WO2020218588A1

WO2020218588A1 - 酸化染料含有組成物

Info

Publication number: WO2020218588A1
Application number: PCT/JP2020/017854
Authority: WO
Inventors: 拓勅使川原; 航輝河合; 紗希藤田
Original assignee: ホーユー株式会社
Priority date: 2019-04-26
Filing date: 2020-04-24
Publication date: 2020-10-29

Abstract

【課題】本発明の課題は、染毛剤として使用される硫酸塩が付加された酸化染料を含有する乳化状の酸化染料含有組成物において、乳化安定性に優れた組成物を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、本発明として（Ａ）硫酸塩が付加された酸化染料、（Ｂ）非イオン性界面活性剤として少なくとも、（Ｂ－１）平均付加モル数が１０未満であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を一種以上、（Ｂ－２）平均付加モル数が１０以上であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を一種以上、（Ｃ）高級アルコールを含有し、前記（Ａ）成分の含有量が２．０質量％以上であり、前記（Ｂ）成分の含有量に対する前記（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／（Ｂ））が２．５以上であり、乳化状であることを特徴とする酸化染料含有組成物を提供する。

Description

酸化染料含有組成物

　本発明は、染毛剤として使用される硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物に関する。

　酸化染毛剤は、酸化染料を含有する第１剤と、酸化剤を含有する第２剤を備え、毛髪へ適用する際に第１剤と第２剤を混合して使用するものである。毛髪へ適用された酸化染毛剤は、酸化染料が毛髪内部に浸透し、毛髪内部で酸化重合することにより発色する。酸化染料は、酸化重合することにより酸化染料重合体を形成し、毛髪内部に留まり、染毛料や一時着色料に比べて長期間染毛状態が維持される。

　酸化染料としては、染料中間体やカプラー、それらの硫酸塩などが知られており、例えば、特許文献１には、硫酸塩が付加された酸化染料、カチオン性界面活性剤、ＨＬＢが１７～２０である非イオン性界面活性剤、ＨＬＢが１１以下である非イオン性界面活性剤、高級アルコールを含有するクリーム状の剤型である酸化染毛剤組成物が開示されている。
　また、特許文献２、３には、硫酸塩が付加された酸化染料、ポリオキシエチレン鎖長が５０以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル、前記のポリオキシエチレンアルキルエーテルのポリオキシエチレン鎖長より短いポリオキシエチレン鎖長を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル、高級アルコールを含有する乳化状の組成物を備える２剤式毛髪化粧料が開示されている。
　また、特許文献４には、硫酸塩が付加された酸化染料、ポリオキシエチレン鎖長が５０以上のポリオキシエチレンアルキルエーテル、高級アルコールを含有する染毛用第１剤組成物が開示されている。

特開２０１７－２１０４３１号公報特開２０１２－２４０９４３号公報特開２０１４－８８３５９号公報特開２０１９－８１７３８号公報

　乳化状の酸化染料含有組成物に使用される酸化染料としては、塩が付加された酸化染料が汎用されており、特に費用面での有利性や入手のしやすさが好まれている。更には濃染性の面から、硫酸塩の付加された酸化染料を多量に配合することが好まれている。しかしながら、硫酸塩が付加された酸化染料の含有量が高くなると、当該酸化染料含有組成物の乳化状態が維持できず、製剤安定性が低下するという問題がある。
　また、このような酸化染料含有組成物をクリーム状とすると、乳化安定性は維持されているように見えるものの、硬さや滑らかさ、展延性といったクリームの性状は変化するという問題がある。多量の塩の配合により、クリーム状の酸化染料含有組成物の硬さが低下すると、容器から吐出する際や毛髪に適用した際に垂れ落ちる恐れがある。また、滑らかさや展延性が維持されないと、第２剤との混合性が低下する。そのため、硫酸塩が付加された酸化染料を高濃度で含有する酸化染料含有組成物では、乳化状態の安定性だけでなく、適度な硬さと滑らかさ、展延性を両立したクリーム性状の安定化も求められている。
　そこで、本発明の課題は、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物において、乳化安定性及び濃染性に優れた組成物、又は乳化状態及びクリーム性状の安定性に優れた組成物を提供することである。

　発明者は、上記課題に対して鋭意検討した結果、硫酸塩が付加された酸化染料を含む乳化状の酸化染料含有組成物において、ポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤の組み合わせ、及び組成物に含まれる非イオン性界面活性剤と高級アルコールの含有量の比を特定の値にすることにより、乳化安定性を向上させつつ、濃染性に優れるという知見に至り、本発明を完成した。また、特定のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤、高級アルコール及び２価、３価又は４価の溶剤を組み合わせることにより、乳化状態及びクリーム性状の安定性に優れるという知見に至り、本発明を完成した。
　すなわち、本発明は、以下の酸化染料含有組成物である。

　上記課題を解決するための本発明の酸化染料含有組成物は、（Ａ）硫酸塩が付加された酸化染料、（Ｂ）非イオン性界面活性剤として少なくとも、（Ｂ－１）平均付加モル数が１０未満であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を一種以上、（Ｂ－２）平均付加モル数が１０以上であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を一種以上、（Ｃ）高級アルコールを含有し、前記（Ａ）成分の含有量が２．０質量％以上であり、前記（Ｂ）成分の含有量に対する前記（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／（Ｂ））が２．５以上であり、乳化状であることを特徴とするものである。
　この酸化染料含有組成物によれば、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上させつつ、濃染性に優れるという効果を奏することができる。

　さらに、本発明の酸化染料含有組成物の一実施態様としては、界面活性剤の総量に対する前記（Ｃ）成分の含有量の比が２．０以上であることを特徴とするものである。
　この酸化染料含有組成物によれば、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上させつつ、濃染性に優れるという効果を奏することができる。

　さらに、本発明の酸化染料含有組成物の一実施態様としては、前記（Ｂ）非イオン性界面活性剤は、平均付加モル数の異なるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を三種以上含有することを特徴とするものである。
　この酸化染料含有組成物によれば、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上させるという効果をより奏することができる。

　さらに、本発明の酸化染料含有組成物の一実施態様としては、前記（Ｂ）成分の含有量に対する前記（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／（Ｂ））が４．５以上であることを特徴とするものである。
　この酸化染料含有組成物によれば、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性、及び濃染性を顕著に向上させるという効果を奏することができる。

　さらに、本発明の酸化染料含有組成物の一実施態様としては、（Ａ）硫酸塩が付加された酸化染料、（Ｂ）非イオン性界面活性剤として、（Ｂ－２）平均付加モル数が１０以上であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤、（Ｃ）高級アルコール、（Ｅ）２価、３価又は４価の溶剤を含有し、前記（Ａ）成分の含有量が２．０質量％以上であることを特徴とするものである。
　この酸化染料含有組成物によれば、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化状態及びクリーム性状の安定性を向上することができるという効果を奏する。クリーム性状の安定性を向上するという効果は、より詳細には、保存時にクリームの滑らかさや展延性を維持して第２剤との混合性の低下を抑制するという効果や、クリームの硬さを維持して垂れ落ちの発生を抑制するという効果がある。

　さらに、本発明の酸化染料含有組成物の一実施態様としては、（Ｂ）非イオン性界面活性剤として、（Ｂ－１）平均付加モル数が１０未満であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とするものである。
　この酸化染料含有組成物によれば、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を一層向上することができる。また、クリームの滑らかさや展延性を維持して２剤との混合性の低下を抑制することができる。

　さらに、本発明の酸化染料含有組成物の一実施態様としては、（Ｂ－１）成分の含有量及び（Ｂ－２）成分の含有量の和に対する（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／｛（Ｂ－１）＋（Ｂ－２）｝）が、１．６～７．０であることを特徴とするものである。
　上記比を１．６以上とすることにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を維持した上で、クリームの硬さを維持して垂れ落ちの発生を一層抑制することができる。上記比を７．０以下とすることにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を維持した上で、クリームの滑らかさや展延性を維持して２剤との混合性の低下を一層抑制することができる。

　さらに、本発明の酸化染料含有組成物の一実施態様としては、（Ｂ－２）成分は、平均付加モル数が５０以上であることを特徴とするものである。
　この酸化染料含有組成物によれば、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を一層向上することができる。また、クリームの滑らかさや展延性を維持し、第２剤との混合性の低下を抑制することができる。

　さらに、本発明の酸化染料含有組成物の一実施態様としては、（Ｆ）平均分子量が２００以上であるポリアルキレングリコールを含有することを特徴とするものである。
　この酸化染料含有組成物によれば、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を一層向上することができる。なお、これらの乳化状態及びクリーム性状の安定性の向上の他にも、酸化染料による頭皮などの地肌の着色（地肌汚れ）を抑制するという効果も認められる。

　さらに、本発明の酸化染料含有組成物の一実施態様としては、（Ｄ）カチオン性界面活性剤を含有することを特徴とするものである。
　この酸化染料含有組成物によれば、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上させるという効果を奏することができる。
　また、この酸化染料含有組成物によれば、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を一層向上することができる。また、クリームの硬さを維持して垂れ落ちの発生を抑制することができる。さらに、クリームの硬さを維持して垂れ落ちの発生を抑制することができる。

　本発明によれば、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する乳化状の酸化染料含有組成物において、乳化安定性、及び濃染性に優れた組成物を提供することができる。また、本発明によれば、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物において、乳化状態及びクリーム性状の安定性に優れた組成物を提供することができる。

　本発明の酸化染料含有組成物は、（Ａ）硫酸塩が付加された酸化染料、（Ｂ）非イオン性界面活性剤として少なくとも、（Ｂ－１）平均付加モル数が１０未満であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を一種以上、（Ｂ－２）平均付加モル数が１０以上であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を一種以上、（Ｃ）高級アルコールを含有し、前記（Ａ）成分の含有量が２．０質量％以上であり、前記（Ｂ）成分の含有量に対する前記（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／（Ｂ））が２．５以上であり、乳化状である。
　また、本発明の酸化染料含有組成物は、（Ａ）硫酸塩が付加された酸化染料、（Ｂ）非イオン性界面活性剤として、（Ｂ－２）平均付加モル数が１０以上であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤、（Ｃ）高級アルコール、（Ｅ）２価、３価又は４価の溶剤を含有し、前記（Ａ）成分の含有量が２．０質量％以上であることを特徴とするものである。
　なお、以下の説明では、酸化染料含有組成物を酸化染毛剤の第１剤、酸化剤含有組成物を酸化染毛剤の第２剤とする。

