JP4425882B2 - 汚水処理システム - Google Patents

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Description

この発明は、汚水を浄化処理する汚水処理システムに関し、特に活性汚泥法による汚水処理システムに関するものである。
汚水を好気性処理する汚水処理方式の一つに、活性汚泥法がある。この活性汚泥法は、汚水を曝気することによって汚水中の好気性微生物を増殖させ、増殖した好気性微生物と汚水中の汚濁物質とが集積して生成される汚泥に汚水中の有機物を吸着・捕食させて汚水を浄化処理するものである。
図20は、標準的な活性汚泥法を適用した従来の汚水処理システムのフロー図である。この汚水処理システムは、曝気槽121、沈殿槽122、および放流槽123によって主に構成されている。この汚水処理システムにおいて処理される汚水は、汚水流入管124を通って曝気槽121に流入するが、その間にスクリーン等による前処理によって夾雑物が除去される。曝気槽121では、流入した汚水と好気性微生物が多く存在する汚泥とが混合する。つまり、曝気槽121内の汚水は汚泥と混合した状態となる。以降、曝気槽121内における汚水とは、汚水と汚泥の混合水のことを示すものとする。
曝気槽121には、空気を汚水中に吐出する散気装置125が設置されている。一般に、散気装置125は、曝気槽121内の底部に配置された散気管126と、圧縮空気を供給するブロワ127と、散気管126とブロワ127を接続した空気供給管128によって構成されている。散気管126は、曝気槽121内の汚水全体を常時曝気するように、曝気槽121の底面全体に配設されている。これにより、曝気槽121では、散気管126から吐出した散気によって汚水中の汚泥の好気性微生物が活性化され、この好気性微生物によって汚水中の有機物が吸着・分解されることで好気性処理が行われる。そして、曝気槽121で好気性処理された汚水は、送水管129を通して沈殿槽122に送られる。
沈殿槽122は、その底面122aが中心に向かって下り勾配で先細りになるホッパ形状を有している。このような沈殿槽122では、汚水が上層の上澄の汚水と下層の汚泥を多く含む汚水とに沈殿処理される。この上澄の汚水の層と汚泥を多く含む汚水の層との境界を一般に汚泥界面という。上澄の汚水は、放流水として越流堰130と流出管131を介して放流槽123に送られ、そこに一時的に貯留される。そして、放流槽123内に貯留された放流水は、放流ポンプ132と放流管133を介して系外に排出される。一方、沈殿槽122内の底部に沈降した汚泥を多く含む汚水は、底面122aの最深部122bに配設された返送ポンプ134とこれに接続された返送管135とを介して曝気槽121へ返送される。この間に、汚泥を多く含む汚水は、返送管135に配設された計量槽136によって流量制御され、定量とされて曝気槽121へ返送される。
曝気槽121に返送された汚泥を多く含む汚水は、好気性微生物の活性が低下した状態にあるが、散気装置125の散気管126からの散気によって再度活性化される。これにより、汚泥中の有機物が分解処理され、更に曝気槽121内の汚水中の有機物が吸着・分解処理され、浄化処理が促進される。この間に、汚水流入管124から曝気槽121に流入する汚水の量に応じて、沈殿槽122では上澄の汚水が放流槽123へ流出し、連続した汚水浄化処理が行われる。
通常、沈殿槽122内の汚水は、上澄の汚水の層と汚泥を多く含む汚水の層との2層に分離形成され、この2層の境界は汚泥界面と言われている。沈殿処理を良好に行うためには、上澄の汚水の層の水深を或る程度以上に確保することが必要とされている。一方、汚水流入管124から曝気槽121に流入した汚水は、曝気槽121において汚泥中の好気性微生物によって好気性処理が継続して行われる。このとき、汚泥中の好気性微生物は、汚水中の有機物を捕食して分解するとともに増殖する。すなわち、好気性処理を継続すると、好気性微生物の数が増え続け、汚泥の量も増大し続けるので、曝気槽121内の汚水中の浮遊物質濃度は上昇し続ける。
しかし、曝気槽121から浮遊物質濃度の高い汚水が沈殿槽122に流入すると、沈殿槽122では汚水の全体量に対して含有する汚泥の量が多くなるので、汚泥界面が上昇することになる。このため、上澄の汚水の層の水深を確保できなくなり、良好な沈殿処理が不可能となる。このような理由から、活性汚泥法を使用する従来の汚水処理システムでは、返送管135の途中に引抜管137を分岐接続し、返送管135と引抜管137に開閉弁138と開閉弁139をそれぞれ設け、汚水中の浮遊物質濃度が適正な範囲を超えた際に、沈殿槽122の底部からの汚泥を多く含む汚水を引抜管137から系外に排出している。
なお、上記背景技術は当業者一般に知られた技術であって、文献公知発明に係るものではない。
上記従来の汚水処理システムにおいて、引抜管137から排出した汚泥を多く含む汚水を汚水処理システムの系外に搬出する最も簡易的な方法は、引抜管137の先にバキュームカーを配置し、このバキュームカー内に引抜管137からの汚水を吸引して産業廃棄物処理場まで搬送する方法である。その他の方法は、引抜管137の先に引抜槽を設置し、この引抜槽に沈殿槽122からの汚泥を多く含む汚水を貯留しておき、その汚泥がある程度蓄積した段階でバキュームカー内に吸引して産業廃棄物処理場まで搬送する方法がある。更なる方法として、汚泥を多く含む汚水から水分を脱水機等によって除去して汚泥を固形化し、汚泥の体積を圧縮した状態で産業廃棄物処理場まで搬送する方法もある。しかし、いずれの方法も、汚泥を多く含む汚水を搬送する際に汚泥からの臭気が発生するので、汚水処理システムの設置場所の近隣の住民からクレームが発生することが問題となっていた。その上に、産業廃棄物処理場での汚泥処分費が嵩み、問題となっていた。
また、ホテル、飲食店等の厨房排水や食料品製造工場等の事業場排水は、そのまま下水道に流出した場合に、排水中の油脂分によって下水道管を閉塞させたり、下水道処理施設の機能を損なったりする。このため、厨房排水や事業場排水は、法令等によって定められた基準値以内の水質に浄化処理することが義務付けられている。すなわち、ホテル、飲食店、食料品製造工場等は、上述の汚水処理システムのような除害施設を設置することが義務付けられている。しかし、この種の除害施設は、排水を基準値以内の水質に浄化処理することを目的としているにも拘らず、活性汚泥法による汚水処理システムである場合には、基準値を大幅に上回る水質に浄化処理してしまい、基準値以上の良質の水として放流することが多い。したがって、除害施設に関して上記のような近隣住民からの臭気のクレームや産業廃棄物処理場での汚泥の処分費の嵩み等の問題を考慮すると、従来の活性汚泥法による汚水処理システムを除害施設に適用することは費用対効果の点において好ましくなく、問題となっていた。
さらに、従来の活性汚泥法による汚水処理システムは、沈殿槽122での沈殿処理の状態によって最終的な処理水の水質が決まるので、処理水の水質管理が難しく、問題となっていた。特に、活性汚泥法による汚水処理システムを除害施設に適用した場合には、基準値を下回る悪質の放流水を排出する恐れがあり、問題となっていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、放流水の水質を基準値をオーバーすることなく、それに近づけることによって系外に排出する汚泥の量を減少させることができる汚水処理システムを得るものである。
この発明の請求項1に係る水処理システムは、散気装置を備えた曝気槽と、該曝気槽から汚泥を含む汚水を導入して沈殿処理する沈殿槽と、該沈殿槽の下層の汚泥を含む汚水を前記曝気槽へ返送する返送手段と、前記沈殿槽内の下層の汚泥を含む汚水と上層の上澄の汚水を混合する混合手段と、放流水の浮遊物質濃度を計測する計測器と、該計測器からの信号に応じて前記混合手段を制御する制御器とからなるものである。
この発明の請求項2に係る水処理システムは、散気装置を備えて流入汚水を貯留する貯留槽と、散気装置を備えた曝気槽と、前記貯留槽の流入汚水を該曝気槽へ流量調整して移送する移送手段と、前記曝気槽から汚泥を含む汚水を導入して沈殿処理する沈殿槽と、該沈殿槽から前記貯留槽へ汚泥を含む汚水を返送する返送手段と、前記沈殿槽内の下層の汚泥を含む汚水と上層の上澄の汚水を混合する混合手段と、放流水の浮遊物質濃度を計測する計測器と、該計測器からの信号に応じて前記混合手段を制御する制御器とからなるものである。
