カバー70によって覆われているが、気相72中には、撮像部71は設けられておらず、代わりに、レーザ測距計80が設けられている。
 レーザ測距計80は、代表として選定された回転円板体12に付着している微生物までの距離を測定し、測定結果iを、付着量推定部41へ出力する。代表とする回転円板体12の選定方法としては、前述したように、多少ばらつきはあっても、微生物は一様に増殖するという仮定に基づいて、図11に示すように、中央側にある回転円板体12(#4)を、代表とすることができる。
 付着量推定部41は、レーザ測距計80からの測定結果iに基づいて、微生物の付着量を推定する。レーザ測距計80が設けられている場所は既知であるので、レーザ測距計80から、代表とする回転円板体12(#4)までの距離および方位も予め知られている。この方位は、図11に示す照射角θ(鉛直方向に対する角度)に相当する。したがって、付着量推定部41は、レーザ測距計80から、代表的な回転円板体12(#4)までの距離および方位と、レーザ測距計80からの測定結果iとを使って、代表とする回転円板体12(#4)に付着している微生物の付着量bを推定することができる。
 また、レーザ測距計80の代わりに、反射型の光電式測距センサを適用することもできる。反射型の光電式測距センサは、可視光、赤外光を、例えば、代表とする回転円板体12(#4)の表面に投光し、反射光を受光することによって、回転円板体12(#4)の表面までの距離を測定する。付着量推定部41は、このような光電式測距センサによって得られた測定結果に基づいても、レーザ測距計80からの測定結果iと同様に、代表とする回転円板体12(#4)に付着している微生物の付着量bを推定することができる。付着量推定部41は、推定した付着量bを、洗浄要否判定部42へ出力する。
 洗浄要否判定部42は、推定された付着量bに基づいて、洗浄の要否を判定する。その他の構成については、前述した通りであるので、説明を省略する。
 このように、本変形例によれば、撮像部71に代えて、レーザ測距計80または光電式測距センサを適用することも可能である。
 (第2の実施形態の変形例2)
 第2の実施形態の変形例2では、前述した第2の実施形態とは異なり、回転円板体12に付着した微生物の付着量bの推定のために必要な情報を取得するために、撮像部71と、レーザ測距計80と、光電式測距センサ81とをともに適用する。
 図12は、第2の実施形態の変形例2における回転円板装置を側面側から見た構成例を含む、水処理システムの部分的な構成例を示す概念図である。
 図12に例示されるように、本変形例でも、前述した第2の実施形態と同様に、水処理タンク11は、図9と同様に上方が筐体カバー70によって覆われているが、気相72中には、撮像部71と、レーザ測距計80と、光電式測距センサ81とが既知の場所に設置されている。
 撮像部71は前述したように、画像情報gを、付着量推定部41へ出力する。
 レーザ測距計80は前述したように、測定結果iである代表的な回転円板体12(例えば、回転円板体12(#4))の表面までの距離を、付着量推定部41へ出力する。
 光電式測距センサ81は、測定結果jである代表的な回転円板体12(例えば、回転円板体12(#6))の表面までの距離を、付着量推定部41へ出力する。
 付着量推定部41は、前述したように、画像情報gから付着量bを推定する。また、前述したように、測定結果iからも付着量bを推定する。また、測定結果iから付着量bを推定する場合と同様な手法で、測定結果jからも付着量bを推定する。
 付着量推定部41はこのようにして、付着量bを同時に3つ推定することができる。そして、同時に推定された3つの付着量bをすべて洗浄要否判定部42へ出力する。
 洗浄要否判定部42は、同時に出力された3つの付着量bのうち、何れかの値、あるいは平均値が、所定値よりも大きい場合に、洗浄指令eを出力する。
 このような構成とすることで、回転円板体12に微生物が過剰に付着している状態を、保守的に判定し、洗浄指令eを出力することができる。また、撮像部71、レーザ測距計80、および光電式測距センサ81のうちの何れかが故障した場合であっても、微生物の付着量bを推定し、必要な場合には洗浄指令eを出力することができる。
 なお、上記では、撮像部71、レーザ測距計80、および光電式測距センサ81のすべてを利用する場合について説明したが、これらのうちの何れか2つを用いる構成であってもよい。撮像部71、レーザ測距計80、および光電式測距センサ81のうちの2つを用いる構成であっても、一方が故障しても、微生物の付着量bを推定し、必要な場合には、洗浄指令eを出力することができる。
 (第2の実施形態の変形例3)
 第2の実施形態の変形例3では、前述した第2の実施形態とは異なり、画像情報gを、微生物の付着量bの推定のためのみならず、微生物の嫌気度を判定するためにも利用し、さらに、洗浄要否の判定のために、付着量bと嫌気度との両方を考慮する。
 図13は、第2の実施形態の変形例3の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 図13に例示するコントローラ40は、図10に例示するコントローラ40に、嫌気度判定部44を付加した構成をしている。
 嫌気度判定部44は、撮像部71から出力された画像情報gを受け取り、画像情報gに基づいて、微生物の嫌気度の高低を判定し、判定結果kを洗浄要否判定部42に出力する。回転円板体12に付着している微生物の量が適切であり、微生物に適切に空気が供給されている場合、微生物の膜の色は通常、茶色から茶褐色の色を呈する。
 一方、回転円板体12に微生物が過剰に付着し、微生物に十分な空気供給がなされない場合、微生物の膜の色が黒色化する。嫌気度判定部44は、画像情報gを画像解析して得られる色調から、微生物の膜の色が、茶色から茶褐色である場合、嫌気度低と判定し、微生物の膜の色が黒色化している場合、嫌気度高と判定する。
 嫌気度高低の具体的な判定基準の一例としては、例えば、画像情報gが、RGB値で赤、緑、青のすべてが40以下となった場合に黒色化したとみなし、嫌気度高と判定し、それ以外の場合は、嫌気度低と判定することができる。
 洗浄要否判定部42には、図10を用いて説明したように、付着量推定部41から空隙長さΔLや付着量bが出力されることに加えて、本変形例では、図13に示すように、嫌気度判定部44からの判定結果kも出力される。
 洗浄要否判定部42は、空隙長さΔLあるいは付着量bに基づいて、回転円板体12に微生物が過剰に付着していると判定した場合のみならず、嫌気度判定部44からの判定結果kが嫌気度大であることを示す場合にも、洗浄指令eを出力する。
 これによって、本変形例の水処理システムは、洗浄工程への切り換わりのタイミングを、より適切に決定することが可能となる。
 (第3の実施形態)
 第3の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムについて説明する。
 第3の実施形態では、第2の実施形態に、栄養剤貯留槽および栄養剤添加部をさらに備えている。
 図14は、第3の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。
 図14に図示される水処理タンク11は、図12のように側面側から見た状態である。
 図15は、第3の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 図16は、第3の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムによる微生物の付着量制御を説明するための図である。
 第3の実施形態の水処理システム120には、第2の実施形態の水処理システム110と同様に、回転円板装置10の気相72に撮像部71が設けられているが、水処理システム110とは異なり、栄養剤貯留槽90と、栄養剤添加部91とをさらに備えている。また、コントローラ40は、栄養剤添加判定部45を備えている。
 付着量推定部41は、第2の実施形態で説明したように、画像情報gに基づいて推定した微生物の付着量bを、栄養剤添加判定部45にも出力する。
 図16に示すように、栄養剤添加判定部45は、付着量bが、所定値Q以下である場合、栄養剤添加部91へ動作指令mを出力する。
 栄養剤貯留槽90は、微生物の増殖を促進する栄養剤nを貯蔵したタンクである。栄養剤nとしては、シリカやマグネシウムの成分を有する栄養剤が好適である。
 栄養剤添加部91は、例えばポンプであり、栄養剤添加判定部45からの動作指令mに応じて動作し、栄養剤貯留槽90に貯蔵されている栄養剤nを原水wに添加する。
 これによって、原水w中における微生物の増殖を促進することができ、回転円板体12の表面に付着する微生物の付着量bを増加させることができる。一方、回転円板体12の表面に付着した微生物の付着量bが、所定値Qよりも大きい場合、栄養剤添加判定部45は、動作指令mを出力しないので、栄養剤添加部91は動作せず、栄養剤貯留槽90から原水wに栄養剤nが添加されることはない。
 また、図16に示すように、本実施形態の水処理システム120は、微生物の付着量bが、適切な膜厚の上限である所定値Iよりも大きい場合には、前述したように洗浄要否判定部42が洗浄指令eを出力するので、洗浄工程に切り換わることにより、付着している微生物を剥離等により回転円板体12から除去することができる。