［第１剤：酸化染料含有組成物］
　本発明の酸化染料含有組成物は、乳化状の組成物である。本発明の乳化状とは、好ましくは水中油型乳化物である。また、本発明の酸化染料含有組成物は、乳液状、クリーム状であってもよい。本発明の酸化染料含有組成物は、乳化安定性に優れるという観点から、特にクリーム状であることが好ましい。

　次に、本発明の酸化染料含有組成物に使用する各成分について、詳細に説明する。なお、各成分の含有量については、特に断りがない場合には、各成分を混合した酸化染料含有組成物中の含有量を示す。また、以下の説明において、「ポリオキシエチレン」、「ＰＯＥ」、「ポリオキシプロピレン」、「ＰＯＰ」などに続くカッコ内の数字は、その平均付加モル数を示している。また、「アルキル」に続くカッコ内の数字は、脂肪酸鎖の炭素数を示している。

＜（Ａ）硫酸塩が付加された酸化染料＞
　（Ａ）成分である硫酸塩が付加された酸化染料は、酸化剤により酸化重合して発色する染料である。硫酸塩が付加された酸化染料には、染料中間体とカプラーがあり、染料中間体は、自身の酸化により発色する物質であり、カプラーは、染料中間体との組み合わせにより種々の色調となる物質である。
　また、硫酸塩が付加された酸化染料は、費用面での有利性や入手のしやすさなどから特に汎用されている。

　染料中間体は、主としてｏ－、又はｐ－のフェニレンジアミン類あるいはアミノフェノール類である染料先駆物質であり、通常、それ自体は無色か、又は弱く着色した化合物である。
　具体的には、ｐ－フェニレンジアミン、トルエン－２，５－ジアミン（ｐ－トルイレンジアミン）、Ｎ－フェニル－ｐ－フェニレンジアミン、４，４’－ジアミノジフェニルアミン、ｐ－アミノフェノール、ｏ－アミノフェノール、ｐ－メチルアミノフェノール、Ｎ，Ｎ－ビス（２－ヒドロキシエチル）－ｐ－フェニレンジアミン、２－ヒドロキシエチル－ｐ－フェニレンジアミン、ｏ－クロル－ｐ－フェニレンジアミン、４－アミノ－ｍ－クレゾール、２－アミノ－４－ヒドロキシエチルアミノアニソール、２，４－ジアミノフェノール、２，２’－［（４－アミノフェニル）イミノ］ビスエタノールなどの硫酸塩が例示される。染料中間体は、所望する毛髪の色調に応じて一種、又は二種以上を選択して使用することができる。

　カプラーは、主としてｍ－のジアミン類、アミノフェノール類、ジフェノール類の硫酸塩が挙げられる。具体的には、ｍ－アミノフェノール、５－アミノ－ｏ－クレゾール、５－（２－ヒドロキシエチルアミノ）－２－メチルフェノール、ｍ－フェニレンジアミン、２，４－ジアミノフェノキシエタノール、トルエン－３，４－ジアミン、２，６－ジアミノピリジン、ジフェニルアミン、Ｎ，Ｎ－ジエチル－ｍ－アミノフェノール、１－ヒドロキシエチル－４，５－ジアミノピラゾール、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、フロログルシン、没食子酸、ハイドロキノン、α－ナフトール、フェニルメチルピラゾロン、３，３’－イミノジフェニール、１，５－ジヒドロキシナフタレン、タンニン酸などの硫酸塩が例示される。カプラーは、所望する毛髪の色調に応じて一種、又は二種以上を選択して使用することができる。

　酸化染料含有組成物における硫酸塩が付加された酸化染料（Ａ）成分の含有量の上限値としては、特に制限されないが、例えば、好ましくは１５．０質量％以下であり、さらに好ましくは１０．０質量％以下であり、特に好ましくは８．０質量％以下である。
　また、本発明は、硫酸塩が付加された酸化染料の含有量を１５質量％以下とすることにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上することができる。また、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化状態及びクリーム性状の安定性を向上することができる。
　なお、通常の酸化染料含有組成物では、硫酸塩が付加された酸化染料の含有量が２．０質量％以上となると、当該酸化染料含有組成物の乳化状態が低下し、２．５質量％以上では、さらに製剤安定性を維持できなくなる。

　また、本発明の酸化染料含有組成物は、（Ａ）成分である硫酸塩が付加された酸化染料以外の酸化染料を含有してもよい。
　硫酸塩が付加された酸化染料以外の酸化染料には、硫酸塩以外の塩が付加された染料中間体やカプラー、及び塩が付加されていない染料中間体やカプラーが含まれる。酸化染料に付加される硫酸塩以外の塩としては、有機酸の付加塩、無機酸の付加塩が挙げられる。より具体的には、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩などが挙げられる。これらの具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。

　酸化染料含有組成物における（Ａ）成分である硫酸塩が付加された酸化染料成分以外の染料中間体やカプラーの含有量は、特に制限されないが、好ましくは０．０２質量％以上１０質量％以下である。下限値としては、より好ましくは０．１質量％以上であり、特に好ましくは０．２質量％以上である。上限値としては、より好ましくは８質量％以下であり、特に好ましくは６質量％以下である。

　酸化染料含有組成物における酸化染料の総含有量は、特に制限されないが、好ましくは２．０質量％以上１６質量％以下である。下限値としては、より好ましくは２．５質量％以上であり、さらに好ましくは３．０質量％以上であり、特に好ましくは３．５質量％以上である。上限値としては、より好ましくは１４質量％以下であり、さらに好ましくは１２質量％以下であり、特に好ましくは１０質量％以下である。なお、酸化染料の総含有量とは、染料中間体、カプラー、及びその塩のすべての総和である。

＜（Ｂ）非イオン性界面活性剤＞
　（Ｂ）成分である非イオン性界面活性剤は、非イオン性の親水基のみを有する界面活性剤である。例えば、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、モノグリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、アルキルポリグルコシド類などが挙げられる。
　また、これらの非イオン性界面活性剤は二種以上を組み合わせて配合できるが、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上させるという観点から三種以上組み合わせることが好ましい。例えば、下記（Ｂ－１）成分、（Ｂ－２）成分に加えて、その他の非イオン性界面活性剤を用いることもできる。特に、平均付加モル数の異なるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を三種以上含有することが好ましい。

　段落０００７に記載の酸化染料含有組成物の場合、（Ｂ）成分である非イオン性界面活性剤は少なくとも、（Ｂ－１）平均付加モル数が１０未満であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を一種以上と、（Ｂ－２）平均付加モル数が１０以上であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を一種以上含んでいれば特に制限されるものではない。
　また、段落００１１に記載の酸化染料含有組成物の場合、（Ｂ）成分である非イオン性界面活性剤は、（Ｂ－２）平均付加モル数が１０以上であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を一種以上含んでいれば特に制限されるものではない。さらに、（Ｂ－１）平均付加モル数が１０未満であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を一種以上含有することがより好ましい。
　（Ｂ－１）成分、（Ｂ－２）成分は、乳化粒子の周囲に良好なポリオキシエチレン鎖の層を形成するので、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上させることができる。なお、酸化染料含有組成物における（Ｂ－１）成分の含有量は、（Ｂ－２）成分の含有量以下とすることが好ましい。

　酸化染料含有組成物における非イオン性界面活性剤の総含有量は、特に制限されないが、例えば、０．０２質量％以上２０．０質量％以下である。下限値としては、好ましくは０．５質量％以上であり、より好ましくは１．５質量％以上であり、さらに好ましくは１．８質量％以上であり、特に好ましくは２．０質量％以上である。上限値としては、好ましくは１０．０質量％以下であり、より好ましくは８．０質量％以下であり、さらに好ましくは５．０質量％以下であり、特に好ましくは２．５質量％以下である。
　（Ｂ）成分である非イオン性界面活性剤の含有量を上記範囲とすることで、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化状態及びクリーム性状の安定性をより向上させることができる。

＜（Ｂ－１）平均付加モル数が１０未満であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤＞
　（Ｂ－１）成分である平均付加モル数が１０未満であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤は、親水基としてポリオキシエチレン鎖を有し、疎水基として炭化水素基を有する非イオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が１０未満のものである。なお、ポリオキシエチレンの平均付加モル数は２以上６以下のものが好ましい。
　（Ｂ－１）成分を含有することにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を一層向上することができる。また、クリームの硬さを維持して垂れ落ちの発生を抑制することができる。

　この平均付加モル数が１０未満であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤は、一分子中に複数のポリオキシエチレン鎖を有していてもよい。なお、一分子中に複数のポリオキシエチレン鎖を有する場合には、ポリオキシエチレンの平均付加モル数とは、単一のポリオキシエチレン鎖における平均付加モル数を意味する。
　また、疎水基は、ポリオキシエチレン鎖の両末端、又は片末端のいずれに結合してもよい。
　なお、（Ｂ－１）成分における親水基は、ポリオキシエチレン鎖以外の非イオン性の親水基を有していてもよい。

　（Ｂ－１）成分における疎水基は、炭化水素基である。炭化水素基の炭素数は、特に制限されないが、好ましくは６以上４０以下である。下限値としては、より好ましくは８以上であり、さらに好ましくは１２以上であり、特に好ましくは１４以上であり、より特に好ましくは１６以上である。上限値としては、より好ましくは３０以下であり、さらに好ましくは２４以下であり、特に好ましくは２２以下である。

　（Ｂ－１）成分における炭化水素基は、例えば、アルキル基、アルキレン基、環式炭化水素基などが挙げられる。好ましくはアルキル基、又はアルキレン基であり、より好ましくはアルキル基である。アルキル基を有する場合、乳化粒子の周囲にポリオキシエチレン鎖が密に配置されるため、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を高める効果がある。

