JP4932231B2 - ポンプ装置、及びこのポンプ装置を備えた汚水浄化槽 - Google Patents
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Description
図5を用いてエアリフトポンプの一例を説明すると、エアリフトポンプは、通常、揚水管61と、送気管62とから構成されている。このポンプの原理を説明すると、先ず、送気管62から揚水管61内に空気を送ると、管内の水と空気が混合されて、管内の水の比重が軽くなる。そうすると、水槽内の水圧により揚水管61内の水は、連続的に押し上げられるようになり、その結果、水槽内の水を揚水・移送することができる。
次にこのポンプの原理について説明する。先ず空気を送る前は密閉容器73内には水が満たされている。ここに空気供給管74より空気を送ると、この空気圧により密閉容器73内の水は揚水管72から上方に押し出されて、水が移送される。
密閉容器73内の水が減少して容器内の水位が揚水管72の下端部75以下になると、空気供給管74から送る空気は揚水管72から逃げて密閉容器73内の圧力が減少し、同時に取り込み口71から密閉容器73内に水が流入する。
その後、密閉容器73内の水位が揚水管72の下端部75よりも高くなり、空気供給管74の空気圧が取り込み口71からの水圧よりも大きくなると、取り込み口71に設けられた開閉弁76が閉じて、再び密閉容器73内の水が空気圧により揚水管72から押し出される。この繰り返しにより、密閉容器73内の水を揚水管72から排出させている。(特許文献1参照)
一方、小流量の液体を供給する手段としては電磁式等の電動ポンプが挙げられるが、これらのポンプは、例えば小規模浄化槽の分野では高価であり実際に使用することが困難であった。
(1)本発明は、液体を収容する第一の容器と、この第一の容器内の液体中に浸漬するように収容される第二の容器とを備え、この第二の容器が、上記第一の容器内の液体を第二の容器内に取り込む流入口と、第二の容器内の液体を第一の容器外に排出する排出管と、第二の容器内の液体を加圧して前記排出管側と、前記流入口を介して前記第一の容器内の液体側へと押し出すための気体流入管とを有し、前記流入口の断面積が、排出管の軸方向の断面積未満であるポンプ装置である。
(2)項は、液体を収容する第一の容器と、この第一の容器内の液体中に浸漬するように収容される第二の容器とを備え、この第二の容器が、上記第一の容器内の液体を第二の容器内に取り込む流入口と、第二の容器内の液体を第一の容器外に排出する排出管と、第二の容器内の液体を加圧して、前記排出管側と、前記流入口を介して前記第一の容器内の液体側へと押し出すための気体流入管とを有し、前記流入口が、第二の容器の底面に設けられているポンプ装置。
(3)項(1)又は(2)において、排出管の軸方向の断面積が、第二の容器の排出管を設置する面の断面積以下であるポンプ装置。
(4)項(1)乃至(3)の何れかに記載されるポンプ装置が、エアリフトポンプを備える第3の容器内に、上記エアリフトポンプにより第3の容器内の液体を第一の容器内に供給して溢流させ、溢流した液体を再び第3の容器内に収容するように配置されるポンプ装置。
(5)項(4)において、エアリフトポンプに供給する気体が、第二の容器の気体流入管に送る気体の一部を分岐したものである請求項4のポンプ装置。
(6)項(1)乃至(5)の何れかに記載されるポンプ装置を備えた汚水浄化槽。
また、本発明のポンプ装置を備える汚水浄化槽によれば、電動ポンプ等の高価な装置を用いることなく、安価で簡単な装置で小流量の液体を供給することができる。
図1は、本発明のポンプ装置の、一実施例を示す概略断面図であり、(a)は気体供給前の状態、(b)は気体供給時の状態(最初の数秒間)、(c)は気体供給時の状態(第二の容器2内の液体排出後)、(d)は気体の供給を停止して数秒後の状態である。
気体を供給する前の状態(a)において、ポンプ装置の第二の容器2内には第一の容器1の水位と同じ水位の液体が収容されている。ここで、気体流入管5から気体を流入させると、第二の容器2内の液体は容器内の圧力の上昇により押し出されて、排出管4から液体が排出されるとともに、一部は流入口3から排出される(bの状態)。次に、第二の容器2内の液体が排出された後は、流入口3と排出管4とから気体が排出されたままの状態となる(cの状態)。このとき、第二の容器2内の圧力は、流入口3にかかる水圧よりも高くなるように設定しているので、気体供給している間に流入口3から第一の容器1内の液体が流入することはない。次に、気体の供給を停止すると、第一の容器1内の液体が流入口3から第二の容器2内に流入し(dの状態)、気体供給前の(a)の状態に戻る。このサイクルを繰り返すことにより、一定容積の液体を供給することができる。