この発明の請求項3に係る水処理システムは、散気装置を備えて流入汚水を貯留する貯留槽と、散気装置を備えた曝気槽と、前記貯留槽の流入汚水を該曝気槽へ流量調整して移送する移送手段と、前記曝気槽から汚泥を含む汚水を導入して沈殿処理する沈殿槽と、散気装置を備えた再曝気槽と、前記沈殿槽から該再曝気槽へ汚泥を含む汚水を返送する返送手段と、前記再曝気槽から前記貯留槽へ汚泥を含む汚水を移送する連通管と、前記沈殿槽内の下層の汚泥を含む汚水と上層の上澄の汚水を混合する混合手段と、放流水の浮遊物質濃度を計測する計測器と、該計測器からの信号に応じて前記混合手段を制御する制御器とからなるものである。
この発明の請求項4に係る水処理システムは、散気装置を備えた曝気槽と、該曝気層から汚泥を含む汚水を導入して沈殿処理する沈殿槽と、該沈殿槽から下層の汚泥を含む汚水を前記曝気槽へ返送する返送手段と、前記沈殿槽内の上層の上澄の汚水を導入する放流槽と、該放流槽に汚泥を含む汚水を供給して混合する混合手段と、前記放流槽内の水位を検知する水位検知器と、該水位検知器からの信号に応じて前記混合手段を制御する制御器とからなるものである。
この発明の請求項5に係る汚水処理システムは、散気装置を備えた曝気槽と、該曝気槽から汚泥を含む汚水を導入して沈殿処理する沈殿槽と、該沈殿槽の下層の汚泥を含む汚水を前記曝気槽へ返送する返送手段と、前記沈殿槽内の下層の汚泥を含む汚水と上層の上澄の汚水とを混合する混合手段と、前記沈殿槽内の上澄の汚水を導入する放流槽と、該放流槽内に配設された撹拌装置と、前記放流槽の放流水の浮遊物質濃度を計測する計測器と、該計測器からの信号に応じて前記混合手段を制御する制御器とを備え、前記放流槽から系外に排出する放流水を該放流槽に戻す配管を構築し、その配管内に前記計測器の検知部分を浸漬設置した浮遊物質濃度計測装置を前記放流槽の外部に設置してなるものである。
この発明の請求項1に係る汚水処理システムにおいては、放流水の水質が基準値以上である場合、すなわち計測器が測定した放流水の浮遊物質濃度が所定値以下である場合に、その浮遊物質濃度が所定値に達するまで制御器が混合手段を動作させる。これにより、沈殿槽内の下層の汚泥を多く含む汚水が上層の上澄の汚水に混合するので、沈殿槽内の上層の浮遊物質濃度が高くなり、放流水の水質が基準値に接近する。したがって、除害施設に適用した場合に、費用対効果に優れた除害施設となる。
また、沈殿槽内の下層の汚泥を多く含む汚水が上層の上澄の汚水に混合すると、沈殿槽内の下層の汚水の浮遊物質濃度は減少するので、沈殿槽内の下層の余剰分の汚泥をバキュームカーで吸引したり、バキュームカーを産業廃棄物処理場まで運行したり、産業廃棄物処理場において汚水を処分したりする頻度が減少するか、あるいは全く無くなる。このため、汚水搬送費や汚水処分費が大幅に低減するか全く無くなるばかりでなく、近隣住民に対する臭気の問題が減少するか解決する。
さらに、従来の汚水処理システムにおいては、バキュームカーによる搬出作業の頻度を削減するために沈殿槽内の余剰分の汚泥を含む汚水を引き抜いて一時的に貯留する引抜槽が必要であったが、この発明の請求項1に係る汚水処理システムでは、従来の引抜槽を設けなくともバキュームカーによる搬出作業の頻度が大幅に低減し、引抜槽を設置する費用が不要となる。また、余剰分の汚泥を含む汚水の量が減少するので、脱水機等を設置する費用も不要となる。
この発明の請求項2に係る汚水処理システムにおいては、貯留槽における汚泥の自己酸化が促進するので、沈殿槽内の余剰分の汚泥の量が減少する。また、浮遊物質濃度の高い汚水が流入した場合でも、沈殿槽から汚泥を多く含む汚水を搬出する頻度が大幅に低減する。さらに、浮遊物質濃度のあまり高くない汚水が流入した場合には、汚泥を多く含む汚水を搬出する必要が全く無くなる場合がある。したがって、沈殿槽内の下層の余剰分の汚泥をバキュームカーで吸引したり、バキュームカーを産業廃棄物処理場まで運行したり、産業廃棄物処理場において汚水を処分したりする頻度が減少するか、あるいは全く無くなる。このため、汚水搬送費や汚水処分費が大幅に低減するか全く無くなるばかりでなく、近隣住民に対する臭気の問題が減少するか解決する。また、除害施設に適用した場合に、費用対効果に優れた除害施設となる。
この発明の請求項3に係る汚水処理システムにおいては、貯留槽における汚泥の自己酸化が促進するばかりでなく、再曝気槽における汚泥の自己酸化も促進するので、沈殿槽内の余剰分の汚泥の量が減少する。また、浮遊物質濃度の大幅に高い汚水が流入する場合でも、沈殿槽から汚泥を多く含む汚水を搬出する頻度が大幅に削減する。さらに、浮遊物質濃度のあまり高くない汚水が流入する場合には、汚泥を多く含む汚水を搬出する必要が全く無くなる場合がある。したがって、沈殿槽内の下層の余剰分の汚泥をバキュームカーで吸引したり、バキュームカーを産業廃棄物処理場まで運行したり、産業廃棄物処理場において汚水を処分したりする頻度が減少するか、あるいは全く無くなる。このため、汚水搬送費や汚水処分費が大幅に低減するか全く無くなるばかりでなく、近隣住民に対する臭気の問題が減少するか解決する。また、除害施設に適用した場合に、費用対効果に優れた除害施設となる。
この発明の請求項4に係る汚水処理システムにおいては、放流槽内に設けた水位検知器によって放流槽内の浮遊物質濃度を検知し、この水位検知器からの信号に応じて沈殿槽内の汚泥を多く含む汚水を放流水に混合するので、放流水の水質が基準値に近づく上に、沈殿槽内の余剰分の汚泥の量が減少する。したがって、沈殿槽内の下層の余剰分の汚泥をバキュームカーで吸引したり、バキュームカーを産業廃棄物処理場まで運行したり、産業廃棄物処理場において汚水を処分したりする頻度が減少するか、あるいは全く無くなる。このため、汚水搬送費や汚水処分費が大幅に低減するか全く無くなるばかりでなく、近隣純民に対する臭気の問題が減少するか解決する。また、除外施設に適用した場合に、費用対効果に優れた除外施設となる。
この発明の請求項5に係る汚水処理システムにおいては、放流槽内の撹拌装置による気泡の影響を計測器が受けないこと、計測器の検知部分が取り出しやすくなり、メンテナンス性が向上すること等の効果がある。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における汚水処理システムの処理フロー図である。この実施の形態1における汚水処理システムは、汚水を好気性処理する曝気槽1、この曝気槽1から流入した汚水を沈澱処理する沈殿槽2、および沈殿槽2から流入した汚水を放流するために一時的に貯留する放流槽3を備えている。曝気槽1には汚水流入管4を介して汚水が流入するようにし、曝気槽1内の汚水は送水管5を通って沈殿槽2に流れるようにし、沈殿槽2内の汚水は流出管6を通って放流槽3に流れるようにしてある。そして、沈殿槽2内の下部の汚泥を多く含む汚水は返送手段7によって曝気槽1に返送するようにしてある。ここに、汚水とは広義に汚泥を含有した水を意味するものとする。
曝気槽1には、散気装置11を配設してある。この散気装置11は微細な気泡を汚水中に吐出するものとし、曝気槽1内の下部に配置した複数の散気管12、曝気槽1の外部に配置したブロワ13、および一端を散気管12に接続し他端をブロワ13に接続した空気供給管14によって構成することができる。なお、汚水流入管4の上流にスクリーン等の前処理手段を設け、汚水中の比較的大きく異質な浮遊物質、つまり夾雑物を除去するのが好ましい。しかし、汚水中の夾雑物の量が分解可能な程度である場合には、前処理手段を設置する必要はない。なお、曝気槽1の散気管1は、例えば、粒状樹脂を隙間が残るように固めた素材から筒状または板状に形成したものとすることができる。しかし、この散気管12の材料や構造は、比較的微細な気泡を汚水中に吐出できる構造であれば限定するものではない。例えば、散気管12は、多数の比較的径大の穴を有する管の外周に多数の小孔を有するゴムシート等を巻き回した構造のディフューザや円形ディスク状で円周部分に多数の小孔を有する構造のディスクディフューザとすることができる。また、散気管12は、袋状散気管、サラン巻散気管、ボックスエアレータ、シャーフューザーなどとすることもできる。
送水管5は曝気槽1と沈殿槽2を管で連通する構成としてある。しかし、送水管5は汚水を曝気槽1から沈殿槽2に確実に流すことができるのであれば、その構造を限定するものではない。例えば、送水管5は、汚水を堰または開口路によって自然に流す構造、汚水をポンプによって強制的に流す構造等とすることができる。特に、汚水をポンプによって強制的に流す場合には、ポンプによる移送量を計量槽等によって一定に制御するようにしておく必要がある。また、汚水を自然に流す場合と強制的に流す場合のいずれの場合にも、送水管5を流れる汚水の量が多い場合には、その汚水が沈殿槽2に流入した際に沈殿槽2内の下層の汚泥を多く含む汚水を撹拌し、その汚水を上層まで巻き上げて沈澱処理を損なうことが予想される。したがって、送水管5を流れる汚水の流量を制限するため、バッフル、センターウェル等を送水管5の沈殿槽2側の開口に設けるのが好ましい。