 以上説明したように、本実施形態の水処理システム120は、栄養剤nの添加と、洗浄との組み合わせによって、回転円板体12の表面に付着した微生物の付着量bを適切な範囲内に保つように制御することができるので、臭気の発生の抑制や、有機物および窒素の除去等に適した水質環境能を、安定的かつ持続的に提供することが可能となる。
 なお、付着量推定部41は、付着量bを推定するために、撮像部71からの画像情報gのみならず、前述したように電流計25からの電流値aや、レーザ測距計80による測定結果i、光電式測距センサ81による測定結果jのうちの少なくとも1つを用いることができる。
 以上、第3の実施形態の水処理システム120について説明したが、第3の実施形態の水処理システム120も、第1の実施形態の水処理システム100と同様に、第1の実施形態の変形例1、2、3で説明したような構成を適用することができる。第3の実施形態の水処理システム120はさらに、以下のような変形例1によって実現することも可能である。
 (第3の実施形態の変形例1)
 第3の実施形態の変形例1では、前述した第3の実施形態とは異なり、栄養剤nの添加に関し、栄養剤nを添加するか否かのみを制御する所謂オン/オフ制御しか行わないのではなく、添加する栄養剤nの量を、回転円板体12への微生物の付着量bに基づいて、動的に変化させる。
 具体的には、栄養剤添加判定部45は、付着量bの値が大きいほど、添加量の値を、より小さな値になるように決定し、付着量bの値が小さいほど、添加量の値を、より大きな値になるように決定する。
 栄養剤添加判定部45は、このように決定した添加量の値を指定する動作指令mを、栄養剤添加部91へ出力する。
 栄養剤添加部91は、動作指令mで指定された添加量の栄養剤nを添加するように動作する。具体的には、動作指令mで指定された添加量に応じた時間動作する。すなわち、動作指令mで指定された添加量の値が、小さな値であれば、栄養剤添加部91は、短い時間しか動作せず、動作指令mで指定された添加量の値が、大きな値であれば、栄養剤添加部91は、長い時間動作する。
 これによって、付着量bの値が小さいほど、栄養剤添加部91は、より長い時間動作するので、より多くの栄養剤nが添加され、微生物の増殖が促進される。逆に、付着量bの値が大きいほど、栄養剤添加部91は、より短い時間しか動作しないので、少量の栄養剤nしか添加されず、微生物の増殖はさほど促進されない。
 このように、添加する栄養剤nの量を、回転円板体12に付着した微生物の付着量bに基づいて動的に決定することによって、付着量bが適切な範囲内に保たれるように、動的に制御することができるので、臭気の発生の抑制や、有機物および窒素の除去等に適した水質環境能を、安定的かつ持続的に提供することが可能となる。なお、本変形例では栄養剤の添加量を時間で制御する方法を示したが、その方法に限定されず、たとえば栄養剤添加ポンプをインバータ付きの可変速ポンプとし、ポンプの回転数により流量の増減を制御する方法、または栄養剤添加ポンプの出口側配管に流量調整弁を配し、その調整弁の制御により流量の増減を制御する方法としてもよい。
 (第4の実施形態)
 第4の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムについて説明する。
 第4の実施形態は、生物反応と組み合わせた実施例である。
 図17は、第4の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。
 図17に図示される水処理タンク11は、図12のように側面側から見た状態である。
 図18は、第4の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 第4の実施形態の水処理システム130は、第2の実施形態の水処理システム110と同様に、回転円板装置10の気相72中に、撮像部71が配置されている。しかしながら、水処理システム110とは異なり、散気管93が配置された生物反応槽92と、散気管93へ空気を供給する送風機94と、沈殿池95と、沈殿池95と水処理タンク11との間に接続された汚泥返送配管97と、汚泥返送配管97に設けられた汚泥返送部96とをさらに備えている。また、コントローラ40は、汚泥返送判定部46を備えている。
 生物反応槽92には、回転円板装置10からの処理水xが導入される。生物反応槽92では、処理水x中に残存する有機物等の汚濁物質が、微生物の集合体である活性汚泥の働きによりさらに分解される。これにより、高度な処理水を得ることができる。生物反応槽92では、送風機94から空気を供給された散気管93において気泡が生成され、この気泡中の酸素が生物反応槽内の活性汚泥中の微生物により利用され、有機物等の汚濁物質が酸化分解される。
 活性汚泥等の固形物を含む処理水yは、生物反応槽92から排出されると沈殿池95へ導入される。処理水yに含まれる固形物は、沈殿池95において沈殿することによって、処理水yの固液分離がなされる。固液分離後の液分である処理水zは、消毒工程等を経たのちに最終的には河川等の放流先に放流される。固液分離後の固形分は、水処理タンク11に返送される。この返送される固形分を返送汚泥と呼ぶ。
 付着量推定部41は、第2の実施形態で説明したように画像情報gに基づいて推定した微生物の付着量bを、汚泥返送判定部46にも出力する。
 汚泥返送判定部46は、付着量bが、所定値以下である場合、汚泥返送部96へ動作指令pを出力する。
 汚泥返送部96は、例えばポンプであって、汚泥返送判定部46からの動作指令pに応じて動作する。汚泥返送部96が設けられている汚泥返送配管97は、沈殿池95の底部に接続されている。したがって、汚泥返送部96が動作すると、沈殿池95に沈殿している汚泥が、汚泥返送部96によって、汚泥返送配管97に吸引され、回転円板装置10へ移送される。汚泥には、微生物が含まれているので、これによって、回転円板装置10に微生物が返送される。
 このように、コントローラ40は、付着量推定部41によって推定された微生物の付着量bに基づいて、汚泥返送部96の動作を制御し、汚泥を回転円板装置10へ返送することによって、回転円板装置10へ微生物を供給する。
 これによって、微生物の量が少ない場合には、微生物を含む汚泥を回転円板装置10へ返送することによって、原水w中の微生物の量を増やすことができる。
 以上説明したように、本実施形態の水処理システム130によれば、回転円板体12へ付着した微生物の付着量bに基づいて、汚泥の返送を制御することができるので、前述した洗浄工程と組み合わせることによって、回転円板体12に付着した微生物の付着量bを適切に維持することができ、臭気の発生の抑制や、有機物および窒素の除去等に適した水質環境能を、安定的かつ持続的に提供することが可能となる。
 これによって、回転円板装置10は、後段に設けられた生物反応槽92の負荷を下げることができる。このため、生物反応槽92は、前段に回転円板装置10がない構成(たとえば、標準活性汚泥法や循環式硝化脱窒法)に比べて、送風機94の電力消費コストを大幅に低減できるのみならず、生物反応槽92のサイズも縮小できるなどの効果を奏することができる。
 従って、既設の生物反応処理プロセスが標準活性汚泥法などの活性汚泥を利用した水処理プロセスを採用している場合、その前段部に、回転円板装置10を含む水処理システムを導入することで、省エネルギー化ならびに水質環境の安定化を図ることが可能となる。
 以上、第4の実施形態の水処理システム130について説明したが、第4の実施形態の水処理システム130も、第1の実施形態の水処理システム100と同様に、第1の実施形態の変形例1、2、3で説明したような構成を適用することができる。第4の実施形態の水処理システム130はさらに、以下のような変形例1、2によって実現することも可能である。
 (第4の実施形態の変形例1)
 第4の実施形態の変形例1では、前述した第4の実施形態とは異なり、汚泥の返送に関し、返送するか否かのみを制御する所謂オン/オフ制御しか行わないのではなく、返送する汚泥の量を、回転円板体12へ付着した微生物の付着量bに基づいて、動的に決定する。
 図19は、平板に付着した微生物の付着量と汚泥返送量との関係を説明するための図である。
 汚泥返送判定部46は、図19に示すように、付着量bが所定値u以下であり、汚泥返送部96を動作させる場合、付着量bが小さくなるほど、汚泥返送量が多くなるように、汚泥返送部96を、より長時間動作させる。
 汚泥返送判定部46は、汚泥返送量に対応する汚泥返送部96の動作時間を指定した動作指令pを、汚泥返送部96へ出力する。
 汚泥返送部96は、動作指令pで指定された汚泥返送量の値が小さければ、短い時間しか動作せず、値が大きければ、長い時間動作する。
 これによって、付着量bが所定値u以下である場合、付着量bの値が小さいほど、汚泥返送部96は、より長い時間動作し、水処理タンク11へ、より多くの汚泥が返送され、結果的に、原水wに、より多くの微生物が供給される。
 なお、付着量bが所定値uよりも大きい場合には、洗浄要否判定部42から洗浄指令eが出力されることにより、前述したような洗浄工程に切り換わり、洗浄が開始されることによって、回転円板体12に付着した微生物が除去される。