ポンプ装置は、液体を収容する第一の容器1と、第一の容器1内の液体中に浸漬するように収容される第二の容器2とを備えている。この第二の容器2には、上記第一の容器1内の液体を第二の容器2内に取り込む流入口3と、第二の容器2内の液体を第一の容器1外に排出する排出管4と、第二の容器2内の液体を加圧して排出管4へと押し出す気体流入管5とを有している。
また、流入口3の断面積は、排出管4の軸方向の断面積よりも小さいことが好ましい。流入口3の断面積が、排出管4の軸方向の断面積よりも大きくなると、気体流入管5から気体を供給した時に、第二の容器2内の液体が流入口3から逃げやすくなり、排出管4から液体を排出しにくくなってしまうためである。
但し、流入口3の断面積を小さくし過ぎると、液体中に異物が存在する場合に流入口3において目詰まりが生じやすくなってしまう。従って、流入口3の断面積は、概ね0.5mm2以上、更に好ましくは3mm2以上であり、且つ排出管4の軸方向の断面積以下であることが好ましい。
流入口3の代わりに、第二の容器2内が加圧状態の時に閉じて、加圧されていない状態の時に開くような開閉弁を設けても、同様の機能を持たせることができる。
排出管4の軸方向の断面積は、第二の容器2の排出管4を設ける面の断面積よりも同等以下であることが好ましい。排出管4の軸方向の断面積が第二の容器2の排出管4を設ける面の断面積よりも大きくなると、第二の容器2内の液体を排出する際に排出管4内でフラッディング状態になりやすくなり、結果として液体供給量が不安定になるためである。
なお、図1及び2に示す実施例では、排出管4を1個しか設けていないが、これに限定されることはなく、必要に応じて複数個の排出管4を設けて複数箇所に液体を供給させることもできる。
気体流入管5の断面形状、材質、及び管径等は、必要に応じて任意に設定することができる。また、気体流入管5の設置位置は特に限定されることはないが、設置性を考慮すると第二の容器2の上面もしくは側面に設置することが好ましい。
図3は、ポンプ装置の別の実施例の概略断面図であり、ポンプ装置は、エアリフトポンプ7を備える第三の容器8と、前記した第一の容器1と第二の容器2とを有した構成であるポンプ装置ユニット80とを備えている。
また、本実施例では、エアリフト式のポンプを用いているが、これに限定されることはなく間欠定量式のポンプもしくは電動ポンプを用いることもできる。
汚水浄化槽は、嫌気処理槽第1室21、嫌気処理槽第2室22、好気処理槽30、処理水槽(沈殿槽)40、消毒槽33並びにポンプ装置50を備えている。また、嫌気処理槽第一室21と嫌気処理槽第二室22の上部には、流量調整部25を設けている。
尚、濾床23は、嫌気濾床槽第2室22にだけ設けてもよく、または嫌気濾床槽第1室21及び嫌気濾床槽第2室22の両室から除くこともできる。
好気処理槽30からの移流液は、処理水槽40を経て、消毒槽33に入り薬筒38と接触させて消毒した後、処理水として放流口41から放流される。
本発明のポンプ装置の一例を用いた試験例を以下に示す。試験は、図1に示すポンプ装置を用いて実施した。また、比較例としてエアリフト式ポンプの試験も実施した。試験に用いたポンプ装置の仕様を表1に、試験条件を表2に、試験結果を表3に示す。
Claims (6)
- 液体を収容する第一の容器と、この第一の容器内の液体中に浸漬するように収容される第二の容器とを備え、この第二の容器が、上記第一の容器内の液体を第二の容器内に取り込む流入口と、第二の容器内の液体を第一の容器外に排出する排出管と、第二の容器内の液体を加圧して前記排出管側と、前記流入口を介して前記第一の容器内の液体側へと押し出すための気体流入管とを有し、前記流入口の断面積が、排出管の軸方向の断面積未満であるポンプ装置。
- 液体を収容する第一の容器と、この第一の容器内の液体中に浸漬するように収容される第二の容器とを備え、この第二の容器が、上記第一の容器内の液体を第二の容器内に取り込む流入口と、第二の容器内の液体を第一の容器外に排出する排出管と、第二の容器内の液体を加圧して、前記排出管側と、前記流入口を介して前記第一の容器内の液体側へと押し出すための気体流入管とを有し、前記流入口が、第二の容器の底面に設けられているポンプ装置。
- 請求項1または2において、排出管の軸方向の断面積が、第二の容器の排出管を設置する面の断面積以下であるポンプ装置。
- 請求項1乃至3の何れかに記載されるポンプ装置が、エアリフトポンプを備える第3の容器内に、上記エアリフトポンプにより第3の容器内の液体を第一の容器内に供給して溢流させ、溢流した液体を再び第3の容器内に収容するように配置されるポンプ装置。
- 請求項4において、エアリフトポンプに供給する気体が、第二の容器の気体流入管に送る気体の一部を分岐したものである請求項4のポンプ装置。
- 請求項1乃至5の何れかに記載されるポンプ装置を備えた汚水浄化槽。
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