流出管6は送水管5と同様な構成とすることができる。この流出管6の一端は沈殿槽2の越流堰2aに接続し、他端は放流槽3内に開口させてある。これにより、沈殿槽2内の上澄の汚水は、放流水として越流堰2aを越流して流出管5に流入し、放流槽3へ流出する。なお、越流堰2aは、確実に上澄の汚水を越流させることができるので設けることが望ましいが、必ずしも必要というわけではない。例えば、送水管5と同様、流出管6によって沈殿槽2と放流槽3を越流堰2aを介さずに直接接続する構成としてもよい。
返送手段7は、沈殿槽2内の下層の汚泥を多く含む汚水を曝気槽1へ返送するものとしてある。この返送手段7は、沈殿槽2内の底部に配置した返送ポンプ21、一端を返送ポンプ21に接続し他端を曝気槽1内に開口させた返送管22、この返送管22の途中に配設した計量槽23によって構成してある。計量槽23は、内部に設けた堰によって移送量を制御し、その堰から流出した余分の汚水を越流管(後述する)によって沈殿槽2に返送する構造としてある。そして、沈殿槽2内の余剰分の汚泥を系外に引き抜くため、返送管22に方向制御弁24を介して引抜管25を接続してある。方向制御弁24は、電磁弁、電動弁、油圧弁、空圧弁等の自動で開閉するようにしてもよいし、手動で開閉するようにしてもよい。また、図1では方向制御弁24を三方制御弁としたが、単なる開閉弁を2つ組み合わせて流路を切り替えるようにしてもよい。しかし、沈殿槽2内に余剰分の汚泥が生じないことが予想できるのであれば、方向制御弁24や引抜管25は設ける必要がない。なお、返送手段7は上記の構成に限定するものではない。例えば、返送ポンプ21は水中ポンプとしたが、陸上ポンプとして計量槽23の一次側において返送管22に配設し、水中ポンプに代えてフート弁を配設する構成も適用できる。また、返送管22に計量槽23を配設する代わりに、返送管22の途中と沈殿槽2とを接続するバイパス管を配設し、返送管22には流量計を配設し、バイパス管に電磁弁、電動弁、空圧弁、油圧弁などの制御弁を配設し、流量計の計測値が所定流量を維持するように制御弁を制御する構成とすることも可能である。
放流槽3には、撹拌装置31を配設してある。この撹拌装置31は、放流槽3内の底部に配置した複数の散気管32、放流槽3の外部に配置したブロワ33、および一端を散気管32に接続し他端をブロワ33に接続した空気供給管34によって構成することができる。この攪拌装置31は、放流水が放流槽3内で滞留するうちに放流水中の汚泥が沈降して底面に堆積するのを防止するために設けられている。また、放流槽3内の放流水を系外に放流するため、放流槽3内の底部に放流ポンプ35を配設し、この放流ポンプ35に放流管36を接続してある。
図2に放流槽3の立面配置図を、図3に放流槽3の平面配置図をそれぞれ示す。放流槽3は、概ね平面状の底面3a、この底面3aの各辺から立ち上げた4つの側面3b、および上壁3cを有している。流出管6の端部は、放流槽3内の隅部の上方でその端部が開口されている。平面上で、その流出管6の開口位置と対向する隅部の底面3aには、凹状のポンプ釜場3dが設けられており、このポンプ釜場3d内には、放流ポンプ35が配設されている。底面3aは、各側面3bからポンプ釜場3dに向かって所定勾配で低下した形状となっている。この所定勾配は、10度から15度程度であることが望ましい。
散気管32は、ディスクディフューザのような特定方向に気泡を放出できる構造のものを下向きに配置してある。これによって、気泡が放流槽3の底面に噴射でき、放流水を効率よく攪拌できるようになっている。散気管32は、図3に示すように16個の散気管32を横4列×縦4列の構成で、ポンプ釜場3dや計測センサ45の設置位置を除いた底面3a全面に配置されている。また、これらの散気管32は、加わる水圧が同程度になるように所定の高さに配置され、各散気管32から気泡が均等に吐出されるようになっている。なお、散気管32は、前記の構造のものに限らず、散気管12に適用するものと同様の構造のものも適用可能である。
なお、曝気槽1、沈殿槽2および放流槽3は、建物内の床下ピットを利用する躯体水槽か、床上スペースを利用する床上設置型水槽とすることができる。躯体水槽とする場合には、床上スペースをその他の目的に活用できるので好ましいが、水槽の内面にエポキシ樹脂等のライニングによる防水層を形成する必要がある。床上設置型水槽とする場合には、FRP、ポリプロピレンなどの合成樹脂や、鋼板、ステンレス鋼などの金属や、コンクリートで形成することができる。
ここで、沈殿槽2には、下層の汚泥を多く含む汚水と上層の上澄の汚水とを混合するための混合手段41を設置してある。この混合手段41は、下端を汚水中に位置させた空気供給管42と、この空気供給管42に空気を供給する空気供給源としての空気供給機43とによって構成してある。空気供給管42の下端部は、空気が吐出口42aから上向きに吐出するようにU字状に曲げてある。なお、空気が吐出口42aから正常に吐出可能であれば、空気供給管42を直管として下向きに開口する構成としてもよい。空気供給管42の吐出口42aは、沈殿槽2内の汚泥界面の少し下に配置するのが好ましい。ここに、汚泥界面とは、上層の上澄の汚水と下層の汚泥を多く含む汚水との境界を言うものとする。
混合手段41の空気供給機43は、空気供給管42の吐出口42aから少量の空気を吐出するエアポンプが最適である。しかし、通常の比較的吐出空気量の大きいブロワ等であっても、空気供給管42の吐出口42aから少量の空気を吐出することが可能なように、空気供給管42自体に絞り部を形成したり、空気供給管42内にオリフィスを設けたり、空気供給管42にニードル弁を配設したりすることで適用することができる。
放流槽3には、放流水中の浮遊物質濃度を計測するための計測器44を設置してある。この計測器44は、放流槽3内の放流水に浸漬配置した計測センサ45、この計測センサ45からの信号を浮遊物質濃度の計測値に変換する変換器46によって構成してある。なお、計測器44には、透過光測定法、散乱光測定法、積分球式測定法、粒子計測法、表面散乱光測定法等を使用した濁度計や、SS計、MLSS計等を適用できるが、浮遊物質濃度が測定可能であればこれに限定されるものではない。変換器46は、計測センサ45からの電気信号を受信する入力部、受信した電気信号を浮遊物質濃度の計測値に変換する変換部、計測値をアナログ信号あるいはデジタル信号に再変換して出力する出力部で構成されている。
制御器47は、計測器44の変換器46から出力された信号を受信する受信部と、放流管36から系外に放流する放流水の浮遊物質濃度の上限値が予め記憶されており、空気供給機43のON/OFFを制御する制御部とを備えている。
次に、この実施の形態1における汚水処理システムの作用を説明する。未処理の汚水は汚水流入管4を通って曝気槽1に流入し(以降、この流入する汚水を流入汚水という)、曝気槽1内に一時的に滞留する。曝気槽1では散気装置11が常時作動し、汚水を曝気している。このような曝気槽1には沈殿槽2から返送手段7の返送管22を通って汚水が返送され(以降、この返送される汚水を返送汚水という)、曝気槽1内に滞留している流入汚水と混合する。この際に、返送手段7は計量槽23によって返送汚水の流量を調整し、定量として曝気槽1に返送する。返送汚水は好気性微生物が存在する汚泥を多量に含んでいるが、その好気性微生物の活性は低下していて有機物の吸着・分解能力が大幅に低下した状態となっている。しかし、曝気槽1では散気装置11が散気管12から空気を汚水中に常時吐出しているので、好気性微生物が再度活性化して有機物を吸着・分解可能な状態となり、既に自らが吸着している有機物を分解する。次いで、好気性微生物は汚水中の有機物を吸着し、更には分解を開始して好気性処理を行う。そして、好気性処理された汚水は送水管5を通って沈殿槽2に流入する。
沈殿槽2では、先ず汚水を静置し、汚泥が少なくなった上層の上澄の汚水と汚泥を多量に含む下層の汚水とに分離する。そして、上澄の汚水は放流水として越流堰2aを越流し、流出管6を通って放流槽3に流入する。この流出管6を通って放流槽3に流入する上澄の汚水の量は、曝気槽1から送水管5を通って沈殿槽2に流入する汚水の量から沈殿槽2から返送手段7によって曝気槽1へ返送される汚泥を多く含む汚水の量を差し引いた量となる。
放流槽3では、撹拌装置31が作動し、空気がブロワ33から空気供給管34と散気管32を通って放流水中に吐出し、放流槽3内の放流水を撹拌する。これにより、放流水中の汚泥が分離して放流槽3の底部に沈降しないようにしている。また、放流ポンプ35が作動し、放流水を放流管36から系外に排出する。