 このように、水処理タンク11へ返送する汚泥の量を、回転円板体12へ付着した微生物の付着量bに基づいて動的に決定することと、洗浄工程との組み合わせによって、付着量bが適切な範囲内に保たれるように、動的に制御することができるので、臭気の発生の抑制や、有機物および窒素の除去等の水処理性能を、安定的かつ持続的に提供することが可能となる。なお、本変形例では、汚泥返送量を時間で制御する方法を示したが、その方法に限定されず、たとえば汚泥返送ポンプをインバータ付きの可変速ポンプとし、ポンプの回転数により流量の増減を制御する方法、または汚泥返送ポンプの出口側配管に流量調整弁を配し、その調整弁の制御により流量の増減を制御する方法としてもよい。
 (第4の実施形態の変形例2)
 図20は、第4の実施形態の変形例2の水処理システムの構成例を示す概念図である。
 図21は、第4の実施形態の変形例2の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 第4の実施形態の変形例2の水処理システム140は、前述した第4の実施形態の水処理システム130とは異なり、図20に示すように、第3の実施形態の水処理システム120と第4の実施形態の水処理システム130とを組み合わせた構成をしている。さらに、コントローラ40は、図21に示すように、図15に示す栄養剤添加判定部45と、図18に示す汚泥返送判定部46との両方を備え、付着量推定部41は、図5を用いて説明したように、付着量bを、回転数切換部43へ出力する。
 このような構成により、コントローラ40は、付着量推定部41によって推定された微生物の付着量bに基づいて、栄養剤添加部91による栄養剤nの添加の有無、および汚泥返送部96による汚泥の返送の有無のうちの少なくとも何れかを制御することができる。
 あるいは、コントローラ40は、付着量推定部41によって推定された微生物の付着量bに基づいて、栄養剤添加部91による栄養剤nの添加量、および汚泥返送部96による汚泥の返送量のうちの少なくとも何れかを制御することもできる。
 さらには、図5で説明したように、通常運転時、回転円板体12を、付着量bに基づいて決定される回転数で回転させることもできる。
 このような構成によって、回転円板体12の表面に付着した微生物が少ない場合には、微生物の増殖を促進し、逆に多い場合には、微生物の増殖を抑制したり、回転円板体12の表面に付着した微生物を除去することによって、回転円板体12の表面に付着した微生物の付着量bが、適切な範囲内となるように柔軟に制御することができる。これによって、臭気の発生の抑制や、有機物および窒素の除去等に適した水質環境能を、安定的かつ持続的に提供することが可能となる。
 (第5の実施形態)
 第5の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムについて説明する。
 第5の実施形態では、音波検知を利用して、回転円板体への微生物の付着量を推定する。
 図22は、第5の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムにおける回転円板装置の構成例を示す概念図である。
 図22は、第5の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。
 図23は、第1の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 図22に示す水処理システム150における回転円板装置10は、図1に示す回転円板装置10を上方から見た場合に対応しており、筐体カバー70の内側に、音波発信源31および音波受信器32を備えている。1つの音波発信源31と、対向配置された1つの音波受信器32との対で、1つの検知部を構成する。
 検知部は、回転円板体12への微生物の付着量の推定のための検知を行う非接触センサであって、各検知部は、図22に例示するように、1つの音波発信源31と、対向配置された1つの音波受信器32との対によって構成される。音波発信源31は、対を構成している音波受信器32に向けて音波Sを発信し、音波受信器32は、この音波Sを受信し、受信した音波Sのエネルギーに対応する受信信号sを、コントローラ40の付着量推定部41へ出力する。
 対を構成している音波発信源31および音波受信器32は、気相72中において、回転円板体12の上端よりも低い、同一高さに配置される。さらに、音波発信源31から発信された音波Sが、端面12aに対して平行に、すなわち間隙部16の延伸方向に、間隙部16内を通過し、音波受信器32によって受信されるように、音波発信源31と音波受信器32とが対向配置される。
 接触体14の表面に微生物が付着していない状態では、間隙部16の幅は、間隔Lと等しい。しかしながら、微生物が増殖し、接触体14の表面に付着すると、間隙部16の幅は、間隔Lよりも狭くなる。
 間隙部16の幅が狭くなると、音波Sが通りにくくなるので、音波受信器32が受信する音波Sのエネルギーも低くなる。水処理システム150は、この現象を利用して、コントローラ40の付着量推定部41において、微生物の付着量を推定する。
 対を構成している音波発信源31および音波受信器32は、気相72中において、例えば、回転円板体12の上端から、回転円板体12の半径rのおよそ1/3r低い高さに配置されている。このように、音波発信源31および音波受信器32は、回転円板体12の上端よりもある程度低い高さに配置するのが好ましい。なぜなら、回転円板体12が回転する際、回転円板体12の外端は、最も強い遠心力を受けるので、遠心力によって回転円板体12から落ちる微生物の量も多く、結果として、推定される微生物の付着量が、少なくなるからである。
 図23に示すように、コントローラ40は、付着量推定部41、洗浄要否判定部42、および回転数切換部43を備えている。
 監視装置50は、水処理システム150のオペレータとのインターフェースとして機能し、運転時回転数設定部51と、洗浄時回転数設定部52と、例えばディスプレイのような表示部53とを備えている。
 付着量推定部41は、音波受信器32から出力された受信信号sを受信し、受信信号sから、回転円板体12の表面における微生物の付着量bを推定する。この原理を、以下に説明する。
 図24は、音波受信器によって受信される音波のエネルギーと周波数との一般的な関係を例示する図である。
 図24において縦軸Eは、音波受信器32によって受信された音波Sのエネルギーを、横軸λは、周波数を表し、曲線α1は、間隙部16に微生物が存在しない場合、すなわち、回転円板体12の表面に微生物が付着していない場合に、音波受信器32によって受信される音波Sのエネルギー分布の例を表し、曲線α2は、間隙部16に微生物が存在する場合、すなわち、回転円板体12の表面に微生物が付着している場合に、音波受信器32によって受信される音波Sのエネルギー分布の例を表している。曲線α1と曲線α2とを比較して分かるように、回転円板体12の表面に微生物が付着すると、付着量に応じて、ピークエネルギーがΔE減少する。
 付着量推定部41は、回転円板体12の表面における微生物の付着量と、ピークエネルギーの減少量ΔEとの相関関係を予め把握しておく。そして、音波受信器32から受信信号sが出力された場合には、この相関関係から、回転円板体12の表面における微生物の付着量を推定する。そして推定した付着量bを、洗浄要否判定部42と、監視装置50の表示部53とへ出力する。
 なお、図24は、回転円板体12の表面における微生物の付着の有無に関わらず、ピークエネルギーを示す周波数が変化しない例を示しているが、回転円板体12の表面に微生物が付着すると、付着量に応じてピークエネルギーを示す周波数がシフトする場合もある。
 図25は、音波受信器によって受信される音波のエネルギーと周波数との別の関係を例示する図である。
 図25は、回転円板体12の表面における微生物の付着量に応じて、ピークエネルギーを示す周波数がΔλシフトする例を示しており、曲線α1は、回転円板体12の表面に微生物が付着していない場合に、音波受信器32によって受信される音波Sのエネルギー分布の例を表し、曲線α3は、回転円板体12の表面に微生物が付着している場合に、音波受信器32によって受信される音波Sのエネルギー分布の例を表している。曲線α1と曲線α3とを比較して分かるように、回転円板体12の表面に微生物が付着すると、付着量に応じて、ピークエネルギーを示す周波数がΔλシフトするとともに、ピークエネルギーがΔE減少する。
 この場合もまた、付着量推定部41は、回転円板体12の表面における微生物の付着量と、ピークエネルギーの減少量ΔEとの相関関係を予め把握しておく。そして、音波受信器32から受信信号sが出力された場合には、この相関関係から、回転円板体12の表面における微生物の付着量を推定する。そして推定した付着量bを、洗浄要否判定部42と、監視装置50の表示部53とへ出力する。
 なお、図22に例示されているように、回転円板装置10に配置される検知部30は1つに限定されず、複数であっても良い。