　なお、（Ｂ－１）成分における炭化水素基は、複数の置換基を有するものでもよい。また、炭化水素基は、炭素以外の原子を含むものでもよい。炭素以外の原子としては、例えば、窒素、硫黄、ケイ素などが挙げられる。

　また、（Ｂ－１）成分における疎水基は、炭化水素基以外の疎水基を有していてもよい。その他の疎水基としては、例えば、シロキサン基などが挙げられる。

　（Ｂ－１）成分は、特に制限されるものではない。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、エステルエーテル型非イオン性界面活性剤などが挙げられる。

　（Ｂ－１）成分の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数が１０未満のエーテル型非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテルなどが挙げられ、ポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数が１０未満のエステル型非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上させるという観点から、好ましくはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、特に好ましくは、ポリオキシエチレン（２）セチルエーテル、ポリオキシエチレン（２）ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン（５）ベヘニルエーテルである。
　また、これらの（Ｂ－1）成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

＜（Ｂ－２）平均付加モル数が１０以上であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤＞
　（Ｂ－２）成分である平均付加モル数が１０以上であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤は、親水基としてポリオキシエチレン鎖を有し、疎水基として炭化水素基を有する非イオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が１０以上のものである。
　（Ｂ－２）成分を含有することにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化状態及びクリーム性状の安定性を向上することができるという効果を奏する。

　このポリオキシエチレン鎖長が１０以上の非イオン性界面活性剤は、一分子中に複数のポリオキシエチレン鎖を有していてもよい。なお、一分子中に複数のポリオキシエチレン鎖を有する場合には、ポリオキシエチレンの平均付加モル数とは、単一のポリオキシエチレン鎖における平均付加モル数を意味する。

　段落０００７に記載の酸化染料含有組成物の場合、平均付加モル数は、特に限定されないが、下限値としては、好ましくは１２以上、より好ましくは１４以上、特に好ましくは１６以上である。

　段落００１１に記載の酸化染料含有組成物の場合、平均付加モル数は、特に限定されないが、下限値としては、好ましくは２０以上であり、より好ましくは３０以上であり、更に好ましくは５０以上であり、特に好ましくは１００以上である。（Ｂ－２）成分のポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数を高くすると、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を一層向上することができ、また、クリームの硬さを維持して垂れ落ちの発生を抑制することができる。

　また、疎水基は、ポリオキシエチレン鎖の両末端、又は片末端のいずれに結合してもよい。
　なお、（Ｂ－２）成分における親水基は、ポリオキシエチレン鎖以外の非イオン性の親水基を有していてもよい。

　（Ｂ－２）成分における疎水基は、炭化水素基である。炭化水素基の炭素数は、特に制限されないが、好ましくは６以上４０以下である。下限値としては、より好ましくは８以上であり、さらに好ましくは１２以上であり、特に好ましくは１４以上であり、より特に好ましくは１６以上である。上限値としては、より好ましくは３０以下であり、さらに好ましくは２４以下であり、特に好ましくは２２以下である。

　（Ｂ－２）成分における炭化水素基は、例えば、アルキル基、アルキレン基、環式炭化水素基などが挙げられる。好ましくはアルキル基、又はアルキレン基であり、より好ましくはアルキル基である。アルキル基を有する場合、乳化粒子の周囲にポリオキシエチレン鎖が密に配置されるため、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を高める効果がある。また、クリームの滑らかさや展延性を維持し、第２剤との混合性の低下を抑制することができる。

　なお、（Ｂ－２）成分における炭化水素基は、複数の置換基を有するものでもよい。また、炭化水素基は、炭素以外の原子を含むものでもよい。炭素以外の原子としては、例えば、窒素、硫黄、ケイ素などが挙げられる。

　また、（Ｂ－２）成分における疎水基は、炭化水素基以外の疎水基を有していてもよい。その他の疎水基としては、例えば、シロキサン基などが挙げられる。

　（Ｂ－２）成分は、特に制限されるものではない。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、エステルエーテル型非イオン性界面活性剤などが挙げられる。

　（Ｂ－２）成分の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数が１０以上のエーテル型非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテルなどが挙げられ、ポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数が１０以上のエステル型非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上させるという観点から、好ましくはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、特に好ましくはポリオキシエチレン（２０）セチルエーテル、ポリオキシエチレン（１５）セチルエーテル、ポリオキシエチレン（３０）セチルエーテル、ＰＯＥ（５０）オレイルエーテル、ＰＯＥ（１００）ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数が１０以上のＰＯＥ・ＰＯＰアルキルエーテル、ＰＯＥ（１００）オレイルエーテルである。
　また、これらの（Ｂ－２）成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。例えば、ポリオキシエチレン（２０）セチルエーテル、ポリオキシエチレン（１５）セチルエーテル、ポリオキシエチレン（３０）セチルエーテル、ＰＯＥ（５０）オレイルエーテルから選ばれるものと、ＰＯＥ（１００）ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数が１０以上のＰＯＥ・ＰＯＰアルキルエーテル、ＰＯＥ（１００）オレイルエーテルから選ばれるものを併用することができる。

　（Ｂ－１）成分、及び（Ｂ－２）成分は、それぞれ一種類ずつ配合してもよいが、酸化染料含有組成物における乳化安定性の観点から、（Ｂ－１）成分が一種類、（Ｂ－２）成分が二種類、又は（Ｂ－１）成分が二種類、（Ｂ－２）成分が一種類など、（Ｂ－１）成分、（Ｂ－２）成分として三種以上の組み合わせとすることが好ましい。特に好ましくは、（Ｂ－１）成分が一種類、（Ｂ－２）成分が二種類の組み合わせである。なお、乳化安定性又は乳化状態及びクリーム性状の安定性の観点から、酸化染料含有組成物における（Ｂ－２）成分の含有量は、（Ｂ－１）成分の含有量以上とすることが好ましい。
　また、（Ｂ－１）成分におけるポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数と、（Ｂ－２）成分におけるポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数の差は、好ましくは４以上であり、より好ましくは１０以上であり、特に好ましくは１４以上である。
　三種類以上の平均付加モル数の異なるポリオキシエチレン鎖を有する（Ｂ－１）成分と（Ｂ－２）成分の組み合わせとしては、特に好ましくはポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数が５以下の（Ｂ－１）成分と、ポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数が２０以上の（Ｂ－２）成分、及びポリオキシエチレン鎖の平均付加モル数が３０以上の（Ｂ－２）成分の組み合わせである。

　酸化染料含有組成物における（Ｂ－１）成分である平均付加モル数が１０未満であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤の含有量は、目的とする非イオン性界面活性剤の作用を発揮できれば特に制限されるものではなく、好ましくは０．０１～１０質量％である。下限値としては、より好ましくは０．０５質量％以上であり、さらに好ましくは０．１質量％以上であり、特に好ましくは０．２質量％以上であり、より特に好ましくは０．３質量％以上である。上限値としては、より好ましくは５．０質量％以下であり、さらに好ましくは２．５質量％以下であり、特に好ましくは１．５質量％以下である。

　酸化染料含有組成物における（Ｂ－２）成分である平均付加モル数が１０以上であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤の含有量は、目的とする非イオン性界面活性剤の作用を発揮できれば特に制限されるものではなく、好ましくは０．０１～１０質量％である。下限値としては、より好ましくは０．０５質量％以上であり、さらに好ましくは０．１質量％以上であり、特に好ましくは０．６質量％以上であり、より特に好ましくは１．５質量％以上である。上限値としては、より好ましくは５．０質量％以下であり、さらに好ましくは３．０質量％以下であり、特に好ましくは２．５質量％以下であり、より特に好ましくは２．０質量％以下である。

　酸化染料含有組成物における（Ｂ－１）成分と（Ｂ－２）成分の含有量の合計は、目的とする非イオン性界面活性剤の作用を発揮できれば特に制限されるものではない。例えば、酸化染料含有組成物における非イオン性界面活性剤である（Ｂ）成分の含有量としては、好ましくは０．０２質量％以上２０．０質量％以下であってもよい。下限値としては、好ましくは０．５質量％以上であり、より好ましくは１．５質量％以上であり、さらに好ましくは１．８質量％以上であり、特に好ましくは２．０質量％以上である。上限値としては、好ましくは１０．０質量％以下であり、より好ましくは８．０質量％以下であり、さらに好ましくは５．０質量％以下であり、特に好ましくは２．５質量％以下である。
　また、（Ｂ）成分の含有量に対する（Ａ）成分の含有量の比（（Ａ）／（Ｂ））は、０．３以上５．０以下とすることが好ましい。下限値としては、濃染性の観点から、より好ましくは０．４以上であり、さらに好ましくは０．５以上である。上限値としては、乳化安定性の観点から、より好ましくは４．０以下であり、さらに好ましくは３．０以下である。

＜（Ｃ）高級アルコール＞
　（Ｃ）成分である高級アルコールは、炭素数６以上の炭化水素に置換基として水酸基を有する化合物である。
　水酸基の数は、特に制限されず、複数の水酸基を有する多価アルコールでもよいが、好ましくは一価アルコールである。また、水酸基以外の他の置換基を有していてもよい。
　また、炭化水素は、飽和炭化水素、及び不飽和炭化水素のいずれでもよい。

　（Ｃ）成分である高級アルコールの炭素数は、特に制限されるものではない。例えば、高級アルコールの炭素数としては、好ましくは８～４０である。下限値としては、より好ましくは１０以上であり、さらに好ましくは１２以上であり、特に好ましくは１４以上であり、より特に好ましくは１６以上である。上限値としては、より好ましくは３５以下であり、さらに好ましくは３０以下であり、特に好ましくは２８以下であり、より特に好ましくは２４以下である。高級アルコールの炭素数をこの範囲とすることにより、酸化染料含有組成物の乳化安定性又は乳化状態及びクリーム性状の安定性を向上するという本発明の効果を一層発揮することができる。