この間に、計測センサ45が放流水中の浮遊物質濃度を検知し、その信号が変換器46で制御器47用の電気信号に変換され、制御器47に計測値として入力される。制御器47では、変換器46から入力された放流水の浮遊物質濃度の計測値と予め設定してある系外に放流する放流水の浮遊物質濃度の上限値とを比較し、計測値が上限値未満である場合に空気供給機43を起動させ、気泡を空気供給管42の吐出口42aから沈殿槽2内の汚水中に少量ずつ吐出する。
これにより、空気供給管42の吐出口42aから吐出した気泡は、沈殿槽2内の下層の汚泥を多く含む汚水を少量ずつ浮上させて上層の上澄の汚水と混合させ、上澄の汚水中の浮遊物質濃度を上昇させる。この浮遊物質濃度の上昇した汚水は、越流堰2aを越流して放流水となって流出管6から放流槽3に流れ、放流槽3内の放流水の浮遊物質濃度を徐々に上昇させる。そして、この浮遊物質濃度が上限値に近づいたときに、制御器47は空気供給機43の作動を停止し、沈殿槽2内での汚水の混合作用を停止する。
ここで、計測センサ45の周辺に散気管32を配設しなかったのは、浮遊物質濃度を計測する計測センサ45は、前記に列挙したいずれの計測方式のものであっても気泡の影響を受けやすく、誤作動しやすいことに起因する。計測センサ45の検知部分に気泡が付着すると計測される浮遊物質濃度が実際よりも高い数値で検知され、変換器46を経て、制御器47に入力される。このとき、実際には、放流槽3内の放流水の浮遊物質濃度が上限値未満であるにも係わらず、空気供給器43を停止させてしまう。つまり、誤作動した分だけ、沈殿槽内の汚泥を多量に含む汚水を上層の上澄みの汚水と混合して系外に放流する機会が失われることになり、余剰分の汚泥が多く沈殿槽2内に蓄積されるので、余剰分の汚泥を引き抜く作業が発生する可能性が高くなってしまう。
また、計測センサ45の検知部分に気泡が付着する時間は極めて短時間である場合がほとんどであり、気泡に起因する計測センサ45の計測の誤作動も極めて短時間である。気泡によって誤作動と正常な計測とが繰り返し生じると、制御器47は空気供給機43のON/OFFを短時間で繰り返す制御をしてしまう。このため、空気供給機43や制御器47内の制御回路が短期間で故障する弊害が生じてしまう。以上のような理由から、計測センサ45が気泡の影響を受けにくくすることは非常に重要である。
前記の対策だけでは不十分なときの計測センサ45の計測誤作動に対する方策として、誤作動の時間が極めて短時間であるので、計測される放流水の浮遊物質濃度が上限値以上の数値である時間が所定時間(例えば、数秒)継続したときに、制御器47が空気供給機43を停止させるように制御するとなおよい。この方策は簡単な制御であるので、制御器47にシーケンサ、マイコン、パネルコンピュータ、ファクトリーPC等の内部に記憶回路を有する高価なコンピュータを組み込んで、そのコンピュータに制御プログラムを記憶させる必要がなく、安価なリレーやタイマー等を使用する簡単な制御回路で済むという効果がある。
一方、計測センサ45の計測の誤作動は、気泡以外にも検知部分に汚れが付着することによっても発生する。通常、汚水処理システムのメンテナンス時に計測センサ45の検知部分の清掃を行っているが、本発明の汚水処理システムの放流槽3内の放流水は従来のものよりも浮遊物質濃度が高いため、清掃の頻度を高くしなければならない場合が発生する。この場合においては、清掃を人力で行うと人件費が増大してしまう問題があった。この問題に対する方策として、計測センサ45の検知部分に気泡が積極的に当たるよう散気管32の上方等に配置し、計測センサ45による浮遊物質濃度の計測を所定時間毎に行うようにし、撹拌装置31を常時作動とせず、計測センサ45の計測開始直前から計測時にかけて一時的に停止するように制御するとよい。この方策では、制御は多少複雑になるが、撹拌装置31が作動している間は、散気管32から噴射される気泡によって、計測センサ45の付着物を物理的に除去でき、かつ気泡による計測センサ45の計測誤作動を防止できる効果がある。
また、計測センサ45の汚れ付着防止の方策として、放流槽3外から計測センサ45の下方まで別途配管し、計測センサ45の検知部分に圧縮空気や洗浄水を噴射して洗浄できるようにしてもよい。計測センサ45の洗浄頻度については、所定時間毎に自動洗浄するように制御してもよいし、計測センサ45の計測値から誤作動の頻度が高くなったのを認識したときに洗浄するようにするようにしてもよい。この方策においては、計測センサ45を撹拌装置31による気泡の影響がないところに配置することにより、撹拌装置31を常時作動とすることができ、かつ計測センサ45の検知部分の汚れを自動的に洗浄できる効果がある。
放流槽3の外部にスペースがある場合においては、放流水を放流槽3の外部にポンプ等でくみ上げて、再度放流槽3に戻す配管を構築し、その配管内に計測センサ45の検知部分を浸漬設置した浮遊物濃度計測用の装置を放流槽3の外部に設置してもよい。この場合、設置スペースやコストは多少嵩むが、撹拌装置31による気泡の影響を全く受けないこと、計測センサ45が取り出しやすくなり、メンテナンス性が大幅に向上すること等の効果がある。
なお、混合手段41の吐出口42aは、沈殿槽2の越流堰2aの周辺に配置すると、混合して浮遊物質濃度が上昇した汚水が短時間で越流堰2aから越流でき、望ましい。
以上のように、この実施の形態1における汚水処理システムでは、放流水の浮遊物質濃度が上限値以下、換言すれば放流水が過剰に良質である場合に、制御器47が混合手段41を作動させ、沈殿槽2内の下層の汚泥を多く含む汚水を上層の上澄の汚水に混合させ、放流槽3内の放流水の浮遊物質濃度が上限値に近づくまで、沈殿槽2内における上澄の汚水の浮遊物質濃度を上昇させて放流槽3に流出させる。この結果、沈殿槽2内全体の汚水中の総汚泥量が減少し、汚泥量が徐々に増大して上昇しつつあった汚泥界面が再び低下する。したがって、沈殿槽2で良好な沈澱処理を行うことができる上澄の汚水の層の水深を従来よりも長期間確保することができ、沈殿槽2内の余剰分の汚泥を引き抜く作業、すなわち、返送管22に配設した方向制御弁24を制御して沈殿槽2内の余剰分の汚泥を引抜管25に流す作業、引抜管25からバキュームカーに吸引する作業、およびバキュームカーを産業廃棄物処理場まで運行する作業の頻度が減少する。また、流入汚水の水質が比較的よい場合には、汚泥の引抜き作業が必要なくなる。
このため、バキュームカーによる汚泥搬送費が大幅に低減するばかりでなく、産業廃棄物処理場での汚泥処分費が大幅に低減する。また、近隣住民に与える臭気に関する問題が少なくなる。さらに、曝気槽1への流入汚水の水質によっては、沈殿槽2から余剰分の汚泥を含む汚水を引き抜く必要が無くなるので、バキュームカーによる汚泥搬送費や産業廃棄物処理場での汚泥処分費が不要となる上に、近隣住民に与える臭気に関する問題が解決する。
そして、従来の汚水処理システムではバキュームカーによる搬出作業の頻度を削減するため、沈殿槽2内の余剰分の汚泥を含む汚水を引抜管25から引抜槽(後述する)に一時的に貯留しているが、この実施の形態1における汚水処理システムでは、引抜槽を設けなくともバキュームカーによる搬出作業の頻度が大幅に減少し、引抜槽の設置費用が不要となる。また、余剰分の汚泥を含む汚水の体積を減少させるための脱水機等を設置する必要も無くなる。
特に、ホテル、飲食店、食品製造工場等は、排水を法令等によって定められた基準値の水質として下水道に放流するための除害施設を必要としているが、この除害施設にこの実施の形態1における汚水処理システムを適用すれば、除害施設の排水の水質を基準値の近くに維持することができる。したがって、排水の水質を基準値以上の良質にしてしまうという無駄を省くことができ、費用対効果に優れた除害施設を提供できる。
さらに、沈殿槽2内で汚水の沈澱処理が最も安定して行われるには、汚泥界面は水平であることが望ましいが、従来の汚水処理システムでは、送水管5側は高い位置にあり、返送ポンプ21の周辺は汚泥を多く含む汚水が常時吸引されて曝気槽1に返送されているため低い位置にあり、越流堰2a付近はそれらの中間位置にあるといった不均等な状態となっており、この傾向が進行していくと正常な沈澱処理を行うだけの上澄の汚水の水深が得られない場所が発生してしまう恐れがあった。この実施の形態1における汚水処理システムでは、混合手段41によって汚泥界面付近を攪拌する作用があることから、混合手段41の作動時に不均等な汚泥界面が攪拌され、混合手段41が停止した後に、再度沈澱処理が行われることにより、汚泥界面を概ね水平な状態にすることができる。よって、沈殿槽2において長期間において、安定した沈澱処理が行うことができる。
実施の形態2.