 図22に例示されているように、各間隙部16にそれぞれ検知部30が配置されている場合、各検知部30の音波受信器32は、それぞれ受信信号sを付着量推定部41へ出力する。これによって、付着量推定部41は、各間隙部16の幅の減少を把握し、それに基づいて各回転円板体12の表面における微生物の付着量を推定することができる。例えば、間隙部16(#1)の幅の減少を把握すると、減少量の半分ずつが、回転円板体12(#1)の間隙部16(#1)側の表面と、回転円板体12(#2)の間隙部16(#1)側の表面とにそれぞれ付着したと推定する。
 なお、図22では、一例として、すべての間隙部16に対して、1つの検知部30、すなわち一対の音波発信源31および音波受信器32が配置された構成が示されている。しかしながら、検知部30は、必ずしもすべての間隙部16に対して配置する必要はなく、代表的な幾つかの間隙部16のみに対して配置するようにしても良い。また、1つの間隙部16に対して、複数の検知部30を配置しても良い。
 代表的な間隙部16のみに検知部30を配置する場合の例について説明する。
 代表的な間隙部16は、原水wの濃度が最も高い間隙部16とすることが好ましい。例えば、図22に示す例では、間隙部16(#1)に相当する。なぜなら、原水wの濃度が高い側(図22中左側)ほど汚濁濃度は高く、微生物はより成長し易く、付着量も多くなるからである。従って、間隙部16(#1)は、図22に例示する7つの間隙部16の中では、微生物の存在量が最も多いと考えられるからである。
 なお、図22における間隙部17のように、水処理タンク11の内壁と回転円板体12(#1)との間、および、水処理タンク11の内壁と回転円板体12(#8)との間は、隣接する2つの回転円板体12間の間隙ではないので、代表的な間隙部の検討から除外する。
 次に、1つの間隙部16に、複数の検知部30を配置する場合の例について説明する。
 図26は、1つの間隙部に4つの検知部を配置する配置例を示す回転円板装置の部分側面図である。
 図27は、図26に示す回転円板装置を前面側(図26おける左側面側)から見た別の構成例を示す概念図である。
 図26では、特に図1における間隙部16(#1)、16(#2)、16(#3)を含む部分が拡大表示されている。
 図26に例示するように、各間隙部16(#1)、16(#2)、16(#3)において、4つの検知部30a~dが、シャフト13の長軸方向(図22中左右方向)および回転円板体12の高さ方向(図22中奥行方向)にそれぞれ、少しずつシフトするように配置されている。
 例えば、4つの検知部30a(#2)、30b(#2)、30c(#2)、30d(#2)はそれぞれ、回転円板体12(#2)の端面12aからの距離が異なる。すなわち、4つの音波発信源31a(#2)、31b(#2)、31c(#2)、31d(#2)はそれぞれ、回転円板体12(#2)の端面12aからの距離が異なり、4つの音波受信器32a(#2)、32b(#2)、32c(#2)、32d(#2)はそれぞれ、回転円板体12(#2)の端面12aからの距離が異なる。
 また、例えば、4つの検知部30a(#2)、30b(#2)、30c(#2)、30d(#2)はそれぞれ、回転円板体12(#2)の上端部からの高さが異なる。すなわち、4つの音波発信源31a(#2)、31b(#2)、31c(#2)、31d(#2)はそれぞれ、回転円板体12(#2)の上端部からの高さが異なり、4つの音波受信器32a(#2)、32b(#2)、32c(#2)、32d(#2)はそれぞれ、回転円板体12(#2)の上端部からの高さが異なる。
 また、図27には、1つの間隙部16に配置された4対の音波発信源31a~dおよび音波受信器32a~dの、回転円板体12との高さ関係の一例が示されている。
 4つの検知部30a~dとも、気相72中において、回転円板体12の上端部よりも低い高さに、一対の音波発信源31および音波受信器32が同じ高さに配置される。
 これによって、音波発信源31aから発信された音波Saが、端面12aに対して平行に、すなわち間隙部16の延伸方向に、間隙部16内を通過し、音波受信器32aによって受信される。同様に、音波発信源31bから発信された音波Sbが、音波受信器32bによって、音波発信源31cから発信された音波Scが、音波受信器32cによって、音波発信源31dから発信された音波Sdが、音波受信器32dによって受信される。
 これによって、音波Sa、音波Sb、音波Sc、および音波Sdともに、進行方向は、水平方向でかつ、端面12aに対して平行となるが、シャフト13の長軸方向(図26中左右方向)における位置、および回転円板体12の高さ方向(図26および図27中上下方向)における位置は異なる。
 4つの音波発信源31a~d、および4つの音波受信器32a~dをそれぞれ、シャフト13の長軸方向および回転円板体12の高さ方向に対して、少しずつシフトするように配置させているのは、以下の理由による。
 まず、4つの検知部30を、シャフト13の長軸方向にシフトするように配置させている理由は、微生物の付着度合いを、動的に把握可能とするためである。
 図26に例示するように、4つの検知部30を、シャフト13の長軸方向に沿って、回転円板体12に近い方から検知部30a→30b→30c→30dの順に配置すれば、最初に音波受信器32aによる受信エネルギーの減少を検知し、次に音波受信器32bによる受信エネルギーの減少を検知するという具合に、回転円板体12への微生物の付着度合いを段階的に確実に把握できるようになる。
 なお、図26に例示されるように、検知部30c、30dは、間隙部16の幅内に完全に配置されているものの、検知部30aは、間隙部16の幅内ではなく、回転円板体12の側面に配置されており、検知部30bは、間隙部16の幅内に一部が配置されているものの、残りの部分は回転円板体12の側面に配置されている。
 検知部30a、30bのように、間隙部16の幅内に完全に配置されない場合であっても、回転円板体12は、前述したように、多孔質からなり得るので、音波発信源31aから発信された音波Saは、多孔質である回転円板体12内を通過して、音波受信器32aによって受信される。同様に、音波発信源31bから発信された音波Sbは、多孔質である回転円板体12内を通過して、音波受信器32bによって受信される。
 そして、多くの微生物が多孔質内に存在するほど、受信される音波のエネルギーの減少量は多く、多孔質内に存在する微生物の量が少ないほど、受信される音波のエネルギーの減少量は少ないので、付着量推定部41は、回転円板体12の内部における微生物の付着の状態をも把握することができる。
 次に、4つの検知部30を、回転円板体12の上下方向にシフトするように配置させている理由は、音波受信器32a、32b、32c、32d間での受信信号の干渉を抑えるためである。
 すなわち、図26に例示するように、1つの間隙部16に複数の検知部30を配置した場合、複数の音波受信器32間(例えば、各音波受信器32a~d間)における受信信号sの干渉が懸念される。そのため、各音波受信器32を少しでも物理的に隔離するために、4つの検知部30を回転円板体12の高さ方向にシフトさせて配置する。
 これによって、1つの間隙部16に複数の検知部30を配置する場合であっても、各音波受信器32による受信信号sの干渉を抑え、微生物の付着量を高い精度で評価することが可能となる。
 なお、受信信号sの干渉を防ぐために、4つの検知部30を、回転円板体12の高さ方向にシフトさせて配置する代わりに、検知部30毎に、異なる波長の音波Sを使用するようにしても良い。これは例えば、検知部30毎に、音波発信源31から、異なる周波数の音波Sを発信したり、あるいは、音波受信器32において、異なる音波Sを受信することによって実現される。
 このように、コントローラ40は、付着量推定部41によって推定された付着量bに応じて、第1の実施形態で説明したように、洗浄要否判定部42および回転数切換部43によって、水処理システム150の運転を制御する。
 以上説明したように、本実施形態の水処理システム150によれば、音波発信源31および音波受信器32のように、非接触センサである検知部30による検知結果に基づいて、回転円板体12へ付着した微生物の付着量bを推定し、微生物が過剰に付着していると判定した場合には、運転モードを洗浄工程に切り換えることによって、回転円板体12に付着した過剰な微生物を除去することができる。
 つまり、洗浄実施の要否の判定を、管理者による定性的な判定ではなく、検知部30による検知結果から得られる定量的に結果に基づいて行うことができる。これによって、回転円板体12における微生物の付着量bを、適切な範囲内に保つことができるので、臭気の発生の抑制や、有機物および窒素の除去等に適した水処理運転を、安定的かつ持続的に提供することが可能となる。
 なお、このような運転は、オペレータの介在無く、自動的に行われるために、オペレータの負荷が大幅に低減され、省力化を実現することも可能となる。
 また、検知部30としては、一般的な水処理システムにおいて広く用いられているDO計やpH計のような各種水質センサを用いず、安価な音波発信源31および音波受信器32を用いて実現できることから、コストダウンを図ることができる。また、音波発信源31および音波受信器32を液浸させず非接触で用いることから、使用寿命の延長、誤動作リスクの低減、ランニングコストの低減、およびメンテナンスの容易化を実現することができる。