　また、高級アルコールの炭素鎖は、飽和のものでも不飽和のものでもよい。炭素鎖が分岐鎖状である２－オクチルドデカノールなどの高級アルコールも用いることができる。なお、乳化状態及びクリーム性状の安定性の観点から、高級アルコールの炭素鎖は、炭素鎖が直鎖状である高級アルコールの方が好ましい。
　高級アルコールの水酸基の数は、特に制限されず、複数の水酸基を有する多価アルコールでもよい。なお、好ましくは一価アルコールである。また、水酸基以外の他の置換基を有していてもよい。

　高級アルコールの具体例としては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール（セタノール）、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、２－ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、２－オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール、フィトステロール、コレステロールなどが挙げられる。硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上させるという観点から、好ましくはセタノール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコールである。
　また、これらの高級アルコールは単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

　酸化染料含有組成物における高級アルコールの含有量は、目的とする高級アルコールの作用を発揮できれば特に制限されるものではない。例えば、高級アルコールの含有量としては、好ましくは５．０質量％以上１５．０質量％以下である。下限値としては、より好ましくは５．５質量％以上、さらに好ましくは６．０質量％以上、特に好ましくは７．０質量％以上である。一方、上限値としては、より好ましくは１４．０質量％以下、さらに好ましくは１２．０質量％以下、特に好ましくは１０．０質量％以下である。
　なお、高級アルコールの含有量を５．０質量％以上１５．０質量％以下の範囲とすることで、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化状態及びクリーム性状の安定性をより向上させることができるので、（Ｃ）成分の含有量は上記範囲とすることが望ましい。

　段落００１１に記載の酸化染料含有組成物の場合、（Ｂ－１）成分の含有量及び（Ｂ－２）成分の含有量の和に対する（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／｛（Ｂ－１）＋（Ｂ－２）｝）は、１．６～７．０であることが好ましい。この範囲とすることにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上させつつ、クリームの性状を安定化させることができる。より詳細には、上記比が１．６以上である場合、クリームの硬さを維持して垂れ落ちの発生を一層抑制することができる。また、上記比が７．０以下である場合、クリームの滑らかさや展延性を維持して２剤との混合性の低下を一層抑制することができる。（Ｂ－１）成分の含有量及び（Ｂ－２）成分の含有量の和に対する（Ｃ）成分の含有量の比の下限値としては、好ましくは２．０以上、さらに好ましくは３．０以上であり、上限値としては、好ましくは６．５以下、さらに好ましくは６．０以下である。

　また、段落０００７に記載の酸化染料含有組成物の場合、（Ｂ）成分と（Ｃ）成分の酸化染料含有組成物における含有量は、（Ｂ）成分の含有量に対する（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／（Ｂ））を２．５以上とすることにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性、及び濃染性を顕著に向上させることができる。（Ｂ）成分の含有量に対する（Ｃ）成分の含有量の比の下限値としては、好ましくは３．０以上、さらに好ましくは４．０以上であり、上限値としては、好ましくは１０．０以下、さらに好ましくは９．０以下である。

　また、（Ｃ）成分の酸化染料含有組成物における含有量は、酸化染料含有組成物に含有する界面活性剤の総量に対して、質量比として２．０以上とすることが好ましい。これにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性、及び濃染性を効果的に向上させることができる。酸化染料含有組成物に含有する界面活性剤の総量に対する（Ｃ）成分の含有量の比の下限値としては、好ましくは、２．５以上、さらに好ましくは３．０以上である。一方、上限値としては、好ましくは、２０．０以下、より好ましくは１５．０以下、さらに好ましくは１０．０以下である。

＜（Ｄ）カチオン性界面活性剤＞
　（Ｄ）成分であるカチオン性界面活性剤は、水に溶解してイオン解離をする親水基が陽イオンとなる界面活性剤である。例えば、モノアルキル型４級アンモニウム塩、ジアルキル型４級アンモニウム塩、トリアルキル型４級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型４級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型４級アンモニウム塩などのアルキル４級アンモニウム塩類、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有３級アミン塩、アーコベル型３級アミン塩などのアミン塩類、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリウム塩などの環式４級アンモニウム塩類、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられる。

　好ましくは、アルキル４級アンモニウム塩類であり、さらに好ましくは、モノアルキル型４級アンモニウム塩、ジアルキル型４級アンモニウム塩であり、特に好ましくは、モノアルキル型４級アンモニウム塩である。

　モノアルキル型４級アンモニウム塩の具体例としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル（２８）トリメチルアンモニウム、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上させるという観点から、好ましくは塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムであり、特に好ましくは塩化ステアリルトリメチルアンモニウムである。

　また、モノアルキル型４級アンモニウム塩のアルキル基は、特に制限されるものではない。例えば、モノアルキル型４級アンモニウム塩のアルキル基は、好ましくは炭素数６以上４０以下である。下限値としては、より好ましくは８以上であり、さらに好ましくは１２以上であり、特に好ましくは１６以上であり、より特に好ましくは１８以上である。上限値としては、より好ましくは３５以下であり、さらに好ましくは３０以下であり、特に好ましくは２８以下であり、より特に好ましくは２４以下である。モノアルキル型４級アンモニウム塩のアルキル基をこの範囲とすることにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を向上するという本発明の効果を一層発揮することができる。

　ジアルキル型４級アンモニウム塩の具体例としては、例えば、塩化ジアルキル（１２～１５）ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル（１２～１８）ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル（１４～１８）ジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化イソステアリルラウリルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。

　酸化染料含有組成物におけるカチオン性界面活性剤（Ｄ）の含有量は、特に制限されるものではなく、好ましくは０．０１質量％以上１０．０質量％以下である。下限値としては、より好ましくは０．０５質量％以上であり、さらに好ましくは０．１質量％以上であり、特に好ましくは０．３質量％以上であり、より特に好ましくは０．５質量％以上である。上限値としては、より好ましくは５．０質量％以下であり、さらに好ましくは３．０質量％以下であり、特に好ましくは２．０質量％以下である。カチオン性界面活性剤（Ｄ）の含有量を、上記範囲に調整することにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性が一層高まるという効果を奏する。

　乳化安定性の観点から、（Ｄ）成分の含有量に対する（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／（Ｄ））は、３．０以上２５．０以下とすることが好ましい。下限値としては、より好ましくは４．０以上であり、さらに好ましくは５．０以上である。上限値としては、より好ましくは２０．０以下であり、さらに好ましくは１５．０以下である。
　また、乳化安定性の観点から、（Ｄ）成分の含有量に対する（Ｂ）成分の含有量の比（（Ｂ）／（Ｄ））は、０．２５以上１５．０以下とすることが好ましい。下限値としては、より好ましくは０．５以上であり、さらに好ましくは１．０以上である。上限値としては、より好ましくは１０．０以下であり、さらに好ましくは５．０以下である。

＜（Ｅ）２価、３価又は４価の溶剤＞
　（Ｅ）成分である２価、３又は４価の溶剤は、２価、３価又は４価のアルコールであって、二個、三個又は四個の水酸基を有するアルコールである。また、（Ｅ）成分の分子量は、２００未満である。
　２価、３価又は４価の溶剤を含有することにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を一層向上することができる。またクリームの滑らかさを維持し、第２剤との混合性の低下を抑制することができる。

　２価のアルコールの具体例としては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、１，３－ブチレングリコールなどが挙げられる。また、３価のアルコールの具体例としては、例えば、グリセリンが挙げられる。４価のアルコールの具体例としては、例えば、ジグリセリンが挙げられる。これらの２価、３価又は４価のアルコールは、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

　酸化染料含有組成物における２価、３価又は４価の溶剤の含有量は、特に制限されるものではない。例えば、２価、３価又は４価の溶剤の含有量としては、好ましくは０．１質量％以上３０．０質量％以下である。下限値としては、より好ましくは０．５質量％以上であり、さらに好ましくは１．０質量％以上であり、特に好ましくは２．０質量％以上である。一方、上限値としては、より好ましくは２０．０質量％以下であり、さらに好ましくは１５．０質量％以下であり、特に好ましくは１０．０質量％以下である。２価、３価又は４価の溶剤の含有量を上記範囲とすることで、酸化染料含有組成物の乳化状態及びクリーム性状の安定性を一層向上することができる。

＜（Ｆ）平均分子量が２００以上のポリアルキレングリコール＞
　（Ｆ）成分であるポリアルキレングリコールは、平均分子量が２００以上のポリアルキレングリコールである。
　（Ｆ）成分を含有することにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を一層向上することができる。なお、これらの乳化状態及びクリーム性状の安定性の向上の他にも、酸化染料による頭皮などの地肌の着色（地肌汚れ）を抑制するという効果も認められる。

　ポリアルキレングリコールの平均分子量の下限値としては、好ましくは３００以上であり、より好ましくは４００以上であり、更に好ましくは５００以上であり、特に好ましくは１０００以上である。一方、ポリアルキレングリコールの平均分子量の上限値としては、特に制限されないが、好ましくは２００００以下であり、より好ましくは１００００以下であり、更に好ましくは７０００以下である。
　なお、本明細書におけるポリアルキレングリコールの平均分子量とは、「ＪＩＳ　Ｋ　１５５７」に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。

　（Ｆ）成分におけるオキシアルキレン基の繰り返し単位は、２種以上のオキシアルキレン基を含んでもよく、ランダム重合、ブロック重合のいずれの重合物でもよい。オキシアルキレン基の炭素数は２～６であり、その上限値は、好ましくは４以下であり、より好ましくは３以下であり、特に好ましくは２である。炭素数をこの範囲とすることにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化状態及びクリーム性状の安定性を一層向上することができる。

　（Ｆ）成分のポリアルキレングリコールの具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール（例えば、ＰＥＧ４００、ＰＥＧ１０００、ＰＥＧ１５００、ＰＥＧ１５４０など）、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。これらのポリアルキレングリコールは、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

　酸化染料含有組成物における（Ｆ）成分の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、０．０１質量％以上３０．０質量％以下である。下限値としては、好ましくは０．０５質量％以上であり、より好ましくは０．１質量％以上であり、更に好ましくは０．５質量％以上であり、特に好ましくは１．０質量％以上である。一方、上限値としては、好ましくは２０．０質量％以下であり、より好ましくは１５．０質量％以下であり、更に好ましくは１０．０質量％以下である。この範囲とすることにより、乳化状態及びクリーム性状の安定性を一層向上することができる。