図4は、この発明を実施するための実施の形態2における汚水処理システムを示すものであり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、新たに貯留槽8を備えている点で実施の形態1における汚水処理システムと異なっている。このため、汚水流入管4は曝気槽1から貯留槽8に移設し、返送手段7は沈殿槽2内の汚泥を多く含む汚水を曝気槽1ではなく貯留槽8に返送するようにしてある。また、貯留槽8には散気装置51を設置してある。さらに、貯留槽8内の汚水は移送手段52によって曝気槽1に定量で移送するようにしてある。
貯留槽8は、汚水流入管4を通って流入した流入汚水と、沈殿槽2から返送手段7によって返送された返送汚水を一時的に貯留するものとしてある。散気装置51は微細な気泡を汚水中に吐出するものとし、貯留槽8内の底部に配置した複数の散気管53と、この散気管53に一端を接続し他端を散気装置11の空気供給管14に接続した空気供給管54によって構成してある。そして、移送手段52は、貯留槽8内の底部に配置した移送ポンプ55と、この移送ポンプ55に一端を接続し他端を曝気槽1に開口させた移送管56と、この移送管56に配設した計量槽57によって構成することができる。なお、この移送手段52は、上記の構成に限定するものではない。例えば、移送ポンプ55は水中ポンプとしているが、陸上ポンプとして計量槽57の一次側において移送管56に配設し、水中ポンプに代えてフート弁を配設する構成も適用できる。また、移送管56に計量槽57を配設する代わりに、移送管56の途中と貯留槽8とを接続するバイパス管を配設し、移送管56には流量計を配設し、バイパス管に電磁弁、電動弁、空圧弁、油圧弁等の制御弁を配設し、流量計の計測値が所定流量を維持するように制御弁を制御する構成とすることもできる。また、散気装置51は、散気装置11のブロワ13を空気供給源としているが、別にブロワ等の空気供給源を用意し、空気供給管54を接続して空気を散気管53に供給する構成としてもよい。
この実施の形態2における汚水処理システムでは、未処理の汚水は汚水流入管4を通って貯留槽8に流入し、貯留槽8内に一時的に滞留する。同時に、貯留槽8には、返送手段7が沈殿槽2から返送汚水を流し込む。貯留槽8では散気装置51が常時作動し、流入汚水と返送汚水を曝気かつ混合する。この際に、返送手段7は計量槽23によって返送汚水の流量を調整し、定量として貯留槽8に返送する。返送汚水は好気性微生物が存在する汚泥を多量に含んでいるが、その好気性微生物の活性は低下していて有機物の吸着・分解能力が大幅に低下した状態となっている。しかし、貯留槽8では散気装置51が汚水を常時曝気しているので、好気性微生物が再度活性化して有機物を吸着・分解可能な状態となり、既に自らが吸着している有機物を分解する。次いで、好気性微生物は汚水中の有機物を吸着し、更には分解を開始して好気性処理を行う。
このように貯留槽8内で好気性処理された汚水は、移送手段52が移送ポンプ55を作動させて移送管56から曝気槽1へ流す。この際にも、移送手段52は計量槽57によって汚水の量を調整し、定量として曝気槽1に流す。曝気槽1では、散気装置11が常時作動し、汚水を常時曝気している。これ以後の作用は、返送手段7が沈殿槽2内の汚泥を多く含む汚水を曝気槽1ではなく貯留槽8に返送することを除いて、実施の形態1と同様となる。
したがって、この実施の形態における汚水処理システムでは、実施の形態1と同様な効果が得られる上に次のような効果が得られる。すなわち、貯留槽8での汚泥の自己酸化が促進し、沈殿槽2内の余剰分の汚泥量が減少するので、浮遊物質濃度の高い流入汚水が汚水流入管4から貯留槽8に流入する場合でも、沈殿槽2から汚泥を多く含む汚水を搬出する頻度が大幅に低減する。また、浮遊物質濃度のあまり高くない流入汚水が汚水流入管4から貯留槽8に流入する場合には、汚泥を多く含む汚水を排出する必要が無くなる。
また、微細な気泡を汚水中に吐出する散気装置51を貯留槽8に配設し、好気性微生物が存在する汚泥を多く含む返送汚水を沈殿槽2から貯留槽8に返送手段7によって返送するので、沈殿槽2内で嫌気性傾向にあった汚水中の汚泥が貯留槽8において再活性化するようになる。したがって、貯留槽8でも再活性化した汚泥中の好気性微生物が流入汚水中の有機物を吸着・分解し、好気性処理が進行する。
さらに、貯留槽8において流入汚水と返送汚水が接触すると共に、それらの汚水を散気装置51によって散気するので、汚泥中の好気性微生物が汚水中の有機物を吸着する吸着時間を確保できる。また、吸着した有機物を分解できるので、分解時間の一部も確保できる。さらに、曝気槽1では、好気性微生物が全ての有機物を分解するまでの最低限の分解時間だけ汚水を滞留させればよいので、曝気槽1の容量が大幅に減少する。これに対し、曝気槽1の容量を従来と同じにすれば、有機物を分解する処理能力が大幅に向上する。
また、貯留槽8において好気性処理を行うので、貯留槽8内の汚水が嫌気性化することによる硫化水素等の腐敗ガスの発生が大幅に低減し、それに起因する臭気の問題が低減する。また、腐敗ガスの発生が大幅に低減するので、それに起因する貯留槽8内のライニングの劣化や移送ポンプ55の劣化が大幅に減少し、ライニングの補修や移送ポンプ55の交換の頻度も大幅に減少し、補修・交換の手間や費用が大幅に低減する。また、ライニングの材質を腐敗ガス対応のものではなく通常のものを使用でき、かつ移送ポンプ55も耐食性の低い一般仕様のものを使用できるので、システムの施工のイニシャルコストが大幅に低減する。そして、腐敗ガスの発生が大幅に低減することにより、システムから流出する排気ガスの臭気が低減するので、脱臭塔等の脱臭装置が従来よりも小容量化し、イニシャルコストが低減する。その上に、定期的に交換する必要のある活性炭や脱臭菌の等の量が低減するので、ランニングコストも大幅に低減する。
そして、貯留槽8内で汚水の好気性処理を行うので、汚水中の油分を好気性微生物に吸着させることが可能となり、油分が貯留槽8の側面に付着することが大幅に低減する。この結果として、貯留槽8の清掃回数が大幅に減少し、清掃のための人件費や付着物を産業廃棄物として処分する費用が大幅に低減する。また、貯留槽8において汚水の好気性処理を行うので、従来の汚水処理システムのように再曝気槽において好気性処理を行わなくとも、システム全体の浄化能力が従来のシステムと同等となり、システムの設置面積が減少する。
実施の形態3.
図5は、この発明を実施するための実施の形態3における汚水処理システムを示すものであり、図4と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、再曝気槽9を更に備えている点で実施の形態2における汚水処理システムと異なっている。すなわち、返送手段7は沈殿槽2内の汚泥を多く含む汚水を貯留槽8ではなく再曝気槽9に返送するようにしてあり、再曝気槽9内の汚水は連通管10によって貯留槽8に流すようにしてある。
再曝気槽9には、微細な気泡を汚水中に吐出する散気装置61を設けてある。この散気装置61は、再曝気槽9内の底部に配置した複数の散気管62と、一端を散気管62に接続し他端を散気装置11の空気供給管14に接続した空気供給管63によって構成してある。この場合に、貯留槽8の散気装置51の空気供給管54は散気装置11の空気供給管14から分離し、独立のブロワ13Aに接続してある。なお、散気装置61は、散気装置11のブロワ13を空気供給源としているが、別にブロワ等の空気供給源を用意し、空気供給管63を接続して空気を散気管62に供給する構成としてもよい。
この実施の形態3における汚水処理システムでは、未処理の汚水は汚水流入管4を通って貯留槽8に流入し、貯留槽8内に一時的に滞留する。一方、再曝気槽9には沈殿槽2から好気性微生物が存在する汚泥を多く含む返送汚水が返送手段7によって定量で返送される。再曝気槽9では、散気装置61の散気管62から空気を吐出し、嫌気性傾向にあった汚泥を多く含む汚水を曝気する。これにより、汚泥中の好気性微生物が再活性化して有機物を吸着・分解可能な状態に回復し、既に自らが吸着している有機物の分解と汚水中の有機物の吸着・分解とを行う。また、好気性微生物は、曝気槽1および再曝気槽9で有機物を分解する際に自己増殖することによって汚泥の量が増加しているが、再曝気槽9内の全ての有機物を分解し尽くすと、その後に好気性微生物は自己酸化を始めるので、増え過ぎた汚水中の好気性微生物が減少して適正な汚泥の量となる。そして、好気性微生物が減少した汚泥を多く含む汚水は、沈殿槽32からの返送汚水の流入よって連通管10に押し出され、貯留槽8に流出する。
貯留槽8では、汚水流入管4からの流入汚水と連通管10からの返送汚水が混合する。貯留槽8内の返送汚水中の汚泥は、その好気性微生物が再曝気槽9において既に活性化されているので、貯留槽8内の汚水中の有機物を即座に吸着し、更に散気装置51の散気管53から吐出する空気を得て汚水中の有機物を分解し、好気性処理を行う。そして、貯留槽8において好気性処理された汚水は、移送手段52の作用によって曝気槽1に移送され、これ以降の作用は実施の形態2と同様となる。
したがって、この実施の形態3における汚水処理システムでは、実施の形態2と同様な効果が得られる他に、次のような効果が得られる。すなわち、再曝気槽9で汚泥の自己酸化を促進できる上に、貯留槽8でも汚泥の自己酸化を促進でき、更には沈殿槽2内の余剰分の汚泥量を削減できるので、浮遊物質濃度の大幅に高い流入汚水が汚水流入管4から貯留槽8に流入する場合でも、沈殿槽2から余剰分の汚泥を含む汚水を排出する頻度が大幅に低減する。また、浮遊物質濃度のあまり高くない流入汚水が汚水流入管4から貯留槽8に流入する場合には、余剰分の汚泥を含む汚水を排出する必要が無くなる。
さらに、曝気槽1、貯留槽8、および再曝気槽9の3槽において好気性処理を行うので、従来の汚水処理システムと同じ設置面積でも、全体の浄化能力が従来よりも飛躍的に向上する。また、従来と同じ浄化能力で処理する場合には、汚泥中の好気性微生物の自己酸化をより促進することが可能となり、余剰分の汚泥を含む汚水を排出する作業が大幅に減少するか、全く無くなる。したがって、汚泥搬送費や汚泥処分費が大幅に低減するか、不要となる。
実施の形態4.
図6は、この発明を実施するための実施の形態4における汚水処理システムを示すものであり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、混合手段41の空気供給源を空気供給機43ではなく散気装置11のブロワ13としてある点で実施の形態1における汚水処理システムと異なっている。ただし、混合手段41の空気供給源としてブロワ13を適用するには、その空気供給量および空気圧は混合手段41の気泡として使用するには大きすぎるので、実施の形態1において、空気供給機43にブロワを適用する場合と同様に、空気供給管42自体に絞り部を形成したり、オリフィスを設けたり、流量調整弁を設けたりして対応してある。また、混合手段41の空気供給管42と散気装置11の空気供給管14とを開閉弁64によって接続し、この開閉弁64を制御器47によって制御するようにしてある。したがって、この実施の形態4における汚水処理システムでは、実施の形態1における空気供給機43が不要となる上に、実施の形態1と同様な効果が得られる。なお、開閉弁64には、電磁弁、電動弁、油圧弁、空圧弁等、制御器47で開閉が制御可能なものであれば、どのような構造のものでもよい。また、特にブロワ13が沈殿槽2の近傍の床上に配設されている場合には、空気供給管42の配管長さが短くすることができるので最適である。また、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態4の混合手段41を適用すると、さらに実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。
実施の形態5.