 なお、上記説明では、一例として、音波発信源31および音波受信器32は、筐体カバー70の内面に固定されているが、筐体カバー70が、音波Sを通過させる材質から構成されているのであれば、音波発信源31および音波受信器32を、筐体カバー70の外側に配置することもできる。
 また、水処理タンク11が、音波Sを通過する材質から構成されているのであれば、音波発信源31および音波受信器32を、原水wの液面よりも低い位置に配置することもできる。
 図28は、回転円板装置を前面側(図22における左側面側)から見た別の構成例を示す概念図である。
 図28に示す構成では、水処理タンク11は、音波Sを通過する材質から構成されている。そして、音波発信源31および音波受信器32は、原水wの液面よりも低い位置に配置されている。この場合、音波発信源31から発信された音波Sは、少なくとも原水w中を通過して、音波受信器32によって受信されるが、音波Sは気相72中よりも液相中の方が速く伝搬するので、音波受信器32は、気相72中を通過する場合よりも、音波Sを早く受信することができる。しかしながら、この場合、受信信号sは、原水w中の固形物等による影響を受けるので、その影響が大きい場合には、図22、および図27に例示するように、音波発信源31および音波受信器32を、気相72中に配置することが好ましい。
 図28のように、音波発信源31および音波受信器32を、原水wの液面よりも低い位置に配置する場合であっても、音波発信源31および音波受信器32は、水処理タンク11の外側に配置されるので、原水w内に液浸されることはない。したがって、前述と同様に、音波発信源31および音波受信器32の使用寿命も長く、また、メンテナンスもほぼ不要とすることができる。
 (第5の実施形態の変形例1)
 第5の実施形態でも、第1の実施形態の変形例1と同様に、運転時回転数cおよび洗浄時回転数dを、監視装置50から設定するのではなく、コントローラ40の回転数切換部43に、内部パラメータとして直接設定することもできる。
 これによって、監視装置50から、運転時回転数設定部51および洗浄時回転数設定部52を省略することができるので、構成をより簡素化することが可能となる。
 (第5の実施形態の変形例2)
 第5の実施形態でも、第1の実施形態の変形例2と同様に、通常運転時における回転円板体12の回転数を、回転円板体12への微生物の付着量bに応じて動的に変化させることができる。
 図29は、第5の実施形態の変形例2の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 付着量推定部41は、図23を用いて前述したように、通常運転時において、検知部30による検知結果に基づいて、回転円板体12に付着した微生物の付着量bを推定する。図29に示す付着量推定部41は、推定した付着量bを、洗浄要否判定部42および表示部53のみならず、回転数切換部43へも出力することが、図23と異なっている。
 回転数切換部43は、この付着量bに基づいて、運転時回転数cを決定し、モータ20へ出力する。運転時回転数cの決定方法としては、第1の実施形態の変形例2で説明した通りであるので、省略する。
 このように、本変形例によっても、第1の実施形態の変形例2で説明したように、回転円板体12への微生物の付着量が適切な範囲内に保たれるように、あらかじめ水処理システム100の運転を制御することができるので、通常運転から洗浄工程へと運転モードを切り換える頻度を低下させることができ、もって、水処理システム150の稼働率を高めることが可能となる。
 (第5の実施形態の変形例3)
 第5の実施形態の水処理システム150では、洗浄工程時には、回転円板体12に過剰に付着した微生物を除去するために、回転円板体12を、通常運転時よりも高速回転させる例について説明したが、第1の実施形態の変形例3と同様に、洗浄工程時における洗浄効果をより高めるために、回転円板体12の高速回転に加えて、さらに回転円板体12に気泡を衝突させるようにしてもよい。
 このような本変形例によれば、洗浄時における洗浄効果を、より高めることが可能となる。
 (第5の実施形態の変形例4)
 上記変形例3では、回転円板体12への微生物の付着量bと、気泡fの量との関係については言及されていないが、本変形例では、通常運転時に、回転円板体12への微生物の付着量bに応じて、気泡fの量を動的に変化させながら散気管62から発生させる。
 図30は、第5の実施形態の変形例4の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 図30に示すブロック図は、図23に示すブロック図と比べて、コントローラ40に、散気管制御部48を備えた点が異なる。また、付着量推定部41は、付着量bを、散気管制御部48へも出力する。
 図31は、第5の実施形態の変形例4における回転円板装置を前面側(図22における左側面側)から見た別の構成例を示す概念図である。
 図31には、図22に示す水処理タンク11内に、回転円板体12の下方に、散気管62を備えていることと、水処理タンク11の外部に、散気管62に空気を送る送風機63を備えていることとが示されている。
 散気管制御部48は、付着量推定部41から出力された付着量bの値に応じて、散気管62への空気の供給量を決定し、供給量に対応する制御信号hを、送風機63へ出力する。
 送風機63は、この制御信号hに従って、散気管制御部48によって決定された供給量で、散気管62へ空気を供給する。
 このようにして、本変形例では、通常運転時に、回転円板体12への微生物の付着量bに応じて、気泡fの量を動的に変化させながら散気管62から発生させることができる。これによって、回転円板体12に付着した微生物を、通常運転しながら除去することができるので、回転円板体12への微生物の付着量が適切な範囲内に保たれるように、あらかじめ水処理システム150の運転を制御することができる。
 これによって、回転円板体12に付着した微生物の付着量bを、常に適切な範囲内に保つことができるので、通常運転から洗浄工程へと運転モードを切り換える頻度を低下させることができ、もって、水処理システムの稼働率を高めることが可能となる。
 (第6の実施形態)
 第6の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムについて説明する。
 第6の実施形態は、回転円板体を板厚方向から挟むように音波発信源と音波受信器とを配置した構成としている。
 図32は、第6の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。
 図33は、第6の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 図32に示す水処理システム160の構成は、図22に示す水処理システム150の構成と比較して、検知部30の配置方向のみが異なっている。すなわち、図22では、音波発信源31と音波受信器32との対は、回転円板体12の端面12aに対して平行になるように、間隙部16の延伸方向に対向配置されていたのに対し、図32では、音波発信源31と音波受信器32との対は、図22の配置方向と直交するように、回転円板体12を板厚方向から挟むようにそれぞれ配置されている。
 このように音波発信源31と音波受信器32との対を配置することによって、音波発信源31から発信された音波Sは、回転円板体12を通過した後に、音波受信器32によって受信される。回転円板体12は、多孔質の材料から形成されている。したがって、音波発信源31から発信された音波Sは、回転円板体12を通過することができる。
 回転円板体12に微生物が付着すると、付着量に応じて回転円板体12の孔が閉塞されることによって、回転円板体12の空間比率が低下し、音波Sも通りにくくなるので、音波受信器32が受信する音波Sのエネルギーも低くなる。水処理システム160は、この現象を利用して、回転円板体12の空間比率を決定し、空間比率に基づいて、微生物の付着量bを推定する。
 このために、水処理システム160は、図33に示すように、コントローラ40に空間比率決定部49を備えている。
 第5の実施形態と同様に、音波受信器32は、受信信号sを出力するが、本実施形態では、この受信信号sは、付着量推定部41へ出力されるのではなく、空間比率決定部49へ出力される。
 空間比率決定部49は、受信信号sに基づいて、回転円板体12における空間比率Gを決定し、決定した空間比率Gを、付着量推定部41に出力する。
 付着量推定部41は、空間比率Gに基づいて、回転円板体12への微生物の付着量bを推定する。
 このような構成によっても、第5の実施形態で説明したものと同様の作用効果を奏することができる。なお、図32では、例として、すべての回転円板体12にそれぞれ音波発信源31と音波受信器32との対が配置されている構成が示されている。しかしながら、第5の実施形態で説明したように、必ずしもすべての回転円板体12を対象に音波発信源31と音波受信器32との対を配置する必要はなく、代表的な回転円板体12のみに音波発信源31と音波受信器32との対を配置しても良い。
 代表的な回転円板体12としては、微生物が増殖する量が最も多い、原水w側の回転円板体12(#1)とすることができる。