＜その他の成分＞
　本発明の酸化染料含有組成物は、上記（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分、（Ｄ）成分、（Ｅ）成分及び（Ｆ）成分以外に、必要に応じて以下の成分を含有してもよい。例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、油性成分（Ｃ成分を除く）、高分子化合物、ペプチド、アミノ酸、キレート剤、ｐＨ調節剤、アルカリ剤、直接染料が挙げられる。

（アニオン性界面活性剤）
　アニオン性界面活性剤は、陰イオン性の親水基を持つ界面活性剤である。例えば、アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、アルケニル硫酸エステル塩、アルケニルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、α－スルホン脂肪酸塩、Ｎ－アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノエステル型界面活性剤、リン酸ジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステルなどが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンは、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンなどが挙げられる。

　アニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸ナトリウム（ラウレス硫酸ナトリム）、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸塩、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウムなどのＮ－ラウロイルグルタミン酸塩類、Ｎ－ラウロイルメチル－β－アラニン塩、Ｎ－アシルグリシン塩、Ｎ－アシルグルタミン酸塩などが挙げられ、好ましくはラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸ナトリウム（ラウレス硫酸ナトリウム）である。
　また、これらのアニオン性界面活性剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

　酸化染料含有組成物におけるアニオン性界面活性剤の含有量は、特に制限されるものではない。例えば、酸化染料含有組成物におけるアニオン性界面活性剤の含有量としては、好ましくは０．００１質量％以上２０．０質量％以下である。下限値としては、より好ましくは０．０２質量％以上であり、さらに好ましくは０．１質量％以上であり、特に好ましくは０．５質量％以上である。一方、上限値としては、より好ましくは１０．０質量％以下であり、さらに好ましくは５．０質量％以下であり、特に好ましくは３．０質量％以下であり、より特に好ましくは１．５質量％以下である。アニオン性界面活性剤の含有量を上記範囲に調整することにより、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物の乳化安定性を一層高めることができる。

（両性界面活性剤）
　両性界面活性剤は、ｐＨにより親水基部分が正に帯電したり、負に帯電したりする界面活性剤である。例えば、両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。

　アミノ酸型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、Ｎ－ラウロイル－Ｎ’－カルボキシメチル－Ｎ’－ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム（ラウロアンホ酢酸Ｎａ）、２－アルキル－Ｎ－カルボキシメチル－Ｎ－ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、Ｎ－ヤシ油脂肪酸アシル－Ｎ’－カルボキシエチル－Ｎ’－ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、Ｎ－ヤシ油脂肪酸アシル－Ｎ’－カルボキシエトキシエチル－Ｎ’－カルボキシエチルエチレンジアミン二ナトリウム、Ｎ－ヤシ油脂肪酸アシル－Ｎ’－カルボキシメトキシエチル－Ｎ’－カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、パーム油脂肪酸アシル－Ｎ－カルボキシエチル－Ｎ－ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどのグリシン型両性界面活性剤；ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミンなどのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤が挙げられる。

　また、ベタイン型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤；ラウリルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤が挙げられ、好ましくはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインである。
　また、これらの両性界面活性剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

　酸化染料含有組成物における両性界面活性剤の含有量は、特に制限されるものではない。例えば、酸化染料含有組成物における両性界面活性剤の含有量としては、好ましくは０．００１質量％以上１５．０質量％以下である。下限値としては、より好ましくは０．０２質量％以上であり、さらに好ましくは０．１質量％以上であり、特に好ましくは０．５質量％以上である。一方、上限値としては、より好ましくは１０．０質量％以下であり、さらに好ましくは７．５質量％以下であり、特に好ましくは６．０質量％以下である。

（油性成分）
　油性成分は、毛髪の状態をしなやかにするものであれば特に制限されるものではない。例えば、油脂、高級脂肪酸、ロウ類、炭化水素油、アルキルグリセリルエーテル、エステル油、シリコーン油などが挙げられる。
　また、これらの油性成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

　油脂の具体例としては、例えば、オリーブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油、月見草油などが挙げられる。

　高級脂肪酸は、炭素数６以上の脂肪酸である。高級脂肪酸の炭素数としては、特に制限されないが、例えば、好ましくは１０以上２４以下であり、より好ましくは１２以上１６以下である。高級脂肪酸の具体例としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸などが挙げられる。好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びパルミチン酸などが挙げられる。
　また、これらの高級脂肪酸は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

　酸化染料含有組成物における高級脂肪酸の含有量は、目的とする高級脂肪酸の作用を発揮できれば特に制限されるものではない。例えば、酸化染料含有組成物における高級脂肪酸の含有量としては、好ましくは０．００５質量％以上５．０質量％以下である。下限値としては、より好ましくは０．０１質量％以上であり、さらに好ましくは０．１質量％以上であり、特に好ましくは０．５質量％以上である。一方、上限値としては、より好ましくは４．０質量％以下であり、さらに好ましくは３．０質量％以下であり、特に好ましくは２．０質量％以下である。

　ロウ類の具体例としては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン、鯨ロウ、コメヌカロウ、サトウキビロウ、パームロウ、モンタンロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、カポックロウ、セラックロウなどが挙げられる。

　炭化水素油の具体例としては、例えば、流動パラフィン、パラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、合成スクワラン、水添スクワラン、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、オゾケライト、セレシン、リモネン、テレビン油などが挙げられる。

　アルキルグリセリルエーテルとしては、例えば、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルなどが挙げられる。

　エステル油の具体例としては、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸－２－ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸２－エチルへキシル、エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸イソセチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、脂肪酸（Ｃ１０－３０）（コレステリル／ラノステリル）、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、リシノール酸オクチルドデシル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸Ｎ－アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチルなどが挙げられる。

　シリコーン油の具体例としては、例えば、ジメチルポリシロキサン（ジメチコン）、ヒドロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサン（ジメチコノール）、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、平均重合度が６５０～１００００の高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーンなどが挙げられる。

　上記のアミノ変性シリコーンの具体例としては、例えば、アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体（アミノプロピルジメチコン）、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体（アモジメチコン）、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体（トリメチルシリルアモジメチコン）などが挙げられる。

　酸化染料含有組成物における油性成分の含有量は、目的とする油性成分の作用を発揮できれば特に制限されるものではない。例えば、油性成分の含有量としては、好ましくは０．０１質量％以上６０．０質量％以下である。下限値としては、より好ましくは０．１質量％以上であり、さらに好ましくは１．０質量％以上であり、特に好ましくは２．０質量％以上である。一方、上限値としては、より好ましくは４０．０質量％以下であり、さらに好ましくは２０．０質量％以下であり、特に好ましくは１０．０質量％以下である。

（高分子化合物）
　高分子化合物は、第１剤、及び第２剤の粘度、毛髪の状態などを向上させるものであれば特に制限されるものではない。例えば、カチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム、ジアリル４級アンモニウム塩の重合体、又は共重合体、４級化ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
　また、これらの高分子化合物は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

　カチオン化セルロース誘導体の具体例としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロースに塩化グリシジルトリメチルアンモニウムを付加して得られる４級アンモニウム塩の重合体であるポリクオタニウム－１０（例えば、レオガードＧ（ライオン社）など）、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドであるポリクオタニウム－４（例えば、セルコートＨ－１００（アクゾノーベル社）など、塩化Ｏ－［２－ヒドロキシ－３－（ラウリルジメチルアンモニオ）プロピル］ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。

　ジアリル４級アンモニウム塩の重合体、又は共重合体の具体例としては、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド重合体（ポリ塩化ジメチルジメチレンピロリジニウム）であるポリクオタニウム－６（例えば、マーコート１００（ルーブリゾール社）など）、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド／アクリル酸共重合体であるポリクオタニウム－２２（例えば、マーコート２８０（ルーブリゾール社）など）、アクリル酸／ジアリル第四級アンモニウム塩／アクリルアミド共重合体であるポリクオタニウム－３９（例えば、マーコートプラス３３３１（ルーブリゾール社）など）などが挙げられる。

　４級化ポリビニルピロリドンの具体例としては、例えば、ビニルピロリドンとメタクリル酸ジメチルアミノエチルの共重合体と硫酸ジエチルから得られる４級アンモニウム塩であるポリクオタニウム－１１（例えば、ガフコート７３４、ガフコート７５５（いずれもアイエスピー・ジャパン社）など）などが挙げられる。

　その他、高分子化合物としては、カルボキシビニルポリマーなどのアニオン性ポリマー、水溶性ポリマーなどが挙げられる。水溶性ポリマーの具体例としては、例えば、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン、アルゲコロイド（褐藻エキス）などの植物性高分子、デキストラン、プルランなどの微生物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプンなどのデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマーなどのビニル系高分子などが挙げられる。

（ペプチド、アミノ酸）
　ペプチドやアミノ酸は、毛髪の状態を向上させるものであれば特に制限されるものではない。例えば、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、シルク、カゼイン、ゼラチンなどの動物系蛋白質、コムギ、オオムギ、カラスムギ、ダイズ、アーモンドなどの植物から得られるタンパク質、これらのタンパク質を酸、アルカリ、酵素などにより加水分解したものなどが挙げられる。
　また、これらのペプチドやアミノ酸は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

（キレート剤）
　キレート剤は、濃染性を向上させるものであれば特に制限されるものではない。例えば、エチレンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ、エデト酸）、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸（ＨＥＤＴＡ）、及びその塩、ジエチレントリアミン五酢酸、及びその塩、並びにヒドロキシエタンジホスホン酸（ＨＥＤＰ、エチドロン酸）、及びその塩などが挙げられる。
　また、これらのキレート剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

（ｐＨ調節剤）
　ｐＨ調節剤は、第１剤、及び第２剤の安定性を向上させるものであれば特に制限されるものではない。ｐＨ調節剤は、無機酸、又は有機酸である酸成分と、無機アルカリ、又は有機アルカリであるアルカリ成分とからなる。なお、好ましくは、有機酸と有機アルカリからなるものである。