図7は、この発明を実施するための実施の形態5における汚水処理システムを示すものであり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、計測センサ45を流出管6A内に配置してある点で実施の形態1における汚水処理システムと異なっている。通常、計測センサ45の機能を良好に発揮させるためには、計測センサ45を汚水中に常時浸漬させておく必要がある。このため、流出管6Aの大部分を占める本管部71の途中に、計測センサ45を収容するためのセンサ収容部72と、計測センサ45と変換器46とを接続する信号線を放流水が流出しないように設置するコネクタ接続部73を設けてある。そして、センサ収容部72にはドレン管74を接続し、このドレン管74には開閉弁75を配設してある。
この実施の形態5における汚水処理システムでは、沈殿槽2の越流堰2aを越流した上澄の汚水が放流水として流出管6Aを流れている間に、計測センサ45が汚水中の浮遊物質濃度を検知し、これ以降は実施の形態1と同様に作用する。したがって、この実施の形態5における汚水処理システムでも、実施の形態1と同様な効果が得られる。この場合に、センサ収容部72に汚泥が沈殿して堆積する可能性があるので、定期メンテナンス時に人力によって、あるいは制御器47によって自動で開閉弁75を定期的に開いて汚泥をセンサ収容部72から排出する必要がある。この実施の形態5における汚水処理システムでは、実施の形態1に示す効果のほかに、沈殿槽2の越流堰2aからの放流水を放流槽3を設けずに、直接、下水道等の系外に放流する場合、特に効果がある。なお、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態5の流出管6A、計測センサ45、センサ収容部72等を適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。
実施の形態6.
図8は、この発明を実施するための実施の形態6における汚水処理システムを示すものであり、図7と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、計測センサ45を流出管6B内に配置してあるが、その形態を異ならせてある点で実施の形態5における汚水処理システムと異なっている。すなわち、流出管6Bは、一端を沈殿槽2の越流堰2aに接続した本管部71Aと、この本管部71Aの他端に接続してあって計測センサ45を収容したセンサ収容部76と、このセンサ収容部76に一端を接続し他端を放流槽3に接続した本管部71Bによって構成してある。この場合に、上流側の本管部71Aはセンサ収容部76の下部に接続し、後流側の本管部71Bはセンサ収容部76の上部に接続してある。そして、センサ収容部76にコネクタ接続部73を設けてあると共に、センサ収容部76の底部にドレン管74と開閉弁75を設けてある。
この実施の形態6における汚水処理システムでは、実施の形態5と同様な効果が得られる上に、汚水がセンサ収容部76の下部に流入して上部から流出するので、センサ収容部76の内部の保有水量が実施の形態5と比べて多くでき、浮遊物質濃度が均一となり、制御器47に入力する測定値が正確になる。なお、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態6の流出管6B、計測センサ45、センサ収容部76等を適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。
実施の形態7.
図9は、この発明を実施するための実施の形態7における汚水処理システムを示すものであり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、計測センサ45を沈殿槽2の越流堰2a内に配置し、越流堰2aに越流した上澄の汚水を放流水として浮遊物質濃度を計測センサ45で計測する点で実施の形態1における汚水処理システムと異なっている。越流堰2aには、計測センサ45を浸漬する溜を用意するため、段付円筒状の立上部材77を取外し可能に配置してある。この立上部材77は、上側に位置して溜の側壁となる平面円形の大径部77aと、下側に位置して流出管6Cに嵌合する平面円形の小径部77bによって構成してある。なお、曝気槽1から沈殿槽2へ流入する汚水量が十分に多い場合においては、越流堰2aから越流する放流水の水量も十分に多く、計測センサ45を常時浸漬しておけるので、立上部材77を不要とすることが可能である。
この実施の形態7における汚水処理システムでは、実施の形態1と同様な効果が得られる。なお、立上部材77の外側に汚泥が沈殿した場合には、立上部材77を取り外すことによって汚泥を流出管6Cに流し込むことができる。また、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態7に示す計測センサ45の設置位置を適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。
実施の形態8.
図10は、この発明を実施するための実施の形態8における汚水処理システムを示すものであり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、混合手段41Aの形態を変化させてある点で実施の形態1における汚水処理システムと異なっている。この混合手段41Aは、汚泥界面の少し下に位置させた回転羽根81と、この回転羽根81を下端に支持した回転軸82と、この回転軸82の上端に連結した駆動モータ83によって構成し、この駆動モータ83を制御器47によって制御するようにしてある。したがって、この実施の形態8における汚水処理システムでも、制御器47が混合手段41Aの駆動モータ83を制御することにより、下層の汚泥を多く含む汚水が回転羽根81によって巻き上げられて上層の上澄の汚水と混合されることから、実施の形態1と同様な効果が得られる。なお、このほかに機械的に上澄の汚水と汚泥を多く含む汚水を混合する混合手段41Aの構成としては、小型の攪拌ポンプを汚泥界面より少し下の位置に配置する等がある。また、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態8に示す混合手段41Aを適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。さらに、計測センサ45を、実施の形態5および6に示すように流出管6A、6B内に配置することや、実施の形態7に示すように越流堰2a内に配置することも可能であり、これにより各実施の形態で示した効果がそれぞれ得られる。
実施の形態9.
図11は、この発明を実施するための実施の形態9における汚水処理システムを示すものであり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、混合手段41Bの形態を変化させてある点で実施の形態1における汚水処理システムと異なっている。すなわち、混合手段41Bは、下端を汚泥界面の下側に位置させた汚水吸引管84と、下端を上澄の汚水の層に位置させた汚水供給管85と、これらの汚水吸引管84の上端と汚水供給管85の上端とを接続した吸引ポンプ86によって構成し、この吸引ポンプ86を制御器47によって制御するようにしてある。この実施の形態9における汚水処理システムでは、汚泥を多く含む汚水が汚水吸引管84と汚水供給管85を通って上澄の汚水の中に吐出することにより、下層の汚泥を多く含む汚水の量が減少すると共に上澄の汚水の浮遊物質濃度が上昇するので、実施の形態1と同様な効果が得られる。なお、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態9に示す混合手段41Bを適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。また、計測センサ45を、実施の形態5および6に示すように流出管6A、6B内に配置することや、実施の形態7に示すように越流堰2a内に配置することも可能であり、これにより各実施の形態で示した効果がそれぞれ得られる。
実施の形態10.
図12は、この発明を実施するための実施の形態10における汚水処理システムを示すものであり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、混合手段41Cの形態を変化させてある点で実施の形態1における汚水処理システムと異なっている。実施の形態1においても述べたが、返送手段7の計量槽23は、内部に設けた堰によって汚水の移送量を制御し、堰から流出した余分の汚水を越流管87によって沈殿槽2に返送する構造としてある。越流管87は、放流水の浮遊物質濃度に影響を与えないように、越流堰2a付近を避けて開口してある。例えば、送水管5の沈殿槽2への汚水流入口付近等であれば、越流堰2a付近の汚泥界面に影響を与えることが最も少なく、最適である。
そこで、この実施の形態10における汚水処理システムでは、計量槽23から越流した汚泥を多く含む汚水を上澄の汚水の層に混合するようにしてある。このため、汚水供給管88を越流管87に方向制御弁89を介して接続し、この方向制御弁89を制御器47によって制御するようにしてある。すなわち、通常時、制御器47は方向制御弁89の流路を計量槽23からの余分の汚水が越流管87に流下する方向に開弁する。そして、放流槽3中の浮遊物質濃度が上限値以下になると、制御器47は方向制御弁89の流路を計量槽23からの余分の汚水が汚水供給管88に流下する方向に開弁し、汚泥を多く含む汚水を汚水供給管88から沈殿槽2内の上澄の汚水に混合するようにする。したがって、この実施の形態10における汚水処理システムでも、実質的に沈殿槽2内の汚泥を多く含む汚水を上澄の汚水の中に混合することになるので、実施の形態1と同様な効果が得られる。なお、方向制御弁89には、電磁弁、電動弁、油圧弁、空圧弁等、制御器47で開閉が制御可能なものであれば、どのような構造のものを用いてもよい。また、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態10に示す混合手段41Cを適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。さらに、計測センサ45を、実施の形態5および6に示すように流出管6A、6B内に配置することや、実施の形態7に示すように越流堰2a内に配置することも可能であり、これにより各実施の形態で示した効果がそれぞれ得られる。
実施の形態11.
図13は、この発明を実施するための実施の形態11における汚水処理システムを示すものであり、図10と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムも、混合手段41Dの形態を変化させてある点で実施の形態1における汚水処理システムと異なっている。この場合に、汚水供給管88の上端を越流管87に接続してある上に、越流管87と汚水供給管88に開閉弁89A、89Bをそれぞれ配設し、これらの開閉弁89A、89Bを制御器47によって制御するようにしてある。
通常、制御器47は越流管87上の開閉弁89Aを開き、汚水供給管88上の開閉弁89Bを閉じている。そして、放流槽3中の浮遊物質濃度が上限値以下になると、制御器47は越流管87上の開閉弁89Aを閉じると共に、汚水供給管88上の開閉弁89Bを開き、汚泥を多く含む汚水を汚水供給管88から沈殿槽2内の上澄の汚水に混合する。したがって、この実施の形態11における汚水処理システムでも、実施の形態10と同様な効果が得られる。なお、開閉弁89A、89Bには、電磁弁、電動弁、油圧弁、空圧弁等、制御器47で開閉が制御可能なものであれば、どのような構造のものを用いてもよい。また、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態11に示す混合手段41Dを適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。さらに、計測センサ45を、実施の形態5および6に示すように流出管6A、6B内に配置することや、実施の形態7に示すように越流堰2a内に配置することも可能であり、これにより各実施の形態で示した効果がそれぞれ得られる。
実施の形態12.