 また、図32では、同一の回転円板体12に対して、音波発信源31と音波受信器32との対を一対しか配置していない例しか示していないが、同一の回転円板体12に複数の対を配置しても良い。この場合、隣接する対の音波発信源31からの音波S同士の干渉を防ぐために、対毎に、音波発信源31および音波受信器32の配置高さや配置位置を変えてもよい。
 なお、本実施形態のように、音波発信源31と音波受信器32との対を、回転円板体12を板厚方向から挟むように配置する場合、液相中に配置することは好ましくなく、図32に例示するように、気相72中に配置することが好ましい。なぜなら、音波発信源31と音波受信器32とを液相中に配置させるためには、音波発信源31と音波受信器32とを液浸させないように、防水カバー内に収納する必要があるなど、設備上の追加コストが発生することに加え、メンテナンスの手間も増えるからである。
 (第7の実施形態)
 第7の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムについて説明する。
 第7の実施形態は、第5および第6の実施形態に、栄養剤貯留槽および栄養剤添加部をさらに備えている。
 図34は、第7の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。
 図34に図示される水処理システム170において、水処理タンク11は、図1と同様に、原水wの流れ方向に沿って見た状態である。
 図35は、第7の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 第7の実施形態の水処理システム170は、第5の実施形態の水処理システム150および第6の実施形態の水処理システム160と同様に、回転円板装置10の気相72中に検知部30を設けているが、水処理システム150、160とは異なり、回転円板装置10の外部に、栄養剤貯留槽90と、栄養剤添加部91とをさらに備えている。また、コントローラ40は、図23に示す構成に加えて、栄養剤添加判定部45を備えている。そして、付着量推定部41は、推定した付着量bを、洗浄要否判定部42および表示部53のみならず、栄養剤添加判定部45にも出力する。
 栄養剤添加判定部45は、図16に示すように、回転円板体12における微生物の付着量bが、所定値Q以下である場合、栄養剤添加部91へ動作指令mを出力する。
 栄養剤貯留槽90は、微生物の増殖を促進する栄養剤nを貯蔵したタンクである。栄養剤nとしては、シリカやマグネシウムの成分を有する栄養剤が好適である。
 栄養剤添加部91は、例えばポンプであり、栄養剤添加判定部45からの動作指令mに応じて動作し、栄養剤貯留槽90に貯蔵されている栄養剤nを原水wに添加する。
 このようにして、水処理タンク11内の微生物の量が少ない場合には、原水wに栄養剤nを添加することによって、微生物の増殖を促進し、水処理タンク11内の微生物の量を増やすことができる。
 一方、回転円板体12への微生物の付着量bが、所定値Qよりも多い場合、栄養剤添加判定部45は、動作指令mを出力しないので、栄養剤添加部91は動作せず、栄養剤貯留槽90から原水wに栄養剤nが添加されることはない。
 しかしながら、回転円板体12への微生物の付着量bが、適切な付着量の上限である所定値Iよりも多い場合には、第5の実施形態と同様に、洗浄要否判定部42が洗浄指令eを出力するので、運転モードが通常運転から洗浄工程に切り換わることにより、付着している微生物を回転円板体12から除去することができる。
 以上説明したように、本実施形態の水処理システム170は、栄養剤nの添加と、洗浄との組み合わせによって、回転円板体12への微生物の付着量を適切な範囲内に保つように制御することができるので、臭気の発生の抑制や、有機物および窒素の除去等に適した水質環境能を、安定的かつ持続的に提供することが可能となる。
 (第7の実施形態の変形例1)
 第7の実施形態の水処理システム170では、水処理タンク11内の微生物の量が少ない場合には、原水wに栄養剤nを添加することによって、微生物の増殖を促進し、水処理タンク11内の微生物の量を増やす例について説明した。
 しかしながら、本変形例1では、栄養剤nの添加に関し、栄養剤nを添加するか否かのみを制御する所謂オン/オフ制御しか行わないのではなく、添加する栄養剤nの量を、回転円板体12への微生物の付着量bに基づいて、動的に変化させる。
 これを実現するために、本変形例1では、栄養剤添加判定部45は、微生物の付着量bが多いほど、より少なく、微生物の付着量bが少ないほど、より多くなるように添加量を決定し、決定した添加量を含む動作指令mを、栄養剤添加部91へ出力する。
 これに応じて、栄養剤添加部91は、動作指令mに含まれる添加量に応じて栄養剤nを添加するように動作する。
 また、栄養剤添加部91の吐出量が一定であれば、栄養剤nの添加量の代わりに、栄養剤添加部91の動作時間を指定してもよい。この場合も、微生物の増殖をより促進させたい場合には、より長い動作時間を設定すればよく、一方、微生物を緩慢に促進させたい場合には、より短い動作時間を設定すればよい。
 このように、添加する栄養剤nの量を、微生物の付着量bに応じて動的に決定することによって、微生物の付着量bが適切な範囲内に保たれるように、動的に制御することができるので、臭気の発生の抑制や、有機物および窒素の除去等に適した水質環境能を、安定的かつ持続的に提供することが可能となる。
 また、本変形例では、栄養剤添加部91の吐出量が一定である場合を例に説明したが、栄養剤添加部91を、インバータ付きの可変速ポンプとし、動作指令mにおいて、該ポンプの回転数を設定することによって、水処理タンク11へ添加される栄養剤nの量を制御するようにしてもよい。
 あるいは、栄養剤添加部91の出口側配管に、図示しない流量調整弁を配し、動作指令mにおいて、該調整弁の弁開度を設定することによって、水処理タンク11へ添加される栄養剤nの量を制御するようにしてもよい。
 また、第7の実施形態の水処理システム170は、第5の実施形態および第6の実施形態のいずれかと適宜組み合わせて実施することも可能である。
 (第8の実施形態)
 第8の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムについて説明する。
 第8の実施形態は、活性汚泥処理を組み合わせたものである。
 図36は、第8の実施形態の水処理方法が適用された水処理システムの構成例を示す概念図である。
 図36に図示される水処理システム180において、水処理タンク11は、図1と同様に、原水wの流れる方向に沿って側面側から見た状態である。
 図37は、第8の実施形態の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 第8の実施形態の水処理システム180は、図36に例示するように、第5の実施形態の水処理システム150に、散気管93が配置された生物反応槽92と、散気管93へ空気を供給する送風機94と、沈殿池95と、沈殿池95と水処理タンク11との間に接続された汚泥返送配管97および排出配管98と、汚泥返送配管97に設けられた汚泥返送部96とをさらに備えた構成をしている。沈殿池95は、例えば膜分離槽とすることができる。排出配管98は、焼却設備や汚泥脱水設備のような外部設備へ接続されている。
 また、図37に例示するように、コントローラ40は、図23に示す構成に加えて、汚泥返送判定部46を備えている。
 生物反応槽92には、回転円板装置10からの処理水xが導入される。生物反応槽92では、処理水x中に残存する有機物等の汚濁物質が、微生物の集合体である活性汚泥の働きによりさらに分解される。これにより、高度な処理水を得ることができる。生物反応槽92では、送風機94から空気を供給された散気管93において気泡が生成され、この気泡中の酸素が生物反応槽内の活性汚泥中の微生物により利用され、有機物等の汚濁物質が酸化分解される。
 生物反応槽92からは、活性汚泥等の固形物を含む処理水yが排出され、沈殿池95へ導入される。処理水yに含まれる固形物は、沈殿池95において、処理水yの固液分離がなされる。固液分離後の液分である処理水zは、消毒工程等を経た後に最終的には河川等の放流先に放流される。固液分離後の固形分は、汚泥返送部96によって、汚泥返送配管97を介して水処理タンク11に返送される。この返送される固形分を返送汚泥と呼ぶ。また、固液分離後の余剰汚泥を、沈殿池95から、排出配管98を介して、焼却設備や汚泥脱水設備のような外部設備へ排出することもできる。これによって、余剰汚泥を、焼却設備において焼却することによって減容処理したり、汚泥脱水設備において、脱水処理することも可能である。
 付着量推定部41は、第5の実施形態で説明したように、受信信号sに基づいて、回転円板体12への微生物の付着量bを推定し、推定した付着量bを、洗浄要否判定部42および表示部53のみならず、汚泥返送判定部46にも出力する。
 汚泥返送判定部46は、付着量bが、所定値以下である場合、汚泥返送部96へ動作指令pを出力する。