　有機酸の具体例としては、例えば、グリコール酸や乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などのヒドロキシカルボン酸、コハク酸などのジカルボン酸などが挙げられる。
　有機アルカリの具体例としては、例えば、モルフォリンなどの揮発性アルカリ成分、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、２－アミノ－２－メチル－1－プロパノールなどのアミノアルコール類、Ｌ－アルギニン、Ｌ－リジン、Ｌ－ヒスチジンなどの塩基性アミノ酸などが挙げられる。

（アルカリ剤）
　アルカリ剤は、毛髪を膨張させて、染料や酸化剤の浸透を促進する作用を有するものであれば特に制限されるものではない。例えば、アルカリ剤としては、アンモニア、アルカノールアミン、アンモニウム塩、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、リン酸塩、塩基性アミノ酸、水酸化物、及びそれらの塩などが挙げられる。

　アルカノールアミンの具体例としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、２－アミノ－２－メチル－１，３－プロパンジオール、２－アミノ－２－メチル－１－プロパノール、２－アミノ－２－ヒドロキシメチル－１，３－プロパンジオールなどが挙げられる。アンモニウム塩の具体例としては、例えば、塩化アンモニウムなどのハロゲン化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウムなどの無機系アンモニウム塩、乳酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、グリコール酸アンモニウムなどの有機系アンモニウム塩などが挙げられる。ケイ酸塩の具体例としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどが挙げられる。炭酸塩の具体例としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸マグネシウム、炭酸グアニジンなどが挙げられる。炭酸水素塩の具体例としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。メタケイ酸塩の具体例としては、例えば、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウムなどが挙げられる。リン酸塩の具体例としては、例えば、リン酸二アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどが挙げられる。塩基性アミノ酸の具体例としては、例えば、アルギニン、リジン、及びそれらの塩などが挙げられる。水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。なお、アンモニア、及びアルカノールアミンが好ましい。
　また、これらのアルカリ剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

　アルカリ剤を含有する第１剤におけるアルカリ剤の含有量は、目的とするアルカリ剤の作用を発揮できれば特に制限されるものではない。例えば、アルカリ剤を含有する第１剤におけるアルカリ剤の含有量としては、好ましくは０．０１質量％以上４０．０質量％以下である。下限値としては、より好ましくは０．０５質量％以上であり、さらに好ましくは０．１質量％以上であり、特に好ましくは０．２質量％以上である。一方、上限値としては、より好ましくは３０．０質量％以下であり、さらに好ましくは２０．０質量％以下であり、特に好ましくは１０．０質量％以下である。

（直接染料）
　直接染料は、色を有する化合物であり、毛髪に付着、又は浸透して染毛する染料であれば特に制限されるものではない。例えば、酸性染料、塩基性染料、天然染料、ニトロ染料、ＨＣ染料、分散染料などが挙げられる。
　また、これらの直接染料は、所望する毛髪の色調に応じて単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

　酸性染料の具体例としては、例えば、赤色２号、赤色３号、赤色１０２号、赤色１０４号の（１）、赤色１０５号の（１）、赤色１０６号、赤色２２７号、赤色２３０号の（１）、黄色４号、黄色５号、黄色２０２号の（１）、黄色２０２号の（２）、黄色２０３号、だいだい色２０５号、だいだい色２０７号、だいだい色４０２号、緑色３号、緑色２０４号、緑色４０１号、紫色４０１号、青色１号、青色２号、青色２０２号、かっ色２０１号、黒色４０１号などが挙げられる。

　塩基性染料の具体例としては、例えば、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 47、Basic Blue 75、Basic Blue 99、Basic Blue 124、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87などが挙げられる。

　天然染料の具体例としては、例えば、クチナシ色素、ウコン色素、アナトー色素、銅クロロフィリンナトリウム、パプリカ色素、ラック色素、ヘナなどが挙げられる。

　ニトロ染料の具体例としては、例えば、４－ニトロ－ｏ－フェニレンジアミン、２－ニトロ－ｐ－フェニレンジアミン、２－アミノ－４－ニトロフェノール、２－アミノ－５－ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩などが挙げられる。

　ＨＣ染料の具体例としては、例えば、HC Blue No.2、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue No.9、HC Blue No.10、HC Blue No.11、HC Blue No.12、HC Blue No.13、HC Blue No.16、HC Orange No.1、HC Orange No.2、HC Orange No.3、HC Red No.1、HC Red No.3、HC Red No.7、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、HC Red No.14、HC Violet No.1、HC Violet No.2、HC Yellow No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.5、HC Yellow No.6、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10、HC Yellow No.11、HC Yellow No.12、HC Yellow No.13、HC Yellow No.14、HC Yellow No.15などが挙げられる。

　分散染料の具体例としては、例えば、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red 15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Violet 15などが挙げられる。

　酸化染料含有組成物における直接染料の含有量は、目的とする直接染料の作用を発揮できれば特に制限されるものではない。例えば、直接染料の含有量としては、好ましくは０．００１質量％以上２０．０質量％以下である。下限値としては、より好ましくは０．０５質量％以上であり、さらに好ましくは０．１質量％以上であり、特に好ましくは０．５質量％以上である。一方、上限値としては、より好ましくは１５．０質量％以下であり、さらに好ましくは１０．０質量％以下であり、特に好ましくは５．０質量％以下である。

　第１剤には、その他にも、酸化防止剤（例えば、アスコルビン酸、無水亜硫酸ナトリウムなど）、防腐剤（例えば、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウムなど）、有機溶剤（例えば、エタノールなど）、糖類（例えば、ソルビトール、マルトースなど）、安定剤（例えば、フェナセチン、８－ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、及びタンニン酸など）、無機塩（例えば、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウムなど）、緩衝剤（リン酸ナトリウムなど）、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤、並びに「医薬部外品原料規格」（２００６年６月発行、薬事日報社）に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を含有させてもよい。

　酸化染料含有組成物である第１剤のｐＨは、特に制限されないが、好ましくは７．０～１３．０である。下限値としては、より好ましくは７．５以上であり、さらに好ましくは８．０以上である。上限値としては、より好ましくは１２．０以下であり、さらに好ましくは１１．０以下である。第１剤のｐＨをアルカリ性とすることにより、強い中和反応を実施することができる。また、濃染性を高めることができる。

［第２剤：酸化剤含有組成物］
　酸化剤含有組成物である第２剤とは、酸化染料を酸化して発色させる作用や、毛髪の内部のメラニンを分解する作用などを有する組成物である。

＜酸化剤＞
　酸化剤は、酸化染料を酸化して発色させる作用や、毛髪の内部のメラニンを分解する作用を有するものであれば特に制限されるものではない。例えば、酸化剤としては、過酸化水素、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、過酸化尿素、過酸化メラミン、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、過酢酸、過ギ酸、過酢酸塩、過ギ酸塩、過マンガン酸塩、臭素酸塩などが挙げられる。これらの酸化剤の中でも、メラニンの脱色力に優れることから、好ましくは過酸化水素である。
　また、これらの酸化剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。

　なお、酸化剤として過酸化水素を含有する場合、その安定性を向上させる安定化剤として、エチレングリコールフェニルエーテル（フェノキシエタノール）、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウムやヒドロキシエタンジホスホン酸二ナトリウムなどのヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム塩、スズ酸ナトリウム、スズ酸カリウムなどのスズ酸塩などを配合してもよい。
　また、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、及び過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩などを酸化助剤として含有してもよい。

　酸化剤含有組成物における酸化剤の含有量は、特に制限されるものではない。例えば、酸化染料含有組成物における酸化剤の含有量としては、好ましくは０．０５質量％以上３０．０質量％以下である。下限値としては、より好ましくは０．１質量％以上であり、さらに好ましくは０．３質量％以上であり、特に好ましくは０．５質量％以上である。一方、上限値としては、より好ましくは２０．０質量％以下であり、さらに好ましくは１５．０質量％以下であり、特に好ましくは１０．０質量％以下である。

＜その他の成分＞
　酸化剤含有組成物である第２剤には、必要に応じて、酸化染料含有組成物である第１剤に配合し得る成分を含有してもよい。

　酸化剤含有組成物である第２剤のｐＨは、特に制限されないが、好ましくは１．０～６．５である。下限値としては、より好ましくは１．５以上であり、さらに好ましくは２．０以上である。上限値としては、より好ましくは６．０以下であり、さらに好ましくは５．５以下である。第２剤のｐＨを酸性とすることにより、強い中和反応を実施することができる。

［酸化染料含有組成物の使用方法］
　本発明の酸化染料含有組成物である第１剤の使用方法は、特に限定されないが、好ましくは酸化剤含有組成物である第２剤と混合した酸化染毛剤として、使用することができる。
　なお、酸化染毛剤としては、第１剤と第２剤からなる２剤式のものが代表的であるが、３剤以上からなる多剤式であってもよい。

　第１剤と第２剤を混合後の酸化染毛剤のｐＨは、特に制限されないが、１質量％水溶液におけるｐＨは、好ましくは５．０～１２．０である。下限値としては、より好ましくは６．０以上であり、特に好ましくは７．０以上である。上限値としては、より好ましくは１２．０以下であり、さらに好ましくは１１．０以下であり、特に好ましくは１０．０以下である。酸化染毛剤のｐＨを上記範囲とすることにより、アルカリ剤を含む第１剤のｐＨを大きく変動させることができるため、染毛処理された毛髪の褪色を抑制するという本発明の効果がより発揮される。

　第１剤の剤型は、乳化状であればよい。一方、第２剤の剤型は、どのような形態であってもよく、混合性や塗布性などを勘案して適宜設計する。例えば、液状、クリーム状、ジェル状などが挙げられる。また、一浴式の場合には、各剤の混合後の酸化染毛剤が、液状、クリーム状、ジェル状などの塗布性を有する剤型であればよく、一部の剤に粉末状や固形状のものが含まれていてもよい。また、塗布時の剤型を泡状やミスト状としてもよい。泡状とする場合には、エアゾールフォーマー容器、ノンエアゾールフォーマー容器、振とう容器などを使用すればよい。ミスト状とする場合には、噴霧器を使用すればよい。