図14は、この発明を実施するための実施の形態12における汚水処理システムを示すものであり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、新たに設けた濃度調整槽91に対して混合手段41Eを配置してある点で実施の形態1の汚水処理システムと異なっている。すなわち、濃度調整槽91には、沈殿槽2内における上層の上澄の汚水を汚水吸引管92とそれに配設した吸引ポンプ93によって吸い上げると共に、沈殿槽2内における下層の汚泥を多く含む汚水を汚水吸引管94とそれに配設した吸引ポンプ95によって吸い上げるようにしてある。また、濃度調整槽91の汚水中に計測センサ45を配置してある。そして、濃度調整槽91内の汚水は汚水供給管96によって沈殿槽2内の上澄の汚水中に流出させるようにしてある。混合手段41Eは、実施の形態8における場合と同様に攪拌羽根81、回転軸82、および駆動モータ83によって構成してある。
通常、制御器47は双方の吸引ポンプ93、95を作動させ、沈殿槽2内における上層の上澄の汚水と下層の汚泥を多く含む汚水とを濃度調整槽91に吸い上げる。また、混合手段41Eを作動させ、双方の汚水吸引管92、94から流入した汚水を混合する。この間に、計測センサ45からの浮遊物質濃度を観察し、吸引ポンプ93、95の双方を制御して濃度調整槽91内の浮遊物質濃度を上限値に調整し、この上限値の浮遊物質濃度となった汚水を汚水供給管96によって沈殿槽2内の上澄の汚水中に流す。したがって、この実施の形態12における汚水処理システムでは、濃度調整槽91からの汚水と上澄の汚水との混合体が放流水となるので、実施の形態1と同様な効果が得られる。また、この実施の形態12における汚水処理システムでは、濃度調整槽91内で上澄の汚水と汚泥を多く含む汚水を計測センサ45で浮遊物質濃度を計測しつつ、上限値となるように混合することから、放流水の浮遊物質濃度を確実に上限値を超えない範囲に制御することができる効果がある。なお、濃度調整槽91内の汚水は、図12において破線で示すように、放流槽3、流出管6、または越流堰2aに直接流すように構成することができる。また、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態12に示す混合手段41Eを適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。
実施の形態13.
図15は、この発明を実施するための実施の形態13における汚水処理システムを示すものであり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、混合手段41Fの形態を変化させてある点で実施の形態1における汚水処理システムと異なっている。すなわち、放流槽3内の放流水中の浮遊物質濃度が上限値以下となった場合に、沈殿槽2内の汚泥を多く含む汚水を放流槽3に供給し、放流槽3内の放流水の浮遊物質濃度を上限値に近づけるようにしてある。このため、沈殿槽2の汚泥界面よりも低い位置に汚水供給管97の一端を接続し、この汚水供給管97の他端を自然流下が可能となるように放流槽3に接続してある。そして、汚水供給管97に開閉弁98を配設し、この開閉弁98を制御器47によって制御するようにしてある。なお、開閉弁98には、電磁弁、電動弁、油圧弁、空圧弁等、制御器47で開閉が制御可能なものであれば、どのような構造のものを用いてもよい。
通常、制御器47は開閉弁98を閉じておき、沈殿槽2内の上澄の汚水を放流水として流出管6によって放流槽3に流す。そして、制御器47は、放流槽3内の放流水の浮遊物質濃度が上限値よりも低下したことを検知すると、開閉弁98を開く。これにより、沈殿槽2内の汚泥を多く含む汚水が放流槽3に自然流下し、撹拌装置31の助けも得て放流槽3内の放流水と混合する。そして、放流水の浮遊物質濃度が上限値に達すると、制御器47は開閉弁98を閉じ、放流水の流れを通常に戻す。したがって、この実施の形態13における汚水処理システムでも、実施の形態1と同様な効果が得られる。この実施の形態13における汚水処理システムは、沈殿槽2および放流槽3が床上設置の水槽である場合、汚水供給管97で2つの槽を連通し、汚水供給管97上に開閉弁98を配設するだけで混合手段41Fを形成できるので最適である。なお、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態13に示す混合手段41Fを適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。
実施の形態14.
図16は、この発明を実施するための実施の形態14における汚水処理システムを示すものであり、図1と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、混合手段41Gの形態を変化させてある点、および放流槽3内の放流水の水位を検知して放流水の浮遊物質濃度を上限値以下に保つようにしてある点で実施の形態1における汚水処理システムと異なっている。すなわち、混合手段41Gは、一端を沈殿槽2内の底部に配置し他端を放流槽3に開口させた汚水供給管101と、この汚水供給管101に配設した吸引ポンプ102によって構成し、この吸引ポンプ102を制御器47によって制御するようにしてある。そして、放流槽3には水位検知器103を設け、この水位検知器103の出力を制御器47に入力させてある。水位検知器103は、最低水位検知用電極棒103a、最高水位検知用電極棒103b、および共同帰線用電極棒103cによって構成してある。
通常、沈殿槽2内の上層における上澄の汚水の浮遊物質濃度と、下層における汚泥を多く含む汚水の浮遊物質濃度は概ね推定することが可能である。また、放流槽3に貯留される放流水の水量は、底面積が一定であるので、水位検知器103で検出される水位、つまり最低水位と最高水位検知用電極棒103bによって検知される最高水位との水位差によって所定量に制御ことができる。さらに、吸引ポンプ102の稼動時間によって、汚泥を多く含む汚水の供給水量を制御することができる。よって、あらかじめ、放流槽3内で混合する放流水の総水量を水位検知器103の最低水位と最高水位との水位差に底面積を乗じて算出し、放流水の総水量が上限値の浮遊物質濃度になるために放流槽3に供給すべき汚泥を多く含む汚水の水量と上澄の汚水の水量を算出しておき、その算出された各水量を放流槽3内に供給して混合するように制御器47で制御すればよいことになる。
具体的には、例えば、放流ポンプ35によって放流槽3内の放流水を最低水位まで排水して放流ポンプ35を停止した後、制御器47は、混合手段41Gの吸引ポンプ102を作動させ、汚泥を多く含む汚水を算出されている量だけ、放流槽3に供給する。このとき、沈殿槽2の越流堰2aから越流した上澄の汚水が放流水として流出管6を経由して常時一定量ずつ放流槽3内に流入してくる。また、放流槽3では攪拌装置31が作動しており、放流水と汚泥を多く含む汚水とが攪拌され、放流水の浮遊物質濃度は槽内で均等に保たれつつ上限値に近づく。そして、水位検知器103が最高水位を検知したとき、放流水の浮遊物質濃度は上限値になっている。水位検知器103から最高水位の検知を受信した制御盤47は、放流ポンプ35を放流槽3内の放流水の水位が最低水位に達するまで作動させる。これによって、上限値の浮遊物質濃度の放流水を放流管36より系外に放流する。なお、沈殿槽2内における上澄の汚水の浮遊物質濃度と、汚泥を多く含む汚水の浮遊物質濃度の推定値は、実測値との変動幅が多少あるので、浮遊物質濃度の推定値は若干高めに設定しておくと、放流水が上限値を超えないので好ましい。さらに好ましくは、計測値を表示・発信する機能がなくとも、放流槽3で混合した放流水の浮遊物質濃度が上限値を超えたときに検知信号を発信する程度の安価な計測器を設置しておくと、万が一、汚水処理システムの状態が悪化し、混合した放流水の浮遊物質濃度が上限値を超えた場合においても、最高水位に達していても放流ポンプ35を作動させず、沈殿槽2からの上澄の汚水を放流槽3に継続して流入させて上限値以下にまで希釈された段階で放流ポンプ35を作動させることで、上限値を超えた放流水を系外に放流してしまうことを確実にできる。また、放流槽3内に混合手段41Gによって汚泥を多く含む汚水を供給する時期については、所定量の汚泥を多く含む汚水が供給完了した時点で、放流槽3内が最高水位に達していなければ、どの時期でもよい。
この実施の形態14における汚水処理システムでは、安価な水位検知器103によって実施の形態1と同様な効果が得られる。なお、水位検知器103は、電極帯を用いたもの、フロート構造のレベルスイッチを用いたもの、超音波を用いたもの、水圧センサによる計測値を水深に換算する構成のもの等と代替することができる。また、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態14に示す混合手段41Gを適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。
実施の形態15.
図17は、この発明を実施するための実施の形態15における汚水処理システムを示すものであり、図16と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、混合手段41Hが汚泥を多く含む汚水を返送手段7の計量槽23から放流槽3に流入させるようにしてある点で実施の形態14における汚水処理システムと異なっている。このため、計量槽23には沈殿槽2に至る越流管87を接続してある上に、放流槽3に至る汚水供給管104を接続し、この汚水供給管104に対して開閉弁105を設け、この開閉弁105を制御器47によって制御するようにしてある。なお、開閉弁105には、電磁弁、電動弁、油圧弁、空圧弁等、制御器47で開閉が制御可能なものであれば、どのような構造のものを用いてもよい。
通常は、開閉弁105を閉じた状態で実施の形態14と同様な汚水処理を行う。そして、放流ポンプ35によって放流槽3内の放流水を最低水位まで排水して停止した後、制御器47は、混合手段41Hの開閉弁105を開弁し、計量槽23内から汚泥を多く含む汚水を流出させて既に算出されている量だけ放流槽3に流入させた後、再度閉弁する。後の上澄の汚水(放流水)との混合および系外への排水に関する処理の流れは、実施の形態14の場合と同様である。したがって、この実施の形態15における汚水処理システムでも、実施の形態14と同様な効果が得られる。なお、汚泥を多く含む汚水の供給にポンプを使用しないことから、イニシャルコストおよびランニングコストの低減が図れる。また、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態15に示す混合手段41Hを適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。
実施の形態16.