 汚泥返送部96は、例えばポンプであって、汚泥返送判定部46からの動作指令pに応じて動作する。汚泥返送部96が設けられている汚泥返送配管97は、沈殿池95の底部に接続されている。したがって、汚泥返送部96が動作すると、沈殿池95における固液分離によって得られた汚泥が、汚泥返送部96によって、汚泥返送配管97内に吸引され、水処理タンク11へ移送される。汚泥には、微生物が含まれているので、これによって、水処理タンク11に微生物が返送される。
 このように、コントローラ40は、付着量推定部41によって推定された微生物の付着量bに基づいて、汚泥返送部96の動作を制御し、汚泥を水処理タンク11へ返送することによって、水処理タンク11へ微生物を供給する。
 これによって、微生物の量が少ない場合には、微生物を含む汚泥を水処理タンク11へ返送することによって、微生物の量を増やすことができる。
 以上説明したように、本実施形態の水処理システム180によれば、回転円板体12へ付着した微生物の付着量bに基づいて、微生物の量が少ない場合には、水処理タンク11へ汚泥を返送するように制御できる。したがって、回転円板体12への微生物の付着量bを適切に維持することができ、臭気の発生の抑制や、有機物および窒素の除去等に適した水質環境能を、安定的かつ持続的に提供することが可能となる。
 また、これによって、生物反応槽92の負荷を下げることができるので、生物反応槽92は、前段に回転円板装置10がない構成(たとえば、標準活性汚泥法や循環式硝化脱窒法)に比べて、送風機94の電力消費コストを大幅に低減できるのみならず、生物反応槽92のサイズも縮小できるなどの効果を奏することができる。
 従って、既設の生物反応処理プロセスが標準活性汚泥法などの活性汚泥を利用した水処理プロセスを採用している場合、その前段部に、回転円板装置10を導入することで、省エネルギー化ならびに水質環境の安定化を図ることが可能となる。
 (第8の実施形態の変形例1)
 第8の実施形態の水処理システム180では、水処理タンク11内の微生物の量が少ない場合には、沈殿池95から水処理タンク11へ汚泥を返送することによって、水処理タンク11内の微生物の量を増やす例について説明した。
 本変形例1では、汚泥の添加に関し、汚泥を添加するか否かのみを制御する所謂オン/オフ制御しか行わないのではなく、返送する汚泥の量を、回転円板体12への微生物の付着量bに基づいて、動的に変化させる。
 汚泥返送判定部46は、図19に示すように、回転円板体12への微生物の付着量bが所定値u以下であり、汚泥返送部96を動作させる場合、付着量bが小さいほど汚泥返送量が多くなるように、汚泥返送部96を、より長時間動作させる。
 汚泥返送判定部46は、汚泥返送量に対応する汚泥返送部96の動作時間を指定した動作指令pを、汚泥返送部96へ出力する。
 汚泥返送部96は、動作指令pで指定された汚泥返送量の値が小さければ、短い時間しか動作せず、値が大きければ、長い時間動作する。
 これによって、付着量bが所定値u以下である場合、付着量bが少ないほど、汚泥返送部96は、より長い時間動作し、水処理タンク11へ、より多くの汚泥が返送され、結果的に、原水wに、より多くの微生物が供給される。
 なお、付着量bが所定値uよりも大きい場合には、洗浄要否判定部42から洗浄指令eが出力されることにより、前述したような洗浄工程に切り換わり、洗浄が開始されることによって、回転円板体12に付着した微生物が除去される。
 このように、本変形例によれば、水処理タンク11へ返送する汚泥の量を、回転円板体12への微生物の付着量bに応じて動的に決定することと、洗浄工程との組み合わせによって、回転円板体12への微生物の付着量bが適切な範囲内に保たれるように、動的に制御することができる。これによって、臭気の発生の抑制や、有機物および窒素の除去等の水処理性能を、安定的かつ持続的に提供することが可能となる。
 なお、本変形例では、汚泥返送部96の吐出量が一定である場合を例に説明したが、汚泥返送部96を、インバータ付きの可変速ポンプとし、動作指令pにおいて、該ポンプの回転数を指定することによって、水処理タンク11へ返送される汚泥の量を制御するようにしてもよい。
 あるいは、汚泥返送部96の出口側配管に、図示しない流量調整弁を配し、動作指令pにおいて、該調整弁の弁開度を指定することによって、水処理タンク11へ返送される汚泥の量を制御するようにしてもよい。
 (第8の実施形態の変形例2)
 図38は、第8の実施形態の変形例2の水処理システムの構成例を示す概念図である。
 図39は、第8の実施形態の変形例2の水処理システムにおけるコントローラおよび監視装置の構成例を示すブロック図である。
 第8の実施形態の変形例2の水処理システム190は、図38に示すように、第7の実施形態の水処理システム170と、第8の実施形態の水処理システム180とを組み合わせた構成をしている。
 さらに、コントローラ40は、図39に示すように、図35に示す栄養剤添加判定部45と、図37に示す汚泥返送判定部46との両方を備え、付着量推定部41は、前述したように受信信号sに基づいて、回転円板体12への微生物の付着量bを推定すると、付着量bを、洗浄要否判定部42、回転数切換部43、表示部53のみならず、栄養剤添加判定部45および汚泥返送判定部46へも出力する。
 栄養剤添加判定部45は、付着量bに基づいて、栄養剤貯留槽90から水処理タンク11へ添加する栄養剤nの添加量tを決定し、栄養剤添加部91へ出力する。これに応じて、栄養剤添加部91は、添加量tの栄養剤nを、栄養剤貯留槽90から、水処理タンク11へ導入される原水wへ添加することができる。
 汚泥返送判定部46は、付着量bに基づいて、汚泥返送部96による汚泥の返送量vを決定し、汚泥返送部96へ出力する。これに応じて、汚泥返送部96は、返送量vの汚泥を、沈殿池95から水処理タンク11へ返送することができる。
 回転数切換部43は、付着量bに基づいて、回転円板体12の単位時間あたりの回転数を決定し、決定した回転数を、モータ20へ出力する。これに応じて、モータ20は、決定された回転数で、回転円板体12を回転させることができる。
 コントローラ40は、通常運転時において、回転円板体12への微生物の付着量bを適切な範囲内に保つように制御するために、以上説明したような栄養剤添加部91による栄養剤貯留槽90からの栄養剤nの添加、汚泥返送部96による汚泥の返送、およびモータ20の回転数の変化のうちのいずれか1つを実施することも、あるいは、いずれか2つを実施することも、あるいは3つすべてを実施することもできる。
 なお、いずれか2つを実施する場合には、単独で実施する場合の1/2の制御量とし、3つすべてを実施する場合には、同1/3の制御量とする。
 例えば、栄養剤添加部91による栄養剤貯留槽90からの栄養剤nの添加と、汚泥返送部96による汚泥の返送との2つを実施する場合には、栄養剤nのみを添加する場合における添加量tの半分の量の栄養剤nを添加し、汚泥のみを返送する場合における返送量vの半分の量の汚泥を返送する。
 栄養剤添加部91による栄養剤貯留槽90からの栄養剤nの添加、汚泥返送部96による汚泥の返送、およびモータ20による回転数の変化とのすべてを実施する場合には、栄養剤nのみを添加する場合における添加量tの1/3の量の栄養剤nを添加し、汚泥のみを返送する場合における返送量vの1/3の量の汚泥を返送し、モータ20による回転数の変化のみを実施する場合における回転数の変化量の1/3の量で回転数を変化させるという具合である。
 このような構成によって、本変形例によれば、通常運転時において、回転円板体12への微生物の付着量bが少ない場合には、微生物の増殖を促進し、逆に多い場合には、微生物の増殖を抑制したり、微生物を除去することによって、回転円板体12への微生物の付着量bが、常に適切な範囲内に保たれるように柔軟に制御することができる。これによって、臭気の発生の抑制や、有機物および窒素の除去等に適した水質環境能を、安定的かつ持続的に提供することが可能となる。
 以上、各実施形態および変形例の水処理システムおよび水処理方法によれば、回転円板体12のような平板に付着している微生物の付着量bを、電流計25、撮像部71、レーザ測距計80、光電式測距センサ81、および音波受信器32のような非接触センサからの情報から推定することができる。そして、推定された付着量bに基づいて、水処理システムの運転を、自動制御することが可能となる。
 これによって、従来必要としていたオペレータによる微生物の付着に関する目視点検は不要となる。また、この自動制御によって、微生物の付着量bを適切な範囲内に保つことができるので、安定した水質環境を実現することが可能となる。
 さらに、付着量bの推定に必要な情報を提供する前述した非接触センサは、何れもほぼメンテナンスフリーであるので、新たなメンテナンスの手間は発生しない。これによって、維持管理コストの低減化、省力化、および運転の効率化をあわせて実現することが可能となる。
 本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
 例えば、前述した各実施形態では、微生物が付着する平板として、回転円板体12を例に説明したが、微生物が付着する平板は、回転円板体12のような円板状の平板に限定されず、回転円板体12の代わりに、例えば四角形や八角形のような多角形状の平板を使用してもよい。

Claims (29)