　第１剤と第２剤の使用態様は、一浴式のものと二浴式のものに大別される。
＜一浴式＞
　一浴式とは、毛髪へ塗布前、又は塗布時に第１剤と第２剤を混合するものである。具体的には、第１剤と第２剤を容器などで混合するものや、第１剤と第２剤をコームなどに取り、毛髪に同時に塗布して毛髪上で混合するものなどが挙げられる。
　第１剤と第２剤の混合においては、調製用具を用いてもよく、例えば、カップ、皿、ボトル、トレーなどの容器と、刷毛、歯ブラシ、撹拌棒などの撹拌具などが挙げられる。また、振とう容器を用いて、振とうにより第１剤と第２剤を混合してもよい。調製用具は、第１剤と第２剤の混合物の粘度などにより適宜選択される。なお、３剤以上からなる多剤式の場合であっても、第１剤、及び第２剤と共に増粘剤などの第３剤を混合することができる。
　なお、「振とう」とは、第１剤と第２剤を含む剤に流れを起こさせる操作であり、より好ましくは乱流、対流などのランダムな流れを起こさせる操作であり、例えば、容器を手で持ち、振る操作が挙げられる。

　第１剤と第２剤の混合物を毛髪に塗布する手段としては、特に制限されないが、例えば、櫛、ブラシ、刷毛などの塗布具を用いて第１剤と第２剤の混合物を毛髪に付着、又は塗布することができる。また、手袋を着用した手で第１剤と第２剤の混合物を毛髪に付着、又は塗布してもよい。

　毛髪に塗布した第１剤と第２剤の混合物は、酸化染料を酸化して発色するために所定の時間放置する。放置する時間は、酸化染料の種類や酸化剤の濃度などに応じて適宜設計するが、好ましくは１～６０分間である。下限値としては、より好ましくは３分間以上であり、特に好ましくは５分間以上である。上限値としては、より好ましくは４５分間以下であり、特に好ましくは３０分間以下である。

　さらに毛髪に塗布して放置した第１剤と第２剤の混合物を洗い流す場合は、水、お湯などで濯ぐ方法、シャンプーなどの洗浄剤で洗浄する方法などが挙げられる。また、さらに毛髪は、トリートメント、コンディショナーなどで処理してもよい。

＜二浴式＞
　二浴式とは、第１剤と第２剤を別々に毛髪へ塗布するものである。具体的には、第１剤を毛髪へ塗布した後、所定の時間放置し、次いで、第２剤を毛髪へ塗布するものなどが挙げられる。第１剤と第２剤などの各剤を塗布する順は、特に制限されないが、アルカリ剤を含有する第１剤を最初に塗布することが好ましい。これにより、アルカリ剤により毛髪が膨張するため、染料や酸化剤の浸透を促進され、濃染性や褪色抑制に優れた効果を発揮する。

　第１剤を毛髪に塗布してから第２剤を適用する間は、アルカリ剤が毛髪を膨張させるために所定の時間放置することが好ましい。放置する時間は、アルカリ剤の濃度などに応じて適宜設計するが、好ましくは１～６０分間である。下限値としては、より好ましくは３分間以上であり、さらに好ましくは５分間以上である。上限値としては、より好ましくは４５分間以下であり、さらに好ましくは３０分間以下である。

　毛髪に塗布した第１剤と第２剤は、酸化染料を酸化して発色するために所定の時間放置する。放置する時間は、酸化染料の種類や酸化剤の濃度などに応じて適宜設計するが、好ましくは１～６０分間である。下限値としては、より好ましくは３分間以上であり、さらに好ましくは５分間以上である。上限値としては、より好ましくは４５分間以下であり、さらに好ましくは３０分間以下である。

　さらに毛髪に塗布して放置した第１剤と第２剤を洗い流す場合は、水、お湯などで濯ぐ方法、シャンプーなどの洗浄剤で洗浄する方法などが挙げられる。また、さらに毛髪は、トリートメント、コンディショナーなどで処理してもよい。

　なお、３剤以上からなる多浴剤式の場合は、増粘剤などの第３剤などを第１剤や第２剤を毛髪に塗布する前後に毛髪へ塗布すればよく、塗布した後に、所定の時間放置する工程を設けてもよい。

　以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。
　なお、硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物において、以下の［試験１］では、乳化安定性及び濃染性に優れた組成物を評価する試験を行い、以下の［試験２］では、乳化状態及びクリーム性状の安定性に優れた組成物を評価する試験を行った。

［試験１］
（酸化染料含有組成物、及び酸化剤含有組成物の組成）
　表１、表２に示す各成分を含有する酸化染料含有組成物（第１剤）、及び表３に示す各成分を含有する酸化剤含有組成物（第２剤）を調製した。なお、各表における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量％である。表中「（Ａ）」～「（Ｄ）」の表記は、本願請求項、及び本願明細書に記載の各（Ａ）～（Ｄ）成分に対応する化合物を示す。化合物名の「ポリオキシエチレン」の後の括弧中の数値はエチレンオキサイドの平均付加モル数を示す。

（乳化安定性の評価）
　上記で調製した酸化染料含有組成物（第１剤）を、４号規格瓶に３０グラム量り取り、中蓋、及び蓋をして、６０℃にて１週間静置、及び５０℃にて１ヶ月静置し、以下の基準で評価を行った。なお、６０℃における評価は、１日毎に１週間観測した。
　５：乳化状態が非常に優れている（６０℃１週間保存においても、５０℃１ヶ月保存においても分離なし）。
　４：乳化状態が優れている（６０℃３日保存においても、５０℃１ヶ月保存においても分離なし）。
　３：乳化状態が普通である（６０℃１日保存においても、５０℃１ヶ月保存においても分離なし）。
　２：乳化状態が不良である（６０℃１日未満にて分離、５０℃１ヶ月保存においても分離なし）。
　１：乳化状態が特に不良である（６０℃１日未満にて分離、５０℃１ヶ月未満にて分離）。

（濃染性の評価）
　第１剤と第２剤を混合した酸化染毛剤を、黒毛、及び白毛の毛束（１０ｃｍのビューラックス社製）（以下、単に毛束という。）に刷毛を用いて塗布し、３０℃にて１０分間放置した。次に、毛束に付着した酸化染毛剤を水ですすいだ後、毛束にシャンプー（シャンプー用組成物としてホーユー社製のビゲントリートメントシャンプー）を２回、及びリンス（リンス用組成物としてホーユー社製のビゲントリートメントリンス）を１回施した。なお、シャンプー用組成物、及びリンス用組成物は、それぞれ処理毎に水で洗い流している。続いて、毛束を温風で乾燥した後、一日間放置し、濃染性の評価に用いた。
　第１剤と第２剤を混合した酸化染毛剤の濃染性の評価は、まず、パネラーが毛束の染まりの濃さを目視で観察し、優れる（５点）、良好（４点）、可（３点）、やや不良（２点）、及び不良（１点）の５段階で採点した。そして、各パネラーの採点結果について平均値を算出し、以下の評価基準１～５で行った。
　５：濃染性が非常に優れている（平均値が、４．６点以上）。
　４：濃染性が優れている（平均値が、３．６点以上４．６点未満）。
　３：濃染性が普通である（平均値が、２．６点以上３．６点未満）。
　２：濃染性が不良である（平均値が、１．６点以上２．６点未満）。
　１：濃染性が特に不良である（平均値が、１．６点未満）。

　表１において、実施例１～３と比較例１、２を比較すると、ｐ－トルイレンジアミン硫酸塩を２．０質量％含有する酸化染料含有組成物に、（Ｂ－１）成分であるポリオキシエチレン鎖長が１０未満のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤と、（Ｂ－２）成分であるポリオキシエチレン鎖長が１０以上のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を配合することにより、乳化安定性に優れた酸化染料含有組成物を提供することができることがわかった。さらに加えて、濃染性に優れた酸化染料含有組成物とできることもわかった。
　また、実施例１～３と比較例３を比較すると、ｐ－トルイレンジアミン硫酸塩を２．０質量％含有する酸化染料含有組成物に配合する非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン鎖を有する（Ｂ－１）成分と（Ｂ－２）成分の組み合わせの場合に、乳化安定性、及び濃染性が共に優れた酸化染料含有組成物となることがわかった。
　さらに、実施例１～３を比較すると、酸化染料含有組成物に配合された（Ｂ）成分である非イオン性界面活性剤の種類が二種類よりも三種類の場合で乳化安定性が高まることから、組成物に配合する（Ｂ）成分を三種類とすることで、酸化染料含有組成物の乳化安定性をより向上できることがわかった。
　また、実施例１～３と比較例４～６を比較すると、酸化染料含有組成物に配合された（Ｂ）成分である非イオン性界面活性剤に対する（Ｃ）成分である高級アルコールの含有量の比が４．５以上の場合に、乳化安定性、及び濃染性が顕著に優れた酸化染料含有組成物を提供することができることがわかった。

　表２において、実施例４～６を比較すると、ｐ－トルイレンジアミン硫酸塩を２．０質量％含有する酸化染料含有組成物に、（Ｄ）成分であるカチオン性界面活性剤を配合することにより、酸化染料含有組成物の乳化安定性がより向上することがわかった。
　また、実施例１、７を比較すると、酸化染料含有組成物に（Ｄ）成分であるカチオン性界面活性剤を配合した方が、アニオン性界面活性剤であるセチル硫酸ナトリウムを配合するよりも、酸化染料含有組成物の乳化安定性がより向上することがわかった。
　表１、表２における実施例１～１２と比較例４～６を比較すると、酸化染料含有組成物に配合された（Ｂ）成分である非イオン性界面活性剤に対する（Ｃ）成分である高級アルコールの含有量の比が２．５以上の場合に、乳化安定性、及び濃染性に優れた酸化染料含有組成物を提供することができることがわかった。