図18は、この発明を実施するための実施の形態16における汚水処理システムを示すものであり、図16と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この汚水処理システムは、沈殿槽2から引き抜いた汚泥を多く含む汚水を貯留する引抜槽111を新たに設けてある点、および混合手段41Jが引抜槽111内の汚水を放流槽3に流し込む点で実施の形態14における汚水処理システムと異なっている。すなわち、返送手段7の返送管22に方向制御弁24を介して接続した引抜管25の後流端を引抜槽111に開口させてある。また、引抜槽111内の汚水は、引抜槽111内の底部に配設した搬送ポンプ112と、この搬送ポンプ112に接続した搬出管113によって系外に搬出するようにしてある。そして、混合手段41Jとして、一端を搬出管113に方向制御弁114を介して接続し他端を放流槽3内に開口させた汚水供給管115を設け、方向制御弁114を制御器47によって制御するようにしてある。方向制御弁114は、図18では三方制御弁としたが、単なる開閉弁を2つ組み合わせて流路を切り替えるようにしてもよい。また、構造に関しても電磁弁、電動弁、油圧弁、空圧弁等、制御器47によって開閉可能であれば、どのようなものでもよい。なお、図16では、引抜管25に対する方向制御弁24も制御器47によって制御するようにしてあるが、方向制御弁24は、電磁弁、電動弁、油圧弁、空圧弁等の自動で開閉するようにしてもよいし、手動で開閉するようにしてもよい。また、方向制御弁24を三方制御弁としたが、単なる開閉弁を2つ組み合わせて流路を切り替えるようにしてもよい。
制御器47は、沈殿槽2内の汚泥を多く含む汚水を通常は計量槽23側に流し、自動または手動によって定期的に引抜槽111側に流す。そして、放流ポンプ35によって放流槽3内の放流水を最低水位まで排水して放流ポンプ35を停止した後、制御器47は、搬送ポンプ112を作動させると共に混合手段41Jの方向制御弁114を制御し、引抜槽111内の汚泥を多く含む汚水を放流槽3内に所定量だけ流し込む。以降は実施の形態14と同様に作用し、放流槽3内の放流水の浮遊物質濃度を上限値に近づけて系外に放流する。したがって、この実施の形態16における汚水処理システムでも、実施の形態14と同様な効果が得られる。なお、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態16に示す混合手段41Jを適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。また、沈殿槽2内の汚泥界面が上昇して、沈澱処理に支障が生じた場合に、下層の汚泥を多く含む汚水を引抜槽111に引き抜くことが可能であることから、時間帯や日によって流入汚水の水質の変動が激しい場合、つまり負荷変動が大きい場合でも、放流水の浮遊物質濃度を上限値以上に悪化させることなく、容易に対応できるという大きな効果がある。
実施の形態17.
図19は、この発明を実施するための実施の形態17における汚水処理システムを示すものであり、図1および図18と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。水位検知器103に代えて、計測器44を適用した点が実施の形態16とは異なっている。制御器47は、沈殿槽2内の汚泥を多く含む汚水を通常は計量槽23側に流し、自動または手動によって定期的に引抜槽111側に流す。計測センサ45は、放流槽3内の放流水の浮遊物質濃度を計測し、その信号が変換器46を介して制御器47に入力される。制御器47では、計測器44から入力された計測値と予め設定してある上限値とを比較し、計測値が上限値未満である場合、搬送ポンプ112を作動させると共に混合手段41Jの方向制御弁114を制御し、引抜槽111内の汚泥を多く含む汚水を放流槽3内に少量ずつ流し込む。これにより、計測器44により計測される放流槽3内の放流水の浮遊物質濃度は徐々に上昇していく。そして、計測器44が計測する放流水の浮遊物質濃度が上限値に近づいたとき、制御器47は、搬送ポンプ112を停止し、方向制御弁114の流路を汚水供給管側115から搬出管113側に切り替える。
以上のように、この実施の形態17における汚水処理システムでは、放流水の浮遊物質濃度が上限値以下である場合に、制御器47が混合手段41Jを作動させて放流槽3中の放流水に引抜槽111内の汚泥を多く含む汚水を浮遊物質濃度が上限値に近づくまで混合して、放流ポンプ35および放流管36によって系外に排水する。したがって、この実施の形態17における汚水処理システムにおいても実施の形態1と同様な効果が得られる。なお、貯留槽8を有する実施の形態2に示す汚水処理システムや、貯留槽8および再曝気槽9を有する実施の形態3に示す汚水処理システムにこの実施の形態17に示す混合手段41Jを適用すると、実施の形態2に示した効果や実施の形態3に示した効果も同時に得られる。また、実施の形態16に示す汚水処理システムと同様に、沈殿槽2内の汚泥界面が上昇して、沈澱処理に支障が生じた場合に、下層の汚泥を多く含む汚水を引抜槽111に引き抜くことが可能であることから、時間帯や日によって流入汚水の水質の変動が激しい場合、つまり負荷変動が大きい場合でも、放流水の浮遊物質濃度を上限値以上に悪化させることなく、容易に対応できるという大きな効果がある。
この発明の実施の形態1における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態1における汚水処理システムの放流槽の立面配置図である。 この発明の実施の形態1における汚水処理システムの放流槽の平面配置図である。 この発明の実施の形態2における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態3における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態4における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態5における汚水処理システムの要部を示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態6における汚水処理システムの要部を示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態7における汚水処理システムの要部を示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態8における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態9における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態10における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態11における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態12における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態13における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態14における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態15における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態16における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 この発明の実施の形態17における汚水処理システムを示す処理フロー図である。 従来の汚水処理システムを示す処理フロー図である。
符号の説明
1 曝気槽
2 沈殿槽
3 放流槽
7 返送手段
8 貯留槽
9 再曝気槽
10 連通管
11、51、61 散気装置
41、41A〜41H、41J 混合手段
44 計測器
47 制御器
52 移送手段
103 水位検知器
111 引抜槽

Claims (5)

  1. 散気装置を備えた曝気槽と、該曝気槽から汚泥を含む汚水を導入して沈殿処理する沈殿槽と、該沈殿槽の下層の汚泥を含む汚水を前記曝気槽へ返送する返送手段と、前記沈殿槽内の下層の汚泥を含む汚水と上層の上澄の汚水を混合する混合手段と、放流水の浮遊物質濃度を計測する計測器と、該計測器からの信号に応じて前記混合手段を制御する制御器とからなる汚水処理システム。
  2. 散気装置を備えて流入汚水を貯留する貯留槽と、散気装置を備えた曝気槽と、前記貯留槽の流入汚水を該曝気槽へ流量調整して移送する移送手段と、前記曝気槽から汚泥を含む汚水を導入して沈殿処理する沈殿槽と、該沈殿槽から前記貯留槽へ汚泥を含む汚水を返送する返送手段と、前記沈殿槽内の下層の汚泥を含む汚水と上層の上澄の汚水を混合する混合手段と、放流水の浮遊物質濃度を計測する計測器と、該計測器からの信号に応じて前記混合手段を制御する制御器とからなる汚水処理システム。
  3. 散気装置を備えて流入汚水を貯留する貯留槽と、散気装置を備えた曝気槽と、前記貯留槽の流入汚水を該曝気槽へ流量調整して移送する移送手段と、前記曝気槽から汚泥を含む汚水を導入して沈殿処理する沈殿槽と、散気装置を備えた再曝気槽と、前記沈殿槽から該再曝気槽へ汚泥を含む汚水を返送する返送手段と、前記再曝気槽から前記貯留槽へ汚泥を含む汚水を移送する連通管と、前記沈殿槽内の下層の汚泥を含む汚水と上層の上澄の汚水を混合する混合手段と、放流水の浮遊物質濃度を計測する計測器と、該計測器からの信号に応じて前記混合手段を制御する制御器とからなる汚水処理システム。
  4. 散気装置を備えた曝気槽と、該曝気層から汚泥を含む汚水を導入して沈殿処理する沈殿槽と、該沈殿槽から下層の汚泥を含む汚水を前記曝気槽へ返送する返送手段と、前記沈殿槽内の上層の上澄の汚水を導入する放流槽と、該放流槽に前記沈殿槽から下層の汚泥を含む汚水を供給して混合する混合手段と、前記放流槽内の水位を検知する水位検知器と、該水位検知器で検知された水位差に応じた水量の汚泥を含む汚水を前記放流槽に供給すべく前記水位検知器からの信号に応じて前記混合手段を制御する制御器とからなる汚水処理システム。
  5. 散気装置を備えた曝気槽と、該曝気槽から汚泥を含む汚水を導入して沈殿処理する沈殿槽と、該沈殿槽の下層の汚泥を含む汚水を前記曝気槽へ返送する返送手段と、前記沈殿槽内の下層の汚泥を含む汚水と上層の上澄の汚水とを混合する混合手段と、前記沈殿槽内の上澄の汚水を導入する放流槽と、該放流槽内に配設された撹拌装置と、前記放流槽の放流水の浮遊物質濃度を計測する計測器と、該計測器からの信号に応じて前記混合手段を制御する制御器とを備え、前記放流槽から系外に排出する放流水を該放流槽に戻す配管を構築し、その配管内に前記計測器の検知部分を浸漬設置した浮遊物質濃度計測装置を前記放流槽の外部に設置してなる汚水処理システム。
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