  1.  微生物が付着した平板を、一部が原水に浸漬するように回転させながら、前記微生物によって前記原水を浄化する水処理システムであって、
     前記平板への前記微生物の付着量を推定する付着量推定部と、前記付着量推定部による推定結果に基づいて、前記平板の単位時間あたりの回転数を変化させる回転数切換部とを有し、当該水処理システムの運転を制御するコントローラを備える、水処理システム。
  2.  前記平板は円板であり、前記円板は、前記円板の中心を軸として回転される、請求項1に記載の水処理システム。
  3.  前記平板の回転のために使用されるモータの電流を測定する電流計をさらに備え、
     前記付着量推定部は、前記平板が単位時間あたり固定された回転数で回転しているときに、前記電流計によって測定された前記モータの電流に基づいて、前記平板への前記微生物の付着量を推定する、請求項1に記載の水処理システム。
  4.  前記コントローラはさらに、前記付着量推定部によって推定された付着量が、所定値よりも大きい場合、前記平板の洗浄が必要と判定する洗浄要否判定部を有し、
     前記洗浄要否判定部によって、前記平板の洗浄が必要と判定された場合、前記回転数切換部は、前記平板の単位時間あたりの回転数を、前記平板の洗浄が必要と判定されていない場合よりも多くするように切り換える、請求項1に記載の水処理システム。
  5.  前記回転数切換部は、前記回転数を、前記付着量の増加量に対応させて動的に増加させる、請求項4に記載の水処理システム。
  6.  前記洗浄要否判定部によって、前記平板の洗浄が必要であると判定された場合、前記平板の浸漬した部分に衝突させるための気泡を生成する散気管をさらに備えた、請求項4に記載の水処理システム。
  7.  前記微生物が付着している前記平板の画像を撮像する撮像部をさらに備え、
     前記付着量推定部は、前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記平板への前記微生物の付着量を推定する、請求項1に記載の水処理システム。
  8.  予め決定された場所に配置され、前記平板に付着している前記微生物までの距離を測定する測距計をさらに備え、
     前記付着量推定部は、前記撮像部によって撮像された画像と、前記測距計によって測定された前記微生物までの距離との少なくとも何れかに基づいて、前記平板への前記微生物の付着量を推定する、請求項7に記載の水処理システム。
  9.  前記コントローラは、
      前記撮像部によって撮像された画像に基づいて、前記微生物の嫌気度の高低を判定する嫌気度判定部と、
      前記付着量推定部によって推定された付着量が、所定値よりも大きい場合、または、前記嫌気度判定部によって嫌気度が高いと判定された場合、前記平板の洗浄が必要と判定する洗浄要否判定部とを有する、請求項7に記載の水処理システム。
  10.  前記測距計は、レーザ測距センサと、光電式測距センサとのうちの少なくとも何れかを備えた、請求項8に記載の水処理システム。
  11.  前記微生物の増殖を促進する栄養剤を前記原水に添加する栄養剤添加部をさらに備え、
     前記コントローラは、前記付着量推定部によって推定された前記微生物の付着量に基づいて、前記栄養剤添加部による前記栄養剤の添加の要否を判定する栄養剤添加判定部を有する、請求項1に記載の水処理システム。
  12.  前記栄養剤添加判定部は、前記付着量推定部によって推定された前記微生物の付着量に基づいて、前記栄養剤添加部による前記栄養剤の添加量を決定する、請求項11に記載の水処理システム。
  13.  前記平板が配置された槽から排出された前記原水の沈殿のための沈殿池と、
     前記沈殿池において沈殿した前記原水からの汚泥を、前記槽に返送する汚泥返送部を備え、
     前記コントローラは、前記付着量推定部によって推定された前記微生物の付着量に基づいて、前記汚泥返送部による汚泥の返送の要否を判定する汚泥返送判定部を有する、請求項1に記載の水処理システム。
  14.  前記汚泥返送判定部は、前記付着量推定部によって推定された前記微生物の付着量に基づいて、前記汚泥返送部による汚泥の返送量を決定する、請求項13に記載の水処理システム。
  15.  微生物が付着した平板を、一部が原水に浸漬するように回転させながら、前記微生物によって前記原水を浄化する水処理システムであって、
     前記平板を板厚方向から挟むように配置された一対の音波発信源および音波受信器を有し、前記平板への前記微生物の付着量の推定のための検知を行う検知部と、
     前記平板において、前記微生物が付着していない空間比率に基づいて、前記平板への前記微生物の付着量を推定する付着量推定部と、前記検知部による検知結果に基づいて、前記平板の単位時間あたりの回転数を決定する回転数切換部とを有し、当該水処理システムの運転を制御するコントローラとを備える、水処理システム。
  16.  前記平板は円板であり、前記円板は、前記円板の中心を軸として回転される、請求項15に記載の水処理システム。
  17.  複数の前記平板が、各平板の端面同士が略平行になるように配置され、隣接する平板同士は、所定幅を有する間隙部によって隔離され、
     前記検知部の前記音波発信源は、前記音波受信器に向けて音波を発信し、前記音波受信器は、前記音波発信源によって発信され、前記間隙部内を通過した音波を受信し、
     前記コントローラの前記付着量推定部は、前記音波受信器によって受信された音波のエネルギーに基づいて、前記平板への前記微生物の付着量を推定する、請求項15に記載の水処理システム。
  18.  前記検知部の前記音波発信源および前記音波受信器からなる対は、少なくとも1つの前記間隙部に、複数配置され、前記対毎に同一の端面からの距離が異なる、請求項17に記載の水処理システム。
  19.  前記コントローラはさらに、前記付着量推定部によって推定された付着量が、所定値よりも大きい場合、前記平板の洗浄が必要と判定する洗浄要否判定部を有する、請求項15に記載の水処理システム。
  20.  前記回転数切換部はさらに、前記洗浄要否判定部によって、前記平板の洗浄が必要と判定された場合、前記平板の単位時間あたりの回転数を、前記平板の洗浄が必要と判定されていない場合よりも多くするように切り換える、請求項19に記載の水処理システム。
  21.  前記回転数切換部は、前記付着量推定部によって推定された付着量に対応して、前記回転数を動的に切り換える、請求項20に記載の水処理システム。
  22.  供給された気体から、前記平板の、浸漬した部分に衝突させるための気泡を生成する散気管をさらに備え、
     前記コントローラはさらに、前記付着量推定部によって推定された付着量に応じて、前記散気管へ供給される気体の供給量を制御する散気管制御部をさらに有する、請求項19に記載の水処理システム。
  23.  前記コントローラはさらに、前記洗浄要否判定部によって、前記平板の洗浄が必要と判定された場合、前記散気管へ気体を供給する送風機をさらに有する、請求項22に記載の水処理システム。
  24.  前記音波発信源は、前記平板に向けて音波を発信し、前記音波受信器は、前記音波発信源によって発信され、前記平板を通過した音波を受信し、
     前記コントローラは、前記音波受信器によって受信された音波のエネルギーに基づいて、前記平板において、前記微生物が付着していない空間比率を決定する空間比率決定部を有する、請求項15に記載の水処理システム。
  25.  前記微生物の増殖を促進する栄養剤を前記原水に添加する栄養剤添加部をさらに備え、
     前記コントローラはさらに、前記付着量推定部によって推定された付着量に基づいて、前記栄養剤添加部による前記栄養剤の添加の要否を判定する栄養剤添加判定部を有する、請求項15に記載の水処理システム。
  26.  前記栄養剤添加判定部はさらに、前記付着量推定部によって推定された付着量に基づいて、前記栄養剤添加部による前記栄養剤の添加量を決定する、請求項25に記載の水処理システム。
  27.  前記平板が配置された槽から排出された前記原水の沈殿のための沈殿池と、
     前記沈殿池に沈殿した前記原水からの汚泥を、前記槽に返送する汚泥返送部とをさらに備え、
     前記コントローラは、前記付着量推定部によって推定された付着量に基づいて、前記汚泥返送部による汚泥の返送の要否を判定する汚泥返送判定部を有する、請求項15に記載の水処理システム。
  28.  前記汚泥返送判定部はさらに、前記付着量推定部によって推定された付着量に基づいて、前記汚泥返送部による汚泥の返送量を決定する、請求項27に記載の水処理システム。
  29.  微生物が付着した平板を、一部が原水に浸漬するように回転させながら、前記微生物によって前記原水を浄化する、水処理システムを用いた水処理方法であって、
     付着量推定部により、前記平板への前記微生物の付着量を推定するための検知を行い、
     前記微生物の付着量の検知結果に基づいて、回転数切換部により、前記平板の単位時間あたりの回転数を切り換えることで、前記水処理システムの運転を制御する、水処理方法。
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