　また、表１、表２における実施例１～１２と比較例４～６を比較すると、２．０質量％以上の（Ａ）成分、（Ｂ－１）成分、（Ｂ－２）成分、（Ｃ）成分を含有し、（Ｂ－１）成分と（Ｂ－２）成分の含有量に対する前記（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／（Ｂ））が２．５以上の酸化染料含有組成物においては、配合された界面活性剤の総量に対する（Ｃ）成分である高級アルコールの含有量の比が約２．０以上の場合、その比率が増加するに従い、酸化染料含有組成物の乳化安定性、及び濃染性が向上する傾向にある。例えば、（Ｂ－１）成分と（Ｂ－２）成分の含有量に対する前記（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／（Ｂ））が３．６である実施例８と実施例９を比較すると、配合された界面活性剤の総量に対する（Ｃ）成分である高級アルコールの含有量の比が２．７である実施例８は、当該含有量の比が１．９５である実施例９よりも、酸化染料含有組成物の乳化安定性、及び濃染性が向上することが示された。
　これらのことから、酸化染料含有組成物に配合された界面活性剤の総量に対する（Ｃ）成分である高級アルコールの含有量の比が約２．０以上とすることにより、酸化染料含有組成物の乳化安定性、及び濃染性を改善することができるといえる。

　以上の結果から、（Ａ）成分である硫酸塩が付加された酸化染料を２．０質量％以上含有する酸化染料含有組成物に、（Ｂ）成分である非イオン性界面活性剤として、（Ｂ－１）成分であるポリオキシエチレン鎖長が１０未満のものを一種以上、（Ｂ－２）成分であるポリオキシエチレン鎖長が１０以上のものを一種以上、（Ｃ）成分である高級アルコールを配合し、（Ｂ）成分の含有量に対する前記（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／（Ｂ））を２．５以上とすることにより、酸化染料含有組成物の乳化安定性、及び濃染性が向上することが明らかとなった。
　また、酸化染料含有組成物に配合される界面活性剤の総量に対する（Ｃ）成分である高級アルコールの含有量の比が約２．０以上とすること、（Ｂ）成分を三種以上とすること、（Ｄ）であるカチオン性界面活性剤を配合することにより、上記酸化染料含有組成物の乳化安定性、及び濃染性をさらに改善することも明らかとなった。

　なお、参考比較例１～４を見ると、硫酸塩が付加された酸化染料の含有量が２．０質量％以上である場合に、乳化安定性が低下することが認められた。

［試験２］
（酸化染料含有組成物、及び酸化剤含有組成物の組成）
　表５、表６に示す各成分を含有する酸化染料含有組成物（第１剤）、及び表３に示す各成分を含有する酸化剤含有組成物（第２剤）を調製した。なお、各表における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量％である。表中「（Ａ）」～「（Ｆ）」の表記は、本願請求項、及び本願明細書に記載の各（Ａ）～（Ｆ）成分に対応する化合物を示す。化合物名の「ポリオキシエチレン」の後の括弧中の数値はエチレンオキサイドの平均付加モル数を示す。
（乳化安定性の評価）
　上記で調製した酸化染料含有組成物（第１剤）を、４号規格瓶に３０グラム量り取り、中蓋、及び蓋をして、５０℃及び６０℃にて静置し、以下の基準で評価を行った。
　５：５０℃で１か月間、６０℃で２週間静置しても分離が認められない。
　４：５０℃で１か月間、６０℃で１週間静置しても分離が認められない。
　３：５０℃で１か月間、６０℃で３日間静置しても分離が認められない。
　２：５０℃で１か月間、６０℃で１日間静置しても分離が認められない。
　１：５０℃で１か月間では分離が認められないが、６０℃で１日間経過後に分離が認められる。

（垂れ落ちの評価）
　上記で調製した酸化染料含有組成物（第１剤）の２５℃における粘度を測定し、以下の基準で評価した。なお、粘度の測定は、Ｂ型粘度計（東機産業社製　ＴＶ－１０型）を用いて行った。測定条件は、２５℃に調温して、粘度が５０００ｍＰａ・ｓ未満の場合には、３号ローターで回転速度１２ｒｐｍ、１分間の条件で測定し、粘度が５０００～５００００ｍＰａ・ｓの場合には、４号ローターで回転速度１２ｒｐｍ、１分間の条件で測定し、粘度が５００００ｍＰａ・ｓを超える場合には、４号ローターで回転速度６ｒｐｍ、１分間の条件で測定した。
　５：粘度が１４０００ｍＰａ・ｓ以上であり、垂れ落ちのリスクがとても低い。
　４：粘度が１１０００ｍＰａ・ｓ以上、１４０００ｍＰａ・ｓ未満であり、垂れ落ちのリスクが低い。
　３：粘度が７５００ｍＰａ・ｓ以上、１１０００ｍＰａ・ｓ未満であり、垂れ落ちのリスクは問題となる程度ではない。
　２：粘度が６０００ｍＰａ・ｓ以上、７５００ｍＰａ・ｓ未満であり、垂れ落ちのリスクは高い。
　１：粘度が６０００ｍＰａ・ｓ未満であり、垂れ落ちのリスクはとても高い。

（第２剤との混合性の評価）
　上記で調製した酸化染料含有組成物（第１剤）を、アルミチューブに３０グラム量り取り、５０℃にて１ヶ月間静置した後、チューブを切り開いて以下の基準で評価を行った。
　５：表面が滑らかで展延性に優れたクリームであり、第２剤との混合性がとても良好である。
　４：表面が滑らかであるが、評価５と比べてやや展延性が劣り、混合性が多少低下する。
　３：表面の滑らかさが低下し、やや展延性が劣るクリームであるが、第２剤との混合性に問題はない。
　２：表面が不均一であり、クリームの一部又は全部に凝集が認められる。クリームの展延性が悪く、第２剤との混合性も低下する。
　１：クリームから水の分離若しくは染み出しが認められる。

　表５において、実施例１３～１６と比較例８を比較すると、（Ｂ－２）成分であるポリオキシエチレン鎖長が１０以上のポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を配合することにより、乳化安定性、並びに、垂れ落ち及び第２剤との混合性に優れたクリーム状の酸化染料含有組成物を提供することができることがわかった。
　また、実施例１３と実施例１６とを対比すると、（Ｂ－１）成分と（Ｅ）成分を含有すれば、クリームの粘度が向上し、垂れ落ちのリスクの低くなるという効果が確認できた。
　また、実施例１５、実施例１７、例１８、比較例９、比較例１０を比較すると、（Ｅ）成分を含有すれば、乳化安定性に優れ、第２剤との混合性に優れるという効果が確認できた。

　表６において、実施例１９と実施例２０～２３を比較すると、（Ｂ－１）成分の含有量及び（Ｂ－２）成分の含有量の和に対する（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／｛（Ｂ－１）＋（Ｂ－２）｝）が、１．６以上であれば、乳化安定性、並びに、垂れ落ちリスクの低減に優れたクリーム状の酸化染料含有組成物を提供することができることがわかった。また、実施例１９～２２と実施例２３を比較すると、（Ｂ－１）成分の含有量及び（Ｂ－２）成分の含有量の和に対する（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／｛（Ｂ－１）＋（Ｂ－２）｝）が、７．０以下であれば、乳化安定性、並びに、２剤との混合性に優れたクリーム状の酸化染料含有組成物を提供することができることがわかった。

　本発明によって、乳化安定性に優れた硫酸塩が付加された酸化染料を含有する酸化染料含有組成物が提供される。本発明の酸化染料含有組成物は、染毛剤として利用することができる。
　本発明の酸化染料含有組成物を含む染毛剤は、ヒトの頭髪、髭、眉毛、すね毛などの体毛を染色するための染毛剤として利用することができる。その他、ペットなどの動物の体毛を染色するために利用してもよい。
　また、本発明の酸化染料含有組成物を含む染毛剤は、美容室、理容室などにおけるカラーリング用、又はセルフカラーリング用の酸化染毛剤の第１剤として利用することができる。

Claims

（Ａ）硫酸塩が付加された酸化染料、
（Ｂ）非イオン性界面活性剤として少なくとも、
　（Ｂ－１）平均付加モル数が１０未満であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を一種以上、
　（Ｂ－２）平均付加モル数が１０以上であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を一種以上、
（Ｃ）高級アルコールを含有し、
　前記（Ａ）成分の含有量が２．０質量％以上であり、
　前記（Ｂ）成分の含有量に対する前記（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／（Ｂ））が２．５以上であり、乳化状であることを特徴とする、酸化染料含有組成物。
　界面活性剤の総量に対する前記（Ｃ）成分の含有量の比が２．０以上であることを特徴とする、請求項１に記載の酸化染料含有組成物。
　前記（Ｂ）非イオン性界面活性剤は、平均付加モル数の異なるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を三種以上含有することを特徴とする、請求項１～３のいずれか１項に記載の酸化染料含有組成物。
　前記（Ｂ）成分の含有量に対する前記（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／（Ｂ））が４．５以上であることを特徴とする、請求項１～４のいずれか１項に記載の酸化染料含有組成物。
　（Ａ）硫酸塩が付加された酸化染料、
　（Ｂ）非イオン性界面活性剤として、（Ｂ－２）平均付加モル数が１０以上であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤、
　（Ｃ）高級アルコール、
　（Ｅ）２価、３価又は４価の溶剤を含有し、
　前記（Ａ）成分の含有量が２．０質量％以上であることを特徴とする、酸化染料含有組成物。
　前記（Ｂ）非イオン性界面活性剤として、（Ｂ－１）平均付加モル数が１０未満であるポリオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項５に記載の酸化染料含有組成物。
　前記（Ｂ－１）成分の含有量及び前記（Ｂ－２）成分の含有量の和に対する前記（Ｃ）成分の含有量の比（（Ｃ）／｛（Ｂ－１）＋（Ｂ－２）｝）が、１．６～７．０であることを特徴とする、請求項６に記載の酸化染料含有組成物。
　前記（Ｂ－２）成分は、平均付加モル数が５０以上であることを特徴とする、請求項５～７のいずれか１項に記載の酸化染料含有組成物。
　（Ｆ）平均分子量が２００以上のポリアルキレングリコールを含有することを特徴とする、請求項５～８のいずれか１項に記載の酸化染料含有組成物。
　（Ｄ）カチオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、請求項１～９のいずれか１項に記載の酸化染料含有組成物。